SMAPと平成ニッポン~不安の時代のエンターテインメント~
太田省一(著)
/光文社新書
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四半世紀にわたり、誰からも愛されながら活動を続ける国民的グループ・SMAP。彼らが活動した平成という時代は、日本そのもの、そして私たちの暮らしが先行きの見えない不安にさらされた時代でもあった。こうした時代に、SMAPひいてはアイドルは、社会どのように関わったのか? そして社会の側はSMAP、アイドルをどう受け入れたのか? 2016年、今一番読むべきアイドル、エンターテインメント論!
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この作品のレビュー
平均 3.7 (6件のレビュー)
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SMAPについて語ると収拾がつかなくなりそうなので…高校生の頃英語の日記を書くという宿題で、「自分はSMAPが好きなんだが、ずっと彼らをテレビで見ているせいか、彼らがただの芸能人であることはわかってい…るけどなんだか付き合いの長い知り合いのような感じがする」といったもはや日記ですらないくだらないことを書いたら、ネイティヴスピーカーの先生から「テレビの力って恐ろしいものですね。ジョージオーウェルの1984という本をぜひ読んでみなさい」という遥かな高みからのお返事をいただいた苦い思い出を告白するにとどめることとします(ちなみに未読)。
や、しかし。本書を読んだら、その「知り合いかと思えてきちゃう感じ」こそがSMAP人気のミソだったのでは?私けっこう核心ついてたのでは?と思えてきました。
奇しくも1984年生まれである私にとって、夢中になった芸能人はSMAPが初めてくらいなので、それ以前のアイドルやらスターやらとSMAPがどう違ったのかという視点は、実体験としては持ち合わせていません。
でもこうした本やネットでの言説によると、光GENJIまでは手の届かない王子様系だったアイドル像が、SMAPからは身近でフツーで、作られていない等身大の受け答えをする男の子、というのに変わったというのが定説のようです。女性アイドルではおにゃんこクラブというのがいたり、背景には歌謡曲業界の制度変化があったり、歌番組の衰退、バラエティ番組やお笑いの隆盛があったり、SMAP自身もデビュー当初は不遇の時代があって苦労してきたという歴史があったり、まあそんなようなことがよく説明されています。
本書でもそうした内容が述べられますが、テレビやラジオやインタビューやエッセイ本などでメンバーたち自身が語っている言葉を多くとりあげて、SMAP本人たちにとってのSMAPとは何だったのかとか、SMAPとしてどう社会と関わろうとしたのかとか、そういうようなことを語ろうとしているところが特徴的でした。
データや事実だけでなく本人の言も確認していく肉迫感は嬉しいし、やはり「彼らもこういう気持ちのはず!だよね!」と思いたい気持ちを満たしてくれる面はありますが、それってちょっと僭越じゃないのって言いたくなったりもします。
そんなわけでストーリー作りに恣意的な部分があった感はあるものの、そこはライトファン同士わかりあえるところでもあり、タイトル・副題の印象に反して「同じ気持ちをわかちあえた」みたいな読後感がありました(笑)
それでいうと、冒頭の英語の先生とは少なくともあのポイントにおいては全く気持ちが通い合わなかったということになりますが、私も30をいくつか過ぎ、テレビをほとんど見なくなった時期も経て、今になってみるとテレビにのめり込んでいる若い子に「まあ落ち着け」と言いたくなる気持ちもよくわかる。アメリカではトランプ大統領誕生で1984の売り上げがあがっているというニュースも耳に新しい今こそ、ついに私も1984を読むべき時なのでしょうか…。続きを読む投稿日:2017.01.29
2021年12月17日読了。2016年のSMAP解散騒動~解散否定のドタバタの中で刊行された本。類書を最近読んだがそちらはマスコミの報道姿勢・ジャニーズの体制批判の側面が強かったが、こちらは「アイドル…冬の時代」にデビューし鳴かず飛ばずだったSMAPが国民的アイドルになった戦略・プロセスを「時代と人々の不安に寄り添った」ことであるとし、その偉業を称えるような記述になっている。好きのない完成品を見せるのではなく、完璧ではなくときに失敗しながら、才能・努力を生かして成長していく、そのプロセスが見る側の共感を産んだ、ということか。震災やバブル後の低成長など、様々な「不安」に覆われた日本にはSMAPはたしかに必要な存在だったのだと思うが、令和の時代にも形を変えながらSMAPが残っていくような、そんな未来は本当にありえなかったのかねえ…。続きを読む
投稿日:2021.12.17
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