青い鳥文庫ができるまで
岩貞るみこ(作)
,藤田香(絵)
/講談社青い鳥文庫
作品情報
累計200万部突破目前の、とある人気シリーズ。最新刊・第14巻の発売を12月に決めたものの、先生の原稿は遅れに遅れ……。果たして12月発売にまにあうのか?作家、画家、編集部、校閲や販売、印刷所、取次、書店などなど、本が書店に並ぶまでの人々の奮闘を描きます。4ヵ月におよぶ取材にもとづいた臨場感あふれる現場の姿。これを読んだら、あなたも本がつくりたくなっちゃうかも!
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商品情報
- シリーズ
- 青い鳥文庫ができるまで
- 出版社
- 講談社
- 掲載誌・レーベル
- 講談社青い鳥文庫
- 書籍発売日
- 2015.07.15
- Reader Store発売日
- 2016.08.05
- ファイルサイズ
- 7MB
- ページ数
- 240ページ
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この作品のレビュー
平均 4.3 (3件のレビュー)
-
ジャーナリストでノンフィクション作家の岩貞るみこによる、本の作り方をテーマとした小説。
講談社の児童書レーベルである青い鳥文庫の人気シリーズを出版するという設定で、編集者、作家、イラストレーター、経理…担当者、校閲、デザイナー、印刷所、書店員…のみなさんがどのような流れで、どのような気持ちで本を作って読者に届けるか。
完全にフィクション小説ではありますが、綿密な取材を行い、作家やイラストレーターからのコメントがあり、ほぼ事実に基づいています。
お話としても面白いし、本を作るための熱意や心意気が伝わってきます。
仕事というのは、それを誰かが必要としているからあるんですよね。
自分が送っているこの生活がどれだけ多くの人の手を通ってきているか、それぞれの人がどれだけがんばってくれているか。
そして自分の仕事は、全体の仕事の一部が自分の手を通って、そしてそれを必要な誰かのところに届いている。
「本を作る」ということを通して、仕事の事も考えられてとても良い小説です。小学生から大人までお勧め!
青い鳥文庫はこちら
http://aoitori.kodansha.co.jp/
小説で本の作り方のスケジュールが書かれているのでせっかくなので個人メモ。
3月:講談社編集部の企画会議で、年間予定表の進捗確認。
ヒロインの元気女性編集者モモタが担当する『白浜夢一座が行く!』は12月の販売となる。そこで作者の綾小路さくらと、原稿を8月中旬に上げてもらうように打ち合わせをする。
9月末:原稿が大幅に遅れ、やっと1/3できた。スケジュールが押せ押せ^^;。
10/3:青い鳥文庫のお便り『青い鳥通信』の内容決定日。
ここで「12月に発売」と載せたら「書けませんでした」では済まない(-_-;)。12月発売にするか?1月にするか?諸事情により1月にするのはかなり厳しく、12月に決定。
以下日程は、通常のスケジュールより1ヶ月半遅れを関係者全員が特急で仕上げたもの。
10/5:やっと原稿が書き上がった!
ここで編集のモモタと作者綾小路で打ち合わせ。内容の矛盾の書き直しや、漢字の統一など。
そのまま編集者モモタは、作家の原稿を印刷の規格にあった状態に治す「セント・ワーズ」に持っていく。規格を調整しながら、言葉の統一やどこまでルビを入れるか、の確認なども行う。
10/7:委託している印刷会社に渡す。
目次は書体を変えるか、「扉」の空白ページを入れるか、などの調整。漢字や書体は、青い鳥文庫に「この場合はこの漢字を使う」「ここではひらがなにする」のルールがあるのでそれに従う。
10/12:校閲その1(初校)
印刷会社から『ゲラ』(文庫を開いて全部コピーした感じのもの)が仕上がった。イラストレーター、感想を述べてくれる人たち、校閲局に回す。校閲では漢字の変換ミス、外国語表記の調整、事実と間違っていることがないかなどを確認する。ここで大変なのは、変な言葉があった場合に、ミスなのか、あえて統一していないのか、その作家やシリーズの特徴を分かった上でやらなければいけないということ。特に児童文学の場合は、現代の言葉遣いが自然だが、あまりにも日本語を崩すわけにもいかない。
10/14:イラストレーターから、カバーのラフ画が届く。
経理上の確認をするために業務部に。「クリスマスだから金色にしたい」「本の値段がこれだけ高くなるよ。こうしたら安くなるよ?」みたいなやりとりになる。
10/18:カバーデザイン
イラストレーターのカバー絵が決り、カバーデザインを決めるためにデザイナーのところに持っていく。題名の配置、フォント、色を決めていく。(書いていないけど帯もこの段階で決めるのかな?いつもさっさと捨ててしまってごめんなさい。。)
さらに、本文のイラストの配置を考えるのも編集者の仕事。本の全体のページ数から、本文のページ数、目次や扉の空白ページ、奥付の枚数を引いて、どのくらいのイラストを入れるかを計算する。そして何ページ目にイラストを入れるかを指定する。イラストの入れ方は4種類ある。「1ページまるごとイラスト」「ページの縦半分二イラスト」「上下どちらかの半分にイラスト」「小さいイラストをはめ込む」。全体にバランスよく配置する。それによりどの文字で改ページになるのかなど、一つ一つ数えていく…^^;
10/15:イラストの配置が決まったら、イラストレーターに依頼する。イラストレーターの意見が取り入れられて、本文修正になることも。
10/27:完成したイラストを作家に回して最終確認。(小説なので、お互いにわかり合い褒め合ってスムーズに進んでいますが、ここで差し戻しとかになったらどうなるんでしょう…)
10/28:校閲から戻ってきたゲラで、作家と調整。
10/31:「編成表」を持って印刷会社へ。
編成表とは、本全体の中で、何ページ目が目次で何ページ目にイラストが入る…ということを書いたもの。
11/2:印刷会社から再校が出来上がる。そのまま校閲局にもちこむ。
11/4:校閲と同時進行でページのデザインをデザイナーに依頼する。
人物紹介、あとがきは、本文とは別にデザインする。本文の内容にあうように、そして今回はクリスマスとうコンセプトに合うように。
11/11:校閲終了。
通常ではこのように1週間で校閲終了はありえないほどの超特急だそうな。せめて2週間ほしいらしい。
その後作家やイラストレーター、本当に最後の確認。
11/22:印刷会社に再校原稿を戻す。(遅れに遅れに遅れてる)
小説ではここでISBNナンバー取り忘れに気が付き、慌ててナンバーを取っている。
なおISBNナンバーとは日本を含む世界中で取られている本の固有番号。この番号で検索もできるので、いわゆる本の戸籍のようなもの。奥付や裏表紙に印刷されている「978−4−〇〇〇〇」というナンバーで、本のバーコードナンバーでもあります。
11/24:印刷のまえに「下版」というものを作ります。
どのような印刷をして、折り畳んで、カットしていくのか、を初めて知りました。
11/25:印刷開始。
カバー制作。
カバーに薄いセロハンのようなものを貼る。
それぞれ別の会社に下請け。
11/30:製本。
本に表紙を付け、カバーを掛け、栞やはがきや通信などを挟む。(すぐに捨てててごめんなさい…(-_-;))
12/6:講談社に、完成した本が届く。
講談社の本を書店に渡す「取次」という販売会社に回す。
12/9:発売日!
書店に本が届く。書店員が配置やレイアウトを考える。
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