この作品のレビュー
平均 3.7 (10件のレビュー)
-
☆2(付箋4枚/P191→割合2.09%)
魚と真水の関係、森と海の関係。とても大事ですね。
人と海の関係もよく考察されていて、適切なインセンティブ制度が本当に大事だし、可能なのだと勉強になりました…。
・中国の回転寿司ではシャリ玉があって、すでに切られたネタを乗っけてるだけだった。そのネタも真空パックに入って、冷凍されたモノだ。滑稽だったのは、ただネタをシャリの上に乗せてるだけなのに、やってるヤツは真剣そのもので、それを見守る上司の厳しい目。そしてときどき上司からお叱り(中国語だからわからねぇが)が飛んでいた。何度も繰り返すが、ネタをただ乗せるだけなのに、だっ!
何軒かの回転寿司屋を回って、あることに気がついた。それは、日本では当たり前の水場がないってこと。前にも書いたが、魚を処理するときには、流水でやるってのが基本だ。しかしホテルの風呂でさえ、入った瞬間に足の裏にジャリって感じを受けるような水で、魚を扱ったらたまらない。
そして最終日の夜、高級ホテル内にある、日本から来てる有名店に行ってみたんだ。日本人の板さんでホッとしたのをよく覚えてる。
「ココにある魚、日本から持ってきてるみたいだけど、どうやっておろすの?水はどうしてるの?」とぶっちゃけ聞いてみたんだ。すると板さん、よくぞ聞いてくれたとばかりに、
「そうなんですよ!間違ってもココではおろせません。ここは5つ星ホテルですから、ホテル自体に二つの浄水器がつけられています。それでも危ないから、ウチの店には三つつけてるんですよ。それでも私は、歯磨きすらしませんよ」
「じゃ、どこでおろすの?」
「ちゃんとした水がある工場でやるんですよ」
と言っていた。
帰りにお勘定をしてみて、あまりに高価で目ン玉が飛び出たが、店のほかに加工場まで設けてやらざるをえないんだから、仕方がないと思った。同時に、日本はなんて恵まれているんだろうと思った。
・たとえばサンマだったら、今年はこれだけ取ってよいですよぉと発表される。
もしあなたが漁業者だったら、このときにどう考えるだろう?少なくともオレだったら、「なるほど!TAC数量に達したら終漁になっちゃうんだな。だったらその数量に達する前に、他船より早く、より多く撮ってやろう」って気になる。
漁業者みんながこう考えて先を競ってやたらと捕る、イコール乱獲が起きてしまう。これがTAC制度、別名オリンピック制度と呼ばれるこの方式の最大の弊害なんだ。
・(IQ 漁獲枠個別割当制度が導入されれば)漁業に限らず、すべての売上ってもんは「数量×単価」で決まる。今まではこの「数量」を稼いで売上を上げるって考え方をしてきた。ところがその肝心の「数量」がきめられちゃったんだから、今度は「単価」を上げる工夫をしなくちゃならねぇ。単価を上げるにはどうしたらよいのか?高く売れる魚を捕らなきゃいけないよね。じゃ高く売れる魚ってどんなのだろうと考える。するとおのずと答えが出てくる。消費者、すなわちマーケットがよいと認める価値の高い魚だ。要するに、大きくて丸々太ったおいしい魚を捕らなきゃならないってことになる。…その結果、市場価値がなかったり、養殖のエサにしかならないような小さな魚は、海に残されていく。
・2014年10月末に、日本とメキシコとの間で、太平洋クロマグロの漁獲削減の国際交渉があった。
日本は50%削減を主張し、メキシコは25%削減を訴えた。当然これだけ聞いたら「さすが日本だ。資源管理に前向きだねぇ」とだれでも思う。
ところがこれには、からくりがある。なんと実質の削減量はメキシコのほうが多かったんだ。日本はとても豊漁だった年の50%を主張し、メキシコは漁獲量の少ない年の25%だった。そして水産庁はメキシコに対しあらゆるプレッシャーをかけて50%削減を勝ち取り、マスコミは「メキシコの消極的な25%ではなく、資源管理に前向きな日本が50%でおしきったっ!」的な報道をした。ちょっと調べればわかることなのに、ジャーナリズムも地に落ちたもんだ。続きを読む投稿日:2015.03.27
恥ずかしながら著者を知らず。
勝川先生の本を借りる時に目にとまり、「魚河岸の三代目?何で専門家でない人がこんな本を…」と思い、面白そうだったので一緒に借りてみた。
所謂科学的な専門家ではないけど、あ…らゆるジャンルから魚を勉強されているようで、とても良い本でした。
主張は勝川先生の本と同じ。
日本の漁業を立て直すにはどうしたらいいか。
でも一般の読者に寄り添ってる感じで、共感しやすい。
勝川先生もこういう本出せば良いと思うんだが。
悪い言い方をすると感情論が挟まってるんだけど、思わず共感してしまう。
例えば、
「日本の魚の繊細な味、外国人にはわかんないだろうなぁ」的な文。
外国の方を差別するわけじゃないんだけど、これはほんとにそんな気がするのだ。
日本人は漁法、〆方、食べるまでの日数、捌き方、寝かせ方、味付け、料理法、食べ方…獲ってから食卓に並ぶまでのあらゆる行程を試行錯誤してきた。しかも魚種毎に。
この行程1つ1つが美味しく食べれるかどうかを大きく左右する。
日本人だってわかってない人がほとんど。
三枚卸の技術も無い国々に、この味の違いを語れる訳がないのだ。これはしょうがない。
「『魚が獲れなくなっても養殖技術があるんでしょ』という理屈は大嫌いだ」という文。
ほんとに!科学的に養殖にはいろいろ問題があるという点を差し引いても、この発想ほんとムカつくと思ってた。
ああいう、「頭の良い人達が善きに計らってくれてるんでしょ」的な他力本願世代、まぁ正に私の世代を含めなんですけど、こういう人間達が日本を駄目にしてきたんだよ。
勿論この本は感情論の本ではないのでご安心ください。
生田氏は一般市民でありながら、実際に行動に移してる所がすごい。
海外に行って実際に見てみたり、著書で人々に訴えたり。段々研究者、マスコミ、政治家にも味方ができてきたり。
そのせいでバックが付いている怪しい人と思われる事もあるようだけど(笑)
国民1人1人が意識を変えれば、大袈裟でなく、日本や世界のあらゆる問題が解決するかもしれない。
今まで魚に興味が無かった人にも読んでほしい1冊。続きを読む投稿日:2017.07.10
新刊自動購入は、今後配信となるシリーズの最新刊を毎号自動的にお届けするサービスです。
- ・発売と同時にすぐにお手元のデバイスに追加!
- ・買い逃すことがありません!
- ・いつでも解約ができるから安心!
※新刊自動購入の対象となるコンテンツは、次回配信分からとなります。現在発売中の最新号を含め、既刊の号は含まれません。ご契約はページ右の「新刊自動購入を始める」からお手続きください。
※ご契約をいただくと、このシリーズのコンテンツを配信する都度、毎回決済となります。配信されるコンテンツによって発売日・金額が異なる場合があります。ご契約中は自動的に販売を継続します。
不定期に刊行される「増刊号」「特別号」等も、自動購入の対象に含まれますのでご了承ください。(シリーズ名が異なるものは対象となりません)
※再開の見込みの立たない休刊、廃刊、出版社やReader Store側の事由で契約を終了させていただくことがあります。
※My Sony IDを削除すると新刊自動購入は解約となります。
お支払方法:クレジットカードのみ
解約方法:マイページの「予約・新刊自動購入設定」より、随時解約可能です続巻自動購入は、今後配信となるシリーズの最新刊を毎号自動的にお届けするサービスです。
- ・発売と同時にすぐにお手元のデバイスに追加!
- ・買い逃すことがありません!
- ・いつでも解約ができるから安心!
- ・優待ポイントが2倍になるおトクなキャンペーン実施中!
※続巻自動購入の対象となるコンテンツは、次回配信分からとなります。現在発売中の最新巻を含め、既刊の巻は含まれません。ご契約はページ右の「続巻自動購入を始める」からお手続きください。
※ご契約をいただくと、このシリーズのコンテンツを配信する都度、毎回決済となります。配信されるコンテンツによって発売日・金額が異なる場合があります。ご契約中は自動的に販売を継続します。
不定期に刊行される特別号等も自動購入の対象に含まれる場合がありますのでご了承ください。(シリーズ名が異なるものは対象となりません)
※再開の見込みの立たない休刊、廃刊、出版社やReader Store側の事由で契約を終了させていただくことがあります。
※My Sony IDを削除すると続巻自動購入は解約となります。
お支払方法:クレジットカードのみ
解約方法:マイページの「予約自動購入設定」より、随時解約可能ですReader Store BOOK GIFT とは
ご家族、ご友人などに電子書籍をギフトとしてプレゼントすることができる機能です。
贈りたい本を「プレゼントする」のボタンからご購入頂き、お受け取り用のリンクをメールなどでお知らせするだけでOK!
ぜひお誕生日のお祝いや、おすすめしたい本をプレゼントしてみてください。※ギフトのお受け取り期限はご購入後6ヶ月となります。お受け取りされないまま期限を過ぎた場合、お受け取りや払い戻しはできませんのでご注意ください。
※お受け取りになる方がすでに同じ本をお持ちの場合でも払い戻しはできません。
※ギフトのお受け取りにはサインアップ(無料)が必要です。
※ご自身の本棚の本を贈ることはできません。
※ポイント、クーポンの利用はできません。クーポンコード登録
Reader Storeをご利用のお客様へ
ご利用ありがとうございます!
エラー(エラーコード: )
ご協力ありがとうございました
参考にさせていただきます。