在日の耐えられない軽さ
鄭大均(著)
/中公新書
作品情報
父は一九二〇年代に来日した、日本語小説を書いた最初の朝鮮人で、のちに皇道思想家。戦後は心の病に冒され、六〇年にひとり帰国した――。父や母の歴史と子供たちの人生との間にはどのようにつながりがあるのか。本書は、ひとつの「在日」家族の誕生から終焉まで、そして、そのひとりひとりの生き方を、戦前から現在にいたる日本と韓国の関係と重ね合わせて描くことによって、新たな認識と洞察を読者にもたらす。
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商品情報
- シリーズ
- 在日の耐えられない軽さ
- 著者
- 鄭大均
- 出版社
- 中央公論新社
- 掲載誌・レーベル
- 中公新書
- 書籍発売日
- 2006.08.25
- Reader Store発売日
- 2024.02.29
- ファイルサイズ
- 6.3MB
- ページ数
- 200ページ
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この作品のレビュー
平均 4.0 (4件のレビュー)
-
耐えられないまでに優しい在日【赤松正雄の読書録ブログ】
タイトルにまずは唸った。『在日の耐えられない軽さ』―いうまでもなく小説「存在の耐えられない軽さ」を借用したものだが、云い得て妙だ。鄭大均・首…都大学東京教授の自叙伝風の著作である。鄭さんについては、私の知人に同教授の大学ゼミ生がいたり、年初の新聞コラム(読売)での永住外国人参政権問題での発言(「在日」を永続化させる、として反対を主張)などを通じて、かねて関心を持ってきていた。ただし、その著書にむきあうのはこれが初めて。いわゆる日韓併合から100年。隣国との関係に改めて思いをいたすためにも、また政治的課題、いや政局的課題としての「参政権問題」を考えるうえでも大いに参考になる。
一読してきわめて優しい語り口には驚くばかり。うらみつらみは抑えて淡々と事実が述べられる。在日に特別な思いを持っている人も、またそうでない人も、新たな出会いとなる。在日一世としての父上の数奇な人生や、一途なまでの戦闘的コリアンとしての妹さんの生き様。これら肉親のある種当たり前の姿が鄭さんの存在を対極にひときわ際立たせている。
韓国・朝鮮籍を持っている在日諸君に、とあてた一番最後の文章群が胸を撃つ。「いまだに祖国の統一だとか民族だとかいう者もいるが、そういう浮世離れは相手にしないほうがいい。日本人になっても、ご先祖さんの地にはノスタルジアを感じる。そのくらいのスタンスが在日には似つかわしい」―これを読んで安堵しない日本人がいるだろうか。壮大な大人に出くわしたような思いがしてならないのは、当方が恐らくありきたりの小人であることを意味しているのだろう。続きを読む投稿日:2010.04.21
著者自身の若い頃のこと、両親きょうだいのことが書かれている。「在日」ということに煩悶しながら生きていたご自身の若い頃。外に向かって激しく生きた父と妹。内に向かって寡黙に生きた母と兄。在日であるがためか…性向のためか、それぞれ厳しい人生を歩んできたのだなあと思った。
こんなタイトルだけど、著者は「一世が戦前から日本に住んでいる特別永住者たちはどんどん日本国籍を取得して、日本人として生きていけばいい」(p.179)、「在日たちはもう祖国との関係を清算していい。韓国籍から離れたほうが韓国人とのつきあいも透明で公平なものになるだろう」なんて述べているので、在日であることを軽く考えたほうがいいという立場だよね。たぶん同じようなことから、外国籍であることを理由に都の管理職試験を拒否され提訴した妹の主張を痛烈に批判もしている。
私はついつい自分の出自や民族を大切に生きることがいいことだと思ってきたし、特に望まずして来日したり生き延びるために来日し日本で暮らしてきた朝鮮半島の人たちが自分たちのルーツを大切にしたり主張することはいいこと、そうすべきだと思ってきたからそうでない著者の主張は驚いた。確かに自分の思ってきたことはある意味、盲目的な思い込みだったかもしれない。かといって、やっぱり自分のルーツにはこだわっていいんじゃないのとも思う。このことは自分のなかでもっと考えていきたい。続きを読む投稿日:2020.06.20
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