ネット右翼になった父
鈴木大介(著)
/講談社現代新書
作品情報
ヘイトスラングを口にする父
テレビの報道番組に毒づき続ける父
右傾したYouTubeチャンネルを垂れ流す父
老いて右傾化した父と、子どもたちの分断
「現代の家族病」に融和の道はあるか?
ルポライターの長男が挑んだ、家族再生の道程!
<本書の内容>
社会的弱者に自己責任論をかざし、
嫌韓嫌中ワードを使うようになった父。
息子は言葉を失い、心を閉ざしてしまう。
父はいつから、なぜ、ネット右翼になってしまったのか?
父は本当にネット右翼だったのか?
そもそもネトウヨの定義とは何か? 保守とは何か?
対話の回復を拒んだまま、
末期がんの父を看取ってしまった息子は、苦悩し、煩悶する。
父と家族の間にできた分断は不可避だったのか?
解消は不可能なのか?
コミュニケーション不全に陥った親子に贈る、
失望と落胆、のち愛と希望の家族論!
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商品情報
- シリーズ
- ネット右翼になった父
- 著者
- 鈴木大介
- 出版社
- 講談社
- 掲載誌・レーベル
- 講談社現代新書
- 書籍発売日
- 2023.01.19
- Reader Store発売日
- 2023.01.18
- ファイルサイズ
- 2.3MB
- ページ数
- 248ページ
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この作品のレビュー
平均 3.6 (66件のレビュー)
-
このレビューはネタバレを含みます
おとん、本当にごめんなさい。そして本当におとん、ありがとうね。
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本書の最後の一文である
ということはつまり本気のでこピンを食らったとしても、一言も漏らすことなく耐えねばならんほどのネタバレということである
「父がネット右翼になった」と感じてから、この最後の一文に辿り着く過程が本書の中身ということになるわけだが、素晴らしかった、面白かった、そして非常に考えさせられた
『ネット右翼』なので、完全に政治信条の本だと思ったら、家族の本だった
家族の分断を回避するための本だった
そして家族という最小単位の分断を回避することで社会の分断を回避するための本だった
「当たり」の本だった
ところで12月は珍しくノンフィクションを読んだ月だった
控えているノンフィクションが数冊あるので年が明けての1月も引き続きノンフィクションを読むことになりそう
何しろ1冊読むとブクログAIが、ノンフィクションばかり勧めてきやがるわけだ
しかも過去にその本を面白いと思った「人」が面白いと思った本を抽出して勧めてきやがるわけだから、めっちゃストライクなわけだ
好みが似てる「人」なわけだからな
で、それをほいほい読む
するとまたそこからストライクなやーつを勧めてくる
で、また読む
で、またいいところをついてくる
Σ(゚Д゚)
私はこれを「ブクログAIスパイラル」と名付けました
そして今まさに「ブクログAIスパイラル」中でございます
相変わらず共感しかないレビューやな投稿日:2023.12.25
このレビューはネタバレを含みます
ここ最近、自分にとって良い本との出会いが続いている。本書もそうだ。私は、いわゆる「ネトウヨ」的な発言を嫌悪している。女性差別、外国人差別、障害者差別など、ありとあらゆる差別を繰り返すこうした人間はクズ…だと思っている。
レビューの続きを読む
なので、本書に関しても、報道等で目にすることが多くなった、実家に帰ってみたら父親が差別的なスラングやヘイト発言をするようになっていた!的なルポルタージュかと思って読み始めたのだが、そんな底の浅い内容ではなかった。
著者の鈴木大介さんは、私と同年代。この中で出てくる時代的なエピソードやカルチャーは、そうそう!と共感できるものばかり。父親を憎悪するに至った過程も、そのひとつとして、「世代の違い」を挙げているが、そこも頷ける。
そして、本書の特徴は、あくまでも著者の家族の物語として書かれている点にあると思う。新書にありがちがな、入門的な概説や、知識や情報をまとめた内容ではない。なので、私は新書を読んで泣くという初めての経験をした。
ネトウヨが発するあらゆる発言や行為への嫌悪に変わりはないが、この著者の父親がネット右翼的な言動をするようになった理由を、時系列的に著者と辿っていくことによって、私自身がネトウヨ的な偶像を創り上げ、その人自身を見ていなかったことに気付かされた。
こう書くと、ネトウヨにもいろんな人がいるのだから、固定観念に縛られず、彼らの声を多様性として捉える必要があるよね。と言っているように聞こえるかもしれないが、そうではない。クズな発言や行動は、止めさせるべきだ。
ただ、著者がいうように「解消不可能な分断と、可能な分断。」(p.222)があるということを、私は本書で学び、自分の中の憎悪や嫌悪と向き合うことができたという点において、良い本に出会えたと思ったのです。続きを読む投稿日:2024.05.31
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