年収443万円 安すぎる国の絶望的な生活
小林美希(著)
/講談社現代新書
作品情報
平均年収443万円――これでは普通に生活できない国になってしまった……ジャーナリストが取材してわかった「厳しい現実」
平均年収の生活、いったい何ができて、何ができないのか?
昼食は500円以内、スターバックスを我慢、年間収支で残るのは30万円、月1万5000円のお小遣いでやりくり、スマホの機種変で月5000円節約、ウーバーイーツの副業収入で成城石井に行ける、ラーメンが贅沢・サイゼリヤは神、派遣より時給が低い正社員、子どもの教育費がとにかく心配……
「中間層」が完全崩壊した日本社会の「本当の危機」とは?
【目次】
■第1部 平均年収でもつらいよ
●毎月10万円の赤字、何もできない「中流以下」を生きる
神奈川県・斉藤慎太郎(48歳)・年収520万円
●「私は下の方で生きている」コンビニは行かず、クーラーもつけない生活
東京都・米田美鈴(35歳)・年収348万円(世帯年収1000万円)
●不妊治療に対する不安…夫婦で月16万円の生活費、「リーマン氷河期世代」の憂鬱
北陸地方・吉川耕太(33歳)・年収450万円
●教育費がとにかく心配…昼食は500円以内、時給で働く正社員
東京都・坂本由香さん(44歳)・年収260万円(世帯年収1000万円)
●三人の子育てをしながら月13回夜勤をこなす看護師の激務
北陸地方・鈴木晴男(42歳)・年収670万円(世帯年収1300万円)
●夫婦で手取り65万円、「ウーバーイーツ」の副業でちょっとした贅沢を実現
東京都・葉山徹(41歳)・年収660万円プラス副業(世帯年収は約1300~1500万円)
■第2部 平均年収以下はもっとつらいよ
●月収9万円シングルマザー、永遠のような絶望を経験した先の「夢」
東海地方・池田真紀(41歳)・年収120万円
●子どもに知的障がい、借金地獄…マクドナルドにも行けないヘルパーの苦境
茨城県・田村理恵(38歳)・年収48万円(世帯年収400万円)
●コロナ失業…1個80円のたまねぎは買わない、子どもの習い事が悩みの種
北海道・加藤香(29歳)・年収180万円(世帯年収540万円)
●共働きでも収支トントン、賃金と仕事量が見合わない保育士
東京都・川崎陽子(40歳)・年収300万円(世帯年収700万円)
●何もかも疲れた…認知症の母との地獄のような日常を生きる非常勤講師
埼玉県・松田彰人(56歳)・年収200万円
■第3部 この30年、日本社会に何が起きたのか?
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商品情報
- シリーズ
- 年収443万円 安すぎる国の絶望的な生活
- 著者
- 小林美希
- 出版社
- 講談社
- 掲載誌・レーベル
- 講談社現代新書
- 書籍発売日
- 2022.11.17
- Reader Store発売日
- 2022.11.16
- ファイルサイズ
- 7.6MB
- ページ数
- 224ページ
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この作品のレビュー
平均 2.7 (50件のレビュー)
-
このレビューはネタバレを含みます
タイトルに惹かれて買いました。著者は私と同じ年齢。いわゆる就職氷河期世代。日頃から日本の経済状態についてや、給料が上がらないこと、親の世代と比べてどうなの?などの疑問がたくさんあったので興味深く読みました。ボーナス時期などにニュースを見て、「我が家は二人で働いて『平均年収』は超えているんだから将来も大丈夫なはず」と漠然と考えているけど、そもそも平均年収が低すぎるなら、大丈夫じゃないってこと…?え?でも、平均年収でも大丈夫じゃないということは、将来、私たちの世代のほとんどが路頭に迷うってことじゃない!?
レビューの続きを読む
本書は、ほとんどの部分が「生活が苦しい」と感じている人の生活実態を取材したルポ。第1部は平均年収の人たち。第2部は平均年収を大きく下回るパートタイムのシングルマザーや、大学の非常勤講師など。読んでいてぞっとしました。
まず、よく「ブラック企業」とか「パワハラ」とか聞くけど、ほんとにこんなことあるんだ、っていうルポの内容。
SNSなどで面白おかしく書かれるのは、あんまり信ぴょう性がないと思っていたけど、この著者のルポなら裏付けもあるし、信頼できる。
あと、保育士や看護師、介護士の仕事のきつさ、給料や待遇の悪さも衝撃だった。電車の運転士など、子どもが憧れる職業で正社員でも給料が低すぎて、家計を支えられるレベルではないことにもびっくり。
世の中の多くの人が、真面目に働いて当たり前の普通の生活を手に入れられないって、どうなの?
そして最近他の本でも読んで、不安だなぁと思うのが、もう、次の世代は「親の生活レベルを超えられない」のが当たり前の状態であること。
私が子供のころは、家は決して裕福じゃなかったけど、これから良くなるという希望があった。親は、自分が一生懸命働いて子供を進学させたら、自分たちよりも豊かな未来が待っていると信じたからこそ、一生懸命働いて子供を学校に行かせた。今、私も一生懸命働いて子どもの将来を考えているけど、確かにこれからの日本が不安すぎる。
第三部は著者の原体験と、現状のデータ分析、解決策はないのか、など。私と同じ年で、大学卒業後の就職に苦労したりした話はすごく共感した。私も大学を出たとき就職がなくて、2年間いわゆる非正規雇用だった。その後無事に就職して、ものすごい長時間労働で病みそうになったけど、上司のパワハラとかがなかったことと、福利厚生がちゃんとしていたこと、産休・育休が取れたことで、辞めずに働き続けることができた。これは本当にありがたいことなんだと実感した。これが特別なことではなく、どんな職場でも、男女関係なく実現されるべきだと思った。
職場で、働く人を大切にするっていう、本当に基本的なことが、そんなに難しいことなのだろうか。一部の人たちが、自分の利益だけを考え、政治家がその場しのぎの政策を連発し続ける限り、日本は終わりだと思った。
夫の収入が全然増えなくて、少々不安だが、夫の会社もコンプライアンスはしっかりしているし、子どものために有給をしっかりとってくれるし、コロナの時や必要に応じて在宅にしてくれたり、パワハラもなさそう?なんで、ぜいたくは言うまいと思った。それから、なんだか昭和にはなかったような意味不明な職業がもてはやされるけど、やっぱり日本の製造業を守ることが今後の日本にとって重要なのではないかと思った。夫は給料が安いけど、実態がよくわからない仕事ではなく、実態のあるものづくりに携わっているということが私の誇りでもある。給料のことはとやかく言うまい笑。二人で支え合って将来に備えよう。投稿日:2023.08.02
■2005年1月4日号の週刊「エコノミスト」で丹羽伊藤忠商事会長に中間層の崩壊について語ってもらった内容。
「富(所得)の二極分化で中間層が崩壊する。
中間層が強いことで成り立ってきた日本の技術力…の良さを失わせ、日本経済に非常に大きな影響を与えることになる。
中間層の没落により、モノづくりの力がなくなる。
同じ労働者の中で「私は正社員、あなたはフリーター」という序列ができ、貧富の差が拡大しては社会の亀裂が生まれてしまう。
戦後の日本は差別をなくし、平等な社会を築き、強い経済を作り上げたのに、今はその強さを失っている。
雇用や所得の二極分化が教育の崩壊をもたらし、若い人が将来の希望を失う。
そして少子化も加速する。
10〜15年経つと崩壊し始めた社会構造が明確に姿を表す。
その時になって気づいても「too late」だ。
企業はコスト競争力を高め、人件費や社会保障負担を削減するためにフリーターや派遣社員を増やしているが、長い目で見ると日本の企業社会をいびつなものにしてしまう。
非正規社員の増加は消費を弱め産業を弱めていく。
若者が明日どうやってご飯を食べるかという状況にあっては、天下国家は語れない。人のため、社会のため、国のために仕事をしようという人が減っていく。」続きを読む投稿日:2024.05.16
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