縛られる日本人 人口減少をもたらす「規範」を打ち破れるか
メアリー・C・ブリントン(著)
,池村千秋(訳)
/中公新書
作品情報
人口が急減する日本。なぜ出生率も幸福度も低いのか。日本、アメリカ、スウェーデンの子育て世代へのインタビュー調査と、国際比較データをあわせて分析することで、「規範」に縛られる日本の若い男女の姿が見えてきた。日本人は家族を大切にしているのか、男性はなぜ育児休業をとらないのか、職場にどんな問題があるのか、アメリカやスウェーデンに学べることは――。アメリカを代表する日本専門家による書き下ろし。
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商品情報
- 著者
- メアリー・C・ブリントン, 池村千秋
- 出版社
- 中央公論新社
- 掲載誌・レーベル
- 中公新書
- 書籍発売日
- 2022.09.25
- Reader Store発売日
- 2022.10.03
- ファイルサイズ
- 3.5MB
- ページ数
- 272ページ
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この作品のレビュー
平均 3.5 (16件のレビュー)
-
女性活躍推進の次は、男性育休推進。大いに結構だが、子供のいない立場からすると、どうしても、モヤモヤが残る。今回も消化不良。
育休取得を受け入れる上司や、欠員の影響を受ける残された同僚達だって、プライ…ベートがある。私の身近には、育休取得者のしわ寄せをくらい荷重労働になって、デートにも行けない独身者や、子供を望んでも授からないカップルがいる。
子育て中の社員をフォローする人達を手助けする議論は、この日本ではいつ始まるのか。「まずは社員全体の残業削減」等といった、漠然とした課題にすり替えられ、後回しにされていないか。真っ先に手を上げて、育休を取得した従業員が英雄扱いされる風潮になっていないか?
顧客があり、やらなければならない仕事は、本当に少ない人数で長時間労働で終わらせないといけないのか。いっそ、放棄して良いと思う。そして放棄した労働者が、人事待遇で不利益を被らないように守られるべき。納期に間に合わないのは、十分なリソースを用意しない経営者の責任、無茶な納期を要求する顧客の責任だろう。
この国は、ママの支援にフォーカスした時期、続いてパパの支援にフォーカスする時期を経て、いい加減に、その他の人達を支援する政策提言や議論を始めるべき。続きを読む投稿日:2023.03.06
日本の少子化の原因を社会規範にあるとみる。その社会規範とは,性別役割分業意識,男は外で働き,女性は家事育児を担う。女性も就労を継続するようになったものの,男性の働き方は変わらず,女性が家事育児に対応で…きるように育休や時短制度を活用して柔軟に勤務している。日本人男性の家事育児の時間は少ない。夫が仕事ばかりになってしまう原因の1つとして日本のメンバーシップ型雇用があげられていた。会社のために献身することが評価される職場慣行。残業や転勤がワークライフバランスがとれることを難しくしている。
夫が育児休業を取得すると2人目の子どもをもうけやすいという先行研究を紹介しつつ,日本では育休取得率が低いと指摘。日本人男性は「多元的無知」の状態にあるという。個々の男性労働者は育児休業は好ましいと考えていても,周りの同僚は育休に否定的で自分は少数派だと思い込んでいる状態。そうした状態だから,休むと迷惑をかけると思って育休を取得しない。
最後の6章にはそれまでの分析を踏まえた著者からの提言がまとめられている。続きを読む投稿日:2023.12.20
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