撤退論
内田樹(編著)
,堀田新五郎(著)
,斎藤幸平(著)
,白井聡(著)
,中田考(著)
,岩田健太郎(著)
,青木真兵(著)
,後藤正文(著)
,想田和弘(著)
,渡邉格(著)
,渡邉麻里子(著)
,平田オリザ(著)
,仲野徹(著)
,三砂ちづる(著)
,兪炳匡(著)
,平川克美(著)
/晶文社
作品情報
少子化・人口減、気候変動、パンデミック……。国力が衰微し、手持ちの国民資源が目減りしてきている現在において「撤退」は喫緊の論件。にもかかわらず、多くの人々はこれを論じることを忌避している。
名著『失敗の本質』で言われた、適切に撤退することができずに被害を拡大させた旧・日本陸軍と同じ轍をまた踏むことになるのか?
「子どもが生まれず、老人ばかりの国」において、人々がそれなりに豊かで幸福に暮らせるためにどういう制度を設計すべきか、「撤退する日本はどうあるべきか」について衆知を集めて論じるアンソロジー。
目次
まえがき 内田樹
■1 歴史の分岐点で
撤退は知性の証である──撤退学の試み 堀田新五郎
撤退のための二つのシナリオ 内田樹
撤退戦としてのコミュニズム 斎藤幸平
民主主義からの撤退が不可能だとするならば 白井聡
撤退戦と敗戦処理 中田考
■2 撤退の諸相
撤退という考え方──ある感染症屋のノート 岩田健太郎
下野の倫理とエンパワメント 青木真兵
音楽の新しさはドレミの外側にだって広がっている 後藤正文
文明の時間から撤退し、自然の時間を生きる 想田和弘
撤退のマーチ 渡邉格
撤退女子奮闘記 渡邉麻里子
■3 パラダイム転換へ
『桜の園』の国から 平田オリザ
ある理系研究者の経験的撤退論 仲野徹
Withdrawalについて──最も根っこのところからの撤退 三砂ちづる
個人の選択肢を増やす「プランB」とは何か 兪炳匡
極私的撤退論 平川克美
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商品情報
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この作品のレビュー
平均 3.8 (18件のレビュー)
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現在のシステムの潮流でのカタストロフィの生じる前の方向転換を撤退論としている。
コモンの再生と撤退ということで、斎藤幸平が、『資本主義から撤退して里山に行くだけでは不十分。何故ならそのままでは、資本主…義が里山を含めた環境を破壊するから。』と言っていたところに納得。彼はだからこそ資本主義は止めなければならないという。当方はまだ、サステナビリティは社会という形での対応が必要と思っている。戦争、技術進化などに対応する上で、経済を止め切ることはできないと思うため。
撤退とは、単に行くか戻るかの二者択一を意味しない。そのような二者択一を自分に迫っている世界観とは、全く異なる世界観へのパラダイムシフトを意味しているということである。
難しいと考えているシステムの転換は、現代のシステムの思考の中て考えているから。
そのためには、イメージから先に変われ。かえ?とは、目標わ着地点をへんこうすることではなく、現在流通している思考や、言葉遣いそのものを変えるということに他ならない。続きを読む投稿日:2023.05.03
少子高齢化社会でも経済成長を続けることは、お米が足りないのにおにぎりをもっと作れって言ってるようなものなのかな。無理よね。
まず、無理を認めること。
それから、資本主義社会の外の世界があることを知り、…体験し、その世界の間でバランスをとっていくことが鍵だと思った。
・大切なことを持続させるために、我々はこれまでの手法からの撤退を学ぶべきなのである。
・社会の内と外、此岸と彼岸、文明と自然、常識と非常識などなど、二つの原理を行ったり来たりすることで、問題を「なんとなく」暫定的に解決する。これが地に足を着けることである。
・現代における下野とは、他社のニーズを全く気にせず、とにかく徹底的に主観を認めることだと言えます。
・僕らが生きている時間の中には、大きく分けて二つの相があります。ひとつは必ず前に進む「文明の時間」、もうひとつは循環し回帰する「自然の時間」です。猫には、循環する時間だけが流れているのです。彼らにら「進歩」の概念がない。
続きを読む投稿日:2023.06.17
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