溶ける街 透ける路
多和田葉子(著)
/講談社文芸文庫
作品情報
――わたしの旅は言葉の旅でもある。多言語の中を通過しながら、日本語の中をも旅する――
「エッセイの元祖」モンテーニュ縁のサンテミリオン、神田神保町を彷彿させる「本の町」ヴュンスドルフ、腕利きのすりが集まるバーゼル、ヘルダーリンがこもったチュービンゲン、エミリー・ディキンソンが生涯過ごしたアマスト、重い記憶を残すアウシュヴィッツ。ブダペストからリガ、アンマンまで、自作の朗読と読者との対話をしながら世界四十八の町を巡り、「旅する作家」が見て、食べて、出逢って、話して、考えた。心と身体を静かに揺さぶる、五十一の断章。
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商品情報
- シリーズ
- 溶ける街 透ける路
- 著者
- 多和田葉子
- 出版社
- 講談社
- 掲載誌・レーベル
- 講談社文芸文庫
- 書籍発売日
- 2021.07.12
- Reader Store発売日
- 2021.07.09
- ファイルサイズ
- 0.8MB
- ページ数
- 224ページ
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この作品のレビュー
平均 4.7 (3件のレビュー)
-
多和田葉子(1960年~)氏は、早大文学部ロシア語学科卒業後、ドイツ・ハンブルクの書籍取次会社に入社し、ハンブルク大学大学院修士課程を修了。1982~2006年ハンブルク、2006年~ベルリン在住。1…987年にドイツで2ヶ国語の詩集を出版してデビュー。チューリッヒ大学大学院博士課程(ドイツ文学)修了。ドイツ語でも20冊以上の著作を出版し、それらはフランス語、英語、イタリア語、スペイン語、ロシア語、スウェーデン語、中国語、韓国語などにも翻訳されている、本格的なバイリンガル作家。1993年に芥川賞、2016年にはドイツの有力な文学賞クライスト賞を受賞。今や日本人で最もノーベル文学賞に近い作家との声もある。
本書は、著者が2005年春から2006年暮れまでに訪れた、主に欧州・北米の48の街について、日経新聞の土曜版に2006年1~12月に連載したエッセイをまとめ、2007年に出版(現在は絶版)、2021年に文庫化されたものである。
登場する街は、大半が、著者が作品の朗読会などの仕事で訪れた街であり、フランクフルト、ベルリン、チューリッヒ、パリ、ニューヨークなどの一部の主要都市は含まれるものの、(少なくとも日本人にとって)観光地として認識されている街は少ない。私は、1990年代にチューリッヒとフランクフルトに駐在し、本書に取り上げられた街の20ほどを訪れたことがあるが、初めて名前を聞いた街もいくつかある。
また、内容的にも、旅好きの作家らが書く旅行エッセイとは少々趣を異にし、「わたしの旅は言葉の旅でもある」と語り、言葉と文学に類稀な感性を持ち、『エクソフォニー~母語の外へ出る旅』のような硬質なエッセイ集も書く著者ならではのフレーバーを持ちつつも、(一般紙である日経新聞の読者を意識してか)硬くなり過ぎず、読み易いものになっている。
因みに著者は、文庫版のあとがきで、次のように書いている。「旅人としてのわたしの体験はマッチを擦った瞬間にその光でまわりが見えるようなもので、炎は数秒で消えて、あたりはまた暗闇に戻ってしまう。世界はなかなか見えにくい。旅をすることで見える範囲など限られている。・・・記憶の断片が光り、これまで見えなかったものが一瞬見え、それがステレオタイプになって凝固する前に消えていく。旅のエッセイはそれでいいのではないかと思う。」
多和田氏ならではの記憶の断片を読みながら、「旅」というか、知らない街、知らない文化、知らない人々との出会いはやはりいいなと思わせられるエッセイ集である。
(2021年8月了)続きを読む投稿日:2021.08.03
多和田葉子さんのエッセイが好きでこちらで3冊目ですが、
この本は軽やかでヨーロッパ(主に)の町々を旅しているような
気分になれる本でした。
解説によると世界四十八の町をめぐっているとのこと。
自然体の…文章が心地よいです。続きを読む投稿日:2023.11.05
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