東京格差 ──浮かぶ街・沈む街
中川寛子(著)
/ちくま新書
作品情報
「どこに住んでいるか」によって感じられる住所格差。その前提にある「街選び」の条件――自治体の貧富・利便性・地盤等――は、単純に信じられてきた割に、街の未来を何も保証はしない。たとえば庶民の憧れであった「閑静な住宅街」は、住民が高齢化すれば、やがてそのまま消滅するだけだ。「住みやすい街」も税収が減る中、おんぶにだっこの住民ばかりではサービスの質を落とさざるを得なくなり、住む満足度は落ちていく。そうした中で、沈むことなく活性化していく街はどこか。住民自身がエリア・マネジメントに携わり、街の価値を創生する、新しい事例を多数紹介する。
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商品情報
- シリーズ
- 東京格差 ──浮かぶ街・沈む街
- 著者
- 中川寛子
- 出版社
- 筑摩書房
- 掲載誌・レーベル
- ちくま新書
- 書籍発売日
- 2018.12.10
- Reader Store発売日
- 2018.12.28
- ファイルサイズ
- 13.7MB
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この作品のレビュー
平均 3.3 (5件のレビュー)
-
このレビューはネタバレを含みます
いくつか印象に残った個所。
レビューの続きを読む
・住職分離の無駄
専業主婦がすくなくなり子供の世話するのに郊外ではなく、会社の近くがいいに決まってますね。
・魅力的にするには商店街に、チェーン店入れてはだめ。
そこで買わなくてもほかで買えるので価値がなくなる。
・住みやすい街にするには、住んでいる人自身も街に貢献する姿勢が大事。投稿日:2019.06.15
『#東京格差』
ほぼ日書評 Day651
なかなかに面白いが、評価の難しい一冊。
不動産関係者とか一部の方を除いて、もし、この本を楽しみたいと思われたら、次の読み方をお薦めする。
まず、第一部…「過去」。全体の2割ほどを占めるが、これは読み飛ばし、後から読むのが、良かろう。これまでの東京という都市の変遷、住宅ないし土地利用行政の失敗に関する記述が大半。
第二部「現在」。これは「部」といいつつ、全体の5%もないので、その後の記述の伏線として確認しておこう。
第三部「未来」。この部だけで、全体の7割を占めるという、あまりにアンバランスな章立てだが、その前半で語られる、都市作り事例は、一読に値する。
著者が良しとする街のスタイルは、古くは「入会地」と呼ばれた(第一部に詳述)公有地でも私有地でもない、地域のみんなで所有し、管理し、そこからの便益も共に享受する類のものだ。
短期的な投資回収率をmaximizeする代わりに、そうした緩衝地帯を設けることで地域としての魅力を高め、人が集まるようになれば、中長期的なリターンが最大化できるという論。
なるほど、その主張自体は非常に納得感あるが、各論の評価においては、やや牽強付会の感も禁じ得ないものがある。
一例として、町会で実施されているBBQ会を視察して、地域交流ができている…と判断するケースなどである。
もちろん、それ自体が悪いことではないが、仮に千人規模の流入人口がある地域で、せいぜい数十人のBBQだけを見てよしとするのは、いかがなものか。
また、2018年(コロナ前である)刊の本書で、溝の口を持ち上げる等、真に独立して(関連業者の影響が一切無く)街づくりの評価ができているのか、個人的に怪しく思う箇所もある。既に、タワマンが林立し、一本しかない通勤路線が明らかにパンクしている状況に陥っていたように記憶するが、どうだろう。
https://amzn.to/3xh1b4x続きを読む投稿日:2022.09.11
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