人喰い病
石黒達昌(著)
/アドレナライズ
作品情報
どんな抗生物質も抗ウイルス剤も通用せず、数週間から二ヵ月間で確実に死に至る新種の疾患「人喰い病」の正体に迫る表題作をはじめ、低体温症の女性とその一族の隠された謎を探る「雪女」など、最新の医学知識と遺伝子工学からつむぎ出された世にも不思議な物語を4篇収録。理系小説の旗手が贈る真実のサイエンス・フィクション。
*雪女
*人喰い病
*水蛇
*蜂
●石黒達昌(いしぐろ・たつあき)
作家、医師。1961年北海道生まれ。東京大学医学部卒業。「最終上映」で第8回海燕新人文学賞を受賞してデビュー。純文学誌を中心に数多くの中短篇を発表する。「平成3年5月2日,後天性免疫不全症候群にて急逝された明寺伸彦博士,並びに,」「真夜中の方へ」「目を閉じるまでの短かい間」で三度の芥川龍之介賞候補になる。また、「人喰い病」「希望ホヤ」で星雲賞日本短篇部門参考候補になるなど、SFファンからの支持も厚い。
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この作品のレビュー
平均 4.0 (4件のレビュー)
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収録作に共通することとして登場人物たちは常に科学的な姿勢を崩さない。生じる現象を観察し法則を見出し機序を読み解く。新たな事象が生ずればそれを取り込みモデルを修正する。
そうした研究はやがて、事象そのも…のの意味の解釈へとたどり着く。現象に意味を求めることは科学の範囲を超えるかも知れない。しかしそれは真摯に科学的態度を貫く者にとっては避けられないことでもある。すべての現象は読み解かれるべき対象であり、世界の意味を解釈する端緒である。
しかしそれはどちらも人間の知覚の範囲の話でしかない。人間がなにをどう知覚しようとそれは世界とは関わりの無いこと。そのことを示すように、現象は前触れもきっかけもなく収束し、人間には答えの出ない問いだけが残される。続きを読む投稿日:2012.08.29
四編からなる短編集。
この著者の作品を読むのは本書で二作目。
初めて読んだのは「平成3年5月2日、後天性免疫不全症候群にて急逝された明寺伸彦博士、並びに……」という異様に長いタイトルの作品。…
これ、実はタイトルではない。
本編の出だしの一節を引用したもので、本のタイトルはついていないとのこと。
芥川賞の候補にもなった、論文のような形式のこの作品が結構面白かったので、別の作品も読みたいと思い、探し出したのが本書。
形式としてはやはり論文というか、ドキュメント・タッチの作品が多い。
低体温でも生存できる体をもった女性と、その女性の謎を解き明かそうとする医師。
血液に謎があるのではということで、彼女の血液を自分に注入するのだが……。
といった内容の「雪女」。
表題作の「人喰い病」は、植物に起因する文字通り人間の細胞を食い尽くしてしまう病気の話。
最後はその植物を必要とするのだが、既にすべてが駆除されており……。
「水蛇」は、山奥に迷い込んだとある研究者が、洞窟の中で未知の動物を発見し、誤ってそれを食べてしまったことから自分の身に起こる、様々な現象の観察日記のような話。
最後は多分その未知の動物と「同化」してしまうのかも、といった余韻を残して終わる。
最後の「蜂」は、自分にしか認知できない蜂に追いかけられる男の話。
自分にしか認知できないので、その蜂が本当に存在するのか、それともその男の精神的な何かが作用しているのか……。
医学的な、あるいは科学的なホラーのジャンルに入るらしいのだが、僕はあまりそういうテイストは感じなかったです。
形而上的、とまでは言わないけれど、医学的に、あるいは科学的に「白黒はっきりつける」ような作品は含まれていないです。
どの作品も謎は謎のまま、きちんとした結論は出てきません。
そういう作品が嫌いな方には向かないかも知れないです。
僕はそういう作品が結構好物なので、割と面白く読み進めることができました。
著者自身もあとがきで触れているのですが「専門用語(特に医学関連の)が多すぎてわかりづらい」という批判が結構あるみたいですが、そんなことは少しも感じませんでした。
特に専門用語がわからなくても大勢には問題ないかと思います。
また、著者の作品のことを「前衛的な」と形容している書き込みもありましたが、決して難しい内容ではないと思います。
あの「パラサイト・イヴ」にも影響を与えた、とあるので、その手の作品が好きな方なら、結構面白く読み進められるかと思います。続きを読む投稿日:2018.01.03
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