日本音楽のなぜ? 歌舞伎・能楽・雅楽が楽しくなる
竹内道敬(著)
/放送大学叢書
作品情報
歌舞伎や芸能を観賞してこのような感想をもったことがありませんか?
・このノリの悪いのは、なんとかならないのか!
・何をいってるのかさっぱり聞きとれなくて眠い!
・どうしていつも語尾を長く震わせているのか?
いずれも理由があるのです。日本音楽には日本人が大切にしてきた心が宿っているのです。
近世日本音楽の第一人者が15の疑問に答える類例のない構成。
読めば歌舞伎、能楽がもっと深く、広く、長く、楽しめるようになります!
地震、暴風雨、水害、旱魃、火事や病気など、
気を休めるひまのない国でした。
多くの人がそれらの災害で命を失っています。
にもかかわらず、それに負けずに今日まで伝承され、生きているのは、
神が宿っていたからだと考えたのでしょう。
ですから日本人は内容も言葉もメロディーも
正確に後の世に伝えて行かなくては、
先人に申しわけがないと考えました。(本文より)
もっとみる
商品情報
- 著者
- 竹内道敬
- 出版社
- 左右社
- 掲載誌・レーベル
- 放送大学叢書
- 書籍発売日
- 2017.03.10
- Reader Store発売日
- 2018.06.08
- ファイルサイズ
- 8.3MB
- ページ数
- 200ページ
以下の製品には非対応です
この作品のレビュー
平均 3.0 (1件のレビュー)
-
「日本音楽」、つまり歌舞伎や能楽、雅楽といったものが、「なぜメロディーがないのか」、「なぜノリが悪いのか」、「なぜ何を言っているのかわからないのか」という、西洋音楽に慣れ親しんでいる日本人の観点から…、いささかネガティブな「なぜ」に答えていくもの。「どのように伝承されてきたのか」、「どのように作曲されるのか」など、ネガティブでない話題ももちろんあるが、筆者の見解も交えて、「ですます」調で分かりやすく解説されている。
国立能楽堂でやっている能楽を見て、それについてレポートを書く、ということをしないといけなくて、とりあえずこれを読んでみた。日本音楽と言われるものの全体像や流れをつかむことができて、とても有益だった。以下、チェックした内容のメモ。まず「三味線の輸入」というのは日本音楽の歴史ではとても重要な出来事で、そこから「貴族階級=雅楽、武士階級=能楽、そして町人階級=三味線、という楽器による社会が定着した」(pp.16-7)という全体像は分かりやすい。歌舞伎が江戸幕府により締めつけられ、政治的に貶められていたというのは、想像以上で、「歌舞伎は吉原と並んで『二大悪所』とされました。悪所は当時の郊外に移転させられましたし、歌舞伎の役者は人間以下の扱いを受けてましたし」(pp.39-40)ということだから厳しい。歌舞伎以外にも、「三味線は没収して焼却処分、演奏家はしばらく蟄居を命じられました。」(p.40)って、ローマ帝国のパンとサーカスみたいな発想はないんだな、と思った。「なぜ指揮者がいないのか」という項目も面白かったが、「演奏家も美しい絵の一部になっていなくてはなりませんから、唄い初め(語り初め)るときにも終わってからも、役者の邪魔にならないように、同じ揃いの衣装を着ています。もちろん身体を動かして身体でリズムを取るようなことはいたしません。オペラやバレエにはそういう考えはなかったようで、邪魔になるから舞台前のオーケストラボックスに隠してしまったのでしょう。この場合の音楽は本当に添えものですから、指揮者まで隠してしまいます」(pp.54-5)ということで、「いかに主役を美しく見せるのかというための音楽」(p.55)ということだそうだ。同じように考え方が今とは全然違う、という点では著作権に関する部分が印象的。「作詞・作曲については、今のような著作権はなかった時代でした。引用、盗用は罰せられることはありません。それよりもその引用、盗用が原作よりも巧みであれば称賛されるような風潮さえあった」(p.86)というのは驚き。「なぜ立って演奏してはいけないのか」という項目では、「芝居」という言葉のルーツが説明されているが、まず「神を慰める芸能=神楽」(p.111)で、「強く足踏みをして地の神を讃えます。これは相撲の始まりであり、地鎮祭の始まりです。」(同)ということだそうだ。「地を鎮めるのが最初の儀式で、そこで演奏される神楽を人々は輪になって参加し、見物しました。回りの芝にいたので『芝居』と言った」(同)のだそうだ。へえ。あとはピアノみたいな「絶対音高」の楽器に慣れていると、「相対音高の楽器」というのが珍しく、例えば三味線は、人間の声の高さに合わせて「三本の弦全体を高くしたり、低くしたりする」らしい。
全体的には、日本人が日本音楽を通して日本文化を知る「異文化理解」の本みたいになっているのが、良いのか悪いのかわからないが面白いと思った。(23/06)続きを読む投稿日:2022.07.23
新刊自動購入は、今後配信となるシリーズの最新刊を毎号自動的にお届けするサービスです。
- ・発売と同時にすぐにお手元のデバイスに追加!
- ・買い逃すことがありません!
- ・いつでも解約ができるから安心!
※新刊自動購入の対象となるコンテンツは、次回配信分からとなります。現在発売中の最新号を含め、既刊の号は含まれません。ご契約はページ右の「新刊自動購入を始める」からお手続きください。
※ご契約をいただくと、このシリーズのコンテンツを配信する都度、毎回決済となります。配信されるコンテンツによって発売日・金額が異なる場合があります。ご契約中は自動的に販売を継続します。
不定期に刊行される「増刊号」「特別号」等も、自動購入の対象に含まれますのでご了承ください。(シリーズ名が異なるものは対象となりません)
※再開の見込みの立たない休刊、廃刊、出版社やReader Store側の事由で契約を終了させていただくことがあります。
※My Sony IDを削除すると新刊自動購入は解約となります。
お支払方法:クレジットカードのみ
解約方法:マイページの「予約・新刊自動購入設定」より、随時解約可能です続巻自動購入は、今後配信となるシリーズの最新刊を毎号自動的にお届けするサービスです。
- ・発売と同時にすぐにお手元のデバイスに追加!
- ・買い逃すことがありません!
- ・いつでも解約ができるから安心!
- ・優待ポイントが2倍になるおトクなキャンペーン実施中!
※続巻自動購入の対象となるコンテンツは、次回配信分からとなります。現在発売中の最新巻を含め、既刊の巻は含まれません。ご契約はページ右の「続巻自動購入を始める」からお手続きください。
※ご契約をいただくと、このシリーズのコンテンツを配信する都度、毎回決済となります。配信されるコンテンツによって発売日・金額が異なる場合があります。ご契約中は自動的に販売を継続します。
不定期に刊行される特別号等も自動購入の対象に含まれる場合がありますのでご了承ください。(シリーズ名が異なるものは対象となりません)
※再開の見込みの立たない休刊、廃刊、出版社やReader Store側の事由で契約を終了させていただくことがあります。
※My Sony IDを削除すると続巻自動購入は解約となります。
お支払方法:クレジットカードのみ
解約方法:マイページの「予約自動購入設定」より、随時解約可能ですReader Store BOOK GIFT とは
ご家族、ご友人などに電子書籍をギフトとしてプレゼントすることができる機能です。
贈りたい本を「プレゼントする」のボタンからご購入頂き、お受け取り用のリンクをメールなどでお知らせするだけでOK!
ぜひお誕生日のお祝いや、おすすめしたい本をプレゼントしてみてください。※ギフトのお受け取り期限はご購入後6ヶ月となります。お受け取りされないまま期限を過ぎた場合、お受け取りや払い戻しはできませんのでご注意ください。
※お受け取りになる方がすでに同じ本をお持ちの場合でも払い戻しはできません。
※ギフトのお受け取りにはサインアップ(無料)が必要です。
※ご自身の本棚の本を贈ることはできません。
※ポイント、クーポンの利用はできません。クーポンコード登録
Reader Storeをご利用のお客様へ
ご利用ありがとうございます!
エラー(エラーコード: )
ご協力ありがとうございました
参考にさせていただきます。