日露近代史 戦争と平和の百年
麻田雅文(著)
/講談社現代新書
作品情報
幕末期以来、米英協調を基軸とする主流派に対し、ロシアに眼を向ける一つの潮流があった。ロシア王室との信頼関係を樹立しようとした伊藤博文。満洲経営のため日ソ国交樹立に腐心する後藤新平。満洲国建国後、孤立を深めるなか独ソとの提携に望みを託す松岡洋右……。日露戦争、シベリア出兵、ノモンハン事件、そして1945年の日ソ戦。幕末から敗戦までの遠い隣国との知られざる関係史。
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商品情報
- シリーズ
- 日露近代史 戦争と平和の百年
- 著者
- 麻田雅文
- 出版社
- 講談社
- 掲載誌・レーベル
- 講談社現代新書
- 書籍発売日
- 2018.04.19
- Reader Store発売日
- 2018.04.19
- ファイルサイズ
- 36.1MB
- ページ数
- 480ページ
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この作品のレビュー
平均 4.0 (2件のレビュー)
-
日露戦争から第二次世界大戦までのロシアとの関係。
樺太の領土争いで、榎本武揚が、樺太と千島列島を交換して、決着。
ロシアのニコライ2世が京都観光中に、大津で攘夷思想の警察官に切られ、これを口実に戦争を…仕掛けられるのを回避するため、日本皇室に対する大逆罪を適用して死刑を求めたが、裁判所が適用しなかった大逆事件。もし戦争になったら、大馬鹿裁判官か?
ロシアが旅順租借に加えて、不凍港を求めて韓国に進出しようとしてきたので、満州はロシアー韓国は日本の交渉を持ちかけるも断られ、日本侵略を恐れて、やむなく日露戦争を開始。南樺太しか得られず。ちなみに、日本もロシアも一千数百万人の韓国人の主権などは、どうでもいいと思っている。
伊藤博文は、満州鉄道とシベリア鉄道との接続を求めて、ロシア勢力下のハルビン駅に行き、友好関係醸成のため護衛を断ったところ、刺殺された。
第一世界大戦で、協商側のロシアでレーニンの革命が起きてドイツと停戦したため、ドイツから強い攻撃を受けたイギリスとフランスが、シベリア出兵を要求。日本は、アメリカと出兵するが、7万人も出兵し、加藤高明が戦後交渉を有利に進めるため撤兵しなかったため、世界から避難され、ロシアの恨みも買う。北樺太の利権のみ得る。
その後、国力が疲弊したロシアは、日本の求めに応じて満州国の存在も否定せず。
松岡洋右が、三国同盟を結んだ上ロシアも加えた4国にし、米英の干渉を押さえようとするが、ヒトラーは日本が米と戦争することでヨーロッパへの出兵を防ごうと考えていた上、ドイツがロシアに出兵し、絶望的に。
ロシアと米英を同時に相手にすることは、不可能なところ、松岡洋右がロシアと中立条約を締結。
陸軍は南方進行を主張し、海軍は北方進行を主張し、両方に進行したため、間延びし、天皇が懸念を示す。
ドイツが勝っていたこともあり、アメリカからの交渉を流した上、石油を得るため、フランス領の南印に進出したら、アメリカが激怒し、日本の財産凍結し、ロシアと連携開始。ロシアはヤルタ会談で、日本への出兵を約束。
7月に原爆が完成し、アメリカは、ロシアの協力が不要になるが、一応関係継続。ロシアの北海道北半分割譲は、拒否。
日本は敗色濃厚で、ロシアに停戦仲介を求めるが、日米の国力低下を望むロシアは無視。
8/6広島原爆投下後、ロシアが8/10日本に戦争開始し、8/11日本はポツダム宣言受諾を決定。
日本が完全武装解除してないとしてー現に抵抗ありーロシアは進行。
シベリア出兵の恨みに加え、人質も必要として、4〜50万人の満州関東軍らを抑留。その前に、満州の日本人に帰って来られても困るところ、韓国と中国からの迫害をおそれ、現地での保護をロシアに求めるも拒否され、むしろロシア軍人に掠奪される。
松岡洋右は、三国同盟同盟は、一生の不覚と悔やむが、判決前に病死。
日本は、ロシアやアメリカと戦争したくなかったが、スパイも少なく、情報不足の中、外国の考えに思いが至らず、外交に失敗し、陸軍と海軍の両方の顔を立てて不合理な妥協戦法により、早期自滅など、学ぶことが多かった。
続きを読む投稿日:2019.09.26
主な役回りを果たした人物を軸にしているので読みやすい。祖父がシベリア抑留を経験したが、その体験談は誰にも一切語らなかったという。それを知る覚悟が私にあるのか、終戦の章を読み思った。
投稿日:2023.01.01
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