伝説のハッカーが教える超監視社会で身をまもる方法
ケビン・ミトニック(著)
,ロバート・バモシ(著)
,高取芳彦(訳)
/日経BP
作品情報
スマホやIoT、自動運転で便利さと引き換えに私たちは何を差し出すのか。
豊富な実例に基づく生々しいサイバー護身術
楠正憲氏 推薦!
伝説のハッカー、ケビン・ミトニックが教える、超監視社会で安全でいられる方法です。
侵入のヒントを与えてしまう個人情報を特定されないための技法をミトニック自身の経験をもとに明らかにします。
個人のプライバシーを守りたいが、電子メールも、電話も、インターネットも、スマホも容易に監視されている「超監視社会」の現代。
無線LAN、Wi-Fi、家電、自動運転車への侵入を防ぐための「不可視」の技術が必要な時代となっています。
その中でミトニックが与えるヒントは、無法地帯とも言えるサイバー空間でプライバシーを守るための究極のサバイバルマニュアルとなっています。
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商品情報
- ジャンル
- コンピュータ・情報 - IT・Eビジネス・資格・読み物
- 出版社
- 日経BP
- 書籍発売日
- 2018.02.16
- Reader Store発売日
- 2018.02.23
- ファイルサイズ
- 2.7MB
- ページ数
- 432ページ
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この作品のレビュー
平均 4.4 (9件のレビュー)
-
ここでいう監視社会とは抑圧された強権国家だけでなく、日本を含めた民主主義の先進国も当てはまる。ネットの不可視性を高めると犯罪者やテロをも利することになるので立法のバランスは難しい。スノーデンが投げかけ…た問題についても、見られて困るものもそれほどない認識や、利便性を優先したい消費者心理がプライバシーの問題をないがしろにする風潮が一般的な模様。スマホのセキュリティ脆弱性は当たり前のごとく認識されつつあるが、昔ながらのPCに対するウィルス脅威だけでなく、何でもIoTの時代なのでプリンターや家電、ルーターなども侵入口になり得る事例が紹介されている。本書により、悪意を持つハッカーにターゲットにされるとひとたまりも無いということを実感させられた。
実務的な対策は具体的で、パスワードの複雑化やSNSへの開示自粛、毎回ログアウトなど、基本的な方法から、httpsエブリウェアやE2EE暗号化、パスワード管理システムなど、一般的に使われていないものまで紹介されている。公共wifiの脅威やサイトのニセ画面など、フィッシング詐欺は想像するだけで怖い。続きを読む投稿日:2021.10.06
伝説のハッカーのケビンミトニック氏とロバートバモ氏による、超監視IT時代におけるプライバシー保護に関する、一般向け技術啓蒙書。
懐かしい名前に惹かれて買ってしまいました。
過去、下村氏とのバトルの本…、欺術なども楽しませて頂きましたが、この本も楽しませて頂きました。
タイムリーな時期には読めなかったのですが、スノーデン氏や、ウィキリークスのアサンジ氏、海外ドラマのハッカーサスペンスMr.Robotなどハッカー文化の話題で盛り上がっていた時期に読めば、もっと面白かっただろうなと思います。
内容は、携帯電話、SNS、アプリ、ネットサーフィン、オンライン広告、ネットショッピング、様々なデバイスにおけるプライバシー保護において役立つtipsの紹介が主です。
細かい技術にはあまり立ち入らずに、Need to Knowのみあっさり説明してくれているので、技術者というより、一般向けです。
(ただし、ある程度のITリテラシーはある方向け)
今や、重要人物でもなんでもない、一般人であっても、プライバシー保護は重要です。
どこまで許容するか自分のプライバシー保護方針は自分で見定める必要はありますが、私は、少なくとも全然自分の保護ラインを守れていないなと自分で感じます。
恐ろしいのは、一度アップされてしまった情報はほぼ永久保存という事です。
海外サーバ経由の場合、複数ルートで複数サーバに複数データ拡散される上、サーバのある地域の法律が適用される事や、そうして保存、拡散された個人情報及びその蓄積が、いつどこで誰にどのように利用されるか分からない上、今問題なくても、将来的にどのように利用されるかも分からない点も恐ろしいです。
また、完全なプライバシー保護は非常な手間とコストがかかる事や、人間はミスをする上、社会的な動物なので、完全に不可視になるのはほぼ無理でしょう。(現状の日本の政府系や防衛系システムがIT化が進んでいないがために寧ろサイバー攻撃が敵勢力にとって非効率になっている事や、ネットに繋がない事こそ最強のプライバシー保護になってしまっている現状や、高齢者などの非IT化世代の方がサイバー攻撃にはある意味強いかもしれない事などを考えると皮肉です。ハッカーやグル級の技術者は敢えて電子デバイスを使わないとかネットを使わないとか、用途別にデバイスペルソナを分けて使い分けしているとかいう方も多いようですが。)
便利さや快適さと安全はトレードオフという点などで、最早ITを日常生活で便利に使う上ではプライバシーは諦めなければならないのではという点と、上記の懸念点を考えると、ITを使う事自体がある意味生理的に気持ち悪いと感じてしまう方もいてもおかしくないかもしれません。
今さら遅いのですが、オンラインショッピングにネットサーフィン、SNS発信、杜撰なフリーメール管理、個人情報は日々ダダ漏れ状態です。(ブクログで書いてる時点でもアウトでしょうが)
個人的には、便利さや快適さ、目先のコストを優先して、ほぼプライバシーは諦めていますが、本書のtipsで書かれているうち、やれる事だけでもやっておきました。
重要なのは、プライバシー侵害の目的、方法、範囲、影響、被害などについて、自分で情報収集し、考え、自分でどのラインまで認めるか、諦めるか腹を括ることと、被害があった際にどう対処するかあらかじめ考えておく事だと思います。また、そうした知識や自分のプライバシー方針を日々アップデートし続けることだと思いました。
それについては本書では多くは触れられていませんが、これは本書の読者の宿題かもしれません。
ハッカーやセキュリティエンジニアでも何でもない普通の人に向けてまさかミトニック氏がこんな本をタイムリーな時期に書いてくれるなどとは思わなかったので、内容も良いですが、色々な意味でうれしかったです。
続きを読む投稿日:2021.09.02
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