BCGが読む 経営の論点2018
ボストンコンサルティンググループ(編)
/日本経済新聞出版
作品情報
戦略コンサルファームとして、世界中に拠点を持つボストン コンサルティング グループ(BCG)。
そのコンサルタントたちが、日本企業の経営にインパクトを与える論点を選び、
これから何が起こるのか、どのような備えが必要なのかを提言する。
◎本書で取り上げる主な内容
-実は世界中で進む少子高齢化。新興国というフロンティアが消える時代に必要な戦略は?
-グローバリゼーションはこれまでとは別ステージへ。その違いが勝者を分ける
-AIブームは終焉の兆し。経営に活かすなら3つの能力を身に付けろ
-シェアリングエコノミーが影響しない業界・企業はない。自社にとってのメリットを考える視点とは
-「繋がる世界」が生み出した、複雑過ぎるビジネスモデル競争。その先行きを読み解く4つのレイヤー
-日本のデジタルマーケティングは「デジタル広告」の域を出ていない。別次元の成果を上げるために必要なこと
-日本にも増えてきたM&A巧者。さらなるレベルアップのために必要なPMRとは
-医療制度改革が叫ばれる中、最大の効果を上げる「バリューベースヘルスケア」とは
-掛け声先行のダイバーシティー。本当の「競争優位」にするためには、何から手をつけるのか
ほか
ブロックチェーン/デジタル・トランスフォーメーション/アジャイルほかの論点も解説
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商品情報
- シリーズ
- BCGが読む 経営の論点2018
- 出版社
- 日経BP
- 掲載誌・レーベル
- 日本経済新聞出版
- 書籍発売日
- 2017.11.22
- Reader Store発売日
- 2017.11.23
- ファイルサイズ
- 6.6MB
- ページ数
- 296ページ
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この作品のレビュー
平均 3.0 (14件のレビュー)
-
DXの定義がわかりやすい
全ての作業をデジタルで完結させること
図表は多く流れで説明して頂いているのですが、難しくなかなかすすみません、投稿日:2021.10.26
医療の価値としてバリューベース・ヘルスケア(VBHC; Value-based Health Care)が注目されている(ボストンコンサルティンググループ『BCGが読む 経営の論点2018』日本経済新…聞出版社、2017年)。従来の医療は安全性・コスト・効果といった医療従事者目線での評価に偏っていた。それは全快の見込めない高齢者などの患者にはコスト削減圧力ばかり働き、過少医療を招くことになる。安楽死や尊厳死の強制につながると危険視されている。現実に公立福生病院の透析終了は大きな衝撃を与えた。この問題は林田医療裁判でも訴えている。
これに対してVBHCは患者にとっての価値を重視する。患者にとっての医療行為の価値(費用対効果)の最大化を目指す。そのためには透明性の高い治療成績データを整備し、医療機関のパフォーマンスの違いを「見える化」することで、ベストプラクティスを共有できることが必要である。さらに患者にとっての医療の価値を高める方向に関係者(患者本人、医療機関、保険者、医薬品・医療機器メーカー)のインセンティブを揃えることが必要である。薬漬け医療が行われている現実を踏まえれば、これは急務である。
患者にとっての価値を重視することは消費者感覚からすれば当たり前のことである。消費者は日々の買い物で自分にとっての価値を重視して購入している。医療は生命や健康に直結するため、日々の買い物以上に消費者の権利が保障されなければならない世界である。当たり前の発想が21世紀になってようやく受け入れられるようになった。
過少医療の背景にはコスト削減圧力があり、コスト削減圧力の背景には病院経営の要請がある。このために過少医療に反対する立場は、福祉的立場から理想主義になりやすい。しかし、医療従事者が過少医療を行いたくなる背景には、コスト削減圧力に加えて全快が見込めず、自分の点数稼ぎにならないという医療従事者目線の価値基準がある。それは患者にとっては独善であり、価値観の押し付けになる。故に消費者感覚の強調が過少医療に対抗するためには重要だろう。VBHCは有用な概念である。
一方でVBHCの説く「価値」という言葉は「余命が少ない患者は価値が乏しい」として過少医療の推進力に悪用される危険がある。特に個の利益よりも全体の利益を優先しがちな集団主義的傾向のある日本では危険が高い。あくまで「患者にとっての価値」であることは強調してもし過ぎることはない。続きを読む投稿日:2020.03.27
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