色彩論
ゲーテ(著)
,木村直司(編訳)
/ちくま学芸文庫
作品情報
文豪ゲーテは多くの貌をもつ。その文業とともに、終生情熱を傾けたのが、植物学・動物学・地質学・解剖学・気象学などに及ぶ広汎な自然研究であった。とりわけ形態学と色彩論はその白眉と言うべく、シュタイナーらの再評価を経て、現代的関心もきわめて高い。分析と還元を旨とする近代科学の方法に対して、綜合と全体化を目指すゲーテの理念の背景には、汎知学─ヘルメス学の伝統が控えている。『色彩論』の精髄たる「教示編」に加え、「科学方法論」を併載し、ゲーテ自然思想へのチチェローネとなす。
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この作品のレビュー
平均 4.1 (10件のレビュー)
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岩波文庫の「色彩論 色彩学の歴史」を解読してからのレビューであります。
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ダンテの「神曲」のように詩韻に秘密があるのではないかと、行ごとに番号を付けながら解読して行きました。
また色彩論なので赤ならば赤、青なら青、黄色なら黄色、緑なら緑、白なら白、黒なら黒、灰色なら灰色、紫色なら紫色と色分けしながら、また、明るいもの、暗いものなども区別しながら解読しました。
その後、日本に正藍冷染(しょうあいひやぞめ)というものがあることを知りました。
なるほど、ゲーテの言う灰色を明るくしたり暗くしたり、緑が青になったりということと一致している。
また、ダンテの「新曲」の中でニュートンがプリズムに固執し過ぎていることも一致している。
さて、本題はここで始まる。
私にとってこの調和された本の解読がどのような意味を持つのか、また私にとっての調和とは何か、ゲーテが色彩という調和を見つけ示したように私にとってのそれを見つけたい。投稿日:2021.07.09
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Goetheの赤 -2009.03.09記
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以下はゲーテ「色彩論」における<赤色>談義だ。
「青や黄を濃くしてゆくと、必ずそれとは別の現象が一緒に生じてくる。色彩というものは、最高に明るい状態で…も暗い翳りをもつものである。したがって色彩が濃くなれば、ますます暗くなってゆくのは当然である。しかしながら、色彩が暗くなるにつれて、同時に色彩はある輝きを帯びてゆく。
この輝きをわれわれは「赤みを帯びた」という言葉であらわしている。この輝きがだんだん強まってゆき、高昇の最高段階に達すると、圧倒的な力を示す。強烈な光を見た場合には、網膜に真紅を感じる漸消現象が生じる。プリズム黄赤色は-朱色-は、黄色から生じたものだが、黄色を想起する人はほとんどいない。
赤という名称を用いる場合には、黄や青を少しでも感じさせるような赤は除外し、完全に純粋な赤を考えていただきたい。たとえば白磁の皿の上で乾かせた純正のカーマイン-紅色の絵具のような。古代人の言う真紅が青の側に近いものであったことはよく承知しているが、赤という色彩にはその高貴な威厳のために私はしばしば真紅という名をあたえてきた。
真紅が生れてくる課程をプリズム実験で見た人は、真紅には現実的にも可能的にも他のすべての色彩が含まれているとわれわれが主張しても、牽強付会の言とは思わないであろう。
黄と青の、この二つの極が赤に向かって高昇し、合一するところに、理想的充足と名づけてよいような真の平静さがあらわれると考えることができる。実際、物理的現象においては、それぞれ合一を目指して準備し、一歩一歩進む二つの相対する極がついに出会ったところで、赤という全色彩現象中で最高の現象が生じるのである。
この色彩は、その性質ばかりではなく、その作用も比類がない。この色彩は厳粛で威厳に満ちているというばかりでなく、慈愛と優美を併せ持っているという印象を与える。赤が暗く濃ければ厳粛で威厳があるものになり、明るく淡ければ慈愛と優美に満ちたものになる。このように老人の威厳と若者の感じの良さとが一つの色彩の中に包みこまれているのである。」続きを読む投稿日:2022.08.20
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