この作品のレビュー
平均 3.7 (8件のレビュー)
-
2014.10.20 ~P.36
第一章「発達障害」
学問的知性に遅れがなく、心理社会性に極度の障害が認められる問題をアスペルガー症候群と呼ぶ。発達障害は知性に欠陥がある病だが、人間の成長段階で開…拓される様々な能力の波を全く泳がずに、己にぶち当たった問題をそれ自体無かった事で済ませようとする自閉性も認められる。成長には特異な事象だけでなく世界に対する総合的な理解が不可欠であるが、彼らはその重みを全体として受け止める事が出来ない。
第二章「ひきこもり」
社会との関係を絶つ。その行為の裏には自分を守りたいといった防衛本能が働いている。挫折体験、いじめなど今の自分では抱えきれず解決しようが無い問題から、まずは逃避するしかないと考える。自分に出来る事を増やして行くと、自然に他者と良好な関係を築く意義を自ずから見出せるようになる。それに必要な能力を磨く必要性を感じられるようになる。社会復帰とは社会に関わる為の人間関係への価値や意義を、自分で真剣に認められるか否かにかかっている。
2015.07.05 読了
精神的に参ってしまい、自力で維持してきた自己調節機能も崩壊してしまって、最終的に社会生活から自分をシャットアウトするしかなくなる。何らかの過大なストレス原因があったのだ。自分でそれを見過ごし放置した為に、人間関係の中でその過大なストレスを被らざるを得なかった。自分の不注意や軽率さが招いた悲劇なのだが、その過誤を己の中に認める受容体を持てたならば、次のステップに進むために己の過誤を悔い改める事で、道を切り開いていけるものだ。しかし、己に潜んでいる過ちの死角に気付かず、他の誰かが相手のそれに気付き、相手の弱みの盲点を掴んで狡猾なやり口で密かに本人をあげつらうのであれば、誰だってその社会的メッセージの重みに耐えきれず、精神に裂傷を負う事になるのではないか。外部の人間から己の素性に関する問題点を指摘される事の重みに対する耐性を身に付け、その現場で起きた己の問題点への追究の鋭さにも負けず、自己学習して乗り越える事。これが社会性と呼ばれる最も原型的な学習サイクルなのだ。
自分にも非があると認める余地を持つ。常に自分が正しいと思っていては、この非を認められず外部に問題の原因を求めてしまって、自分の中に原因がある社会的あるいは倫理的未熟さに気付けない。人間関係とは持ちつ持たれつ許し許される伸び代の共有によって、互いが保護された状態を維持している。正しいか正しくないか絶対的に判断を下して裁こうとしたがる衝動に駆られても堪え抜くこと。間違いの指摘自体が正しい判断だとしても、大きく見ればその間違いが正しくない原因は、もっと個人の範疇を超えた社会自体に潜んでいるかも知れないし、だとすれば正しくない事の非を個人に全て押し付けてしまうのは、責任追及の行き過ぎになってしまう危険性を孕んでいる。間違いを許さない厳しい監視は、人間の中にある人格にまでその倫理判断の対象にしてしまう。間違いをカバーして次の問題に進もうとする事が物事の核心であるのに、間違う人間は周囲に迷惑を掛けているから間違わないように教育しなきゃイケナイと考え出すと、白黒付けようとする絶対判断が社会の中に溢れかえり、新たな挑戦に向かう自由も許されない窮屈な息苦しさが蔓延するだけになる。
やはり、社会の中で生きる道を自ら閉ざすしかない精神病者にとっては、もっと柔軟なものの考え方ができなきゃいけない。そして、非を咎められてもそこで参ってしまうのではなく、間違いを素早く認めて自己学習できる客観的な問題構図の把握ができなきゃいけない。誰にでも間違いはあるし、誰かが間違った問題は別の人間にとっても間違う可能性のある問題であると認識すべきで、間違う人間が悪いと追究することが問題ではなく、間違いが起きる問題点自体の改善こそが求められているのだと考えてみよう。それには、自分の事を別の立場から眺める冷静な客観性がなくてはならない。そして問題点自体も、もっと大きな立場から考える視野の広さがなくてはならない。思い込みが激しいと新たな気付きを見過ごしてしまったり、自分の成長を自ら塞いでしまう事になりかねない。精神病の問題構図は、学習機能の低下と思い込みの中に自らを閉ざすしかない独善的な錯誤による成長の停滞、によって生み出される。考え方の病気、と云えば分かり易いだろうか。自分が完全であらねばならないと考えると、自分自身の至らない点を受け容れて自ら改善する事ができる自己責任能力さえ最終的には持てなくなる。自己成長への学習サイクルが止まってしまうからだ。強固な思い込みから自身を解き放って、精神的な自由を取り戻そう。それが、精神病者に対する私なりのメッセージだ。続きを読む投稿日:2014.10.20
精神疾患の当事者になった今、読んでよかったと思う本だった。
広く浅く、やさしく、なにより先入観の"弱い"書き方をされているから、視野が狭くなっている人にとても良い本だと思います。投稿日:2021.12.18
新刊自動購入は、今後配信となるシリーズの最新刊を毎号自動的にお届けするサービスです。
- ・発売と同時にすぐにお手元のデバイスに追加!
- ・買い逃すことがありません!
- ・いつでも解約ができるから安心!
※新刊自動購入の対象となるコンテンツは、次回配信分からとなります。現在発売中の最新号を含め、既刊の号は含まれません。ご契約はページ右の「新刊自動購入を始める」からお手続きください。
※ご契約をいただくと、このシリーズのコンテンツを配信する都度、毎回決済となります。配信されるコンテンツによって発売日・金額が異なる場合があります。ご契約中は自動的に販売を継続します。
不定期に刊行される「増刊号」「特別号」等も、自動購入の対象に含まれますのでご了承ください。(シリーズ名が異なるものは対象となりません)
※再開の見込みの立たない休刊、廃刊、出版社やReader Store側の事由で契約を終了させていただくことがあります。
※My Sony IDを削除すると新刊自動購入は解約となります。
お支払方法:クレジットカードのみ
解約方法:マイページの「予約・新刊自動購入設定」より、随時解約可能です続巻自動購入は、今後配信となるシリーズの最新刊を毎号自動的にお届けするサービスです。
- ・発売と同時にすぐにお手元のデバイスに追加!
- ・買い逃すことがありません!
- ・いつでも解約ができるから安心!
- ・優待ポイントが2倍になるおトクなキャンペーン実施中!
※続巻自動購入の対象となるコンテンツは、次回配信分からとなります。現在発売中の最新巻を含め、既刊の巻は含まれません。ご契約はページ右の「続巻自動購入を始める」からお手続きください。
※ご契約をいただくと、このシリーズのコンテンツを配信する都度、毎回決済となります。配信されるコンテンツによって発売日・金額が異なる場合があります。ご契約中は自動的に販売を継続します。
不定期に刊行される特別号等も自動購入の対象に含まれる場合がありますのでご了承ください。(シリーズ名が異なるものは対象となりません)
※再開の見込みの立たない休刊、廃刊、出版社やReader Store側の事由で契約を終了させていただくことがあります。
※My Sony IDを削除すると続巻自動購入は解約となります。
お支払方法:クレジットカードのみ
解約方法:マイページの「予約自動購入設定」より、随時解約可能ですReader Store BOOK GIFT とは
ご家族、ご友人などに電子書籍をギフトとしてプレゼントすることができる機能です。
贈りたい本を「プレゼントする」のボタンからご購入頂き、お受け取り用のリンクをメールなどでお知らせするだけでOK!
ぜひお誕生日のお祝いや、おすすめしたい本をプレゼントしてみてください。※ギフトのお受け取り期限はご購入後6ヶ月となります。お受け取りされないまま期限を過ぎた場合、お受け取りや払い戻しはできませんのでご注意ください。
※お受け取りになる方がすでに同じ本をお持ちの場合でも払い戻しはできません。
※ギフトのお受け取りにはサインアップ(無料)が必要です。
※ご自身の本棚の本を贈ることはできません。
※ポイント、クーポンの利用はできません。クーポンコード登録
Reader Storeをご利用のお客様へ
ご利用ありがとうございます!
エラー(エラーコード: )
ご協力ありがとうございました
参考にさせていただきます。