遊動論 柳田国男と山人
柄谷行人(著)
/文春新書
作品情報
「私は柳田論を仕上げることをずっと待ち望んでいた」(「あとがき」より)
既成の柳田論を刷新する衝撃の論考が出現! 柳田国男は「山人」の研究を放棄し、「常民」=定住農民を中心とした「民俗学」の探求に向かった――。柳田は長らくそのように批判されてきた。本書はその「通説」を鮮やかに覆し、柳田が「山人」「一国民俗学」「固有信仰」など、対象を変えながらも、一貫して国家と資本を乗り越える社会変革の可能性を探求していたことを示す。読み進めるうちに柳田の「可能性の中心」がくっきりした像を結ぶ、知的興奮に満ちた一冊。
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商品情報
- シリーズ
- 遊動論 柳田国男と山人
- 著者
- 柄谷行人
- 出版社
- 文藝春秋
- 掲載誌・レーベル
- 文春新書
- 書籍発売日
- 2014.01.20
- Reader Store発売日
- 2014.04.04
- ファイルサイズ
- 2.8MB
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この作品のレビュー
平均 4.0 (7件のレビュー)
-
(01)
柳田国男が用いた「実験」あるいは「実験の史学」をヒントに,1960年代以降,た評価が左右に揺らいでいる柳田の立場を擁護し,柳田テキストの新たな読みに挑んでいる.
柳田が一貫して「山人」の実在…を手放さなかったこと,それが「一国民俗学」や「固有信仰」となって,当時の国際情況が国内事情(*02)に合わせ批評的に持ち出された概念であることが本書で主張されている.
民俗学や一国民俗学については誤解されることも多い柳田であるが,農政学や経済「経世済民」との関係により,柳田がその学をどのあたりに位置づけしようとしていたのかが分かる.著者は,柳田が「先祖の話」で説いた魂のゆくえの先を見極め,海と山の同位性や,平田国学や国家神道への批判性にも言及している.
タイトルにある「遊動」とは何か.柳田自身が使ったわけではないキーワードであるが,現代哲学のノマドや網野史学の成果も踏まえ,柳田のテキストにあった遊動の解明を試みている.しかし,著者が提唱する遊動や交換様式にもいくつかの内実や分類があって,この試論は批判的に継承されていく必要があるだろう.
(02)
家の延長に国家があるわけでないこと,オヤコ関係が遊動の双系制にあっては血縁関係に結ばれた親子に限らないことなども本書に指摘されている.おそらくそれは未来の社会に向けた著者の意見でもあるだろう.続きを読む投稿日:2019.06.04
遊動論 柳田国男と山人 (文春新書)
(和書)2014年02月13日 22:52
柄谷 行人 文藝春秋 2014年1月20日
「思考実験=抽象化」ということと遊動性。
抑圧されたものは強迫的に回…帰する。
柄谷さんの言いたいことを理解しようとそれぞれ考え思考実験(抽象化)してきた人たちにとっては柄谷さんがかなりわかり易い言葉と柳田国男という日本人にとってかなり具体的な例より解説されている。
今まで自分の中で疑問になっていた部分が氷解されています。
柄谷さんは人間が思考実験と遊動性をどのように実践していけばいいのか?抑圧された自然状態(遊動性)が強迫的に回帰するということが思考実験とどのように関係すればいいのか?を示している様に思う。
人間を弱者として体系化するのではなく弱者から格差の解消を目指すということ、それは人間の関係にある格差を止揚することを目指す姿勢であるのだろうと思う。それが思考実験としてありえるがスティグマされ不可触民のようにされているものであるが実践として非常に有効なものであると感じた。そういったものが強迫的に回帰するというのは僕のような人間にとって非常にオプティミスティックに感じるところである。
「小さきもの」の思想 (文春学藝ライブラリー)も楽しみにしています。続きを読む投稿日:2020.09.27
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