村上春樹論 『海辺のカフカ』を精読する
小森陽一(著)
/平凡社新書
作品情報
※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。日本、アメリカ、中国等で大ヒットした『海辺のカフカ』。カフカ少年とナカタさんのパラレルな物語に癒し"や"救い"を感じた人も少なくなかった。けれども、本当にそういった内容なのだろうか?丁寧なテクスト分析によって、隠された構造が浮かび上がる。暴力が前面に現れつつある「九・一一」後の世界に、記憶と言葉の大切さを訴える、渾身の村上春樹論。
もっとみる
商品情報
- シリーズ
- 村上春樹論 『海辺のカフカ』を精読する
- 著者
- 小森陽一
- 出版社
- 平凡社
- 掲載誌・レーベル
- 平凡社新書
- 書籍発売日
- 2006.05.10
- Reader Store発売日
- 2015.05.16
- ファイルサイズ
- 34.4MB
以下の製品には非対応です
※この商品はタブレットなど大きなディスプレイを備えた機器で読むことに適しています。
文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。
この作品のレビュー
平均 3.0 (14件のレビュー)
-
このレビューはネタバレを含みます
小森陽一氏の村上春樹論である。『海辺のカフカ』を再読した後、この本を読んでみようと思い立ち、再読をして今回読み終えた。
レビューの続きを読む
自分自身の研究のアプローチに役立った点がある。自分が援用しようとする理論を十分に説明した後で、それを作品の解釈に当てはめていく点である。まあ当然のこととはいえ、これをやることが必要なのだなと改めて感じた。
小森氏はこの『海辺のカフカ』において村上春樹を痛烈に批判する。そして文学の貶めるものだという。だが、かくいう小森氏の文学観はどこから来ているのだろうか。どうもそれが十分に説明されているとはいいがたい。その文学観はアプリオリに設定されていて、自明のもの、そしてそれしかないもののように扱われている。そしてそれに、『海辺のカフカ』は反している、と批判しているのだ。
その批判の論旨はそれなりに説得力がある。『海辺のカフカ』における「入り口の石」の意味など、新たに理解できるものもある。だが、氏が批判する『海辺のカフカ』に示された諸々のものを読者に提示するということも、また文学の意味合いであり、働きなのではないだろうか。
私には、村上春樹が『海辺のカフカ』で提示したことそのものこそが、現代日本の姿であり、現代という社会のありようなのだと思う。そうした中で我々は生きざるを得ないのであり、その中にあってわずかな希望を、ラストシーンで田村カフカ君が示しているのではないか。
無論、私は筋金入りの村上春樹ファンである。よって、批判意見はあまり賛成できないというバイアスがかかっている。それを認めた上でも、やはり小森氏の批判もまたある種のバイアスがかかっているように思う。投稿日:2012.07.16
警告の書と言ってよいだろう。
成毛眞の本を読んで『海辺のカフカ』を
読んでみたいと思った。成毛の本も決して
『海辺のカフカ』を絶賛していたわけではなかった。
ただ一週間も会社へ行けないくらいの
衝撃が…あったらしく興味深くもあった。
今思えば直近に『ドライブ・マイ・カー』や
『カラマーゾフ』を読んだり観たりしたのも
関係あったかも知れない。
『海辺のカフカ』は読後何かモヤモヤした
スッキリしないものがあったのだ。
その理由を知りたくて本書を繙いてみたが
なんとなくその歯に何か挟まった感は
薄らいだ気がする。
よく言われることだが村上春樹の
「女性嫌悪(ミソジニー)」と戦争認識。
内田樹もそうだったがあの年代にありがちな
マッチョ感が違和感の正体だったように思う。
「村上氏の作品は濃厚な米国や西側社会への
憧れがあるが、日本社会は今ではそれほど
米国を崇めていない。そのため彼の作品は
少し時代遅れの感がある」(島田雅彦)
同意するところだ。
本書終盤、戦争の不条理、残酷さのところは
今のロシア・ウクライナ侵攻のおぞましさを
想起した。続きを読む投稿日:2022.07.07
新刊自動購入は、今後配信となるシリーズの最新刊を毎号自動的にお届けするサービスです。
- ・発売と同時にすぐにお手元のデバイスに追加!
- ・買い逃すことがありません!
- ・いつでも解約ができるから安心!
※新刊自動購入の対象となるコンテンツは、次回配信分からとなります。現在発売中の最新号を含め、既刊の号は含まれません。ご契約はページ右の「新刊自動購入を始める」からお手続きください。
※ご契約をいただくと、このシリーズのコンテンツを配信する都度、毎回決済となります。配信されるコンテンツによって発売日・金額が異なる場合があります。ご契約中は自動的に販売を継続します。
不定期に刊行される「増刊号」「特別号」等も、自動購入の対象に含まれますのでご了承ください。(シリーズ名が異なるものは対象となりません)
※再開の見込みの立たない休刊、廃刊、出版社やReader Store側の事由で契約を終了させていただくことがあります。
※My Sony IDを削除すると新刊自動購入は解約となります。
お支払方法:クレジットカードのみ
解約方法:マイページの「予約・新刊自動購入設定」より、随時解約可能です続巻自動購入は、今後配信となるシリーズの最新刊を毎号自動的にお届けするサービスです。
- ・発売と同時にすぐにお手元のデバイスに追加!
- ・買い逃すことがありません!
- ・いつでも解約ができるから安心!
- ・優待ポイントが2倍になるおトクなキャンペーン実施中!
※続巻自動購入の対象となるコンテンツは、次回配信分からとなります。現在発売中の最新巻を含め、既刊の巻は含まれません。ご契約はページ右の「続巻自動購入を始める」からお手続きください。
※ご契約をいただくと、このシリーズのコンテンツを配信する都度、毎回決済となります。配信されるコンテンツによって発売日・金額が異なる場合があります。ご契約中は自動的に販売を継続します。
不定期に刊行される特別号等も自動購入の対象に含まれる場合がありますのでご了承ください。(シリーズ名が異なるものは対象となりません)
※再開の見込みの立たない休刊、廃刊、出版社やReader Store側の事由で契約を終了させていただくことがあります。
※My Sony IDを削除すると続巻自動購入は解約となります。
お支払方法:クレジットカードのみ
解約方法:マイページの「予約自動購入設定」より、随時解約可能ですReader Store BOOK GIFT とは
ご家族、ご友人などに電子書籍をギフトとしてプレゼントすることができる機能です。
贈りたい本を「プレゼントする」のボタンからご購入頂き、お受け取り用のリンクをメールなどでお知らせするだけでOK!
ぜひお誕生日のお祝いや、おすすめしたい本をプレゼントしてみてください。※ギフトのお受け取り期限はご購入後6ヶ月となります。お受け取りされないまま期限を過ぎた場合、お受け取りや払い戻しはできませんのでご注意ください。
※お受け取りになる方がすでに同じ本をお持ちの場合でも払い戻しはできません。
※ギフトのお受け取りにはサインアップ(無料)が必要です。
※ご自身の本棚の本を贈ることはできません。
※ポイント、クーポンの利用はできません。クーポンコード登録
Reader Storeをご利用のお客様へ
ご利用ありがとうございます!
エラー(エラーコード: )
ご協力ありがとうございました
参考にさせていただきます。