この作品のレビュー
平均 3.3 (4件のレビュー)
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昨年(2015)の本棚の整理で発見した、八幡氏が書かれた「日本中世史」の本です。歴史は好きなのですが、平安・鎌倉・室町時代の出来事に触れることが少なかったので、この本で解説されている、まずは有名な事件…に絞って学んでいきたいと思いました。
道徳に縛られずに、愛と欲望のために生きる姿が特徴のようですね。また、以前に「陰陽師」という映画を見た時に出てきた、怨霊や亡霊などが、とても活躍していた時代の様でした。機会を見つけて、更に日本の中世を学びたいです、その時の世界の動きにも注目しながら。
以下は気になったポイントです。
・奈良時代の律令制は、大規模な常備軍等の効率的なシステムを構築したが、平安時代は、地方自治や民間委託によって、小さいシステムを採用するようになった(p19)
・オペラ歌手が世襲でないのは、例外的な才能が要求されるから。歌舞伎は世襲(p22)
・小さな政府の時代である平安時代(最後の遣唐使が帰国した893)から室町幕府が滅びるまでを中世とする(p25)
・平安京への遷都の理由、1)宮廷を豪族の本拠である大和から離す、2)平城京は南都七大寺に代表される大寺院が立派すぎてコストかかっていた(p28)
・壬申の乱では、不比等をはじめ藤原一族は、大友皇子を担ぐ近江朝側であり、不比等は子供なので助かったが、戦後は冷や飯組だった(p37)
・日本が男尊女卑になったのは江戸時代になって朱子学が盛んになってから。(p37)
・時代の変わり目で新しい技術が導入されて、政府も農民も豊かになった。このタイプの政策は、1)大化の改新、2)太閤検地、3)明治維新、4)戦後改革(p60)
・人から税金を取るのを諦め、土地から取ることにした。人頭税負担の軽い女性になりすますものが増えて、女が男の10倍も登録された(p60)
・皇后陛下は、欧州の国王・王妃の制度にならった西洋的なモノ。独身皇族では、後宇多天皇の皇女に遺贈したのが最後、幕末に復活(p82)
・天下人となった、平清盛と後白河天皇でさえ、その生涯の中で、傲慢な独裁者として振舞えたのはごく短い期間(p111)
・源頼朝は軍事貴族であり、皇室や摂関との距離は近く、今日と出身の官僚を重用した(p142)
・保元平治の乱では、平清盛が権力を握ったが、武士の世が来たというより、貴族社会の中で軍事貴族が政治の主導権と利権を握ったのみで、関東武士にとってはメリットなかった(p170)
・明治維新後に東京を首都にした動機は、江戸城を徳川家に返さないためだった(p201)
・鎌倉は関東公方(二代将軍、義あきら、の同母弟の基氏が初代)を置いて、自治区のようにした(p202)
・室町幕府は将軍が弱体ではない、大名達の統制論理が江戸幕府のように大名同士の争いを避けることによる安定な権威ではなく、大名同士を争わせることによる、仲裁機会の確保であったから(p205)
・南北朝の合一から鎖国までの約250年間は、経済や文化についていえば、右肩上がりの成長期であった(p207)
・明治44年には、帝国議会で南朝を正統とする決議を行った、そして北朝の五帝は天皇号を用いていない(p214)
・本地垂迹説に基づき、日本古来の神様は仏様の生まれ変わり、大日如来・日吉権現・天照大神は同一と説かれた(p234)
・律令制が崩れて、正規軍・警察が弱体となったので、京都周辺で最強の武装集団は延暦寺と興福寺の僧兵ということになった(p237)
・天台宗と真言宗は朝廷の宗教であり続けた、徳川家は浄土宗の檀家であり増上寺を保護したが、天台宗の上野寛永寺も菩提寺として丁重に扱ったので、歴代将軍の墓は、この二つの寺に半分ずつある。これらが衰えたのは、明治の廃仏毀釈と農地改革のため(p238)
・中国から見て、日本は元寇や倭寇の歴史からして中国に従属などしない国に見なされた(p260)
2016年1月2日作成続きを読む投稿日:2016.01.02
系図好きの私にはたまりません。
信長は清盛の子孫なんですね。
系図を見ていると、あの人とあの人がつながっていたり…。イロイロと想像力を掻き立てられるところが大好きです。投稿日:2022.06.18
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