中原の由緒正しき王国パロは、新興モンゴールの侵略の前に一夜にして滅び去った。王家の血をひくリンダとレムスの双子の姉弟は、ある力によって妖魔の跳梁する辺境の森に逃れた。だが追手の厳しい追及は、たちまち3人を窮地に追い込む。そのとき忽然とあらわれた豹頭人身の怪人・グインが二人を救い出すのだった! 壮大な構想のもとに繰り広げられる絢爛たるドラマの開幕!(※電子書籍版には口絵・挿絵が収録されておりません)
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ジェニュアからの脱出を図らんとするナリス軍。そしてこれを追討するレムス国王軍。両者は夕刻、ルーナの森でついに激突した。ヤンダル・ゾックのあやかしか、巨大な眼球となった不気味な月が見おろす下での戦闘は熾烈をきわめ、森は鮮血に染まる。同じ月の下、魔空間に変容したクリスタル・パレスで、恐怖に打ち震えるリンダの姿があった。そしてその一方、戦場を驚愕の知らせが駆け抜ける。「アルド・ナリス崩御--」と。(※電子書籍版には口絵・挿絵が収録されておりません)
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ヴァレリウスとイェライシャは、ノスフェラスでついに伝説の大導師アグリッパとあいまみえた。ふたりが異様な姿のアグリッパと語りあっていたころ、ジェニュアには、レムス国王の命によるナリス追討軍が迫っていた。ヨナたちは、ラーナ大公妃を人質に取り、ナリスを脱出させるべく策略をめぐらすが、対峙したナリス軍と国王軍はついに激突! 夜陰にまぎれて、馬車を走らせるナリスらの前に、黒々と広がるのはルーナの森。(※電子書籍版には口絵・挿絵が収録されておりません)
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伝説の大導師アグリッパはどこに? 探索を続けるヴァレリウスは、ルードの森で《ドールに追われる男》の異名を持つイェライシャ老師から、アグリッパはノスフェラスにいるとの情報を得る。一方、病床のナリスを訪れた彼の聖母ラーナ大公妃は、ナリスの一連の行動を鋭い舌鋒でなじるのであった。そしてついに、イェライシャとともにノスフェラスの奥地に飛んだヴァレリウスだが、そこで、生ける神秘を目撃することに!!(※電子書籍版には口絵・挿絵が収録されておりません)
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ナリスはやむなくランズベール城を捨て、ジェニュアに本拠を移した。そこで自分を聖王として迎えてくれた高僧、武将たちを集めて会議を開いたナリスは、みなに呼びかけた。パロがキタイの竜王の標的となったことは全中原の存亡にかかわる問題であり、それに対処するには中原列強の助力を求めるほかはないことを。一方ヴァレリウスは、グラチウスからの要請を受けてアグリッパのアジトをもとめ、ルードの森へと旅立った。(※電子書籍版には口絵・挿絵が収録されておりません)
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ナリスの決起に応えてアルカンドロス広場につめかけたクリスタル市民。それに対して、無差別殺戮を始めた竜頭の騎士たち。彼らは《竜の門》と呼ばれる竜王ヤンダル・ゾックの手のものだった。その突然の出現は、予想以上にキタイの魔の手がパロの中心部にまで入り込んでいることを、ナリスに実感させる。一方、囚われの身となり拷問に責め苛まれるヴァレリウスのもとに、意外な人物が驚くべき申し出をもって現れた……。(※電子書籍版には口絵・挿絵が収録されておりません)
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ナリスは遂に国王に対し兵を挙げた。彼に好意的なアムブラをはじめ、クリスタル全市に〈ナリス起つ〉のしらせがたちまち広まる。だが、ナリスがもっとも信頼する腹心のヴァレリウスは、囚われたまま消息がとだえていた。やがて国王側は破城槌でナリスたちのたてこもるランズベール城の城門にうちかかり、さらに降伏勧告の新書を届けてよこ--?ナリスは現王レムスを倒せるのか? さもなくば死あるのみ。反乱の成否は?(※電子書籍版には口絵・挿絵が収録されておりません)
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ときならぬ嵐がパロを吹き荒れるなか、聖王宮を訪れていたリンダは、突如レムス国王から呼び出しを受けた。レムスと対面した彼女は、彼が何ものかにとり憑かれており、もはや以前のレムスではなくなっていることを見抜いた。レムスにとり憑いたそれとは……。とうとうリンダの前に不気味な竜王が正体を現す!? 一方、リンダの消息が途絶えたとのしらせを受け、異変を察知したナリスは、謀反の決行を早める決心を固めた!(※電子書籍版には口絵・挿絵が収録されておりません)
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獅子心皇帝アキレウスほか重臣たちの前で、グインとシルヴィアは婚礼を挙げ、グインは皇帝よりケイロニア王大元帥の称号を授けられる。そのころパロのカリナエ宮では、ヴァレリウス以下ナリスの反乱にくみする主だったものたちが、はじめて一堂に会し、決意を新たにしていた。一方、武力でトーラスを制圧したイシュトヴァーンだったが、思うようにユラニアへの帰還を果たせずに、日々いらだちをつのらせるのだった!(※電子書籍版には口絵・挿絵が収録されておりません)
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イシュトヴァーンは、彼の傭兵時代の行為が国への反逆にあたるとして告発され、トーラスで審問を受けることになった。臨時法廷に出廷したイシュトヴァーンだったが、まるで罪人のような扱いに怒り心頭に発する。一方、弁護をかってでたカメロンは、不利な状況下にありながら、イシュトヴァーンを守るために、鬼神のごとき迫力で告発側の証人に迫る。やがて審問が進むうち、事態は思いもかけぬ恐るべき展開を見せ始めた!(※電子書籍版には口絵・挿絵が収録されておりません)
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イシュトヴァーンに、トーラスから出頭を求める使者が来た。彼の過去の行為が謀反にあたるとして告発されたというのだ。イシュトヴァーンは急遽トーラス行きを決定する。一方、歓呼の嵐のなかサイロン入りしたグインたちは、皇帝アキレウスと再会を果たし、シルヴィア、オクタヴィアの二人の皇女は皇帝のもとに迎え入れられる。さらに皇女は、かねての約束どおり、グインを大元帥に任命、ケイロニア王の称号をも授けた!(※電子書籍版には口絵・挿絵が収録されておりません)
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シルヴィアを救出したグインたちは、キタイからノスフェラスを越え、無事トーラスにたどり着いた。マリウスは、愛妻のタヴィアが帰りを待ちわびる〈煙とパイプ亭〉に戻り、娘のマリニアを初めてその腕に抱く。そして、グインもまた〈煙とパイプ亭〉を訪れ、主人のゴロダに、かつてセム族の襲撃を受けたスタフォロス城で、ある勇士から託された伝言を伝えるのだった……。(※電子書籍版には口絵・挿絵が収録されておりません)
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かつて抱いていたわだかまりを解き、スカールはナリスにノスフェラスでの体験を語り始めた。スカールがそこで見た星船、巨大な手足のないひとつ目の赤ん坊、クラーケンの入った柩などの光景は、ノスフェラスの秘密の解明を望むナリスを興奮させ、ふたりは夜更けまで話し込む。そして遂に、スカールはナリスの考えに賛同し、中原への侵略を目論んで迫り来るキタイの竜王の魔手を阻止するため、ともに戦うことを約束するが……。(※電子書籍版には口絵・挿絵が収録されておりません)
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