中原の由緒正しき王国パロは、新興モンゴールの侵略の前に一夜にして滅び去った。王家の血をひくリンダとレムスの双子の姉弟は、ある力によって妖魔の跳梁する辺境の森に逃れた。だが追手の厳しい追及は、たちまち3人を窮地に追い込む。そのとき忽然とあらわれた豹頭人身の怪人・グインが二人を救い出すのだった! 壮大な構想のもとに繰り広げられる絢爛たるドラマの開幕!(※電子書籍版には口絵・挿絵が収録されておりません)
便利な購入方法
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ナリスをめぐる神聖パロとゴーラの対立は、グインの尽力によって収まり、つかのまの平和が訪れたかに見えた。しかしナリスのからだは、これまでの数々の試練によってひどく蝕まれていた。グインとの初会見のさなか、その異形の不思議に感銘を受けたナリスは、かぼそい声で成しえなかった夢を語りながら、グインに見守られて静かに息を引き取る。その死が知らされるや、誰もが胸ふたがれ、中原は大きな悲しみにつつまれた。(※電子書籍版には口絵・挿絵が収録されておりません)
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ナリスをめぐってグインとイシュトヴァーンが対立していたその頃、ゴーラではアムネリスが長男を出産したのち、イシュトヴァーンを恨みながらみずからの命を絶っていた。いっぽうナリスを捕らえたままのイシュトヴァーンは、ケイロニア軍と何度かの激突ののち、グインとの一騎打ちとなるが、それに敗れて捕虜となり、ヤンダル・ゾックにかけられていた催眠暗示を魔道師によって解かれ、呪縛から逃れたかに見えたのだが……。(※電子書籍版には口絵・挿絵が収録されておりません)
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イシュトヴァーンのマルガ奇襲によって、ナリスは囚われの身となった。彼の処遇と和平をめぐって、イシュトヴァーンは、グイン、リンダヴァレリウスの三者から会見を申し入れられ、四人は一堂に会することになる。しかし中原の運命を左右する交渉は決裂し、ついにゴーラ軍はケイロニア軍と激突する。先陣を切ったゼノンが苦戦を強いられ押されてゆくのを見たグインは、黒竜騎士団に号令し、ともに大地を蹴って戦場に赴く。(※電子書籍版には口絵・挿絵が収録されておりません)
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ナリス軍と別れて失意のまま放浪していたリギアは、まったくの偶然からゴーラ軍の不穏な動きを知る。その情報を伝えるべくリギアはイェライシャの力を借りてふたたびナリスのもとへ。いっぽうリンダは、ナリスと再会しながらも、いったん彼のもとを離れ、神聖パロの名代として、ヴァレリウスとともにサラミスへ旅立っていた。その直後、ゴーラ軍の奇襲によってマルガは血に染まる。ナリスに迫らんとするイシュトヴァーンの、悪鬼のごとき姿がそこにあった。(※電子書籍版には口絵・挿絵が収録されておりません)
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リンダの帰還を受けてナリス陣営の動きはにわかにあわただしさを増していた。いっぽうイシュトヴァーンは、ナリスの去就に心を惑わしつつ軍を進めていたが、マルガ直前でスカール軍の奇襲を受ける。たちまち応戦するイシュトヴァーンに、スカールは一騎打ちを挑みかける。激しく激突する両雄の憎悪と因縁。劣勢となったイシュトヴァーンは決着を避けて逃げ延びるも、負傷した彼はヤンダル・ゾックの魔の力に屈してしまう。(※電子書籍版には口絵・挿絵が収録されておりません)
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怪異に彩られたクリスタル・パレスでグインは、魔王子アモンとあいまみえる。その瞳に不吉な予兆を見るグイン。いっぽうヤンダル・ゾックの魔道によって睡り続けていたリンダは、不意に目ざめて、グインに関する予知を口にする。その言葉にしたがい、グインはリンダとスニを連れ、古代機械を利用して、クリスタル・パレス脱出に成功する。しかしリンダをさらなる苦難が待ち受ける。(※電子書籍版には口絵・挿絵が収録されておりません)
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死人の軍勢を追撃するイシュトヴァーンのゴーラ軍は、竜頭の怪物兵に遭遇し、思わぬ闘いになる。いっぽうグインが率いる軍勢は、ゴーラ軍の近くをかすめるように進軍し、妖気漂う街、シュクへ到着。グインはレムスと会見し、ヤンダル・ゾックはナリスの命を盾にグインを恫喝しようとする。しかしグインは逆に、ヤンダルの魔宮、クリスタル・パレスへ入ることを希望する。彼の帰還を阻むであろう魔性の存在を知りながら……。(※電子書籍版には口絵・挿絵が収録されておりません)
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イシュトヴァーン率いるゴーラ軍を襲撃したのは、宿敵であるクムの王子タルーの軍勢であった。捕らえられ拷問にかけられたタルーは、兵を調達した謎の老人のことをもらした。その正体を突き止めるべくイシュトヴァーンは、途中の村を焼きつくしながら鬼神のごとく進めてゆくうち、死者の軍勢という奇怪な噂にゆきあたる。一方グインは、ヴァレリウスと会談したのち、つづいてレムスと会うべく危険な策を練るのであった。(※電子書籍版には口絵・挿絵が収録されておりません)
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グイン出陣す! ナリス新政府とレムス政府との対立は、すでにパロのお家騒動の枠をこえて各国の思惑を刺激する動きとなっていた。そんな戦乱の時代の予感が中原を重苦しく覆うなか、それまで外国内政不干渉を原則としていたケイロニアがついに動いたのである。いっぽう、同時期に出兵した、イシュトヴァーン率いるゴーラ軍は、山中で思わぬ仇敵に遭遇し、はやくも戦闘に突入していた。二巨頭の動向が風雲急を告げる新展開!(※電子書籍版には口絵・挿絵が収録されておりません)
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アルド・ナリスは復活した! 正統なるパロ聖王アルド・ナリス一世を発表したのである。さらに、レムスを王位簒奪者として弾劾し、中原諸国に共闘を呼びかけた。これに対しレムス政府は、ナリスを国賊として討伐する布告を発し、また新政府を容認する者は逮捕・処刑とのきびしい姿勢をあきらかにした。このかつてない動乱の予兆に、各国もあわただしい対応に迫られ、歴史は動こうとしていた。(※電子書籍版には口絵・挿絵が収録されておりません)
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アルド・ナリスの訃報はまたたくまに世界を駆けめぐった。突然の知らせは、スカールの激怒、イシュトヴァーンの動揺、グインの懐疑、マリウスの狼狽と、大きな衝撃を引き起こす。一方ヤンダル・ゾックは、悲しみにつつまれるナリス軍を竜頭の巨人兵に襲わせると同時に、密通者の身体を使ってその陣内に出現せんとしていた。そのとき異空間からの力が密通者を焼きつくし、ヨナの頭の中にヴァレリウスの心話が響きわたった。(※電子書籍版には口絵・挿絵が収録されておりません)
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ジェニュアからの脱出を図らんとするナリス軍。そしてこれを追討するレムス国王軍。両者は夕刻、ルーナの森でついに激突した。ヤンダル・ゾックのあやかしか、巨大な眼球となった不気味な月が見おろす下での戦闘は熾烈をきわめ、森は鮮血に染まる。同じ月の下、魔空間に変容したクリスタル・パレスで、恐怖に打ち震えるリンダの姿があった。そしてその一方、戦場を驚愕の知らせが駆け抜ける。「アルド・ナリス崩御--」と。(※電子書籍版には口絵・挿絵が収録されておりません)
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