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夜更けより静かな場所
夜更けより静かな場所
岩井圭也/幻冬舎
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総合評価

238件)
4.2
86
103
32
2
1
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    読書という身近なテーマの物語。読書会という場に集まる六人の悩み葛藤が章毎に打ち明けられる。特にすごい悩みという訳でもなく一般的なよくあるものに感じる。 でもそれがすごくよく分かる。 いちばんやさしいけもの 夢は消えても人生はまだ始まってもいない。能力ってなんだろう。それだけがその人じゃない。一部だけなんだ。 夜更けよりも静かな場所 生活していて遭遇するのは答えのない問いばかりだ。同じ様な悩みはよくある。考えてもしょうがないのに長時間沈んでしまうこともある。 人生、選択となりゆきで進んで行く。やりたいことは思い通りに出来ないが、少しはすり合わせて妥協していけばマシになってくか。 終わり方は綺麗過ぎな気はしたが、好きだな。 翻訳本に少し興味が湧いた。

    17
    投稿日: 2025.11.10
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    このレビューはネタバレを含みます。

    それぞれの日常にそれぞれの本や絵本、楽譜など活字を掛けた斬新な一冊だった。ラストの章は衝撃だったが、読み込みのある本だった。人生観を考える機会をくれる一冊です

    0
    投稿日: 2025.11.09
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    このレビューはネタバレを含みます。

    はぁ…読んでよかった。 「深海」という古書店で、夜中に開催される読書会。 参加者は6名。 それぞれ問題を抱えており、それは選ぶ本に投影されている。 みな読書を通して熟考し、それぞれの進み方を選択していく。 この作品を読んで改めて痛感したのが、自分の読書の浅さ、テキトーさ。 図書館で限度いっぱい借りて、さーっと読んで「あぁ、おもしろかった」で終わり。 なんともったいないことよ… 今まで何度もじっくり読んでみようと思いながらも、先へ先へと急いで読むクセは直らず。 しゃーない、これが私の読書スタイルだ。(開き直り)

    0
    投稿日: 2025.11.07
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    読書家必読の一冊ではないでしょうか。 一冊の本の中で行われる読書会の様子を想像しながら読むと、 【本の中で本を読んでいる】 という不思議な感覚に陥る。まずその読書体験が味わえる点ですごく面白いし楽しい本。 連作小説形式となっていて、主要な6人の登場人物の人物像やエピソードが、それぞれの読書会の課題図書6冊に絡めて綺麗に収められている。 一人ひとりの性格や価値観の違いを強く感じる。 中性的な人・激しめな人・おっとりした人・冷静な人・淡白な人・不思議な人。 そのキャラクターは読者の想像力を掻き立てるとともに、感情に揺さぶりをかけてくる。 読書の没入感を演出するに足る素晴らしい表現と設定。 物語世界の中の登場人物たちは、 《独特な関係》を切り結ぶ。 《付かず離れずで、互いのテリトリーや生活に深入りはしすぎない、が読書会では本音で感想を熱く語り合う、不思議な関係》 そういう人間関係の設定が本書の世界観を支えているように感じる。 例によって登場人物それぞれが後悔や葛藤や悩みを抱えている。 読書会を経た彼らは、気付きや心の変化を実感するが、 【決断や選択をしながらも不安や迷いを拭い去れず】 に前に進んでいく。 それはあまりに現実的だが、むしろそれがいい。 飾られた物語チックなコテコテの小説ではなく、不思議な関係の中に妙な人間と社会のリアルさが埋め込まれている。 そういう小説はいい、と僕は思う。 いやがうえにも時間は進んでいく。人生苦しいことや辛いことばかりだと感じる。 でもきっと、 【誰もが〈自分にしかない強さ〉を持ってる】 【「夜更けより静かな場所」は誰にでもある】 そう信じる力をくれた。 偶然であり必然である人生を噛み締めること、なりゆきと決断で生きていくことに共感した。 だって僕も、こうやって今、「生きている」から。

    14
    投稿日: 2025.11.05
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    私は課題本のある読書会が苦手だ。 読書会に参加するのは、テーマである時だけ。 何故、苦手なのかって? 同じ本を読んだからといって、同じ感想にはならないからである。 もちろん同じ感想にならない事が嫌なわけではない。 自分と違う感想を持った人の意見を聞くことは悪いことではない。面白いし視野も広がる。 ただ、それも十人十色。 聞くだけならいいが、他人の意見に対して持論を投じる人や、反対する人が苦手なのである。 残念ながら読書会界隈には若干数、そんな人がいる。出会う確率は運と言える低さかもしれないが…。 なので、私は課題本のある読書会には参加しないと決めている。 この話は、そんな読書会の課題本をテーマにした作品である。 深夜24時まで営業している古書店『深海』。 そこで数ヶ月に一度、閉店後の真夜中から開催されることになった読書会。出逢う6人。 それぞれが課題本に選んだタイトルと共に、その人の人生が語られるスタイル。 面白かった。 恋人との話、友人と話、夫婦の話、親子の話、自分の話、そして別れの話。 本と読者の人生。それだけで終わるはずだったものに、読書会を通して続きが現れる。世界が広がる。視野が広がる。重なるはずのなかった人生と人生が重なる。 読書は読書だけで面白いのに、さらに面白くなるなんて。まるでその人たちの人生を覗いてしまったような読書会の疑似体験だった。 今年の春義母を亡くし、先月愛犬を亡くした私には少々辛いシーンもあったけれど、ラストはスッキリ、笑顔で読了した。 全読書好きが読んだ方がいい作品だと思う。 読書会に興味がある人もない人も是非。

    35
    投稿日: 2025.11.05
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    このレビューはネタバレを含みます。

    夜更けより静かな場所は古書店の深海であった。 深夜から開催される読書会。 参加者は年齢も性別も境遇もばらばら。 課題図書に対して自由に意見を言える場所。 章毎にそれぞれなぜ深海に通うようになったか描かれており、 大学教授との関係性、 スポーツ推薦で入った野球部の話、 司書の仕事の話、 プロをめざすはずだっあバイオリン人生など 置かれた状況は様々だが、 深海を居場所として必要としており、 店主も受け止めてくれるその場がうらやましかった。 何も告げずに亡くなった店主の自伝で店を受け継いだのも読書会の参加者と同じく居場所となっていたからだと伝わってきて、本を通して前に進んでいく様子には力をもらえた

    0
    投稿日: 2025.11.04
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    読書がしたくなる本だった。 古本屋と古書店、この本のなかでは2種類の言葉が出てくるけど、受ける印象が全然違って、 古書店の方が暗い静かな場所を想像させる。 学校は同じ場所で同じ仲間で同じことをするところだけど、大人の世界は、一人一人それぞれ違うし、感想もそれぞれ。私も登場人物たちの読書会に参加したいと思った。

    0
    投稿日: 2025.11.02
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    とある読書会で、この本を読書好きな方に手渡してしまったので記憶だけで書きます。 この本は、就活を控えたひとりの大学生の行動がきっかけで、深夜の古本屋さんで男女6人が読書会を始めていく。という話です。 本の中でも特に心に響いたのは、やはり最後の店主の話。 一冊の本に込めた思いだったり、その本から読み取った「私たちが本を読む理由」だったりの話に、自分自身はっとさせられました。もっと具体的に言いたいけどネタバレになるので、気になった方は読んでみてください。 読書好きな方、読書会に参加してみたいけど踏み出せていない方など、幅広い方におすすめできる1冊です。

    22
    投稿日: 2025.10.26
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    このレビューはネタバレを含みます。

    読書の話 だったので興味深く。 自分が読んで面白かった、と思った本を人にすすめるのって少しドキドキする。 私が感じた面白さをわかってもらえるか、面白いと思ってもらえるか。 これって、なかなか深いんじゃないかなと思う。 読書会というものに、すごく興味が出てネットで調べてみたけど なんだかあまり良い検索結果が出なかった。 誰かと感想を語り合うって確かに楽しいだろうなと思う。ぁーそういう捉え方もあるんだなと気付けたり、そこに響くんだと その人の感性に触れたり。 評価がまったく違う人とは、一緒に居ても色んな感覚が合わないものなんだろうか。 そういった事も知ってみたい。 あと、自分では決して選ばないであろう本を読むキッカケになるのは楽しいことだと思う。 私も本に好みがあって、本というか文章というか…色んな本を読んでみたいと思うけど、膨大な数の本から選ぶってかなり難関で。どうしても棚で目立つ本だとか、話題になってるもの、ポップが付いてるものを手にとってしまいがちだけど、もっともっとそんなに目立ってなくても面白い本は沢山あるだろうし。 やっぱりすすめて貰えると有難いなって思う。 最近はAIに、私の読書傾向を伝えてオススメしてもらっている。 AIっていいね。

    2
    投稿日: 2025.10.25
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    このレビューはネタバレを含みます。

    諸事情により丸1ヶ月ほど読書時間が取れなかったので、久々の読書でした。 前情報なしに、背表紙を見てこれだ!と思って手に取った一冊。 大学生の主人公が、叔父の営む古書店に足を運び、自分に合う一冊を見繕ってもらうところから物語が始まっていきます。 主人公は読書に没頭し、読後の想いを語るための読書会に参加します。 誰かに勧められた本が自分の好みにぴったりあったり、自分では絶対に選ばないはずのとても面白い物語に出会えたり。誰でもそんな経験はあると思います。その読後の感想を直接、読者と語り合う機会は、実際にはあまりありません。深夜0時からの読書会、私も参加したいなあと思いました。 各章は、読書会のテーマのタイトルでした。 一章の真昼の子が、他のどのテーマの方よりも詳細にストーリーが語られていました。面白そうでただただ読みたい!と感じました。 二章のいちばんやさしいけものでは、主人公の大学の同級生視点での物語。 読書を通じて、野球部としての挫折を自分の中で消化して、母親に電話するシーンは感動的。野球を辞めた、との報告に、やめたんだね。よく頑張ったね。とだけ答える母の対応・・素晴らしい。自分はもっと根掘り葉掘り聞いてしまいそうです。ちょっとだけ『アルプス席の母』を思い出しました。 三章の隠花は、図書館司書の女性のおはなし。 印象深かったのは、「待遇は悪いし給料も上がらないけど、それでもやりたい仕事ができていれば人は決断できる」という一文。 子供を作らないこと、離婚をすることは、司書だから出来た、という話。自分の中に、何か大切にしているものがあれば、自分で決断できるものだよなと、深く納得しました。 また、『隠花』は詩集でしたが、読み手により解釈が大きく異なるものであるということは、面白い発見でした。詩集は読んだことがないな・・と思いましたが、5年ほど前に宮沢賢治の春と修羅を読んだことがあることを思い出しました。全然意味がわからなかった記憶。 『これからも時々読み返すことにします。ー詩や小説は、年齢とか置かれた状況によって感じ方が全然違ってくるので。』という、店主の叔父の言葉に、私もそうしよう!と強く思いました。確かに、アニメや漫画も同じですよね。 不思議なことに、悩んでいるうち、その問いが心の中で落ち着く瞬間がある。答えが出たわけではなく、まぁそれはそれとして、大過なくやれてるんだから大丈夫だろう、と思える瞬間があるのだ。答えの出ない問いと折り合いをつけるには、悩み続けるしかない。 四章は雪、解けず。デザイン会社で働く男性のストーリー。 物心ついてから一度しか会っていない父から、連絡があり会いたいと言われる。 読書会で選んだ本は、父の影から逃れられない下級武士が、呪縛から解放されて最終的に父と違う方法で立身するというストーリー。 それに後押しされ、頼まれるがままに会う約束を取り付け、父の姿まで見たものの、無理に許す必要はない、会う必要はないと決意して踵を返す。えっ、会わないの!と思ってしまいましたが、午前0時の読書会が参加者の人生に大きな影響を与えていることを強く感じさせられました。 五章のトランスルーセントは、なんと楽譜でした。プロのバイオリニストを目指していたが挫折をした女性に、店主がどうしてもと頼み込んで、ブランクを埋めるように練習に励みます。 私も趣味で楽器演奏をするので、この章では非常に考えさせられました。 「演奏とは、自分がどういう人間かを知る作業だ。技巧が一定のレベルに達するとその先にあるものを求められる。どんな音を出したくて、何を表現したいのか。弾けば弾くほど自分と言う存在が浮き彫りになっていく。」 音楽はただ音を出すだけではなく考えることがたくさんある。自分をよく知り、その音楽のこともよく知らなければならない。そうしないと良い音楽はできないのだと、つくづく感じていたのでとても印象的でした。 「演奏は読書と似ている。どちらも孤独だし、夢中でストーリーを追っているうちに時間が経ってしまうところも同じだ。ー違うのは、音楽の演奏には聴衆がいるところだ。読書は批評されないけれど、演奏は批評される。良い演奏と悪い演奏が歴然と存在する。私にはその厳しさを直視することができなかった。ただ音を出すだけの、ただ楽しむだけの、そういう音楽は許されないのだろうか?多分許されないんだろう。少なくともプロの世界では。」 という考えを巡らせながら練習した後、読書会で演奏会を披露した後、参加者からの感想を聞いた後の言葉は、自分の中でもずっと持っておきたい、宝物のようでした。 「すごかった、よかった、感動した。感想なんてそれで十分だった。ここにいるのは教師でも批評家でも審査員でもない。音楽はそういう人たちだけのものじゃない。」 最終章の、本書のタイトルである、夜更けより静かな場所。 店主である叔父が自費出版したと考えられる自伝でした。 それまで多くを語らなかった叔父の来し方がここに来て分かり、最後にそれを読書会のテーマとして、参加者たちが再び集まります。 主人公が、読書会の後、古書店を引き継ぐことを決めるところで物語は幕を閉じますが、ぜひ続きも読みたいと思いました。 私は読書をすることで人生を大きく動かされた経験はありませんが、自分が本を読む意味ってなんだろうと何度も考えました。「本の世界に没頭する自由」を、私は私から奪ってはいけないな、と思います。 息をしているのを忘れるくらいに、のめりこむ。本を読む時にいつのまにかいる、「海の底」。そんなかけがえのない場所を、これからも大切にしたいと思える一冊でした。

    2
    投稿日: 2025.10.22
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    〈深海〉という名の古書店で開催される深夜の読書会。そこで出会う1冊の本を通して、登場人物たちが自分の生き方を見つめ直していく。それは小さな一歩かもしれない。けれど“自分で決める”というのは大きな覚悟が必要で、だからこそ決別できたり後悔したり、前を向くことができる。 心に寄り添っている大切な本がわたしにもある。これからも読書をする中で、そんな本たちとの出会いがあると思うと楽しみだ。 読書会というものにわたしは参加したことがないけれど、“共感だけが読書の感想じゃない”というのが良かった。物語の登場人物に共感ができなくたって、その物語がおもしろいということはあるし、感想は読む人の数だけあっていいんだ。

    1
    投稿日: 2025.10.19
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    深夜の読書会が楽しそうで、実際にあったら参加してみたいと思った。 誰もが無意識に自分の人生というフィルターを通して本を読んでいるので、同じものを読んでも感じ方がそれぞれ違うのが面白い。 叔父さんが言っていたように、登場人物に共感しなくてもいいし、本の楽しみ方は人の数だけあっていいと気付かされた。

    26
    投稿日: 2025.10.16
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    人生は選択の連続。 6人の登場人物は、それぞれにとって重大な選択をし、その結果である今の自分を受け入れて、前向きに人生を歩んでる。 構成は見たことあるようなものだったけど、内容は良かった。 最後の重大な選択は、後悔の無いものとなりますように。

    2
    投稿日: 2025.10.13
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    読後の余韻がとてもここちよい良作。 もしかしたら、音楽関連話への導入に使っただけなのかもだけど、買取を依頼した感じの悪い女性がどうなったのか、気になった。

    3
    投稿日: 2025.10.12
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    このレビューはネタバレを含みます。

    こういう読書会があったらいいなぁと思った。 友達と本の話をするなんてせいぜいベストセラーくらいで、 個人的に気に入っている本について話せる体験なんてまずないんだよね。 ただ巷にある読書会はこの小説のようにまともな人達だけが集まるのか?文学オタにマウントされるんじゃないのか?みたいな警戒心が勝ってどうも行く勇気が持てないんだよなぁ。 内容について。 登場人物それぞれの半生や心情が順々に語られる本って結構好きなんですよね。話の厚みが出るし、同じ情景の描写でもそこにいる人の内情が想像できる分、行間を想像する楽しみが増えるというか。 以下いろいろ気になる点書きますが、全体としては好きな話です。 話の展開について。 深海の店長が理由も深く説明せず突然閉店したのはどうも理解できなかった。 自伝を残すことで何となく治まった雰囲気にはなってるが、常連からしてみたら信頼していた自分の居場所に突然裏切られた気分になったんじゃないのか。 その辺が前半までの登場人物の思いを丁寧に書いていたところに対してかなり雑な展開だなと思った。 まぁみんな大人だから仕方ないよね、と割り切ってるのか?うーーん。 あと芳乃が店を継ぐ的な流れもイマイチだった。継ぐんだったらちゃんと茂と話してきちんと継ぐ流れの方がその決断の重さも感じられてよかったんではないか。 しかも就職はしたうえでの副業だし・・・中途半端過ぎない? 無くなって寂しい→じゃあ私がやろうかな、も悪くはないが、結局それはなくしたものへの執着としか思えず、実際再開してもなんか違う店にしかならないと思うんだよなぁ。 以下登場人物について。備忘として記載。 遠藤茂:深海店長。最後店閉めて病気で1年後に無くなる。メーカー就職後、結婚していたが逃げ出して深海へ。当時の深海店主から店を継ぐ。若いころは作家になりたかったが挫折。店閉めた後に自伝を書いて残すことで本書きたい願いはある程度かなえられた模様。 遠藤芳乃:茂の姪。ゼミの助教と不倫してたけどふっきれて別れた。 真島直哉:吉乃と同じ大学生。野球推薦で入学したがイップスでスランプ。サボっていたが読書会に参加したことで心情変化して正式に退部。けじめをつけた。吉乃に好意を持つ。空気読めない。ちょっとうざい。 安井京子:図書館司書。バツイチ。結婚して離婚したことと、非正規雇用で30代で悩んでるが、最終的には後悔はしていない風。自分を隠花と評すのはちょっとネガティブ過ぎないか。 中澤卓生:グラフィックデザイナー。(細かいこと忘れた。) 国分藍:深海アルバイト。元音大生、音楽教師。音楽やめてくすぶってたけど、読書会で演奏して吹っ切れる。音楽教室の教師に。

    1
    投稿日: 2025.10.12
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    このレビューはネタバレを含みます。

    大学生の吉乃は伯父の古本屋を訪ね、そこで伯父が薦めた海外小説を読んでハまります。自分が好きになったこの小説の感想を語り合いたいと思っても周囲にこの小説を知っている人がいない言う吉乃の言葉に、「読書会でも開くか」と伯父の茂が言います。 そして始まった深夜の読書会。 そして読書会により登場人物たちの人生は変わっていったと思います、たぶん。 一冊の本に影響を受けたという経験は大多数の人が経験があると思います。 読書会で出てくる共感ばかりが読書ではない、とか、面白かった、なんとなくわかる、も立派な感想に勇気をもらえます。 古本屋〈深海〉と深夜の読書会。いいなぁと思いました。読書会に参加する勇気はないけれど、今はブクログをはじめ他の方の感想を見る場がありますからね。 自分が読んだ本を他の方がどのように感じたのかは気になるのでとても参考になります。

    4
    投稿日: 2025.10.11
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    深海、私も行きたくなった。 深く考えたことがなかったけれど、読書会って素敵ですね。 立場や環境が違う人たちが、1冊の同じ本について思ったこと、感じたことを話す。 ブクログでの感想もそうですが、同じ本でも感想って人の数だけあって。それはきっとその人の経験によって見方や感じ方が違うからで… 私もこの本の感想を誰かと共有したいなって思いました。

    83
    投稿日: 2025.10.07
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    東京近郊、古書店で深夜に行われる読書会に集まる人達。 課題図書はどれも読んだ事のないものばかり 決断する時いつも本があった。本と対話し怒ったり泣いたり悩んだりしながら、少しでも納得できるほうへ歩こうとしてきた。 古書店での読書会を通してそれぞれが成長し、新しい道に踏み出していく。 新しい店主での新たな読書会が始まるといいなぁと思い読了。

    1
    投稿日: 2025.10.07
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    まだ途中ですが、「隠花」の「血縁」という詩について語り合うところで、詩を聴いて涙が止まらなかった 鬱気味の夫をもつ自分と重ね、あぁ、ほんとうにそんなことができたらいいのになって 夫の親戚にも鬱の人がいるため家系だからと定めのように受け入れており、メンタルが落ちているときは私には分からないと完全に切り離されることもある よしのちゃんが言うように、夫婦は血の繋がりがないので家族と言えど結局は他人 ゾンビになったら職業や見た目の違いや偏見に悩むこともなくなるし、わたしのポジティブな考え方も少しは分け与えられるかもしれない 人間として生きることに疲れている夫はきっとゾンビになることを望むだろう それなら私は喜んで夫に噛みつきたい 作者にも私のように、守りたい「悩んでいる誰か」がいるのだろうと考えながら聴いていました 遠藤さんの「読み返すたびに新しい発見がある」「年齢とか、置かれてる状況によって感じ方が全然違ってくる」という言葉はほんとにそうだと実感しているので、いつか、またこの詩を読んだときは今とは違う明るい捉え方ができているといいな、 わたしもそれを楽しみにしようと思いました

    0
    投稿日: 2025.10.02
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    こんな読書会なら参加してみたいけれど 思ってことを話していくと自分のこれまでの生き方をさらけ出さないといけなくなるような気がする むしろさらけ出さないと差し障りのない内容しか話せないのかもしれない

    1
    投稿日: 2025.09.30
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    このレビューはネタバレを含みます。

    ストーリー自体は面白かった。ただ、主人公のヒメノが嫌いすぎてこの評価になる。単位等で脅されてるわけでも、暴力を受けているわけでも、未成年で判断力に乏しいわけでもなく、自らの意志で教授のセフレになっておいて、よく恥ずかしげもなく被害者ムーブできるなと。家庭があることを知っててセフレになってる時点でむしろ加害者よりなんだよね。復縁が無理だと悟って、卒論をこき下ろし始めた教授となんらムーブは変わらないから、ヒメノも同等にクズ。登場人物のなかでヒメノだけが成長してなくて、就職落ちまくって中小の会社に入社することになったのも、人間的な未熟さが透けて見えるからだと思うのよね。就職前に副業について人事に聞くのも、どう思われるか分かっていない思慮の浅さと本業を立たせる前に副業を始めようとする中途半端さにヒメノの全てが詰まってる気がした。昨今、最低限の努力もせずに被害とも言えないものを声高に訴える人間があまりにも多いし、本作がそんな人間をリアルに描写して啓発する作品なのであれば⭐︎5を付けたい。

    2
    投稿日: 2025.09.29
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    オーディブルで聴き終えました。読み終えて少し内容を静かに思い返してしまう。本のタイトルの様に静かに穏やかな気持ちになる本でした。色んな登場人物と作中の本により登場人物の数以上に様々なストーリーを聴くことが出来ました。紹介される本も勿論、本屋さんが主な場所で展開されていき、本って良いなぁと思うのと、本屋で静かに本に没頭できることの良さについて想いを馳せることが出来ました。

    2
    投稿日: 2025.09.25
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    このレビューはネタバレを含みます。

    深夜にひっそりと行われる読書会。 なんて魅力的なイベントだろう。 課題図書には海外文学、詩、時代小説など 苦手なジャンルもあるけれど、 だからこそ世界が広がる読書体験ができる。 特に詩のように、読み手によっては難解なものこそ面白い。 楽しみ方や解釈が一人一人違うからだ。 読書会にもってこいの素材だった。 これはブクログにも似ている。 あの人が激推ししてる本なら苦手でもチャレンジしたくなる。同じような感想をもった人を見つければ嬉しいし、気づけなかった視点で捉える人を見つけては興奮する。正反対の感想を持つ人のこともなぜか深掘りしたくなる。ブクログも魅力的な場所だ。 最終章は謎多き店主の人生をメンバーで味わう。 いつも穏やかな店主は表には出さないだけで 答えのない問いや不安や後悔と葛藤し続ける人生だった。 人生に正解も不正解もない。あるのは答えのない問いばかりだ。 読書は、その問いに小さな気づきを与えてくれる。 そして読書仲間は、その気づきの芽を一緒に探してくれるだろう。 改めて、読書の意味が胸に沁みるような読後感だった。

    17
    投稿日: 2025.09.23
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    古書店で0時から始まる6人の読書会。 この状況だけで十分魅力的ですが、古書店が深海という店名通りの静けさが漂うお店であり、読書会の参加者がほぼ初対面ではじまることで、より素敵な空間になっています。 読書会なるものの存在は知っていましたが、特に参加したいと思ったことはなく、ここで感想を綴っているだけでした。ただ、こんなに魅力的に描かれてしまうと、どうにも参加してみたくなってしまうものですね。 課題図書で、普段読まないジャンルにチャレンジする機会になるのも素敵に思いました。敬遠していたジャンルでも、ひとりでわからないなあと読むより、ひとと話すことで好きになるチャンスになり得ます。意見をぶつけ合うのではなく、そんな意見もあるのかと受容しあうような、ゆるい感じの読書会に参加してみたいです。

    25
    投稿日: 2025.09.22
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    古書店で開かれる読書会に、ぐいぐいと引き込まれた。 この作品は、読書会に参加する人たちそれぞれを主人公とした連作短編集。 それぞれの人物の背景が丁寧に描かれていて、読み進めるうちに登場人物たちの姿が徐々に鮮明になっていくのが心地よかった。 古書店のオーナーとその姪との関係の変化や、読書会メンバー同士の微妙な距離感も丁寧に描写されていて、静かに心に沁みる。 ラストは切なくもあったけれど、古書店「深海」はちゃんとそこに残り続ける。 読書とは、静かに自分と向き合う時間なのかもしれない。 そんなことを、ふと考えさせられた。古書店「深海」に、実際に足を運んでみたくなるような一冊だった。

    2
    投稿日: 2025.09.21
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    古書店「深海」で深夜に開催される6人の読書会。読書家ならとっても気になりますよね。 私は読書会というものに興味はあるけれど一度も参加した事がありません。 でもこれを読んだら参加してみたくなりました。 同じ本を読んでも感想は人それぞれ。どれが正解なんてない。読む時の年齢や抱えている物が異なれば同じ人間でもその本から感じる物は変わっていく。 年齢も性別も異なる6人が毎回1冊の本を通して自分の思う事をぶつけて行く様子は羨ましい。 また、皆に是非読んで欲しいと思える本に出会える事はとても幸せな事だと思う。例え自分と同じように感動してもらえなくても、自分では気付かなかった事を教えてもらえるなんてとても素敵な事。 それぞれが選んだ課題図書にも興味惹かれたけれど実在する本ではなかったのが残念。そして何より最後の課題図書『夜更けより静かな場所』には驚きと切なさで胸がいっぱいになりました。 やっぱり本で素晴らしい。これまでも、そしてこれからも私にはなくてはならない物です。

    15
    投稿日: 2025.09.19
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    ○本のタイトル『夜更けより静かな場所』 ○著者 岩井圭也(いわいけいや) ○入手法 Audible +図書館

    4
    投稿日: 2025.09.15
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    1冊読んだだけなのに計7冊分の物語を一気に堪能した。 この作品のためにあと6つの物語を用意するなんてなんて贅沢な才能の使い方なのだろう。 こんなにたくさんの話が交錯しているのに、内容がごちゃごちゃにならずに静かに物語が進んでいくのが本当に素晴らしい。 「夜更けより静かな場所」は全編読んでみたい。 きっとそのうち発表してくれるのではないかと少し期待している。

    1
    投稿日: 2025.09.15
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    このレビューはネタバレを含みます。

    【あらすじ】 古本屋「深海」を経営している遠藤茂62歳。深海の常連客と遠藤茂の6人で深夜0時~2時まで計6回の読書会を開き、交流を持つことでそれぞれの心境や環境に変化が生まれていく。 ①『真昼の子 』ソフィア・レプニコア 大学3年生で茂の姪、吉乃はゼミの准教授38歳の浅木と不倫している。茂に教えてもらった吉乃の愛読書を読まずに偉そうな感想を述べた浅木に対し吉乃は冷めてしまい、別れを決意する。 ②『いちばんやさしいけもの』ポール・ベンダー 吉乃に好意を寄せる同じゼミの真島直哉はイップスになり野球部から離れていた。読書会で、過去に引きずられるのは終わりにしないといけない、と思い、野球部に退部を申し出に行く。 ③『隠花』大槻史子 図書館の司書をしている安井京子は、吉乃から司書の仕事について聞かれたのをきっかけに親しくなり車も譲る。隠花という詩を読みながら女性を見下していた正継という元夫のことを思いだし、離婚しようが職場の待遇がひどかろうが自分の花は咲いていることに気づく。 ④『雪、解けず』港草平 グラフィックデザイナーの中澤卓生には4、5歳の頃に失踪した父親がいる。入院生活を送っていた母親と自分を捨てた父親が許せず、グラフィックデザイナーとして働く中澤のSNSに届いた父からの連絡も無視していた。読書会後、父親と会う約束をしており会いには行ったが、姿をみただけでその場を立ち去り、「やっぱり会えません。さようなら」と父親のSNSをブロックする。 ⑤『トランスルーセント』土村秀明 3年前に大量の楽譜と音楽雑誌を深海に売りに来てから深海でバイトすることになった26歳の国分愛は、過去にヴァイオリニストを目指していたが挫折し、音楽教師としても挫折していた。茂に深海をしめることを聞かされた愛は、トランスルーセントを聞きたいという茂の頼みを引き受け、猛練習をし読書会でメンバーに聞かせる。 ⑥『夜更けより静かな場所』遠藤茂 病気で亡くなった遠藤茂。深海を片付けている時に吉乃は茂の自伝『夜更けより静かな場所』を見つける。大手家電系電機メーカーに就職した茂はお見合い結婚もして幸せに暮らしていたが、バブル崩壊と共に仕事が多忙を極め、妻には手紙だけ送り会社とは連絡を断ち失踪した。本好きな茂は深海の店主庄司昭雄と親しくなり住み込みで働くことにする。ある日庄司が自ら命を絶ち深海の土地と建物を茂に譲ると遺書を残していた。「夜更けより静かな場所へ行きます」と。 深海を受け継いだ年に生まれた吉乃。就職先から内定の連絡をもらった吉乃は会社に副業可能か確認し、父親には深海の2階に住んでもいいか確認する。 【感想】 初めて呼んだ作家さん。多すぎる説明描写などなくとても読みやすい、綺麗な文章だった。登場人物それぞれのバックグラウンドも現代社会を生きる人々にとって共感できるものであったし、本や茂の言葉が背中を押してくれて前向きになれる。『いちばんやさしいけもの』の感想を述べた、「能力の有無にかかわらず、すべての人間には生きる価値がある=能力と生きる価値の間にはいっさい関係がない」という茂の言葉がよかった。

    0
    投稿日: 2025.09.15
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    古書店で開かれる真夜中の読書会という紹介に惹かれて手に取りました。かつては店主も、居場所を失った経験を持ち、そこに集う年齢や職業も違う男女6人に読書会を通し、どこまでも優しく語りかけ包み込み、そっと背中を押してくれてヒントを与え、自ら選択して前に進めるよう自然と関わってくる。本によって救われる・夢中になれる感覚がとても嬉しく思った。私も落ち込んだ時は本を読み、気分転換したい時も本を読む。そうやって過ごしてきた。周りに本を読む人がいなくて(見つけられないのかもしれないが)独書だけれど、語り合う仲間が欲しいなぁと思いました。

    4
    投稿日: 2025.09.15
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    『お探し物は図書室まで』に似て面白いと聞いて。 読書会いいなぁ、私も何人かでやってみたい。話してると、気づかずに心の内面がダダ漏れになってしまって恥ずかしくなる気もするけれど。 有川浩の『植物図鑑』を、私はただただ恋愛小説として読んでいて、主人公の女の子にひたすら感情移入して、一生に焦ったく思ったり、キュンキュンしたりしたけれど、夫は題名の通り植物図鑑もしくは料理本として読んでいて、読後数年経っても「ゴマは万能調味料♪」とか「イタドリっておいしいらしいよね」とか覚えてて(私はイタドリって植物が出てきたことさえ全く覚えてなかった)、同じ本を読んでいても、こうも読み方が違うのかと驚愕したことを思い出す。 私の中では、『植物図鑑』は胸キュン小説ランキング上位を争う作品なのだが、夫の胸キュン小説ランキングは1位『容疑者Xの献身』、2位『ゴリオ爺さん』らしく、これも衝撃。これは男女差なのか、個人差なのか、はたまた「胸キュン」の定義からしなおした方がいい案件なのかは謎である。 読書会、してみたいなぁ笑

    3
    投稿日: 2025.09.12
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    「課題図書は、おのおのの人生だ。」 「誰もが、選択と偶然の連続を生きている。」 「選択と偶然の連続」が人生ならばそれを課題図書とする読書会は「生きる」そのものなのではないかと思った。 こんな読書会あったら面白いね。

    0
    投稿日: 2025.09.09
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    何と言う幸せな読書会の記録なのだろう。 私には読書会の経験はないけれども、観た映画の感想を語り合うサークルの経験はある。約15年間毎月ほぼ欠かさず隣の市まで約三時間の語り合いのためだけに出かけた。コロナ禍からはリモートに切り替わり、今自然消滅の危機に瀕している。 映画サークルと読書会は共通点が幾つもあった。私たちは課題作品を3つ決めていたけど、その作品を観る(読む)事に関してのみ、私たちは繋がっていた。たとえ、3,4言で言葉が詰まっても、20分間延々語っても、私たちは相手を否定しない、尊重するという点で同じ所に立っていた。 メンバーは職業も年齢も性別も違う。共通点は映画を観る(本を読む)という1点だけ。だからこそ、思いもかけない感想を聞くことができる。学ぶことは多かった。 遠藤さんの古書店読書会は、小説だからそうなったという野暮は承知で、理想的な人選だったと思う。読書経験と人生経験が全部バラバラ、でもメンバーは必ず次も参加したいと思っているし、実際一人も欠かさず参加している。こんなことはなかなか起こらない。1年間5回の開催という頻度も、丁度いい。 翻訳長編とか、絵本とか、詩集とか、時代小説とか、楽曲とか、こんなの成立するの?というモノもあるけど、案外成立するもんです。ちょっとやってみたい気もした。因みに時代小説のタネ本は藤沢周平「漆の実のみのる国」だと思う。あれを反転させてみたのだ。あくまで私の解釈です(^^;)。 「答えの出ない問いを考えるのが、僕は無駄だとは考えない。むしろ、生活していると、答えの出ない問いばかりだ。(略)答えの出ない問いと折り合いをつけるのは、悩み続ける他はない」 ひとつ残念だったのは、遠藤さんにとってこれは2回目の読書会だったはずだ。1回目のメンバーや課題がどうだったのか、ついに語られなかった。ちょっと知りたかった。 audibleで聴終。

    163
    投稿日: 2025.09.09
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    あんまり、期待してなかったが、意外と良作でした。 俺自身にちょっと刺さった部分がありましたね。 本好きながら読書会なんて一度も行ったことがないから、こんな読書会なら参加してみたいです。 トランスルーセントみたいな読書会があってもいい。 ラストは予想できなかった。 25/09/09 37作目

    7
    投稿日: 2025.09.09
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    どの本も良さげ。読んでみたい。 読書会なんて、高校のとき以来やってないなー。 全体的にはいい本。 人生いろいろなお話だったけれど、何かもうひとつインパクトが欲しかったような。 一人の人生を語るだけだって大変なはずだから、そんな何人もを扱うってなったら「あらすじだけ」って感じよね。 ひとりひとりの個性がいまいち見えてこなかったのが、感情移入ができないとかといった点でも、残念に感じた。

    1
    投稿日: 2025.09.06
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    audible 。岩井圭也、初めてかなとブクログの履歴を見る。あ、4月に読んだ「われは熊楠」の作家だった。ずいぶんと離れているようだがどうやら本作の方面の方が多い作家のようだ。 すうっと本の中に入っていける。「深海」という魅力的な名の古書店が舞台で、課題図書とされた一冊についての真夜中の読書会が開かれる。参加者は店主とその姪、アルバイトの書店員、そして店の数人の常連たち。多様な読み取り、感想が交わされ、彼らの人生が動いていく。本好きへのオマージュ。 課題図書のひとつを、これは自分も読みたいと探してみたがない。何とすべてが作者の創作だとわかった。 驚いたし、感心した。   テレビドラマ「最後の鑑定人」の原作者でもある。

    10
    投稿日: 2025.09.06
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    ロバのような顔のおじさん。本好きの遠藤よしの。古本屋の店主。読書会。おじさんが書いた自伝。 この本には「別に世の中の人にすごいねって言われなくてもいいじゃないか」というメッセージが込められている気がした。幸せな家庭を持つことや、お金があること、素敵な仕事に就くこと、周りから「成功者」と思われること。それらを持っていなくても、自分が満たされていればそれでいい。守るべきものは体裁じゃない。 読書に逃げてもいいし、それは逃げではなく、自分を生かす時間でもある。本の中に出てくる人たちはみんなやりたいことをやって、でも挫折もして、続けられないこともある。けれど流れに逆らわず、なるようになる。野球、結婚生活、仕事。やりたいことを続けるのも、親や親戚や友達の願う気持ちと違う方向に進むのも、逆に辞められないのも、全部「仕方ない」こと。時には周りを傷つけてしまうこともあるけれど、それも含めて生きている証。正解なんてない。世の中で「日の当たる場所」と思われているところだけが全てじゃない、とふんわり気づかせてくれる本だった。 夜中の読書会も印象的だった。誰も嫌々参加していないのがいい。一冊の本を読み終わったあと、誰かと語りたくなる瞬間がある。それを叶えてくれる場所があるって幸せだ。どんな感想も受け入れてくれる仲間がいるのは楽しいし、ありがたい。面白くなかった、とは誰も言わない。 バイオリンの演奏を聴いたときも同じだった。正直わからなかったけれど、「すごかった」と感じた。その感想を、演奏者は受け入れていた。それでいい。 なんだかわからないけど面白い。その感覚を持てることも大事だと思う。意味や利益だけじゃなく、「よくわからないけれど心に残る」という体験があってもいい。

    17
    投稿日: 2025.09.04
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    森崎書店の日々を少し前に読んだばかりだったので、あれ?読んだっけ??と思ってしまうぐらい雰囲気が似ていて、好きな作風だった。

    1
    投稿日: 2025.09.04
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    きゃー、楽しかったです! 本読んでいて良かった~っと思えました。 古書店で開かれる深夜の読書会。私にはちょっと参加はハードル高そうと思ったのですが、読んでいると私も参加したくなっちゃいました。 誰かと同じ本の感想言い合えるって素敵ですよね。実生活では夫くらいですかね…だからブクログで皆さんの感想を知ることができて本当に幸せだし、便利な世の中になったなって思います。 ーーー印象に残ったーーー •何もかも自分で決められるほど、人生は簡単じゃない。でもいくつかは、自分で決断できることがある。…一つ一つは小さな決断かも知れないけど、その積み重ねが現在の遠藤吉乃を形作っている。p332 •それはそれとして、大過なくやれてるんだから大丈夫だろうp334 •誰もが、選択と偶然の連続を生きている。p343

    26
    投稿日: 2025.08.31
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    面白くて読む手が止まらなかった。 原田ひ香さんの「古本食堂」のような、青山美智子さんの「お探し物は図書室」までのような。 読書会も面白そうだなー。

    15
    投稿日: 2025.08.28
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    本を読むのは好きだけど、読書会で感想を話し合うとなると、自分にはだいぶ難しいなと思った。読了した後、どの部分がどうでどう感じたとか、そもそも全然思い出せないし。それを自分の言葉でどう表現していいかもわからない・・・ でも!!せっかくなら読んだ本の感想を誰かに伝えられるような表現力と語彙力を身につけたいなと思った。 最後の章は、なんとなく予想がついた内容でしたが、それでもやっぱり泣けた!

    1
    投稿日: 2025.08.20
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    「深海」という名前の古書店で深夜に行われる、少人数の読書会。 参加者がそれぞれの感想や考えを語り合うような読書会で、本当にフラットに(共感を強いられたりマウンティングに巻き込まれることなく…)話をすることは可能なのだろうか?と思ってしまう猜疑心の強い私だけれど、本書で描かれるような雰囲気の読書会ならばぜひ参加してみたいなと思ったし、本を読むことが好きな人に刺さる物語だと思った。

    9
    投稿日: 2025.08.20
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    読みやすいなぁ、と思いました。 何と言うか…ストレスを感じない、がしっくりくるのかな。 古書店での読書会が物語の中心で、そのメンバーは年代もそれぞれな6人。 話の流れもスムーズなのですが、その彼ら6人の言動に、違和感を感じないと言うのでしょうか。 この人ならこう言うだろう、こう考えるだろう、こう動くだろう、がピッタリ当てはまる気がしたのです。 時々、変化球だと感じるものがあり、これは作者さんの本音が出ているのでは⁉︎ なんて想像して、ふふっとなりました。 物語と全く関係のない感想です。 割といつも、こんなふうにしか書けません。 「人の数だけ感想があるという事です」 『深海』店主である遠藤さんの穏やかな声が、頭の中に聞こえてくる様です。

    24
    投稿日: 2025.08.18
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    大学3年の吉乃は伯父が営む古書店を訪れた。リクエストをしたある本を伯父から薦められる。読了後、この本の想いを分かち合いたいと伯父に相談、閉店後深夜0時に始まる読者会に参加する。伯父を含めて6名が集まった。様々な想いを抱えての参加だ。古書店「深海」が6名の心にどう響くのか。静かな終わり方だがこれからの未来がみえた。

    2
    投稿日: 2025.08.16
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    夏季休暇11日目です。長かった休みもあと1日となり、その短さに驚く。 怒涛の休暇でした。親戚用へのお土産用のお菓子作り(パウンドケーキとクルミっ子)から始まり、親友とのおデート♡ ボウリングの大会参加、釣り、山梨へのキャンブ 母の法事と最後は主人の実家への挨拶とお掃除。 いや、普通の状態であれば、なんてことなくこなせたのだけど、運が悪いことに釣りの後風邪をひきました。でもその後のイベントのことを考えると、寝てる訳にも行かず。そのまま続行。 山梨のキャンブは、とにかく暑くて、暑くて。 テントを立て終わるまで地獄でした。 ポータブルクーラーがしっかり稼働するまで、何とか耐えて、とにかく温泉!露天源泉かけ流し!(キャンブ場内に設置されています)暑くても温泉はやっぱりいい!帰るまでに4回入りました。 そして山梨で1時間並んで買った、かたーーい桃とシャインマスカットは絶品でとにかく安かった! 次は法事 お墓も暑かった( ̄▽ ̄;) そうそうに退散して、食事会場のうなぎ屋へ。 食事後主人の実家へ移動。 挨拶もそこそこ、家の窓という窓のお掃除。 いやはや、夏の掃除はキツいね。 参りました。それでも長男の嫁の立場。サボる訳にはまいりません。 その夜はとうとう熱が。月曜からは出勤なのに、私大丈夫か? ということで、ようやく読書が進みました。 連休長いからもう少し読めるかなと思ったけど。 とても無理(´・Д・) 今は熱も引いて軽い運転モード。 明日もほどほどにして、出勤に備えます。 ・・・・・・ 大学3年生の 吉乃(よしの) は、夏休み中に伯父が営む古書店「深海」を訪れます。「私に合う一冊を」とリクエストしたところ、伯父に勧められたのは分厚い海外文学。しかし読んでみると、自分が抱えている悩みにぴったりと重なり、瞬く間に読み耽ります。読み終えた吉乃は「誰かとこの本の感想を語りたい」と強く思い、古書店で夜中に開かれる不思議な読書会に参加することに。 ・・・ この作品は全6章からなる連作短編集。 それぞれが異なる読書会メンバーの視点から語られ、読書会を通じて彼らが自分自身と向き合い、少しずつ変わっていく様子描かれています。 その中でも4つ目のトランスルーセントと最後の夜更けより静かな場所が良かった。 夜更けより静かな場所とはどこのことなのか。 最後に分かります( ˇωˇ )

    29
    投稿日: 2025.08.16
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    ユーザーさんの感想を読んで手にした。私もこんな読書会に参加してみたいなぁ…と思っていたら、「われは熊楠」を書いた人と知ってビックリ。全く違った印象だ。 古本屋"深海"は皆にとって逃げ場・隠れ家で居場所なのだ。 読書会に参加する面々の日々と目線。静かな、でも想いのある読書会。店主の遠藤さんがゆったりとした包容力で導いてくれる感じがいい。 その遠藤さんがいきなり亡くなる事で始まる章は予期してなくて驚きだったけど…前店主の庄司さんが「夜更けより静かな場所へ行きます」と書き残して自死したのをタイトルにするのはちょっと解せないな、読みが足りない? ここからは好きなフレーズ 「いつの間にか海の底にいた。そこは私にとってかけがえのない場所だった」 「愛していることに確信を持つのは難しいけれど、愛していないと確信するのは簡単だった」 「他人がどう言おうと、自分にとって大切だと思える一文に出会うために本を開く」 「能力と生きる価値の間には、いっさい関係ない」 「何でこの仕事を続けているかは、私が私の足で立って生きるため」 「私は隠花だ、他の誰にも見られない透明な花。それを気づかせてくれたのは深夜の読書会」

    5
    投稿日: 2025.08.13
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    人の感想・レビューを見るのが好きだ。 自分と同じような捉え方をしている感想も、自分とは全然違うところにフォーカスを当てている感想もどっちも興味深い。 これまで経験してきたことや、今置かれている状況など、様々な事が影響しあってその人だけの「感想」になる。 そして感想自体もその人を形作るパーツになって、また新たな作品の捉え方に影響する。 この本に出てきた読書会は、作品を通してそれぞれの生き様を少しずつ見せ合うような場所だった。 こんな読書会ならちょっと参加してみたいかも。

    21
    投稿日: 2025.08.09
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    深夜の読書会に参加した男女6人がそれぞれ主役となり それぞれの1歩を踏み出す6篇の短編集。 6人のキャラクターの設定も 読書会での発言も面白い。 好きになった本は何度も何度も読み返してその世界観に没入する。 そういう読み方も素敵だ。 何よりタイトルが良くて 最後にそのタイトルの意味が分かる。 そこはほんとうに静かな場所だろうと思う。

    2
    投稿日: 2025.08.09
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     楽しかったです! 「ブクログ」もそうですが、「読書するひと」を「応援」してますね。ちょっとうまくいきすぎかな、とも思います。でも、応援されると、それはそれでうれしいですね。わたし、なぞにうれしがっております。  首都圏郊外の古書店が舞台です。そこで開かれるのは、深夜0時からの読書会です。6人がパイプ椅子を車座にならべ、ヒザつき合わせてネタバレで語り合います。そうです、6編の連作短編集なのです。  6人には、それぞれの「物語」があります。おのおのの「物語」は、「課題図書」を読み、読書会で語らい、そこから「次の物語」につながっていきます。「創発」というんでしょうか、読書会がかけ算の効果をもたらすものとして、えがかれています。  わたしは読書会に参加したことがないので、すごく読書会へのあこがれをかきたてられます。どんな話をするんでしょうか?興味がわきあがります!  読みながら、同じ本を読んで感想を語るって、本当に貴重なんだなと思います。その確率は「血液型・星座・誕生日が同じ」なかんの比じゃないくらい低い? (星座と誕生日かぶってました・・・)  読書会の「課題図書」はすべて「架空のもの」です。でも、実在の本も登場します。本の終わりにそのリストが載っています。  作者の岩井圭也さんが「架空のもの」を考えるときの参考になさったのでしょうか。それとも、読者のイメージを助けるために類似本として登場させたのでしょうか。  6人、2時間の読書会なら一人10分間以上は語れるはず。なのに、読書会でのやりとりは、わたしが思っていたよりあっさりめ。「架空のもの」だからかな?  それでも読書会の楽しさは、すごくよく伝わってきます。  わたしが楽しみにしていた「本を読んでいる様子」でいえば、古書店のロバ顔店主さんの姪「吉乃さん」がすごかったです。読書にのめりこむ「豹変」ぶりにびっくりです。もしわたしが吉乃さんの親なら、かなり心配するレベルです(笑)  吉乃さんが読書会にむけて感想を考え、その感想が頭のなかをグルグル回ります。読書会がはじまれば、身を乗り出して語ってしまう。そんな姿を読めてよかったです。寝食を忘れて読みふける姿が、まぶしいです!  わたしも、いただいた「応援」を力?に変換して、読書していきま~す。\(^o^)/

    83
    投稿日: 2025.08.07
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    平易な言葉のみで語られるため聴きやすい。 出会う本の影響を受けて登場人物が自己の考えや行動を変える様子は自分にもよくあることなので共感を持てた。そういうところが本の良さだよな〜と改めて思った。 本を読み始めてその世界に没入するあの感じ。図書館に行って面白そうな本を探しているときのあの感じ。確かに深海だなぁ、わかるわ〜と思いながら読んだ。 全く触れられていないが、助教授の奥さんや、ロバ顔店主の奥さんの心情を思うとやるせない気持ちになった。

    2
    投稿日: 2025.08.06
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    深夜の読書会にとても引き込まれ一気読みしてしまいました。できることなら読書会に参加していた人の続きが知りたいです。みんないろんな事につまづきながら前に進んでいる姿がとても良かったです。 本について語り合えるってうらやましいですね。

    19
    投稿日: 2025.08.05
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    とても良かった……。 読み終えたとき、自然と涙が流れていました。 図書館で借りましたが、文庫化したら絶対購入する!何でもっと早く読まなかったんだろう。こるは手元に置いて読み返したい。 本好きにはたまらない「古書店」が舞台。 読みはじめてすぐ、静かに、いつの間にか物語の世界に引き込まれていきました。 大学生の吉乃が、古書店「深海」を経営する伯父さんを訪ねたことから物語は動き出す。 そして深夜の読書会に参加して……… 読書会のシーンでは、私も心だけ参加。 読書を通じて世界を広げ、変わっていく吉乃。 読書の楽しさを知って高揚している吉乃を見ていると、自分が本を読んで初めて感動したときの驚きと感情の記憶がよみがえってきた。 本と思考の海にどっぷりと潜れる。 そして、読後は静かな余韻に浸れる。 作中で描かれている哀しみも、物語に美しさを与えているような気がしました。 まさに本が好きな人のために書かれたような、静かで、美しく、優しい物語。 もっと物語の世界に浸っていたかったなぁ。 『他人がどう言おうと、自分にとって大切だと思える一文に出会うために、わたしは本を開く。』

    14
    投稿日: 2025.08.02
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    ・ 読書記録25-29 夜更けより静かな場所 岩井圭也 作 幻冬社 叔父の古書店で深夜の読書会に参加する 姪の吉乃 男女6人が抱える傷と選択に向き合い 静かな連帯と成長を描く連作短編集 姪と叔父は作品になりやすい? 『森崎書店の日々』 読書会に関心があって読み始めた作品 開催される時間が閉店後の深夜というところに惹きつけられる 本を読む時間って人それぞれだけれども 夜読んで感じる読後感と お日様のもとで読んだ感想 書かれている事は同じでも 感じ方が違う気がする 読後感を交わし合う読書会なら、なおさら 深夜の読書会 参加してみたい #本好き #読了 #부엌독서실 #本のある暮らし

    4
    投稿日: 2025.07.29
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    古書店の店主が主催する読書会。集まった6人が課題図書を読んで思ったことを発表していく。「こんな解釈もあるのか」と気付かされたり、はたまた同志がいると心強くなる。本を読んで思ったことを整理して、激的な変化ではないけれど、各々の生活も少し方向転換する…。ブクログ内で評価が高かったので読んでましたが、納得の内容です(*‘ω‘ *) 『何もかも自分で決められるほど、人生は簡単じゃない。でもいくつかは自分で決断できることがある。…決断する時、わたしたちのそばにはいつも本があった。本と対話し、怒ったり泣いたり悩んだりしながら、少しでも納得出来るほうへ歩こうとしてきた。』 巻末の「本書に出てくる実在の作品一覧」に、あの本もあの本も載ってなくて、作者のオリジナル作品だったことにもびっくりしました。 2025.7

    43
    投稿日: 2025.07.27
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    このレビューはネタバレを含みます。

    やっぱり、読書っていいよなあ、としみじみ思わされる作品。こんな古書店屋さんが私の近所にもあればいいのになあと思う。登場人物が全員、平凡な普通の人なようでいて、でもそれぞれ魅力的だった。読み終わって、なんともいえないほっこりした気持ちになると同時に、なんだか日常をもっと大切にしたいな、と思った。

    1
    投稿日: 2025.07.26
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    このレビューはネタバレを含みます。

    古書店「深海」で行なわれる、深夜の読書会ってフレーズだけでわくわく。 課題図書とそれを取り巻く人々の生き方が交錯しながらストンと日常へ落ちていく。 おじさんの死や自伝による人生の種明かしはなんとなく予期したものではあるけど、終始静かな穏やかな気持ちで読めるのはよい。

    4
    投稿日: 2025.07.26
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    変形ビブリオですねー。岩井さんの作品はいっつも深夜にひっそりと読みたくなるようなお話が多いけど、これもそれぞれに課題を抱える人達の、やっぱり再生の物語と言えるのでしょう。

    0
    投稿日: 2025.07.18
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    対面の読書会いいなあと思うけど、やっぱり口下手な私は読書メーターに感想を書いてる方がお似合いかな?好きな本について誰かと語り合えるなんて対面だろうが、画面越しだろうが幸せなことだ。私たちは本の世界に没頭する自由がある。一冊の本が人生を動かすこともあるかもしれない。だとしたら読書は最高のエンターテイメントだ。

    0
    投稿日: 2025.07.17
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    本がテーマの作品ってどうしてここまで心地良いんだろう。とても良い作品でした。 気持ち悪い教員については、女の子がストーカーされないかヒヤヒヤしたけど笑

    11
    投稿日: 2025.07.17
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    人生は簡単じゃない。でも、後悔できるのは、自分で決断した人だけだ。 古書店で開かれる深夜の読書会で、男女6名の運命が動き出し、人生を変える勇気をくれる。最後まであたたかな気持ちで読了しました。「真昼の子」「いちばんやさしいけもの」「隠花」「雪、解けず」「トランスルーセント」「夜更けより静かな場所」の6話の連作短編集。お気に入りは表題作かな。本を読むことがさらに好きになれる一冊です。

    8
    投稿日: 2025.07.16
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    「深海」という古書店で深夜に開かれる読書会。その読書会に参加した6人の登場人物を主人公にした連作短編集。 6人それぞれが悩みを抱えていて、読書会によって、その悩みに向き合い、一歩踏み出す勇気が出るというお話だった。 全体的なトーンは淡々としているが、登場人物たちが前向きになる様子を読んでいると自分も背中を押されたような気持ちになります。じんわり良いお話でした。 読書会の課題図書が実在の作品だったらもっと良かったなぁと思いましたが、物語の構造的にネタバレが避けられない訳で、難しいですよね…。

    3
    投稿日: 2025.07.14
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    このレビューはネタバレを含みます。

    古書店「深海」に関わりのある人物が深夜0時から読書会を開く話。読書会は代表者が本を1冊決め、参加者全員でその本を読み、感想を言い合うというもの。本のジャンルは小説、絵本、詩集、楽譜と、最後に自伝と様々。読書会の参加者は大なり小なり人生の岐路に立っており、本の内容や読書会で話したことなどにも影響されて進路を決めることになる。深海という言霊に引っ張られるのか、全体的に落ち着いたムードの印象を受ける。 古書店に関係がある人物らの読書会なのだが、店主を除いて参加者はお互いの人柄をよく知らない。本を選ぶ係になって初めて人物が深堀される。登場人物に1冊本を選ばせるというのは名刺代わりのようなもので、それだけでどういう人物なのか輪郭がつかめる。次の人はどんな本を選ぶのだろうかなどと思えて、個人的には面白かった。 自分が1冊選ぶとしたら何だろうなァとも考える。最近だとわれはロボットとかかもしれないが、基本に立ち返るとシャーロックホームズとかかもしれない。

    1
    投稿日: 2025.07.10
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    序盤はふーんという感じで良くも悪くもない印象だったのにどんどん引き込まれていったというか、静かな雰囲気のまま居心地のいい時間が提供された。 おじさんに関しては「あ、やっぱりそうだったのね」と思う展開だったけどまさか自叙伝残していくとは思わなかった。 最終話の自叙伝交えながら現実の読書会進んでいく構成はかなり好きだった。 あと浅木クソだなと思ってたから最後は若干スッキリした(見込みではあれど)。 真島くんは、うん、分かりやすい分避けやすいけど将来厄介者にならないよう気をつけなねというきもち。吉乃ちゃん変なの引き寄せすぎじゃない? トランスルーセントについての国分さんの解釈がとても好きだったな。

    3
    投稿日: 2025.07.09
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    真夜中の『読書会』に集まった6人のお話が描かれた短編集。それぞれが悩みを抱えて居場所を求めて古本屋『深海』に集まってくる。一冊の課題本についてみんなで感想を言い合う。その本を通じて自分の生き方を考えさせられる。最後の章で叔父さんがこの古本屋を受け継いだ話も出てきて、衝撃ではあったけどこうやって次の時代に受け継がれていくのかなと感じた。『後悔できるのは、自力で決断した人だけだよ』真島くんのその言葉にすごく共感できた。本を読む事で自分の未来が変わってくるかもしれない。これからも本との出会いを大切にしようと思えた。

    18
    投稿日: 2025.07.06
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    読みやすい、面白い! それぞれの登場人物が本を読むことを通じてどんな人生の選択をするか、読書の奥深さ・本の素晴らしさが書かれていて、よかった

    2
    投稿日: 2025.07.04
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    読書好きにはたまらない! 古書店『深海』 ひっそりと薄暗い。 本好きの隠れ家的存在。 考えるだけで、わくわくします。 閉店後の深夜0時から開催される読書会。 客であり店主の姪の吉乃の言葉から始まった会。 「読んだ本の感想を交換する場がない」 わかる、わかる! このブクログってそういう感じ。 参加者は吉乃を含む客5名と店主の6名。 6編の連作の語り手はこの参加者たち。 自分は幸せでないと思っている女性は思います。 「読みたい本が手元にあるというのは、いいこと。 幸せではないが、もういい」 父の呪縛に悩む男性は本に救いを求めます。 「本を読んでいる間は目の前の悩みから逃れられる」 それぞれに『深海』に通う理由があります。 そして、最後の読書会で明らかになる店主の秘密…。 惹きつけられて読む手が止まらなくなりました。 困っちゃいます。 でも、本に没頭できるって幸せ。 自分だけの自由な空間と時間。 作品では、そこがこんな風に表現されていました。 「海の底、かけがえのない場所」

    56
    投稿日: 2025.06.30
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    とてもあたたかい世界観で、もっとこの世界に浸っていたいと思った。この筆者の他の作品も読んでみたいとも思った。そして、難しい本にも向き合って読んでみたいと感じた。ダイパが言われる今の世の中で、しっかり本一冊に向き合って、精読してみたいと考えさせられた、素敵な雰囲気のストーリーだった。久しぶりの良書。

    11
    投稿日: 2025.06.24
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    改めて読書の楽しさを教えてくれる作品でした。 私も1つの同じ作品に対して、自分達の感想や思ったことを話し合う「読書会」に参加してみたいって思いました。 またこの小説には残しておきたい文章がいくつかあり、大事なことも学べました。

    13
    投稿日: 2025.06.23
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    本の読み方は人の数だけある。 だから読書会は面白い。 本を読むという一点だけが唯一の共通点である6人。 友達とは言えないが、顔見知りというだけでは終われない。 なぜか懐かしく思える関係。 そんな6人が「本」を通じて自分の生き方や心の在り方を模索していく物語。 本は、読んだ人に痕跡を残す。 笑い、痛み、苦しみ、共感、様々な感情を呼び起こし、心に何かしらの傷をつけていく。 他人がどう言おうと、自分にとって大切だと思える一文に出会うために、本を開くのだ。 それを読んだ自分がどう感じたかを、本気で考えることこそが本物の知性だと思う。

    14
    投稿日: 2025.06.21
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    古本屋さんで深夜0時に開かれる読書会の参加者が順番に主人公になっていく短編集。紙の本のにおいまで漂ってきそうな、本好きのための静かなストーリー。 本は好きだけど、そういえば古本屋さんに行ったことはほとんどないな。

    12
    投稿日: 2025.06.21
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    東京の大学に通う吉乃は叔父が近くで古書店をしていることを家族から教えてもらう。 ただ叔父とはあまり話をしたことがないので行くのが億劫になっていた。だが大学の夏休みに足を運んでみることに。 古書店の名は"深海" 叔父にオススメの本を紹介してもらうことに。 それは"真昼の子"というロシアの文学小説であった。 本当に面白いのかと疑っていたが面白くてみるみるうちに没頭して読んでしまった。 それがきっかけで叔父と距離が縮まる吉乃。 しかし真昼の子を読んでいる人が周りにはおらずもっと語りたいという思いを叔父に相談したところ、読書会を開いてくれることに。 夜更けの0時から、年齢も職業も違う男女6人で本のことを話合う。 夜更けから読書会っと言う設定がまずわくわくしました。 登場人物たちはいろいろ悩んでいることがあります。 しかし読書会を通じて自分と違う意見、違う見方をすること。そして何かを決断し、こだわっていたものを手放していく。 それぞれ5人の成長の物語でもあるなぁと感じました。 読書会は行ったことないですが、どんな感じなんでしょう?興味湧きました! 最後吉乃が居場所を探すのではなく、自分で作るのもアリだなぁ。といってました。 これからも深海の古書店が続きそうなと、また深海が誰かの居場所になって縁を繋いでいったらステキだなぁ。

    22
    投稿日: 2025.06.15
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    深夜0時に古書店「深海」で開かれる読書会 大学生の吉乃と真島 司書の安井 グラフィックデザイナーの中澤 店主の遠藤 アルバイトの国分 秘密の恋、捨てられない夢、後悔 変えたいけれど変えられない日々が少しずつ動きだす 友達以上知り合い未満の読書会仲間 1冊の本を感じるままに思いを伝えあう 何だか羨ましい

    10
    投稿日: 2025.06.15
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    読書会参加者たちの話、それぞれよかった。 どの話も、じんとした。 課題図書が架空のものとは思えないくらいに、素敵な本ばかり。どんなジャンルもいける岩井圭也さんはすごいと思う。

    30
    投稿日: 2025.06.14
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    最後の章に入る前に、一度本を閉じて目を瞑った。 最後の章を読み終わると、本書が終わってしまうのがわかっていることだから。 本書の舞台は古書店。伯父の古書店に通うようになった、女子大生が物語をリードしていく。 その古書店で開かれるようななった読書会。 課題図書は、参加者一人一人が選んでいく。 私には読書会の課題図書は選べない。 今まで読んできた本の中で、一番好きな一冊は選べない。 好きな本を挙げることはできる。 良かったと思った本を挙げることはできる。 でも、それはその時思いつけただけで、子供の頃から読んできたたくさんの本から得た知識、感情、考え方などが、今の自分の知識や意識、意志を構成する一部になっている。 それは、この一冊という形で挙げられるものではない。 そして物語は、予感されていた方向に昇華していった。

    4
    投稿日: 2025.06.13
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    都会の片隅にある隠れ家ような古書店「深海」。叔父が経営するその古書店訪ねた訳あり女子大生吉野がある本と出会い「深海」での読書会に参加することで、自分らしさを取り戻していくなど、「読書会」に集まった6人がそれぞれの人生の転機に向き合い、再び歩みだす短編が連なる作品。読書会の持つ面白みも教えてくれる。こんな隠れ家的古書店&読書会があったら私も行ってみたい。 実際の読書会好きで社会に出てからも何回か参加したが、感動する場所や印象に残った言葉、読み取り方の違いも分かり、一人で読むより数倍深まると思うし、面白味共感が広がることも楽しい経験ができたと思う。読書会の日までに課題図書を読み切ることが大変だったりもするが、SNSが発達しているので魅力的な読書会を見つけてみたいと思った。同じ理由で書評読むのも好きなにだと思う。

    2
    投稿日: 2025.06.10
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    CL 2025.6.7-2025.6.9 深夜の読書会。そのメンバーそれぞれの視点で語られる6篇の連作短篇集。 誰にとっても読書会が全ての解決に繋がるなどということはないけれど、読書会で何かを感じて少しだけ人生に刻まれていく。いいお話だった。 先代の店主、今の店主の始末の付け方だけが独りよがりに思えて残念だった。

    1
    投稿日: 2025.06.09
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    夜更けより静かな場所 著者:岩井 圭也 ナレーター:中道 美穂子 吉乃のおじさんが経営する古書店の"深海"。 最初はおじさんに会うのを躊躇っていた吉乃だが、おじさんに勧められた作品にのめり込み、ある日を境に深海へ足繁く通うようになる。 吉乃の頼みで開かれるようになった深夜の読書会。 とても良いなと思った。 私なら読書の感想…綺麗な事を言わなきゃ!と思ってしまうのだが、年齢関係なく皆んな肩肘張らずに意見を交換できるのは素敵だなと思った。 素直な感想はそれぞれの感性の違いも見出し、人によってはこんな風に捉えるのかと疑似体験が出来てふふっとなってしまった。 おじさんが自分を語る上である手段を使ったのだが、ひっそりと消えて行く感じは少し寂しさを覚えた。 吉乃が素敵な空間を引き継いでくれれば良いなと切に願う。 ------------- サマリー(あらすじ)・コンテンツ: 人生は簡単じゃない。でも、後悔できるのは、自分で決断した人だけだ。 古書店で開かれる深夜の読書会で、男女6名の運命が動きだす。 直木賞(2024年上半期)候補、最注目作家が贈る「読書へのラブレター」! 一冊の本が、人生を変える勇気をくれた。珠玉の連作短編集! 【目次】 真昼の子 いちばんやさしいけもの 隠花 雪、解けず トランスルーセント 夜更けより静かな場所 【あらすじ】 大学三年生の吉乃は夏休みのある日、伯父が営む古書店を訪れた。「何か、私に合う一冊を」吉乃のリクエストに伯父は、愛と人生を描いた長編海外小説を薦める。あまりの分厚さに気乗りしない吉乃だったが、試しに読み始めると、抱えている「悩み」に通じるものを感じ、ページをめくる手が止まらず、寝食も忘れて物語に没頭する。そして読了後、「誰かにこの想いを語りたい」と、古書店で深夜に開かれた、不思議な読書会に参加するのだった……。 ------------- 読了日:2025/06/01

    17
    投稿日: 2025.06.08
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    とても優しいお話、こんな本屋さんや読書会に出会えたら幸せだろうな。大きな変化はなくとも、みんなが少し進む感じもとても心地よい。バカな大学の先生への言葉はスッキリした。

    1
    投稿日: 2025.06.07
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    一貫してこの小説の雰囲気が好き。 本にどっぷり浸かって、自分なりに感想を抱いて他の人の感想を見て、反発したり共感したり‥。1冊の本に人生観すら揺さぶられたり‥。読書好きなら共感できる場面が多いと思います。 読書会メンバーそれぞれがそこそこ重めの事情を抱えていたけど、読書会(課題図書)を通じて前を向いていく描写も良かった。ラストは正に、ですが、その他の人も本を通して人生が見えてくる感じがとても素敵な小説でした。

    48
    投稿日: 2025.06.07
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    読書会。参加したこともあったなぁ。馴染めなかったけど。伯父さんの生き方、美談でいいのか?「古本屋はいい商売。古本屋ほどわがままな商売が他にあるかね?」違うのでは?「他人がどう言おうと、自分にとって大切だと思える一文に出会うために、わたしは本を開く」「美しい音だけが音じゃない。がむしゃらに生きていれば、雑音も出るし騒音も立つ」「なりゆきで決まっていく人生もいいもの」考えさせられる言葉多々。

    2
    投稿日: 2025.06.06
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    このレビューはネタバレを含みます。

    あらすじで読書会の話というのはわかっていたが、思いのほか皆抱えているものが大きくて面食らった。 本について深夜に語り合ったことで、何となくだけど強くなっていく。 その何となくって、意外と日常にはなくて、非日常の大切さと、日常のリアルが描かれていた。 店主のことを「顔が長い」「ロバみたい」と執拗に描写していたように思うが、特に意味はなく笑 あえて言うなら、最終話に向けてぼんやりと描写していたのかな。 いつかもう一度読みたい!というよりは、自分の深いところで大切にしたい一冊になった。

    2
    投稿日: 2025.06.06
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    遠藤さんが20代を「これでいいんだ、これが周囲の喜ぶ生き方なんだ」って自分の本当の気持ちを蔑ろに扱っている部分に共感。 自分に正直にならずにその場しのぎで自分の気持ちを押し殺すと、ぷつんと糸が切れてしまう。 人間みんな悩みながら、後悔しながら生きているんだな、と思った。 SNSを見ていると楽しんでいる人ばかりが目につくけれど、きっとうまくいかなくても応援してくれる人がいる。 美しい世界だけが、順風満帆に社会のレールに乗ることだけが人生じゃないって再認識できた。 浅木先生のような先生、私と会ったことありますけど読んでてすごく殺意が湧きました。汚い魂胆が透けて見える大人、生徒をストレスの捌け口にしてるプライドの塊の教師、高圧的で人の話を聞かない大人、大嫌いだなーと思いました。一部の教師って教える立場なのに、間違ったこと平気でしますよね。 私も吉乃さんのように嫌なことをされたら毅然と振る舞える人でありたい。

    2
    投稿日: 2025.06.05
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    古書店《深海》にて深夜の読書会。店主の遠藤さんを初め、集う5人も訳ありで…本で繋がる6人の関係性がとても心地良い。無性に読みたくなる架空の本たちも魅力的。静謐で心温まる連作6篇収録。ハズレ無し。

    7
    投稿日: 2025.06.03
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    どなたかの本棚にこの本があり、気になったので読んでみたいと思った。 だけど3箇所の書店を回ったが、いずれも在庫なし。 やむをえずアマゾンに注文したら、翌日届いた。 話の展開自体はまあまあだったが、いくつか心に落ちるものがあった。 他人がどう言おうと、自分にとって大切だとおもえる一文に出会うために、私は本を開く。 本を買う時はいつも幸福だ。 なりゆきで決まっていく人生もいいものですよ。 みんな、答えのない選択を繰り返してここにいる。 誰もが、選択と偶然の連続を生きている。

    34
    投稿日: 2025.05.30
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     いやぁ、参った。何が参ったかって、この小説には何冊かの本のタイトルが出てくるんですが、それは岩井さんが作った架空の本なんですよね。  読みたいと思った気持ちをどうすればいいのかと、悔しい思いをしたんですが、それを上回るのが、この『夜更けより静かな場所』。  大学生の吉乃は、母親の勧めで、伯父さんが営む古書店を訪ねる。そこでお勧めされた本を読むと、あまりの面白さに夢中になり、一気に読み上げた。  この感動を誰かと語り合いたいと思った吉乃に、深夜の読書会を伯父の茂は提案をする。  読書会に集まったのは、古書店の常連たちとバイトの女性。各章ごとにそれぞれが主役となって、読書会の課題本がある。 ①吉乃『真昼の子』 ②真島『いちばんやさしいけもの』 ③安井『隠花』 ④中澤『雪、解けず』 ⑤国分『トランスルーセント』(茂からのリクエスト) ⑥茂『夜更けより静かな場所』  それぞれの章で課題本になっているのが、どれも面白そうで、特に吉乃が選んだ『真昼の子』は読みたくなった。でも、残念ながら全て架空の本なんですよね。  映画とかなら一緒に観る人がいることが多くて、その感想を話し合えるけれど、思えば本は同じ本を読むことってほとんどないかもしれないんですよね。そう考えると、この読書会はとても貴重な体験だと思うし、ブクログもそれに近い体験をしているのかもしれないと思いました。

    32
    投稿日: 2025.05.28
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    古書店「深海」で開かれる深夜の読書会に集まった男女6人の6つの物語─ 章ごとに読書会での課題図書のタイトルが付けられている。 本の読み方は人の数だけある 主人公に共感出来なくてもいい 感想に正解はない 面白かった、何となくわかる、も立派な感想 答えの出ない問いを考え続ける事こそ人生、、 心に染みる言葉が溢れてた。 何もかも自分で決められるほど人生は簡単じゃないけど、いくつかは自分で決められる事がある。 ひとつひとつ小さな決断の積み重ねその人を作る。 自分で決めて行く、その傍に本があればなお良い。 読みたい本が手元にあるということ 本を読んで面白かったと思えること 幸せだと改めて思った。 この本を読めて良かった。 人に勧めたくなる本です。

    4
    投稿日: 2025.05.28
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    立ち入ったことは聞きにくかった。それはあなた問題じゃなくて、聞き手として、わたしの側に覚悟ができていないせいかもしれなかった。 どんなに抑圧されても、人はそれをはね返して自由に生きることができる。 不器用でも慣れていなくても、自分がどう感じたかを、本気で考えていた。それこそが本物の知性だ。 他人がどう言おうと、自分にとって大切だと思える一文に出会うために、わたしは本を開く。 ちゃんとけじめをつけていないせいだ。もしかしたらまだやり直せるかもしれないという、淡い期待が頭の片隅に残っている。そんなわけないのに。 優しさも行き過ぎると自分を傷つけることになるから、そこまでしなくていいよ。 手に入れるのに苦労するほど、愛着というのは増すものです。 誰にも負けない優しさを持っている。そしてその、一見役には立たない優しさという特徴のおかげで生き延びることができた。 能力の有無にかかわらず、すべての人間には生きる価値がある。そもそも能力という概念自体、きわめて限定的なものです。能力と生きる価値の間には、いっさい関係がない。 本当にほしいものにお金を使ったからだ。幸せではないが、もういい。 待遇ら悪いし給料も上がらないけど、それでもやりたい仕事ができていれば日とは決断できる。 自分の足で立って生きているかどうか。その条件さえ満たしていれば、なんとかなる気がする。 自分に自信がない人。自信がないゆえに、周囲の話を素直に聞いて取り入れることができる。 評価なんてどうでもいい。私が満足できれば、今は十分。 自分に正直になるのは、悪いことじゃないよ。 なにもかも自分で決められるほど、人生は簡単じゃない。でもいくつかは、自分で決断できることがある。一つ一つは小さな決断かもしれないけど、その積み重ねが現在の自分を形作っている。答えのない選択を繰り返してここにいる。 誰もが、選択と偶然の連続を生きている。

    4
    投稿日: 2025.05.26
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    深夜0時に始まる読書会。 古書店に集まった6人の男女。 そこはまるで深海だった。 6人の、6つの連作短編集。 長年会っていなかった茂伯父は、古書店「深海」の店主だった。吉乃が暇潰しに訪れたことから始まった読書会で、6人の人生が動く。 課題図書は、自分が選んだり人から推薦されたものだったが、それは不思議とおのおのの人生を物語っていた。同じ本なのに、本に抱く印象がみんな全く違う。それは、年齢や今置かれている状況が違うから。自分にとって大切だと思える一文がみんな違うから。だから人の数だけ感想があった。仲間の感想で自分自身に気づくことも多かった。そんな読書会の魅力に私もハマりそうだったが、現実にはあまり簡単ではないようである。 深夜の深海の読書会は、自分の底にある重たいものが深海に染み出すような雰囲気があった。 不毛な恋愛や、根拠のない妄想、無気力感、父への執着、評価される音楽、がじわりと流れ出て深海に沈んでいった。 最後の物語は店主の茂伯父。 閉店した深海の倉庫を片付けていくうち、古書店は残さないという凝り固まった想いが深海に流れていったのだろう。 全体としてずっと暗い海の中にいるような雰囲気なのに、心の中はすごく澄んでいく不思議な物語だった。

    12
    投稿日: 2025.05.25
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    終始雰囲気の良い小説 素敵なおじさま店主が営む古書店、深夜行われる読書会 このシチュエーションだけで心がときめいた 読書会参加者のキャラ付けも、個性的なのに漫画的じゃなく、リアルな質感が良かった こんな本屋があったら行きつけになるだろうなあ

    10
    投稿日: 2025.05.23
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    『夜更けより静かな場所』 著者 岩井圭也 著者について:1987年生まれ、大阪府出身。北海道大学大学院農学院修了。 2018年『永遠についての証明』第9回野生時代フロンティア文学賞受賞でデビュー。 2024年『われは熊楠』第171回直木賞候補となる。 他に、『プリズン・ドクター』、『横浜ネイバーズ』シリーズなど。 岩井圭也さん、本作と『われは熊楠』が気になっていましたが、図書館で運よくこちらをお借りすることができました。 『夜更けより静かな場所』_タイトルも、表紙からも、神秘的な静けさが感じられます。触れる喜びがあり、撫でる様に本を手に取り、少しの間、静寂に浸り__そして<深海>へと誘われていきます__ ___その古書店は、海の底にある。___ 古書店<深海>を舞台に、店主に導かれるようにして集い、6人で始まった読書会。 6話の連作短編では、それぞれの選書(人生)が語られていきます。 『真昼の子』/『いちばんやさしいけもの』/『隠花』/『雪、解けず』/『トランスルーセント』/『夜更けより静かな場所』 読書会に集った5人のストーリーがあり、最後に店主の人生が語られています。 一気に読み終えました。 この本の持つ芯の部分、店主の静寂さの中にある温もりのようなものが、私にはとても心地よかったです。 またこの本を手に取り、読み返し、繰り返し、深海に浸りたいと思います。 良い本と出会えました。(購入します。) ありがとうございました。(´ω`)

    35
    投稿日: 2025.05.20
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    図書館にて他の本を探している時にたまたま 見つけた本。 前から読みたかったから嬉しいなーと思い 読み始めたけれど、個人的に久しぶり大当たりに 心に残ったし、読む手が進むけれど、読み終わりたくない本でした。 古書店(深海)で深夜0時から2時まで行われる 読書会のお話。 読書会に参加する各人物視点で描かれる。 それぞれのキャラクターの読書をする描写を表した 言葉がとても心に残った! 「終わった。長距離走に似た、心からの達成感があった。」 「じきに意識が文章の中へ沈み込んでいく。マンションの一室を離れ、遠い時代、場所へと転移する。暗くて静かで、わたしの他には誰もいない。ただ、文章によって形づくられた強固な世界だけがある。 そこは、深い海の底のような場所だった」 主人公の吉乃が 「居場所は必ずしも探すものじゃない。自分がつくったっていいはずだ。」と語っていた言葉に ハッとさせられた。自分にとって心地いい場所を 作る方がより自分にとっていい場所にすることが できるもんね。 また、読書することを海の底と表現するのが素敵でした。 読書会。参加したいけれど、SNSですら人見知りに なる私には難しいと思うけれど、 いつかは一冊の本の感想について色んな人と 対面で語り合ってみたいなと思いました。 対面読書会は今のところ参加は できそうにないけれど、 ブクログのみなさんの感想を読んで、楽しめたり、 知らなかった本を知ってワクワクできるので、 私にとって、ブクログが心地いい居場所の 1つになりつつあるのかなと感じます(^^) 最後に本のタイトルの「夜更けより静かな場所」が 後半でそういう意味だったんだなと気づける所も 読みどころの1つです。

    68
    投稿日: 2025.05.18
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    本を買うと幸福になるきもち、わかるなぁ。 しかし古本屋の本ってそんなに高いの?!とびっくりした。 古本屋さんは全く近場にないけど「深海」みたいな味のあるところなら行ってみたい。 各章で深夜の読書会に集まるメンバーがそれぞれ語り手になり、それぞれ抱えている悩みがあり、課題図書に選んだ本についてあれこれ話し合うのだけど、どの章もハッキリ事が片付く終わり方ではないので、私としてはストンと腑に落ちず、ボヤっとした印象。 もう一山ありそうなのになにもなくそのまま終わるような。 だけど全体を通して振り返ると、みんなそれぞれが大小の選択や成り行きを繰り返し、変化をしていくんだな、という緩やかな時の流れと、読書のもつ静謐で暖かい雰囲気が溢れている作品だなと思った。

    42
    投稿日: 2025.05.17
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    午前0時から開催される読書会。 深海とゆう名の古書店に集まる人々、冷たくって薄暗い雰囲気で密にならず気ままに呼吸しながら無音の空間に憩う深海魚たち、連作短編でそれぞれの過去が晒される。 姪の吉乃に始まり、同級生の真島くん、司書の京子さんと続いていくなか早く、クールで謎めいていたアルバイト店員の国分さんの番にならないかって期待してました。実はそこそこ喋る人だったとゆうことで黒歴史が晒された時は嬉しかったです。そしてそれぞれの章で何気に絡んでくる吉乃ちゃん。叔父さんの意志を引き継いで欲しく思いました。 実際、感銘を受けた本とかどんな感想を持ったのか聞いてみたいし語りたいそんな機会が持てる読書会って参加してみたく思いました。

    111
    投稿日: 2025.05.17
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    物語の舞台は深海という名の古書店。 深夜0時から開催される「読書会」で、年齢も職業も違う男女6人が集まり、課題本に対する感想や意見を交わす。 連作短編集となる本作は、6人が順に語り手となる。 それぞれの人生で本とどのように向き合っているのかが描かれていく。 収録作品は、以下6作品  「真昼の子」  「いちばんやさしいけもの」  「隠花」  「雪、解けず」  「トランスルーセント」  「夜更けより静かな場所」 作中で課題図書として紹介されるお話が気になって、 何度も調べてしまった。 って、何だかヒットしないぞ!? これらはどうやら、 岩井さん創作の架空の作品である模様・・・ 実在しないとなると、それはそれで読みたい熱が増しちゃいます。笑 今回はネタバレになりそうな レビューは避けるとして、 読書会かぁ・・・ 色んな人の見方や感じ方が直接聞けるって楽しそうだなぁ。しかも深夜。完全に夜型人間の会ですね。 あれ?でも対面ではないけれど、 私にとってはブクログがそれに近しい存在かも。 「読後の感想を共有したい!」 「あれってどういうこと?」 「そんな見方もあるんだぁ」 「その感じ方、私と一緒かも〜」 などなど、 読者の楽しさ、更にはブクログの素晴らしさをしみじみと感じる作品だった。 それにしても岩井圭也さん、引き出しが多過ぎます。 作品によって描く世界観も印象も全く違うのに、静かに惹きつけられる何かが必ずある。 何だろう・・・この感覚。そしてこの余韻。 どうやら岩井沼に、はまってしまったようだ。 作中、特に印象的だったので「隠花」より抜粋 “詩や小説は、年齢とか置かれた状況によって感じ方が全然違ってくるので。それを楽しみに待ちます。” 他の人と感じ方が違うのは当然だが、私自身もこれから変化して行くんだろう。再読の楽しみって、新たな自分に出会えることなのかもしれない。 さて、次はどの作品を読もうかなぁ。 あ〜読書って幸せ♪

    45
    投稿日: 2025.05.16
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    古書店で開かれる深夜の読書会で運命が動き出す・・・ あなたにとって人生を変えた本は何ですか・・・ 本を読了した時に自分の考えや想いを誰かに聞いてほしい気持ちはすごく共感しました。(特に心に残る本は余計に想いをぶつけたくなります。) 他の人はこの本を通してどのように感じたのか? また、違う視点で感じることもあると思うと読書会のある環境は羨ましく思います。 そのために、自分が決断してその場を作ればいい話なんでしょうが・・・ 男女6人の思いもよくいい読書体験ができました。 別件ですが、短編集を2冊同時並行だと混合して混乱しまいました。 次から注意します。

    57
    投稿日: 2025.05.15
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    深夜の古書店で開催される読書会という設定だけで、本好きの心を掴んでくる。 店主の「物語には色々あるのですから、共感だけを軸にするのはもったいないと思いませんか?」(P213より引用) という言葉に我が意を得た思い。

    9
    投稿日: 2025.05.11
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    叔父さんが経営する知る人ぞ知る古書店に何気なく訪ね、叔父さんが紹介してくれた洋書にどっぷりと嵌る主人公の女子大生。お店の常連客を含め6人での読書会が開催されるわけだけど、章ごとにメンバーそれぞれの課題図書のタイトルがつけられていて、これ著書のオリジナルなんですよね。どんなジャンルでも書けるのではないかと、そこにも驚きがありました。 大きな何かが起こるわけではないのに、読み進めていくうちに参加者の感想が楽しみになり、一緒に参加している気になった。読書会…楽しそう。

    23
    投稿日: 2025.05.10
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    深夜の読書会というフレーズに惹かれ読みました。すごく、良かったという感想ではないけれど、こういう会があったら行ってみたいなと思いました。古本って、結構値段が高くて驚きました。もう少しメジャーな本で同じ本を読んだ人で読書会したいな。

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    投稿日: 2025.05.04
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    読書備忘録914号。 ★★★★★ フォローさせて頂いている皆様がこぞって絶賛されていた作品。 ちょっと横道。 GWの神戸帰宅が3週間に渡るので延長出来ない予約本はNG。待ってる人がいるから!なので、予約本の受け取りは全てGW明けに日程調整! そして蔵書数がそこそこで、予約待ちの無い作品を漁って・・・。 2週間後に1回延長。合計4週間借りれる本を取りあえず8冊。 (蔵書数が1冊とかだと、まかり間違って誰かが予約したら延長アウトになるので蔵書数チェックは重要!) そして、これに行き着いた。 いい本に行き着いたわ!我ながら! もう言うことないです! 皆様のレビューが全てです! 改めてジジイが書くことないです! 古書店「深海」。 課題図書で語る・・・。 いろいろな読み方 登場人物6人が背負う諸々と、選んだ課題図書のストーリー。 中でも国分藍さんが店主から指定された課題図書。五線譜からの演奏会。 そして、店主遠藤茂の自伝小説。 この2つに涙したわぁ。 読書会って良いなぁ!と思いつつ、人見知りの激しいジジイはハードルが高いな。 加えて、悲しいかな図書館人生のジジイは課題図書を指定されても借りれなかったら読書会に間に合わない・・・。 しかし岩井さん。多作でありながらこのクオリティ。ダツボウ。

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    投稿日: 2025.05.03
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    このレビューはネタバレを含みます。

    深夜に行われる読書会から始まり、参加者6人のそれぞれの抱えているものが1話ずつ語られていく。 最後の方では心の隅っこにちょっ重いものを置かれたような、静かだけど深い、まさに深海のようなお話でした。 ラストは前向きな締めくくりでよかった。 あと、前店主について後半で少ししか語られていなかったけど、どんな人生だったのか気になりました。

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    投稿日: 2025.05.02