
総合評価
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powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
何だかくすっと笑えるところもあったりしておもしろく読んだ。 終盤の展開にはびっくりしたけど、最後なんだか切なかったなあ。 清々しく解散したけど、お父さんがなんだか不憫に感じた。
9投稿日: 2024.04.19
powered by ブクログ奇想天外な展開だが、最後は家族とは何かを考えさせられる。 この小説を映画化すると、もっと面白いものになると思う。個人的には、お父さんの家族への想いをもっと全面的に出すようにして、ハッピーエンドとしてもらいたかった。
2投稿日: 2024.04.15
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
あなたは何人家族? 家族って何? どうして浮気をしてはいけないの? 山梨にあるボロボロの住居 かろうじて家族の体裁を保っていた喜佐家 子ども達の結婚を機に、家族は外身も中身も解体・解散する手筈だった。 1月1日に集まった面々が倉庫で見つけたのは、青森にある神社のご神体。数日前の引越見積の時にはなかったこの大きな代物、誰がー? 誰もが前科持ちの父による仕業だと決めつけ、憤り、「日付が変わる前に返却されればお咎めなし」という宮司の言葉を信じて…山梨から青森まで陸路で運ぶことになった周・惣太郎・母・あすな婚約者の賢人。あすなと惣太郎妻の珠理は不在の父を見つけ出して合流する流れに。 しかし道中で周は気づく。かつて倉庫で浮気の現場を家族全員に発見された父は、その後に取り付けられた南京錠の番号を知らない。倉庫を開ける手段がないのにご神体を搬入するのは不可能だ。 ご神体騒動が全体の2/3ページで収束し、この後は何がと思っていたら家族の定義の話に。ちょっとしたミステリー要素もありながら、描きたかったのはここかぁと最後まで一気読みしてしまった。 勿体ない、2日で読んでしまった!でも面白かった! 落ち着いてもう一度読もう。 勢いのまま読んでいても、ちょっとずつ散りばめられた違和感に気づけたり気づけなかったり。浅倉作品やっぱり面白いな。 どなたかあの家の間取り図作ってくださいw
3投稿日: 2024.04.15
powered by ブクログとある事情で青森県十和田市まで行くことになった「家族」。私にとってその道程は、ワクワクして、ハラハラするものであった。本の中盤には目的地に着きそうだったので、後半はどんな話になるのか楽しみにしていた。が、「家族」とは何か、という哲学的話題に推移してしまったのが残念である。
2投稿日: 2024.04.14
powered by ブクログ「本当にこの家族、こんな形で終わっていいと思う?」 大好きな浅倉先生の最新作! 家族解散まであと3日に迫った喜佐家の物語。 文体も分量も読みやすく、3時間ほどで読破。 読んでるときの違和感がする〜っと回収されるあの感覚、たまらんよね。 そして、なかなかに面白いテーマ。 肝心の事件終わっちゃった?と思ったらまだ半分。むしろそこからが本題だった。 家族っていいよね、で終わるかと思いきや、家族って何なんだろう?と深く考えさせられました。 家族の誰がご神体を盗んだのか?と、「嘘」をめぐるエンターテインメントを楽しみ、「家族」さについて考えを巡らせる。 この本でしか味わえない体験でした。
2投稿日: 2024.04.14
powered by ブクログ古い実家を取り壊して、家族ばらばらに暮らすことになったのは、兄も結婚して別に家を構え姉も婚約者がいて、末の弟である周も結婚が決まったからである。 家族解体の三日前の元旦に家族総出の片づけ中、倉庫にあった見慣れない箱。 それが今、世間で騒がせている青森の神社から盗まれた仏像⁉︎ ここには居ない、いつも居ることがない親父の仕業かと思われたが、とにかく返さねば…という思いで家族全員が慌ただしく青森へと車を走らせるのだが…道中何度か一悶着あり、ただならぬ気配あり、でスムーズにはいかない。 これはどういう終着点なのか…という思いで読み進める。 なんだかんだとあってもこんな家族もいるかもしれないと思う。 世の中には、信じられない⁈という家族もいるし、家族のない人に比べたら歪であっても羨ましいと思うかもしれない。 「じょーないじょーない」という家族だけがわかる言葉を使っているのだから仲が悪いとは思えない。 ただ、みんな本音を隠しているから纏まらなくて、親父の本音もわからずじまいで、姉が考えたことなんだろう。 普通とはどんな家族かなんて考えなくてもいいのではないか。 何を基準に普通というのかさえ疑問なんだが、ただ家族はずっと一緒にいるもの…とする考え方も違うのだということ。
66投稿日: 2024.04.11
powered by ブクログ浅倉秋成の最新作 非常に読みやすい 話の展開も面白く二日ほどで読了 確かに“6人の嘘つきな大学生”より話の展開のインパクトに欠けた印象はあるが 登場人物のキャラはとても立っていたし 最後家族を解散するか否かの展開は非常に手に汗握るものがあった “家族とは”“家族における父とは、母とは、子供とは” 多様性を重んじ始めた現代において家族の在り方の多様性は認知されるのか 一定の意見を持ちつつ読み進めるとさらに面白かった
3投稿日: 2024.04.09
powered by ブクログ家族の形態を語るのに、こんなヘンテコなプロットと文量が必要とはとても思えない。形態に拘らないあすなの言動が、性格的エキセントリックさで台無しになっていると思うのだが。各個の人物描写がハッキリ言って下手で説得力がない。個人的にだが、浅倉氏は結局プロット重視で小説下手な著者という評価に落ち着いた。多分もう読まないだろう。
2投稿日: 2024.04.09
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
思想強すぎ。結末浅すぎ。思想垂れ流し本なら最初からそう言って欲しかった。説明臭い前半を頑張って乗り越えた先が、こんな結果なんて。 まず家族各個人の性格についての説明がくどい。考え方や価値観を題材にしているなら、せめてそれぞれの人間性の部分は、言葉で説明するのではなく、各々の言動で表現するくらいのことはして欲しかった。 次に、設定や計画が突飛すぎる。突飛な登場人物が企てたことだとしても限度がある。ミステリーに突飛な設定は付きものだが、それは後の結末で綺麗に回収されるから良いのであって、一つの歪な思想を説明するためでは理由として心許ない。 また、説教臭すぎる。序盤から「どうだ、語り部の考え方は間違っているだろう」という匂いがあからさま過ぎて、信用できない語り部パターンか?と邪推してしまった。散々、常識的?で古臭い?結婚観や家族観に手を変え品を変え疑問を呈し続け、結論も何ら変わらない。しかもその結論さえ薄いというショック。一冊読まなくても、最後の姉の独白だけ読めば事足りたと思う。 最後に2点まとめると、 子を成す資質の無い人間は子を成すな。 この本は自己啓発本コーナーに置いて。 以上です。
3投稿日: 2024.04.09
powered by ブクログ『六人の嘘つきな大学生』や『俺ではない炎上』で知られる著者の新刊。今作は『六人の〜』に近い。家族の中に容疑者がいるのだが、その真犯人を突き止めるミステリーとタイムリミットのあるサスペンスが同時並行で進む。一気読み必至。しかし本作が真のテーマに到達するのは事件解決後。近年小説に限らず多くの作品で描かれてきた「家族という呪い」に真正面から挑んでいく。正直2024年の作品として何か新しい視点があるかというと微妙だが、単なるミステリーやエンタメで終わらせないという気概は感じた。ミステリーが終わった後にドラマが来る構成なので物語の引力は衰えており退屈に感じる人もいるかも。あと一点、アセクシャルの扱いというか言及はやや中途半端な気はする(「触れるな」とか「出すなら物語上の機能を持たせろ」という意味ではなく、一文だけの説明的な記述の後にすぐ次の文で「でも結局そうではなかった」となるので)
3投稿日: 2024.04.06
powered by ブクログ浅倉秋成作品なので、どうしてもどんでん返しや伏線回収に期待してしまうけど、今作はそちらよりも「家族」というテーマに重きを置いていて、多少頭でっかちになったとしても「今、このテーマを描き切りたい」という作者の気迫めいたものが伝わってきた。
3投稿日: 2024.04.06
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
一つの家族がその存在に終止符を打つ。それぞれバラバラに生きることを決めた最後の日。 その日へのカウントダウンのさなかに起こった謎の事件。 全員が容疑者!? 元旦に千キロの道のりを疾走するミニバン。誰もが誰もに期待していないのに謎の一体感が生まれていく。 なんなんだ、この躍動感は。 家族小説なのにミステリで、しかもロードノベルって、どんだけ盛沢山なのよ。 伏線の狙撃手によるどんでん返し。うぇ?のあとの、あはーん。
3投稿日: 2024.04.05
powered by ブクログAmazonの紹介より 〈家族の嘘〉が暴かれる時、本当の人生が始まる。どんでん返し家族ミステリー 実家に暮らす29歳の喜佐周(きさ・めぐる)。古びた実家を取り壊して、両親は住みやすいマンションへ転居、姉は結婚し、周は独立することに。引っ越し3日前、いつも通りいない父を除いた家族全員で片づけをしていたところ、不審な箱が見つかる。中にはニュースで流れた【青森の神社から盗まれたご神体】にそっくりのものが。「いっつも親父のせいでこういう馬鹿なことが起こるんだ!」理由は不明だが、父が神社から持ってきてしまったらしい。返却して許しを請うため、ご神体を車に乗せて青森へ出発する一同。しかし道中、周はいくつかの違和感に気づく。なぜ父はご神体など持ち帰ったのか。そもそも父は本当に犯人なのか――? 伏線回収が上手い浅倉さんの最新作。今回もテンポの良い展開と伏線が回収されていく爽快感が良かったです。 果たしてご神体は本物なのか? 盗んだのは父親なのか? 様々な謎を残しつつ、次々とどんでん返しが待ち受けているので、気づけばあっという間に終わっていました。 青森まで運転する組と自宅待機組の2つの視点があって、交互に展開していきます。 運転する組では、一難去ってまた一難といった具合に色んな災難に遭いながらも、雰囲気としてはドタバタでコミカルでしたので、和やかな気持ちで読んでいました。 一方自宅待機組では、家にヒントがあるのでは?と隅々まで調べていきます。そこである手紙を発見し、事態がかわっていきます。 後半になるにつれて、何気ない会話などが、後に大きなキーワードとなって、推理に活かされていくので、驚きました。それも一つや二つではなく、意外と多く活かされているので、面白かったです。 果たして、青森には間に合うのか? そこに待ち受ける展開やその後の犯人の正体など、裏の裏の真実が隠されているので、最後まで飽きさせず楽しめました。 ただ、後半からはがらりと空気感が変わります。犯人の自白によって垣間見る「家族」や「結婚」の在り方が、なんともシリアスな雰囲気を醸し出していて、考えさせられました。言葉の呪縛・圧力といいましょうか、言葉から放つイメージによって、影響される人類が、人生においてこうも首を絞めるのかと思うくらい、壮大なテーマとなって、読者に伝えている感覚があって、どう解釈すればよいか、迷いました。 人それぞれ、色んな意見があって、否定するつもりはありませんが、それにしても意見を押し付けている感があって、なんだか腑に落ちない気もしました。なんだか自分勝手だなと思ってしまいました。 その影響なのか、今までのミステリー的な展開があって、爽快感があった分、後半はブレブレな着地感がありました。スッキリと終わった感じがなかったので、戸惑いのある余韻でした。 なんだか言葉のイメージから圧力を読み解くことで、現実を突きつけられたように感じましたが、家族のありがたみやきちんと話すことの大切さを学んだように感じました。
9投稿日: 2024.04.03
powered by ブクログ〈家族の嘘〉が暴かれる時、本当の人生が始まる。 どんでん返し家族ミステリー。 前半は実家の倉庫で見つかったご神体を返却しにドタバタ劇が繰り広げられ、道中もハラハラする展開で面白かったです。 物語の後半になると、誰が何のためにご神体を盗んだのか?という謎が、喜佐家の〈家族の嘘〉と結びついていくのですが、この関連性にやや強引さを感じてしまいました。しかし、話しの展開が読めず、この先どうなるの?と一気に読んでしまいました。感想が難しい作品ですが、定番のミステリーに飽きている方にオススメします。
23投稿日: 2024.04.03
powered by ブクログ作品のタイトルに騙されたということが完読後の感想です。 タイトルにもある千キロメートルはなんの距離を表すものでしょうか?このことを考えながら読むことがとても面白い作品でした。 また、この作品も身近な人のことほど自分が考えているほど知ることができていないことを知ることができる作品です。逆に身近な人にだからこそ言えないことや相談できないこと、隠したいことがあります。 今、隣にいる人が隠していることがあるというのは自分にとっては不快なことなのかもしれません。ただ、個人的にはこれをマイナスに捉えるのではなくて、他人はどこまで仲良くなってもどこまで時間を共有しても他人だからこそ面白いというか考え続けることができるのだと思います。 話は少しそれましたが、家族とは何か、これからどのように家族と接していきたいのか。これらのことを再考することができる作品です。
17投稿日: 2024.03.31
powered by ブクログなんだかスッキリしないなあ 結局何が言いたかったんだろう この本の中に最近流行りの多様性が詰まりに詰まっていて、ちょっと押し付け感がしんどいなあ スッキリ鮮やかに騙されたかったんだけど、なんか違った
11投稿日: 2024.03.31
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
浅倉秋成さんの作品の良いところは、読みやすさと、物語から興味を惹かせるあらすじだと思います。 六人の嘘つきな大学生でも思いましたが、あらすじがめちゃくちゃ面白いのに、辻褄合わせが無理矢理なところが多い気がします。 あと、弟くんの1人語り長い。 こいつ解説長いなとしみじみ思う。 お姉ちゃんが自論を踏まえて、お父さんを庇っていましたが、気になる点が2点。 お母さんがよっぽど稼いでいて、一家がそこそこ不自由なく暮らせるのであれば、別にお父さんが稼がなくてもいいとは思います。ただ、お父さんが碌に働かず、家が貧しいとなればそれはいいお父さんではない気がします。せめて、家に稼ぎを入れない分家事を手伝う、子供の世話をするなどあればいいですが、やってる事は家で隠れて絵を描いてるだけ。 結婚とは相手のパートナーにいつも性的興奮を感じなくてはいけないのか? これについては、パートナーが傷つかなければ浮気してもいいだろうし、傷つくと思うならしちゃいけないし、それぞれの家庭によると思います。 今回の場合、弟くんがトラウマを抱えるきっかけになってしまった事。お母さんを傷つけたことからクソみたいなお父さんだなと思います。 これらを、踏まえてお姉ちゃんがなぜお父さんを庇ったか意味がわからない。 お父さんは家族に関心がないから、お姉ちゃんのわがまま聞いてただけでしょ。 盗まれたトリック自体も…お姉ちゃん何がしたかったのか? 家族家族うるさいお姉ちゃんが昔、おもちゃ屋さんの物を盗んだのが原因で、今回もお父さんのせいだと思ってしまうのは仕方ないでしょ。 なのに、すぐにお父さんのせいにする。実はあの事件は私がやったなど、サイコパスかと思ってしまった。 最後結局解散も終わりよくないなぁ。 解体する→キャンセル→解体。 引越しする→キャンセル→引越し。 これ巻き込まれた業者さんがめんどくさそう。 お姉ちゃんぜったい割り増しで払ってあげてよ…。 お父さんを秘密の部屋から見つけた時、最近流行りの変な家みたいやん!と、思った。パクりとまでは言わないけども。 お父さんそこからついて行ったんだっけ? そんな描写あったかなぁ。この作者さん、意図的に描かないで、後出しジャンケン多いからミステリーとして楽しめないんだよな。 作者さんはどんでん返しに囚われすぎてて、物語を作るのは得意でも、作品の深み、キャラクターや内容が苦手なよう。 0→1が得意でも、 1→2以上を出すのが難しい人なのかな。 いっそ、他の作者さんと2人で合同で書いてみるとか面白そうですけどね。
10投稿日: 2024.03.31
powered by ブクログんー。浅倉さん大好きで新作楽しみにしてたけど 総評的には微妙かな…。 展開はドキドキしたし、盗品事件解決で終わらず ラストの展開に行ったところはよかったけど なんだか好きじゃない締め方だったなー。
5投稿日: 2024.03.30
powered by ブクログ予備知識ほぼ無しで読みました。 浅倉秋成氏の作品とあって、正直どんでん返しにのみ大きな期待をいただいました…が! 度々あるどんでん返しはもちろんですが、序盤からクスッ笑えるコメディ感があり、終盤には「家族」の形をめちゃくちゃ考えさせられると言うなんとも奥行きのある作品で、読み終わった後に自分なりに色々と考えさせてもらえる一冊でした。 あっという間に読了してしまう、さすがです。
8投稿日: 2024.03.30
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
築50年で増築を重ねた家に住む家族。兄姉僕の三兄弟と父親と母親。 兄は結婚して家を出た。姉は結婚するということで婚約者と一緒に正月を家で過ごす。主人公も結婚が決まっており、家を出る。父親は昔浮気をし庭の倉庫で行った情事を家族全員に目撃されて以来、家にいないことが多い。母親は家族を壊したくない。 子供が全員居なくなるので、家を解体してそれぞれの環境に引っ越す予定の正月。庭の倉庫で謎の仏像が発見され、しかもニュースでそれが盗まれた青森の仏像と知る。 どうせ父親が盗んできたもの。警察にばれると兄の会社も主人公の結婚もまずい。返しに行こう!ってことで青森を目指して車でかける。途中窃盗団に尾行されたり、パンク事件などを経て。 結局この騒動は姉引き起こしたもの。姉は職場に住みたかったが認めてもらえないと思って、結婚を装いつつ、家族の在り方を問うた。 それぞれのトリックは ・仏像はパーツを姉が倉庫に入れて、婚約者が倉庫内で組み立てた。倉庫を見張っていた主人公は電話で隙を作った。 ・パンクはレシートも釘も予め作成しておいた。ハンマーは下車時に準備。婚約者。 ーーーー 概ね大体の人が結婚をする『皆婚社会』のほうが特殊なんです。歴史的に見ても一九五〇年代から七〇年代の間くらいしか達成されていません。そういう意味では、ですよ。普通に結婚するほうが実は変、
1投稿日: 2024.03.30
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
あまり面白くなかった。 前半は家族で青森までご神体を届けるドタバタ。 後半は事件の全貌を明らかにするフェイズになってます。 前半のあれこれで散りばめられた伏線を後半で明らかにしていくのですが、ちょっと犯人の思惑通りにいきすぎだし、主人公たちは他人の言ったことを鵜呑みにしすぎで???となる箇所が多かったです。 今回の作品は「家族」というのがテーマになっていて、なにやら急に哲学的な話が始まったり…。いろんな形があっていいよね〜で終わるならまだしも、「いろいろな形があってもいいでしょ!」と強めに殴られたような気がして終わり頃はちょっと萎えてました。 結局のところ、私は誰にも感情移入できなかったので面白くなかったという感想を抱いてしまったのだなあと思います。 前半のパートは映画さながらの盛り上がりで結構楽しめました。この作者の作品は映像の情景が浮かべやすくて、その部分は今回も楽しめたと思います。
9投稿日: 2024.03.29
powered by ブクログやっぱり私の中では、浅倉秋成さんの小説には期待があって、本作も発売日にしっかり購入して拝読しました。割とテンポの良いストーリー展開と、謎が深まるミステリー展開でスラっと読めましたが、個人的には着地点があまり好みではなかったかなと思います。 本作のストーリーとしては、結婚を間近に控えた主人公が年末年始の休みに実家に帰省することから始まります。主人公の実家は割と古い慣習が残る家で、結婚するまでは家から出られないといった風習がある。そのため、今回の結婚は主人公が家から離れる機会であった。そんな矢先、引越しの準備をしていると、倉庫から盗品の仏像が見つかる。結婚前に家族の罪が世間に露呈することを恐れた主人公一家は仏像を返しに行くことになるというストーリー。 お話の展開的には割とコメディ感の強い作品で、ドタバタ劇という感じで割と軽めにスタートしますが、終盤に割と転調がしてる感じがあり、そこがちょっと温度差あったのかなと思います。浅倉さんの小説をこれまで数冊読んできましたが、設定が割と変わってる作品が多くて、それがハマればめちゃくちゃ好きな作品になるんだろうなって思いました。
73投稿日: 2024.03.29
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
大好きな作家さんの作品です。 今年に入ってから浅倉秋成先生の作品を読んで読書習慣ができた僕にとっては本作の発売日の3/26の今日ほど待ち望んでいた日はありません。 読書が好きな人はこのように好きな作家さんの新刊を待ち望んでいたんだろうと楽しみな毎日でした。 異端な父を持つ家族が父に翻弄される1日。 たくさんの仕掛け、伏線、どんでん返しがあって読むことを止められませんでした。 物語の肝となる事件の犯人が家族の中にいる。登場人物の誰もがそう思っていたけれど、そんな簡単なストーリーで済まさない。 やはり僕は浅倉先生の作品が大好きだ。 先生の扱う日本語がいちいち心地よい。捨てる物が無い。 そして先を想像しながら読んでいる僕を全て裏切ってくれる。 とても面白い作品でした。 家族を題材にしているお話なので自身の家族も仲が良いわけではない事を考えると、こういう事件があれば皆んな協力し合うんだろうな、なんて考えると盆と暮れくらいは実家に帰ってもいいかなと思いました。 素敵な作品をありがとうございます。
9投稿日: 2024.03.26
