
総合評価
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powered by ブクログだばだば ってな事で、原田マハの『板上に咲く』 久しぶりのマハさん。世界のムナカタこと棟方志功のお話。 最近、何だが読書熱が上がらんくて全然、本読んでてもワクワクしないと言うのか、身に入らなくて本に手が届きにくい そこへ予約してたマハさんが来たんでワクワクしながら読み始めたが、何故かワクワクしない… ヤバいな脳が腐ってきたかなって、ちょっと不安になりながら読み進めて行くと、中盤から『来た来たっーマハ節がっ‼️』ってかんじで、苦しかった貧困時から奇跡の遭遇で柳宗悦、濱田庄司との出逢いから一気に躍進していく棟方志功。 その出会いの時に涙が出るよね そっこから一気読みで棟方さんの生き様、奥さんのチヤさんとの硬い絆、もうどれもじんわりして涙がホロリで、胸熱く読ませて頂きました。 やっぱりマハさん最高じゃね 釈迦十大弟子の版画欲しいなぁ 2024年28冊目
3投稿日: 2024.11.02
powered by ブクログマハさんの、日本を舞台にした作品はあまり好みじゃないのかも知れない。 青森出身でゴッホに憧れた棟方志巧とその奥さん
0投稿日: 2024.10.27
powered by ブクログ版画家棟方志功と奥さんのチヤさんの物語で、まだ世に出てない何者でもない棟方志功が、世界的に認められる版画家になるまでと、しごくオーソドックスな展開なんだけど、とにかく二人の関係性がかわいらしくて仕方がない。もうほぼそれだけで成り立っていると言ってもいいくらい。NHKでドラマにしたら観てみたい。
17投稿日: 2024.10.26
powered by ブクログ二つの図書館で待つ事八ヶ月! ほぼ同じ頃に連絡が来て、後の方をキャンセルして、一気に読み終えました❗️ ゴッホの作品群をオランダ,ベルギーや国内で見てきて『棟方』の心を掴んでやまない作品を思い出したり、 以前に日本民藝館や濱田庄司さんの,益子へ行った事なども甦り、「チヤ」と共に歩んだ生涯、柳宗悦、濱田庄司、河井寛次郎等々縁の人々の影響を想像しながら読みました。
0投稿日: 2024.10.26
powered by ブクログ図書館で待っていても埒が開かないのでAudibleで聴き、渡辺えりさんのナレーションがうますぎて度肝を抜かれました。同じようにAudible推しの感想が多いですが、本当にお勧め! さて、棟方志功という版画家は知らなかったのですが、型破りな彼のエピソードの数々にビシビシ芸術家を感じさせられました。 大正時代、ゴッホの「ひまわり」のような鮮やかな色使いは衝撃的だったんだろうなぁ。 エネルギッシュ、ダイナミック、と言った言葉が似合う棟方志功の作品は、きっと弱視だからこそ印象の強い作品が生まれたのだろう。 ゴッホに感化された棟方の版画を、浮世絵に影響されたゴッホが見たらまた違う芸術作品が生まれそう。2人が同じ時代だったらよかったのにな。 妻チヤの献身的に尽くす様は美談ですが、そうとうな苦労だったはずで、棟方志功が認められる度に一緒にたまらない思いで感極まりました。
33投稿日: 2024.10.25
powered by ブクログAudibleで耳読。 朗読が渡辺えりさんで、これがめちゃくちゃ良かった…山形出身なだけあって、東北訛りはお手の物。騙されたと思ってみんなに聞いてほしい。 物語の内容は、芸術家の夫を支え続けた妻の純愛物語という印象。 夫を信じ続け、家族を守り抜いた妻。 初期衝動を生涯忘れずにゴッホに憧れ続け、世界の棟方となった棟方志功。 ゴッホのひまわりを見る目が変わってしまった。 特に妻が東京から疎開の地へと夫の芸術道具を運び出すシーンには泣いた。 この本に出会うまで、棟方志功を知らなかった。こうして物語を通じて新しい知識を得られるのも読書の醍醐味。 ぜひ、映画化してほしい。
3投稿日: 2024.10.24
powered by ブクログオーディブルで聞いたのですが、渡辺えりさんが朗読でとっても良かったです。東北弁で聞けたので、読むのとはだいぶ違う印象になったのではないかと思いました。 棟方志功の半生ですが、奥さんのちやさんがすごく良いと思いました。芯の強い女性でとにかくへこたれない。若いということもあるだろうけど、ずっと休まず働いている感じでした。ずっと体を動かしてるっていうのは、疲れるけど、精神は健やかになるのかもしれない。読んでるだけなんですが、私もスッキリした気分で読めました。 食べるものにも事欠く状況で、夫も妻も自分の仕事のみを行う、子供達に我慢させる、という状況に追い込み、精力的に仕事に励むことは、非人道的で現代の価値観では受け入れられないですが、尊く、そのおかげでその後があったのも事実だなあと思いました。 戦前の芸術家や作家が破天荒で自分や家族を犠牲にするってどういうことか理解できないと思ってきましたが、家族まで犠牲にしている、という状況で自分を追い込み、突き詰めることで生まれる物もあるっていうパターンもあるのかもしれないと思いました。 あと、知識人という人たちの必要性がよく分かりました。誰かが見出してくれなければ、その後の作品もなかったのですから。 マハさんの本を読むといつも思いますが、棟方志功の作品を見たいなあと感じました。 棟方志功の視力がどうなったのかなどなど、その後も是非聞きたいと思いましたが、短かった。そこだけが残念です。
6投稿日: 2024.10.24
powered by ブクログ原田マハの最新作、棟方志功とその妻チヤの物語。純粋にまっすぐに創作に向かう夫を信じ支えるチヤの姿、そして、本物の「ひまわり」を見るよりも子供の事を思って帰郷し、板木よりもチヤが大切という志功の人柄に心温まる。 柳宗悦、民藝運動、棟方志功…。名前だけ知っていたこれらのものが生き生きと本書の中で躍動する。まずは日本民藝館を訪れたい。
2投稿日: 2024.10.20
powered by ブクログ今回は油絵(ゴッホ・モネ・アンリマティス等)ではなく、版画をテーマにした、原田マハさんの作品。妻・チヤの視点で描いた作品にする事で、棟方志功さんの人間性や個性が色濃く出ていた。 終章にて「眉墨持ってるか?」の場面では、この作品でしか表現出来ないものがある。 是非、日本民藝館にも足を運んでみたい。
1投稿日: 2024.10.18
powered by ブクログ生きているうちに才能が認められて、それが生活にも現れて、家族が報われて…というストーリーは原田作品ではあまりお見かけしないので、嬉しい気持にも。改めて作品を観る機会があるといいなと思います。青森行きたい。 2024/8/24読了
0投稿日: 2024.10.16
powered by ブクログ美術史って、専門書で読むと難しいと感じたりするけれど、原田マハさんの小説って、するすると美術知識も頭に入りながら、勉強というよりは、エンターテイメントとして読めるから本当に嬉しい。原田マハさんという著者がこの世にいることに感謝。アート小説をありがとう。そして第52回泉鏡花文学賞を受賞おめでとうございます!
2投稿日: 2024.10.15
powered by ブクログ棟方志功の話とは知らずに読み始めた しっかりとした伝記なのか、原田マハの創作も入っているのかはわからない 素晴らしい奥さんだなというのが一番の感想かな
0投稿日: 2024.10.10
powered by ブクログ面白い語り口調だったし2回目に聞いたんだけどそれでも面白かった。むなかたさんは日本では有名なんだろうけど全然しらなくて、でも観てみたいなぁ。版画。
5投稿日: 2024.10.09
powered by ブクログキュレーターかつ小説家という稀有な存在である原田マハさんの棟方志功を題材とした小説。 美術にうとく、ゴッホについては原田さんの小説で初めてまともに知ったが、今回の棟方志功も同じく。 原田さんの小説は出てくる人がいい人すぎる、きれいすぎるきらいがあるが、その分気分よく読める。 今回もさらっと読みやすかった。
1投稿日: 2024.10.09
powered by ブクログゴッホに憧れた棟方志功の伝記的物語 面白かった 弱視でも諦めず、手で触って出来栄えを 確認できる板画で作品を作ったというから すごい ひまわりのコピー画を壁に貼って 神棚のように崇拝していたという ぶれない もしもこうだったら ということが 良い方に良い方に転んで成功に進んだ 原田先生の描写が巧みで心を掴まれました
0投稿日: 2024.10.06
powered by ブクログまっすぐで 愛にあふれた人柄 が作品にあふれ 出て たくさんの人も引き寄せ 世界の棟方に。 チヤ子さんの愛情深さに ほんとにひまわりの様な人。 自分はひまわりだ。棟方という太陽を、どこまでも追いかけてゆくひまわりなのだ。 なんて素敵な夫婦なんだろう。素敵すぎ。
0投稿日: 2024.10.05
powered by ブクログ「ワぁ、ゴッホになるッ!」 1924年、画家への憧れを胸に裸一貫で青森から上京した棟方志功。 しかし、絵を教えてくれる師もおらず、画材を買うお金もなく、弱視のせいでモデルの身体の線を捉えられない棟方は、展覧会に出品するも落選し続ける日々。 そんな彼が辿り着いたのが木版画だった。彼の「板画」は革命の引き金となり、世界を変えていくーー。 棟方志功の版画は力強くて優しくて大好きなので、とても面白く一気読みでした。妻目線で語られるのもまた新鮮。原田マハさんならではの作品です。
2投稿日: 2024.10.05
powered by ブクログすごくいい!!! 読み終わってから棟方志功を調べてみたら、確かに物語のムナカタさんと重なって朗らかで優しそうな笑顔が印象的だった。 そしてチヤさんの強さにとても惹かれてしまった。こんなご夫婦素敵だな。 夫に絵を描くこと以外をしないで欲しい、って言える?仕事もして家事も育児もして、ってのが当たり前に要求される時代には新鮮過ぎる潔さだった。
1投稿日: 2024.10.03
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
昨年12月に棟方志功展に行ったので、その作品を見返しつつ、読書を進めることができ、とても楽しかった。 マハさんの本にしては珍しく、芸術家の恋物語だったのかもしれない、と感じた。読後感も気持ちいい。 チヤさんは棟方志功が芸術家になると心底思ったからこそ、支えられたのだろうなぁ。ここまで信じて支えきることはなかなかできない、と思った。 チヤさんのおかげで世界のムナカタが生まれたというか、チヤさんと棟方志功の共同創造なのかもしれない。
7投稿日: 2024.10.01
powered by ブクログAudibleにて。 命を燃やす、とはこのような生き様か。 こんな風に全身全霊で生きたい。 妻目線での物語。 ひとりの芸術家の、泥臭く生き生きとした人生が他者目線で語られる。 彼女自身の人生は、 墨を摺る行為が全てを物語っているのだろうか。 オチは秀逸。なんとも微笑ましい。 二人の息遣いや情景が頭の中で勢いよく広がっていき、散歩しながら聴いていたのだが、かなり没入できた。 朗読の良さを存分に味わえた。 (追記。時代背景もあるのだが、妻の自己犠牲が気になった。 圧倒的な才能と熱量を前にして、全てを捧げて応援したくなる気持ちは分からなくもないが、彼女は彼女なりの仕事或いはそれに準ずる何かに向き合って生きて欲しかった。 職業婦人になってやる!と勉強して勝ち取った職だったのに。棟方が魅力的な人だったのもわかる。 しかし、彼女は彼女の人生を、また、夫は彼女の献身を、どう考えていたのだろうか。) 2024.4.3 読了
8投稿日: 2024.09.30
powered by ブクログ子供の頃テレビ番組で棟方志功の製作現場を見た。取り憑かれたようなその様子に気持ち悪さ(笑)を感じながらも目が離せなかった。 それが「五本の指ではなく鬼のように三本の爪でやるような仕事をしたい」と語った、荒魂を呼び返す作品を作っていたのだ。50年近く経って、おーっっそうだったのかと。 これだから本は面白い。 棟方志功記念館に行きたいと思ったら、つい半年前に閉館してしまったとか。 何と残念。
1投稿日: 2024.09.28
powered by ブクログ版画製作のただ一事に没頭し続ける棟方志功と、その夫を信じ懸命に支え続けるチヤの生き様に感動しました。 こんな生き方に憧れます。棟方志功の作品をもっと感じたいと思うようになりました。
8投稿日: 2024.09.27
powered by ブクログ棟方が柳宗悦に見出されたから、民藝間 岡山大原美術館 に沢山飾られてる事がこの本で分かった。とても勉強になった
0投稿日: 2024.09.26
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
棟方志功の生き様を、妻・チヤの目線を借りて語られた本。 読む前は、私は棟方志功の名も作品も知らなかった。表紙を見て、モチモチの木の作者・滝平二郎と勘違いをしていた程で。本当にお恥ずかしい限り。 原田マハさんは研究や取材を重ね、棟方志功とチヤの人物像を作っていったのだろうけど、本当にそれが魅力的で。 感情豊かで、どこかとぼけた志功の行動に笑ってしまう場面が多かった。孫であり棟方研究の第一人者である石井頼子さんがこの本の監修をしたそうなんだけれど、「立っているだけで面白かった」と呟いたそう(原田マハ公式ウェブサイトの本人インタビューより) かつ、『事前に題材についてつぶさに調査し、数えきれないほどの下絵を描き、構図を練り、試し描きをして、綿密な下ごしらえをする。そうこうしているうちに震動が始まり、次第に地鳴りが高鳴って、ついに噴火する』のだという。 もし身近にこんな人がいたら間違いなく虜になっていただろうな。 妻・チヤの生き様がまたすごくて。早くから精神的に自立していたからこそ、凄まじいパワーを持った志功を信じ、共に人生を歩んだんだなと... ほんとうに格好いい女性。 朝ドラをあまり見たことがない私が言うのもあれだけど、是非ともこれは朝ドラ化してほしい。 板を覆うようにして掘っている棟方の映像も残っているそうだから、板画作品鑑賞と共にぜひ観にいきたい!
7投稿日: 2024.09.23
powered by ブクログ棟方志功さんの版画は独特の雰囲気が好き。それが生まれるにはこんな物語があったんだ。また改めて版画をみたいもんだ。
1投稿日: 2024.09.22
powered by ブクログ妻のチヤから見た志功との生活を津軽地方の方言を交えて生き生きと描いている。 目の前で17歳からフランスのゴッホの墓を訪れるまでの40年間をまるで映画を見るように物語が映っていた 妻チヤが支えてくれたから、「世界のムナカタ」が生まれたことに感謝します 倉敷の大原美術館、駒場の民藝館、富山福光の記念館を訪ねてダイナミズムな板画を楽しんでいる ようやく、チヤは気がついた。 自分はひまわりだ。棟方と言う太陽を、どこまでも追いかけていくひまわりなのだ。 棟方が板上に咲かせた花々は数限りない。その中で、最も力強く、美しく、咲いた大輪の花。 それこそが、チヤであった
3投稿日: 2024.09.22
powered by ブクログ本当によくぞ購入に踏み切ってくれた。 SOMPO美術館でゴッホのひまわり常設で鑑賞できることに感謝。 棟方志功がゴッホに共鳴したのか、作品の熱量に近いものを感じる。 そして棟方が見ていたのはひまわりの背景の色から神戸のひまわりだったのかな。ホンモノ見て欲しかったな。 チヤをはじめ、人との出会いの幸運に恵まれた人だったね。無邪気にやりたいことを突き詰める様にみんなが惹かれるのかも。
2投稿日: 2024.09.18
powered by ブクログ棟方志功のことをほとんど知らなかったので、こんなにゴッホに魅せられ突き動かされた人がいただなんてと感動しました。 また、『リーチ先生』に出てきた面々にも再会できて嬉しかった。 棟方志功の墓はゴッホの墓を模した形になっていると読後に調べて知りました。 いつか三内丸山遺跡と棟方志功記念館と合わせて伺います。 そして明日9/13がちょうど命日ということにも驚きました。
2投稿日: 2024.09.12
powered by ブクログ「ワぁ、ゴッホになるッ!」1924年、画家への憧れを胸に裸一貫で青森から上京した棟方志功。しかし、絵を教えてくれる師も、画材を買うお金もない。その上、弱視のせいで遠近感をうまく表現できず、帝展に落ち続ける日々。そんな彼が辿り着いたのが木版画だった。
1投稿日: 2024.09.12
powered by ブクログちょっぴりダサくて鈍臭くて。 それでもめっちゃくちゃ真っ直ぐで直向きで熱くて一生懸命で。 とびきりキュートな二人。 棟方志功と妻、チヤ。 ちょっと映画トゥルー・ロマンスを思い出しました。 素敵な作品ですね。
28投稿日: 2024.09.08
powered by ブクログ棟方志功と妻の物語とは知らずに、みんなが読んでいるので読みました。 そういえば同じ作家さんの「たゆたえどもしずまず」という作品も。 なんだろう、読み始めたら心をつかまれて‥‥アッというまでした。 短編、中編‥いろいろ結構読んでます。 読み応え十分です。
28投稿日: 2024.09.02
powered by ブクログチヤさんが 「夫猫が、大変お世話になっております。」 このシーンが一番好きです。 一心に打ち込んでるものがありつつも、いちばん大事なものがアレで本当によかった。
0投稿日: 2024.08.31
powered by ブクログワぁ、ゴッホになる!絵画に恋焦がれ、始めは油絵、 そして見出した「板画」の道を突き進む、棟方志功。 彼を支え、墨を磨り続け、世界の「ムナカタ」になるまでを 見守った、妻・チヤの大いなる愛の生き様を描く。 序章 1978年(昭和62年)10月 東京 杉並 1828年(昭和3年)10月 青森―1829年(昭和4年)9月 弘前 1830年(昭和5年)5月 青森―1832年(昭和7年)6月 東京 中野 1832年(昭和7年)9月 東京 中野―1833年(昭和8年)12月 青森 1834年(昭和9年)3月 東京 中野 1836年(昭和11年)4月 東京 中野 1837年(昭和12年)4月 東京 中野―1839年(昭和14年)5月 東京 中野 1844年(昭和19年)5月 東京 代々木―1845年(昭和20年)5月 富山 福光 終章 1978年(昭和62年)10月 東京 杉並 参考文献、協力一覧有り。 それは偶然であり必然。そして奇跡。 画家の棟方志功とチヤとの出会い、結婚。 子を連れての上京での彼との暮らしは、困窮した日々。 でも共に暮らすことは辛苦あれども、二人なら乗り越えられる。 突然訪れる、作品の評価。 多くの出会いと交流、友人たちに助けられ、 志功はゴッホが進もうとしたその先をゆく。 ゴッホを越えて、世界の「ムナカタ」への道を歩んでゆく。 そんな彼の傍らには、何よりも大切なチヤがいる。 昔「NHK日曜美術館三十年展」で「二菩薩釈迦十大弟子」を 鑑賞したときの驚きといったら・・・いやぁ懐かしい。 そして、そのエピソードには涙が溢れました。 板に挑むように一心で熱烈に彫り上げる志功の姿は強烈ですが、 ある写真で純心な満面の笑みを浮かべる志功は太陽の如し。 そんな太陽は多くの人々を魅了します。 太陽を追うのは、ひまわり。 いつしか、聖画の<ひまわり>はチヤと成り、 彼女に太陽は無償の愛を注ぎました。 空襲で心折れて帰宅したチヤに、志功はささやく。 「ワぁの命にも等しいもんは板木では、ね。おメだ」 マハさんが描いた、なんという深い愛の物語!
16投稿日: 2024.08.30
powered by ブクログゴッホに憧れ、芸術の世界に飛び込んだ棟方志功がどうやって世界のムナカタとなったのか。様々な苦難を乗り越えた棟方の生涯を妻のチヤの視点により書かれています。 ゴッホの作品に衝撃を受け、油絵、版画を創るように。しかし棟方の作品が認められるまでの道のりは平坦でなく、貧しい暮らし、弱視、画材を買う余裕も無い状態でした。その中で家庭を守りながらも必死に彼を支え続けた妻や、芸術の仲間たちの棟方との眩しい絆が書かれています。 妻のチヤも有言実行の才能があると思うぐらい強い人であり、同じ女性として、強く心に残ります。 芸術の情熱、家族の強い絆をみせてくれた作品でした。
19投稿日: 2024.08.27
powered by ブクログ棟方志功の生き様とそれを支え信じて疑わないチヤの愛を強く感じる家族の物語。 一心不乱に版画へ注がれる情熱に息をのむ。 P146の世界がひっくり返る瞬間、衝撃が走る描写がこの上なく好き。 棟方志功の作品をこの目で見てみたい。
1投稿日: 2024.08.21
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
版画にへばりつくように掘る棟方志功の背中をすぐ後ろで見ているようだった。情熱ってこの人を現す言葉だと思った。締めくくりのひまわりと太陽の比喩には脱帽です。
2投稿日: 2024.08.21
powered by ブクログチヤとスコの愛の物語。天才板画家棟方志功の魂のほとばしるような半生と同時に、2人の魂のぶつかり合う音が聞こえんばかりの夫婦愛に、思わず涙するシーンがたびたび。削った板のにおいまで伝わってくる作品に、怒涛のような読書体験をさせてもらいました。感謝!
4投稿日: 2024.08.19
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
ゴッホのひまわりに魅力され、美術に興味を持ち、版画絵に全てを捧げる夫とそれを支える妻の物語。 経済的に豊かでもなく、絵の才能があるかもわからない夫のことを、信じ、直向きに支える妻の姿に胸を打たれた。戦時中に富山に疎開した後に、東京の家に戻り、版画をどうにかして空襲から逃すために必死になる姿に、夫のことも、夫の作品のことを好きなんだなと感じた。 夫は版画よりも妻が大切だと明言したこと、妻がひまわりなんだとなった時には、ほっこりした気持ちになった。 原田さんならではの芸術満載の物語で、物語に出る絵の発想を自分で思い浮かんだのなら、発想力がすごいなと思ったら、ムナカタさんは実在する人。作品を見てみたいと思った。
0投稿日: 2024.08.16
powered by ブクログ原田マハさんの作品なので面白いのだが、ゴッホなどの歴史上の人物の作品と比べて、多分、棟方志功さんはあまりに有名で、幼い頃にお姿や声を聞いたこともあるせいか、他の作品に比べて謎が少ないため、史実としての、夫婦関係や人間関係、戦中の話が興味深いものの、若干物足りない感じがした。
0投稿日: 2024.08.12
powered by ブクログお金もなく、目も不自由な棟方が辿り着いた布置き法の板画。 極貧の中でも棟方の才能、情熱を信じ、棟方を支えた妻チヤ。ゴツホのひまわりに魂を奪われ、画家の道に進んだ棟方にとってひまわりの存在であるチヤ。 自由な創作を標榜する国画会に版画絵巻を出品し、柳宗悦と賓田庄司に民芸の美の概念に近いものを見いだされ、やっと世間に評価され出した棟方。 民芸的な無心の自然な健康の美、手仕事の美は言われてみると棟方の作品に通じるものがあると納得。 戦火に大事な版木を守れず、棟方に詫びるチヤに自分の命に等しいものは版木でなく、おめメだと返す棟方、また、棟方が板上に咲かせた最も美しい大輪の花、棟方という太陽をどこまでも追いかけてゆくひまわり、それが妻チヤであるとの記述にこの本の主題を理解しました。
0投稿日: 2024.08.11
powered by ブクログ昨年10月 棟方志功展に行った。 洋画 日本画はよく行くけど 版画は興味もなく 「棟方志功は目が悪く這いつくばる様にして作品を作る人」位の知識しかなかったけれど 実際の作品を見て 圧倒されたのを覚えてます。 原田マハさんの「板上に咲く」 もちろん小説ではあるけど、 史実や実際の作品に基づいてるので 棟方志功さんの人柄とか 妻のチヤの事 とても感動しました。原田マハさんのアート小説はさすがです。 読後 棟方志功展図録を見直したら お話に出てくる作品あれもこれも 実際見てて あーこの本を読んでから 展覧会行きたかったです。
11投稿日: 2024.08.08
powered by ブクログ妻チヤの目を通して語られる棟方志功の生涯。 かわいいおじさんだったんだろうなー。 原田マハのアート小説を読むと実物を見に行きたくなる。だけど、書籍化されてからでは遅いということにようやく気づく。 たいてい新聞や雑誌などで連載していて、連載中に企画展の会期をむかえる、というあらすじなのよね。 終わってしまったものは仕方がない。まずは日本民藝館かな。
1投稿日: 2024.08.05
powered by ブクログマハさんの本はとっても読みやすい。 いつか棟方志功の事書いてくださらないかな~と思っていました。 奥さんとの出会いから、貧しかった時。 そして奇跡的な出会いがあってから、世界のムナカタになるまで。 一気に読めて楽しめました。 学生さんの課題図書とかにいいですね。
5投稿日: 2024.08.05
powered by ブクログAmazon Audibleで読了。 渡辺えりさんの朗読がとても良かった。津軽弁を耳で聴くと、チヤさんの生の声を聴いているような気がして、真に迫った語り口でした。 棟方志功の版画家としての人生を支えたチヤさん。 不遇な時代を二人で乗り越え、世間に版画家として認められるようになってからも、戦争という困難にもそれぞれ思いやって立ち向かう。 理想的な夫婦の関係。最後の章のチヤさんの語りから、夫への愛と理解がひしひしと伝わり、涙が出そうになった。
8投稿日: 2024.08.02
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
板画 奥さま、チヤさんの視点で語られています。 墨を磨る。津軽弁。 出逢い、支えてくれた人達。 思想⁉︎ スゴイの、だけど…。 モノ足りなさが残ります。 棟方の作品に出逢いたいかな。
0投稿日: 2024.07.26
powered by ブクログ著者のこういう美術家をとらえて、その人の人生を 読むのは面白いと思います。読みながら 作品を見るのも面白いと思います。
0投稿日: 2024.07.25
powered by ブクログゴッホに感化された版画作家、棟方さんの話。ゴッホ話が好きならば(原田マハさんの他作品を読んでいると良い)めちゃくちゃ面白くてするする読める。1日(4時間)で読破。
1投稿日: 2024.07.24
powered by ブクログ友だちが貸してくれた本。 この本の世界にスッと入れた。 読んでいて何回も涙が出た。 気持ちに正直に そして熱くいきる。 やっぱりそう言うのが好きだ。 棟方志功の絵に 会いたくなった。
1投稿日: 2024.07.21
powered by ブクログ青森に生まれ育った絵の大好きな少年が、ゴッホのひまわりに出会って人生の目標を定め、もがきながらも版画に行き着いて猛進する姿を、妻であるチヤの視点で描かれる。 オーディブル作品とのこと、津軽弁は音声で聴くと生きるだろうなと思いつつ文字で読了。 生まれも育ちも恵まれていたわけではないが、才能とエネルギーで運を呼び込み、わっしわっしと自らの道を歩んだスコさんの人生はとても幸せだったと思う。 チヤさんが看護婦の資格もミシンも活かせなくて、それはとても残念だと、私としては思ってしまった。チヤさんが幸せでないということにはならないけれども。
1投稿日: 2024.07.21
powered by ブクログ憧れのゴッホを超えてその先へ__板画家棟方志功の半生を妻チヤの視点で描いたアート小説。チヤの献身的な姿に何度も胸を打たれました。そして、人生は"もしも"の連続だ。2人が出会わなかったら世界のムナカタは存在しなかっただろう。
1投稿日: 2024.07.18
powered by ブクログ棟方志功という版画の芸術家を妻であるチヤの目線から書いた物語。絵が売れない苦しい時期から東京空襲まで2人が困難をどうやって乗り越えたかが書かれてある。苦しくても家族を犠牲にしても心と体の全てを使って版画を彫っている描写の迫力が伝わってきて、私も夢中で読んだ。
2投稿日: 2024.07.16
powered by ブクログ棟方志功の生きざまを妻のチヤの目線から描き出した作品。志功の芸術一筋で純粋なところがとてもよくわかり、また売れるまでの貧乏な生活などもよく分かった。ゲゲゲの女房の話に通じるような価値観と言うか生き方を感じて、これは才能ある夫を支える賢婦人に共通のものなのか、それとも時代がこういう生き方を生み出したのか、と考えた。棟方志功の作品は教科書にも載っているし普通にいろいろなところで目にしているのだが、この本が出版されたころやっていた展覧会には行きそびれたので本物を見る機会を逸して残念。本を読み、生き方を知ったうえで絵を鑑賞するのは、絵を深く理解し心にとどめるために有効だな、と改めて感じた。 あとは、BSテレ東で放送している「あの本、読みました?」が最近のお気に入りなのだが、それの原田マハ特集でこの本を語っているのを見て、読むのをすごく楽しみにしていたので、もう一度録画を見直したい。ちなみに本好きにとって、鈴木保奈美の評価が爆上がりする番組です。 チヨと志功の恋愛が描かれた場面もあったりしたものの、おおむね小学生に問題になるようなシーンはないかと...。でも、価値観など経験がないと難しいから中学生以上というところ。戦争の理不尽さなどの内容も最後に出てきます。
4投稿日: 2024.07.16
powered by ブクログマハ様〜(*´-`)♡ なんて素敵な物語なんでしょっ!! ゴッホに憧れ ゴッホの「ひまわり」に魅せられ 日本のゴッホになる事を夢みた棟方志功… やがて… “世界のムナカタ”と呼ばれる芸術家になるまでの物語_ 物語の視点も “我(わぁ),日本のゴッホになる!”と言い 美の世界に魅入られた棟方を 健気に支え続ける 妻のチヤさんの視点で 語られるのも素敵だったなぁ〜(*´-`) 棟方のそばで 40年以上…墨をすり続け… 世界の棟方になることを信じて 時には背中を押すような 芯の強い一面もあるチヤさん! どこか懐かしい気持ちにさせられ…それでいて 温かくダイナミックで 観るものを圧倒する 棟方志功さんの作品の裏には… 一生支え続けた チヤさんの存在があったからなんですね! 読み終えて… ふたりの絆や愛に 胸があつくなりました!
2投稿日: 2024.07.15
powered by ブクログ素晴らしかった。 棟方志功の作品には呼吸があって、生きているかのように感じる。美しくて、壮大なのに、紛れもなく現実で生きている感覚がする。 棟方志功の映像や写真も何点か見たことがあるが、その見た記憶のままの棟方志功がこの本の中に生きていた。 棟方志功の描く天女は奥さんに似ているよね、と母が言っていたことを思い出した。チヤは棟方にとって天女で、女神で、聖母で、ひまわりだったのだと思う。
9投稿日: 2024.07.15
powered by ブクログチュウボウの頃、初めて買った画集がダリとゴッホ。ゴッホの「カラスのいる麦畑」と「荒れもようの空と畑」を一晩中見入っていた事を思い出す。 自信満々で制作した「東北経鬼門版画屏風」が柳宗悦が大不満。読んだ時はわからなかったが柳の本を読んで「意識の超過、自我の跳梁、工夫作為の弊」を見たからと知った。
7投稿日: 2024.07.14
powered by ブクログ棟方志功、名前だけは聞いたことがあるぐらい、なのが恥ずかしいが、青森出身なのには親近感…ちゃんと作品見に行きたいと思う。 棟方もチヤも、ひたすらずっと真っ直ぐなのが、一言で片付けられるはずもないけどひたすら尊かった。ひたむきに信じて続けられること、信じられることは本当にすごい。人に何を言われようとも、絶対無理だろと思ってしまっても、流されないように生きていきたい……。 それと1番幸せだなと思ったのは、ゴッホを美術館に行けば見られる世界線で、今生きていられていること。不足感、ハングリーさはないかもしれないけど、それは本当に幸せなことだと思う。
7投稿日: 2024.07.13
powered by ブクログ木版画家・棟方志功の生涯を 妻のチヤさんの目線から描いた物語。 油絵がどういうものかも知らなかった青年は、 ゴッホの「ひまわり」を見て心奪われ ゴッホに憧れを抱く。 どんなに売れなくても、 油絵のほうが高値がつくことが分かっていても 木版画をやめなかった。 日本で生まれた純粋な日本の芸術、 木版画で革命を起こしたい。 棟方のそんな熱い想いが物語全編通して伝わってきた。 そして棟方のそばに寄り添い続けたチヤさん。 40年以上、墨を磨り続けて仕事を支え、 時には棟方の背中を押し、世界一の画家になると信じ続けた。 チヤさんの芯の強さや覚悟、行動力がすばらしかったな。 「ムナカタにならねば!世界のムナカタに! ・・・ゴッホを超えて!」と 棟方に対して叫び、飛び出していくシーンは 胸がぎゅっとなった。 大変な日々が綴られる中、 結婚前のチヤさんが恋に落ちるところや 公開ラブレターはなんとも微笑ましく、 このシーンはとても好きだったな。 壮絶なの二人の人生。 「辛かった、でも、幸せでした」 この言葉を最後にもう一度読むと、 物語が頭の中で思い出され、 これは二人の愛と絆の物語だっだなぁ…と しみじみ思うのです。
0投稿日: 2024.07.13
powered by ブクログ棟方志功の絵はなんとなく見たことがあるという程度だった。仏教や能にヒントを得ているのに驚いたし、墨を使う点が先日読んだ水墨画の話とも共通していて嬉しかった。東北弁が楽しいし、仲良し夫婦も良い
80投稿日: 2024.07.13
powered by ブクログこんなふうに、人を待ったり何も言わずに見守る、ってことを ずっとできる、というのは凄いとただただ思う。 自分だったらそんなふうに信じてあげられたかな、 と。 雑誌の1ページだとしてもゴッホの絵を見た時に、受けた衝撃は大きかったんだろうな。 私もゴッホの絵を初めて見た時のことはよく覚えています。 才能のある人の周りには 支えてくれる人が集まるのでしょう。 私も大切な人のことを ただ信じようと思わされる本でした。 ただ待ってみようと思います。
19投稿日: 2024.07.10
powered by ブクログ大好きなマハさんの新作♪ アート小説はいつも読むのに時間がかかってしまうのでなかなか手が伸びずにいましたが、ブク友さんたちがレビューをあげてるのを見て、気になって気になって、、、笑 我慢ならずに借りてきました! (なんの我慢や!) やっと読めました〜♪ やっぱりマハ様や〜(*´-`) まず先に謝ります。 ごめんなさい 本当に芸術はうとくて、、、 棟方先生のことは知りませんでした 私の芸術の知識はマハ様から得ていると言っても過言ではありません。 しかも、あんまり得意分野じゃないからなかなか手に取らないし、すぐ忘れるのでその知識も浅く、、、 お恥ずかしい限りです。 そんな私でもとても読みやすい一冊でした!! 棟方志功という板画家の物語 妻のチヤの目線で語られています 棟方志功という人はとてもまっすぐ。 スイッチが入ったらもう一心不乱にのめり込む感じは妻的には大変そうです笑 でもチヤや家族への愛が根底にあるところが素敵でした(^^) 写真も検索して拝見ましたが、あぁ!と納得したというか、本に書いてあるまんまの感じの方でした(´-`) 個人的には棟方さんの告白が好きです笑 作品も検索しながら読んでいました。 版画の良し悪しは分かりませんが なんか愛嬌があるというか、ユニークというか、あたたかみのある作品だなと感じました 特に二菩薩釈迦十大弟子とか、ちょっと小物で持ち歩きたくなるような。栞とかいいなと思ったり (芸術作品に失礼だろうか、、汗) 本物はきっとダイナミックなんだろうな〜!! 世間を驚かせた大型作品とか見てみたいな 大きさを体感したい!! マハ様の作品を読むと現物を見に足を運びたくなります!! どんどん眼が見えなくなっていく中 顔を板にくっつけながら何枚も何枚も板を彫り続けていたのだと思うと胸が熱くなります その想いを胸に本物を見てみたいと思いました K村さん羨ましい!! あと気になってお墓の写真も検索してしまいました笑 これだけ苦労しても支え続けたチヤさんすごい。 そして棟方先生の愛も感じ、温かい気持ちになる作品です
102投稿日: 2024.07.09
powered by ブクログ棟方志功、妻チヨの人物像が浮かび上がる。2人を見立てたモチーフの繋がりにも流石の一言。民芸館に行きたくなりました。ゴッホのお墓のあるフランスにも息吹を感じに行きたいなぁ。
1投稿日: 2024.07.06
powered by ブクログ棟方志功が柳宗悦や濱田庄司、河井寛次郎と知り合ったのがきっかけで名をなした。それを知っただけで満足でした。日本民藝館、今度行ってみよ。
0投稿日: 2024.07.04
powered by ブクログ青森が生んだ板画家、棟方志功の半生を妻チヤの視点から描いた小説。 油絵から版画に活路を見出し、一心不乱に板を彫り続けた棟方とその才能を信じ続けて支えたチヤの極貧生活が生き生きと描かれている。 人生は選択の連続と云うが、二人は多くの人に支えられ、その時々で最良の選択をしていく。作品に一途に取り組む棟方を芯の強さをもっているチヤが支えたからこそ、板画をゴッホの「ひまわり」のような世界を変えうる力をもつ芸術に仕上げていくことができたと思う。ゴッホになるのではなく、「世界のムナカタ」になり得た所以がそこにある。
0投稿日: 2024.07.04
powered by ブクログゴッホを目指し唯一無二の版画の世界を切り開いた棟方志功の苦難に満ちた人生と見事にそれを支えてきた妻チヤとの愛と苦難の歴史。チヤの視点から語られることで棟方の魅力ある人間性も浮きぼりになってくる。棟方志功のひたむきな努力と才能を信じて支え続けた妻、諦めずに進んできた中での多くの時代を切り開こうとする人との出合が世界の棟方志功への船出となった。
1投稿日: 2024.07.03
powered by ブクログ棟方志功の名は勿論知っていたが、いかにして世界のムナカタとなったのか? 彼の妻であるチヤから知ることになる棟方志功の物語。 青森出身の棟方志功と出会ったチヤ。 その出会いがなければ… その後も柳宗悦氏、濱田庄司氏、河合寛次郎氏、先生と仰ぐ人達との出会いがなければ…。 いくつもの出会いと己自身を削るような作品を生み出して、世界のムナカタとなった。 そこにはもちろんチヤがいたからで、彼女の存在もとても大きなものだと感じた。 ゴッホに憧れて、ゴッホに挑んだ。 ゴッホに追いつき、ゴッホを超えて、どこまでも伸びていった。 びっくりするほどまっすぐて、呆れるほど一生懸命で。心と体の全部をぶつけて描いた。そして彫った。 たった一枚の板と一本の彫刻刀で、世界に挑み、世界を変えた。 私はひまわりですからね。 あの人は太陽。 だから、追いかけていく、そういう運命、なんだもの。 チヤの声が心に温かく届いた。
61投稿日: 2024.07.03
powered by ブクログ半年朝ドラを見たような感覚。 チヤさんあっての棟方志功だったんだなと、お互いを思い合い尊敬する家族の物語だと感じた。 駆け出しから成功までの長い年月を、多くない文字数で書いてあるので、サクッと流れていくような感じ。 大原美術館で観たこと、「リーチ先生」を読んでいたので、物語のイメージと没入がしやすかった。
1投稿日: 2024.06.28
powered by ブクログ棟方志功の半生と憧れの人に対して直向きさを学べる小説 棟方志功をこの小説で初めて知りました。 版画の魅力や棟方の半生などたくさんの魅力がこの作品に込められていいます。 また棟方の奥さんのチヤさんも棟方に惚れ込んでの信じて待つ姿に感動します。 芸術家ってカッコいいし憧れます。 何か自分でも作品を生み出したくなる小説でした。
3投稿日: 2024.06.28
powered by ブクログもちろん棟方志功の名前は知っていましたが どんな生涯だったかや 柳宗悦の関わりなどは知りませんでした。 奥様あっての棟方志功さんだったのですね。 青森の言葉は読みにくくはありましたが臨場感がありました。 お子さん4人も立派に育て上げたそうです。 原田マハさんの文章は平易なのが好きです。
1投稿日: 2024.06.27
powered by ブクログ「たゆたえども沈まず」で原田マハさんにハマった私にはとても好きな内容だった。 たゆたえども読んでから美術館によく行くようになり、新宿のひまわりも何度か見ていますが、この本と出会って新しい感情が生まれて今すぐにでもまた見に行きたいくらい。 恥ずかしながらこの本を読むまでは棟方志功さんを1ミリも知らなかったのに、ゴッホがいなければ現れなかったかもしれない天才とそれを支える妻目線というストーリーに感動しながらラストまであっという間だった。
9投稿日: 2024.06.24
powered by ブクログ棟方氏について知識ゼロのまま読み始めた。原田マハさんが新しい世界を見せてくれた。空襲の章は読んでいて涙が溢れた。結構あっさり物語が進む。
2投稿日: 2024.06.23
powered by ブクログ芸術家、その家族 支える妻の目線でみると、どれだけ支える力が必要か、自分を律し、夫の夢、目標を支えていく気持ちが必要かと思わされた。 何十年も支え、夢が成就され、本人、家族の想いが花開いた時は、感動だった 夢を追うこと、その家族とはなんだと。 感動した作品だった! 原田マハさん、ありがとう!
2投稿日: 2024.06.22
powered by ブクログ筆を取るわけじゃないけど、子供の頃から絵画〜芸術としてのそれが大好き♥ 従い、マハさんは初期の頃から追いかけてきた作家。 この作品はオーディブル、書き下ろしと銘打っているが、読むにつれ、時間が巻き戻り、大正、昭和の社会絵巻が広がった。 志功さんとチヤ。そして子どもたち…無論背景は「あの」版画の世界! マハさんは「事実を基とした」フィクションと断りつつも、その膨らまし方の技が名人芸! 円熟味を増し、読み手を至福の境地と誘ってくれる。 私事で恐縮ながら… 夫は富山下新川郡。戦後 引き揚げて教職に付いて舅、姑。NHKに関わりを持つたり、越中民藝に関わりを持つに連れ、当時疎開していた志功氏と縁があった。 昭和後半、嫁いだ(言い方が古色!)私は 姑から志功さんの話を機関銃のように聞き、版画(本物も)見せられました(*^^*) 壁には、表装した作品もあちこちに飾っていた記憶が。 きつい弱視の姑と志功さんの「作品に顔をこすりつけるようにして」向かう姿が重なっています。 ネットでみる「志功さんとチヤさんご夫妻」の写真。溢れんばかりの笑顔にお二人のあり様が見えるような気が(^o^) ファム・ファタールという語がありますが…チヤさんは志功さんに取り、運命的女性。今じゃ この語〜悪女的に用いられるようになったのだけど「当該男性にとり、生涯的に運命づける」ことになる女性!でしょう☆* 牧野氏、熊楠氏のフィクション作品で見る夫婦とも似通うモノ、ありますね。 青森の記念館は閉鎖になりましたが、福光、そして岡山にも観に行くつもりです…釈迦の弟子像を拝みに
4投稿日: 2024.06.21
powered by ブクログ絵画展での出来事が真実なら、凄い。出会いがあって良かった。互いを信じ合う夫婦は、苦しくても幸せ。朝ドラになりそう。
2投稿日: 2024.06.19
powered by ブクログ版画家棟方志功の話。 小説を読むまで恥ずかしながら棟方志功の名前くらいしか知らなかった。 奥さん子供を故郷に残して一人東京に何年も行ったり、 自分のやりたいことを貫く姿はすごいが、奥さんの支えもすごい。 原田マハさんの小説は読んだ後に、その作品を見に行きたくなる。
4投稿日: 2024.06.16
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
名前は知っていても実は作品をよく知らなかった棟方志功。話に出てくる作品をネットで検索しながら読書し、絵と詩を彫った大和し美しが衝撃でした。この発想は西洋画にはない。 後世に名を残していることからも安心して読める作品。妻のチヤの人柄も朗らかでアート小説であり、家族小説だった。
2投稿日: 2024.06.16
powered by ブクログかなり早めに借りられた!ラッキー! ただ、次の方がお待ちですと書かれた紙が挟まれてなかった。司書さん、お忘れ?私が最後のわけないよね?恩田陸さんのspringも借りたし。 原田マハさんの画家モノ、良くないわけがない。 そして、原田マハさんが描いた巨匠について知りたくなるのが私。 とりあえずスマホで検索すると夫婦の写真が出てきた。なんて愛嬌のある素敵なご夫婦。なんだかそっくり。こんなニコニコの平凡に見える方が規格外の天才だなんて。 ボロ長屋を竜宮城のように描いたとのこと。見てみたかったなぁ。 棟方と棟方を支援した松木、なんだかゴッホとテオのようだな。棟方の圧倒的な才能と人柄が良い縁を招いたのだろうか。奥様を含めて… 有休消化だった今日。昼過ぎまで大好きな図書館で過ごした。楽しみにしてた予約していた本を迎えて読み耽る贅沢な時間だった。 平日なので閑散としてる子供コーナーの平らで広いソファでゆっくり読んだ。
15投稿日: 2024.06.14
powered by ブクログオーディブルにて。 全体を通じて青森出身の棟方志功、妻のチヤの東北訛りが見事で、文字ではわからない語感や雰囲気が伝わってくる素晴らしいナレーションだった。 (女優の渡辺えりさんが担当) 片田舎の無名の芸術家がゴッホを夢見て突き進む姿、苦労の連続の中にも夫婦間の信頼や支え応援してくれる様々な人々との交流、戦争という時代の荒波に立ち向かう様子。読みやすい文章でありながら、人物の気持ちや様子がイメージできる内容にグイグイ引き込まれた。 棟方志功については名前を何となく知っている、くらいの知識しかなかったが、芸術家としての才能にとどまらず、周囲の人がほっておけない人間的魅力に溢れた人物であることがとても印象的。 芸術家というと、自分だけの世界に入ってしまう孤高の人という勝手な先入観があったが、夫婦二人三脚で苦労も笑顔で吹き飛ばしながら徐々に世に認められていく様子に自分も勇気づけられる。 チヤが回想する中でのセリフに、もしあの時〇〇でなかったら、、というものがある。人生を変える様な出会いやチャンスはどこにあるかはわからないが、それを掴めるかはやはりひたむきな努力なのだとあらためて感じた。
8投稿日: 2024.06.13
powered by ブクログゴッホになりたいと、ただひたすらに それを願って、自分を信じた棟方さん、 その棟方さんをただひたすらに 信じたチヤさん。 その道を突き進むことができる人は自分を信じて 続けていけることができる人。変化を恐れない人。 そして周りの人にも恵まれている。 人徳なんだろうか。 棟方さんは、きっとチャーミングな人だったのだろうなぁ。 若い棟方さんが仕事をしながらも、毎日たんたんと絵を描きづづけるシーン、絵を偏愛している姿が 心に残った。 Audibleでも聴いた。渡辺えりさんの朗読がよく、 棟方さんの自然体な姿、 感情を抑えながらしかし芯の強いチヤさんの姿、 朗読にのせて強く伝わってきた。
2投稿日: 2024.06.10
powered by ブクログ芸術家が作品を生み出すときの鬼気迫る描写が流石です。家族はわが家に版画に取り憑かれた鬼がいる!という感じ?でしょうか。 方言が多くて、何回か口に出して読むと意味がわかるというところもありました。この時代だからしょうがないのかもしれませんが、生活が苦しいなら避妊すりゃいいのに…とは思ってしまいました。 献身的な奥様のチヤさんも素晴らしいですが、家族のことを何よりも大事にしている棟方志功の人間性にはジーンとしました。後半は涙なしでは読めなかったです。家で読んでて良かった。
12投稿日: 2024.06.09
powered by ブクログ宗像志功は、人との出会いに恵まれていた。もちろん、それだけではなく、才能もあった。 誰もやらなかったことを成し遂げた宗像の日本人魂を尊敬する。 当時は油絵の方が世間で持て囃されていて、宗像の板画は格下に見られていた。そこで腐らず、どうやったら板画が認められるのかを考え、苦しみぬいた末に作品を完成させてしまう。 天才と言いたいところだが、彼は作品を生み出すのに毎回かなり苦心しており、何だか少し身近に感じられる。 芸術に全てを捧げるのかと思いきや、妻のチヤや子ども達を大事に思っているところも良い。 チヤが宗像の展示作品を観られないのは、仕方のないことだったかもしれないが、どうにか観てもらいたかった。 チヤにとって宗像は太陽、宗像にとってチヤはひまわり。明る過ぎる気もするが(笑)、何と素敵な夫婦ではないか。
8投稿日: 2024.06.08
powered by ブクログ原田マハ 良いね。 棟方 志功(むなかた しこう) 1903年(明治36年)9月5日 - 1975年(昭和50年)最晩年には約半年間、棟方志昂と改名した。 感想 川上澄生の版画「初夏の風」を見た感激で、版画家になることを決意。 1942年(昭和17年)以降、棟方は版画を「板画」 と称し、一貫して木版の特性を生かした作品を作り続け、その偉業から板画家として世界的に知られる。 墨書や「倭画」(やまとえ)と名付けた肉筆画も残している。 1924年、画家への憧れを胸に裸一貫で青森から上京した棟方志功。 しかし、絵を教えてくれる師もおらず、画材を買うお金もなく、弱視のせいでモデルの身体の線を捉えられない棟方は、展覧会に出品するも落選し続ける日々。 そんな彼が辿り着いたのが 木版画だった。 彼の「板画」は革命の引き金となり、世界を変えた。 その裏に内助の功 まっすぐな愛が、本から溢れ出てくる。 妻・チヤの人生を描いた小説でもある。 1987年、東郷青児美術館でゴッホの「ひまわり」が公開されることになり、チヤの元に新聞記者が取材にやってくる。ゴッホに憧れ、いつか超えたいと願って板画に取り組んだ亡き夫との思い出が、素朴な口調で語られる序章に、まずは心を掴まれてしまう。 青森の実家で、看護婦を目指し勉強していた チヤは、友人宅で「立派な絵描きセンセ」だという 棟方に出会う。もじゃもじゃの髪に分厚いレンズの黒縁眼鏡、泥ハネだらけの脛。(愛嬌のある子熊のような)と表現される風貌と、何が描いてあるのかわからない絵は、強烈な印象を記憶に残す。一年後、 二人は偶然に再会し惹かれ合う。新聞広告を使っての大胆な告白を受けて妻になったものの、家族を 養う収入のない棟方は、一人で東京に行ってしまう。周囲からは心配されるが、「ゴッホになる」という夫の決意をチヤは疑わない。生まれて間もない 娘を連れて強引に上京したものの、最初は友人宅で居候だ。野草を主食にするほど生活は厳しく、 視力が落ちても医者に行くことすらできない状況の中で、棟方は木版画を極める決意をし、凄まじい熱量で制作をする。ついに、ゴッホを知るきっかけとなった芸術雑誌「白樺」の主宰者・柳宗悦と、彼が 提唱する「日本民藝運動」に関わる人々に認められ、棟方はさらに高みを目指していく。家族の生活も 安定するが、平穏な暮らしは戦争に奪われてしまう。 芸術のことしか頭にないように見えるが、妻子の命を何より大切にする棟方が、微笑ましく魅力的だ。家族が寝静まった後に、墨を磨るという仕事でその創作を支え、棟方も驚くほどの頑固さで、作品を守ろうとするチヤの命がけの行動力に心打たれる。自分にしかできない仕事に全力で取り組んだ 二人の姿の物語りです。 最高、日本のゴッホ
2投稿日: 2024.06.07
powered by ブクログあなたは知っているか!? 世界に名を轟かせたMunakataを! 世界中からリスペクトされ続けている映画監督 それは、、、 世界の黒澤! 通算本塁打868本を記録した男 それは、、、 世界の王! ラストエンペラーで米アカデミー作曲賞を日本人で初めて受賞した男 それは、、、 世界の坂本! 1、2、さぁ~ん! オモロー! それは、、、 世界のナベアツ! ゴッホになろうとして上京した貧乏青年 ゴッホにはならず 世界のMunakataになった それが、棟方志功! (私は知らなかったーw) 世界のナベアツを…、じゃなかったw 世界のムナカタを知らないあなたは『板上に咲く』を読もう! 彼の版画にかける熱い想いを感じよう!
45投稿日: 2024.06.07
powered by ブクログ棟方志功の生涯を妻の視点から描いた作品 行きやすいところにありずっと気にはなってはいた日本民藝館へ足を運んでみようと思いました
2投稿日: 2024.06.06
powered by ブクログ棟方志功、彼の代表的な作品は見た覚えがあるし、名前も知っていた。 だけども、なぜ彼が芸術の道を進んだのか、どんな人生を過ごしたのかは全く知らなかった。 脚色されているとは思うものの、いつまでも少年のように真っ直ぐで、直向きに芸術と向き合う姿に感銘を受けた。 また、ゴッホを始め生前に評価を得られないまま生涯を閉じることが多い芸術家の中、生きている間に才能を見出され、作品が評価されたことが良かったと感じた。 原田マハさんらしい、アーティストへの愛が感じられる作品。1日で一気読みしてしまいました。
1投稿日: 2024.06.05
powered by ブクログ原田マハさんのアート小説。 今回は、板画画家 棟方志功。 ゴッホに憧れ、ゴッホをめざし、ゴッホが感嘆した版画で、 世界のムナカタになったーー その人生を妻 チヤの視点でえがいた。 棟方もチヤも青森出身。 戦前の日本で、地方での暮らしでは情報もごくわずか。 そんななか、棟方は雑誌で紹介されたゴッホ「ひまわり」を見て、芸術の雷に打たれた。 当時、パリでもまだそこまで評価されていなかったゴッホを日本で取り上げていたというのに驚き! 芸樹の目利きの素晴らしさよ。 そしてこれが縁になっていくのもまた不思議なめぐり合わせ…… 棟方は絵の才能もあったが、視力が弱く物を正確にとらえることが難しかった。 それが版画への道に進んでいくことにもなる。 心にわきあがったものを板に削れば手の感覚で、作品を見ることができる。 実直で温和な棟方は人を惹きつける魅力もあった。 彼のそれは作品にもあふれた。 彼を支援した柳宗悦らは「民藝の美」を提唱した。 ーー 民藝の美は、無心の美であり、自然の美であり、健康の美である。 それまで誰も注意を払うことのなかったごくふつうのものーーうつわ、台所用品、着物、かごやほうきに至るまでーーにこそ普遍的な美が宿っている。 ーー 棟方の作品は慈愛が満ちている。 彼の人柄が溢れ出ている。 弱視だからこそ、彼の心にみえるものを作り上げた。 読みながら作品名を検索しながら読んでいった。 スマホの小さな画面からでも感じる感動は、本物を目の前にしたら…… 柔和で酒もタバコもやらない、子どもたちや奥さんを愛して、ただひたすら作品にうちこんだ棟方志功。 棟方の制作工程はチヤさんも覗くことはなく、物語であってもうかがい知ることはできない。 ここが拡がれば小説の感動もふくらんだだろう。 最後に載った参考文献の数々、取材協力の方々、原田マハさんは小説であっても忠実に「棟方志功」を語りたかったのだろうな……
7投稿日: 2024.06.05
powered by ブクログ読み終えて、棟方志功さんの画集を持っていたはずと書棚の奥を探った。『棟方志功の宇宙(せかい)』ー、Y新聞社が生誕100年を祝して出した板画集を友人から貰ったものだ。21年前にプレゼントされた以来あらためてページを繰ると、小説中にあった作品が8点並んでいた。残念ながらこれらの素晴らしい版画は好みではなく、小説を読んでも感慨無量の面持ちにはなれなかった。しかし、彼がこれらの作品を生み出すために生涯を注ぎ込んだ熱量は伝わった。傍らで墨を磨り支え続けたチヤさんみたいな妻にはとてもなれない。 つまりは私は凡人の何者でもないということ(ʚ̴̶̷́ .̠ ʚ̴̶̷̥̀ ू)
19投稿日: 2024.06.05
powered by ブクログすっごく有名な人なのに、 実はよく知らん人。 こんなにすごい人だったのかとびっくり。 奥さん目線だからか、 あんまり狂気じみた感じはしなかったが、 やっぱりやばい人だったんだろうなあ。 せっかく知ったので、 美術館に行ってこようかしら。
2投稿日: 2024.06.04
powered by ブクログ棟方志功がいかにして世界のムナカタになったのか、妻・チヤの目線で描かれる物語。 ゴッホに憧れ、絵画を経て版画と出会い、芸術界に革命を起こすまでとなった棟方志功さんの情熱がひしひしと感じられる内容でした。人たらしであった棟方志功さんも魅力的な方ですが、妻・チヤさんの夫に対する信頼や尊敬の念が素晴らしかったです。ネコ家族のくだりは、微笑ましくて笑ってしまいました。 久しぶりに原田マハさんのアート小説を読みましたが、とても面白かったです。
18投稿日: 2024.06.04
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
板上に咲く読了。 あんな感じでかっこよく生きてみたい! 棟方志功の人生の一番ダイナミックな時期の物語。 但し 原田マハさんの真骨頂である実在の人物と架空の人物との掛け合いの物語ではない。 ゴッホも影響を与えた人物として登場します。
2投稿日: 2024.06.02
powered by ブクログ福光美術館や福光の旧居に何度も行ったことがあり、そこで棟方志功の仰天エピソード(白いものを見るとキャンバスに見えてしまい、福光の町の人の家におじゃましたとき、家の人が中座したちょっとの合間にふすまに大きい絵を描いてしまう。描かれた人は激怒して、ふすまを張り替えたひともいれば、そのままにしておいた人もいるそうだ。その頃は棟方はそれほどまで有名でなかったため。)を聞いたりしていたのだが、やはり相当な変人だった。しかし、あらためて写真を見るとひまわりのような笑顔。いろいろ幸運が重なって花開いたのだが、人を惹きつける性格もあったに違いない。そして、それを支え続けた妻、チヤの功績も大きい。 オーディブルで聞いてみたいものだ。 追記(2024.10.3) 泉鏡花賞受賞 これが泉鏡花賞?意外!幻想的な作品が例年受賞する鏡花賞にはそぐわない感じがするのだが。 それでも、授賞式は見に行こうと思う。
2投稿日: 2024.05.31
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
いつものように読みやすい 棟方志功の作品を実際に見たくなった 妻でありひまわりとなったチヤの支えなしでは、生きていけなかっただろう ゴッホのあとを追いかけるのではなく、ゴッホが進もうとしたその先へ行くのだ。 ゴッホを超えて。
1投稿日: 2024.05.29
powered by ブクログ今回は妻の視点で語られた棟方志功の物語。 視力が悪かったことで、相当苦労したであろうことがよくわかる。 前半の、苦労をしながらも頑張って作品を作り、家族も大事にしていることがとても印象的だ。 後半は売れてきてからの話なので、ドラマとしての面白さは前半にあると思う。
1投稿日: 2024.05.28
powered by ブクログなんてピュアで、真っ直ぐな人柄。それは、世界のムナカタも奥様も。 自分の使命に対して真っ直ぐ突き進むことで憧れすら追い越し、それでもなお1番は家族を大事にする主人公。どんな境遇であろうと、変わらず猪突猛進する夫に誠心誠意寄り添う奥さま。 才能と運と周囲と、傲慢にならず直向きに人生を歩む夫婦に心打たれた。心が浄化される思いだった。
2投稿日: 2024.05.26
powered by ブクログ今から30年前、倉敷の大原美術館で初めて見た棟方志功の版画。荒々しい「いろはにほへと、、、」の文字群に、ただただ圧倒された。それから日本各地の民藝館や展覧会で棟方志功の作品にふれてきた。 この作品は、棟方の創作意欲はもちろん、夫婦のあるがままの暮らしが描かれている。津軽弁の会話が棟方の作風と重なって、あたたかみがあり、初志貫徹を共に貫いた夫婦の姿勢が初々しかった。
21投稿日: 2024.05.26
powered by ブクログ棟方志功と妻チヤを主人公にした作品。 読みやすくとても面白かった。 星を4つにしたのは、少し物足りなかったから。 出来れば上下巻で出すくらいのボリュームで読みたかった。 それくらい面白かった。
1投稿日: 2024.05.26
powered by ブクログ原田マハさんのアート小説はどれも惹き込まれるものばかり。この作品も期待を裏切らず、芸術家の魅力を伝えてくれた。 棟方と妻チヤのやり取りが津軽弁で語られているのがまた味わい深い。まるで二人がすぐ近くで語ってくれているかのようだった。 芸術家や研究者は自身の生き方も興味深いけれど、側で支える人物が魅力的なことも多いようだ。その絶妙なバランスこそが素晴らしい作品を生みだすのだろう。 棟方志功のことはほとんど知らなかったけれど、ゴッホを越えた作品達にぜひ会いに行きたいと思う。
15投稿日: 2024.05.23
powered by ブクログ表紙を見ただけで「もう、絶対面白いやつじゃん」と思った。そして、やっぱり面白かった。 棟方志功の生き様が、妻・チヤの視点で描かれている。なんてドラマチック!そして泣ける。 棟方志功の作品も見に行きたいなぁ。
3投稿日: 2024.05.22
powered by ブクログ棟方志功というと独特の作品と弱視だったということ位しか知らなかったけど、この一冊でぐっと身近な人物になった。 一番近くで「世界のMUNAKATA」が生まれるところを見ていた妻チヤの目線から描かれていたことが大きいと思う。 純朴さやひたむきさが、板に乗り移ったかのような作品達。文字を読んでいるだけなのに頭の中は彼の作品だらけになっていた。 装丁もイメージにピッタリ!タイトルや作者名も棟方作品から切り貼りして作られたそうだけど、よく文字が全てあったなと。私の名前だと作れないんじゃないだろうか。 日本民藝館、大原美術館…また作品を観に行きたくなってしまった。 (棟方志功記念館が今春で閉館していてショック!)
35投稿日: 2024.05.21
powered by ブクログ棟方志功の一代記。彼の作品にかける意気込み、妻チヤの献身、周囲の人々の温かい眼差し、弱ってくる目をものともせずに高みへと登っていく作品群。物語としても面白く棟方志功の伝記としてもわかりやすく彼に魅力に溢れた一冊だ。 そして棟方志功が家族に向ける温かい気持ちが素晴らしい。
1投稿日: 2024.05.20
powered by ブクログ大原美術館で棟方志功の展示室に入った時の衝撃は未だに忘れられない。 作品は時々目にしていたのだが、なんか古臭くヤボったい感じがしていた。でも実際に見た作品の迫力はものすごくて、ドキドキしてしまった。 そして、彫っている姿の写真を見てまたビックリ。 芸術に取り憑かれたホンモノの人、と棟方志功の名を留めたのでした。 なので、この小説が楽しみで! 想像通りの人生でした笑 また作品を見に行きたいと思いました。
26投稿日: 2024.05.18
