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板上に咲く MUNAKATA: Beyond Van Gogh
板上に咲く MUNAKATA: Beyond Van Gogh
原田マハ/幻冬舎
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総合評価

262件)
4.3
102
110
34
1
0
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    各章冒頭にはいつもそこにチヤが、日常そばにいて棟方と二人で板画の世界を切り開き続けるのを感じさせる仕掛けはシンプルで良かったです。

    0
    投稿日: 2025.11.02
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    マハ先生の作品はやっぱり美術モノが良い。 版画家棟方志功とその妻の生涯を描いた物語。終始津軽弁で進む会話がなんだか温かい。 「ワぁ、ゴッホになるッ!」という想いをずっと持ち続けた志功の芸術への熱と、それを理解し支え続けたチヤさん達周りの人達の温かい眼差し。志功は人との運に恵まれた人だったのだと思う。それを理解し、人に感謝して、奢ることなく真摯に芸術に向き合う志功の姿に心を動かされた。私はチヤさんのように人を思いやり信じて進むことができるだろうか?自分のやりたいことに、こんなにもひたむきになれるのか?…と考えて自分自身を振り返る時間にもなった。

    2
    投稿日: 2025.11.01
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    棟方志功の力強い版画が好きでしたが彼の半生はほとんど知らず、この本で初めて妻のチヤのことも知りました。彼の生き方そのものがあの版画となって生まれ、また素直で謙虚な生き方にも心打たれました。

    0
    投稿日: 2025.10.28
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    Audibleで聴読 1日中夢中で聞いていた。渡辺えりさんの朗読が見事で、我慢が出来なかった。もともとこの作品を読もうと思ったのは、この朗読のサンプルがきっかけだったので、聴き放題期間が終わる前にどうぞという誘い文句に勝てなかった。 棟方志功の名は知っていたし、作品も数度見ていた。エネルギーのある作品だと思っていたけれど、刺さるところまではいかなくて、もう少し知りたいような、そうでもないような。 でも、この朗読を聴いたら、作品を見直したくてたまらない。日本のゴッホになりたいと願った棟方。 時間軸でいくと、ゴッホ→棟方志功→ゲルニカ…という流れがあって、先日『暗幕のゲルニカ』を読んだばかりだけれど、原田マハさんにとって、この流れは大事なのかもしれない。 志功のふっくりした仏様のラインは、柔和でやさしいのに、初めて作品を観た時、私はどういうわけだか『ゲルニカ』を思い出した。ちゃんと文献に当たってみれば、美学上の繋がりが、もっと明瞭に解るかもしれないが、今の私では、それを判じて解釈するには知識が乏しい。 それにこれは、あくまでも小説だし。 ただ、志功の怖そうなモノクロ写真しかイメージを持っていないと、この作品の志功の優しさ、愛情の深さに、ちょっと驚いてしまう。 彼はこんなに、情の濃い、優しい人だったのか。奥さんであるチヤさんの語りというスタイルを取った本作だが、このとおりであったなら、こんなおしどり夫婦もちょっといない。 食えなくて食えなくて、マッチ箱の絵を作る夫に、生活費はなんとかするから、ちまちました仕事をせずに、制作をしろなんて、本気で言える妻がどのくらいいるだろう。 才能という、霞か雲みたいに、ふっと消えちゃうものを信じるのは、ある程度安定していないと難しい。かと言って才能は、のんびりぬくぬくした中からは、いいものを連れてこない。ヒリヒリしてなきゃダメなのに、安定も必要で、こんなにバランスを取るのが難しいギフトもないものだ。 チヤさんには、きっと旦那様のすごさが解っていたのだろうなあ。このくらい信じ合えて、このくらい愛せたら、どんなに幸せだろう。 自分の好きなひとに、私はこのぐらい一途で献身的だったかなあ、とチリリと痛みが走る。 この作品、評伝小説としてもいいけど、ラブストーリーとしても最高だ。 今年触れた作品の中でも、この朗読は絶品で、文句無しにわたしの中で上位に食い込む。 原田マハ作品なら、読む方がいいなと思うけれど、これだけは別。Audibleにしてよかった。 渡辺えりさん、上手い役者さんだけど、ここまでとは。 作品と役者さん、両方揃っての感動。恐れ入る。

    9
    投稿日: 2025.10.23
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    棟方志功がゴッホに憧れて、絵画の世界に足を踏み入れたことも知らなかった。弱視だったこともこの小説を読んで知った。でも、棟方志功の名前は知ってるし、世界のムナカタだということも知ってる。 志功とチヤの波乱万丈だけど明るく朗らかに過ごした人生が生き生きと描かれていて読み終わった時に清々しい気持ちになった。目黒の民芸館行って棟方志功の作品を生で見てこようと思う。

    0
    投稿日: 2025.10.19
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    このレビューはネタバレを含みます。

    版画家である棟方志功の生涯を妻チヤの視点で描いた物語。芸術に疎い自分は「棟方志功」と聞いただけではピンと来なかったが、表紙の力強さがありながらも優しさに包まれるような絵を見て、母が趣味の切り絵の題材に棟方作品をよく選んでいたことを思い出した。青森の貧乏青年がゴッホに魅せられて上京し、苦労しながら自分の目指す道を見つける過程にはたくさんの「もしも」があり、志功とチヤに自然と共感できた。志功の努力は並大抵のものではないが、志功の人柄と懸命に支えたチヤや周りの人のおかげで世界の「ムナカタ」になれたのだと思った。

    1
    投稿日: 2025.10.16
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    棟方志功が「世界のムナカタ」になるまでを妻チヤの目線で描いた物語。女が常に一歩下がってという時代、棟方を信じ支え続けたチヤさんの苦労は計り知れず、同時に志功にどれほど愛されていたのかも計り知れない。何度も胸を打たれる場面がありました。 原田マハさんの文章も魅力的でこれまで何作か読んだけど1番好き。他の美術系作品も読んでみたい。 ”何かあったのかと気にはなっても、棟方が自分から話すまでは決して訊いたりしない。それがチヤの中の決め事だった。”

    2
    投稿日: 2025.10.07
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    風のマジムに続いて読んだ原田マハのアート小説. いやこれは…参ったね.勝負にならない完敗.読まされちゃったって感じ. 主人公は棟方志功じゃなくて妻のチヤ.これがほんと効いてる.天才本人を主役にしちゃうと,頭の中を“それっぽく”再現したつもりの嘘くささが出る.でも隣にいた人の目を通すと,あの猪突猛進で純粋な志功の姿が自然に立ち上がるんだよね.各章の冒頭がチヤの様子から始まるから,舞台のト書きみたいに映像で再生される.映画にしたら絶対映えるやつだと思った. 時は度重なる戦争の時代.そのただ中を生きているのに,声高に戦争を語らない.でも静かに,確実に「戦争を拒む」空気が漂っている.語らなさすぎても嘘になるし,語りすぎれば志功の物語が消えてしまう.そのあいだを射抜く絶妙なバランス!この引き算の美学こそ,アートなんだよなぁ. そしてやっぱり,原田マハの芯は「挑戦する人,創り出す人へのリスペクト」だと思う.風のマジムでラム造りに賭けた人々を描いたときと同じで,今回も木版画に人生をぶち込んだ芸術家を全力で讃えている.これは「何かを創る」すべての人へのエールだ.しかも,具体的に作品を創る人だけじゃない.毎日を全力で生きている僕たちみんなへのエールなんだ!

    12
    投稿日: 2025.09.29
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    良かった。原田マハさんの本はいくつも読んだが、これが一番、映像が頭に浮かんでくる。日本というのもあるし、世代的に戦前戦後の映像をたくさん見てきて刷り込まれているのもあるだろう。昭和の風景、昭和の家族、昭和の夫婦。どうしてだろうか、こういうのに引き込まれる。 読んだあと程なくして、たまたま倉敷の大原美術館で棟方志功の作品をこの目で見た。視力がほとんどなかったからだろうか、どの作品も一切の無駄がなく、見入ってしまった。

    2
    投稿日: 2025.09.25
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    棟方志功とその妻チヤの人生を、チヤの視点で描いた話。 とにかくチヤさんが自立した女性でかっこいい。誰かを支えることができる人にはこういう強さがあるなと思う。 そして棟方志功はどこかひょうきんで可愛らしいひとだった。 エピソードにはくすっと笑えるし、家族愛にはジーンとくる。そのバランスがちょうどいい話だった。

    8
    投稿日: 2025.09.23
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    天才と変人は紙一重…を地で行く人。その天才を開花させるのも潰すのも、環境が大きく作用する。周りの支えというか犠牲というか、全部引っくるめて受け入れる最大級の愛がなければ、やってけないわ。 マハさんの手にかかれば、棟方の実直さや不器用さ、チヤの心配性だけど度胸の強さ、2人の個性がイキイキと弾け飛んでくる。2人がとても愛おしくなる。 すごい芸術家とその妻、っていう認識なんてなく、目の前の板にだけ集中してきた人生だったんだろうなぁ。

    7
    投稿日: 2025.09.21
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    これまでゴッホやピカソ(ゲルニカ)など海外のアーティストの物語ばかりだったが、ついに日本人の物語が!主人公は棟方志功。青森出身の売れない画家が、さまざまな出会い、特に当時の美術界の改革者たちとの出会いを経て大きく飛躍する。この本は、棟方の妻のチヤの目線から語られているところが新鮮。夫のために毎日墨をすり、売れない時代は幼子を抱えながら野草をつんで食事としていた。なんとも言えない感動の物語。

    0
    投稿日: 2025.09.20
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    前半はaudibleでも聴きました。 渡辺えりさんの朗読がもう、、ほんとにもう朗読っていうよりもう完全なる演技で、、登場人物たちの津軽弁も地の文も素晴らしかった。 audibleって朗読してくれるだけのものとは思えませんね。完全にエンターテインメント。 ―――――――――――――――――――― “〈ひまわり〉がいま、東京の美術館にある。” 損保美術館所蔵の〈ひまわり〉大好きなので、チヤが語った【序章 一九八七年(昭和六十二年)十月 東京杉並】でわくわくです。 棟方志功の没二十年後に五十八億円で日本に〈ひまわり〉がやってきたところから始まる。 弘前新聞での公開ラブレター、これフィクションかな?なんか作中のような初見で相手をぎょっとさせ気味のちょっとぶっとんだところのあるスコさなら、 本当にやりかねない! 棟方志功のルーツ ねぶた祭り 総合芸術雑誌「白樺」柳宗悦、武者小路実篤ら セザンヌ、ゴーギャン、ゴッホら後印象派 巴里爾(ぱりじ)が産まれてチヤが工業用ミシンを買ったところで涙腺やられたし、ちよゑが発熱したときも。 この二つのエピソードは終盤にチヤ自身が思い返すシーンがあって、それも含めて良いところ。 いわゆる《芦屋のひまわり》についての描写も 1936年(昭和11年)4月時点で “日本のとある実業家が購入してフランスから取り寄せ、なんと日本にある。” この時代にまだ存在しているんだよなぁ 詩人、佐藤一英が書いた「大和し美し」を題材にした 棟方志功の「大和し美し」 柳宗悦、濱田庄司に見出されて、日本民藝館ができるときの買い上げ作品にしたい…!! 1936年(昭和11年4)10月24日 東京・駒場に日本民藝館が開館 もちろん館長には柳宗悦が就任 棟方志功 新作版画〈華厳譜〉 特選を得た〈善知鳥(うとう)版画曼荼羅〉 青森市と善知鳥村、善知鳥神社 能、歌謡「善知鳥」を題材にしている 東京大空襲の前日に奇跡的に送り出せた 〈釈迦十大弟子〉の板木。 “ようやく、チヤは気がついた。自分はひまわりだ。棟方という太陽を、どこまでも追いかけてゆくひまわりなのだ。” 芦屋のひまわりが戦火で焼失した事実が、ものすごく悔しいと思えてしまったな。

    8
    投稿日: 2025.09.16
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    世界のムナカタはもちろんすごいけれど、そばで支え続けたチヤがいてこその世界のムナカタだったのだと思いました。 日本の芸術をもっと知りたいと思うと同時に自分の目で確かめたいと思いました。

    66
    投稿日: 2025.09.15
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    ゴッホの「ひまわり」に心奪われ、日本のゴッホになると言い、後に世界のムナカタとなる棟方志功。その棟方という太陽を、どこまでも追いかけてゆくひまわりのチヤさん。

    0
    投稿日: 2025.09.14
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    1987年東京杉並でのチヤさんの回想でしたか。棟方志功とチヤさん自身の大きな希望がその献身的な行動になったのでしょう。倉敷の大原美術館で棟方志功に纏わる展示物を観たことを思い出しました。

    1
    投稿日: 2025.09.13
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    版画家の棟方志功と妻チヤの物語。志功の人となりや時代背景を知って、ぐんと親しみを感じるようになった。何処かで棟方志功展をやってたら、こう叫んでしまうだろう。「ワも美術館さいぐど!」

    0
    投稿日: 2025.08.31
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    ゴッホに恋した男に恋した、妻チヤの語る 棟方志功の物語。 前半は、棟方志功の変人ぶりがよく分かる エピソードだった。 「わだばゴッホになる」ゴッホの絵に魅力され、 そう口にした夫を支えつづけるチヤ。 ‥と書けば、ただ耐えるだけのような女性に思えるが、チヤはそんな女性ではない、行動力のある女性だ。子が生まれても、少しも自分達を呼び寄せない 夫に業を煮やし、自分から棟方の元へと向かう。 時には喧嘩になり、激しい口論を繰り広げながらも夫婦の絆は強くなっていく。 女性は強いな‥とつくづく思う。 いや、強くなければ、棟方志功という人間に ついていくことはできなかったのかもしれない。 棟方志功は、柳沢宗悦、濱田庄司、 河井寛次郎など、人に恵まれた人だ。 彼らに巡り会えなければ、 「世界のムナカタ」とはなっていなかっただろう。 そして、妻チヤの存在。 夫の才能を信じて、版画で刷る際に使う墨を、 棟方のために摩り続けたチヤ。 棟方志功はとても幸せな人だ。

    22
    投稿日: 2025.08.28
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    実は2度目。 感想をかけていなかった。 芸術に熱き想いを抱き、人生の全てを捧げた男の物語。 目が見えないハンデを諸共せずに、己の美を追求した。 チヤの全力のサポートがあって、棟方が全力で自分の作品の追求を行うことができた。 なかなか帝展に入選することができず、金銭的にも、精神的にも辛い時があったが、己を信じた結果。 長い月日を経て世界のムナカタになった。 自分を信じて突き進むことの素晴らしさを目の当たりにした。

    1
    投稿日: 2025.08.23
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    棟方志功の妻チヤの視点から描かれている場面が多い。ゴッホのひまわりを見て、絵を描くことを志し、極貧の中で自分の描きたいものを描き、いろいろな縁から、世界の棟方志功になっていく姿を、チヤと一緒に追いかけている気持ちになった。  東京大空襲で板木が焼けてしまった時に、棟方に板木よりも大切なのは、おメだ!と言われたチヤ。この愛情があったから、大変な生活も一緒に過ごしていけたんだろうと思った。チヤは棟方志功と暮らして幸せだったのだろう。 原田マハ著「リーチ先生」で描かれた民藝運動の人々が棟方志功を支えてくれたのも興味深かった。

    8
    投稿日: 2025.08.21
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    弱視なのにあれほど大きな作品の全体像をどう見たのだろう?心の目というものでしょうか? 棟方志功をこれほど熱くさせるゴッホの絵も観たくなりました。

    7
    投稿日: 2025.08.20
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    ピカソ、ゴッホの話に比べると、めちゃハッピー。生きている時から認められて良かった。棟方さん。 妻を大事にしているのも、ピカソと違いすぎ

    0
    投稿日: 2025.08.16
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    版画家・棟方志功の妻であるチヤ目線で描かれた物語。 棟方志功は10代の頃にゴッホの「ひまわり」を見て「わぁゴッホになる」と宣言し画家を目指したというエピソードは有名。 私は津軽圏である弘前市の出身なので、棟方志功の版画は小さい頃から身近にあった。何せ弘前市民会館の舞台の幕が、棟方志功の版画の柄なのだ。 だけど彼の生涯については知らなかったから、チヤと出逢って夫婦となったあともしばらくは売れない画家のままだった棟方が、運命的な出逢いによって上り詰めていくエピソードなどは初めて知った。 棟方志功のイメージといえば、極度の近視であったため限りなく板に目を近づけた状態で彫る姿。 妻の目から見た棟方は、ゴッホや版画を愛する芸術家だったのはもちろんだけど、非常に子煩悩で愛妻家でもあったことも窺えて、とても人間らしく魅力的な人物像だった。 個人的には、弘前にかつてあったデパートで棟方とチヤが再会したシーンなどが胸熱だった。 自分よりも上の世代の人たちの間では最先端として有名で懐かしくもある「かくはデパート」 あと話中では津軽弁が盛り盛りなので、津軽圏以外の人は少し理解が難しいのかも?私は読んでいて楽しかったけれど。 原田マハさんの美術関連の小説はちょくちょく読むけれど、ほとんど史実のままに描かれている上にミステリ要素がない本作も、とても面白かった。

    3
    投稿日: 2025.08.14
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    最初方言の語りが読みにくかったが、だんだん慣れてきた(わかるようになってきた?)。 原田マハさんの芸術への情熱が伝わる。 ゴッホのひまわりの絵をもう一度見たくなった。

    0
    投稿日: 2025.08.13
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    このレビューはネタバレを含みます。

    一気に読んだ。板画への想いとチヨの支えが真っ直ぐ伝わってきた。 章の書き出しも、棟方の笑顔も全部が良かった。

    0
    投稿日: 2025.08.05
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    棟方志功美術館がその昔、私の家の近所にあり、身近に感じていた版画家だった。美術館は閉館してしまったけれど、原田マハさんが小説にしてくれたことによって、またもや身近な人となった。 彼の人生を観ていても感じるが、天才や才能ある人はすべての「もしも」の分かれ道に最善の道を選んでいる。そして自分を見出してくれる恩人との奇跡とも言える出会いがある。 妻、ちや子との愛情溢れた家庭で育った4人のお子さん達は幸せだったことだろう。 弱視の版画家。顔を板すれすれにこすりつけ、這いつくばって、全身で板にぶつかっていく。 見る者をおのれの世界へ引きずりこむ強烈な磁力の持ち主。 版画の可能性をどこまでも広げる驚異の画家。ゴッホに憧れ、日本のゴッホになると言い続けた彼はゴッホを超えて世界の「ムナカタ」になった。

    6
    投稿日: 2025.08.03
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    オーディブルで読了。イントネーションが難しい津軽弁もうまく表現された渡辺えりさんのナレーションがピッタリ。 映画「国宝」にも通じるものがあるが、芸術を極める人間は、存在そのものが芸に溶け込むような没頭さ、熱狂がある。 またそれを側で献身的に支える妻のチヤ子さんの深い愛情がとても沁みた。描き切れない困難も沢山あったんだろうと思うと、またじんわりと心が温かくなる。

    2
    投稿日: 2025.08.01
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    原田マハさんというより棟方志功の奥さんが語ったような、棟方愛に溢れた内容でした。弱視の棟方志功が板木に顔が付きそうな程に前のめりで彫る生前の姿は映像として目にした事があります。制作の裏に夫人の支えが欠くことの出来ない大きな力になっていました。また民藝の錚々たるメンバーにも支えられて大きく羽ばたいていったことを知りました。偶然というよりは必然の出会いだったと感じます。素晴らしい作品が生まれるための奇跡だったのかもしれませんね。

    2
    投稿日: 2025.07.29
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    棟方志功の作品を見てみたくなった。 正直いうと、前半の棟方志功にはイライラした笑 産後すぐの妻、幼い子ども達にこの仕打ちはないだろう、私だったら激怒だ。…が、まぁ妻も子どもも激怒せずに、本人を信じ続けていられたから世界のムナカタは生まれたのだろうし、物語にもなるわけで、そこに怒るのは筋違いか笑 時代も今とは違うし…。 そういうモヤモヤがありつつも、棟方作品に興味をそそられたのは事実で、そういう気持ちにさせてくれる原田マハは、やっぱりすごいなぁと思う。

    1
    投稿日: 2025.07.29
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    数々のゴッホに関する話で本を書いているマハさん。「わだばゴッホになる」と言って青森から上京した棟方志功。あーここにもゴッホに関係する人がいたか!と言う気持ちで読んだ。 絵描きになると決心したその日から悪戦苦闘しながらその後、板画の道に進んだ棟方志功。好きな事に没頭し、沢山の人達に助けられそして支えられて作品が認められた。 現在は閉館してしまったが、3年程前青森に行った時、棟方志功記念館に足を運んだ。あの時見た作品や弱視の為、顔を板すれすれにこすりつけ、這いつくばって作業する姿は印象的だった。没後50年。世界のムナカタの作品がこれからも受け継がれていきます様に!

    1
    投稿日: 2025.07.27
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    2028.7.18 棟方志功の版画の絵は祖父の家に飾ってあってよく目にしてはいたけど、生い立ちは知らなかったので読んでみた! ゴッホのひまわりに感化され、日本のゴッホになる!と意気込んだ棟方志功は世界のムナカタとなる。 その後ろ盾には妻チヨの献身的な支えがあってこそで、夫婦愛の強さがひしひしと感じられた。 戦時中、板木を疎開先に持っていけなくて棟方との別れを覚悟したチヨに、わぁの命に等しいものは板木ではねオメだ、という言葉にほっこり。 訛りが強くって青森の人だからスラスラ読めたけど、慣れるまで大変そう。 地元や母校の高校の名前も出てきて嬉しかった。

    2
    投稿日: 2025.07.18
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    スコさんもチヤさんもエネルギーが凄いですね。また、こんだけ破天荒なスコさんにずっとついて行って、そしてそれを上回るチヤさん。ゴッホも弟のテオがいなかったら大成しなかったと言われてますが、スコさんにとってチヤさんはテオ以上。チヤさんがギリギリで福光に帰ってスコさんに別れを切り出した時のスコさんのセリフが良かった。二人の絆の物語でした。

    2
    投稿日: 2025.07.08
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    原田マハさんは今回も新しい世界へ連れてってくれました! 今回は日本!棟方志功!(誰やねーん!)と思いながら読み進めましたが、当時の日本の状況から生き様まで見せてくれました。 読み応えバツグンの1冊です!

    4
    投稿日: 2025.07.01
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    陶器や美術品に造詣が深く、もちろん本業の呉服についても抜きん出たセンスを持つKさんが入院されたと聞いて、すぐにこの本をお見舞い送ろうと思い立ち、購入。まずは私が読んでから、とやっと読み終わった次第。棟方志功の芸術家としての魂とそれを一番理解して支え続けたツヤ夫人の人生が、ものすごい熱量をもって迫ってくる大作だった。原田マハさんだからこそ彼らの思いを確実に文章にすることができるのだと、ページをめくるたびに思い知らされる。単純な線に見えていた表紙の作品が、読後には無限の世界への広がりをもって迫ってくるから、不思議だ。

    9
    投稿日: 2025.06.27
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    原田マハの芸術者にしてはドラマティックな展開が少なく出来事中心で書かれていた印象。 喜びも辛いことも一歩引いたところから、のように感じたなぁ 2025.6.23 134

    6
    投稿日: 2025.06.23
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    原田マハさんといえばアートの小説、それはいつも通りだけど今作は「オーディブルオリジナル作品」という概念が新しい…!オーディブルユーザーじゃないので、そういうものがあるのを知らなかった。 今作で学べるのは「棟方志功」の人柄と人生とその作品について。ゴッホに憧れて日本のゴッホを目指した人が、「世界のムナカタ」になるまでの話を、棟方志功の奥さん目線でつづった1冊。あらすじだけ読むとどんなサクセスストーリーだよ、と思うけど、本当に不器用にまっすぐに版画と向き合ってきたのがよくわかった。 相変わらずアートの解説やそれにかける人々の情熱が素人にもとても分かりやすく、臨場感もすごい。 たぶん「版画の化身」みたいな人だった一方で、妻子をとても大切にしていたのが日本人らしいというか、今まで読んできた原田マハさんのアート小説の主人公の人たちと少し違う感じがしてよかった。 最近「国宝に男性が多いのは、その陰に女性の支えがあるから」といった話題がXでも話題になっていたけど、この物語はまさにそうした構図を描いている。けれども、棟方夫妻は“支える・支えられる”という関係性を超えて、お互いに役割を理解し合いながら共に生きたのではないか、と思わせてくれる。ラストの方、その絆に泣けた。 「民芸」というのがアートの文脈で作られた概念だということを知らなかったので、個人的にはそれも勉強になった。 読み聞かせることを前提にした小説で、青森弁を喋らせるというチャレンジをする原田マハさんに、棟方志功の先進性というか、開拓者精神が重なった。

    1
    投稿日: 2025.06.16
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    ムナカタシコウの素朴さと実直さをストレートに表現されている。 マハさんのアート小説はどこまでが本当で、創作なのか分からない融合さ加減がすき

    1
    投稿日: 2025.06.13
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    原田マハさんのアート小説は大好きで、テーマとなってる作品を検索したり、背景の歴史にまで思いを馳せるようになったりと、自分を高められるのが嬉しい。影響されやすい私(笑)。 本作は棟方志功の一代記だけど、棟方さんの妻が主人公なのがニクい。いやー、芸術家って凄いね!奥さんのサポートがなかったら大成してなかった、という描き方は本当だったんだろうなぁ。 夢を諦めずに、食べるためのお金がなくても、目が見えなくなってきても、一直線に進んだ棟方さんのパワーにあやかって、私も前向きに生きていこうと思った。

    17
    投稿日: 2025.06.12
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    棟方さんの人生を彼の妻目線出振り返ったお話で、エネルギッシュさと愛と情熱に溢れている人だったことが伝わってくる。世界の棟方ということばは聞いたことあっても、作品やどんな人かは知らなかったけど、一気に興味が湧いてくる。

    0
    投稿日: 2025.06.08
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    昔の日本家屋でのチヤと棟方の津軽弁のやり取りが情景として浮かんできた。まるでタイムスリップしたかのように。

    0
    投稿日: 2025.06.02
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    久しぶりマハさんのアート小説 架空の人物が出てきてフィクションになったりするのか?!しばらく楽しみたいと思う(^^) 元はオーディブルのための小説だったらしい 冒頭にある音を意識した描写は読み上げる事を考えての事かな 題字も棟方志功らしいーと思ったら 実際に拾った文字らしく!マハさん嬉しかっただろうなぁ ドラマチックであろう棟方志功の人生は映画になったり 本人の記録映像も見た事がある 凡人にはない集中力と唯一無二の作風 もう見たらすぐにわかるもんね 身近にパッケージや包装紙でもよく目にする 少し泥臭いような時代遅れ感を感じていたんだけど 今回生誕記念の番組で連作や超大作を見て 作品の持つ力に感動した 青森や日本民藝館に行きたくなるよ 小説ではそれらが生まれる時間が描かれていてライブ感があった戦争時代の暗い歴史も 民俗的な画風ではあるがゴッホに憧れたりするのは 意外と都会感があると感じた 木版良いかも!芹沢や柚木も好きだし!

    0
    投稿日: 2025.05.30
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    オーディブルで聴きました! 渡辺えりさんの方言がとても温かく作品とマッチしていました^^ 棟方志功の創作に対する熱意がスゴい!視力が弱くなり自分の手先すら見えなくなっても、自分の指先の感覚を信じて心の目で版画の板を彫っていく... 世に認められるようになるまで苦労が絶えなかった棟方志功。その志功を支えていた奥さんの目線で書かれています。この奥さんの志功や子供達に対する愛情の深さ、タフさに母として妻として学び多き1冊でした^^

    1
    投稿日: 2025.05.24
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    チヤ目線っていうのが棟方志功を客観的に見れてよかった。世界のムナカタかっこよすぎ。 この本を読む前にたまたま一緒に借りてた民藝の本を読んでたのもこの本を読む助けになってよかったのかも!!ちょうど柳宗理とか民藝館のこととか載ってたので、今度1人で巡りたいなー。

    3
    投稿日: 2025.05.19
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    東北弁、津軽なまりの口語が私には読み進めにくかった。オーディブルオリジナル作品とあったので、聴くほうがより楽しめるのかも。まだオーディブルを体験していないので、実際のところよくわかりませんが(笑) 題字「坂上に咲く」と著者名が、棟方志功の作品から抜粋されている。 この字に魅せられた。なんて味がある、すてきな字なんだろう、ずっと眺めていたいし、実際の棟方作品も見てみたい。 棟方志功の名前は聞いたことがあった。板画も見たことがある、という程度の知識しかなかった。 棟方を信じ、支え続けた、棟方志功とチヤの夫婦愛はとても素敵だった。 でもチヤだからついていけたのかもしれない。 ゴッホにならうとして 上京した貧乏青年は しかし。 ゴッホにはならずに。 世界の。 Munakataになった。 すごい賞賛の言葉だし、棟方のすごさがこの言葉に表されている。

    13
    投稿日: 2025.05.17
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    棟方志功と彼を支えた妻チヤ子のお話です。 私は棟方という名前も作品も知らなくて、なんの前知識もなしに読みましたが。 ゴッホに憧れ、美術の道を志した青森の青年が世界のムナカタになるまでの苦労が見えました。 私の住む石川のお隣、富山ともゆかりがあってなんだか親近感も湧いてしまいました。 作品と疎開先のお家がそこにはあるようなので、見に行かないとですね。 His smile fits my image from this story. It’s like a sunflower.

    16
    投稿日: 2025.05.14
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    棟方志功の名前も絵も見知っていましたが、 キチンと伝記として読んだのは初めてでした。 著者の原田マハさんの著作は好きでしたが、この本で美術館のキュレーター、カルチャーライターとしての手腕を痛感しました。

    1
    投稿日: 2025.05.02
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    このレビューはネタバレを含みます。

    棟方志功の妻、千哉子を主人公に、二人の人生を描く。 版画にかける志功と、志功を信じ支える千哉子。 貧しくても懸命に誠実に生きる二人に涙してしまう。

    0
    投稿日: 2025.04.06
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    棟方志功の芸術家・人となりが妻チヤの目線で語られている小説です。 棟方は大好きだし、最近「棟方志功展」にも行ったので自分なりに色々調べていました。なのでチヤとの出会いの場面以外は大体知っていたけれど、これが津軽弁を織り交ぜたストーリーになると、これまた味わい深い! 貧乏で食べることに苦しんでいた時代から、版画が売れて暮らしが豊かになる場面は、チヤが苦労も報われてよかった...(すぐ戦争になって暮らしは厳しくなるのだけれど) 芸術家の伴侶を強い意志を持って支えるチヤ。そしてその妻を愛する棟方もキュートで、さらに大好きになりました。 棟方の芸術活動自体はポイントだけ押さえてサクッと語られている印象でしたが、国展準備中での棟方と柳宗悦との運命の出会いなどもきっちり描かれていて、棟方ファンも充分楽しめると思います。

    7
    投稿日: 2025.04.05
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    原田マハの作品は、私のあまり知らない絵画の話でも、今そこに自分もいるような臨場感で、いつも楽しませてもらっている。 今回も棟方志功のことは、うちの奥さんが版画作品集を持っていたなぁ、といった位にしか知らなかったのだが、まさに一緒にその時代にいるような感覚になった。 ずっとすべての夫婦のエピソードが書いてあるわけではないのに、読んでいると一緒の時代にいると思えるのは、筆者の卓越した筆致力であると思う。 知らないことを知る、好奇心を満たした作品だった。

    15
    投稿日: 2025.04.05
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    棟方志功について、前から知りたいと思っていたのでストーリ通じて深く理解ができた。ゴッホとの繋がりを知らなかったのと、ゴッホと同じく版画という新しい美術を信じて戦う姿が印象的。

    1
    投稿日: 2025.04.04
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    棟方志功と苦楽を共にした妻チヤ その人を通して語られる志功の生涯 ゴッホに魅せられ油絵を描いた志功 しかし版木を彫るようになり やがて柳宗悦等に見出され 世界へ羽ばたいていく 見いだされる場面の描写が凄い 人柄の良さもそうだが 友人にも恵まれている そして何よりも夫婦の間 食べられない時代にも野草を食し 決して愚痴も言わず 互いに助け合い 寄り添い生きる 出来ないな軟弱な人間には 志功も凄いが妻チヤも凄い 天才を支えるのも別な意味の天才なんだ

    1
    投稿日: 2025.04.03
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    偉大なる芸術家の話というよりも素敵な夫婦の話という印象で読みやすかった。ユーモアもあって、テレビドラマみたいな演出(?)になっている。 それでいてやはり原田マハなので、芸術に関する描写や芸術作品を生み出すことについての記述がさすが。 夫を陰で支えるのが妻の役目とは全く思わないが、お互いを双方向で愛し、思いやり、尊敬し、信頼する関係の中で、自分の意思で献身的に尽くすことは、素直に美しく思えた。

    0
    投稿日: 2025.04.01
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    このレビューはネタバレを含みます。

    世界のムナカタを妻チヤの視点から描いた作品。そういえばマハ氏の作品って、画家その人ではなく周りの人視点で描かれたものが多いなと今更ながら気づく。 正直な話、宗像の絵の良さが私にはあまり分からなかったのだけど、この小説を読んだことで実際に見てみたいなと思わされた。巨大な版画や絵巻物は、実際に見たらどんなものなのだろう。彼は柳宗悦や河井寛次郎など民藝の大家たちに評価され認められていく。それは、彼の無邪気で実直な人柄も大いに手伝ったのではないだろうか。

    1
    投稿日: 2025.03.27
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    棟方志功のことは、何となく版画、そういえばモチモチの木の表紙だったかなくらいな印象しかなかったが、この本を読んでよく分かった。 原田マハはすごい。本を通じて世界を広げてくれるので、やっぱりこういうのが読書のいいところだと思う。

    2
    投稿日: 2025.03.25
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    史実を下にした版画家の棟方志功に関する小説。とても面白かったです。 出生地の青森における若かりし頃の尋常ではないエピソード、東京に出てからの苦労と成功、妻チヤとの出会いや家族との関係などなど、それこそ小説のような波乱に満ちた人生が描かれています。また、小説を通して、実際の棟方志功の作品と情熱、そして人柄がよくわかり、変な人だが憎めない魅力的な人物像が浮かび上がります。読後にウェブで調査してみると、イメージ通りの笑顔が検索にヒットされました。 作中の実際の主人公は妻のチヤと思われ、チヤの視点で棟方志功が描かれるシーンが多くあります。そのままNHKのドラマになりそうな構成です。 著者の「たゆたえども沈まず」で棟方志功の進む道に影響を与えたゴッホの姿と時代背景を理解でき、さらに面白く読むことができました。

    0
    投稿日: 2025.03.16
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    このレビューはネタバレを含みます。

    絵画にも版画にも板画にも明るくない自分は棟方志功先生のことを名前が聞いたことのある程度の知識でした。 棟方志功が憧れのゴッホになる為に、絵画に人生を捧げ、人生の分岐点や、転機となる出会いを妻のチエさん目線から語る、面白い小説でした。 現在の日本における夫婦の関係とかけ離れているが、旦那を支える妻の献身的な気持ち、妻との約束を必ず守り抜く旦那の気概は素敵だなと思わずのはいられなかった。 チエさんが家に押し掛け、2人目の子供が生まれ、4人で暮らす家を借りたときにチエさんがやりたいと思う仕事以外はしないでくれと棟方志功先生に言ったシーンが心に残った。生活の苦しい時に、夢を追う相手に対してそんなことが言えるだろうか。偉人には偉大な妻やパートナーがいるというが、まさにその通りだと感じた話でもありました。

    2
    投稿日: 2025.03.14
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    ゴッホに憧れ、ゴッホになりたかった棟方志功。 ゴッホとは違った形で、世界の棟方になった。弱視で子ども5人とチヤさんとの愛情の物語でもあった…不器用だけど…笑

    1
    投稿日: 2025.02.27
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    原田マハ先生ワールドです。 最高です。 ハラハラドキドキはあまりないですが、恐れ多いながら棟方志功という人間をよく知った気持ちになり、友達になれます。

    0
    投稿日: 2025.02.20
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    棟方志功はゴッホになりたかったんだ。。。 芸術の世界には全く疎いので、まずはそこから始まったが、原田さんの優しい文体に触れながら、少しずつ棟方志功とチヤの世界に引き込まれていった感じ。 途中、あまりの貧しさにどうなることかと思ったが、最後がハッピーエンドで本当に良かった。

    0
    投稿日: 2025.02.18
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    棟方志功の妻チヤさんの目線から描かれた史実に基づくフィクション。読みやすくて、それでいて棟方志功さんに凄く興味をもった。一気読み。朝ドラを見てる感じだった。

    0
    投稿日: 2025.02.16
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    一生大切にしたい本に出会えた。棟方志功もさることながら、妻のチヤさんもすごい。我が道を信じ突き進む棟方さん、夫のことを信じ支え続けたチヤさん。 恋愛小説ではないけど、胸がきゅんとする場面もり…厳しい時代であっても自分を貫いたおふたりの生きざまがイキイキと描かれていた。 そして反戦。命を奪い、家を奪い、ささやかな幸せを奪い、日常を奪い、芸術を奪いう。ありとあらゆるものを奪っていく戦争は二度と繰り返してはいけない。この作品で、強く思った。

    1
    投稿日: 2025.02.15
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    このレビューはネタバレを含みます。

    とても暖かい物語だった。 おもしろかったし、胸キュンだった(笑) <チヤ様 私は貴女に惚れ申し候。ご同意なくばあきらめ候 志功> チヤさんと同じく、読んでるこっちも心のぜんぶを持っていかれた気がしたのだ。 子どもの頃、大原美術館に連れられて棟方志功の作品を見に行った記憶があるが、 その時の感情を残念ながら覚えていない。 また見に行きたいな。

    6
    投稿日: 2025.02.15
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    棟方志功の人生を妻、チヤを通して描いた作品。 棟方志功は版画家として著名だが、その人生や為人はあまり知らなかった。 一般的な伝記ではなく、妻の目を通して描かれた志功の姿と人生が志功ばかりでなく、彼を支えた妻の姿も浮き上がらせ、感動を深くする。

    1
    投稿日: 2025.02.01
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    2025.11冊目読了 1月ラストとなる読了本は大切に積読本していた マハさんのこちらになりました。 マハさん好き過ぎて購入してからも勿体なくて 中々読めないのです。 特にこの板状に咲くーはゴッホが出てきますので 尚更でした。読み進めるうちに、「ひまわり」が 棟方先生とチヤの聖画となって崇める様子が なんだか自分と似てる‥と感じました。 自身も、ひまわりを損保美術館で初めて観た時 ガラス越しのひまわりの前から動けなくなりました 数多あるゴッホ作品は沢山観ましたが ひまわりが1番好きです。棟方先生のゴッホに 対する熱量も手に取るように描かれていて 史実を含む創作品とはとても思えませんでした マハさんのアート小説の中でもベスト3に 入るかもしれません。 終章のひとつ前、棟方先生がチヤに掛けた 言葉に涙しました。 驚いた事にこの作品がオーディブルオリジナル だとは知りませんでした。 こんな素晴らしい作品がまた読めた事 マハさん改めてまた大好きになりました

    13
    投稿日: 2025.01.30
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    棟方志功の妻、チヤ目線でのお話。 原田マハさんの作品は教養もつくし引き込まれるし、子どもにも読ませたい

    1
    投稿日: 2025.01.30
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    アートに関する知識は原田マハさんの小説から得ているといっても過言ではない。また知らない世界に触れることができた。棟方志功さんの作品を生で観たことはないが生命力溢れるものに違いないと感じた。短めでサクッと読めるところもいい。

    1
    投稿日: 2025.01.28
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    棟方志功の妻目線で描かれている。 恥ずかしながら棟方志功のことは名前くらいしか知らなかったけど、読みながら作品の事が気になりググりながら読破。 満足の一冊。

    6
    投稿日: 2025.01.26
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    世界のムナカタを妻チヨの視点から描いた1冊。 1番身近な妻の目線だからこそ見えてくる棟方志功の人間味あふれる人となり。なにがすごいって、チヨの棟方の才能を疑わないその姿勢。それでも自分は前に出る事なくひたすら夫を支え続けたチヨ。晩年、失いつつある視力の中で手探りで彫り続ける執念ともいうべき凄みに圧倒される。どこまでがフィクションかわからないけれど、原田マハの手にかかると偉大な芸術家も人間味あふれる存在になっていく。

    8
    投稿日: 2025.01.16
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    原田マハ作品 13冊目 第52回泉鏡花文学賞受賞 今回のアート小説の主人公は「棟方志功」 「ワぁは ゴッホになる」ゴッホのひまわり(「白樺」で紹介された写真)に衝撃を受け、画家を志し青森から東京へ上京した青年 棟方志功 貧乏時代から彼を支え、ずっと墨をすり続けた妻チヤの目線から 棟方の版画にかける情熱や挫折、周囲の人たちを描いていく。 原田マハさんがゴッホ好きなのは よくわかっていたけれど、 棟方志功も相当なゴッホファン。神と崇めているのがよく伝わる。 生まれつきの弱視で 繊細な形を視覚から捉えられない棟方が 絵画をあきらめ 版画への可能性をみつけ、命を注ぎ込んでいく姿は 勢いと情熱を感じて 読み手のワクワクが止まらない。 棟方と妻チヤの青森の訛り 渡辺えりさんが読むオーディブルであるそうだけど 絶対面白いだろうと思った。 ひたすら版画を掘り、版画を芸術の域まで押し上げた棟方志功の生きざま 読んでいて損はないと思います。

    0
    投稿日: 2025.01.13
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    作品群 彫っている写真から伝わってくる 熱さ この作品を読んでみよう、と思ったきっかけである とんでもない話だとも思う。 子連れで居候先に飛び込むという でも、根底にあるのは、相手の心を受け入れる 愛なのだと思う。 Audebleで聴く。

    1
    投稿日: 2025.01.12
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    やっぱり、マハさんのアート小説は最高!!! 棟方志功のドキュメンタリー映画を子供の頃視た映像が、一気に目の前に広がった。 妻、チヤさんの目線で書かれているのが、またいい。 作品の素晴らしさはもちろん、人間としての棟方志功をとてもよく書かれている。 たくさんの、たらればの繰返しが、奇跡を呼ぶ。 ねぶた祭りを見ていなければ、 弱視でなければ、 そして、ゴッホのヒマワリに出会わなければ・・・ チヤにしても、一日違いで空襲を逃れて、 家族の待つ富山に帰れた。 棟方志向の作品を命がけで守ろうとする妻と、 何よりも家族を大事にする夫の、家族物語でもある。 「夫猫がお世話になっております。」 何とも微笑ましくて、笑った。 ユーモアの混じった、楽しいアート小説、さすがマハさん!

    50
    投稿日: 2025.01.11
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    Happy New Year! 寝込んでる間に年が明けてしまいました… 何事も健康な身体があってこそ!マイペースに読書もぼちぼち楽しんでいけたらと思います♪ 今年もよろしくお願いします‎(*´▽`*) 原田マハさんが描く棟方志功の物語。 いやぁ~おもしろかった!胸熱だったなぁ! 妻・チヨの視点で描かれる、棟方志功という人間の魅力、版画にかける想いがもう半端なく、型破りな作品を次々と生み出していく。 彼は、版画家として大成功を収めた後も、ブレることなく、ただ、ひたすら真っ直ぐ版画と向き合い続けていった。 命を削るようにして作品を生み出していく姿に熱い想いが胸を込み上げた。 棟方志功のすごさはもちろん、それを影で支えてきたチヨもまた素晴らしいなぁと思う。 お互いに認め、支え、高めあえる存在。まさに理想の夫婦像だなぁ。 彼が憧れたゴッホについても興味が湧いた。 原田マハさんのアート小説も少しずつ読んでいきたいな。

    59
    投稿日: 2025.01.03
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    このレビューはネタバレを含みます。

    妻のチヤ視点の棟方志功半生の物語。 妻視点ということで朝ドラっぽい感じもあり、読みやすかったです。 自分が子供のころには現役だった棟方氏は、ドキュメンタリーを見たり、展示物を見たりして遠い存在ながらも身近に感じたものでした。

    0
    投稿日: 2025.01.02
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    原田マハさんにかかると、歴史上の人物だった人が、血の通う人間になり、息をして、目の前で作品を作っているような錯覚に陥る。 美術館に行く機会はあまりないが、この本を読んだおかげで、棟方志功の作品がどこで見られるのかを探し始めている。 「ひまわり」に会いに行く前日に娘の一大事、そして戻ってきてくれた棟方、何よりも家族を一番に思っている証だと感じた。

    0
    投稿日: 2024.12.29
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    棟方志功の姿が目の前に迫ってくるような筆の巧みさは原田マハさんならではだと思う。 ただ、これまでの作品と比べて、今ひとつ原田氏らしさが出ていない気がする。少し違う方向性を出したかったのかな?本当は上下巻になるほど、もっと濃密に書きたかったのではないかと思った。ただ、出版社の意向もあるだろうし、読者に受け入れられるかどうかを考えながら書くのがプロだからね。 …と、いろいろ裏事情を勘ぐらざるをえなかったので★3つです。 自分の違和感が正しいかどうか、原田氏の他の作品をもっともっと読むよ!

    1
    投稿日: 2024.12.29
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    「世界のムナカタ」を妻であるチヤの目線で描いた作品。 某番組でマハ先生がアート小説は史実1割、フィクション9割のバランスで書いているけれども、この『板上に咲く』は史実8割、フィクション2割だって言ってたこともあって、読み終えた後には棟方志功という芸術家のリアルな生き様を知ることが出来た気がしました。 知ってたけど、踏み込まなかった棟方作品についてもっともっと知りたくなりました。

    1
    投稿日: 2024.12.24
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    "本作は史実に基づいたフィクションです"となっているけれど、実際の棟方志功もチヤもこのままの人柄だったらいいなと思ってしまいました。実際に絵も見てみたくなるそんな作品でした。

    1
    投稿日: 2024.12.21
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    相手を理解しようとする心粋が読み取れました。 愛情と御縁に包まれた苦しさから脱却する物語。 忍耐と愛と愛嬌の物語… そんなふうに感じました。

    6
    投稿日: 2024.12.19
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    棟方志功の無名時代から「世界のムナカタ」になるまでを妻目線で描く。 棟方のキャラクターが魅力的に描かれているのが好印象ではあるが、なにより、この夫婦像がとても憧れの対象となっているところが良い。このように添い遂げられたらなあと思う。

    14
    投稿日: 2024.12.18
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    原田さんのアート小説は、その中に登場する絵画作品をネット検索して、それらを眺め味わいながら読むのが好きです。こうすることでゴッホ、ピカソ、ゴーギャン、ルソーなどの絵をより身近に感じることができました。そして本作では主に戦前の棟方作品を中心に、その素晴らしさを実感しました。

    3
    投稿日: 2024.12.18
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    このレビューはネタバレを含みます。

    棟方志功は知っていたけど、その妻や生活のことは全く知らず。極貧生活からの運命のような支援者との出会い、戦前戦中を中心に家族で生き抜く姿がありありと浮かんでくる。妻の支えっぷりが凄まじいけど、棟方志功本人も凄まじい生き方してるなぁ。 作品の解説も良い。作品を観に行きたくなるような、本人の主義や思い、苦しみから悲しみ、祈りまで盛り込む文体は流石だなと感じる。

    0
    投稿日: 2024.12.18
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    原田マハさんのアート小説の大ファンです。 青森の田舎で、絵画の知識もお金も無い青年が雑誌に載っていたゴッホの「ひまわり」に感動して、「ワぁ、ゴッホになるッ!」と情熱を燃やす姿が彼の才能と人柄を信じる妻チヤの目線で語られる。 弱視の棟方が板木に鼻をつけるほど近づいて彫る姿や天真爛漫な純朴さ、誠実な青森弁の語りは応援したくなる。 悲しいほど貧乏だったが、信じるものを追い続ける中で、支援者を得て、世の中で評価されるのを見て、本当に良かったと思った。 棟方作品を見るたびに、小熊のような風貌と純粋な笑顔を思い出すだろう。

    1
    投稿日: 2024.12.16
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    飛鳥・藤原まるごと博物館検定のテキストブックが難解で、結局最後まで読み切ることができなかったのに対して、読書ってこんなに簡単で純粋に楽しいことを思い出させてくれました、、、図書館本。 2024-053

    0
    投稿日: 2024.12.16
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    Audibleにて拝聴。 純粋で謙虚、ぶれようのない芯と情熱を持った愛すべき人物、棟方志功と奥方チヨのお話。 『十大弟子』などの作品は目にする機会も多く、素人の私ですら一回見れば忘れられない印象的な画風。こんなに魅力的な方が作り上げていたんだなと、そして支え合うチヨと棟方の健気さに胸を打たれました。 棟方志功の作品をもっと観たい!!!!!

    16
    投稿日: 2024.12.11
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    棟方志功。 知ってる、知ってる。 あっ…けど失礼ながら名前だけしか知らなかった… 青森の人なんですねと読み始めました。 愛情いっぱいの夫婦。ファミリー。素敵ですね。 生活の大変な時期があったり、戦争が起こったりした時代を乗り越えられて 本当に良かった。 マハさんの本は毎回魅力的ですね。 (まだ読んでない本はたくさんありますが) お話の中に吸い込まれて、ボロボロ泣いてたりする。 魅力的な人、棟方志功が好きになってます。 棟方志功の作品、観に行きたい。 版画ではなく「板画」とのこと。 直接目の前で観たい。 前々から思ってるのですが、 芸術家の感情ってどんななんだろ?って気になってます。 私には全く未知の感情、世界で。 表現したいとか、内から湧き上がってくるものとか どういう感じなんだろ? 美術館とか行って目の前で作品を観ると スゴイ!と思うし、うわーって感じるものはあるんだけど うわーってだけで、何をどうとか言えない。 本当にわかってんのか⁈と笑われるかもしれない程度の私ですが、 直接観に行って、うわーっを感じたい。

    1
    投稿日: 2024.12.02
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    素晴らしかった!とても面白かった。 出来事以上に内面にフォーカスした作品で、棟方志功のキャラクターのせいか、聖の青春を読んだ時と同じような感動があった。この人の人としての魅力にやられた、って感じ。チヤさんも本当にすごいわ・・・ なんとやく富山行きたいなと思ってたら富山に棟方志功の華厳松があるようで、これは見に行きたい・・・! 棟方志功、恥ずかしながらそんなに知らんかったし見たこともないけど、作品めっちゃ見たくなった。原田マハさん、ほんまさすが

    1
    投稿日: 2024.12.01
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    「リーチ先生」を読んで以降、原田先生のおかげで民藝運動に関心を寄せるようなった。生活の中の美を作り上げた柳宗悦をはじめ白樺のメンバーが心から愛した棟方志功。彼が妻のチアと苦楽を共にしていく姿を同じ畳にいるかのように身近に感じながら読了。 やっぱり原田先生の芸術モノには学びが多く、その知識の深さに感心させられる。 「リーチ先生」で大号泣した身としては、泣かずに終わってちょっと肩透かしだったけど、ほっこりとして終わる、またこれも傑作。

    8
    投稿日: 2024.11.29
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    棟方は素晴らしいアーティストであり、作品に対する情熱と熱意は鬼気迫るものを感じました。 なんとも無骨で一生懸命で、そういう姿は心に響きますね。 そして同時にそれを超えるくらいのチヨの内助の功。。すごすぎますね。 女性の選択肢も少なかった時代と思いますが、それでも強くたくましくあそこまで夫を支えることは誰しもできることではないなと。 たくさん苦労をしたでしょうがそんなふうに思える相手に出会えることもとても幸せなことだと少しうらやましくもなりました。

    2
    投稿日: 2024.11.28
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    棟方志功と妻チャとの愛が詰まった微笑ましい作品。 これが真の夫婦 困難な時も支え合い内助の功 が最後は花開く。 心温まる作品。 棟方志功の版画に興味が湧きます。

    3
    投稿日: 2024.11.22
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    戦争で疎開をした時に版画を持ってこなかった棟方、チヤは大事な版画を疎開させようとする。 夫婦の結びつきが強い、こんなに夫を信じている妻、その妻を大切にする夫。言葉にできないぐらいだ。 また、津軽弁の訛った言葉が、生々しいぐらいに心に響く。心の中で棟方がチヨが生き生きと動いている。 最後まで勢いが止まらない、生き生きとした棟方とチヨの人生が描かれており、幸せに満ち溢れた。

    8
    投稿日: 2024.11.19
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    創作と知りながらも、青森のねぷたの眩しさも 貧しい暮らしもクシャッと笑う人懐っこい顔も チヤという目を通して伝わってきた。 まるで匂いを嗅ぐように版木に顔を近づけて 何者をも近づけない棟方志功の制作風景が 文章で蘇るような作者の表現に、ゴッホのように 常人では付き合うことが難しい人物こそが 心を打つ作品を残せるのだなと感じた。 いい物語でした!

    3
    投稿日: 2024.11.16
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    面白かった! ーー版画は芸術でねっづのが? 木版画だば、日本で生まぃだ純粋な日本の芸術だ。油絵は西洋の真似コにすぎね。ワっきゃ、純粋な日本の、日本で生まぃぎる芸術さ極めで。芸術革命を起ごしで。そいは……そいは版画なんだ!  版画こそが自分にとって革命の引き金になる。それを証明するために、棟方はゴッホを引き合いに出した。  いかにしてゴッホがあんなにも情熱的で革新的な絵画を捜索するようになったか。ーー浮世絵があったからだ。日本の木版画・浮世絵が、オランダの田舎町に生まれた名もなき一青年を「画家ゴッホ」へと生まれ変わらせたのだ。

    2
    投稿日: 2024.11.12
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    原田マハはこういうのでいいんだよって感じの作品。こんな美術があったんだと新しい世界を教えてくれる。 物事にかけられる情熱の値が振り切れてるのが天才として、その人たちがぶつけたものについてのストーリーはほんと面白い。

    1
    投稿日: 2024.11.09
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    おもしろかった! 原田マハのアート小説好き! 自分のやりたいことと、それに沿わない現実に苦しみながらもがむしゃらに生きていく姿がよかった。

    3
    投稿日: 2024.11.08
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    知り合いから勧められた本。 マハさんは好きな作家だが、アート小説は苦手で 今まで読んでなかったが、初めて読んでみた。 思いのほか読みやすかった。熱のこもった小説であり読んでいるとだんだん引き込まれていった。 泉鏡花賞を受賞したそうで、流石だと思った。 またアート小説を読んでみようと思う。

    16
    投稿日: 2024.11.08
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    貧乏青年は世界の宗方になった。妻、チヤなくしては語れない。棟方志功の人柄が存分に味わえる 。写真の姿からは想像もつかない版画にたいしての情熱が素晴らしい。本当に世界のムナカタになった。

    1
    投稿日: 2024.11.06
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    このレビューはネタバレを含みます。

    こんなにも1人の人を、その人が創りだすものを、愛し支え続けることができるでしょうか。 芸術家を支える人は、その人の作品もすべて包み込むほどの大きな愛情を持ち合わせていないと、とても共には生きてはいけないですね。 「誰が板画を創るの?誰が……誰が日本のゴッホになるの?私はなれねよ?おメさしかなれねんだよ⁉︎」 素直に涙が出ました。今回も素敵な物語でした。

    1
    投稿日: 2024.11.04
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    だばだば ってな事で、原田マハの『板上に咲く』 久しぶりのマハさん。世界のムナカタこと棟方志功のお話。 最近、何だが読書熱が上がらんくて全然、本読んでてもワクワクしないと言うのか、身に入らなくて本に手が届きにくい そこへ予約してたマハさんが来たんでワクワクしながら読み始めたが、何故かワクワクしない… ヤバいな脳が腐ってきたかなって、ちょっと不安になりながら読み進めて行くと、中盤から『来た来たっーマハ節がっ‼️』ってかんじで、苦しかった貧困時から奇跡の遭遇で柳宗悦、濱田庄司との出逢いから一気に躍進していく棟方志功。 その出会いの時に涙が出るよね そっこから一気読みで棟方さんの生き様、奥さんのチヤさんとの硬い絆、もうどれもじんわりして涙がホロリで、胸熱く読ませて頂きました。 やっぱりマハさん最高じゃね 釈迦十大弟子の版画欲しいなぁ 2024年28冊目

    3
    投稿日: 2024.11.02
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    マハさんの、日本を舞台にした作品はあまり好みじゃないのかも知れない。 青森出身でゴッホに憧れた棟方志巧とその奥さん

    0
    投稿日: 2024.10.27
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    版画家棟方志功と奥さんのチヤさんの物語で、まだ世に出てない何者でもない棟方志功が、世界的に認められる版画家になるまでと、しごくオーソドックスな展開なんだけど、とにかく二人の関係性がかわいらしくて仕方がない。もうほぼそれだけで成り立っていると言ってもいいくらい。NHKでドラマにしたら観てみたい。

    17
    投稿日: 2024.10.26