
総合評価
(158件)| 63 | ||
| 55 | ||
| 21 | ||
| 1 | ||
| 2 |
powered by ブクログ1977年に刊行された名作と言われているSF。こんな面白い小説があるんだと感動しました。「星を継ぐもの」というタイトルの意味の深さ。 あらすじとしては、書かれた当時からすると未来である2027年頃、月で宇宙服を着た遺体が発見されたが、それがなんと5万年前のもので、生物学的に人間と全く変わらない事がわかる。その頃の人類は石器時代のはず。この謎を調査し、驚天動地の事実を解明していく過程を綴った話です。主人公やそのライバル(後で仲間になる、その過程の描写も良かった)が、調査した結果を口頭やレポートて報告する場面が多く、巻末の解説にもあったが、謎解きミステリー要素も強いです。読者も謎を一緒に考えていけます。 また、約50年前に書かれた本なので、当時から見た未来がまさに今その時代となり、その比較も面白かった。オンラインTV会話、高密度記憶装置などは順当。国同士の争いがほぼなくなり世界政府のようなものができている状況は今の時勢と比較してその進歩のなさを実感。宇宙に進出できる科学力には現代は追いついていないが、アルテミス計画などの進展に期待。。という感じでしょうか。 メインテーマではないものの、登場人物間の感情のやり取りの機微の描写にも惹かれるところがあり、とても良い作品でした。謎が大きくなる前の導入部だけ我慢して読みましたが、あとは引き込まれっぱなしでした。読んで良かった。
28投稿日: 2025.11.18
powered by ブクログ私的には惑星ミネルバが判明するところくらいまでが面白さのピークだったが、好奇心くすぐられる感覚で面白かった
0投稿日: 2025.11.11
powered by ブクログこんな正統派SF作品は初めてだ。 ミステリーやサスペンス等の他要素も一切ゼロ。 紛うことなきサイエンス・フィクションでめちゃくちゃ新鮮だった。 テーマはいたってシンプル。 月面で発見された五万年前の死体の謎をひたすら追究する。 本当にこれだけの話なのにぐいぐい読めるし、辿り着いた真相には「なるほどなあ」と納得させられた。
7投稿日: 2025.11.08
powered by ブクログよくSFのオールタイムベストに挙げられる作品 そういえば読んでなかったと え!?続きものなの?という
0投稿日: 2025.10.24
powered by ブクログ思ったよりとんでもないSFじゃなくて楽しめた。ミステリ要素もありつつ、駆け引きや論争や政治や。。。どんどん続きを読みたい!ってわけではないけれど遠過ぎない未来の描写が良かったです。
17投稿日: 2025.10.14
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
あらすじに興味をもち手に取った。SF読み慣れしてないせいか、それとも書かれた年代の言い回しもあるせいか最初はちょっと読みにくいかな?と思ったけれど、月で見つかった謎の死体がつけていた日記が解読され、実際にはどういう太陽系のどういう方向にいたのか、消えてしまった惑星と月の関係などが解明されていくところが面白く、地球に住む人類の誕生をまさかそんな視点で描かれるとは思わなかった。ガニメアンという存在の謎もあり、そこは解明されなかったのはもやっとしたが、解説で続編があると書かれていてたので探してみようと思う。
3投稿日: 2025.10.13
powered by ブクログ何十年ぶりかに読みなおした 人間が記号のようでもう少し深掘りされて欲しい 当時のSFはかくもシナリオ主導なのか
0投稿日: 2025.10.12
powered by ブクログ月面で5万年前に亡くなった、宇宙服をまとった人間の死体が見つかる。彼はなぜそこに居たのか、彼と我々は同じ種なのか? 広大な宇宙と、悠久の時を舞台に、科学者達が壮大な謎を解いていく。 【感 想】 1977年発表の作品で、2029年を舞台にしている。時代が作品の世界に追いついたこの時期に読んだことで、よりロマンを感じさせられた。
6投稿日: 2025.10.11
powered by ブクログ月面で見つかった深紅の宇宙服を着た死体はなんと5万年前に死んでいた。 この謎を解明すべく多種多様なエキスパートが時に反発、時に協力しあい死体の正体、そして誰も知らなかった入り組んだ真相を徐々に紐解いていくサイエンスフィクション! SFといったらこの本!ということだったので手に取ってみましたが、専門用語やらよく分からない単語やらが多くて「読破できるかこれ?」と思ってましたが無事完走。 読みながら、日本語でも難しいのに翻訳した人すごいなぁと思いました。 続編読みたい、真相を知ったうえでもう一度読みたい!と思えるような作品でした!
17投稿日: 2025.10.07
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
古典SFの不朽の名作といわれる作品 ついに読みました! いい感じに世界が平和になり、 宇宙探査に力いれよ〜となり、 それなりに技術が発展してる世界 そこで、月に真紅の宇宙服を着た 死体が発見される 調査の結果、それは5万年前のものだった 全世界から優秀な科学者を集め、 取捨選択しながら、いくつもの矛盾を解消し、 その謎に挑んでいく、ミステリー要素も高いSF作品 最初の3.40頁くらいは専門用語や 難しい言葉が飛び交い、大丈夫かなーと 不安だったけど、杞憂だった すぐに内容の面白さが勝り、気にならなくなる 全ての謎が解明したときの タイトルのオシャレさよ! 2つほど、疑問点が、、 ↓がっつりネタバレになります↓ 近年の技術の進歩や ジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡等で、 それまで考えられてなかった木星等の巨大惑星が、 外宇宙では恒星の近くを回ってる星系が そこそこある事が判明し、 太陽系も、黎明期は木星が太陽の周りを 回っていたか、何らかの理由で 今の位置になったと、説としてあがってる事や、 単独の浮遊惑星が実在して、彷徨ってる現実 恒星や惑星の重力に捉えられ、 衛星になる事も考えられるという事から、 天体移動は、あり得ること。 よって、アステロイドベルトから、月が今の位置に移動してきた、というのは分かるのだけど、 だとしたら、それ以前の月がない状態で、 人類はまだとしても、 そんなに多くの動植物が育つものなのかと 月の引力で海の満ち引きが起き、その力で生命が誕生し、進化たとされてるけど、 月がない状態で、それほどの多種多様な進化が起きうるのか、そこが1つの疑問点。 2つ目は、ガニメアンが太陽系外に脱出した とされたけど、そんなリスクより、 近場の地球にまず行かない?と思った事 その2点だけが引っかかった SFや小説に、そんなのナンセンスだと思うけど、 全体の話が妙にリアリティがあって、 逆にそこが疑問に感じたのかも? いずれにしても、あの時代に、 これほどの物語を書けるホーガンは凄すぎ 面白かった!
30投稿日: 2025.09.29
powered by ブクログ『"星"を継ぐ"もの"』の意味が分かったときは驚きを隠せなかった。 固定観念に縛られない大切さを学んだ。
0投稿日: 2025.09.28
powered by ブクログ序盤はいかにもSFって感じで個人的にはちょっと退屈していた。あなどっていた。真実までたどり着く過程(とくに後半)があまりにも面白すぎた。本著で書かれた人類の秘密を、ひとつの正しい科学的知識としてうっかり人に教えてしまいそう。
13投稿日: 2025.09.16
powered by ブクログ文庫本自体が薄いので侮っていたが、読み終わるまで想像の数倍の時間がかかった。 生物学に始まり天文学、宇宙工学、地質学、言語学など様々な知識が動員された一冊で、現代の、ストーリーに重きを置いたいわゆる“エンタメSF”とは似て非なる“サイエンス”フィクションであった。 月面で発見された5万年前の死体がどこから来たのか?という謎がジャンピングボードになって物語が進んでいくのかと思いきや、始終、その謎を解明する一点のみが描かれることで、しかしそれでいて読者の想像を宇宙規模へスケールさせてくれる。 読み終えてみて、星を継ぐもの(原題:Inherit the Stars)とは好く言ったものだなぁと思う。
0投稿日: 2025.09.13
powered by ブクログ宙わたる教室のなかで、SFの名著として触れられていたのをきっかけに読んでみた。 気のせいではなければΖガンダムでも同じようなコピーが使われていた気がするのだが、ガンダムとは全く関係なかった(当たり前か。というか僕の無知というわけで。。。)。 ハードSFとはなんだ?とも思ったのだが、本書を読むと理解できた。科学的知識っぽい(その正確さは判断できないのだけれど)内容が様々提示され、それを組み上げて人類の起源にまで迫る内容で、読み応えがあった。 確かに名著であった。
14投稿日: 2025.09.07
powered by ブクログようやく読み終えた。 70年代ハードSFの金字塔の作品。僕は長年のSFファンです。なのになぜか今までJ.P.ホーガンさんの作品は読んでこなかった。 そんなすれたSFファンなので、センスオブワンダーが感じられなかった。ラストのシーンはニヤリとさせてくれるけど。あー、今となってはインパクトが感じられない。 これは作品の問題ではなく、僕のSF読書経験のせいなのだ。もっと早くに読んでいれば良かったな。
1投稿日: 2025.08.30
powered by ブクログめっちゃ面白かった!! ただ、専門的な議論の部分はよくわからない部分も 多かった 謎が解明されていくところは めっちゃドキドキした!! ミステリーとは違うドキドキで なかなか体験できる本はないのでは
0投稿日: 2025.08.30
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
本当に面白かった! 月面の遺体チャーリーの謎を巡り、様々な分野の技術者たちが集結して議論し前進していく過程が面白く、続きが気になり夢中になった。 自分に知識が無いためどこまでが事実でどこからが創作なのかがよく分からず、それゆえにより現実味というか納得感があったのかもしれないとも思う。月がすごい距離動くって実際にはありえないのかもしれないけど、なるほど!と思わせられた。 人物描写的なものが少ない中、最初険悪だったハントとダンチェッカーが互いの意見を重視するようになっていく点も良かった。 ハントがガニメデに降り立って木星を見て、真実に辿り着くシーンが好きだった。あとラストのハント→ダンチェッカーの謎解きと、エピローグ。ラストの謎解きでは、ミネルヴァや月、ルナリアンたちの辿ってきた道に想像が膨らみ、なんだか感動した。 エピローグは本編の内容を通してプロローグとも繋がる、とても好きな終わり方だった。続編も読みたい。
1投稿日: 2025.08.22
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
面白かったSF謎解き 仕掛けがかなり壮大なものの、言われてみたら確かにそれしかない!っていう衝撃 少しずつ真相に迫るんだけど、近づくたびに矛盾が出てきてどうやって解決するんだと思ったら、なるほど!な解決で本当によかった! 後半読む手が止まらない もう一回読みたいな
0投稿日: 2025.08.21
powered by ブクログ初めてSF小説を読んだ。おもしろすぎた。 議論の内容は全然わからなかったけど、言語学や生物学や地質学、あらゆる学問的側面からいろんなことが次々と明らかになっていく感じがミステリーみたいで爽快。ひとつのデカい謎を解き明かすだけという構成もわかりやすくていい。登場人物も少ない。何より翻訳がうますぎる。最初から日本語で書かれていたみたい。 ストーリーはきっと、学術的にはありえないことなんだろうけど、自分が無知なのでそもそもなんでありえないのかもあんまりわかっていないため、もしこれが本当だったら…!と安直に考えちゃうし、めっちゃロマンチックで素敵だな〜と思う。(ホモ・サピエンスが他のどの類人猿とも類型を見ないというのは現実に存在する事実なのでしょうか) ダンチェッカーはいちばん好きな登場人物ですが、「太陽系の支配者」と断言しちゃうのはいかがなものかと思うな……。征服したり操作したりしたことではなく、果敢に挑み生き残ってきたことを称えたい。
0投稿日: 2025.08.19
powered by ブクログこの本でハードSFというジャンルを知ったけれど、なるほど設定や描写だけでなく、実際の知見に基づいているそうな。 途中、読書ができない期間がかなり長くて、読んだ内容を忘れてた部分もありつつも、それなりに楽しんで読めたので、いつか続編読むかなー。
0投稿日: 2025.08.10
powered by ブクログ科学の叡智と論理的思考を集結させて謎を解いていく過程が頭の体操をするようで面白く、謎を解いていくほど新たな仮説が飛び交い、ドキドキわくわくしながら読んだ。ラストは衝撃的!
0投稿日: 2025.07.29
powered by ブクログ1977年が思い描くハードな近未来SF兼ミステリ。 文体や説描写がやや重くくどいが、序盤を乗り切ることができれば面白くてたまらない。 約50年経った2025年現在、執筆当時の人々がどんな未来を思い描いていたか、地球や月、宇宙をベースにどんな空想に耽っていたか。そんな視点からも楽しめる。
0投稿日: 2025.07.21
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
非常に面白かったが、人類学の解説を長々と聞いている気分にはなり、好きなタイプのSF(うわぁ、未来ってこんな感じ?というワクワク)、という感じではなかった もっと言えば、過去に起こったことを推理していく、だけかな。 文章は上手いので、読み応えはあり あとは好みの問題なのかな
0投稿日: 2025.07.20
powered by ブクログ地球の物理学、生物学、化学、地質学、天文学、言語学などの各分野のプロが協力して月面で見つかった5万年前の遺体を謎を解くハードSF。 めっっちゃ面白かった。 最初の20ページくらいはちょい重たいが、遺体が見つかってからはページを捲る手が止まらなかった。 こんなの解決できないだろ…と思うような謎が次から次へと出てくるが、最終的にそれがピタッとハマって一つの真実に辿り着く瞬間がとてつもなく気持ちがいい。読後感もかなり良かった。 読み終わってからシリーズものであることを知った。 まだ4作品もあるの幸せすぎか。
2投稿日: 2025.07.16
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
終盤で謎が明らかになっていくところが面白かった 読み始めは何の話が始まったのか着いていけなかったが、あらすじにもあるように遺体が発見された話が出てきてからは読み進めやすくなった
0投稿日: 2025.07.14
powered by ブクログ壮大な物語に飲み込まれた。面白かった。 月で発見された人類そっくりの白骨の正体を解明するため、優秀な科学者たちが奔走する。 初めは、小難しい科学的な記述に辟易してたけど、だんだん解明されていく事象に好奇心を触発されて、逆にその論法に感心するようになって、SFの面白さがわかってきたような気持ちになる。 主人公のハント博士、頭が良すぎて鼻持ちならん雰囲気を感じて、あまり好きじゃないなと思っていたけど、人類が初めて遭遇する大事件に携わって、その優れた感覚を存分に発揮する姿に、結局肩入れする自分がいる。 やっぱり文学に遊ばれてるw 次々に発見される前代未聞の事象、これがテンポ良く展開して、どんどん読み進む。 月で見つかったルナリアンはどこで進化した生物なのか。その謎で一杯一杯のところに、今度はメガリアンが出てきて、混乱の極み。 かと思いきや、それまでの科学者たちの努力により、確実に少しづつでも謎を突き止めていく。その様子がポジティブでとても気持ちがいい。 最後に残る謎、判明する事象の間にある思いもよらない時間のずれ、場所の違いに、これどういうことなんよ、とわけわからん。ってところで、完全に意表をつかれるアイデアが出てきて解き明かす。かっこいい。これハント先生。その明察のシーン、情景を想像すると、とても荘厳で神秘的で、想像だけでため息が出る。 解き明かされる人類のルーツ。それから翻って、現人類がこれからどう進んでいくべきかを、月並みになりそうだけど、訴えかけられてる気がする。 とにかく想像を掻き立てられて、自分で映像を作り上げて楽しめる作品。心から楽しませてもらった! ありがとう!
13投稿日: 2025.06.13
powered by ブクログ久しぶりにハードなSFを読んでみたくなり、購入。ちょうどKindleのセールがあったのでシリーズ6冊をまとめ買いしてしまった。これはその1冊目。
0投稿日: 2025.06.12
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
海外SF2作目 内容が難しく中々頭に入らない中 最後まで読み終わりました。 普段は推理小説を読んでいるので目的(犯人)があるのですが 目的がどこにあるのか?分からず困惑 チャーリについて調べることは間違っていないが 進化や物理や色々とあり難しく思えた。 しかし最後の結論には度肝を抜かれた 最後まで読んで良かったと思いました。 一点解読出来ていないのが 5万年前のチャーリー 2500年前に地球から生物を運んだ その生物が進化してルミナリアンになったと思っているけど年代が前後していてよくわからない。
1投稿日: 2025.06.02
powered by ブクログこれぞSF 月で発見されたのは宇宙服を着た5万年前の死体 この謎に各分野の科学者たちが立ち向かう話 映画を観てるような感覚だった 科学者たちが頭を悩ませるシーン多めだけど、チャーリーとコリエルのプロローグとかガニメデ行った後とか絶対映像映えするし映画化してそう…と思いながら読んだ SFあんまり読んだことなかったけど面白かった ミステリー枠で紹介されてて気になったんだけど、たしかに理詰めで謎を解き明かしていくのはたしかにミステリー。 翻訳の文体が馴染めなくて時間かかっちゃったけど読後感はいい 最後の一文が胸熱。
1投稿日: 2025.05.29
powered by ブクログ諸々難しいので、細かいところは飛ばし読みしてしまった。 ストーリー展開としては面白くて、のめり込めて良かった。
0投稿日: 2025.05.24
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
最初に五万年前?どういうことだ?!という時点から惹き込まれた。SFはいわゆる常識を超えた設定などがワクワクする。
0投稿日: 2025.05.17
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
星10くらいでも良い!!!!、 もしかしたら今まで読んだ本の中で一番好きかもしれない。謎解きのなかにチャーリーが生きてた頃の背景とかグッと来るものもあったりただただ面白かった。続編も絶対読む。
0投稿日: 2025.05.10
powered by ブクログ読み途中。チャーリーの謎の解析が進んでいく展開にはワクワクするが、「主人公ハントがいかに天才で有能で、上司や同僚からも一目置かれていて…」ってハント上げ描写が何度も挟まれると、「作者の考えた最強の主人公」を見せられてるみたいで白ける。 あんまりキャラクターとしての魅力を求める作品じゃないのは分かるけど、それなら尚更ハントの引き抜きや人望がどうのって部分はいらなかった。 ハントよりチャーリーの謎やダンチェッカー教授の方がだいぶ興味ある。
1投稿日: 2025.04.28
powered by ブクログ読む前はタイトルのカッコ良さにシビれ、読み終わる直前最後の数ページに胸が熱くなる良い作品でした。 やっぱタイトルって大事!
0投稿日: 2025.04.23
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
人類はどこから来たのか、月がどのようにしてできたのかというミステリーに迫るSF作品。月で発見された5万年前の人類の死体から始まり、壮大なミステリーが展開される。最後に我々人類がどこから来たのか衝撃的な真実が証明される、まさに不朽の名作と呼ぶにふさわしいSFミステリーだった。 SFミステリーとしても当然面白いのだが、これが1977年に書かれたという点に着目しても面白いことがある。この物語は2028年ごろの話になっているのでおよそ50年未来を想像して書かれている。その50年後に生きている我々にとって公共の場でタバコをスパスパ吸ったり、女性蔑視な言動はまずありえない。今では想像がつかないが、当時はそれが当たり前で未来でも当然そうであろうと思われていたのだ。科学的な進歩もしているが、社会的にも人間は進歩しているのだ。
2投稿日: 2025.04.22
powered by ブクログやっと読み終えられた、全然理解ができずに終わった気もするがエピローグ直前のまくし立てからは面白く手が止まらなかった ただ文章が詰められすぎるように感じ電子書籍は合わないと感じた 次は文庫で読みたい
0投稿日: 2025.04.19
powered by ブクログ【あらすじ】 ある時、月で5万年前の人間の死体が見つかる。その死体には宇宙服と手記が残っていた。宇宙服、手記、遺体に残された情報から少しずつ過去の真実を解き明かすたびに新たな謎が生まれる。それはやがて、太陽系から消えた10番目の惑星の存在(この時はまだ冥王星が惑星)と謎の宇宙人の存在を浮き彫りにする。 【感想】 仮想歴史スペクタクルとも呼ぶべき作品。 ある日、月で「宇宙服を身にまとった5万年前の死体」が見つかったことから、過去に何が起こったのかを1つずつ解き明かしていくミステリーサイエンスフィクション。読者が最初に思うであろう仮説(過去の地球の文明人or外宇宙の人類など)を全部挙げたうえで謎を追うため、ストレスがない。アクションシーンがあるわけでも恋愛シーンがあるわけでもない静かな作品だが、とても手に汗握った。こんな作品が40年以上前に発表されていることが信じられない。SF好きになったきっかけの本です。
0投稿日: 2025.04.09
powered by ブクログSFの金字塔という評価も納得。5万年前の死体の謎解明という極めて遠大な主題ながらも、科学者たちが各々の専門性から徐々に謎を解き明かしていく丁寧な進行は、科学知識に裏打ちされた入念なプロットがないと書ききれないストーリーだと思う。個人的には、仕事に没頭する科学者たちの群像劇的アツさも感じる。 「スペシャリストではなくプロフェッショナルであれ」みたいな仕事論をよく耳にするけど、こと研究の世界においてはなおのこと分野横断型の知識って大事なんだろうなとも思う。AIが研究利用に耐えるレベルまで進化したら人間の進歩は加速するんだろうか。
8投稿日: 2025.04.08
powered by ブクログ初めてのSF小説。文系の私にはなかなか話が難しく最初の方は物語に入り込むのに少し手こずったけれどそんな私でも途中からは一気に物語に引き込まれ読了。また読みたい。けれど、一番最初に読んだ時の興奮は超えられないだろうな。
0投稿日: 2025.04.07
powered by ブクログSFの体裁をとった推理小説という感じ。バカおもろい。 正体不明の宇宙飛行士の遺体をめぐる謎解きモノで、あれよあれよと人類史上最大の謎へ行き着く。 終盤の解決パートで月の来歴が明らかになるとこは「な、何ぃ!?」の連続。 オチも良い。すごく。
0投稿日: 2025.04.05
powered by ブクログ長くてアップダウンの激しいディベートをずっと読んでる感覚になる。本書の中心である謎を解決すべくさまざまな仮説が提示されるが、どれもことごとく論破されていく。最後に主人公が達する結論にはこちらも納得せざるおえない論理性があって、気持ちいい。
1投稿日: 2025.03.24
powered by ブクログ二回目だけどやっぱり傑作。 宇宙系SFによくある未来の技術みたいな話ではなく、色々な可能性を想像させる展開が面白い。
9投稿日: 2025.03.17
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
読みづらい部分もあったけど物語が魅力的で読み切れた。 会話のみでも関係性の変化を受け取れる表現がとても良かった。 物語の終盤で「まだもう1盛り上がりあるかね」と思わせてくれたのも良かった。
1投稿日: 2025.03.15
powered by ブクログもうガチガチのサイエンスで、文系の物好きで生物学に興味がある私にとっては、たぶん都合よく理解できない部分もあり、とても面白い内容だった。 月で見つかった五万年前の遺体。当時では考えられないほどの技術力を感じさせる遺品。チャーリーと名付けられた彼が残した手がかりを元に、生物学者や言語学者等と研究結果を撚り合わせながら謎に迫っていく。果たしてチャーリーは人間なのか、異星人なのか…。という物語。 p.270の、ハントが木星を見上げて真実を覚知したシーンが良かった。 「虹の七色の光の帯は交錯した綾を織り出しつつ赤道付近から幾重にも層をなして拡がっていた。惑星の外縁に近づくにつれて光は混じり合い、溶け合って桃色に霞んだ。桃色はさらに紫に変わり、やがて紫紅色となって、空との境を限る大円弧にくっきりと断ち切られていた。不変不動、そして永遠なその姿。神々の王の名に相応しく、木星は威風堂々として孤高の光を放っていた。(中略)チャーリーもまた不毛の岩石原に立って、光と色に煌めく惑星を見上げたのだ…・・・・・しかし、その色は死の色だった。」 クライマックスのハントの報告はまさに発想の転換で、今までの矛盾が綺麗に消えていくのが読んでいてスカッとした。 ところで、これシリーズものなんだね。面白いけど結構お腹いっぱいなので、マイペースに読んでいこうと思う。
37投稿日: 2025.03.05
powered by ブクログ初めてSF小説というものを読んだが、とても面白かった 正直前に進化論や宇宙関連の本を読んでいたので大部分を理解しながら読み進められたが、これらの前提知識がないと多くの場面で詰まるのではないかとと思うほどサイエンスに満ちた本だと思う 内容自体はフィクションなのだが、実際に起こった世界として解釈したくなるほど面白い 最も月の起源についてや答えが出てない部分だったり地球の時間は変化していることが分かっているので、今後の研究次第では本当に月が飛んできたのかもと思ってしまう
0投稿日: 2025.03.04
powered by ブクログYouTubeで紹介されており、有名な作品なのにまだ読んだことないな手に取る。 最初はやはり外国文学(英国)は合わないなと思いながら頁をめくるが、月面で死体が見つかり、それが5万年前のものである事が分かってからは俄然興味が湧き読み進める。作中、巨大宇宙船、巨人の発見されることで、話は複雑に理解しにくくなるが、人類の進化も絡め謎が推察されていく。 あまりSFは読まないが、SFも良いなと改めて感じさせてくれた本。好きなSF映画の「スター・ウォーズ」は揺るがないが、印象に残るSF本としては本書が1位かな~
6投稿日: 2025.03.02
powered by ブクログ最後のシーンは、映画のワンシーンのようで、衝撃的だった。かっこいいラスト。 世の中にある“知識”は、新しい事実が発見されるたびに、今まで正しいと思われていたことが、ころころ変化していくもの。 絶対的に正しいものは一つもない。ということは、フィクションとしてSF小説の中で書かれている論理も、ありえそうに思う(実際検証するとすぐ論破されるのかもしれないけど) 空想や妄想から、科学的仮説が出てきて、現実として証明されることも多々あり、今わかっている物理や宇宙の法則について、もっと深く知りたい。
2投稿日: 2025.03.01
powered by ブクログ以前から読んでみたいと思っていた本だったが、文庫本で見かけたので購入。 洋書特有のテンポや登場人物の覚えづらさを感じつつも、冒頭から徐々に見えてくる状況に対し「この次はどうなるのだろう」と興味を惹かれる展開が続く。 3日ほどで読了できる量だったが、ラストの展開が面白かった。 初めの方にあった人間描写がだんだん薄れてしまったのが残念。個人的にはグレイにもっと出て欲しかったかな。 読書中の登場人物の脳内イメージ ハントはロバート・ダウニー・Jrかトム・クルーズ グレイはサイモン・ペッグ ダンチェッカーはベネディクト・カンバーバッチ コールドウェルはエド・ハリス
1投稿日: 2025.02.25
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
SFの超名作とのこと。月で見つかった死体から始まるSFミステリ…でいいのかな?チャーリーの死体からミネルヴァの発見、そして何故彼らは月にいたのか。専門用語もかなり多いし、学術的というか、科学的なことは分からないけれど、たぶんこれが俺の考えた最強の人類誕生だ!って感じで書いたのかなーって思った。死に物狂いでミネルヴァから旅立ったチャーリーとコリエル、そして何とか地球に辿り着いたコリエル。その子孫たちが五万年の月日を経て、再びチャーリーと出会うという壮大な話はかなり良かった。星を継ぐもの、ってタイトルもきちんと回収しているのもいいと思った。
1投稿日: 2025.02.23
powered by ブクログあらすじだけでもうワクワクするストーリー 科学の描写が特に細かく書かれていて作者の想像力がすごい この小説が書かれた時代では進歩した科学が描かれているはずなのに、現代で考えると当たり前のことだったりするのが驚き ただし読みづらい
0投稿日: 2025.02.21
powered by ブクログ超有名なハードSFでずっと読みたかった! あらすじの時点で既にもう面白そうなのだけれど、 この謎に対する解(仮説だけど)が鮮やかで面白い。 言語学者や生物学者、数学者と言った様々な分野の学者が自分達の視点で謎に対する仮説を立ててぶつけ合う様は読んでいて凄くワクワクして楽しい…! 人類の危機が!とか宇宙戦争!のような派手な物語ではなく前記のように学者達が謎に対して粛々と議論ししような物語です(私は好みでした)。 文字が小さい上に情景や状況の描写が多いから読むのに苦労するのもわかります…。 全5作あるので続々読んでいきたいな!!!!!! 〜あらすじ〜 月面調査隊が真紅の宇宙服をまとった死体を発見した。すぐさま地球の研究室で綿密な調査が行なわれた結果、驚くべき事実が明らかになった。死体はどの月面基地の所属でもなく、世界のいかなる人間でもない。生物学的には現代人とほとんど同じにもかかわらず、5万年以上も前に死んでいたのだ。いったい彼の正体は? 謎は謎を呼び、一つの疑問が解決すると、何倍もの疑問が生まれてくる。調査チームに招集されたハント博士は壮大なる謎に挑む……。
0投稿日: 2025.02.09
powered by ブクログストーリーは面白いけど、情景描写が細かすぎて文章を噛み砕くのにすごく顎が疲れる感じ。読書するのが慣れてる人なら普通かも。そのせいもあって続編を読みたいとまでは思わなかった。
2投稿日: 2025.02.02
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
学生の頃から読もうと思ったが読めずにいたら新装版が出たので挑戦。読後は、議論の多い「2001年宇宙の旅」。続く作品はこの世界感をどのように広げていくのか興味があるが、付き合っていけるかどうか些か心許ない。人類の発生についてさらに深化していくのだろうか。1970年代の正統派SFを読むのは、楽しいひとときではある。この先の見えない世界では。
2投稿日: 2025.01.19
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
前から読みたかった本、やっと読めた! 5万年前の死体の謎にワクワクした。三体はほぼ物理学だったけど、今回は言語学や生物学も加わり、その辺も楽しめた(そして物理学より読みやすい)。ネアンデルタール人のこととか、もっと調べてみたいなぁ。最後の方で、人間は地球で精神的に安定したって書かれてたけど、いやいや凶暴性は変わっていないんだよなって思った。 エピローグが読者へのプレゼントのようで、ニヤリとなった。
1投稿日: 2025.01.06
powered by ブクログ最高だった 解説にもあるようにまさにSF(サイエンス・フィクション) 冒頭で提示された謎を解明するために近未来の技術が総動員されるのは読んでて痛快 物語として非常に楽しく読めた チャーリーはどこから来たのか? 最終版、ダンチェッカーの演説のシーンで胸が震えた 久々にSFへの熱が振り起こされた
1投稿日: 2025.01.02
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
1977年イギリス発売、著=ジェイムズ・P・ホーガン 訳=池央耿 宇宙を舞台にしたサイエンスフィクション。 探査隊が月で宇宙服を身に着けた遺体を発見した。チャーリーと名付けられたこの遺体は現代人と変わらぬ見た目と身体構造しているが、調査の結果、5万年前の遺体であった。そしてバッグからは超小型原子力発電機が発見された。5万年前に今よりも発達した文明が地球に存在していたのか?はたまた彼は宇宙人なのか?調査はさらに進められた。 生物学者の一人は地球外で人間と同じ進化をするなんてありえない。チャーリーは5万年前の地球人だと主張。しかしこれまでこの文明の痕跡が一切発見されていないのはなぜか、という疑問が残る。 またある日、月面の裏側で建造物の残骸や遺留物が発見された。 調査の結果チャーリーは木星近くにあるミネルヴァ星に住むルナリアンという宇宙人だった。ミネルヴァは氷河期に差し掛かっており氷に閉ざされる前に移住しようと考えていたのだ。そこで技術者であったチャーリーは月を調査していたのだが、その最中に敵対するルナリアンからの核攻撃を受け殲滅したもよう。月にも核攻撃を受けた痕跡が残っていた。 ではなぜ移住先を探していたルナリアンは地球ではなく月を調査していたのか?またミネルヴァから月へ核攻撃ができるほど超高度な技術力があったのか、という疑問が残る。 さらに木星でガメニアンという巨人の遺体が発見されるなど謎は増えていきます。 科学者たちは次々に発見される証拠から可能性をひとつひとつを潰していき1つの結論に導いていく。その途中にいかにも正解っぽい推察がでてくるので、納得しつつも他にも可能性がないだろうか?と自分なりに推察していきながら結論に近づいていくのが面白かったです。ルナリアンがどこからきたのかという最大の疑問に対する最終的な答えは「なるほど!そういう考えがあるのか!」とすべてを解決するものでした。
0投稿日: 2025.01.01
powered by ブクログ月面で見つかった宇宙服をまとった50000年前の死体。その意味するところは? 今から47年前 、1977年の著者デビュー作品。 なるほど今では考えられない喫煙率の高さだ。 場所を選ばずに煙を吐いている。 一級のSF作品も喫煙者がこれほど肩身の狭い思いをする現在を予想できなかった。
0投稿日: 2024.12.27
powered by ブクログ読みはじめてから、ページをめくる手が止まらなかった作品。ファーストコンタクトSFの中で最高傑作の一つだと思う。 チャーリーが発見されてから、彼が一体何でどこから来たのか?それを突き止めるべく、遺品から、手掛かりをつかんでいく流れは未知のものが徐々に明らかになっていく感覚がとてもワクワクさせてくれる。そして、最後に明らかになる衝撃の事実。実際に地球はこんな歴史を辿ったのではないかと思わせてくれるリアリティがあり、きれいにまとまっていた。 SF小説の中でも傑作といえる一作品
0投稿日: 2024.12.26
powered by ブクログすごく面白くて、一気に読み進めてしまいました。 ある企業所属の研究者であるハントが親会社の社長から呼び出されようとしているところから物語が始まるのですが、チャーリーと名付けられることになる5万年前に死亡した宇宙服をまとった死体を見つけたところで、日常から非日常に放り込まれたような気がして、一気に物語に引き込まれます。 途中、ハントが国連宇宙軍に引き抜かれた後辺りから、報告書や記事でこれまでの成果がまとめられる辺りまでは、正直いってそこまで面白くないのですが、その直後にあるガニメアンという生物の発見から再び面白くなります。この面白さ──先が気になって仕方ないような状況は(自分の場合)最後まで継続しました。 この「星を継ぐもの」は長編シリーズの一作品目ではあるのですが、謎は残しつつも中途半端に終わるような感じは全くありません。詳細な記述は避けますが、プロローグに出てきた人物たちがどうなったか、本編からエピローグにかけてで明かされるのがとても秀逸だなと思います。 最後のダンチェッカー教授が言った言葉から、この話は物語の序章にすぎないのだと感じました。続きの作品も早く読みたいです。
0投稿日: 2024.12.22
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
だいぶ前に息子から預かっていた本ですが、ドラマ『宙かける教室』で「傑作ですよ」と藤竹先生が言っていたので、再読しました。 これは事実なのではないか?と思える科学的知識からの謎解き。火星と木星の間には小惑星がいっぱいあるのはまちがいないわけで、ほんとにミネルヴァって惑星はあったんじゃないでしょうか。 今より進んだ文明を持ちながら絶えてしまった先住民たち。現代の地球でもいつ起きてもおかしくない未来が描かれています。
0投稿日: 2024.12.11
powered by ブクログ初めてのハードsf。専門用語が多くてイメージするのが難しかった。それでもチャーリーの謎を知りたい!途中でやめられない!と思いながら頑張って読んだ。次々と明らかになる科学的証拠というピースがばっちりハマる、最後のダンチェッカーが仮説を話すシーンはすごく引き込まれた。
0投稿日: 2024.12.07
powered by ブクログここに出てくる2028年の地球は実際よりも科学技術は進んでいるのに女性の研究者が1人もいないことに驚く。唯一出てくる秘書の女性はカレンダーに一番最初に気づいたのに、それを「(女の)勘」で片付けるとはねぇ。
0投稿日: 2024.11.29
powered by ブクログ『星を継ぐもの』は、人類の起源に関する常識を覆す衝撃的な発見から始まる本格的なハードSFの傑作。 物語は2027年、月のファーサイドで発見された一体の遺体から幕を開けます。「月面のチャーリー」と名付けられたその遺体は、現代の宇宙服に似た装備を身につけ、完璧に保存された状態で発見されました。 しかし、調査の結果、この遺体は約5万年前のものだということが判明します。これは人類が宇宙開発どころか、文明すら持っていなかったはずの時代です。 この不可解な発見に端を発し、物語は様々な謎を投げかけていきます。遺体のDNA解析からは、現生人類とは異なる特徴が次々と見つかります。 また月面での地質学的調査からは、我々の知る月の歴史とは相容れない証拠が発掘されます。主人公のビクター・ハント博士らの科学チームは、これらの謎を丹念に解き明かしていく中で、人類の起源に関する衝撃的な仮説にたどり着きます。 本作の特筆すべき点は、その科学的な正確さと論理性です。著者のホーガンは、考古学、地質学、遺伝学、物理学など多岐にわたる科学的知見を駆使して、謎解きのプロセスを緻密に描写します。それでいて、専門知識がない読者でも十分に理解できるよう、巧みな説明で物語を展開していきます。 また、本作は単なる科学的推理に留まらず、人類の存在意義や文明の本質といった深遠なテーマも内包しています。 最後に明かされる真実は、読者の想像をはるかに超える壮大なものであり、人類の歴史観を根底から覆すような衝撃的な結末を迎えます。 物語の序盤から中盤にかけては、月面での調査や研究室での分析など、科学捜査さながらの展開が続きます。しかし、それらの発見が少しずつ積み重なっていき、最終的には驚くべき結論へと収束していく構成は、まさに本格ミステリーの醍醐味を感じさせます。
0投稿日: 2024.11.24
powered by ブクログ読むべきSFを紹介してるサイトで1位。そして、あらすじを読んで、もうこれは読むしかないなと。1977年の作品だと思うと、科学の想像力はすごい。 世界のものすごい頭脳を持った人たちが集結して謎を解き明かしていく。その過程や登場人物たちと同じく、判明した謎から自分も考察したりするのが面白い。
0投稿日: 2024.11.22
powered by ブクログずっとワクワクしながら読み進めて、気づいたら読み終わってた。シャーロック・ホームズの名台詞「全ての不可能を消去して、最後に残ったものが如何に奇妙な事であっても、それが真実となる」を思い出した。
3投稿日: 2024.11.20
powered by ブクログ月面で発見された宇宙船を着た遺体。 どこの月面基地にも属していないその遺体は何者なのか? 遺体の謎に迫るSFミステリー。 1970年代に世に出たとは思えないくらいに古臭い感じもなく、今の感覚で読んでも容易に情景が浮かんでくる本作品。 月面の遺体からこういう発想になるの?と思うくらいに、楽しいものを読めたなと思いました。 科学の知識などいろんなものが出てきて、少しちんぷんかんぷんなところはあるものの、それを全て理解する必要はなく、そういう会話を楽しめば良い感もあり、小難しいのですが、小難しい感じはしませんでした。 基本は遺体の正体を追うだけというものなのですが、その遺体がなかなか壮大な謎を秘めているという。 ミステリー要素があり、どこまで書いてよいのやらと思いますが、なんで今まで読まなかったのか?と思うほどに楽しく読ませていただきました。 本作品はまさに星を継ぐものでございます。
3投稿日: 2024.11.11
powered by ブクログ面白すぎて一気読みしてしまった。 壮大な宇宙と切なさと感動があった。 信じられないくらい過去の話をしているのに、彼らはすぐそばにいる。
2投稿日: 2024.11.10
powered by ブクログ成熟した社会は争いを持たず、領土間の紛争や対人間での対立でさえ柔らかい円にする。 それを終始徹底的に描かれているのが個人的にぐっときた。 昨今のバディ物意識というか、エンタメ的な考えだとハントはきっとグレイとタッグを組んで難題に挑戦する話として描かれたのかもしれないが、本作では最終的に敵対していたはずのダンチェッカーと歩み寄り意見を擦り合わせていくところに心を感じた。 爽やかな気分にさえなるSF。 人の繁栄と心の豊かさを思うSF。
0投稿日: 2024.11.02
powered by ブクログ何度も挫折しかけたけど何とか読み終えることが出来た。 全部を理解することは到底出来なかったけど、最後の一文を読んだ時、読んで良かったと心から思った。この名作を〝読んだ〟人間になれたことが何よりも嬉しい。 読了 10月27日
1投稿日: 2024.10.27
powered by ブクログめちゃ面白かった 寝食を忘れて読んでしまった。 どんどん面白くなってすごかった。 タイトルも見事に回収されてやばい sfもっと読みたい
0投稿日: 2024.10.25
powered by ブクログ途中まではチャーリーの謎が解明されていく過程で引き込まれそうになった。 ただ、色々な研究グループの説が出てきて、あーでもないこーでもないと議論に発展する展開がワンパターンに感じてしまった。また、文章含め出てくる単語も難解で読み進められなかった。もっとチャーリーのバックグラウンドや背景のストーリーが見えてくるものだと思ったが、それも期待ハズレで。。。最後の展開もふーんで終了。 一言でいうと合わなかった
0投稿日: 2024.10.22
powered by ブクログ本当に面白かったです 父に薦められて読みはじめてみたが序盤は難しい科学用語や横文字の固有名詞が頻出して読むのが正直億劫になりました。 でも、中盤に差し掛かった途端にページをめくる手が止まらなくなって、エピローグまではあっという間。科学の可能性と宇宙の壮大さ、人間の生の美しさを感じらる作品でした
0投稿日: 2024.10.18
powered by ブクログ前半は全てが謎で中々読み進められず、読み始めてから数ヶ月経った後読了。頁が半分に差し掛かった頃途端に面白くなってきたのでようやく一気に読めました。本当にSFか?と思うほどの完成度の高さだった、数世紀後に「ただ史実を書いてました〜」なんて言われても信じてしまうだろう。
1投稿日: 2024.10.02
powered by ブクログ前評判通りのハードな本格派SF。 人類史の根幹にも関わる大きな謎が物語の主軸となり、物理学や天文学だけでなく生物学や言語学をも駆使した高度に学術的な議論が繰り広げられる。議論の過程も非常に緻密で、それまで有力だった仮説が新たな発見により一気に覆されたりと知的なスリルの連続で飽きさせない。 反面いわゆるエンタメ的な派手さには欠けるが、それでも未来世界の描写やハントとダンチェッカー教授の関係性など、燻し銀のカッコ良さが随所に。
0投稿日: 2024.09.27
powered by ブクログその分野の専門家が言うもっともな仮説、しかしそれらは大局観を持たないこともある。疑うこと、探求すること、大局観を持つこと。仕事にも通ずる大切なことを学べる名作でした。
9投稿日: 2024.09.24
powered by ブクログ「星を継ぐもの」は架空の科学技術が出てくる、いわゆる本格SF作品の第一部。続編として「ガニメデの優しい巨人」、「巨人たちの星」があります。読んだのは50年くらい前の事になりますが、大まかなストーリーは覚えています(割りと記憶力はいい)。 ストーリーは調べれば出てくると思いますが、月で地球人とそっくりな生物の死体が発見されます。調査の結果、死亡時期は大昔である事が分かり人類との関係性を含め様々な仮説が唱えられます。その後、木星(の周り)で異星人の宇宙船が発見され、更にその宇宙船を作った種族と同一の種族に出会います。その結果、月で発見されたのは地球人と同一の先祖を持つ生物で、異星人に人工的に作られた(遺伝子組み換え?)生物である事が分かります。ここまでで第二部終わり。 三作品共かなりの長編ですが、面白くて一気に読んだ記憶があります。その他に「 創世紀機械」、「未来の二つの顔」という作品もあります。どちらもマニアックで好き嫌いの別れる作品かもしれません。
1投稿日: 2024.09.21
powered by ブクログ第92回ビブリオバトルinいこま「三冊屋」で紹介された本です。 2022.6.26 ①『星を継ぐもの』J・P・ホーガン ②『定吉七番の復活』東郷隆 ③『5000年前の男』コンラート・シュピンクラー
0投稿日: 2024.09.21
powered by ブクログ小説に求めているワクワク感があってよかった。 前半は1ヶ月以上かけて読んでいたけど、後半はページをめくる手が止まらなくて一晩で一気読みだった。 初めて読んだ本格SF小説がこれでよかった。 展開に驚いたり、思いを馳せたりと小説を読む醍醐味が詰まっている小説だなと思った。
2投稿日: 2024.09.21この本でSFのセンスオブワンダーとは何かを知りました
まだジェイムズ・P・ホーガンさんが売れてなかった頃、この本が日本でブレイクし星雲賞を受賞しました。その後、アメリカでも人気が出たと聞いたことがあります。昔、名古屋で開催されたSF大会でパソコン通信経由でジェイムズ・P・ホーガンさんがお話してくれたこともありました。どうやらジェイムズ・P・ホーガンさんは日本を好いてくれているようです。ジェイムズ・P・ホーガンさんの作品の中でも特に気にいている作品です。まだジェイムズ・P・ホーガンさんが売れてなかった頃、この本が日本でブレイクし星雲賞を受賞しました。その後、アメリカでも人気が出たと聞いたことがあります。昔、名古屋で開催されたSF大会でパソコン通信経由でジェイムズ・P・ホーガンさんがお話してくれたこともありました。どうやらジェイムズ・P・ホーガンさんは日本を好いてくれているようです。ジェイムズ・P・ホーガンさんの作品の中でも特に気にいている作品です。私はこの本でSFのセンスオブワンダーとは何かを知りました。
0投稿日: 2024.09.16
powered by ブクログこの作品はsfの面白さを最大限に引き出そうとした作品のように思えた。 まず、物語のあらすじを読むだけで一気に惹きつけられるほど、物語のテーマから素晴らしいし、科学の知識が乏しい私でも読み進めやすいように話を展開している点でも終始印象が良かった。 また、読み易さに比して物語のなかであらすじで書かれた以上の謎を登場させて、読み手を常に飽きさせずに最後まで考えさせる技術はsf作品としては並ぶものが少ないのではないかとも思えた。 この作品はシリーズものと聞いたので、ぜひ次の物語も読んでみようと思う。
4投稿日: 2024.09.13
powered by ブクログ月面で見つかった5万年前の死体。この謎について様々な仮説が飛び交います。新たな仮説が出るたびに、「なるほど、そういう考えもできるんだなぁ」と納得させられます。謎が現実世界とも絡んできますので、もしかするとそれが史実であるかのような錯覚を感じることもできました。 一番面白かったのは、チャーリーの手記の翻訳部分です。5万年前のある特定の一日の話と考えると、とんでもなく広大な話と同時に、とても身近な話にも感じます。不思議な感覚です。 手記中の、ミネルヴァから月に2日で到着し、そこからミネルヴァに向けて攻撃を仕掛けるという、不可解な出来事に対する解釈が驚きでした。 ここからまだ二転三転とし、それぞれすごい驚きをもたらしてくれますが、この手記の部分はプロローグの部分と合わせて、より臨場感を持って読むことができた分、印象が強く残りました。 SFとしてだけではなく、ミステリーとしても一級品という評判です。確かに上記の通り、謎に対する二転三転の解釈に驚きを感じました。しかし思い付きの推理合戦という感じで、証拠に基づいた緻密な論理の組み立てという感じではありません。なのでミステリーとして読もうとすると、やや興ざめするかもしれません。 とはいえ最初は地球・月から始まって、木星・ガニメデといった空間の広がり。そして5万年まえの死体から始まって、二千五百万年前の宇宙船といった時間の広がり。そこにおける作者の想像力には本当に感服します。
1投稿日: 2024.09.11
powered by ブクログ序盤難しい用語ばかりで少々難儀。 でも断片的でも頭に残ったフレーズや印象だけでも、 終盤でカチカチッとちゃんとつながる。 全然展開が読めないから、 わかり合えない2人の距離が急に縮まるあたりが よかった。
1投稿日: 2024.08.29
powered by ブクログ科学知識が全く無いなりに、話の壮大さや新たに明かされる展開の数々に、のめりこむように読んでしまった。
1投稿日: 2024.08.21
powered by ブクログかなり面白かったけど、途中難しくて説明多くてしんどかった。SFってそういうもんなんだろうけど。 イヤなヤツだと思ってたオッさんが最後人間の強さについて語るところはアツかった。 最後の最後に衝撃というか、オチが非常に良かった。 続編もあるらしいけど、この作品が圧倒的に評価されてて続編はそうでもないっぽいので一旦ストップします。コレはコレで完結してるし。
1投稿日: 2024.08.16
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
月面調査隊が宇宙服をまとった死体(のちにチャーリーと名付ける)を月面で発見したことで、物語は大きく動き出す。本作品のジャンルはSFであるが、チャーリーの正体、つまり謎を解明するために物理学や生物学、言語学の知識を駆使して検証するところから、ミステリー作品としても読むことができる。物語が進むにつれて謎が解けていくが、ある事実は目の当たりにすることで、矛盾が生じて新たな謎に向き合わねばならない。謎を解いたつもりがまた別の謎を生み出すという連鎖が本作品の特徴である。そして本作品の終わりに、主人公ハントはチャーリーの実態を検証して全ての謎を解いたつもりであったが、コールドウェルはある不可解な1点に気づく。そこからチャーリーの正体と同時に主人公たち、すなわち地球の人間たちの正体に関する衝撃の事実を思い知らされる。このように本作品は謎の死体を見つけて、その謎を解いていくというシンプルな構成であるが、最後まで読むことで謎が解明されるのが良い。本作品の解説にもあるが、これと似た構成の話はあっても、謎が謎のままで終わってしまう作品は割とある。そんな中でも、続編があるが、『星を継ぐもの』単体でも十分な完成度である。
0投稿日: 2024.08.16
powered by ブクログ1980年初版とは思えない技術描写と科学的な考察が非常に面白かった。(もちろん現代からすると、ちょっとという部分はあるが、それは小説なので) エピローグ手前のダンチェッカーの一言には恐怖を感じ、非常に印象に残った。
2投稿日: 2024.08.14
powered by ブクログSFの名作を今頃ようやく読む。最近はSFを読むこともなくなって久々手に取る。 一体これはどんな着地を見せるのかと、謎のまま終わるんじゃないかと思っていたら、パタパタとパズルがハマってゆく。
9投稿日: 2024.08.13
powered by ブクログハードSFと言ってよいのでしょうか。 初めてこのジャンルを読みました。 専門的な用語が多数出て来て、調べながら読むとなかなか進まず、ある程度流し読みをしてしまいました。慣れている方には普通のことなのでしょうか。 その手間を差し引いても、話の構成と内容、次々に謎が謎を生む感覚がとても面白い。 出てくる登場人物が仮説を立てては、反論が起こり、またそれに反論を起こし、一体何が起こったのか事実に興味が湧くばかり。 最後にはきちんと驚きの事実も用意されており。読後感も気持ちよく、良い読書体験をさせてもらいました。私のようなSF初心者でも、初め少し我慢すればどんどん引き込まれるスルメ本です。
1投稿日: 2024.08.10
powered by ブクログ再読。常識にとらわれず与えられたピースから論理的にあり得べき可能性を導き出す、という展開は上質なミステリー小説のそれであり、その「謎解き」のカタルシスや完成度という点がSF読者以外からも長年支持されている要因なんだろうなあと改めて感じた。 SF的な側面としては宇宙開発競争が下火になりつつあり、しかし60年代の熱狂を肌で感じながら時代を生きた者が書いた作品、という印象。「月の裏側」や「人類史における進化の転換点」について、考察を重ね、どう”飛躍させるか”という面白さがあり、そこに紛れもないセンス・オブ・ワンダーが乗っている。基本的には、大きな謎に対していくつもの「間違った解答」を提示しながら進んでいくので、ややじれったさもあるのだが、科学的な論拠を重視し続ける登場人物の冷静な態度こそが、本小説に精錬な印象を与えているように思う。 そうして対話と研究を重ねた末に、相容れない者同士がやがて打ち解け、志を同じくする仲間として「チャーリーの謎」にあたっていく姿が今回最も感動した点でした。
5投稿日: 2024.08.06
powered by ブクログ50年くらい前の作品ですが、全く色褪せないハードSF不朽の名作 ジェイムズ・P・ホーガンの著作は初めてで、なんで今まで手を出さなかったのか悔やまれます、ホント 月の起源と生命の進化、人がどこからやってきたのか・・・ 改めて思いを馳せる素晴らしい作品でした
6投稿日: 2024.07.24
powered by ブクログ月面で発見された五万年前に死亡していたとされる死体はこの世界の住人ではなかったというあらすじに読む前からワクワクした。 難しい用語も多く読みにくい部分もあったけど、設定と世界感がとても良くて死体が発見されてからたくさんの研究者たちが知恵を絞って少しずつ謎が解明されていく過程も面白かった。
0投稿日: 2024.07.20
powered by ブクログ途中までは若干読みにくかったがラストにかけての怒涛の展開は読む手が止まらなかった 当たり前を疑うという研究者の心構えを改めて最後に見せられたようなラストだった
0投稿日: 2024.07.02
powered by ブクログミステリチックな冒頭から始まる超濃厚SF。 スターウォーズやマーベルみたいなド派手なSF大戦争という感じではなく、まさに文学としてのSF最高傑作だと思う。まぁ、あんまSF読まんから最高傑作とか言ってもアレだけど… シリーズものの1作目らしいがこの1巻目だけでお腹いっぱいになるぐらい面白いから読んでないやつははよ読め。
0投稿日: 2024.06.21
powered by ブクログSF小説の中では、読みやすい。 話の展開が次々に進んでいき気付いたら読み終えてしまう。 内容はリアリティがあり他のSF小説と比べて説得力がある。
0投稿日: 2024.05.21
powered by ブクログ【感想】 本書は重厚なSF作品であると同時に新しい形のミステリ作品でもある。ストーリーの根幹はSFでありながら、SF特有の「世界の広がりを追体験していく」ような展開にはなっていない。むしろ世界は5万年前に既に完成されており、その完成図に含まれる謎を科学的見地から解き明かしていく。パズルのピースを1つずつ拾って組み合わせる作業が本書のメインであり、そこに生じる妙を楽しむ作品となっている。 殺人事件を扱う普通のミステリであれば、主人公の視点から見た事件の叙述がそのままストーリーとなり、謎を解き開かす鍵は目撃者の証言、死体の状況、遺留品といった「作者が用意した証拠」になってくる。 だが、本書における「謎を解き明かす鍵」は、本書を手に取る前から既に知識として読者のそばに置かれている。それは「基礎的な科学理論」だ。解剖学、分子生物学、遺伝学といった様々な分野の知識が出てくるのだが、その下地となっているのは「定理」である。例えば「ウラン235の半減期は7億年」であり、進化論の原則上「別々の進化の系列がある一点に収れんすることは不可能」である。こうした定理は、地球と同一の宇宙に属しているならば、どんな星のもとであっても不変の事実である。このような動かしがたい理論をフル活用することで、得体の知れない異星人の体構造を確認し、居住環境を推定し、星の位置や形状を仮定していく。そのように刻々と謎を詰めていく様子が、普通のミステリとは異なる知的好奇心をそそられるのである。 また、ミステリである以上、読みながら理屈が合わないところが出てくる。私も「ルナリアンって結局どの星の生物なんだ?」とか「ミネルヴァの場所がなんかおかしくないか?」といった疑問が生じていた。そんなときは普通「登場人物が何かしらの嘘をついている」「筆者が狙って曖昧な叙述にしている」というアタリを付けて、ページを遡ったりする。 だが、本書はそうした仕掛けを「科学のシンプルさと宇宙の複雑さ」に巧みに紛れ込ませ、謎を深めることに成功している。鍵は全て「基礎的な科学」の範疇にあるのだが、読者は自らが住む地球の常識に囚われ続け、複雑なストーリーを勝手に作り出してしまう。定理がある。それは間違っていない。ならば「人類史から見た宇宙の常識」が間違っているのではないか、という発想にたどり着き視点を変えないといけないのだが、これが何とも上手くできないのである。常識に囚われない柔軟な発想がいかに大切か、ということをあらためて知ることができた。 本書のラストにはこの宇宙の種明かしがされるのだが、正直かなり突拍子もない話が待っている。普通のミステリでいうなら「犯人は鍵のかかった部屋の扉を幽霊のようにすり抜けたのだ!」みたいなトンデモな結末だ。だが、こうした荒唐無稽な落ちも本書が「SF」というくくりの中で進行してきたおかげで、意外すぎることなく、逆にスッキリ腹落ちするような読後感を得られる。とてもよく練られた構成だと感じた。 従来のミステリの型に囚われない多面的な一冊。SF、ミステリの両方が好きな人はぜひおすすめである。 ―――――――――――――――――――――――――― 【メモ】 歴史上のこの一時期を通じて、20世紀の置土産だったイデオロギーや民族主義に根ざす緊張は、科学技術の進歩によってもたらされた、全世界的な豊饒と出生率の低下によって霧消した。古来歴史を揺るがせていた対立と不信は民族、国家、党派、信教等が渾然と融和して巨大な、均一な地球社会が形成されるにつれて影をひそめた。すでにその生命を失って久しい政治家の理不尽な領土意識は自然に消滅し、国民国家が成熟期に達すると、超大国の防衛予算は年々大幅に削減された。新しい核爆弾の登場は、要するにいずれはそこに至るであろう歴史の流れを速めたにすぎなかった。軍備放棄はすでに全世界の合意に達していた。 軍備放棄の結果だぶついた資金、資源で大いに潤った活動分野の一つが、急速にその規模を拡大しつつある国連太陽系探査計画(UNSSEP)であった。すでにこの機関が掌握すべき責任事項のリストは厖大なものに脹れ上がっていた。ほんのいくつかの例を挙げただけでも、地球、月、火星、金星、太陽の軌道を回るすべての人工衛星の運行管理、月ならびに火星の有人基地建設とその運営、金星の軌道を回る実験室の打ち上げ、ディープ・スペースへのロボット探査船打ち上げ、外惑星への有人飛行計画の立案と進行管理等々といった具合である。かくてUNSSEPは各大国の軍備縮小の度合いに見合った速度で規模を拡大し、あぶれた技術者や頭脳を吸収したのである。同時にナショナリズムが退潮し、各国の正規軍が解散すると新世代の若者たちはその冒険欲のはけ口を国連宇宙軍(UNSA)の制服勤務の部署に求めた。新しいフロンティア開拓を目指して太陽系を縦横に宇宙船が飛び回る興奮と期待の時代がここに幕を開けたのである。 「第一に、チャーリーはこれまでに建設されたいかなる基地の人間でもないということ。いや……というより」コールドウェルは意味ありげに声をふるわせて、ゆっくりと言った。「現在われわれが知っている世界のいかなる国の人間でもないのです。それどころか、チャーリーがこの地球という惑星以外の住人でないとは言い切れないのです」 「何者であるかはともかく……チャーリーは5万年以上前に死んでいるのです」 チャーリーの種属はどこかで人間型の進化を遂げたのだ。このどこかが地球であるか、ないしは地球以外の場所であることは自明の理である。初歩的な論理の原則から言っても、それ以外の可能性は考えられない。ハントは記憶の底を浚い、地球上の生物の進化を説明する理論について知っている限りのことを思い出した。何世紀にもわたるこの分野の涙ぐましい研究努力にもかかわらず、現在確立されている考え方では説明しきれないものがなお残されているのではあるまいか?数十億年という時間は想像を絶する長さである。不確実性の深淵のどこかで、現代の人類が登場するはるか以前に進化の過程を経験しつくして滅亡した別の人類が存在したかもしれないと考えることはあまりにも馬鹿げているだろうか? 5万年の昔、今ではルナリアンで通っている一群の宇宙人が月面に立っていた。彼らがどこからやってきたかは当面の問題ではない。それはそれでまた別の話である。ちょうどその頃、豪雨のように隕石が降り注いで月の裏側を覆いつくした。隕石は月面にいたルナリアンたちを抹殺したのだろうか? おそらく抹殺したに違いない……しかし、その異変はどこであれもともと彼らが住んでいた惑星には何の影響もおよぼしはしなかったであろう。現在月面にいるUNSAの遠征隊が残らず死に絶えたとしても、長い視野で見れば地球に何の影響も与えはすまい。だとすれば、他のルナリアンたちはどうなったのか? なぜそれ以後掻き消すように姿を消してしまったのだろう?月で起こったことよりも、もっと広範囲にわたる大規模な異変があったのだろうか?その大規模な異変こそが、月に隕石を降らせたそもそもの原因だろうか? 第2の異変が隕石を降らせ、同時に他の惑星のルナリアンたちを絶滅させたのだろうか?それとも、2つの事件は何ら因果関係を持ってはいないのだろうか?いや、そうとは考えられない。 ●解釈 (a)ルナリアン生存期間中ないしはその前後に主として月の裏側において高度に発達した兵器が使用されたと思われる。ルナリアンが戦闘に関与している可能性が濃いが、それを証明する材料は発見されていない。 (b)ルナリアンが戦闘に関与していたとするならば、それはルナリアンの母惑星を巻き込む大規模な宇宙戦争であり、ルナリアン絶滅の原因であると想像される。 (c)チャーリーは月面に孤立した大がかりな探検隊の一員であった。月面にルナリアンが居住していた明らかな痕跡があり、遺留品、遺跡は裏側に集中している。その後、隕石の集中落下によって事実上いっさいの痕跡は抹消された。 はたしてルナリアンとミネルヴァンが同一人種であるか否かという疑問は解決されぬまま、今また新たな謎が加わったのである。ガニメアンはどこから出現したのか?ガニメアンはルナリアンやミネルヴァンとどこかで繋がりがあるのか? 「そもそものはじめからわたしが一貫して主張してきたとおり、古典的な進化論は十全かつ揺るぎないものです。ルナリアンが地球からの植民者であったという考えは結論として正しかったのです。ただし、その結論に至る過程が事実と食い違っていましたが。地球上をいくら捜してもルナリアン文明の痕跡が発見されるはずはありません。もともと地球上にはそんなものはないんですから。それに、人類とはまったく別の進化系統を辿ってルナリアンが出現したという考えも否定されました。ルナリアン文明は、人類および地球上の全脊椎動物と同じ起源から、ミネルヴァで独自に発達したのです。その祖先は、2500万年前に、ガニメアンの手でミネルヴァに運ばれたのです」 ハントは船体側面の各所に設けられた展望ドームで多くの時間を過ごした。1つだけ彼がよく知っているもの、すなわち太陽を見つめているうちに、ハントは少しずつ自分の存在に加えられつつある新たな大きさ、深さを理解するようになった。太陽の永遠の輝きや、生命の源泉であるつきることのない温もりと明るさは彼に安心感を与えた。ハントは古代の航海者たちのことを思った。航海術が未発達であった頃の船乗りは決して陸地が視界から消えるところまでは行かなかった。彼らもやはり、安心立命の拠りどころを必要としていたのだ。しかし、遠からず人類は未知の深淵に舳先を向け、銀河系外星雲へ渡ろうとするであろう。そこには彼らに安心を与える太陽はない。島宇宙に至る途中の海には星一つない。銀河系宇宙自体、無限の空間の中ではぼんやりとした影の薄い存在でしかありはしないのだ。 その深淵の果てにはいかなる未知の大陸が待ち受けているだろうか? 今からおよそ2500万年の昔、ミネルヴァの大気中の二酸化炭素濃度が急激に高まったのだ。何らかの自然現象によって岩石の化学組成中のガスが放散されたか、あるいは、ガニメアンの活動に何かそのような現象を惹起するものがあったのであろう。ガニメアンが異星生物の種をそっくり移入した理由もこれで説明される。その最大の目的は、二酸化炭素を吸収し、酸素を生成する植物で惑星を覆い、大気のバランスを回復することであったに違いない。動物はエコロジーの均衡を維持し、植物の成長を助けるために狩り出されたにすぎまい。しかし、この試みは失敗に終わった。惑星固有の生物は新しい環境に適応できなかった。そして、抵抗力のある異星生物が競争相手のいなくなった新世界で盛大に繁殖したのだ。 「論理的に考えて、2つの月が実は同じものであったとする以外に説明はあり得ません。われわれは長い間、ルナリアン文明は地球で進歩したのか、それとも、ミネルヴァで進歩したのか、その答を捜し求めてきました。しかし、今わたしが述べたところから、それがミネルヴァであったことは明らかです。われわれは、まったく相矛盾する2通りの情報群があり、一方を取ればルナリアン文明は地球で進歩したことになり、今一方によればそれが否定されると考えてきました。これは、データの解釈の誤りです。それらの情報は地球について語るものでもなく、ミネルヴァのことを伝えるものでもありませんでした。それは、地球の、もしくは、ミネルヴァの「月」に関する情報だったのです。一部の事実はわれわれに地球の月 について教え、また別の事実は、ミネルヴァの月を指し示していました。まったくそれとは意識せずにわれわれが2つの月は別のものであるという考えに執着している限り、この並立する事実の矛盾は決して解消し得ないのです。しかし、厳密な論理のしからしめるところとして、われわれが2つの月は同一であるという考えを導入する時は、あらゆる対立矛盾背反はたちどころに雲散霧消するのです」 「星を失った月がどのくらいの期間太陽に向かって移動を続けたかはわかっておりません。何か月か、あるいは何年にもおよんだかもしれません。それはともかく、ここで自然界にままある、万に一つの偶然が働きました。月の太陽に向かって接近してゆく道筋が地球の傍を通ったのです。地球は時間のはじまりからその時までずっと、孤独に太陽のまわりを回り続けていました」 「そうです。くり返して言いますが、地球はそれまで孤独だったのです。おわかりと思いますが、わたしの考えに従って、われわれに許された唯一の可能な解釈を取るならば、その解釈から導き出される結果も受け入れないわけにはいきません。つまり、この時点、今からかれこれ5万年前まで、惑星地球には月がなかったのです。2つの天体は互いの重力場が重なり合ったところで綱引きを演じました。そして新しい共通の軌道に安定して、以来今日まで、地球は宇宙の孤児であった月を自分の衛星として、あたかも親子のような関係を保ってきたのです」 「きみは頭からそう決めてかかっているんだ……皆そう思い込んでいる。習慣的にそう思っているんだよ。人類は歴史を通じて、一貫してそう考えてきた。まあ、無理もないがね。人間が地球で育ったことを疑う理由は何一つありはしなかったのだから」 ダンチェッカーは肩をそびやかし、まじろぎもせず一同を見渡した。「ここまで来れば、もう見当はついているのではないかな。わたしはね、これまでに検討した証拠から、人類は地球上で進化したのではない、と言っているのだよ。人類はミネルヴァで進化したのだ」 「結論から言って、彼らはその試みに成功したと考えないわけにはいかない。氷河期の苛酷な世界に降り立った彼らがその後どのような体験を重ねたかは、しょせん知る由もないだろう。が、以後何代もの間、彼らが滅亡の瀬戸際で細々と生き続けたであろうことは充分想像できるね。彼らは知識や技術をことごとく失ったに違いない。しだいに彼らは原始人の生活に立ち帰った。4万年あまり、彼らはただ生存競争を戦い続けたのだ。そして、彼らは生き延びた。生き延びただけではない。彼らは地球に根を降ろして、子孫を殖やし、やがて広い地域に住み着いて栄えるようになった。現在、彼らの子孫は、彼らがかつてミネルヴァを支配したと同じように、この地球を支配している……諸君や、わたしや、他の全人類だ」 「人間が地球上の他の動物となぜこうも違うのか、諸君は一度でも考えてみたことがあるかね?脳が大きいとか、手先が器用であるとか、その種の違いなら誰でも知っている。いや、わたしが言いたいのは、もっと別のことなのだよ。たいていの動物は、絶望的情況に追い込まれるとあっさり運命に身を任せて、惨めな滅亡の道を辿る。ところが、人間は決して後へ退くことを知らないのだね。人間はありたけの力をふり絞って、地球上のいかなる動物も真似することのできない粘り強い抵抗を示す。生命に脅威を与えるものに対しては敢然と戦う。かつて地球上に人間ほど攻撃的な性質を帯びた動物がいただろうか。この攻撃性ゆえに、人間は自分たち以前のすべてを駆逐して、万物の霊長になったのだ。人間は風力や河の流れや潮の動きを制御した。今では太陽の力をさえ手懐けている。人間は不屈の気概によって海や空を征服し、宇宙の挑戦を受けて立った。時にはその攻撃性と強い意思とが歴史に血塗られた汚点をしるす結果を招くこともあった。しかし、この強さがなかったら、人間は野に放たれた家畜と同様、まったく無力だったに違いないのだよ」
47投稿日: 2024.05.20
powered by ブクログちょっと読みにくいけど面白かった。 先人から引き継いだ諦めない精神と新たに学んだ平和的解決。私達も忘れずに生きていきたいです。
0投稿日: 2024.05.06
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
始まり方がワクワクするし、これが随分昔の作品とは思えないほどの内容。 終わり方も好き。 ただ、続編は読まない。この単作で終わった方がすっきりすると思うから。
0投稿日: 2024.04.24
powered by ブクログ何でもっと早く読んでなかったんだろ? 面白かった。 マクロスはこれも発想の一つになっていたのだろうなあ。 展開は、この作品以降のものを知っているからか、少し読めてしまうのが残念。 それと、アメリカのドラマや映画のようにエピローグが、人気が出たなら続編、となっているのには民族性を感じてしまう。
9投稿日: 2024.04.23
powered by ブクログジェイムズ・P・ホーガン(1941~2010年)は、英ロンドン生まれ、工業専門学校で5年間、電気工学・電子工学・機械工学を学んだ後、いくつかの企業で設計技術者・セールスエンジニアとして働き、DEC(ディジタル・イクイップメント・コーポレーション)に転職して米ボストンに移住。1977年、仕事の傍ら書いた『星を継ぐもの』でデビューし、その後、作家専業となり、フロリダ、カリフォルニアに移住、晩年はアイルランドに暮らした。 その作風は、科学技術(天文学・物理学・化学・数学・工学技術等)の正確で論理的な描写と、それらの科学知識に裏付けられた理論上可能なアイデアを中心とする、いわゆる「ハードSF」に分類される。 処女作である本作品は、科学の理論とは実証に基づかなくてはならず、理論と現実に齟齬があるなら、尊重されるべきなのは現実であるという、ホーガンの科学に対する姿勢を反映した、典型的なハードSFである。続編の『ガニメデの優しい巨人』、『巨人たちの星』を併せて「巨人三部作」、更に、『内なる宇宙』、『Mission to Minerva』(未訳)までの5作で「巨人たちの星シリーズ」と総称されている。 私はよく本を読む方であるが、専らノンフィクション系の本で、SF(と言われるジャンル)でこれまで読んだものは、『2001年宇宙の旅』、『日本沈没』、『復活の日』くらいなのだが、SFファンから圧倒的な支持を集めるといわれる本作品はずっと気になっており、今般読んでみた。 そして、読み始めたら最後、一気に読み切ってしまった。 物語は、月面で5万年前の人間の遺体が発見されたところから始まり、物理学、生物学、言語学をはじめとする、あらゆる学問を動員して調査が行われる中で、新たな事実が次々と明らかになり、仮説が作られては、否定されていくのだが、最後には、その「5万年前の人間の遺体が月面にあった」という、あり得ないと考えられた事実が矛盾なく説明されるのだ。半世紀近く前の作品ではあるが、専門知識を持たない読者からすれば、その科学的説明にも特段の違和感はない。 創元SF文庫最大のベスト&ロング・セラーの評判に違わない傑作といえるだろう。 (2024年4月了)
5投稿日: 2024.04.23
powered by ブクログ実に面白いお話です。今からもっと未来の話。月で一人の死体が見つかります。とはいっても、ミステリーではありません。問題を解くのも探偵ではありません。この死体は大昔の死体ですが、この死体はどのような過程でここにあるのかというのが科学者達に与えられた問題となるのです。この死体を通じて宇宙や歴史の謎を紐解く小説です。
0投稿日: 2024.04.19
