
総合評価
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powered by ブクログ美しい。しんどい。 皆実さんの抱く罪悪感。助けられなかった。生き残ってしまった。 「嬉しい?」 「十年経ったけど 原爆を落とした人はわたしを見て 『やった!またひとり殺せた』 とちゃんと思うてくれとる?」
0投稿日: 2025.11.17
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
・夕凪の街…上げて落とされてまた上げて落とされた。皆 実はこんな感じで幸せって思うたびに八月六日のこと を思い出して突き落とされてきたんだなって。 ・原爆症ってこんなふうになって最終的に死んじゃうんだ ってことを初めて知った。「この世界の片隅に」のすず さんのの妹も寝込んでる場面しか見なかったけどあの 後こうなっちゃうんだって悲しくなった。 ・昭和二十年に亡くなった人の名前がお墓にたくさん彫 られていた。 ・「この世界の片隅に」のときも思ったけど、こうのさん の作品の中の恋愛とかちょっとした会話とかが好き。
2投稿日: 2025.10.20
powered by ブクログ星3.5 近くの美術館で「こうの史代展」を開催していたので、新聞に毎日記事が載り、初めてこの作家さんを知った。 広島で被爆した人々や、その子孫たちの日常を描く。原爆は残された人たちにも、長年にわたって暗い影を落としていくのだなあ。
14投稿日: 2025.06.16
powered by ブクログ絵が心地よく、じーんと温かい気持ちになる短編3本の漫画。広島で被爆をした人たちに焦点をあてて書いてある。被爆直後のこと、そこから10年経ってからの生活への影響、さらには現代のことまで、時代が移り変わっていく。被爆者差別などリアルだった。 最後の短編は少し分かりづらくて何度か読んだ。一般人でたまたまそこにいて被爆をした人々の生の経験や感じていることを知って、切ない気持ちになった。
0投稿日: 2025.06.10
powered by ブクログ『こうの史代 鳥がとび、ウサギもはねて、花ゆれて、走ってこけて、長い道のり』を読んで、この作品に込めた想いを知った上で、再読。 この作品を初めて読んだときは、まだ高校生だったが、大人になった今、読んでみると、余計に胸にくるものがあった。 2025年の今、遠い昔の話のように感じてしまうけれど、まだ祖父母・曽祖父母の生きた時代だと考えると、近い。 あの日から続いてきた日々の延長上に、今の私の生活があるのだと実感がわいてきた。 見ない、知らないことにしようと思えばできてしまうけれど、「それで本当にいいの?」と語りかけてくる漫画だった。
9投稿日: 2025.06.05
powered by ブクログなんとなく戦争、原爆の話とは知っていて初めて手に取ってみた。 可愛らしい絵で、ヒロシマ、ナガサキまではなくて ただ、アメリカや他の国も 本当に戦争を終わらせようとした?とか、 原爆の人体実験したかっただけじゃなくて? 原爆を今も作っている、関わる人達、関わってきた人達に、今も戦争を止めない人達に読んで欲しい。 皆実の いまだにわけが わからない わかっているのは「死ねばいい」と誰かに思われたということ 愛しかった都市のすべてを人のすべてを思い出し すべて失った日に引きずり戻される 嬉しい? 原爆を落とした人はわたしを見て 「やった!またひとり殺せた」 とちゃんと思うてくれとる?
0投稿日: 2025.02.25
powered by ブクログおすすめ。 #漫画 #広島原爆 #切ない #苛酷 #考えさせられる https://naniwoyomu.com/46031/
2投稿日: 2025.01.19
powered by ブクログ海に眠るダイヤモンドで、百合子も苦しんでいたけれど、あまりにも悲しい。子どもたちや若い人たちに、こんな思いをさせてはいけない。戦争なんてしてはいけない。勝ち負けではない。戦争を決断した人にも、大切なひとはいるはずなのに。表紙がきれいだけど、主人公らしき人が靴を脱いで裸足で歩いているのはなぜ?と思ったら…あと、弟が、そうか…お父さん認知症かと心配したら…そうか…優しい人ばかりで、悲しみが際立つ。作者さんの思いを受け止めることしかできない。永く読まれてほしい。
0投稿日: 2025.01.13
powered by ブクログこの作品は原爆投下された広島にあった平野家の人々について、三部構成で描いたコミックです。ページ数は少なくあっという間に読み切れてしまいますが、でも内容は軽々流せるものではありませんでした…。読んでいて、つらくてキツイんですが…しっかり読みたいと思わせてくれる作品です。 「夕凪の街」:原爆投下から10年後の広島、母と暮らす皆実が主人公。弟の旭は疎開していて、被爆は免れたがその後もそのまま遠く離れた地で養子に…。皆実は母との生活を守るため、倹約し必死に働くながらも、職場での恋愛も経験するが…。このまま幸せに過ごしていいものか、周りでは沢山死んだ人がいるのに…と悩み、葛藤する中、自身も病に伏すことに…。 「桜の国(一)」:昭和62年の東京、皆実の弟である旭と広島から呼び寄せた母のフジミ、旭の子である七波と凪生は一緒に生活している。旭は仕事で忙しく、フジミは喘息で入院している凪生の病院に行くことが多く、七波は一人で過ごすことも多かったが、快活で野球好きな女の子に育つ…。フジミの体調も思わしくなく、病院で検査を受けたのだが…。 「桜の国(二)」:平成16年、大人になった七波が、凪生の恋人で幼馴染の東子と、旭を追って広島に…。旭には広島で京花と女性に巡り合い、結婚していた過去があった…。 原爆投下から何年たっても、被爆したらいつ病気が発症するかわからず不安な日々を送ることになるし、結婚するとなれば大丈夫なの??と差別と偏見の目にさらされる現実…。「夕凪の街」のラストの皆実の気持ち、『原爆を落とした人はわたしを見て「やった!これでまた一人殺せた」とちゃんと思うてくれとる?』を思うと、切なすぎて泣きそうになります…。いつまで続くともわからない負の連鎖、これも目をそらしてはいけないことですよね。戦争はいけないことです、悲しむべきことで、延々と続いていくのです。今後被爆するような国がないよう、祈りたいです。
61投稿日: 2024.08.20
powered by ブクログ原爆(ヒロシマ)を題材にした漫画ですが、原爆投下やそれにともなう惨劇そのものを描いているのではなく、「原爆後」の広島や、そこで暮らした人たちの家族(子・孫)がの視点から見た「ヒロシマ」が描かれています。 戦後79年が経ち、直接被爆した人の多くが亡くなっている(そしてそう遅くないうちに戦争を経験した世代の方がいなくなる)現在において、被爆者やその家族がどのような思いを抱えて生きていたのかを語るこの作品は、『はだしのゲン』のような「原爆の悲惨さ」をダイレクトに伝える作品よりも読者に訴えるものが大きいかもしれません(もちろん、『はだしのゲン』は(その「政治的な主張の強さ」に対する賛否はあるにせよ)名作ですが)。
4投稿日: 2024.06.06
powered by ブクログ読み出すと…息を吸うのを忘れ…ただただ幸せを願う気持ちになる。 年月が過ぎると表面ばかりが残る…忘れてはいけないのは中身である。 一瞬に当たり前がなくなり蓋をされ無理やり消されそうになる。蓋を外して捨てて光をあてないといけないものもあるのだ。 何度も読み返す必読本。 ぜひ〜
14投稿日: 2024.05.21
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
「この世界の片隅に」は、大好きな作品で色々な奇跡によって片渕監督の映画とともに百年後も残る金字塔と(本気で)思っているが、こうの史代先生を知ったのはこの作品だった。きっかけは忘れてしまったが、多分何かの書評コメントを見たのだと思う。 「夕凪の街」の皆実は、被害者のはずなのに10年経っても生き残ったという罪を背負って自身の幸せを拒否し、ようやく受け入れる気持ちになれた時に悲しい結末となってしまう。 続く「桜の国」では、戦中の直接的な被害だけでなく、普段はつながりを感じない現代まで親兄弟、子孫にも原爆の影響を描いており、すごいと思える作品で、単純に泣けるだけではなく色んなことを考えさせられる。反面すごく重い作品。 なので、「この世界の片隅に」コミックスが出たのは知っていたけどなんとなく避けてしまっていた。映画が上映されると口コミがすごくて背中を押されるように観に行き、冒頭の感動を受けて、すぐに原作を買って読みました。 たまたま山田玲司(漫画家さんです。こうの先生の2つ上と言っていたので自分と同学年かも)がこうのサンにヒロシマを描かせたアクションの編集者にこそノーベル平和賞をと言っている動画を見たが、本作のあとがきに出てくる双葉社の染谷さんがその方なのか。あとがきにこうの先生が真摯に語っているが確かにそれも奇跡の一つなのかも知れない。この世界〜の言及の方が多いくらいになってしまったが、本作は短くて装丁も薄いけど内容は色んな意味で重い。今回読み返して残ってた帯に「文化庁メディア芸術祭 マンガ部門 大賞受賞」とあり、さもありなん。
0投稿日: 2024.03.19
powered by ブクログこうの史代著『夕凪の街桜の国(アクションコミックス)』(双葉社) 2004.10発行 2018.2.4発行 世界で唯一の被爆国と言われながら、核の傘の下で平和を謳歌する日本人。知ってか知らずか。世界の人々はそんな日本をどう見ているのか。日本は核兵器禁止条約に反対票を投じた。折り鶴は日本から飛び去ってしまったのだろうか。何度夕凪が終わっても、物語は終わらない。桜の本当の美しさに気づくためには、過去をしっかりと見つめて、未来に繋げることが大切なはず。あの戦争を乗り越えたからこそ私たちが存在していることを忘れてはならない。35ページの空白に何を描くかは私たちにかかっている。七波が弟に引き継いだように。 URL:https://id.ndl.go.jp/bib/000007518069
2投稿日: 2023.01.10
powered by ブクログ広島に投下された原爆に振り回された人達。深く身体や心に影響を受け、差別もされながらも生きていく。絡まる人生を丁寧に描いた素晴らしい作品。
0投稿日: 2023.01.08
powered by ブクログ広島という地が持つ傷はいくら時間が経っても消えないんだなと思う。殺してもいいと思われた自分。なぜ生きているのか。家族を作ってもいいのか。笑顔の下の絶望。でもそれでも命は繋がっている。懸命に生きるしかない。知ることができてよかった。もう本当にやめようよ。どうにかどうにか少しずつでもどうにかしていかないと、人間たち。
0投稿日: 2022.07.17
powered by ブクログ「夕凪の街」の原爆がトラウマで終わらないラストは、衝撃だった。 原爆を落とした人はわたしを見て 「やった! またひとり殺せた」 とちゃんと思うてくれとる?
0投稿日: 2022.06.28
powered by ブクログ私の中で、何度も戦争はいけないことだと思っていたが、ここまでそれを強く思わせてくれた作品はありませんでした。また、私の思いが、実は遠い過去の出来事であることから、逃げていたことも実感いたしました。 「夕凪の街」を読んで、想像を絶する恐ろしさを感じ、一瞬でも読まなきゃよかったと思った自分に不快感を抱きながらも、「桜の国」を読んだ後は、少し落ち着いて、あれこれ思いを巡らせる自分がいました。 原爆投下については、自然現象ではなく、あくまで人間が引き起こしたものであることを再実感したときの絶望感は、なんとも筆舌に尽くしがたい、哀しくてやり切れないものがあり、生き残った人たちも、それの影響を間接的に受けて生きていかなければいけない思いは、如何ばかりだったのだろうか。それを、この作品では、登場人物たちの一見、明るい雰囲気を見せながらの、内面での葛藤や思いを吐露する形で、教えてくれます。 ただ、その後の世代における辛い中でも、ささやかな和みや幸せを感じさせたエピソード(特に、七波の両親の結婚へのやりとりは涙ものでした)や、ヒロシマとの向き合い方には、家族という、思いを受け継いでゆくものの生きる姿を、まざまざと見せられた思いでした。 以下、印象に残ったというか、心に刻もうと思ったフレーズを掲載しますが、ネタバレを気にされる方はご注意下さい。 誰もあの事を言わない いまだにわけがわからないのだ わかっているのは 「死ねばいい」と誰かに思われたということ 思われたのに生き延びているということ 嬉しい? 十年たったけど 原爆を落とした人はわたしを見て 「やった! またひとり殺せた」 とちゃんと思うてくれとる? あんた被爆者と結婚する気ね? 何のために疎開さして養子に出したんね? なんでうちは死ねんのかね うちはもう知った人が原爆で死ぬんは見とうないよ 母からいつか 聞いたのかも 知れない けれど こんな風景を わたしは知っていた 生まれる前 そうあの時 わたしは ふたりを見ていた そして確かに このふたりを選んで 生まれてこようと 決めたのだ
15投稿日: 2021.10.10
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
本当は、誰かにお薦めするなら『この世界の片隅』より、こちら。 広島の原爆で被爆して、すぐに命を落とすことなく日々を過ごし、一見すると平和な生活をしてきて、自分は「生き残った」と思っていたのに、ある日、その地獄の扉が開いてしまう…。 原爆の怖さは、そこだ。 助かったと思ったのに、体の中には毒が潜んでいる。少しずつ、少しずつ、命そのものを蝕んでいく。 原爆を落とした人は、そんなふうに少女が何年後かに命を落としているのを知ってくれるだろうか。また一人殺せたと、喜んでくれているのだろうか? それは今も続く。 その人が大人になり、次の世代、さらに次の孫の世代になっても、放射能で苦しみ続けていることを、本当に喜んでくれているのだろうか。
3投稿日: 2021.08.06
powered by ブクログぜひ、みんなに読んでもらいたい本です。優しい絵柄からは想像できない、心が切り裂かれるような描写から、戦争の悲惨さを、語ってくれている気がします。
1投稿日: 2021.07.28
powered by ブクログのんびりとした空気の中進む物語に、すごくリアリティがあって、悲しかった。先の大戦での悲劇が、今後二度と繰り返されないことを切に願います。もう、当時を知る人は本当に少なくなっていて、語り継ぐことはむつかしいと思うけれど、こういう物語をとおして、次の世代の何人かでも忘れないでいてくれたらと思います。
3投稿日: 2021.03.17
powered by ブクログ第二部の主人公の明るさと前向きさ、父親のとぼけたさまがなんとも良い。作品中で断片的に描かれるこの父親の物語こそが、静かで真摯なお話の真ん中にある。
3投稿日: 2021.02.19
powered by ブクログ著者の略歴の箇所の「趣味は図書館通いと、カナリアの<たまのを>を腕にとめて夕焼けを見せてやること。」っていうの素敵だなぁと思った。 <たまのを>という名前がなんか凄い。
2投稿日: 2020.12.27
powered by ブクログヒロシマタイムラインを見ていて、8/6のその前と後も時間は流れている、当たり前のことを今更知った。賛否両論あるけれど、私には戦争への関心を持たせてくれて、何年か前に読んだきりだったこの漫画が気になってまた読んでみた。以前読んだときは構成があまり頭に入ってこなかったのだけど、今回はなんだかスッと入ってきた。差別はずっと続いていて、苦しみもその日では終わらない、残酷さやその日の惨状も思うと人間や生きることに絶望しそうだけど、それでも生活していく人達に勇気をもらえる。
1投稿日: 2020.08.22
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
そうだよ日本人同士だって、こんなに酷い差別をするんだよ。被害者を責める、忌避する。 あれから何十年も経ってるのに、人間は一体何をやっているんだろう。(2020-06-07L)
0投稿日: 2020.06.07
powered by ブクログ映画版がなかなかの佳作だったので、衝動買い。正直、映画版の方が感動出来た。肝心なところで曖昧な描写に終始していて分かりにくい構成になっているのが、とても残念な気がした。
0投稿日: 2020.03.02
powered by ブクログ原爆にあった平野皆実23歳。母も原爆にあった。姉は原爆の2ヶ月後に死に、弟旭は疎開していた。 皆実は恋人をつくらず、原爆後遺症により10年後に亡くなった。 石川七波は、看護師の幼馴染東子と父の後をつける。父は広島を回っていた。父は、原爆後に広島に戻り、母と住み、そこに出入りしていた娘太田京花と結婚。七波と息子凪生を生んだのち、血を吐いて死んだ。息子も喘息がある。これが原爆のせいかは分からない。凪生は医者だが、看護師の東子との結婚を東子の家族から反対されていた。 父は石川旭、平野皆実の弟だった。
0投稿日: 2020.01.31
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
昭和30年、原爆が落とされてから10年後の広島、被爆した皆実の目線で描かれる葛藤と苦しみ。しあわせを感じるとき、死んでいった人たちのことを思い、死なずに生きている自分に引け目を感じてしまう皆実。恋をしても「お前の住む世界はそちら側ではない」と責める声に苛まれる姿が切ない。やっと生き残ったのに、どれほどの罪悪感に苛まれなければならないのか。 そして、被爆から10年後の死。 『原爆を落とした人はわたしを見て「やった!これでまた一人殺せた」とちゃんと思うてくれとる?』臨終のとき、消えゆく皆実の意識に浮かんだ言葉に胸が締め付けられる。 皆実の50回忌の年、被爆2世の背負う悲しみが描かれる「桜の国」。まだ見ぬ後遺症への懸念から立ち消える縁談。生き残った者たちは何故死ななかったのかと罪の意識に苛まれ、彼らから生まれた者たちは、いつ死ぬかも知れぬと避けられる。戦争は終わっても、彼らの苦しみは続いている。 この作品には、これまでとは違った戦争の姿が描かれている。広島に育ち、8月6日は毎年黙とうを捧げてきた私でさえ、被爆者や2世、3世の苦しみは理解できていなかったとしんとした気持ちになりました。 頁数も少なく、あっという間に読めるコミックだけど、深くて、重くて、毎年読み返すことになるだろう作品です。
2投稿日: 2019.08.06
powered by ブクログ女性作家らしいライトな画風とコンパクトなボリュームで、重くなりがちな題材ですが、読みやすくて良かったです。
0投稿日: 2019.07.28
powered by ブクログ2019/06/25 広島、原爆、戦争 こうの史代さんのやわらかい絵でも なぜかひんやりとした空気はそこにあるわけで 反戦とかそういうのではなく、ただ そういう事実があった ということを ひしと感じる本でありました。
0投稿日: 2019.06.28
powered by ブクログ『この世界の片隅に』の作者の作品なので読んでみました。原爆投下後の広島に生きた平野家の人たちを中心とした物語(ヒストリー)。『夕凪の街』は原爆から10年後の昭和30年の広島が舞台。職場の同僚との語らいや淡い恋…しあわせを感じる瞬間にも原爆での記憶が蘇り、過去に引き戻されて苦しむ皆実。原爆による痛みは彼女の心のみならず、やがて身体にも及んで…。 『桜の国(一)』は昭和62年の東京が舞台で皆実の弟旭の娘、七波が主人公。野球が大好きなおてんば娘で健康そのものだが、弟凪生は喘息持ちで入院しており、祖母(皆実の母)も体調がすぐれずその病院で検査を受けていた。 『桜の国(二)』は平成16年。大人になった七波が父旭の後をつけて広島を訪れる。 七波の手から舞い上がる紙吹雪が桜の花びらに重なって、父旭と母京花の若き日へとオーバーラップしていくシーンが美しい。桜の花びら一枚一枚が、散っていった人々の命を連想させるような気がする。 運命の大きな渦に抗えない人間の儚さ、悲しみを感じつつも、そんな中でも受け継がれていく人々の思いや命の輝きをも感じられる、余韻の残る物語でした。
3投稿日: 2018.11.03
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
広島と東京を舞台に時代をまたいで物語がすすむ。原爆投下後十年の広島。原爆バラックで生活する平野皆実は勤務先の打越から好意を寄せられたが、原爆投下時の惨状を見た皆実には、自分が幸せになる姿が見えなかった。そして皆実の体にも原爆症の症状が現れだし、皆に看取られながら亡くなった。皆実の弟の旭は喘息がひどいので小さいころから水戸の親戚に疎開していた。そして旭が大学に行くために広島の母の所に移ってきたが…。
0投稿日: 2018.10.29
powered by ブクログ夏に放映されていたドラマを観たのがきっかけで、購入して読んだ。 『この世界の片隅に』とはまたちょっと違った、一人の女性の物語からはじまる、広島と原爆をめぐる家族のつながりを辿る旅のようなお話。 何か大きな決断を迫られるとき、人は自分がいったいどんな存在なのか、確認したくなるのかもしれないな、と思った。様々な人の人生と思いの上に今がある。 時々確認することで、自分を愛しく思える。 その確認作業の大切さを、この本はそっと教えてくれる。
2投稿日: 2018.10.26
powered by ブクログそれは本当にあったこと。ヒロシマで被爆して亡くなった女の子、その兄弟と子供、生き抜いた母。三代の物語を描く。とても薄い本です。でも、その中に語られる物語はとてつもなく分厚い。そして、決して重苦しい筆致ではないところが、読者としては救われます。
0投稿日: 2018.10.12
powered by ブクログ『この世界の片隅に』を読んだ後に読みました。描かれたのは、『この世界の片隅に』よりも前のようですが、『この世界の片隅に』のエピローグ的な時間軸の話です。 広島や原爆の話は、日本人であれば誰しも学校で教わりますが、本当に「知っている」かと言えば、疑問があります。 「あとがき」に書かれているように、広島以外に住んでいる人や、広島にいても身近でない人にとっては、それは「よその家の事情」だったと思います。私自身も、今までの人生で関わることはなかったので、実際に他人事でした。 しかし、世界の中で見た時、日本人として、唯一の被爆国の住人として、それは知っておくべき物語だと思いました。 特に、原爆が落とされて何年も経ってから始まる物語もあります。 本作品としては、『この世界の片隅に』よりも前に描かれていることや、ボリュームも少ないことから、日常の風景やストーリーの描き方としては、若干、『この世界の片隅に』の方がよい気がしました。 それでも、「夕凪の街」と「桜の国」の関係や、人間一人のどうしようもなさなど、「社会」の中で生きる人間が「世界」と直面した時の体験が伝わってきます。 日本人であれば、『この世界の片隅に』と合わせて読むべき本だと思いました。
5投稿日: 2018.10.08
powered by ブクログ夕凪の街 桜の国 こうの史代 ページ数はとても少ないのに、とても心揺さぶられる作品です。戦後のお話。舞台は広島。 どこにでもありそうな戦後の風景と日常。 主人公、平野皆実は密かに想いを寄せる職場の同僚がいた。相手も皆実に気を寄せていたが、10年前の体験から自分は生きていい人間なのか。自分だけが幸せになって良いのかと苦悩する。 そんなある日、皆実に訪れた現実とは… 桜の国 二部構成。 こちらは戦後数十年経ってからのお話。 今もどこかの家庭で、そして出会いで、起きているだろう事を描いた心打つ作品。 漫画とはいえ決して薄っぺらいものではない。むしろ余白を残しているからこそ、読む人の想像をかき立てる作品ではないかと思います。 「この世界の片隅に」で有名となったかもですが、こちらの作品も私たちに戦争・原爆というものを考えさせる作品の1つだと思います。
3投稿日: 2018.09.09
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
夏休み中に、アジア・太平洋戦争の戦争についての研修を受けてきて、この本を講師の先生が勧めてたので、購入しました。 戦争が終わって10年後のお話です。 戦争真っただ中の街の様子や、軍人の話はいろいろ読みましたが、こういう切り口の話は今まで読んだことなかったです。 被爆体験した女性のお話ですが、言葉がすごい突き刺さります。 「ぜんたい この街の人は 不自然だ 誰もあの事を言わない いまだにわけが わからないのだ わかっているのは「死ねばいいと」 誰かに思われたということ 思われたのに生き延びているということ そしていちばん怖いのは あれ以来 本当にそう思われても仕方のない 人間に自分がなってしまったことに 自分で時々 気づいてしまう ことだ」 戦争の悲惨さや辛さだけで苦しめられるのではなく、罪悪感にも苦しめられるという、どうしようもない悲しさが胸に迫ります。事実を知って、想像することの大切さを改めて感じました。
1投稿日: 2018.08.27
powered by ブクログ「この世界の片隅で」が佳作だったのでこちらも手にとってみました。 こちらも原爆絡みの作品ではあるんですが、戦中(後)、70~80年台、現代の3つの時間で書かれており、時代の継続性というのを改めて感じさせられました。 重いテーマを扱いながらコメディを含ませて軽く仕上げているところはさすがこうの先生というところでしょうか。
2投稿日: 2018.08.25
powered by ブクログ『この世界の片隅に』を読了後すぐに本書を読む。大きく3つの時代に分けて描かれているが、どれも原爆の被害を被った広島の人々、特に原爆症とそれに対する偏見に苦悩する人々を切なく描く。原爆投下から10年後の皆実が生き、そして死んでゆく世界。昭和62年、平成16年の物語では皆実の弟・旭が育んだ家族も、被爆二世として苦しんでいる様子が伝わってくる。
1投稿日: 2018.06.30
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
映画「この世界の片隅に」の原作者こうの史代が被爆者をテーマに描いた作品。 こうの史代の絵柄は柔らかく優しいタッチであるが、人々の心の陰影も鋭く描き出されている。 その為、登場人物達の苦しみや悲しみがより深く心に突き刺さってくる。 夕凪の街 この作品は、原爆が投下されてから10年が経過した広島で慎ましく懸命に生きている若い女性、皆実が主人公である。 ほのぼのと優しい絵柄だけに、彼女が経験した壮絶な体験が語られるときその恐ろしさが際立つ。 彼女は幸せを掴みかけるが、原爆の後遺症により亡くなってしまう。 本当に悲しい物語であった。 被爆した方々の癒すことのできない心の傷と、いつ発病するかわからない恐怖を抱えて生きていかなければない苦悩を感じた。 桜の国 夕凪の街の主人公の弟旭の娘七波が主人公である。 舞台は現代で、家族に内緒で広島に向かう父を尾行する七波のお話。 現代から過去の回想シーンへの移行が情緒豊かで本当に美しいと感じた。 皆実と七波がよく似ているのが、この物語に何か特別な意味を与えている気がする。
2投稿日: 2018.04.21
powered by ブクログヒロシマ・ナガサキ。。。忘れてはならない記憶。それでも一生懸命(時には軽やかに)生きる人々。もっと何回も読み返したいと思った。
4投稿日: 2018.02.14
powered by ブクログ映画公開当時に、映画を見終わってすぐ読みました。 学校で“戦争”について長年教えられてきて、戦争はいけない!と考えてはいるけど、心のどこかで「じいちゃんばあちゃん達の時代のこと。遠い時代のこと」と思っていて、自分と距離が離れていた。 けれど、この作品を観て読んで、この時代に自分と同じ世代の女性たちがいたこと、自分たちと同じように生活していて笑ったり悩んだり誰かを想っていたことに気づかされました。 当たり前のことなのに気づいてなかった。そのことに、頭を殴られたような衝撃でした。 そして戦争で奪われたものの大きさや苦しみを、今までよりもリアルに想像することができました。それが今もなお続いていること、決して遠い時代のことではないことも。 大切な一冊です。
0投稿日: 2018.02.12
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
《嬉しい? 十年経ったけど 原爆を落とした人はわたしを見て 「やった!またひとり殺せた」 とちゃんと思うてくれとる?》 ずんって重い。 苦しいなぁ。
0投稿日: 2018.02.05
powered by ブクログ2016.10/21 戦争コミックの名作との書評より。広島原爆のあと生きた者たちの、苦悩を抱えながらもそれを隠して生きる姿が悲しい。
0投稿日: 2018.01.09
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
「この世界の片隅に」の著者。 絵でわかるね。 「この世界~」の4年前に出版されていたこと、知らなかった。 ここから、著者の思いは「この世界~」へと流れていくのかな。 物語の時間と逆だ。このお話は戦後だからね。 「この世界~」を読んだ時も、正直言って「なんだこれ?」という感情が最初だったけど、「夕凪~」もそう。 修学旅行で行った広島、見学した原爆ドーム、映画や絵本で見て、聞いて、 知っているはずの戦争が、 急に身近に迫って来るように感じられる。 なんだか心をえぐられるんだ。 それがあまりにも。 平凡だから。 いつもの日常だから。 知らなかった、「戦争のこと」が書かれてある。 想像できなかったことが。 こんなふうに戦争を、自分のものとして感じられることは 平和な日本においてはなかなかないと思う。
2投稿日: 2017.12.18
powered by ブクログ戦争ってこういうことだし、私たちはみんな戦争を生き抜いた人たちの子孫なんだって、初めて実感した一冊。
0投稿日: 2017.11.22
powered by ブクログ2008/1/19 読了 103ページ 図書館で借りる予定だったが、家にあった。 「夕凪の街」は原爆投下10年後の広島で暮らす女性の物語。 生き残ったことに後ろめたさを感じていた主人公がやっと幸せになってもいいのだと思えた瞬間、自身に原爆症の症状が出る。 『嬉しい? 十年経ったけど 原爆を落とした人は私を見て「やったまた一人殺せた」とちゃんと思ってくれとる? ひどいなあ てっきりわたしは 死なずにすんだ人かとおもったのに』 戦争が終わっても、尚も殺される無念さ。 「桜の国」は現代で被爆者遺族や被爆2世を中心とした物語。 身近な死が被爆が原因なのか誰にもわからない。 だけど「被爆」による異常を差別する偏見や「もう知っている人が原爆で死ぬのを見たくない」という葛藤。 薄い本だけど、内容は重い。 もっとも弱い立場の人たちが受けた戦争は、決して風化されることなく心を打つ。 言いようのない感情が心の中にじわじわしてきて、やりようがなくただただ心が打ちのめされた。
0投稿日: 2017.10.24
powered by ブクログ100ページ弱の短編ですが、ヒロシマの方々が背負った運命と、その運命に負けずに幸せを求め生きようとする人の姿が描かれています。 戦争や原爆の悲惨さは、その時だけの事象のみならず、あとに続く人のほんのささやかな幸せすら脅かすことになる、最悪に愚かな行為なのだと、改めて感じずにはいられません。 ヒロシマの方々には勇気を。 戦争を知らない私たちには戒めを。 そして、犠牲になった方々への供養を。 最後の「お前がしあわせになんなきゃ、姉ちゃんが泣くよ」というヒロシマの犠牲者だった姉を持つ父の言葉が響きます。 語り継がれていくべき本の一冊だと思います。
0投稿日: 2017.08.13
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
嬉しい? 十年経ったけど 原爆を落とした人はわたしを見て 「やった! またひとり殺せた」 とちゃんと思うてくれとる? 数日前、たまたまTwitterのTLに流れて来たのを目にして以来、この言葉が頭から離れなくなってしまった。 こうの史代さんの『この世界の片隅に』は既に読んで感銘を受けており、他にも「ヒロシマ」をテーマにした作品があることは存じ上げていたのですが、冒頭の台詞がまさにその『夕凪の街 桜の国』の一節である事を知って、これはもう絶対に読もうと心に決めたのでした。 原爆投下から10年後の広島を描いた『夕凪の街』。 『桜の国(一)』では、『夕凪』の主人公の姪に当たる少女が暮らす昭和62年の東京に舞台が移り、続く『(二)』では平成16年と、時代が移り変わっていきます。 日本の「あの8月6日」から、私がこの作品を読んだ2017年の夏は、地続きだったのだと。そしてこの先も続いていくのだと、強く感じました。 さっきからこのレビューを書いては直し、直しては消してを繰り返しています。 第二次世界大戦に関する作品に触れる度、私はどうしても怒りが沸いてしまう。 幼くして亡くなった子ども達や苦しみぬいて死んでいった人々の姿に、「こんな目に遭わせやがって」といった単純な怒りで胸が潰れそうになる。 しかし私も年齢的にはいい大人なので、この怒りが他の暴力に繋がり得る事も知っている(これはあらゆる国のあらゆる出来事について言えるけれど、「やられたらやり返す」で何かが解決したためしはない)。 遠く離れた場所で怒るのは簡単だ。 何が起こったのか、なぜ起こったのか、どういう考え方があるのかをもっと知らなければならない。そっちの方がずっと難しいし重要。 原爆ドームを平和記念碑として保存する事を決めた「多くの被爆者の葛藤の末の勇気」(解説より)に、私も倣いたい。
1投稿日: 2017.07.17
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感想を押し付けたくはないけれど 沢山の人に読んで欲しいな、と思った作品。 巻末の作者後書きを読んで、更に再読してしまう。 夕凪の街ー原爆から10年後の広島が舞台 桜の町ー次世代の子供時代と大人になってからの話 物語だと起承転結 があるが、現実世の中は続いていくし、悩みがあっても日常を生きていかなければいけないし、 ともすると たんたんとした印象を受ける作品だが 逆に、読み終えた時沢山の思いが込み上げてくる。 夕凪の街の 主人公の 「嬉しい?」というセリフにドキッとした。 そうか、原爆ってそういうことだよな、と。。。 それぞれの登場人物に程よい余白があって 読む度に想いを向ける対象が変わってくる。 図書館で借りたのだが、是非とも購入して手元に置きたい。 というか、本棚を設置して、とっておきの本を、すぐ手にとれる部屋が欲しい。。。 その為にブクログの☆5の記録を続けて 将来実現する時に参考にしよう。。。
1投稿日: 2017.06.27
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原爆はたくさんの人を殺すが、それと同時にたくさんの人を後遺症で苦しめる。日常生活に忍び込んでいる死神といかに妥協して生きていくか。
0投稿日: 2017.05.07
powered by ブクログこの世界の片隅での映画を見てこの作品も読んでみた この世界~もそうだったが「戦争」に関してというよりも「生きる」ということをテーマにしている、すがすがしくも心震える物語でした この物語はまだ終わってないのかもな…
0投稿日: 2017.05.02
powered by ブクログ「この世界の片隅に」の作者が、ヒロシマの原爆のその後に正面から向かい合って描かれた物語。 自身の生き方を振り返らずにおれない。
0投稿日: 2017.04.16
powered by ブクログ原爆投下から10年後の広島に住む女性の物語と、次の世代の物語が優しいタッチの絵柄で描かれている。 「夕凪の街」のラスト空白のシーンの皆実の独白が刺さる。読んだ後しばらく放心してしまった。原爆の爪痕は、普通に生きて、普通に恋愛して、幸せになる権利すらも奪ってしまうものなのか。短い話だけど、いつまでも心に残る作品だと思う。 父親が戦後の広島生まれだ。広島の祖父母がいて、父母がいて、今の自分がいるのだと思うと、何だか生きてるだけで幸せだなと思えた。
1投稿日: 2017.04.05
powered by ブクログ小さい頃に原爆が落ちる瞬間の夢を見て以来、もしかしたら前世の記憶なのかもしれん、と思い込んでいる(アブナイ)。
0投稿日: 2017.03.25
powered by ブクログおそまきながら、というか満を持してと言っていいのか、代表作と言われる作品をようやく手に取った。そういう題材であることはわかっていたけれど、「夕凪の街」にはこういう展開になるのかという衝撃があり、そしてむなしさとせつなさでいっぱいになった。自分はなぜいきているのか、いきていていいのか、わけのわからないことだらけでも日常はあり、そして突然終わりもする。どうしよう、とうろたえそうな読後感のまま「桜の国」にすすむと、少しずつ時代が自分に近づいてくる、登場人物たちとともに知り、感じ、考えることができる。3作品を通じて、多弁でも雄弁でもない人々の暮らしと気持ちを細やかに感じて、ここから「この世界の片隅に」につながっていったのだなぁと思った。
1投稿日: 2017.02.01
powered by ブクログ夕凪の街。 とても衝撃的だった。私はこれまで怖くて原爆の被害に目を背けてきたけれど、原爆で死んでしまった人たちや原爆を落とした人たちに対する残された者たちの感情がこんなものだったのかと改めて知ることとなって、心臓がギュッとしめつけられるようで読んでて辛くてたまらなかった。このお話が主人公目線であるという事が辛くて仕方ないけれど、この描き方である事がどんなに重要なことか。 桜の国。 被爆二世の家族のお話。あの原爆がどこまでも暗い影を落としてきたんだ。 私は知らない事が多すぎる。こうの史代さん、このお話を描いてくださって本当にありがとうございます。一生読んで伝えていきます。
0投稿日: 2017.01.29
powered by ブクログ「この世界の片隅に」を、日本の加害責任に触れていないことで忌み嫌う感想を見かけたとき、言ってることは確かにその通りだしそれはまァそうなのだけれども、自分はそういう風には思わなかったし、今も思わないな、と思った。あの作品はあれでいいのではないかな、と思う。この人の作風は優しくて柔らかくて、原爆というこれ以上ないくらい重たいテーマを扱っていながら、読後感が極めて爽やかなのだ。凄い人だな、と思う。
1投稿日: 2017.01.11
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
あああ。一人称の死。衝撃だった。ほんとうに真っ正面から取り組んだ作品。 でも、その命が受けつがれ、でもでもずっと冷ややかなまなざしが注がれ続けるさまも描かれる。 この上ない被害者なのに、差別にまで苦しまなければならない理不尽さ。今の福島もそういう状況に置かれている。
2投稿日: 2016.11.14
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広島の原爆が投下された時期の話。 被爆したことによって命を落としたり、結婚すらできない人が多い現代においても被爆何世として被害にあっている人がいるかも。 話は切ないストーリー。 原爆のせいで人生はめちゃくちゃになる人もいた。 行きたいけど生きられない。おかしさ。20台であの世を去った。 無念さが伝わってくる本。良書である
0投稿日: 2016.10.10
powered by ブクログ原爆投下から10年後を描いた『夕凪の街』、50年後、60年後の『桜の国』と、時を経、人々が日常を取り戻そうとしてもなお、様々な形でよみがえる原爆のつめ跡。
0投稿日: 2016.09.04
powered by ブクログSさんシリーズ。今週中に読みや、って言われて頁をめくった。広島、の文字があって、あぁ、と思った。 原爆はだめとか、そういうんじゃなくって、きっとどこかであった出来事とか、誰にでも思われてたこととか、そういう普通のこと。でもすごくかなしい。誰かのやりきれなさ、かなしさ、罪悪感、さぁっと血の気が引くほどの怖さ。そういうのがじわじわ染み込んできて、感情が溢れてしまった。 溢れて底に少しだけ何かが残って、一生これを持って生きるんだなって思った。
0投稿日: 2016.08.02
powered by ブクログ天神橋筋商店街の古本屋さんの1番奥の棚に「この世界の片隅に」と一緒にひっそりと眠っていました。 しっかりとパッケージしてあって、中は一切見れず、どんな本かもわからないまま、味わい深い絵に誘われて購入し、家に帰って一気に読み上げました。 深い深いお話 涙が出る、とか泣けるとかではなく、深い森の奥に迷い込んで出てこれなくなる感じです。
0投稿日: 2016.04.24
powered by ブクログ全てが繋がってる話。広島と長崎に原爆が落とされたのは昭和20年8月。1945年。日本は世界唯一の被爆国。父は戦時中、母は戦後に生まれ、両親にとっても私にとっても戦争は過去にあった大戦であり歴史で習うもの。しかし、広島や長崎に当時住んでいた方や親戚等がいる人にとっては今も続いている。こちらのコミックでは原爆投下から10年後の話から始まり、孫世代までが描かれている。現在核を保有している国はいくつかありますが、その国の人達は一度原爆資料館に行ってみるべきでは?サミット関連で来日してるんだからなおさら。。。米の国務長官は行かれたんですよね?国としては当時の原爆の正当性を否定はしないだろうけど、個人的にはどう思われたんでしょう。
0投稿日: 2016.04.12
powered by ブクログ「『広島』のことではなく『ヒロシマ』のことだった」 と著者ご本人が解説で書いた通り、原爆投下を体験した民衆の視点を描いています。 原爆から数年数十年と経った時、あの出来事とどう距離を保ちつつ向き合っていけば良いか。一人一人の命がその地で確かに在ったのだという当たり前のことに気付かされる重みのある作品です。 「夕凪の街」 被曝して10年。生きている喜びをやっと感じられたのも束の間、襲い来る現実は受け入れがたい。ただただ悲しい。 「桜の国」 原爆は決して過去のものではなく、今なお身近に感じ背負い続ける人はいる。過去から学ぶことの大切さ。風化させてはいけないと思った。
3投稿日: 2016.03.18
powered by ブクログ優しい心を持った人たちの優しい物語。 自分たちの置かれた状況にかかわらず、他人に対する思いやりにあふれた人たちの物語に、静かな悲しさがあふれてくる。
0投稿日: 2016.02.22
powered by ブクログヒロシマをテーマにした漫画です。 ふんわりとした日常生活が基盤になっているんですが、好きな人がいて、両思いで、幸せなはずなのに、原爆の爪痕が一人の女性の心に深く残っていて、切ない物語でした。 私はどうしても原爆が落ちた瞬間にしか意識がいかず、もう済んだことのように考えてしまっていたのですが、この漫画を読んで「核の毒」というものを否応なく意識させられました。 後半の物語では、前半の女性の弟の娘が登場します。 疎開し、原爆の毒を免れた男性なのですが、話が進むにつれて、伴侶となった女性が実は…。ということが分かってくる。 そのなれそめの物語は切なくも甘酸っぱく、なんとも言えない気持ちになりました。 そして生まれた娘は母が吐血している姿を見、人の死に大変傷ついています。 戦争や原爆は過去の出来事であっても、その事実はその場限りで終わらず、今もまだ傷ついている人がいるのかもしれない。 戦争もの、平和を考えるような本だと、どうしても「戦争を許すな」と教育的な部分がにじみ出たものが多い。 でもこの本では、もっと個人的な心の傷を描いている点がよかったと思います。 これまで見てきたヒロシマを扱ったものとは違い、ほんのりと希望を残していて、それでいて突き刺さるような残酷さの演出も秀逸な作品でした。 死んでいった人々に対して、生きている人はどう向き合えばいいのか、という問題は、原爆や戦争から時代が過ぎ、また死そのものが特殊なものになった時代だからこそ、積極的に考えていくことが大切だと思います。 原爆が落とされたことを許してはいけないということだけではなくて、その事実から浮かび上がってくる問題は一人ひとり違うと思うのです。 この作品以外にも様々な戦争を取り扱った作品はありますが、それも一つ一つを新たな気持ちで見るべき、と思います。
1投稿日: 2016.01.17
powered by ブクログこの本を読んだのは2度目。1度目もすばらしく衝撃を受けたけれど、詳細をすっかり忘れて読んだ今回もすばらしく衝撃を受けた。ヒロシマをこのように描かれている本(漫画)は数少ないのではないでしょうか?恐ろしいし悲しいし辛いけれど優しい。みんなに読んでもらいたいし、後世に残ってほしい作品。ときどき立ち止まって読み返したい。
0投稿日: 2015.12.14
powered by ブクログ【読了メモ】 (151208 0:00) こうの史代 『夕凪の街 桜の国』/双葉社/2004 Oct 20th/
0投稿日: 2015.12.08
powered by ブクログすごいマンガです。マンガとか映画とか文学とかジャンルを超えて凄い。少なくとも今まで読んだマンガの中で最高に感動しました。泣きました。それも何回も。号泣しそうになりました。黒澤の映画『赤ひげ』を最初に見た時も号泣しましたが、それ以来でした。絵柄の暖かさが主人公の明るさとよくマッチしていて、声高に反戦や反原爆を訴えるのでなく、悲惨な情況を誇示するわけでなく、それでいて、こころに突き刺さってくるものがあります。 映画化されて、麻生久美子が出ているそうですが、見る自信がありません。
0投稿日: 2015.10.20
powered by ブクログ原爆の話。 原爆が起きたところから、時代の流れによって変わっていく。 原爆の起きた環境要素よりも、人の感情が伝わってくる作品。
0投稿日: 2015.09.30
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
巧妙な構成の中の笑えない寓意 一部*1では、まるで人形劇のようなやわらかい作画と、その登場人物たちの口から出る生々しいセリフとのギャップに驚かされる。続いて二部*2まで全てを読了して違和感に至る。というのも第一部の主人公の苦悶が、第二部ではまるまるスルーされてしまうからだ。 どうして作者は、第一部の悲劇を盛り上げるだけ盛り上げ、第二部でわざわざ宙ぶらりんにしたのだろうか。そのまま、あとがきを読んで腑に落ちる。 ”「広島と長崎以外の人は原爆の惨禍について本当に知らないのだという事にも、だんだん気付いていました。わたしと違ってかれらは、知ろうとしないのではなく、知りたくてもその機会に恵まれないだけなのでした」(作者あとがきより)” 要するに、この作品が描いているのは、被爆二世の人たちにさえ、被爆した当事者たちの声は届かない、という身も蓋もない現実で、それを描くための二部構成だと理解した。 物語としては決して希望が描かれていないわけではない。こうの史代が描きたかったことは実は希望なのかもしれない。しかし実際、贔屓目で見てもその希望ってとても儚い。とすればやはり、淡々とした身も蓋もない現実こそが作品の主眼なんじゃないかと思うのだ。 その構成の妙とメッセージがなんとも容赦なく、それゆえにこの作品を私は名作だと思う。 *1:夕凪の街:原爆投下の10年後、1955年(昭和30年)の広島市が舞台。「8月6日」の生存者、平野皆実(ひらのみなみ)を主人公に、彼女の闘病と束の間の幸せを描いている。 *2:桜の国:舞台は東京。1987(昭和62年)年と2004年(平成14年)の二部構成。主人公は、「夕凪の街」の平野皆実の姪にあたる石川七波(いしかわななみ)で、彼女は母を白血病で亡くしている。主人公は、父を追って広島を訪れ、それをきっかけに、被爆二世としての自分を受け入れていく。
0投稿日: 2015.09.24
powered by ブクログ深く、深く、沁みます。日本人は、、読むべきとさえ、想います。広島の記念館をスムースに通り過ぎることができるまで、数回、かかりました。3.11のあと、また、新たに想うこともあり、いろんな想いに、、胸がいっぱいになります。
0投稿日: 2015.08.21
powered by ブクログ皆実の霞みゆく意識の中での言葉がすごい。 どうすごいのかはうまく言葉にできない。 世界中の人がこの漫画を読んで、言葉にできない思いをすればいいのに 。 と、思ったです。
0投稿日: 2015.08.16
powered by ブクログ広島、長崎に落とされた原爆は一瞬にして十数万人の命を奪った。この物語は「原爆症」という放射線障害によって、何十年経っても、恋を奪われたり、差別されたりと原爆が過ぎ去ったものではないことをおしえてくれる。 一章の「夕凪の街」では原爆の悲惨さを描いているが、その後を物語る「桜の国」は絶望に負けずに生きてきた人々の心情を桜の花びらに託している。 後世に残したい漫画の一作だ。
3投稿日: 2015.08.09
powered by ブクログこういうアプローチの仕方もあるんだと。 そのものを描かずに原爆の恐ろしさを描いている。 戦争が終わったからといって終わる問題ではない。 やさしいタッチで描かれるからこそ余計に胸に迫る。 生き残ってしまった後ろめたさ。だけど、意味もなく死ぬのは辛い。「やった、また一人殺せた、とちゃんと喜んでくれとる?」という言葉はずしんとくる。
0投稿日: 2015.02.17
powered by ブクログ広島に原爆が投下され、10年後、またその先のお話。 「死ねばいいのにって思った人は、また殺してやったと思っているのだろうか。」 原爆が落とされ、たくさんの命がなくなった 「死ねばいいのに」と思って、落とすのだろうか。 いまでも、原爆の後遺症で亡くなるひとをみて 「また殺してやった」と思うのだろうか。 戦争はむごい・・・。
0投稿日: 2015.02.02
powered by ブクログ原爆投下の話、戦争の話というとどうしても彼岸の話として捉えやすい。例えば火垂るの墓は感動的だが、あれを今の自分と絡めて捉えることが果たしてできるのかということ。 この漫画は投下から10年後、50年後、それでも尚続く原爆というスティグマを、今このときから地続きの地平線で描くことに意義があるように思った。全体を総括すれば、どこにでもある恋愛、家族の物語なのだが、そこにさらりと原爆が陰を落とし、登場人物たちを縛りつける。この描写にはどきりとする。 もはや戦後ではない。だが我々は、永遠の戦後を生きている。
0投稿日: 2015.01.02
powered by ブクログkindleで非常に安価だったので、買ってみました。 はだしのゲンに続いて、ヒロシマもの。 事実としての戦争をいろんな角度で無理のない程度に知ろうと思ってます。 短すぎて、物足りないカンジもあったので、星3つ。
0投稿日: 2015.01.02
powered by ブクログ広島の被爆者を描いた短編漫画。ずっと前から知っていたが、これまで手に取らずにいたものを、Amazonでセールになっていたので購入した。ー 名作だと思う。 被爆者はヒバクシャというスティグマを背負って生きている。「おまえの住む世界はここではないと誰かの声がする」のだ。そして、「桜の国」の章にもあるように、外部の者はそのことに対してあからさまに無遠慮でもあるのだ。 「わかっているのは「死ねばいい」と誰かに思われたということ。 思われたのに生き延びているということ。 そしていちばん怖いのはあれ以来本当にそう思われても仕方がない人間に自分がなってしまったことに自分で時々気づいてしまうことだ。」 ... 圧倒的な暴力の下において、当事者でないものが、そのことを分かったようにいう権利はないのだと言われているような気がする。そういった繊細なバランスの上でこの本の表現は成立しているように思う。 「夕凪の街」の章の最後、生き延びたと思った主人公の皆実が十年後に死んでいくときに語る言葉が重く響く。 「十年経ったけど原爆を落とした人はわたしを見て「やった!またひとり殺せた」とちゃんと思うてくれとる?」 人は理不尽な事件に逢った当事者の気持ちを想像することはできるけれども、当事者の気持ちを分かることは当事者になるまでできない、という事実を痛感する。 明白なことは、放射能の危険性ということで、広島と福島とを同列の文脈で語ることは決してしてはならないということだ。 そして、もちろんフクシマが「桜の国」で描かれるようなことがあってはならない、ということだ。
2投稿日: 2014.12.22
powered by ブクログ原爆について子供に何か本を与えるなら「はだしのゲン」よりこちらの方が思想を引っ張られないと聞き読んでみました。 あの時代を生きた女性の視点、そしてその子孫へと続く話しです。 タイトルも好きです。 読み終えて、これは子供にも読ませようと思いました。 まだ最近に書かれた本だったんですね。周囲にも勧めたいと思います。
0投稿日: 2014.10.29
powered by ブクログ原爆の後遺症で1955年に亡くなった少女、その母親、弟、姪のその後を描いた作品。当地の日本語補習校の図書室の蔵書は3、4年前まで僕の担当だったので、自分の好みで選んだ一冊。処分対象になってる本を何冊か読むので、ブクログもしばらく児童書が続きますw。 世代を超えて長期に渡る後遺症、生き残った罪の意識、被爆者差別など、重い話ですが、カラッとした場面もあって、全体の読後感は「はだしのゲン」のような感じではないです。 難を言えば、出だしの場面から人物の名前や、世代を越えた相関図がわかりにくいこと、でしょうか? でも、全体的には子どもに読んでほしい本なので、補習校で保存が決定されたことはうれしいですね。 キンドル版もあるので、興味がある方は是非とも読んでみて下さい。
2投稿日: 2014.09.14
powered by ブクログ広島の原爆と、その後10年の話。 こうのさんの、やさしいタッチで描かれてますが、内容は苦しく切ないです。 このタイミングで読めて良かった。
2投稿日: 2014.08.21
powered by ブクログ広島の被爆者と被爆二世の家族の物語.何か政治的なメッセージを訴えるのでなく,一家族がいかにあの経験に向き合ったのかというおはなし.
0投稿日: 2014.08.11
powered by ブクログ8月に入り猛暑が続きます。今も外は雷と大雨。 70年前の昭和20年8月6日、その日も暑い日であったと聞きます。戦局は既に大勢が決まり、何のための原爆による無差別な破壊であったのか。戦後の体制を見据え、終結をただ急ぐための惨禍。多くの人が今も苦しむ歴史の事実を忘れてはいけない。 随分前に読んだ、こうの史代さんの作品。戦争当時から2世代の家族のそれぞれの人生。戦後広島の夕凪の街に生きた皆実と、今の東京、桜の風景に暮らす七波。広島出身のこうの史代さんが、独特のペン画の細いタッチで描いています。「この世界のかたすみで」と同じく、視点は過酷な人生にも、生きることに正直な人々の姿。 「荒神」も今月末には出版されるようです。こうのさんのカットが入ってることに期待!
17投稿日: 2014.08.02
powered by ブクログどう足掻いたってわたしには広島の血が流れている。このことを悲観的に捉えたことは一切ないけどそう見る人だっているよなー。重くも軽くも受け止めてわたしは生きてる、ちゃんと生きてるよ
1投稿日: 2014.06.02
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
映画で観たことがあった同名作の原作漫画。 映像ではあまり伝わらなかったニュアンスが、ひりひり伝わってくる。火事場の熱っぽい風塵が、いまだ花びらのように皮膚に貼り付いているような。 スリーントーンや定規を用いないで、ペン画で質感を表す 漫画家の作画力にも驚かされるが、台詞が重い。
1投稿日: 2014.06.02
powered by ブクログ広島の被爆者でもある加納実紀代さんの『ヒロシマとフクシマのあいだ』のことをきいて、空白の十年(被爆者がなんの援護も受けずにいた十年)の話も書かれているらしく、『夕凪の街 桜の国』もこの十年の話よなーと思って、枕元に積んでいた漫画を久しぶりに読む。 空白の十年は、まさにこのタイトルの被団協(広島県原爆被害者団体協議会)の記録『空白の十年』を前に読んだことがある。 広島で被爆した皆実(みなみ)。原爆スラムともいわれた、原爆ドーム北側の集落に母と暮らす。父は被爆して翌日に死亡、妹はみつからないまま。二ヵ月後に姉が倒れ、紫のしみだらけになって死亡。 それから十年。やけどの痕が残る自分の左腕とおなじように、からだのどこかに痕を残した姿を銭湯で目にしながら、皆実は思う。 ぜんたいこの街の人は不自然だ 誰もあの事を言わない いまだにわけが わからないのだ わかっているのは「死ねばいい」と誰かに思われたということ 思われたのに生き延びているということ そしていちばん怖いのは あれ以来本当にそう思われても仕方のない人間に自分がなってしまったことに 自分で時々気づいてしまうことだ (pp.15-16) 十年経って、てっきり死なずにすんだと思っていた皆実は、体調をくずして寝込み、亡くなる。「十年経ったけど原爆を落とした人はわたしを見て「やった!またひとり殺せた!」とちゃんと思うてくれとる?」(p.33)と思いながら。 死ね、殺せとおおっぴらに呼びかけるようなことが、規制もされずにおこなわれてしまっている「いま」。たとえ自分自身はそう思っていなくとも、死ね、殺せといった主張がなされている国であることは、「原爆を落とした人」がいる国が「死ねばいい」と思ったことと、変わらないのだと気づく。 加納さんの本は、母性に根ざした運動を越えるものを提案され、ジェンダー分業によって核兵器廃絶/原子力の平和利用が両立してきたと主張されているらしい。核兵器は悪だが原子力の平和利用は善なのだという主張がほかならぬ広島で強く訴えられたという話は、『原発とヒロシマ』で読んだことがあるが、加納さんはどのように述べられているのか、読んでみたいと思う。 (5/27了) (2009/11/1)
1投稿日: 2014.05.28
powered by ブクログ原爆の投下を通して、戦争の影が音も立てずにそっと日常生活に入ってくる様を見た。声も発しなければノックもしない訪問者の気配を感じながら、これは何が起きているのだろうと、読んでいる最中も読み終わった後もずっと考えていた。 反戦を声高に叫ぶより、平和の尊さを吹聴してまわるより、政治性やイデオロギーを漂白して、戦争のもつ暗い影を何気ない日常のとなりにそっと位置づける。 多くの人々から支持を得るのはこういう理由だと思った。
2投稿日: 2014.04.18
powered by ブクログなぜこの本を選んだのか、今ではもう思い出せないけれど、何かの紹介で手に取ったはず。感想は言葉でうまく表現できないけれど、読み進むうち、涙しか出ない、という感じだった。その後、映画も見たけれど、このときも珍しく涙が止まらなくなって悲惨な顔で新宿を歩いて帰ったことを思い出す。戦争の映画を見ると、いつも人間の愚かさに直面して怒りを感じるのだけど、この作品はなぜか感情を強く動かされていつもと違う反応となる。理由は自分でもよくわからないけれど。こうのさんのなさるお仕事はすばらしいと思います。
0投稿日: 2014.04.06
powered by ブクログ広角で描かれた淡い景色が味わい深い。原爆ドームのカットを見るだけでも本書を読む価値がある。ラストにかけて絵は消え失せ、主人公の科白(せりふ)だけが続く。そこに強い憎悪は見られない。庶民の感覚からすれば「どうして?」という疑問は浮かんでも、この惨劇を遂行した人間の姿が浮かび上がってこないためだろう。人間の所業とは思い難い残酷を繰り返すのが人類の業(ごう)なのか。 http://sessendo.blogspot.jp/2014/04/blog-post_3.html
1投稿日: 2014.04.03
powered by ブクログ広島における、被曝者とその周辺から始まる物語。 やさしいタッチで、穏やかな日々が描き出されていると、思います。 それだけに、どうしようもない成り行きが、 どうしようもなく、せつなく伝わってきます。 物語の軸は二つの時代、被爆者とその次の世代。 被曝されて、早逝した人も、長生きした人もいる。 その生き方や在り様を、一つの枠組みだけで語ることはできない、 そんな風にいったら、戦争を知らない世代の傲慢でしょうか。 子どもに読ませるのであれば、こんな優しいけど哀しい、 まっすぐに伝わってくる物語がよいと、そう感じます。
10投稿日: 2014.03.03
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
戦争の悲劇を訴えるというより、この時代に生きた一人の少女の生き様から感じ取れる無念さが、痛く胸に刺さる。
0投稿日: 2014.02.07
powered by ブクログ昭和三十年。原爆投下後の広島で暮らす一人の女性の人生と、彼女に関わる人々の運命。 彼女が日々を生きる上で感じる幸福と、その隙間から垣間みる記憶と、その向こうの死。 戦争を…特に原爆をテーマにするあたり、こうのさんの類い稀な感性と作品への愛を感じます。 にしてもこうのさんの描く女性ってどうしてこうも魅力的なんでしょう。可愛い。本当に可愛い。否が応でも身近に感じてしまうんですよね。そして男性陣も素敵ときている…。 戦後70年。あの頃と変わったもの。変わらないもの。そういう一つ一つを大切にしていきたくなる素敵な物語です。
1投稿日: 2014.01.12
powered by ブクログ以前から話題になっていたので、読んでみたいなとは思っていた。 でもそんなに絵柄も好きではないし、本も薄いので買うのをためらって、今日まで読まずにきた。 図書館で見つけて、あ・・・ついでにこれも借りとこ。くらいの気持ちで手にとった。 じっくり読んで言葉がでなくなった。 これは購入して自宅に置いておき、娘が大きくなったときに読ませなくてはいけない本だと思った。 戦争って、こんなものなんだ。 深く深く心に突き刺さった。 素朴な絵柄に、ほのぼのと進む話し。 なのに心がこんなにも痛むなんて。
2投稿日: 2013.12.30
powered by ブクログ本も薄いし、さらっと読み通せるけど、読み流す訳にはいかない原爆の物語。最近話題にもなった“はだしのゲン”がすぐに思い浮かんだけど、小学生時代にあれを初めて読んだときの衝撃に近いものがあった。描き方は全く異なるけど、こっちはどちらかというと間接的描写によって訴える手法。でもそれだけに、読者個人に考えさせるところが大きいと思うし、何度も繰り返し手に取りたくもなる作品だと思う。ふとしたときにまた読み返したいと思います。
0投稿日: 2013.11.10
powered by ブクログカミさんに薦められて読んでみました。漫画なのでサクッと読み終えることができましたが内容は重いですね。 「夕凪の街」という原爆投下直後の広島での話と「桜の国」という現代の話との2部構成ですが、内容的にはお互いの話がリンクしたものとなっています。 短い物語の中でも原爆で犠牲になった人たちや生き残った人たちの悲劇を通じて、反戦(平和)というものに対する作者の強いメッセージ性を感じました。 このような悲劇は2度と繰り返されてはならない!と改めて深く考えさせられました。
0投稿日: 2013.11.10
powered by ブクログ少し時間をかけて読んだ。河野さんの中での女性像は本当に美しい。(現実にはこんな女性はほぼ絶滅してしまっただろう・・・)そして戦争というもの絵の考え方も深い。僕のようなものに戦争を語る資格はないのであまり言及はしないがもっと若い世代(俺も若いが)に読んで欲しい作品だ。
0投稿日: 2013.11.08
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
実は実家に家族用が一冊ある。 一人暮らしで読みたくなって買ってきた。 映画を見たのが先で、順番的には正しかったかも。 原作を先に読んでいたら思い入れすぎて自然に見れなかったと思う。 何にも知らずに見たもので、見終わった後の顔がひどいことになった。 麻生久美子さんという女優を初めて見た。 今から思ってもヒロインの皆実にぴったりはまっていた。 ほやほやしていてどっかひょうきんで、なんて可愛いと思っていたら、 そんな人が最後につぶやいた言葉に、なにかえぐられた気がしたのを覚えている。 大学の英語の先生が漫画とか映画とか舞台の話をしょっちゅう講義でしていて、「これは原作がすばらしいからぜひ読んでください。漫画作品としてすごくよくできてる」と言われた記憶。 ここからこうの史代さんという漫画家を知ってこの次に「この世界の片隅で」を読んでドはまりすることになる。 あとがきを読んで知ったが、たった35頁。 でもこの短さには意味がある。 長々とひっぱって盛り上げる話じゃない。 ふつうの日常として始まって、そのまま、当然のようにさらっと途切れる。 そんな自然さで人が殺されたという話なのだ。 「死ねばいい」と言われた。 言った人達がもうそんなことは忘れさった頃なのに、 生き残ったと思ったのに、 今死んだって「やった!また殺せた!」とすら思ってくれないんでしょう? どうして死ななければならないんだろう。
0投稿日: 2013.10.02
powered by ブクログ被爆2世の問題は気にした事もなかったし、よく知らなかった。原発の事でそういう差別というか、偏見もこの世には存在するのかなとは感じていたが、現代でも存在する問題だと認識。親世代が幼少期に被爆してれば2世の中年はたくさんいるわけで当たり前と言えば当たり前なんだが。 調べてみると一応、影響はないというのが公式見解のようだが、被爆2世の団体自身が健康不安を理由に医療費補償等々を求めている現実もあり、単純な偏見・差別とも言い切れず、中々問題は複雑であるなと思った。 絵のタッチはソフトだし、キツイ描写もないし、ユーモアもあるので、原爆の悲劇をストレートに伝えているわけではないが、残された者達の心の闇とか引っかかりは伝わっており、現代の話として読めるところが新鮮。ここが昨今話題になっている「はだしのゲン」との違いだろうか。 皆実の被爆直後に感覚が麻痺した自分を責める所がイチバン辛かった。昨日読んだ小林秀雄論の「(非日常の日常化により)知的訓練の有無に関係なく、厭ふべき人間に堕落しないでも厭ふべき行為を為し得る」そのものの世界。
1投稿日: 2013.08.29
powered by ブクログ昔友達の家で読んだ事がある漫画、と思われるんだけど、私がその友達と遊んでいた時代にこの本は発行されてない筈なんだよね…
0投稿日: 2013.08.27
