
総合評価
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powered by ブクログメモ→ https://x.com/nobushiromasaki/status/1959556939681308859?s=46&t=z75bb9jRqQkzTbvnO6hSdw
0投稿日: 2025.08.24行間的
デスストについて知るために読んだ。 かなり独特な文章。もし僕がこの本を書くなら理路明瞭に疎外と分離、〈父の名〉とは何かを明確に分かりやすく解説してそれに手の諸特性を対応させ、徹底的に議論を整然とさせ、誰にでもその要諦を限りなく明確に把握できるように書くと思うのだが、本書のスタイルはこれとは対極にある。 いたるところロジックが曖昧で感覚に訴えるような記述が多く、非常に頭を使わされる。ようするに本書ではその本質はテキストの内からは致命的に欠如していてコンテキストとしての行と行との間の無に託されている。 テクノロジーも文化もフリーになった手の興奮をおさえるため手を使わせるために存在するという文明論が展開される。スマホもセンスもタバコも手を使わせるためにあって使うために手で操作するわけではないということ。 また手は他者のエージェントでありつつ、その他者が欠如することで自己の能動性を代理するようである。 掴む→投げる→手放すなど興味深い発達論があったり、二足歩行による手の余剰が処理されることとして、手の活動を捉えたりしている。 また手と言語との連動にもフォーカスし、手が疎外によって社会化されることなども示される。 言語情報の過剰が言語に連動して受肉化する手を行使するデバイスを産み出すらしい。 たしかに僕もペン回しをするので手が余剰の興奮を持っているのはよく分かる。 さらに手の身体への回帰として自傷が論じられたりもする。 自傷は一つには感覚の断絶としての痛みがあり、身体の歴史的な感覚の連続性を切るため、能動性の出発点となるということだろうか。手を切ること手と身体の分離が大事なようである。 ともかく部分的にかなりロジックが分かりにくいところがあり解釈に困った箇所もあった。 しかしながら全体的にはそんなに難しい本ではなく誰にでもある程度は読める本になっている。 解説では有名な隻手のこうあんが引き合いに出されている。 あとチャールズ一世をピューリタンが殺してアメリカを建国した話があって、これによってハリウッド映画で大統領暗殺やその回避がしつこく描写される理由が説明されたりしていてなかなか面白い。 あとウィニコットの移行対象とか定番のネタも出てくる。
0投稿日: 2024.03.31
powered by ブクログこれほど、内容が頭に入ってこない本は、今まで体験したことがないかも。 内容が抽象的すぎて持ってる知識ではイメージ出来ないのかとも思ったけど、違う気がする。 装丁と帯はすごくいいのになぁ。 読み終わったら、感想変わるかな。 追記 感想は変わらず、思い至った理由は、結局のところ作者の意見にあまりに同意出来ないのだと思う。そこまで、手は口ほどに何かを語っているとはどうしても思えない。
0投稿日: 2023.10.30
powered by ブクログ「我々はなぜ手を使うのか?」という問いと様々な手の使われ方について。常になにかを触り続けたがる「そわそわしてしてしょうがない生き物」としての人間について。 読んでよかった。
3投稿日: 2022.04.25
powered by ブクログゾンビはなぜ手を前にして歩くのか?という一言に惹かれて購入した。自身の精神状態が手にどう表れるのかなど興味深かかった
1投稿日: 2021.05.30手を常に忙しい状態にしておくこと
手を使わず操作できるようにデザインされた、グーグル・グラスやSiriなどのテクノロジーが思ったほど使われないのはなぜか? タップしたり、クリックしたり、スクロールする方を我々はなぜ好むのか? それは、手を常に忙しい状態にしておくことが人間の中心的な活動だからである。 古くから人は、自分の手を忙しくしていなければならなかった。 手に何か仕事を与えておくことは、手が身体を刺激することに舞い戻ってしまわぬために重要だった。 親指を口に含み吸っていた赤ん坊が、やがて物を掴み、手を伸ばし、身体から離れていく動きと関連している。 本来、テクノロジーは距離を生み出すために生まれ、手が身体へと戻る運動を阻止したり、遅延させたりするものだ。 編み物やタバコ、コーヒー、数珠など、手を使わせるための技術は数多く、昨今のモバイル技術もこの系譜に連なる。 しかもスマホやタブレットは、お互いを近づけることも、身を引き離すことも可能にしてくれる。 人生から自分自身を引き離す目的にも役立つのだ。 このように人生とは、単に接続するだけでなく、切断することでもある。
0投稿日: 2021.03.23
