
総合評価
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powered by ブクログ→「里山資本主義」からの続き 斎藤幸平氏のこの本は、そんな21世紀の首都圏に生きる僕の感じている行き詰まり感に対して、真っ向から取り組んだものだった。この2つの著作の10数年の間にある違いは、気候変動への危機感が社会全体に浸透してきたことだ。 著者は、現在の経済成長至上主義を維持したまま、気候変動にブレーキをかける、という両立はもはや不可能な段階にあることを説明している。否、この資本主義の原理そのものが気候変動に繋がっていることを指摘しているというべきか。なんだかんだ言っても、この本の核心はここだろう。 これまで、「この国の経済成長のおかげで豊かに暮らせているんだから」という暗黙の了解が、色んなことを正当化してきただろう。地球の反対側の人々への搾取だったり、利害関係者にだけ見せる誠意だったり---それを積み上げた社会が良くなるわけがないと、子供でも分かりそうな物事達。むしろ、20年前の僕が嫌でたまらなかったのは、こういう違和感を感じても声を上げないだけの「分別」こそが、新社会人に求められる禊であるような気がしたことだった。 そこに、気候変動という世界全体の生死を巻き込んだ問題が加わることで、「それを続けてると我々はもう生きていけないんだよ」という、真逆の構図が生まれる。普通に考えて、普通に倫理的に振る舞っても、イチイチ後ろ指さされなくてもいい世界。すばらしい。 そこからいかにこの格差社会を乗り越え、豊かさの指標を経済成長に委ねない社会を実現するか、という手がかりを、一般にはあまり知られていない、最新の後期マルクスの思想をヒントに描き出してゆく。ずいぶん昔に、一度は閉じて顧みられなくなった扉が、気候危機というたったひとつの契機の前に、全く新しい形で開かれ、すべての価値基準が再構築されていく。これが思想家の仕事というものかと、羨望の気持ちで見ていた。 「生きられた思想だけが意味を持つ」と敬愛するヘルマン=ヘッセは書いていたが、著者の言葉からは、絵に書いた餅で終わらせない本気、気概のようなものが伝わってくる。この先どうするかは、まだまだ皆で考えていかなくてはならない問題だろう。その扉を先陣切って開いてくれていることに感謝したい。
9投稿日: 2021.08.21
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
資本主義は「犠牲の不可視化」「外部化」。グリーン・ニューディール等も全ては「転嫁」だけ。デカップリングは幻想。新自由主義の中で生きてきた我々には衝撃。でも、何となく気づいてたのでは?「消費低迷」とか「消費回復はいつ」という文字を毎日見ますが、何が悪いんだろう?と内心思ってました。永続的な成長が可能と思っているのは「正気を失っている人か、経済学者」(笑)。でも、コモンの実現まで地球は耐えられる?世界のミニュシパリズムの情報もわが国では不足している感。3.5%、なるほど。更なる具体的提案を期待。
0投稿日: 2021.08.20
powered by ブクログ人新生という言葉を掲げるのでサピエンス全史系の本なのかと思ったが、気候変動とマルクス主義の本だった。 佐々木隆治著「カール・マルクス」でもあったが、資本論や共産党宣言で知られている教科書の中のマルクスではなく、晩年の思想も含めた現代のマルクスの研究(mega)の知見を使うアプローチである。 脱成長を語る上では脱成長の時代の配分とインセンティブ設計への言及が不可欠だと思うが、本書では特に語られずあまり説得力を感じなかった。 ただ「日本では脱成長論が成長の果実を享受しきった高齢世代、特に頭でっかちのインテリ左派が唱える現役世代の負担と未来をないがしろにした暴論と捉えられており、世代間闘争の軸で語られがち」とはっきり書いてあるのは良かった。
0投稿日: 2021.08.18
powered by ブクログ--- 感想 --- 周りに流されるままなんとなく生きてきて、大学行って、就職して、子供ができて、年収アップするために頑張らなくては、と思っていた自分の人生を資本主義という枠の外から見つめ直すきっかけになりました。 また、環境問題、格差、政治についても関心を持つ様になりました。 本当に読んでよかったと思います。 他にも何冊か資本主義(主に新自由主義)の問題点を指摘する本を読みましたが、それに替わる社会のあり方まで踏み込んでる点が大きく違いました。 環境問題を技術革新で乗り越える考え方の問題点の指摘は特に印象に残りました。 気候変動の問題は切迫してる中、新技術が実用化されるまでにも温室効果ガスは出され続けてしまう問題、エコカーだからといって大量生産されると、グローバルサウスからのリチウムの掠奪が過激化してしまう問題など、知らなかった観点を知ることができました。 --- 概要 --- 人類の経済活動が原因で気候変動が起きており、それは地質学的に見て1つの時代区分「人新世」と捉えられるとのこと。この本では、その原因であり、気候変動と同時に格差問題の原因にもなっている資本主義にかわるシステムへの移行を提案。 それが、食べ物、土地、電力、教育、医療などをマルクスが提唱した「コモン」(公共財)として国によらず、自分たちでに民主主義的に管理していく「脱成長コミュニズム」。 それは例えば、エネルギーを地域ごとに地産地消したり、現在民営化されている水道事業を公営化(市民による運営)したり、生活に不可欠な分野の財を資本主義的な管理から取り戻そう、という考え方
3投稿日: 2021.08.15
powered by ブクログ本気でやるなら新書でつらっと書くテーマだろうか。ただでさえ行動者ではなく思想屋さんの本なのに、仮説の組み立て方・原典のさらい方が雑すぎる。最終的な提言内容もかなり観念的。
0投稿日: 2021.08.15
powered by ブクログ読む人の立場によって共感、批判といった議論・考察ができるという点で、2021年新書大賞という価値があるのだろう。 ゆえに、ただこの本を読んで「脱成長!その通り」なんて考察の一片もない読み方をする者に読む価値はない。 さて、この本をどのように読んだかというと、地方都市では脱成長コミュニズム、同意する。 地方都市に住んでいると(現在、長野県須坂市在住)、資本主義は地方都市には合わない。 いくら会社で働いて成長の一端を担ったとしても、地方都市が東京のインフラを得ることはあり得ない。 労働力は会社に還元し、会社が得た利益は東京に還元される仕組みになっているからだ。 なので、地方都市においては企業活動よりも、一次産業を中心としたコミュニズムを強化することが好ましい。 そして本書に反対したい点は、大都市圏も脱成長を目指したら国としてヤバいだろうと。 本書でもコロナ禍については言及されているが、コロナ禍があぶり出したのは国力の差ではないか。 生産力だったり、開発力だったり、GDPだったり。 国力が高い国はワクチンを手に入れて、コロナ禍からいち早く抜け出せる(イスラエルがワクチン三回目のブーストとか言ってるし)。 中国はワクチンをチラつかせて途上国に恩を売る良いチャンスだ。 国力が低下した国は、ワクチンも手に入らず、他国からも助けてもらえない。 地政学的リスクが増大するから、国力全体の脱成長路線は確実にマズい。 というのが俺の見解。 大都市圏は突き抜けた成長を目指すべき。 地方都市圏は脱成長を目指すべき。 地方格差と言われるが、全国平均的な成長はあり得ない。 格差ではなく差を作ることによって、どちらのライフスタイルも選択でき、いつでも他方に移れるような流動性を高めるべきではないかと考えた。 しかし、大都市の成長が気候変動リスクを高め、そのリスクを途上国に押し付けていると本書では指摘されている。 その通り。 それが成長路線、資本主義の問題だ。 資本主義が地球資源を搾取するというのはかつてから指摘されていたことだ。 さてどうするか。 正直、理系出身の俺は、筆者が批判するジオエンジニアリングの技術開発に期待するし、環境団体が批判するプランBも計画すべきと思うのだ。 本書は資本主義に対し議論を要する一石を投じたという点で価値がある。
2投稿日: 2021.08.14
powered by ブクログ* 面白かった。資本論と聞くとなんか固くて嫌だなと思ったけど、今の環境問題との関連で考えると案外読みやすかった。 * 持続可能性と、社会的平等性 * 資本主義からコミュニズムへの転換 * 経済成長ではなく脱成長
0投稿日: 2021.08.11
powered by ブクログ最近、資本主義の限界、終焉を訴える書籍が多く見られるが、その中でも本書は論旨明確かつ解決策の提示も具体的であり良書である。解決策そのものは社会システムの変革であり、「では私たちはどうしたらいいの?」となるが、最後に「3.5%の人々が本気で立ち上がる」ことに触れており、読後感もスッキリである。システム変革をどうソフトランディングさせるか、それまでの間に資本主義というゲームの中でどう戦うかが現実的な課題。
0投稿日: 2021.08.10
powered by ブクログポストモダンのライフスタイルについてメインに書かれているものと思い購入したが、内容があまり関心の無い環境問題に傾斜しており、興味が薄れて途中で読むのを辞めた。また人新世の資本主義を解決する手段は「減速主義」であると言う筆者の主張は、根拠や説得力に乏しく弱いと感じた。 【ポイント】 ・資本主義⇨環境や弱者を犠牲にして、強者の生活を裕福にする事 ・人新世の資本主義の解決策⇨「減速主義」⇨過剰な豊かさを追い求めるのを辞める事
0投稿日: 2021.08.09
powered by ブクログここ数年、資本性について考えることが多くてタイトルにひかれて読んだ。経済のことをまったく勉強してこなかった私にとっても、論理的に納得のいく文章だったように思う。もう、格差を拡げる資本主義はもたないとずっとずっと思ってるけど、この国の政治は変わらない。そう嘆いていたけど、それじゃダメだということに気づかされた。ボトムアップの運動と連帯こそ、大事なんだと思った。私は私の立場でできる限りのことをしっかりやっていこう。
0投稿日: 2021.08.08
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
環境問題について興味があったので読み始めた。 気になる内容のページに付箋をつけていたらすごい量になっていた。目次も細かく整理されて、第一章から第八章、そしておわりにまで丁寧に話が展開され、私のようなマルクスの思想とかちんぷんかんぷんな人でも読み進めることができた。 脱成長コミュニズムの柱にエッセンシャル・ワーク(使用価値が高いものを生み出す労働)の重視との内容は特に納得した。ケアやコミュニケーションは、時間をかける必要があり、サービスの受給者がスピードアップを望んでなく、「感情労働」と呼ばれる。儲け(=「価値」)のために労働生産性を過度に追求するなら、最終的にはサービスの質(=「使用価値」)そのものが低下してしまう。 「使用価値」を重視する社会への移行が必要で、エッセンシャル・ワークがきちんと評価される社会を作者同様に強く思う。 環境負荷の低いエッセンシャル・ワークの社会的評価を高め、その結果経済は減速するが利潤最大化と経済成長を無限に追い求める資本主義では地球環境は守れない、という考えに今まで当たり前に暮らしてきた自分自身の行動が環境破壊につながり、「人新生」という環境危機の時代にこのままではいけないと立ち止まらせてもらえる内容だった。 様々な立場はあるだろうが、まっさらな気持ちで一読してもらいたい一冊!
3投稿日: 2021.08.07
powered by ブクログソ連崩壊以降、マルクスの共産主義は衰えたかに見えた。ただそれは、あくまでソ連式共産主義の失敗であり、マルクスが本質的に目指していたこととは異なる。 環境破壊がいよいよ深刻なレベルに到達し、このままでは人類全体の生存が危ぶまれる域にまで達したこの世界において、環境対策は不可欠。 現状の資本主義が打ち出すSDGs等の施策のほとんどが、何かしらの経済成長を維持しながら環境負荷を下げる、という程度のもので、本質的に環境へのダメージは変わらない。 本当に環境を改善し自然と共存していくためには脱成長が不可欠で、そのためには脱資本主義が必須。 その先にあるものがマルクスの資本論だが、ここではガチガチの共産主義を追い求めるのではなく、人々が使用価値の満たせる範囲で物品を生産しながら、水などの重要資源を共同管理する手法。 これこそがマルクスが晩年研究していた制度であり、それについて本作では解説している。 既に終わってしまったと思っていたマルクスの論理が、環境保護の文脈で再評価されるとは思っていなかったが、論理的納得性の高い本作であった。
0投稿日: 2021.08.05
powered by ブクログ「使用価値」(有用性)の高いものを重視することで、商品の質や環境負荷を省みることのない価値を重視することから脱却する。ケア労働は「使用価値」の高い仕事として重視される。水道事業、太陽光発電などは市民運営で。そういう社会は脱成長であるが、本当に必要なものが、地球上のどこかの誰かを犠牲にすることなく手に入るだけ正常に思えました。手にしたものは、どこから来たのか、想像できる範囲で暮らしていくことはできる気がします。
0投稿日: 2021.08.05
powered by ブクログやっと読み終わりました。環境問題を、経済学としてとらえる問題作。成長を至上とする拡大資本主義者にとってはもはや、温暖化を止めるすべはないように映ります。コストを最適化するように調整されてしまう自由経済のもとでは、全体最適が図れないのである程度の強制力が必要に感じます。残念ですが。
10投稿日: 2021.08.04
powered by ブクログ現代の資本主義は限界に来ているという主張をよく目にするようになった。確かに経済格差の拡大はグローバル化や新自由主義に起因するところが大きく、大衆の不満に便乗するポピュリズムの台頭、それから成長優先による環境破壊も問題である。そして解決策の多くはESGやSDGsのように、社会や環境の課題解決を機会にして更に成長を目指すもので、方向性を変えて今までどおり、あるいは今まで以上に頑張れば、皆が幸せになれるというコンセプトである。 一方で、脱成長というアイデアもそれなりに人気がある。これは、社会や環境の課題解決を優先して、成長を諦める、後退を許容する、というもので、満足度、幸福度についての価値観を変えることを人々に求める。 これらの主張はどちらも、基本的には今の経済システムを変えることは求めない。ポスト資本主義とは言うが基本は資本主義である。 本書では、まずこれらの解決策を概観し、問題点を指摘してゆく。資本主義は本質的に成長を止められず、その過程で見えないものを毀損していく。例えば途上国の農地、児童労働、化石燃料、鉱物資源である。成長することで豊かさが行き渡れば問題は解決されるというのは技術楽観論に過ぎない。その前に地球の限界を超えたら、無法地帯、ホッブズの自然状態になる。要するに手遅れということだ。 そして著者が主張する解決策は、コミュニズム、悪名高い共産主義である。著者はマルクスの研究者であり、未出版の手記やメモを読み解き、マルクスは現代の問題を資本主義の問題として分析しており、解決策も構想していたのでは、と推測する。それは「コモン」である。万人の共通資本、生産資本をコモンとして共同体で管理する。本書中盤は、マルクスの思想は資本論やソ連の共産主義よりも更に先に行っていた、という論考が続く。マルクス研究者の本領発揮である。 最後に、この解決策を実現する方法について、政治を信頼して選挙で行動することを否定する。市民運動である。具体例として、バルセロナなど地方自治体を動かす活動を紹介する。 全体的に分かりやすいが、前半、今のSDGsが不可能であることの論拠が弱い。まあ証明できたときには手遅れ、では笑えないが。またマルクスのところは冗長に感じる。本当のところマルクスがどう思っていたかなんて、今更分からないし、箔がつくのは分かるがマルクスが言っていようといまいと、解決策の質には違いないはずである。しかし一つ一つの対立意見の取り上げ、論駁は丁寧である。本書の意見に賛成だろうと反対だろうと、モノの見方が広がったことは間違いない。
2投稿日: 2021.08.04
powered by ブクログ遠くない将来、地球は加速する資本主義による気候変動で破綻する。これを止めるには資本主義をやめて「脱成長コミュニズム」に向かう他にない。 いま流行りのSDGsがいかに無意味か、成長を追い求める資本主義にどんな問題があるのか、よく分かった。 若手経済思想学者の星である著者による、脱資本主義の現在地がよく理解できる一冊。良書。 「資本主義を止めなければ、歴史が終わる」
4投稿日: 2021.07.25
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
現在の環境問題主に二酸化炭素排出に関して経済学的視点から論じている。 約10年前に掲げられたグリーンニューディール政策の指摘から始まる。 ただ、これでは難しいと何故ならこの政策の根本には資本主義的経済活動があり、この経済活動が環境問題に起因しているからである。 さらに著者はカールマルクスの思想を解説し、カールマルクスが晩年に到達した脱成長が本質であると説明している。 GDPを伸ばすことをしてもこの先環境は良くならない。AIに頼り人件費を削減しても二酸化炭素の排出量が増加するだけで余り意味がない。 唯一の選択肢が脱成長コミュニズムである。 ガイア理論というものがある。地球を一個の生命体としてみて、自己調節機能をもっているという仮説である。 もしこれがそうなら人間が自己調節機能を破壊していることになる。
2投稿日: 2021.07.23
powered by ブクログ世界の環境破壊を資本主義を切口に解明していく内容。 先進国が途上国を巻き込んで環境破壊を進めている事、それを見て見ぬふりをして経済活動を行なっている現状がある。 まずはそこをしっかり見つめて認めた上で「使用価値」のあるものの生産をする体制、仕組みを作る事が重要であると感じた。
2投稿日: 2021.07.23
powered by ブクログ資本論を持ち出してここまで一般的に受け入れられる書籍は珍しいと思う。 考え方自体は性善説的に個人の行動を促すものだと感じた。 個人個人が世界の状況に危機感のようなものを抱き、規律を持ちながら行動してくような方向性を示している。 環境問題と資本論を結び付けたところは面白かった。 一方、いくつかの環境問題対応の立場を主義に区分して比較していたが、全体的に 主義A(筆者の主張したいもの)の良い面と主義Bの悪い面を比較している印象がありフェアでない気がした。 全ての責任を資本主義という漠然としたイデオロギーに転嫁しており、人間や社会の本質を無視した議論になっていると感じた。 テーマは絞ったほうがいいと感じた。 最初は環境問題で問題提起していたが、中途半端に経済の視点等々混ざってきている割に全てを包括できていない中途半端さを感じた。(環境、経済あたりが解決できればよくて、例えば、人権、紛争、医療、教育等の問題は無視しているように感じた) 環境問題なら環境問題だけに絞れば話はぶれなかったと思う。 どのみち一つの主義や考え方で全ての問題が解決できることは誰も期待していないのだから。 例示する際の視点や視野の範囲が狭いと感じた。 世界規模の話をしていたが、「水は潤沢にある・・・」という表現に違和感を感じた。健全な水を確保できない地域や時期もあるだろう。ダム等々なければ水は安定して確保できない。 気候変動に対する問題提起は非常に納得感があり、危機感も伝わった。 ただし、筆者の主義主張の解説を踏まえての解決策が少し具体性と実効性が乏しいところが残念だった。結局個人レベルの活動が世界を変えていくのを期待しましょうというスタンスであり、既存の社会システムの援用が十分に必要となる。
1投稿日: 2021.07.22
powered by ブクログ「格差」と「気候変動」を作ったのは資本主義。グローバル化が進むにつれて帝国的生産様式は近いうちに終焉を迎えるが(転嫁の限界)、地球環境の事を考えたら「修復不可能な亀裂」が入る前に社会システムの大変革が必要となる。 現在、様々な国や企業が環境改善に向けてSDGsや電気自動車など表面的には良さそうなことをしているが、生産過程を見てみると「グローバルサウス」に頼りきっている(不等価交換、資源の奪い取り)。これはただ「転嫁」しているに過ぎない。そもそも資本主義の構造上「格差」と「気候変動」は止められない。 そこでキーワードとなるのが「脱成長コミュニズム」。 それを築くためには「マルクスの資本論に秘められた真の構想」として「脱成長コミュニズムの柱」を5つ本書の後半で提唱している(第7章)。 著者の理想とする社会は確かに素晴らしいが、それを体現するにはかなり複雑で根気のいる道を歩むことになる気がする。もちろんやってみないと分からないし何も変えることもできない。踏み出すにはとても勇気のいることだが、本書にも書いてあったようにワーカーズコープのような組合はネットワークがある。 どんなに小さくてもいいからまずは一歩踏み入ってみることが大事なんだろう。そこから道が広がってくるはず。
0投稿日: 2021.07.20
powered by ブクログ新しい価値観、今まで誰かは疑問に思ってきた環境問題の矛盾を解決するために、マルクス主義を徹底的に研究してきた著者だからこそ書ける内容。SDGsは免罪符など、中々のパワーワードもあり、一般企業で環境に優しい云々の事業をしていても、疑いを持ってしまう。 これを読んだら、今の労働の意味に疑問を感じてしまう。 ただ、著書が目指す世界の大枠は掴めたが、それを日本の自治体レベルに落とせてる、もっと小さいコミュニティに落とせてることは書かれてない。 この本読んで、まさにボトムアップて社会運動からの変革を望んでいるのだろうか。
3投稿日: 2021.07.20
powered by ブクログ新しい価値観の提供として良いでしょう。 但し、庶民が質素に暮らし、金持ちは何も変わらないという世界への入口でもある気がしました。
0投稿日: 2021.07.19
powered by ブクログ・気候変動のポイントオブノーリターンは目前に迫っている。永久凍土が融解すれば、大量のメタンガスが放出され気候変動がさらに加速する。 ・拡大前提の資本主義は限界が来ており、商品の価値(価格)ではなく使用価値を重視した脱成長を目指す。
0投稿日: 2021.07.17
powered by ブクログ「SDGsは“大衆のアヘン”である」 環境にいい消費行動をとっている! という、欺瞞ともいえる自己満足。 新技術が環境問題やエネルギー問題を解決してくれる! という、ただの勘違い。 どれも目の前の問題を先送りしているに過ぎず、それは今までとなんら変わりない。 「脱成長」「スローダウン」 がキーワード。 マーケティング・広告に、ある種の疑問を抱いている人もいるのではないだろうか? 欲望を喚起することに腐心し、 大量に売ることを是とする。 人々は必要以上にモノを消費し、 お金を稼ぐためにより働く。 こうして経済は活性化しGDPは増大しても、 本当に幸せになったとは思わない。 私の心の中では、 ブルシットジョブと呼ばれる仕事よりも、 エッセンシャルワークにより魅力を感じ始めている。 私は、人を幸せにすると心から思える仕事を、仕事にしたい。
0投稿日: 2021.07.17
powered by ブクログ地球環境を守り抜くために、未来世代や豊かさの外縁にいる人たちのために、そして自分たちのために。経済学の知識がなくても、著者の訴えがひしひしと伝わってくる1冊。読めて良かったです。
0投稿日: 2021.07.16
powered by ブクログ去年くらいからSDGsとか、サステナブルって言葉を頻繁に耳にするようになったけど、それだけでは改善しないよなぁ。。。とモヤモヤしていたものがこの本を読んで確信になった。 結局は小手先ではどうにもならないくらいの末期症状なわけで、根本的な治療法=経済政策が必要なんだけど、結局は「資本主義」との戦い!? マルクスの「資本論」って社会主義とか共産主義的思想だと思っていたけど、さらに追加研究をしていくとその先があったことが少しずつ明るみになっているとのこと。 かなりの部分で共感だけど、さてさてどうやって本当に実行プランに移すのか?が肝ですね。
0投稿日: 2021.07.14
powered by ブクログんー。新しさを全く感じない。なぜ今なら社会体制を変えられると思うのか、が理解できない。 が、この本から資本主義の在り方を疑う人が1人でも増えれば結果オーライなので、☆2つ。
0投稿日: 2021.07.13
powered by ブクログ話題の新書。某誌で内田樹さんも賞賛しているのを見かけ、それなら是非ということで入手。自分がそういうのを求めているからということだろうけど、先だって読んだユウさんの"プランB"も、本書と前後して読んだブレイディさんも、形は違えど同様の論旨。でもその割に、反緊縮の声が全く聞こえてこないのはなぜ?しかし、SDGもESGも問題の論点をずらしているだけで、将来的に抜本的解決にはならない、ってのはなるほど!だな~。だからといって、環境破壊の大部分を担う1%の富裕層から、唐突に富がばらまかれるとは思えんし、実に難しい問題。自分に出来そうなことを考え続けるしかない訳ですね、ここでも。
2投稿日: 2021.07.12
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
山口周さん推薦の本なので読んでみた。 ちょうど前半を読んでいる日に熱海の土砂崩れが発生。気候変動問題の重要性が身に沁みた。 正直、マルクス解釈は自分の基礎知識が無く難解すぎてけっこう読み飛ばした。それでもちゃんと結論には辿りつけるのでご安心を。 一言でいうと、資本主義をやめて脱成長コミュニズムへの転換を。筆者の言う通り、あまりに大きな目標に途方に暮れそうになるが、バルセロナの事例など行動に移している話も出てくるので希望が持てる。 個人でできることも、もちろん勇気・根気が必要だが無くはない。
0投稿日: 2021.07.09
powered by ブクログ資本主義に変わる道を提案する本。 気候変動の問題を筆頭に資本主義の問題点を挙げて、資本主義には暗い未来しか残ってないと分析している。 SDGsをはじめグリーンニューディールなどで持続可能性を模索する道も、結局は資本主義の枠組みの中でのことなので問題を外部に転化していき上手くはいかない。これらは資本主義がしぶとく生き残るための道でしかない。 そこで資本論のマルクスの晩年の思想に焦点をあてる。 そこから見えてくるのが「脱成長コミュニズム」らしい。 社会のインフラは皆で共有し、地域のことは皆で話し合って決める。 成長しないことについてはあまり詳しく書かれていない。と思う。 具体的な方策は書かれていない。 考えて決めていくのはそこに住む自分達。 全ての人にオススメです。
0投稿日: 2021.07.08
powered by ブクログ間違いなく私達全人類に関わる重要な議題であるが、私程度の教養ではどうしても咀嚼しきれない、ではこうでない道を採るなら私は何を選ぶのかと問われてもどれ一つ確証を持って選択を出来るわけでもなく、己の無知さに嘆くのみ、もっと知る必要がある。
1投稿日: 2021.07.07
powered by ブクログ気候変動、コロナ禍などの世界的規模の難題に対して、マルクスの資本論を基に新しい社会「人新世」を築くべきと問うている。SDGsは、「大衆のアヘン」喝破するところが凄い!
0投稿日: 2021.07.06
powered by ブクログ資本主義をひっくり返すことは難しくても、お金の使い方、暮らし方を変えていくことで、意思表明をしていかないと!
2投稿日: 2021.07.05
powered by ブクログ『100分で名著 資本論』にこの本の著者が出ていた。番組が面白かったので、この本も読んでみた。 全てを金銭的価値に変換してしまう資本主義には疑問を持っていたので、基本的には主張に賛成。 しかし、全世界の変容はなかなか難しいように思う。まずは自分の過ごし方にて、脱成長コミュニズム的なものを意識していきたいと思った。止まることない“消費”ではなく、『暇と退屈の倫理学』で言うところの“浪費”をして過ごしていきたい。
0投稿日: 2021.07.05
powered by ブクログ強引。でも、それが若手学者の尖りの良さ。 3.5%の民衆による脱成長コミュニズムへの革命。ぜひ実現してほしいが、保守派をどうやってとりこむのか。ホラーストーリーだけでは動かないだろうから、一度野蛮時代を見てみるしかないのかも。
1投稿日: 2021.07.03
powered by ブクログ自分に話を全て理解しきるだけの知識がないのが恥ずかしい。 脱成長コミュニズム。マルクスといえば単なる社会主義のイメージしかなかったが、資本主義の問題点を持続性なども含めていたと考えるとすごいなと感じた。 大学生になって服をよく買うようになり、トレンドなども気にして選ぶようになったりしたが、大量生産大量消費という資本主義の実態を考えると溜息をつきたくなる。自分が進んで資本主義の悪点にはまってるじゃないか。 自分が3.5%になれるよう、自分にできることを少しずつでも考えてみたいと思った。
3投稿日: 2021.07.01
powered by ブクログやっと読み終えた。今の生活は転嫁して成り立っているということ。成長ではなく脱成長を目指すべきであるということ。何より、終わりににあった3.5%の人々が非暴力的な方法で本気で立ち上がると社会が大きく変わるということをこれからの生活で意識したい。
0投稿日: 2021.06.28
powered by ブクログ◉「晩年のマルクスが提唱していたのは、生産を「使用価値」重視のものに切り替え、無駄な「価値」の創出につながる生産を減らして、労働時間を短縮することであった。」(P319)
0投稿日: 2021.06.27
powered by ブクログ正直に申しますと「読んでいて退屈」。個々の内容はデータに基づいた当たり前のことを小難しく語っているが結論にやや強引さもあり、結局何がしたいのか、学者なのでそんなことはどうでもいいのか、よくわからない。知識が豊富なだけで思考能力は浅いのではないかとすら感じる。これが1位?
3投稿日: 2021.06.26
powered by ブクログ◯読んだ目的 社会の現状を知り、より良い社会を作り出すために自分が何をしなければならないのかを知ること ◯感想 山口周氏の著書と同じように、私にはとても読みにくく感じた。 しかし「脱成長」などの考え方は目から鱗だった。 ◯今後の行動 ものを買うときは、それを買ったり処分したりすることによる環境への影響を考えるようにする。つまり、ただコスパがいいかどうかだけ考えるのではなく、メンテナンスしながら長く使うことができるかどうかなどを重視する。
2投稿日: 2021.06.24
powered by ブクログ自己実現という意味だけでない「他者のためにどう自分を使っていくか」という視点で「仕事」を考えるきっかけになった。 そしてその視点に立ったら、なんだか生きることが、ずいぶん楽になったような気がする。そういう本ではないんだと思うけど。 でも現代の資本主義というものは「自分の利益を追求する」という意味では確かにそれは間違っていない。 私の場合は利益を追求するというより、自分を価値あるものだと肯定するための自己実現の方がニュアンスとしては近かったけど。 それはでも、結局あんまりハッピーな考え方じゃなかったんだよな。 それはそれとして置いておくにしても、自分のこの手で何ができるのか。小さな革命家になったような気持ち。革命は、個人が、今までの自分や今まで自分が甘んじてた環境に対して起こすことができる。すんごく小さなことでも。 その方が気持ちに正直なら、やっていこうと思えた。
0投稿日: 2021.06.20
powered by ブクログ100分で名著でも紹介されていたが、今が旬の著者の「資本論」。従来の考えでは資本主義の生産力が上がった段階でで共産主義への移行は必然的であり、中国や旧ソ連は資本主義が発展していない段階で社会主義に至ったので失敗したと学んでいた。著者によると、「資本論」以降の研究でマルクスは生産力至上主義の限界を悟り、脱成長コミュニズムという思想に至ったという。従来の左派の思想では資本主義の延長上でしか対策が考えられず、気候変動のために資本主義が終わる前に地球が終わってしまうと警告する。ただ資本主義の成長(生産力)至上主義に染まった人々(自分人も含めて)の考えを変えるのは至難の業だが、世界にはその流れを変える工夫は始まっている。例としてワーカーズコープが挙げられているが、自治体単位ではバルセロナ市を始めとして欧州では実践が取り組まれている。その特徴は協同組合による参加型社会とグローバルサウスに学ぶ国際連帯である。目からウロコの論調で、文章も読みやすく、理解しやすかった。
2投稿日: 2021.06.19
powered by ブクログ斎藤幸平(1987年~)氏は、芝高校卒、東大中退、米ウェズリアン大学政治学部卒、独ベルリン自由大学哲学科修士課程修了、独フンボルト大学哲学科博士課程修了、独ブランデンブルク科学アカデミー客員研究員、カリフォルニア大学サンタバーバラ校客員研究員等を経て、大阪市立大学大学院経済学研究科准教授。専攻はドイツ観念論、マルクス主義哲学・経済学。 本書は、2020年9月に出版され、「新書大賞2021」を受賞。これまでの発行部数は30万部を超える。 内容は、気候変動(不可逆的な環境問題)の危機に直面する今、我々は未来に向けてどのような道を歩むべきかについて、最新のマルクス研究の成果を踏まえて論じたものである。(「人新世」とは、2000年にドイツの科学者クルッツェンが地質時代の区分の一として、「完新世」後の人類の大発展に伴い、人類が地球規模の環境変化をもたらした時代と定義した名称) 先日、TBS「報道1930」に出演した著者の話を聞いて、読んでみた。 私はもともと、現在の(世界の多くの問題の元凶である「格差」を生む)資本主義に対して違和感を持ち、広井良典氏の『ポスト資本主義』やジョセフ・E・スティグリッツ氏などの本も読んできたが(本書の中では、資本主義を超克していないとして、両氏とも否定されているが)、著者の主張には大いに共感を覚えた。おそらく中長期的に人間と自然が共存していく方向性はこれしかなく、そのコンセプトは、広井氏が近著『無と意識の人類史』で述べている、「心のビッグバン」、「枢軸時代/精神革命」に続く、人類史における「第3の定常化」の時代における新しい世界観(個人を超えて、コミュニティや自然とつながる世界観)の中で、多くの人びとに受け入れられていくものなのかも知れない。 論旨のポイントは以下である。 ◆資本主義とは、収奪によって経済成長を図るシステムであり、負荷を外部に転嫁する(技術的、空間的、時間的)ことによって、更なる成長を続けてきた。その収奪は、人間のみならず、自然をも対象としている。 ◆気候変動の危機に対し、「緑の成長」/グリーン・ニューディール/気候ケインズ主義/SDGs、ジオエンジニアリング(気候工学)など様々な政策・技術が議論されているが、いずれも、危機を生み出している資本主義というシステムを温存しているという点で、根本の解決にはならず、問題解決の先送りに過ぎない。そして、そのような見せかけだけの対策(身近な例では、エコバッグを使う等)に安心して、人びとが危機について真剣に考えることを止めてしまうことが一番危険。 ◆この危機を回避する方法は、資本主義を捨てて、マルクスが、「生産力至上主義」、「エコ社会主義」という思想的変遷を経て、最晩年に到達した「脱成長コミュニズム」を取り入れることであり、それは、「経済成長」ではなく「持続可能性」を基準としたものである。 ◆我々は過去の経験から、豊かさをもたらすのはコミュニズムではなく資本主義であると思い込んでいるが、資本主義は、もともと共同体が共有していた土地や水などの潤沢なもの(コモンズ/使用価値)を、希少性のあるもの((商品としての)価値)に転換し、それによって、持つ者と持たざる者の格差が生まれ、現在、(1%の超富裕層ではない)99%の我々は欠乏の状態にある。つまり、コミュニズムは潤沢をもたらす一方、資本主義こそが欠乏をもたらすのである。 ◆「脱成長コミュニズム」実現の柱は、①「(商品としての)価値」から「使用価値」に重きを置いた経済に再転換し、大量生産・消費から脱却する、②(金儲けのためだけの)労働時間を削減し、生活の質を向上させる、③画一的で退屈な労働をもたらす分業を廃止して、労働の創造性を回復させる、④生産のプロセスを労働者が決める民主化を進め、経済を減速させる、➄使用価値経済に転換し、労働集約型のエッセンシャル・ワークを重視する、の5点。 (ただ、説明が冗長で繰り返しも多く、この種の本に慣れていない読者には丁寧ともいえるが、内容自体は半分の頁数で書けたと思われる) 本書の中では、「脱成長」に向けた世界各地での具体的な取り組みも紹介されているが、残念ながら、日本は非常に遅れていると言わざるを得ない。更に大事なことは、このコンセプトをいかにして実現するかであろう。 (2021年6月了)
6投稿日: 2021.06.17
powered by ブクログSDGsが胡散臭いものだと思ってはいたので、そこんところの正体をちやんと説明して、グローバル・サウスの問題にまで気付かせてくれていたところは納得。 ただ、地球の温暖化だとか気候変動でこの世の終わり・・・という大前提から始まるところと、なんでわざわざマルクスを引き合いにした話になるの? ってところが最初から最後まで引っ掛かっていました。 武田邦彦さんがこの本を読んでどんなコメントするか興味津々です。
2投稿日: 2021.06.16
powered by ブクログここまで大前提を覆されるとある意味清々しい。 でも、この意識変革をどうやったら普遍的なものにすることができるのだろうか? うすぼんやりと「環境に優しい、地球に優しい」なんて考えでは生ぬるい、と仰る。 さて、何から始めるか?
0投稿日: 2021.06.15
powered by ブクログソ連の崩壊後、資本主義の一人勝ちのような状態が続き、その間に新自由主義者たちはひたすら自分たちの利益の増大ばかりを図って世界中で貧富の差を拡大し、あまつさえ地球環境すらその収奪の対象としてきた。そのツケが気候危機という現象となってわたしたちに襲いかかってきている。 誰もが「何かがおかしい」と思いつつも、どこからどうすれば現状を変えることができるのか、なかなかその答えとなるものを見出すことが困難なままでいた。 しかし、ここにその答えを明確に打ち出してくれた人がいた。「3.5%」でいいのだ、と背中を押してくれた。その呼びかけに応えたい。
0投稿日: 2021.06.13
powered by ブクログ前提が資本主義成長を止めないと温暖化はふせげないで始まっている。そうなのかな。グローバルサウス、エッセンシャルワーカー、ケアワーカー、子供、将来世代経済弱者へのしわ寄せ、持続可能な社会はコミュニズムか。 この本読んでからテレビのCM見てるのがつらくなった。電通なんかブルシットジョブだもんね。 斎藤幸平34歳、歯切れがいいな。
2投稿日: 2021.06.13
powered by ブクログマルクスの最後の思想を知れて良かった。 理想としてた世界って、人と人が関わり合い、助け合う、美しい世界だったのね、、。 たしかに、温暖化対策をしようとしてる一方、利益追求型資本主義を見直さないと絶対世の中良くならなそう。どこかに必ずしわ寄せがくるのが今の世界。 そして、都市化がもらたしたものは、希薄な人間関係。アパートの隣人も知らないもん。 田舎は近所みんな知り合いなのに。 みんなが足るを知ることをして、助け合える、知恵を出し合える世の中を!!!
2投稿日: 2021.06.11
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
『未来への大分岐』に続いて著者の資本論に触れる。気候変動被害が顕著な現在、そんな環境危機さえも商機と捉える惨事便乗型資本主義。もはや資本主義による経済成長ありきでは地球環境を維持できぬ中、我われが選択すべき未来の形「X」とは?富の独占を防ぎ、支配・従属関係を生じさせない。政治を政治家に任せきりにせず、資本と対峙する社会運動を起こす。民主主義を刷新すべく、市民議会を設置する。そのメンバーは選挙でなく、くじ引きで選ぶ。そうした事例や提案を示し、「X」とは「脱成長コミュニズム」だと明かす。少なからず感化された。
0投稿日: 2021.06.09
powered by ブクログ山口さんの「ビジネスの未来」を読んで、 同じ系列の本じゃないか?と推薦された本。 ※ビジネスの未来 https://booklog.jp/users/noguri/archives/1/4833423936#comment 主張に多少の違いはありますが、これまでの資本主義の行き詰まりを指摘している点では、 似た本と言えそうです。 (こっちの本の方が格段に難しいです。) 斎藤さんのこちらの本は、より過激で、危機感をあおってくる内容になっています。 今のままだと地球環境がヤバいよ、と。 見せかけのエコとかSDGsだと地球を救えません、と。 (ちょっと乱暴に言いすぎかも。。) 人によって、賛否両論分かれそうです、 特にSDGs信奉者にとっては、地球環境を保全することと経済的成長は両立できるという立場でしょうから、 「おいおい、それは言い過ぎでしょ」と言いたくなるのではないかと思います。 私自身は、どちらが正しいのか、判断が付きかねる状況でしたが、 こういうことにも自分のスタンスを定めていく必要性をひしひしと感じた次第です。 自分の子孫たちがちゃんと地球で生活ができるように、 今を生きる我々の当事者意識が試されている本かと思います。
10投稿日: 2021.06.08
powered by ブクログ電子書籍で読むと分かりにくいが、400ページ近くあるかなりボリュームのある本。 市民の力が大切、市民の一人の力は小さくても合わされば大きなうねりになる、というのはよく言われることかなと。 自分も大学の卒業論文で再生可能エネルギー普及のための策を研究したが、市民の力が大切ということを書いたなと思い出した。
0投稿日: 2021.06.03
powered by ブクログ今まで環境問題については、技術革新やSDGsの達成、脱炭素社会などを目指すことが大切だとばかり思っていた。資本主義があらゆる問題の根本にあることも気づいていたが、資本主義自体を否定することは現実的でないと思っている。ただこの本は、資本主義そのものを否定し、脱成長コモンズの社会を訴えている。今の社会では、なかなか受け入れることが難しい考えではあると思うが、今までと全く異なる視点で、具体的にマルクスの考えを軸に説明していてすごいと思った。
0投稿日: 2021.05.31
powered by ブクログコモンなどの仕組みや考え方はわかるが、庶民にはなかなか実現できないだろうなと思った。バルセロナの取組は参考になりつつ、ハードルは高いなと。学者さんの考えから、抜けなかった。アボカドも買えるから買ってるだけで、難しい。とりあえず無駄遣いはせず、お金は貯めようと思いました。マルクス読んでる人は、ちょいちょい資本論の内容が出るので、あっわかる!という瞬間がくるかも。
5投稿日: 2021.05.31
powered by ブクログ経済成長の飽くなき追求の間違った感じ、無理っぽさ。 脱成長の世界を作れるだろうか? 何ができるだろう?
0投稿日: 2021.05.30
powered by ブクログ結構難しくて、すごくゆっくり噛み砕きながら読んで、なんとか理解できたと思う。 今までやってきた、エコなことが否定されていて、ショックもあるが、それだけ地球の危機は深く、待ったなしであると伝わってくる。いままでの環境保全の様々な活動も、やらないよりはやった方が良いので、そちらは続けつつ、個人の努力レベルを超えて、社会システムの変革が必要である。しかし、トップダウン的社会はだめで、なぜなら、資本主義の中でトップ層はものすごく豊かな生活を送っていて、それを自ら手放すとは考えられないから。 地球を守り、共存していくためにすべきことは納得で、働く時間を減らし、本当に大切なものを見つめていく生活ができたらいい。お金を使わせるためのマーケティング、広告、コンサルティングなどなくなり、ケアの仕事にきちんとお金が支払われること。 世界で始まっている、市民が生産を管理する組織。まだ自分にとって遠いことのように思えるが、まずは日本でそのような組織がないか探す。そこから学べるものを吸収し、できることを考える。応援する、参画するまでやっていけたらいいな。そして、広めることも。私の立場で伝えられる人たちへ伝えていく。子どもたちになるべく良い環境を残すため、できることをやる!
0投稿日: 2021.05.29
powered by ブクログ環境問題が深刻化し、このまま資本主義のもと、成長も発展を行なっていくと、いよいよ地球がもたなくなってしまうため、資本主義を捨て、脱成長へと舵を切ることの大切さを説いている。 日本は先進国であり、国民の生活水準が高く、インフラや社会制度も整っており、貧富の差も比較的小さいが、老後2000万問題など、中級層と言われる人々はプチ貧困であると言わざるを得ないうえに、いつ財政が破綻し、既存の社会制度が保てなくなったり、終身雇用・年功序列の破綻が迫る中、雇用環境が一変し、失業者が増えるなど、さまざまなリスクが待ち構えている。 そんな日本だからこそ、筆者が述べるようなコモンズの形成こそが、現状を打破するには必要なのではないかと考えた。 ・生活する上で、万人に必要な衣食住の共有。 ・「希少価値」ではなく、「使用価値」を重視した生産。 ・ラディカルな潤沢さ。 これらは手放しで歓迎したいし、ぜひ実現してほしい。 富を憎め、贅沢を許すなとは言わない。 富や贅沢は、努力や挑戦の成果であり、得られるべくして得られたものであるならば、妥当だ。 しかし、結局人間は「座して半畳、寝て一畳」であり、何が本当の幸せなのかを今一度考えてほしい。 ただ、本裏のヤマザキマリ氏のような知恵や力は本書を読んだだけでは手に入らない。 本書の内容は個人努力ではなく、コミュニティにおいて、一斉に行っていかなければならないからだ。 その点において、星2とする。
0投稿日: 2021.05.28
powered by ブクログ脱成長のゆたかさ 資本主義=希少性に価値 だからいつも満たされない 資本主義に呑み込まれるロハス
0投稿日: 2021.05.26
powered by ブクログこのような本としては異例のベストセラーとなっているというこちら、読んでみました。 なるほど…とても勉強になりました。私がどことなく胡散臭さを感じていたグリーンニューディールなどのまさにその限界あるいは(故意であれば)欺瞞も踏まえた上で「その先」までを後期マルクスの思想をベースに論じており、大変に興味深い。最近気になっていた「資本主義の限界」「民主主義の今後」「気候変動と脱炭素」といった辺りを総カバーしており、1冊で数冊分の示唆をもらった感じ。 著者は1987年生まれ。世の中には頭の良い人がいるものだな…というのが正直な感想。しかし、この本がベストセラーというのも、日本も大したものですかね。
2投稿日: 2021.05.23
powered by ブクログ斬新すぎる、新しい思想家が現る!⁉︎ 本書は、晩年マルクスの研究成果をもとに「脱成長コミュニズム」を提案している。 『SDGsは「大衆のアヘン」』。地球温暖化対策にあなたはなにをしているだろか...。という強烈なインパクトからはじまる。2021年新書大賞受賞。世間を賑わすだけの名著といえるのでは。 読むのにとてつもなく時間のかかった、僕にとってはちょっとハードルの高い本だった。読み終わった後の満足感は久しぶり。全世代におすすめできる本。 ボクに何ができるだろうか。3.5%の一員になることから始めよう。
0投稿日: 2021.05.19
powered by ブクログ人新世とは、豊かさを求めるあまり資本主義が膨張を繰り返した結果、地球が負荷や矛盾で覆われるようになってしまった今の時代を指し示す言葉。 二酸化炭素の排出が増え急激な気候変動が起き、先進国(グローバル・ノース)が後進国(グローバル・サウス)から資源や富を収奪し環境負荷を転嫁している状態を放置すれば、社会は野蛮状態に陥る。 著者は、それを阻止するため、希少性を生み出しながら利潤獲得を行う資本主義から、公共財としての「コモン」を民主的に管理する「脱成長コミュニズム」への転換を主張する。 あらゆるものを商品化し、潤沢なものを希少化して「価値」を増殖する新自由主義の領域から、生きるために必要な「使用価値」を持った住居、水や土壌などの自然資源、電力、交通といった社会インフラ、医療、教育などの社会制度に目を向け無償あるいは廉価な「コモンズ」の領域を取り戻すことに力点をおいて解説している。マルクスが生産力至上主義やヨーロッパ中心主義といった進歩史観から脱却した過程など残念ながら基礎知識の不足から理解に窮する内容もあったが、著者の考え方の基調はおおむね理解でき、賛同できた。特に「使用価値」をほとんど生み出さないのに高給な「ブルシット・ジョブ(くだらない仕事)」が溢れる社会を「使用価値」が高いものを生み出すのに低賃金なエッセンシャル・ワークが評価される社会へ移行すべきという点は全くその通りだと思った。
0投稿日: 2021.05.17
powered by ブクログマルクス研究者の本。晩年のマルクスの思想を参考に、気候変動問題といった資本主義システムの矛盾から生まれた問題に対する解決策(脱成長コミュニズム)を提示する。 __________ 昔、学生時代にマルクス研究者が「ソ連は共産主義ではない」とか「もっと原始的共同体について調べなくてはと思っている」とか言っていた意味がわかった。(ソ連は国家がトップダウンで資本主義をやっているので、共産主義と言えない) 私は単純なので、左派的な文献を読むと否応なく啓蒙されてしまうので楽しい。私が資本主義的な生活を続ける限り、このような本を読むことでの啓蒙感は続くであろう。というか、いちいちマルクスの用語がかっこいいんだよね。 やっぱりボトムアップしかないというか、社会運動一択なんだな。結論は。「みんな行動しよう!」「一人ひとりの小さな一歩が大きな一歩!」ということだが、この使い古された、言い慣らされた結論の垢をどのように落とせばいいのだろうか、ということを思った。間違いなく重要であり、それしか策はないとは思うが、どうにも「とにかく行動しよう!」という主張にはダサさがあり私の中の中二精神というか不良精神が「そんなんに従わねえわ」みたいなことを思ってしまう。行動のためへのイメージ戦略を考えるべき。「社会運動のために行動するのはかっけえ!」というイメージを確立させる必要がある。さもないと、日本においてはいつだって若者にはびこる無知蒙昧な冷笑主義に負けてしまいそう。いや、もっと教育をしっかりすればいいだけなのか? この本は、同じ事を何度も繰り返す手法なのでそこが、少しくどいかもしれない(が、その点が哲学研究者の本っぽくはある)。 追記:批判として、マルクスの贔屓の引き倒しである、SDGsや引用されている自然科学への理解が不足しており我田引水気味である、批判対象を矮小化している、「使用価値」「価値」に見られるようなマルクス由来の分類体系がそのまま適用できない事例が現代には数多くあり、晩年のマルクスの思想がこうだった→マルクスの体系をアップデートせずに現代社会を批判という接続が危うい、などがあるようだ。たしかに大雑把な印象は受けるし、具体性に欠けるのは頷けるが、そう目くじら立てずに、見取り図の提示という捉え方で良いのではないだろうか。
0投稿日: 2021.05.16
powered by ブクログちくまの世の中ラボからきました。自分好みの考えっぽいなと思って読み始めた。想像通り。 SDGsどころか政治の知識も経済の知識もないけど、理想の社会ってこんな感じかもなと直観的には思う。実現しようと思ったらいろいろと障害あるんだろうけど。目指す方向としては賛成。なんでそんな経済成長させたいんだって疑問がずっとあった。そんなのいらないんじゃね?という直観がより強くなった。 ただ環境問題のことは全然知識がなくて、問題意識があまり共有できてなかったからそこらへん勉強したい。地球温暖化ってキーワードすごい流通してるけど、危機感もててない。この本読んですらもててない。 どちらかというと格差改善だったり生活の質を上げるだったり、際限ない欲求実現するために無理矢理なことやってるから身の丈にあってないんじゃない、という意味で、本書の考えに賛同したという感じ。もちろんそれらは繋がっていると述べられているが。 この本と真逆の考え方してる人の本とかあれば読んでみたい。
3投稿日: 2021.05.16
powered by ブクログSDG'sやグリーンニューディール政策の問題点をズバズバと指摘する最初の方がとても刺激的で面白いけれど、マルクス思想とか絡めて、脱成長シナリオを訴求する後半は、(マル経に対する基礎知識が欠如しているからか)ちょっと理解が追い付きませんでした。同じフレーズやキーワードが何度も出てきてちょっと食傷気味な感も。
0投稿日: 2021.05.14
powered by ブクログ資本主義で社会は豊かになっているのか、見た目だけのGDP成長で人は本当に幸せなのか、という問いに対して、とてもいい示唆を与えてくれた。 脱成長は少しインパクトがありイメージつきにくかったが、コモン、社会的共通資本を増やす、それはGDPに寄与しないので成長じゃない、という意味合いで理解できた。新しいことへの取り組みは成長かなと思うので、指標が違うことがわかるワードの方が良かったな。 マルクス研究の話やいろんな説の批判がちと専門的で難しかったので、整理しながらもう一度読みたい。
0投稿日: 2021.05.14
powered by ブクログ大作、示唆にも満ちてる。 ただ自分のネクストステップとして何から始めよう、というところまで至らず、まあそれも含めて自分と皆(たちで)始めよう、ということだと思うので、考えて、できることから行動に移します… で、どうしよう… と、グルグル回るのでとりあえず友人とディスカッション開始します。
0投稿日: 2021.05.11
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
読みたかった本ですが、時間がかかりそうだと思ってしばらく手が出ていませんでしたが、昨晩だけでサクッと読めました。合意形成手法と共同体のあり方、成長ではなく定常を指標とする意識、そして分断を気候正義で横断していく三・五%からのボトムアップ。本のカバーに書かれていた松岡正剛氏の3つのキーワードをマーキングして全体像を俯瞰することができました。政治学者の宇野重規氏は民主主義を「自分たちの社会の問題を自分たちで考え、自分たちで解決していくこと」と定義していて、まちづくりの分野では地域のものづくりから社会的なしくみができていく「生活圏民主主義」という考え方があります。各圏域の共同体が、グローバルサウスとの 関係で意思決定をする時代に向け、日々行動しようと思いました。 ◎3つのキーワード ・気候 ・マルクス ・人新世 ◎3つのセンテンス 1番目:資本主義と気候変動の問題に本気で関心をもち、熱心なコミットメントをしてくれる人々を三・五%集めるのは、なんだかできそうな気がしてこないだろうか。 2番目:ところが、共同体社会の定常性こそが、植民地主義支配に対しての抵抗力となり、さらには資本の力を打ち破って、コミュニズムを打ち立てることさえも可能にすると、最晩年のマルクスは主張しているのである。 3番目:最新のマルクス研究の成果を踏まえて、気候危機と資本主義の関係を分析していくなかで、晩年のマルクスの到達点が脱成長コミュニズムであり、それこそが「人新世」の危機を乗り越えるための最善の道だと確信したからだ。
0投稿日: 2021.05.11
powered by ブクログSDGsやサステナブルな経済成長では、もはや地球の許容限界を超えており、資本主義を前提とした経済からの脱却を訴えている。マルクス経済学の専門家でもある著者が、資本主義の限界に到達した現代だから、こそ社会主義を捉え直す必要性を主張する。 資本主義社会では、資本(事業の元手となるもの)を利用して価値を生み出し、貨幣を媒介として交換され、資産が生み出される。このサイクルを際限無く繰り返すことで、経済を右肩上がりに成長させ、国民生活を豊かにすることが目指されている。しかし、気候変動リスクに目を向ければ、こうした資本主義を前提にした経済成長が持続的でないことは明らかだ。なぜなら、資本主義のもとでは、地球にある有限の自然環境も資本と捉えるため、自然破壊や海洋汚染も経済発展の手段として正当化されるからだ。 自然環境と経済発展の両立を目指して、昨今では、サステナブル経済やSDGsが声高に叫ばれるが、こうしたスローガンも資本主義が前提にしていることが問題と著者は指摘する。そして、今求められているのは、経済と環境の両立ではなく、脱成長(必要十分な生活水準を維持する)の経済のもとで環境への配慮をすることである。この主張を補強する根拠として、マルクスが掲げた「価値と使用価値の対立」(人々が良いと思う「価値」と実生活で有用であるという「使用価値」は同一では無い)を提示し、市井で誤解されているマルクス像も解きほぐす。 マルクス主義が現代にこそ必要とされる理由について、理論と実践で分かりやすく論理が展開されていて、非常に面白い本だった。
0投稿日: 2021.05.09
powered by ブクログマルクス研究者、斎藤幸平さんが書く資本論は一見ニセモノです。 少なくとも読む前にもっていた、市販のローストビーフよりも薄っぺらい知識と比べたらまるで別物でした。社会主義という言葉の意味ががらりと変わります。 読んでみて納得です。 彼が引用しているイデオロギーは、私たちが教科書や過去岩波文庫で読んでいたものではないから。 その後研究されていた別資料からわかったこと。晩年マルクスの思想を基にしているからです。 君子豹変、知の巨人と評価されていればこそ、10年以上研究していれば、過去の持論と決別していてもおかしくありません。 今まで、新書という名前は、本のサイズの違い位にしか思っていませんでした。 手元の大きさだけではない。この本で、時代の先駆けを観た思いです。まさに新書でした。 また、この新しい思想が今世界の課題なっている地球資源、環境問題の解決策になっている点も見逃せません。 資本主義は生きるためには不要な価値を良しと受け入れてしまう。資源が無尽蔵にある事を前提とした主義主張の上では、どのような解決案も抜本解決にはならない。そう斎藤は断じます。 この話を卑近な例えで表すなら、ダイエットでしょうか。 食生活を昔からなにも変えず、毎日ピザ、パスタ、ケーキといった嗜好品をどかぐい。 それでも成人病は心配だから、『明日からダイエットコーク飲もう』と決める。 いや、その前に控える食べ物あるでしょ!? 端から見ていれば万人が突っ込みそうなところです。 が、他人事ではない。 エコバックも、マイボトルも、ペットボトルのふた集めも、みんな同じ付け焼き刃。 本書はこうした耳に痛い諫言(かんげん)のオンパレードです。 人によっては、特に自分の仕事が脅かされそうな方は怒りを覚えるような発言もあるかもしれません。 しかし、この本と真摯に向き合わないと、子どもに残せる社会が無くなる。 そう思うと、ただ本棚に並べるだけでは足りない。そう思わせてくれる一冊です。 楽しい本ではありません。ただ、見逃せません。
2投稿日: 2021.05.09
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
とても読み応えがあった。 資本主義とは外部に負を負わせて中心が成長していったがもう外部が地球上になくなってしまった。 そのため資本主義を基調としたSDGsをいくら唱えても根本的な解決にはならないということを第1章では説明している。 そしてこの21世紀(筆者は人新世としている)をどう乗り越えたらいいのか筆者は提示している。 それは後期マルクス思想である。 最初にマルクスと聞いた時ソ連のような管理体制なのかと思ったが全く違った。 コモンという共有財産、脱成長という資本主義とは異なる経済体制を構築することで周りと協働しながら乗り越えていこうとしている。 最後の章では実際にこの体制で生活しているバルセロナなどの都市を紹介しているのでこの考えが単なる絵空事ではないと感じた。 環境問題や経済格差といった問題を解決するにはどのように行動すればいいのかわからない人に今までには無い視点で教えてくれる本です。
0投稿日: 2021.05.07
powered by ブクログ会社を辞めると人事に伝えた2005年、 この本があれば周囲を説得することができただろうか、 などと考えた名著。
0投稿日: 2021.05.05
powered by ブクログなかなかセンセーショナルな内容だった。 資本主義が無限の成長を前提とした制度であるとの意識はあったが、本書を読むまで、解決策は、グリーンニューディール等の技術革新や再生可能エネルギーへの積極投資とMMTに基づく積極財政と就業保証プログラム等の政府による景気変動の抑制装置の充実にあると思っていた。しかし、成長を志向する限りこうした取組は不十分であり、不十分なのに十分だと思ってしまうという意味においてより危険であるとのこと。目指すべきは脱成長であり、商品価値ではないラディカルな潤沢さを目的とすべく、生産手段をコモン(市民)が大資本(や独裁国家)から取り戻し、グローバルサウス問題への先進国としての責任の自覚の上にたってグローバルサウスから学ぶ姿勢が重要になるということで、目からウロコではあった。 また、マルクスの資本論を忠実に体現したのがソビエトだと思っていたが、別に独裁国家による中央集権体制がマルクスの描いた共産主義体制でもないということも勉強になった。 疑問点としては、スマートグリッドやAIによる需要予測等の技術革新で、成長しつつ資源の消費量を抑制するという方向性もあるのかと思っているところだが、こうした面でのソリューションの可能性に言及がなく、「技術革新での成長と環境問題解決の両立は無理」という結論付けに少し強引さを感じた。 脱成長コミュニズムをどうやって実現するか、資本主義による安価な製品の供給や商品価値としての潤沢さの魅力に流されずに社会を脱資本主義に誘導する手法について実践的なプランが示されるのかと期待したが、そこはざっくりした方向性の提示とバルセロナの先進的取組の紹介で終わってしまったことに肩透かし感はあった。ただ、3.5%が行動すれば社会に大きな変革を促せるという研究成果の提示とそのために意識を改革し行動を始めるべきという最終盤の言及を呼んで、本書は脱成長の指南書ではなく啓発書であったかと納得。
0投稿日: 2021.05.02
powered by ブクログ【資本主義教】 われわれは資本主義教に完全に洗脳されています。 ・常に変化して新しいものを生み出していかなければ生き残れない。 ・現状維持が最大のリスクである。 ・一所懸命働かないと豊かな暮らしはできない。 ・走りながら考えろ。 よく考えるとすべて資本側の論理です。 ー 成長を追わない、成長しない ー 世の中は常に成長を追い求めて物質(コンテンツ含む)を生産しては破棄をすることを繰り返しています。新しいマーケットを常に創り出して、それが飽和するとまた新たなマーケットを創り出す。永久に成長を続けることが資本主義経済の仕組みです。ただ、いま物質は大量に存在しており、しかも松竹梅および格安のものまであらゆるランクがそろっています。製品の機能だけを考えれば格安でも十分です。ムダに高いものを買う必要はありません。ムダな部分を手に入れるために、われわれは一所懸命長時間労働をしています。世の中には仕事を増やすがためにムダな労働をしている部分が多々あります。 ムダな労働でも労働者が生み出した資本は2割を給料として渡し、8割を資本側が搾取できるのです。労働者は少しでも給料を増やそうと残業をしてもその8割は資本側に吸い取られる構造となっています。それでも労働者側も2割増えるので良しとしてしまっているのです。労働者は働けば働くほど資本側との格差はますます広がることになります。 では、成長を追わない、成長をしないかたちで必要な機能で必要な分だけ生産し消費すればどうなるのでしょうか。自給自足のようなかたちになり、経済というものは不要となります。同時に資本も不要で資本の増殖というものも必要なくなります。 昔はとにかく物がない状態で必要なものもない状態でした。今は必要なものから無くても困らないものまであります。ムダに機能が多い、ムダに高価なものも多数存在しておりそれが資本主義というものです。 「市民電力」やってみたい!
6投稿日: 2021.05.02
powered by ブクログ資本主義が地球上を覆い尽くし、環境破壊、搾取極まり、退っ引きならない事態となっている現代において、我々が持続していくためにどのような考え方、やり方があるか。従来型の中途半端なパフォーマンス的対策ではなく、もっとドラスティックな、脱成長コミュニズムという概念を提示する。 アイデア、読み物としては面白いが、いざ実践となるとなかなかに難しい。謂わば、常識に対する挑戦となるからである。 それでも、その常識に一石を投じるという意味で、本書を読む意味はあるのではないだろうか。
9投稿日: 2021.05.02
powered by ブクログ【脱成長コミュニズムという新しい社会へ】 みんなのもの(<コモン>)をみんなで共同管理しましょう。 経済成長を求めるのはやめて,みんなが平等により良く生きることができる社会を目指しましょう。 方向の提示には共鳴するし,大事なことだと思いました。 あとは,その社会をどのように実現するか。ここが最も難解で考えなければならないことなのであろうと思います。
0投稿日: 2021.04.30
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
こういう本を待っていた。 以前、「持続可能な資本主義」(新井和宏)を読んで感銘を受け、「父が娘に語る経済の話」(ヤニス・バルファキス)などにも語られるような「資本主義の限界」に強い興味を持っていた。 地球環境の限界が資本主義の限界であるという論は、常に系全体のエネルギー保存を考える物理学の研究者(の卵)である自分には強い説得力を持って伝えられた。 しかし、どうすればこの現状を打開できるのか?この問いに説得力のある解決案を伝えてくれる本は、僕の知る限りこれまでなかった。 もちろん、「持続可能な資本主義」にあるような、鎌倉投信が投資先とするような「社会へいい影響を与える企業」が増えていくことも一つの答えだと思う。 けれど、資本主義というシステムそのものが変わらない限り、どうしてもグローバル化、利潤至上主義の波にのまれる企業の方が大多数であり続けるはずだ。 本書は、昨今ポピュラーになりつつあるSDGsやグリーンニューディールという概念が、実は資本主義の限界を打開するのに役に立たないとバッサリ切り捨てるところから始まる。 これがいたく痛快だった。 前々から、SDGsといった概念には違和感しか覚えなかったからだ。 資本主義の新たな道具として登場した「流行」にすぎず、本当に地球環境のことを考えているようなものには見えなかった。 (たとえば、本来そこまでエコではない電気自動車を「エコ」を売りにして日本の車を淘汰しようとする欧米の動きに対して、これは資本主義における競争の新たな形態でしかないと思っていた) そして、本書で提案される「脱成長コミュニズム」。 日本人はともかく、欧米の人は「コミュニズム」という言葉に強い拒否反応を覚える人が多そうだ。 しかし、マルクスを研究する著者に言わせれば、従来のコミュニズムは若かりしマルクスの提唱した不完全な理論を曲解し、権力者が富を独占するために都合よく利用されたに過ぎないのだ。 いわば、資本主義において資本家がやっていることと大差なく、コミュニズムだから人民の共有財(=コモンズ)が潤沢に保証されるというわけではないということになる。 晩年のマルクスが提唱した、脱成長コミュニズムによって、エッセンシャルワーカーの労働を重視し、不必要な仕事をなくし、財の共有化を進めて、成長から離脱する。 欠乏は資本主義がうまく機能していないから生じるのではない。資本主義そのものが、欠乏によって肥大化していくシステムなのだ。
2投稿日: 2021.04.25
powered by ブクログ所属しているオンラインのコミュニティで、ずいぶん話題になっているなあ、と思っていた本書。 その矢先、母から 「ねえ〇〇(私の本名)、斎藤幸平さんって人が、『SDGsは「大衆のアヘン」である』って言ってるそうだけど、あなた知ってる?!」 というメールが唐突に届き(母からのメールはいつも唐突)、いよいよ読まねば!となって手にとりました。 店頭で中身を見たとき、見出しがちょっと専門用語多め、ハードル高めに感じたので、同じタイミングで店頭にならんでいた『100分de名著 カール・マルクス『資本論』』(斎藤幸平)のテキストもあわせて購入。 著者の斎藤幸平先生は、1987年生まれの経済思想、社会思想を専門とする研究者。 耳慣れない「人新世(ひとしんせい)」という言葉は、地質学的な見地から、人類の経済活動の痕が地球を覆いつくした年代、のことを表すらしい。 本書は、現在すすめられている新しい『マルクス・エンゲルス全集』の刊行プロジェクト(MEGA〔メガ〕)での成果に基づく『資本論』の新解釈の概略を示すとともに、地球規模で環境破壊が進む中での新しい社会システムのあり方を提言しています。 とにかく、新書というよりは単行本と言ってもいいくらい、ぶ厚い読み応えがありました。 とくに気候変動と経済をめぐる、学説や議論の変遷を解説している3章(資本主義システムでの脱成長を撃つ)、4章(「人新世」のマルクス)、5章(加速主義という現実逃避)が……ここだけの話……ざざっと流し読みしてしまおうかなという誘惑に途中かられるくらい……むずかしい、うわーん。 『資本論』の骨子である労働、富、使用価値、価値といった概念については、『100分de名著』でわかりやすく解説されているので、私みたいにこのジャンルを読み慣れていない、という方は、少し遠回りですがそちらを読んでから本書を読むのがおすすめです。 さて、ながながと泣き言を書きましたがね、私、読みましたよ。 がっつり向き合いましたとも(謎のドヤ顔)。 それは、新解釈を理解するためには、過去の議論を踏まえる必要性があるから、ということもありますが、それだけではなく。 「人権、気候、ジェンダー、資本主義。すべての問題はつながっているのだ。」という本書の主張に、自分の体験として不思議とすんなり納得できたから。 そして、本書で紹介されている、「コモン」(社会的に人々に共有され、管理されるべき富のこと)を取り戻そうとする、デトロイトでの都市農業のような試みを、自分が今暮らしている地域の中にも見つけることができるから、です。 廃校を活用したカフェや、地元の生産者とつながって美味しい食材を紹介するパティスリーや、空き家をリノベーションしたゲストハウスなどなど。 一つひとつの力は小さくても、いいなあと感じていた様々な活動が、地球規模で明日をよくしていくことにつながっているとしたら、すごく希望がもてると思います。 本書では、最後に、3.5%の人々が非暴力的な方法で、本気で立ち上がると、社会が大きく変わるという研究成果が紹介されています。 自分も、その3.5%に加わりたい、そのために何か具体的に行動してみたいし、自分自身の労働のあり方を変えていくことも諦めたくないなあ、と思わせてくれた1冊でした。
18投稿日: 2021.04.25
powered by ブクログ環境を制約条件として資本主義の限界が来たという視点はユニークだけど、それが社会を変えるイメージは持てなかった。環境はともかく「脱成長」というキーワードは全面的に支持したい。
0投稿日: 2021.04.18
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
「人新世」(ひとしんせい)とは、ノーベル化学賞受賞者のパウル・クルッツェンか名付けた、地質学的な地球の新たな年代のこと。人類の経済活動が地球に与えた影響、痕跡が地球の表面を覆いつくした年代という意味。気候危機の時代に、この危機の原因となった資本主義について著されたマルクスの「資本論」の新しい面を基にした提案を述べている。 帝国的生活様式、大量生産・大量消費型の社会は、グローバルサウスの地域や者社会集団からの収奪、豊かな生活の代償を転嫁する構造で成立している。技術的に解決する手法も結局は自然に負担を掛け、生態系を撹乱する。そして、空間的、時間的転嫁も。こうして問題解決の先送りを繰り返し、矛盾が深まっていく。 経済成長を続けながら、二酸化炭素排出量を削減するのは不可能だという主張も多くなっている。例えば電力需要は増大を続けており、先進国で導入される再生可能エネルギー発電は、せいぜい増加量と相殺されるに留まる。導入した国だけを見て、いくら環境に優しいと言っても、地球規模では意味がない。 マルクスのビジョンは、当初は「生産力至上主義」、「資本論」第一巻の頃は、「エコ社会主義」による持続可能性に関する考察が加わった。そして、晩年は経済成長を求めない「脱成長コミュニズム」へと変貌したことが、近年の研究で判ってきたと著者は言う。 結局、これだけ巨大化した資本主義経済を転換することは不可能に近く、それぞれが問題を認識して、小さなところから努力するしかない、というのが結論。 地球規模でみると、再生可能エネルギーによる発電は、膨張する電力需要の増加分を埋めるのが精一杯で、環境問題改善には貢献できていない。 SDGsはアリバイ作り、資本主義の辛い現実が引き起こす苦悩を和らげる「大衆のアヘン」だと。 価値と使用価値の対立、水にもペットボトルに詰められることで値段がついた。価値をつけ、希少価値を生み出すことで、市場を拡大するのが資本主義経済。資本主義は人工的希少性に依拠している、希少性を本質としている。
0投稿日: 2021.04.18
powered by ブクログ経済思想の専門家による意欲的な「資本論」。最新のマルクス研究の成果を踏まえて、気候変動と資本主義の関係を分析していく中で、晩年のマルクスの到達点から現在の危機を乗り切るための方策を導き出している。資本主義が引き起こしている気候変動という問題を、資本主義という根本原因を温存したままで解決することなどできず、グリーンニューディール政策なども矛盾であると喝破している。キーワードになっている「脱成長」は、人口減少で成長が難しい日本では取り入れなければならない考えだと感じていたが、やはり一般には受け入れられない考え方だろう。この本にはいろいろなヒントがある。
0投稿日: 2021.04.12
powered by ブクログ読み応え◎ ・人類の経済活動が地球に与えた影響があまりに大きい「人新世」においての話。 ・資本主義は外部(グローバル・サウス)へ負担を転嫁してきた。外部を使い尽くし、資本主義社会に環境問題が跳ね返ってきたのが今。 ・マルクス主義はソ連崩壊などで評価を下げているが、今こそ「コモン」という概念を再評価すべき時。 ・使用価値経済への転換を通じて、資本主義を乗り越えることもできるのでは。グローバルサウスに目を向け、気候正義という梃子で帝国主義に挑む。
0投稿日: 2021.04.11
powered by ブクログ2021年の新書大賞第1位。ということで読んでみた。 自分の理解力よりちょっと上の本なので、しっかり読んだ後の読後感が幸せ。 ショックだったのは、「グローバル・サウスからの搾取」と「資本主義は希少性を生み出す」、そのことによる「想像力・構想力が専門家が独占する技術によって剥奪される」ということ。 グローバル・サウスについては、ちょっと前に読んだ『2040年の未来予測』がまるごと否定されてしまった感じ。 覆されるのって面白い。 自分自身、希少性を生み出す世界前提で将来設計をしていたところはある。 物事を進めるために、希少性は必須ではない。 お金を稼ぐためには必須だけど。 急に世界は変わらないだろうけど、とりあえず自分の持っている知識や経験は、どんどん外に出していこうと思った。 幸い、どれだけ出しても収入に差が出ない仕事をしているし。
0投稿日: 2021.04.11
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
人新世 Anthropocene パウル クルッツェン ノーベル化学賞 ノードハウス 2018年ノーベル経済学賞受賞 2100年に産業革命以前+3.5度(パリ協定は+2度) CO2排出 中国、アメリカ、インド、ロシアに次ぎ日本5位 先進国は自国ではなくグローバルサウスで人間と自然に負担 生産性の罠 生産性を上げると失業率が上がり、経済規模を拡大せざるを得なくなる。 グリーンニューディール=緑の経済成長=現実逃避 電気自動車では1%しかCO2を削減できない。 大気中のCO2を除去する技術=NET=Negative Emission Technology 脱成長 生活規模を1970年代後半のレベルに戻す ラワース 「ドーナツ経済」 社会的土台と環境的上限の間での経済 経済成長しなくてもグローバルなリソース配分によっては繫栄できる? 資本主義(=利潤獲得のためには手段を択ばない)のもとで、それが可能か? マルクス「資本論」 コモン 公共財=地球全体を民主主義的に管理 「加速主義」新技術利用で環境負担を解決する ✖ ジオエンジニアリング =閉鎖的技術 ⇔ 開放的技術 水や土地の本源的蓄積 使用価値は変わらない、「希少性」が変わり価値が増え私富を増やす。 貨幣を手に入れる方法は限られる。 「私民営化」 ラディカルな潤沢さ 水、電力、生産手段=ワーカーズ・コープ≒労働組合 現物給付 危機の時代 強権的な国家介入 脱成長コミュニズム ①使用価値経済への転換 ②労働時間の短縮 エネルギー収支比率、生産力低下 使用価値のない仕事を削る ③画一的な分業の廃止 やりがい、助け合い ④生産過程の民主化 生産手段をコモンとして民主管理 知識や情報も 開放的技術へ ⑤エッセンシャルワークの重視 労働集約的産業の重視 ケア労働 フィアレスシティ バルセロナ 気候非常事態宣言 ミュニシパリズム 国境を越えて連帯する自治体ネットワーク グローバルサウスから学ぶ 3.5% の本気で社会が大きく変わる ハーバード大学 エリカ チェノウェス
2投稿日: 2021.04.10
powered by ブクログ非常に読み応えがあり、ライトな本ばかり読む私には難しかった。資本主義が崩壊しようとしているという話は最近よく見聞きするが、それに対する明確な答えを出しているところが1番の見どころだ。将来について漠然とした不安を持っている人にはヒントになる本であろう。
0投稿日: 2021.04.10
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
今日の世界的問題とは人口問題であり、食料問題でありそして地球温暖化に代表される地球規模での環境問題である。 これらの問題は、産業革命以降、エネルギー消費型の文明になってきたことが原因だと考えられきた。 マルクスの研究者である著者はそうではないという。根本の原因は資本主義にあるという。資本主義はその出自から資本を増加するように働く運動であり、その運動には労働者の待遇、環境汚染、富の不均衡などの様々な問題には目をつぶり、ただただ資本の増強を目指すという性質が備わっているという。このような資本主義が孕んでいる問題に、晩年のマルクスはきづいていたという。 これまで、マルクスの著作は共産党宣言、資本論、ゴーダ綱領批判などであり、資本論第二巻、第三巻は完成することなく亡くなっていたいたことは知っていた。ところがマルクスは亡くなるまでに思索を深めており、そのことは様々な文章、メモ、手紙から知ることができるのだという。斎藤氏はそれらの残された資料を世界の他の研究者と協力して読み解き、マルクスの晩年の思想を明らかにした。そこに地球環境問題を解決するための糸口が見つかったというのである。 結局貨幣という価値、資本という価値に環境からの負債がくみいれられていないことが問題なのだという気がした。近年よくいわれるSDGsなどはそれを組み入れようという運動だと思われるが、それは方便に過ぎないことが明らかにされる。 環境負荷の少ない世界を実現しようという著者の強いエールを感じた。久しぶりにであった良書であった。
2投稿日: 2021.04.10
powered by ブクログ地球環境汚染、格差社会からの脱却を目指すには資本主義経済から晩年のマルクスが提唱していた「脱成長コミュニズム」への移行が必要であると著者は説いている。有限な資源の元で無限の経済発展をのぞむ資本主義経済下では現在の我々が抱える問題を打破できない。しかし経済が成長してこそ豊かになると言う考えから、いかにして脱成長こそ豊かなのだとパラダイムシフトしていくのか。そこが一番難しいのではないかと思う。 あとは人間の欲だろうか。欲望の資本主義というテレビ番組があったが、その欲が脱成長を阻むのではないかとも思う。
0投稿日: 2021.04.07
powered by ブクログ資本主義というのは希少性を生むことでものに価値をつけ、その価値を追求していくために大量生産を行なっていく。さらにその生産は貧困層や地球の資源を搾取して私たち富裕国が恩恵を受けるシステムになっていて、気候変動にも多大な影響を及ぼす。経済成長と気候変動対策を平行して行うのは無理ゆえ脱成長をしていかないといけない。弱者だけが立ち上がるのではなく、3.5%の中に今まで恩恵を受けてきた私たちも含まないといけないと思った。AI化でより使用価値が重要になってくるため、いかにしてQOLを上げていくか、どういった仕事が利潤に囚われることなく必要になるかを考えていこうと思った。
0投稿日: 2021.04.07
powered by ブクログ資本主義が行き詰まり、環境破壊が進む現代で、みんなが幸せに生き残る道。こうしてはいられないと思った。
0投稿日: 2021.04.05
powered by ブクログ「SDGsは大衆のアヘンである」の書き出しが刺激的(笑)学生時代にマルクス『資本論』に挫折した身としては、当時のわかりにくさの原因を改めて考える読書にもなっています。「コモン」概念は今後非常に重要になるのではないでしょうか…
0投稿日: 2021.03.30
powered by ブクログちょっと難しい内容。 新自由主義や資本主義は、グローバル・サウスからの搾取が前提で限界を迎えつつある。 環境破壊を食い止めるには、脱成長コミュニズムを推進すべき、という主張は分かった。
2投稿日: 2021.03.30
powered by ブクログ削減すべきは、SUVや牛肉、ファスト・ファッションであり、教育や社会保障、芸術ではない。 第三章 資本主義システムでの脱成長を撃つより 例えば資本は、タバコの収穫量が多すぎる場合にあえて収穫物を燃やしたり、ワインの生産量を減らすために法律でワイン用のブドウはたけの耕作を禁じたりすることによって、タバコやワインの希少性を作り出しているというのである。 第六章 欠乏の資本主義、潤沢なコミュニズムより 水道事業のように、新自由主義政策が盛んだった時代に民営化されてしまった公共サービスを、再び公営化するためのノウハウなどもここで共有される。民間水道事業者は巨大なグローバル企業であることが多く、彼らとの交渉は苛烈で、ときには訴訟沙汰になることもあるが、国際的な「フィアレス・シティ」の横の連携から得られる知識が助けとなる。 第八章 気候正義という「梃子」より 最後の章では「フィアレス・シティ」での取り組みを評価している話が多くありましたが、やはり国内に当てはめると途方に暮れるほど遠くも感じました。もともと資本主義に対してそこまで関心を持ち(かつ疑問も持たずに)接してこなかったこともあり、勉強不足ゆえに興味深く拝読。 パンデミック以前からですが、徐々に仕事、働くこと、身の回りの生活品に対して目が向いたのもつい最近のこと。 資本主義だけの問題ではなく、格差社会、政治、温暖化など世界共通の課題として、点ではなく線で繋がっていているのがよくわかります。またその難しさも。 考えれば考えるほど、日本は大丈夫なのだろうかと思うこともしばしばです。コロナがあっても株価は下がらず、地価も下がってないのかな? とにかく飲食店はつぶれまくって、空きテナントは増え、製造業も時間差で倒れてくる時期がもうすぐ来るかもしれません。結局、物を作って売っているような事業は経済をまわしていなかった、というのも不純で危ういように感じています。 本来は、(コロナと政治家に散々振り回された)教育や保育、医療介護福祉、あとは農業といった仕事をする人に向けられて然るべきものが行き届いていない、ということ。 無自覚に何も考えないよりかは考えた方がいいし、自分にできることをすることが重要でもあります。ハッシュタグつけて声に出す。職や働き方を変える。選挙に行く。ワクチン供給率も異常なほど低い今の状況でオリンピックやろうとしてるやばい国はちょっとやそっとじゃ変わらないしれませんが。 パンデミック前、ある日のニュースで海ガメが画面に映る。カメの鼻からずるずるとピンセットでつままれて出てきたのは捨てられたストローでした。カメの胃の中には消化できないプラスチックゴミも取り込まれている、という映像。 自分の普段使っているもの、関わっていることが直接的にではないにせよ、誰かや何かを間接的に傷つけているということ。それでも、何日か経って忘れて加担し続けるか、否、それに抗うか。常にその選択肢を自分に突きつけることは面倒だけど必要なプロセスなのかもしれません。 結論ありきの記述を指摘されている方もいるかもしれませんが、自分の生活を見直す良いきっかけにもなる1冊だと思いました。
0投稿日: 2021.03.29
powered by ブクログ話題の本。バブル期に社会人にり、金融資本主義にもまれてきた経験に照らして、脱成長の方がWELL Beingの観点から望ましいという主張は協会できる。脱成長の実現はをコミュニズム以外でも実現できるのではと思いもあるが、議論を提起する上で面白い視点だと思います。5つ星に値する一冊
0投稿日: 2021.03.28
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
温暖化による気候変動で、回復不能なダメージを負う前に、その原因である資本主義社会を脱成長型の社会に変革しなくてはならない。そもそも資本主義の恩恵を受けているのはごく一部で、多くは成長の恩恵を受けていない。はやりのSDGsなど資本主義の中でアリバイ的に 進められている運動では、結果が出ないので意味がないとの主張は、頷けるところも多いしわかりやすい。 ただし、実際にどのように社会を脱成長に向けるかについては、1人1人の市民が主導して運動を進めるしかなく、それである程度のシェア(3.5%らしい)を取る必要があるとのことだが、何か現実味が薄い。 このままでは国家は強権的になり規制が進むか、大混乱を招くかみたいな未来を予見しているが、実際には、それぞれの国の事情でさまざまな形の対応が取られ、社会の変わり方も異なるだろうし、日本に関しては、ドラスティックに社会のありかたや政治体制が変るということではなく、人や自然に大きな犠牲を強い傷を負いながら、今とほとんど変らない社会が、成長することなく続いていくのではないだろうかと、震災やコロナの時代を生きていてそう思う。それは、人々を幸せにする脱成長ではないのだろうけど。
3投稿日: 2021.03.27
powered by ブクログ資本主義が格差拡大を引き起こしているのは分かる。コモンが成長していくには人は皆同じ仕事量が出来るという前提が必要だと思う。
0投稿日: 2021.03.27
powered by ブクログ資本主義は、人間の労働力だけでなく、自然環境からも搾取して成長した。環境負荷を外部化してその費用を不払いにすることが豊かな生活の前提条件になっている。 資本の力では克服できない限界が存在する。 アンモニアを製造するために大量に天然ガスが使われる。肥料は、別の限りある資源を浪費しているだけ。 グリーンニューディールは可能ではない。「プラネタリーバウンダリー(地球の限界)」はすでに超えている。 経済成長の罠=技術によって省エネになると、経済規模が大きくなってその分エネルギーを使うことになる。 生産性の罠=労働生産性が上がると失業を防ぐために、経済規模の拡大を求める。 先進国は、相対的デカップリングは進んでいる。途上国の負のデカップリングのおかげ。 ジェヴォンズのパラドックス=石炭問題。効率化すると環境負荷が増える。石炭の使用の効率化で価格が下がり、さまざまな部門で石炭が使われ消費量が増えた。現代の大型テレビ、SUVなど。 石油価格が高騰すると代替エネルギーが増える、はずだったが、実際はオイルサンドやオイルシュールなどで補った。 バッテリーの製造過程でのCO2排出は、バッテリーが普及するほど増える。 二酸化炭素を同定する技術も、IPCCの予測に含まれている。経済成長が前提となっている。 グリーンニューディールでは解決しない。いいことをやっているようで、実はもっと産出量を増やしている。 脱成長という提案。 資本主義の元では、脱成長はできない。資本主義は、価値増殖と資本蓄積のために、さらなる市場を絶えず開拓するシステム=外部市場と環境から搾取してきた。 制度設計とインセンティブの付与では対処できない。資本主義に挑む仕組みづく理が必要。 失われた30年、は脱成長の見本ではない。 マルクスと脱成長を結合するべき。 コミュニズム=共同管理運営の社会。 フランスの市民議会の選出方法は、選挙ではなくくじ引き。国民の構成に近くなるような選び方。専門家のレクチャーのあと、議論を行い投票する。 資本主義は、絶えず欠乏を生み出すシステム。 資本主義はあらゆるものが売買できる仕組み。労働力も売買できるものになった。 無料の水力から、石炭への移行が起こったのはなぜか。石炭の排他的独占可能性が、資本主義的意義を持つから。 気候変動もビジネスチャンスになる=気候変動によって希少性が増すものがある。 脱成長コミュニティによって、希少性を追い求める悪循環から逃れられる。 ピケティ―の「資本とエネルギー」では資本主義の超克を求めている。参加型社会主義。 使用価値経済への転換、労働時間の短縮、画一的な分業の廃止、生産過程の民主化、エッセンシャルワークの重視。エッセンシャルワーク対ブルシットジョブ。
0投稿日: 2021.03.27
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
第一章 気候変動と帝国的生活様式 『資本主義による収奪の対象は周辺部の労働力だけでなく、地球環境全体…人間を資本蓄積のための道具として扱う資本主義は、自然もまた単なる掠奪の対象』 『人類が使用した化石燃料の約半分が冷戦終結した一九八九年以降のもの』 ・気候変動の解決策の代わりに資本主義が提供してきた三種類の矛盾の転嫁とは… 1『技術的転嫁ー生態系の攪乱』 2『空間的転嫁ー外部化と生態学的帝国主義』 3『時間的転嫁ー大洪水よ、我が亡き後に来たれ!』 第二章 気候ケインズ主義の限界 『グリーン•ニューディールは、再生可能エネルギーや電気自動車を普及させるための大型財政出動や公共投資を行う』 『「緑」と冠をつけたところで、成長を貪欲に限りなく追求していけば、やがて地球の限界を超えてしまう』 『資本主義は、コストカットのために、労働生産性を上げようとする。労働生産性が上がれば、より少ない人数で今までと同じ量の生産物を作ることができる。その場合、経済規模が同じままなら、失業者が生まれる…雇用を守るために、絶えず、経済規模を拡大せざるを得なくなる。これが「生産性の罠」。 資本主義は生産性の罠から抜け出せず、経済成長を諦めることができない。そうすると、今度は、気候変動対策をしようにも、資源消費量が増大する「経済成長の罠」にはまる』 『富裕層トップ10%の排出量を平均的なヨーロッパ人の排出レベルに減らすだけでも三分の一程度の二酸化炭素排出量を減らせる…だが先進国で暮らす私たちは、そのほとんどがトップ20%に入っている。日本なら大勢がトップ10%に入る』 『電気自動車の本当のコスト…国際エネルギー機構によれば、2040年までに、電気自動車は現在200万台から2億8000万台に伸びる。だがそれで削減される二酸化炭素排出量は、わずか1%…何故ならバッテリーの大型化により、製造工程で発生する二酸化炭素はますます増えていくから』 第三章 資本主義システムでの脱成長を撃つ 『食料について、今の総供給カロリーの1%を増やすだけで、8億5000万人の飢餓を救える』 『現在、電力が利用できない人口13億人に電力を供給しても、二酸化炭素排出量は1%増加するだけ』 『1日1.5ドル以下で暮らす14億人の貧困を終わらせるには、世界の所得のわずか0.2%を再配分すれば足りる』 『経済成長だけが社会の繁栄をもたらすという前提は、一定の経済水準を超えると、はっきりしない 例えば、ヨーロッパ諸国の多くは、ひとりあたりのGDPがアメリカより低い。しかし、社会福祉全般の水準はずっと高く、医療や高等教育が無償で提供される国がいくつもある。アメリカでは、無保険のせいで治療が受けられない人々や、返済できない学生ローンに苦しむ人々が大勢いる。 日本のひとりあたりのGDPはアメリカよりずっと低いが、日本の平均寿命は、アメリカよりも6歳近く長い』 『環境危機に立ち向かい、経済成長を抑制する唯一の方法は、私たちの手で、資本主義を止めて、脱成長型のポスト資本主義に向けて大転嫁すること』 『経済成長が困難になり、経済格差が拡大し、環境問題も深刻化。それが「人新世」の時代』 第四章 「人新世」のマルクス 『資本主義でも社会主義でもない「コモン」という第三の道。水や電力、住居、医療、教育といったものを公共財として、自分たちで民主主義的に管理することを目指す』 『人間は、自然に働きかけ、さまざまなものを摂取し、排出するという絶えざる循環の過程のなかでしか、この地球上で生きていくことができない』 第五章 加速主義という現実逃避 『拡張を続ける経済活動何地球環境を破壊しつくそうとしている今、私たち自身の手で資本主義を止めなければ、人類の歴史が終わりを迎える』 『経済成長のための「構造改革」が繰り返されることによって、むしろ、ますます経済格差、貧困や緊縮が溢れるようになっている』 第六章 欠乏の資本主義、潤沢なコミュニズム 『資本主義のもとでの労働者たちの代わりはいくらでもいる』 『無限の成長だけを追い求め、人々を長時間労働と際限のない消費に駆り立てるシステムを解体しなくてはならない』 第七章 脱成長コミュニズムが世界を救う 『「価値」と「使用価値」の優先順位問題 コロナ禍の場合、商品の「使用価値」とは、薬が病気を治す力のことで、「価値」とは、商品としての薬につく値段。ワクチンとEDの薬であれば、役に立つのは、命を救うワクチンだが、資本主義においては、人の命を救うかどうかよりも、儲かるかどうかが優先される。高価で売れるクスリが重要だというわけ』 『人新世の「資本論」とは ・使用価値経済への転換 ・労働時間の短縮 ・画一的な分業の廃止 ・生産過程の民主化 ・エッセンシャル•ワークの重視 ポイントは経済成長が減速する分だけ、脱成長コミュニズムは、持続可能な経済への移行を促進するということ』 第八章 気候正義という「梃子」 おわりにー歴史を終わらせないために 『3.5%の人々が非暴力的な方法で、本気で立ち上がると、社会が大きく変わるという』 『すぐにやれること•やらなくてはならないことはいくらでもある…一人ひとりの参加が3.5%にとっては決定的に重要なのだから』 『未来は、本書を読んだあなたが、3.5%のひとりとして加わる決断をするかどうかにかかっている』 沢山のキーワードが出てくる。例えば資本論、資本主義、脱成長、気候変動、二酸化炭素排出量、晩期マルクス、人新世。 今だけを考えて良ければいいのか?次の、その次の世代はどうなるのか?それは間違い無く今どうするかで決まる。 今、自分には何ができるか?考えさせられる一冊。
0投稿日: 2021.03.22
powered by ブクログ2021/3/22 豊かな生活のために外部を徹底的に搾取しておきながら貧富の差は拡大する一方。SDGsもレジ袋有料化も甚大な問題から逃避させる言い訳にしかならない。 これを読みながら悲観的になっていたけど、参加型社会主義の実現がその解決に繋がるとすればミクロレベルでもできることはあるはず。なんて言ったって3.5%の人々が現状を打破する力があると言うのだから。 GAFAに寄与せず、企業の資本増幅に労働者として奉仕しない、というのは今は難しいだろうけど、それを打破する道の一つはここに示されている。
0投稿日: 2021.03.22
powered by ブクログ日本で生活していると身近に感じることのない気候変動。 しかし、それによる影響は計り知れない。地球環境の変化によって生態系に変化が起こる。生態系には当然、人間も含まれるし、人間が生きていくために必要な動植物だって含まれる。どうして我々が無関心でいられるのだろう。 気候危機、コロナをともに「人新世」の産物として扱い、なぜ私たちが環境を守っていかなくてはいけないのか、資本主義を超えなくてはいけないのかを実感させられる。これらの問題に疑問を抱いている方はぜひ読んでほしい。 急進的な考えで驚いたが、これこそすべてが加速する時代に必要な考えだ。
2投稿日: 2021.03.22
powered by ブクログかつて英国首相のチャーチルが、「民主主義は最悪のシステムだが、それ以上のシステムはない」と表現したのを引用し、コトラーが「資本主義は最悪のシステムだが、それ以上のシステムはない」と語っていたが、環境問題を軸に資本主義の未来に大きな暗雲が立ち込めてきている様に感じる現在に、良くも悪くも大きな波紋を投げ掛ける一冊。 最近アメリカの学生の間で社会主義を支持する声が高まっているとの事だが、本作でも「脱成長」というパワーワードを掲げて、改めてマルクスを解析しさらに深掘りする事で、資本主義にかわる未来の形を「コモン」をキーワードに提言している。 最近では稀に見る熱量の高さに引き込まれた。
0投稿日: 2021.03.19
powered by ブクログかなり話題になっていることもあり手にとってみた。個人的に今の格差社会がいつまでも続くとも思えず資本主義には限界があるのでは、と思っており、マルクスの思想がその代替になるのでは...という気もしていたのでEテレの番組と平行して読み進めてみた。「人新世」とは作者の造語ではなく人類の経済活動が地球を破壊する環境危機の現代を指す言葉らしく前半ではいかに現在の環境破壊が危機的なものであるか、が述べられている。そしてこの状況を打破するためにはSDGsといったいわばマーケティング用語で安心してしまうのではなく、根本的な解決を図る必要がある、という問題提起がなされる。これに対する回答として作者が用意しているのは「脱成長コミュニズム」でありそれは晩年のマルクスが至っていた思考である、という。環境破壊の源泉は資本主義の成長志向にあり、そこを解消しない限り人類は破滅に向かってまっしぐらであると。この解消に関するキーワードは「コモン」であり国家という概念ではないという。個人的にはソビエトの崩壊でマルクス主義の誤りが明確になった、というのは誤りであってマルクスの主張は高度に発達した資本主義はやがてその限界に達して共産主義に行きつく、というものでソ連が成立した頃のロシアや人民共和国になったときの中国は高度に発達した資本主義社会ではなかった、つまりマルクスの思想はまだ本当には実験されていない、という理解をしていたのだが作者曰くそうではないのだそうだ。原始的な資本主義からでもコミュニズムへの転換が可能である、ということで、恐らくマルクスがもっと長生きしていれば資本論は大きく書き換えられていたであろうという。人類の現状とその環境破壊について、このままで良いと考えている人は殆どいないと思うのだが、じゃあどうするのか、と問われると誰も回答を持ち合わせていない、そういう状況において一つの明確な回答でありある意味勇気づけられる作品。非常にエキサイティングな内容でした。おすすめです。
0投稿日: 2021.03.19
powered by ブクログ人新生に生きるわたしたち一人一人のできること 新書担当もしているのでこの本は読んでおこうかなくらいで手に取ったんだけど、こりゃあすごいな。 わたしたちはもう現行の資本主義を手放すべきだと。たしかにこのしくみのままでは富む人がどんどん富んでその他の大多数は労働力として扱われるけど一向に豊かにはならない。その上地球は破滅にむかう。 だったらどういう社会を目指すべきなのかというところを書いているのだけど、よくある昔の生活に戻れとか、社会主義にして平等な社会をっていうんじゃなくてまったく新しいところを提示しているのがすごいのではないかと思う。問題はどうやるのか、できるのか
0投稿日: 2021.03.18
