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人新世の「資本論」
人新世の「資本論」
斎藤幸平/集英社
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総合評価

496件)
4.0
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    発売時にはスルーしていたけど、Joseph Heathが辛辣に批判していたので読んでみた。 結論、そりゃHeath先生も批判したくなるよなという印象。 細かいところはHeathの批判に譲るとして、つまるところは環境問題にマルクスいらなくない?その議論はもう何十年も前に通ったよね?ということなんだと思う。 環境問題やを論じたいなら具体的なファクトと議論の蓄積をもとにすればよいところ、これまでの議論を十分に踏まえることなしに、無理にマルクスに引きつけてしまうから話がおかしくなる。 その結果、今風の話題で飾り立てたいにしえののエコロジー思想になってしまったように思う。

    0
    投稿日: 2025.12.13
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    発売から5年。自分が元々資本主義に疑問を持っていて、彼以外の言説にもよく目を通しているからか、そこまで目新しい意見は見当たらなかった。 刊行当時に読めていればまた違った感想だったかもしれない。

    1
    投稿日: 2025.12.08
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    このレビューはネタバレを含みます。

    資本主義が奪う-奪われるの関係である。資源が有限のなかで、どうシフトしていくかという部分で脱成長。具体的には私有財産でも公有でも共有(コモンズ)として管理していく。この流れが浸透していくと自分の課題である森林管理を念頭にした自然資本管理が地域主導で進めることができるのではないかと感じた。 自分たちだけが脱成長しても周りが成長し続ける資本主義を続けた場合はどう解釈するのだろうか?

    1
    投稿日: 2025.11.16
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    前半の今の環境問題やこのまま資本主義の世界で継続していった場合に持続可能なのかというところを切り込んでいるところはなかなか読み応えがあった。しかし、中盤からマルクス思想について書かれてあるところからかなり社会主義的に牽引されている内容がすこし不満。難しい内容でもあるので私自身に理解がないのかもしれないが、読んでみて自分の思想を確認するのには良いのかもしれない。

    0
    投稿日: 2025.11.09
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    本書は都市化や大量消費、化石燃料利用が進むことで、気候変動など地球の危機に陥っている「人新世」という時代を背景に、資本主義の限界を解いている本です。 私自身、ファストファッション大好き。不自由のない暮らしをしつつ大量消費と身近でいるなか、危機感を煽られ最後まで読みました。しかし、この地球の危機を救うための「脱成長コミュニズム」の提案については理解しきれなかったり、十分納得できない部分がありました。 後半の脱成長に関しては、最近読んだ『働かない勇気』を思い出しました。そちらでは「ベーシックインカム」を脱成長の一つの解決方法として挙げられていましたが、本書ではお金を分配するというより、ベーシックサービス(医療、教育、住宅、食料などの公共サービス)を充実させるべきだと主張しているようです。これは「コモン」と呼ばれる共同財や生活インフラを市民が自主管理していくモデルであり、社会の変革を目指すものです。 また、本書ではコミュニティはコモン(共有財)の運営・管理主体として位置づけられていますが、その質には言及されていないのが納得いかないポイントでした。なぜなら、私にとってコミュニティは「ムラ社会」のような排他的で古い慣習を連想させるネガティブな要素が少なからずあるからです。とはいえ現代は「シェアハウス」のような形態を通して災害時など助け合えるコミュニティも存在しており、コミュニティの質の改善は今後の課題だと感じます。 私たちが資本主義ゲームから降りるためには、お金の不安をなくすことが手っ取り早い方法で、NISAなどが有効です。しかしそれは同時に資本主義経済を活性化させるという矛盾があります。脱成長を両立させる方法は一筋縄ではいかないと感じました。そもそも富の格差を大昔からあるもので、物欲に抗いながら富を平等にすることは非常に困難なのではないでしょうか。

    10
    投稿日: 2025.10.31
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    イタリア人の先生が本著の英語版を紹介していて読んでみることにした。前半はそうそう、そのとおりよね、と概ね共感する内容である。行き過ぎた資本主義の枠内であれこれやっても根本解決にはならない。 ただ、後半から終わりにかけての脱成長コミュニズムが唯一の解決策だというところについては、マルクスがそれを目指していたというのは勉強にはなるが実際にそれが現代の社会で実現できるイメージを持てず、その副作用について両面的に検討されているようなものではなかったのでまだしばらく思想の分断は続くんだろうな、という読後感が残ってしまった。 ただ、日本の地方に残るコミュニティも消えつつある今、この世界をなんとかしないといけないのはその通りなので、頭の片隅に残しつつ引き続き考えていきたい。

    0
    投稿日: 2025.10.24
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    資本主義の現代では、1%の富裕層・エリート層が好き勝手に自分たちの価値観に合わせて社会の仕組みや利害を作り上げてしまい、大多数の庶民は苦しい生活を強いられている.それを打破する目的で晩年のマルクスが脱成長コミュニズムを提唱しており、これが現代の危機を乗り越えるための最善の道だ という提言だが何故か分かるような気がするものの、もやもやした感じで読み終えた.気になった語句が「コモン」だ.資本主義のもとで、コモンを制度化する方法の一つが福祉国家だった という議論は面白かった.

    0
    投稿日: 2025.10.22
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    話題になっていた本を読んでみようとのことで、読んだ本。 正直、経済やマルクス主義についての本であると思い、さらに言えば「脱成長」は理想論すぎると思っていたのであまり期待していなかったが、気候変動に端を発し、そこから資本主義経済への分析、民主主義のあり方など、政治システムも絡んだ論理展開は、読んでいて非常に興味深かった。 また、マルクスの資本論を読んだことがないので、資本主義についての分析に初めて触れることができたという点からも、この本を読んで良かったと思う。

    0
    投稿日: 2025.10.20
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    現在の資本主義を維持していくと、環境破壊により、体制の維持は不可能という点から始まり、マルクスが唱えようとした脱成長論を展開する論考。 経済的な価値から解き放たれ、本当に実存に影響のある「使用価値」をもっと重視し、環境負荷を低減する持続可能な社会システムを提唱している。 具体的な取り組みの話もあったが、ここまで強固な資本主義思想からの転換は容易ではないなと、改めて思った。 小さくても生産活動に副業的に取り組み、社会と繋がりを持ちながら、働きすぎないという生活が理想となるのか。 バルセロナの取り組みが示唆に富んでいた。

    0
    投稿日: 2025.10.16
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    経済成長と、環境保護ひいては文明の存続との両立がいかに不可能か、そしてコミュニズムに基づく脱成長という解決策を述べている。類似の書籍と一線を画すのは、マルクスの理論を終始ベースとしているために論展開が明確で納得しやすいこと。また、脱成長についても「どうせ無理だよな」と思わせない説得力がある。

    0
    投稿日: 2025.10.01
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    このレビューはネタバレを含みます。

    国家に頼り過ぎずに、市民参画のコミュニズムをつくりあげていくことが平等な社会、そして環境保護にもつながるそう。過剰な生産、労働をやめ、自然環境とともに生きていく方法を見つけなければならない。 消費社会の真っ只中に生きている私たちには、きっと耳の痛い内容だと思う。富裕層がみなこの本に書かれているような人たちばかりではないと思いますが、確かに今の資本主義社会は暴走しているなと感じます。道徳心や倫理観を無視した経済成長なんて、一部の人にしか恩恵はないのだと。 外国で起こっている様々な環境問題に、当事者として私たちには何ができるのか真剣に考えていかなくてはいけない。それは私たちの義務だと思いました。そして明日は我が身だと。

    2
    投稿日: 2025.09.30
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    他のものに転嫁させたり、見えなくすることで、帝国的生活様式、つまり大量生産大量消費の贅沢な社会を享受してきた。 これまではいわゆる途上国に転嫁を押し付けていたが、その余地もなくなり、先進国諸国に影響が出始めてきており、私たちを襲っている。 多くの代替案はある場所での資源の消費をある地点に移動させているだけ。 欠乏を生んでいるのが資本主義というのは、昨今のさまざまな問題を表しているなあ。本書に書かれているような土地に関することや過剰なまでの美への執着など。 本来共同財的であったものが、資本主義にもまれることで、私財化していった。その私財化によって、そのものの価値ではなく、財産的な価値を持つようになる。その財産的な価値を求めることが間違いであり、それを再び共同に戻すことで、合理的な潤沢さを取り戻せる。 マルクスと脱成長って主流じゃないんだ。両方ともリベラルっぽくて相性がいいと思っていた。

    0
    投稿日: 2025.09.13
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     資本主義社会に抗うための重要概念。読者である私が参画してこの書籍の意図が完成するという意味合いを込めて星4。  私は教員なので、「コモン」としての学校の姿を考えたい。我々の社会が見逃し続けている価値を再発見するために必要な視座を与えてくれる書物であった。

    3
    投稿日: 2025.08.01
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    少し前からあまり物が要らないなと思ってました。コンビニやスーパー、ファストファッションのお店に沢山並ぶ商品が「多いな」と感じるようになってました。 これはなんだろう?年をとっただけなのかな?と思うと同時に、子供の頃はあんなに楽しかった夏がただの憂鬱な季節になってしまったこと、失われた30年、欧米型の資本主義の衰退。このままずっと過ぎていくと思っていたことに変革が必要なことを何となく肌で感じるようになってきました。 さて、この現象は何だろう、何をしたら良いんだろうと思いこの本を読み始めました。分かっていたけど真剣に捉えていなかった「豊かさの代償は誰が払っているのか」を目の当たりにしました。 日本はいつからか小さな自治が解体され隣近所も分からず、困りごとは役所へ連絡。となってしまいました。思えば子供の頃は、何処でも町内会などで相互互助が機能していたはず。もっと自立した社会だった気がします。 現地の人の話ですが、2004年の中越地震の時に道路が分断された限界集落では、待てども自治体が助けに来てくれないので自分達で重機を動かして道を作ったそう。 そのエピソードずっと心にあって、本書を読んだ時に、そういう小さく機動性があるグループが生きるのに必要なのだと感じました。 長時間の仕事で疲弊してひとりコンビニ弁当を食べるより、自分達が主体的に働き、主体的に生き方を決めていく事でブランド物を買うより価値のある生活が送れるようになる。その為にもう活動している人達が世界にいる事に興味を持ちました。 地球環境と長く共存するために、3.5%になるべく、少しでも活動を始めていきたいと思いました。 難しかったけど、折に触れて読み返したい本になりました。

    2
    投稿日: 2025.07.27
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    とても腹落ちする内容だった。 特に現代の自由主義経済的資本主義については、肌で感じている行き詰まり感を論理的に説明してありスッキリした。

    1
    投稿日: 2025.06.09
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    このレビューはネタバレを含みます。

    読んでもう1年半くらい経つが、読んだ当初から物事の考え方の土台になっている本。携帯の中のコバルトを採掘する仕事の低賃金さ(日本円にして1日あたり1円程度だったかな?)などを含む外部化の話はショックだった。グリーンエコノミーの話でも同じ。EV自体がco2を排出しなくてもそのサプライチェーン(部品加工、輸送、インフラ整備)でガンガンにco2を排出している。それは他国に外部化されているかもしれない。これを知って、メーカーって分業化が進んでるから怖いなと思った。 また社会構造について、資本主義でも社会主義でもない共同化社会を提案していた。確かに、自分の使うものは自分たちで調達・整備した方がいい気がする。埼玉県八潮市の陥没事件しかり。反対にブルシットジョブは、局所的な解を産んでるに過ぎず、問題のフレームが小さい気がする。 ただ一点、どう実現するか、があまり詳しく書かれていないという印象。たしかに少人数で実行されうるかもしれないが、今の新自由主義的な考えでどう改変していくかはかなり難しい。社会輸送は、理想を語るより何倍も難しいのかも。

    1
    投稿日: 2025.05.03
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    気候問題や経済についてのものの見方を変えてくれた本。ただ筆者の頭脳が高度すぎて真剣に読まないと理解できないので、気楽に読むことはできない。読みごたえはすごい。

    2
    投稿日: 2025.05.01
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    環境も資本主義のせいでおかしくなるということを学んだ。また、水を使ったエネルギー開発をしていれば今の時代は訪れていなかった。

    1
    投稿日: 2025.04.29
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    ベストセラーになった本なので、簡単で分かりやすいのかと思ったが、専門的で難しい内容も多かった。ただ、後半の提言部分は分かりやすく、共感できた。ここで書かれているマルクスの晩年の考え方は、共産主義のネガティブな、イメージとは大分異なっていて、広く受け入れられる考えだと思う。 でも、脱成長という考え方がどこまで受け入れられるかは?マーク

    0
    投稿日: 2025.04.21
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    2025年3月1日、丸善 丸の内本店で見つけた。3階。表紙に「2021 新書大賞」とあり。これも古くなったデータがありそうで図書館でもいい気がするが、一読したい。

    0
    投稿日: 2025.03.01
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    このレビューはネタバレを含みます。

    素晴らしかった!斎藤さん超ファンになった!以下、抜粋 無限の経済成長を目指すグリーンニューディールに対してはこう言うしかない。「絶滅への道は善意で敷き詰められている」 ヴァーツラフシュミル「継続的な物質的成長は不可能。脱物質化…より少ない資源でより多くのことを請け合うが、、も。この制約を取り除くことはできない」 この指摘通りサービス部門への経済の移行が問題を解決するわけではない。余暇のカーボンフットプリントは全体の25%をも占めるといわれる。 現実にはロボット化でサーバーの製造や稼働に膨大なエネルギーと資源が消費される。 先進国が膨大なエネルギーを使ってさらなる経済成長を求めることは明らかに不合理。ましてや経済成長がそれほど大きな幸福度の増大をもたらさないのなら尚更だ。 しかし同じ資源とエネルギーをグローバルサウスで使えばそこで生活する人の幸福度は大幅に増大するはずだ。だとしたらカーボンバジェット(まだ排出が許される二酸化炭素)は彼らのために残しておくべきだ つまり「現実飢餓で苦しんでいる10億人は苦しみ続ければいい」「地球環境の悪化で苦しむ将来の世代などどうでもいい」という立場をとるなら別だがそうでない私たちは、先進国の経済成長を諦めマテリアルフットプリントを自発的に減らしていく道を検討すべきではないか 私たちが環境危機の時代に目指すべきは自分たちだけが生き延びようとすることではない。それでは時間稼ぎはできても地球は1つしかないのだから最終的には逃げ場がなくなる このままでは超富裕層1%にしか今のような生活は保障されなくなる 明日は我が身 生存の鍵となるのは「平等」 日本社会では労働分配率は低下し貧富の差は広がっている、ブラック企業も深刻化、そしてパイは小さくなり安定した仕事も減り、人々は何とか自分だけは生き残ろうと競争を激化させていく。社会的な分断が人々の心を傷つけている 今の日本のように石炭火力発電所を建設しているなら「脱成長」ではない 生産を縮小するにしても失業が増えるだけでは「余暇の増加」からはほど遠い。削減すべきは牛肉、SUV、ファストファッションであり教育や社会保障、芸術ではない。日本はただの長期停滞。不平等と貧困をもたらし、競争を激化させる。誰も弱者に手を伸ばす余裕はなくホームレスになれば台風のとき避難所に入ることすらできない。貨幣を持っていなければ人権さえ剥奪され、相互扶助は困難だ。 マルクス…産業のより発展した国は、発展の遅れた国に対して、ほかならぬその国自身の未来の姿を示している 無力になった私たちは資本主義なしには生きられないと無意識のうちに感じている。私たちはかつてぬいほどに自然の力を前にして無力になっている。昔の私たちは自分たちで魚や肉を取り捌き、そのための道具さえも自分たちで作っていた。それに比べると私たちは資本主義に取り込まれ生き物として無力になっている 商品の力を媒介しないと生きられない。自然とともに生きるための技術を失っている。 資本は職人たちの作業工程を細分化し効率化するよう再構築した。その結果職人たちは没落する。職人の代わりに雇われた労働者たちはただ資本の命令を「実行」するだけだ。職人の「モノの構想」と「実行」は分離された。 現代の労働者はかつての職人のようにひとりで完成品を作れないし、パソコンを組み立てているのはパソコンがどうやって作動しているのか知らない人たちだ。 今や労働者たちは資本の下で働くことでしか自らの労働を実現できない。こうして自律性を奪われた労働者は機械の「付属品」になっていく。「構想力」は失われ、資本の支配力は増大、生産力の発展にも関わらず私たちは未来を「構想」することができない むしろより資本への従属を迫られ、資本の命令を「実行」するだけになる 危機が深刻化するほど人々の目的は生き延びることだけになり立ち止まる余裕を失う、そうなってからでは遅い 気候危機は真にグローバルな危機である。周辺部に転嫁できる公害とは違い、究極的には先進国であれこの破壊的帰結から逃れられない。すべての人類が連帯ができるかという試練 この試練の瞬間にジオエンジニアリングやNETのように先進国を優先して「外部」の人々を犠牲にするような「閉鎖的技術」は不適切 「役に立つ」技術を開発するためますます多くの税金や労働力が投下される。その一方で人文学は「役に立たない」として予算が削減される この危機を前にして全く別のライフスタイルを生み出し脱炭素社会を作り出す可能性を技術は抑圧し、排除してしまう 技術というイデオロギーが現代社会に蔓延する想像力の貧困の一因 相対的希少性は終わりなき競争を生む。自分よりよいものを持っている人はSNSに沢山いるし買ったものをすぐに新モデルの発売によって古びてしまう 消費者の理想は決して達成されない、私たちの欲望や感性も資本によって包摂され変容させられてしまうのだ 人々は理想の姿、夢、憧れを得ようとモノを絶えず購入するために労働へと駆り立てられ、また消費する、それに終わりはない 消費主義社会は商品が約束する理想が失敗することを織り込むことによってのみ人々を絶えざる消費に駆り立てることができる 「満たされない」という希少性の感覚こそが資本主義の原動力なのである。それでは人々は一向に幸せになれない “コモン”が目指すのは人工的希少性の領域を減らし消費主義、物質主義から決別した「ラディカルな潤沢さ」を増やすこと “コモン”の管理においては必ずしも国家に依存しなくていい 水は地方自治体が、電力や農地は市民が管理できる。ラディカルな潤沢さが回復されるほど商品化された領域が減っていくためGDPは減少する、脱成長だ 貨幣に依存しない領域が拡大することで人々は労働への恒常的プレッシャーから解放される。その分だけ暮らしは安定し、相互扶助への余裕が生まれ、消費主義的でない活動への余地が生まれる。スポーツ、ハイキング、自然に触れる、ギターをひく、絵を描く、本を読む、家族や友人と食事しながら会話を楽しむこともできるようになるだろう 消費する化石燃料エネルギーは減るがコミュニティの社会的、文化的エネルギーは増える 満員電車に詰め込まれコンビニ弁当を食べ連日長時間働く生活に比べればはるかに豊かな生活だ そのストレスをオンラインショッピングや高濃度アルコール飲料で解消しなくてもいい。健康状態も改善するだろう。 私たちは経済成長の恩恵を求めて一生懸命に働きすぎた。希少性を本質にする資本主義の枠内で豊かになることを目指しても全員が豊かになることは不可能 1%の超富裕層と99%の私たちの富の偏在を是正し人工的希少性をなくすことで、社会はこれまでよりもずっと少ない労働時間で成立する しかも大多数の人々の生活の質は上昇する。無駄な労働が減ることで最終的には地球環境をも救う 私たちは十分に生産していないから貧しいのでなく、資本主義が希少性を本質とするから貧しいのだ 貧相な生活を耐え忍ぶことを強いる緊縮のシステムは資本主義にぴったりの政策だ 必要なのは「反緊縮」でそれにはコモンの復権 人間の満足度の基準というのは与えられた環境に適応可能でその基準は柔軟に変動する 気候変動は不可逆的だ 一つの方法で失敗したら別の方法でやり直すことはできない。 気候変動がもたらす被害はコロナ禍とは比べ物にならないほど甚大になる可能性がある。コロナなど感染症は、資本が自然の奥深くまで入り込み森林を破壊し未知のウイルスと接触したり、とりわけ現代のモノカルチャーが占める空間はウイルスを抑え込めない。そしてウイルスは変異していきグローバル化した人と物の流れに乗って瞬間的に世界に広がる。対策を遅らせるほど大きな経済損失を生み人命も失われる コロナを例にすると最終的に危機の時代にはむき出しの国家権力がますます前面に出てくる可能性が高い。なぜかと言うと1980年代以降、新自由主義は社会のあらゆる関係を商品化し相互扶助の関係性を花貨幣、商品関係に置き換えてきたから。私たちがそのことに慣れきってしまった為相互扶助のノウハウも思いやりの気持ちも根こそぎにされているのだ。すると、不安な人々は隣人ではなく国家に頼ってしまう。 いずれにせよ政治家とテクノクラートによる支配で犠牲になるのは民主主義や人権。 ただし統治機構が十分に機能することを前提にしている。危機が本当に高まると強い国家さえも機能しなくなる可能性がある。実際コロナ禍では医療崩壊と経済の混乱を前にして多くの国家は何もできなくなった。気候危機にしてもそうなるかもしれない しかも危機の瞬間には帝国的生活様式の脆弱さが露呈する。コロナの第一波が襲った際先進国ではマスクもアルコールも手に入らなくなった。安くて快適な生活を実現するためにあらゆるものを海外にアウトソーシングしてきたせいだ。 先進国の巨大製薬会社が精神安定剤やEDの治療薬といった儲かる薬の開発に特化し、抗生物質や抗ウイルス薬の開発から撤退していたため事態は深刻化した。 気候危機の場合、食糧難が深刻化、日本のような自給率が低い国はパニックになる。資本主義と決別して“価値”より“使用価値”を重視する社会に移行せねばならない GDPの増大を目指すのでなく人々の基本ニーズを満たすことを重視するのだ。これこそ脱成長の基本的立場だ。自己抑制も必要だ。 【労働時間を削減して生活の質を上げる】 マーケティング、広告、パッケージングなどによって人々の欲望を不必要に喚起することの禁止、コンサルタントや投資銀行も不要。深夜のコンビニや店を開けておく必要はない。年中無休も同様。必要のないものを作るのをやめれば総労働時間は大幅に削減できる。労働時間を短縮しても意味のない仕事が減るだけなので社会の実質的な繁栄は維持される。労働時間を減らすことは人々の生活にも自然環境にも好ましい影響をもたらす。 人間がオートメーションによって賃金奴隷の状態から解放される可能性があるはずだが、資本主義のもとではオートメーション化は「ロボットの脅威」「失業の脅威」になっている。失業を恐れる私たちはいまだに過労死するほど必死に働いている。ここに資本主義の不合理さが表れている。早く捨て去ったほうがいい 「緑の経済成長」を目指すグリーンニューディールもジオエンジニアリングもMMTのような政策も資本主義という根本原因を必死に維持しようとしている。これが究極の矛盾で問題の先送りしかできない だがこの時間稼ぎが致命傷となる。見せかけだけの対策に安心し人々が危機について真剣に考えることをやめてしまうのが一番危険。国連のSDGsは批判されなければいけない。石油メジャー、大銀行、GAFAMのようなデジタルインフラの社会的所有こそが必要。 ここで政治家を責めても仕方がない。気候変動対策をしてもグローバルサウスの人々や未来の子どもたちは投票してくれないから。政治家は次の選挙より先のことを考えられない生き物。大企業からの献金やロビイングも政治家たちの大胆な意思決定を妨げる。気候危機に立ち向かうには民主主義そのものを刷新しなければ。気候変動の対処には国家の力を使うことが欠かせない。市民議会などで主体的に参画する民主主義が拡張すればどんな社会に住みたいかをめぐってもっと根本的な議論を開始できるようになる 「3.5%」という数字がある。政治学者の研究によると3.5%の人々が非暴力的な方法で、本気で立ち上がると社会が大きく変わるというのだ。 グレタの学校ストライキは一人から始まった。1%VS.99%のスローガンを生んだウォール街占拠運動の座り込みに本格的に参加した数も入れ代わり立ち代わりで数千人だろう。デモは数万規模になりSNSでその動画は数十〜数百万回拡散される。そうなると選挙では数百万の票になる。 資本主義と気候変動に本気で関心を持ち熱心なコミットメントをしてくれる人々を3.5%集めるのはできそうな気がしてこないか。 ワーカーズコープ、学校ストライキ、有機農業、地方自治体の議員を目指す、環境NGOで活動する、仲間と市民電力を始める、労働時間の短縮や生産の民主化を実現するなら労働組合しかない。署名、富裕層への負担を求める運動を展開する必要もある。そうやって相互扶助のネットワークを発展させ強靭なものにするのだ。すぐやれる、やらねばならないことはいくらでもある。だからシステムの変革という課題が大きいことを何もしないことの言い訳にしてはいけない。一人ひとりの参加が3.5%にとっては決定的に重要だからだ。 そろそろはっきりとしたNOを突きつけるべきだ

    0
    投稿日: 2025.02.26
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    今思えば脱成長なんて無理だと思う。 大学生までの人が読んでいるのが良いがこの思想を大学出たあとも続けるのには現実はそれに即してはいないだろう。 この人の思想は現実には即さない。地に足がついていない。マルクスと同じように。だが、マルクスと同じように社会批判は的を得てはいる。 しかし、それに代替する提案が現実的に不可能なのである。

    0
    投稿日: 2025.02.23
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     地球温暖化やそれが引き起こしている気候変動の原因は、行きすぎた資本主義にあり、この環境危機を乗り越えて持続可能な社会を実現するためには、相互扶助と自治に基づいた「脱成長コミュニズム」という社会システムを打ち立てるべし、というのが本書の主張である。  近頃は、SGDs、脱炭素、カーボンニュートラルなんて言葉もよく聞くようになって、環境への配慮や地球の未来というものを考えることが多くなった。巷では環境にやさしいと謳われる商品やサービスもたくさん見かけ、我々はそういった商品を選んで環境保全に貢献した気になっている。だが、今の社会が経済成長を前提に成り立っている限り、その商材もまた利益を得るためのビジネスに利用されていることに違いはなく、実際は環境保全に貢献するどころか、資本主義の増幅とグローバルサウスの人々の搾取に加担することになっているかもしれないことに気付かされ、うんざりしてしまった。  薄々は感じていたが、やはり「環境にやさしい商品を選ぶ」とかそんな小手先のことで、この大きな危機を乗り越えられるはずはないのだ。本書の言う「脱成長コミュニズム」が、これからの社会のあるべき形として正しいかどうかは分からないが、持続可能な社会を作るためには社会システムそのものの変革が必要だということはよく分かった。  ところで、資本主義がすっかり定着して個人主義も進んだこの時代に、「脱成長コミュニズム」なんて本当に実現できるのだろうか。社会システムの変革と同時に人々の価値観の変革も必要だが、それは今すぐにできるはずはなく、達成できたときには地球環境はすでに手遅れになってる可能性はないだろうか。また、過去の社会主義の失敗があるように、競争が好きな人間から「成長」が取り上げられた世界で、果たして均衡は保たれるのだろうか。

    0
    投稿日: 2025.02.12
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    意識的にユニセフに募金はするし、エコバッグも使っているし、消費を促す資本主義のやり方には、うんざりしている。 けど….、わたしはこの本で提唱されている社会になじめるのだろうか。 利潤追求型の資本主義のもとでは、結局、すべての活動がお金儲けに転換されてしまって、自然破壊は止められず、世界の経済格差は拡がり、富裕国が引き起こすさまざまな負債を貧しい国(グローバルサウス)が引き受けることになる。 そこで、生産手段、インフラ、産業を自分たちで共同管理する、コモン、市民営化による脱成長コミュニズムの実現が不可欠だと提唱している。 理念や理屈は抜きにして本音で語ろう。 わたしは1人が好きだ。社会の共同体のような組織、自治会とか、協同組合とか、PTAとか、〇〇会とか、そういうものに所属して他者とコミュニケーションをとりながら、他者のために何かをするという行為が本当に苦手だ。 恐らく、介護職などのエッセンシャルワーカーに就きたくないと考える人は、その賃金の低さよりも仕事の内容で忌避する人も多いはずだ。 そういった個性の人が、脱成長コミュニズムの社会のなかで、どんなふうに生きていけるのか。これは個人主義が進んだ社会の中で大きな問題になると思う。 資本主義が経済格差を産むことは止めたいし、わたしたちの生活の負債を南アフリカや貧しい国の人たちに押し付けるのは嫌だ。 だけど、エッセンシャルワーカーのような、他者貢献の役には立たない仕事に、なぜかやりがいを感じてしまい、プライベートを共有せずとも分業社会の中で、生きていける職業に就いている、個人主義のわたしたちには、どういった意識の変革が求められるのか。 そこには当然、相当な苦痛が伴うだろう。 覚悟しなければいけないことなんだろう。 これからの世代には、まず他者理解の教育が不可欠だ。多様な他者を受け入れ、集団から排除される人を出さない社会にしなければいけない。 そして私たちは、他者貢献の理念を学び直さなければならない。

    0
    投稿日: 2025.02.08
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    「人新世」聞き慣れない言葉です。  これは、ノーベル化学賞受賞のパウル・クルッツェンが名付けた言葉で、人類の経済活動が地球に与えた影響があまりに大きいため、地質学的に見て、地球は新たな年代に突入したと言い、人間たちの活動の傷痕が、地球の表面を覆いつくした年代という意味らしい。  近代化による経済成長は、豊かな生活を約束していたはずだった。ところが、「人新世」の環境危機によって明らかになりつつあるのは、皮肉なことに、まさに経済成長が、人類の繁栄の基盤を切り崩しつつあるという事実である。  そのような事態を避けるための方法論として、「資本論」を書いたカール・マルクスの考えたことをもう一度、しっかり読み直し、マルクスが資本論以降に取り入れた考え方にヒントがあるというのが著者の言説である。 内容ですが、 第1章 気候変動と帝国的生活様式 第2章 気候ケインズ主義の世界 第3章 資本主義システムでの脱成長を撃つ 第4章 「人新世」のマルクス 第5章 加速主義という現実逃避 第6章 欠乏の資本主義、潤沢なコミュニズム 第7章 脱成長コミュニズムが世界を救う 第8章 気候正義という「梃子」  はじめに――ではSDGsは「大衆のアヘン」である!と書かれています。 要は、現在の資本主義の延長線上にある技術革新に期待するとか、資本・政府の示すキャンペーン取り組みでは解決しない状況に陥っているという話です。 長い人類の歴史の中で育んできた「コモン」「コモンズ」を基盤とする経済社会活動に人びとが主体的に参加し、より多くの人びとがその活動に巻き込まれていく方向にしか活路を見いだせないという提案である。  第8章に、まだまだ小さな活動であるが、スペインバルセロナで、アメリカのデトロイトで、南アフリカのヨハネスブルクでとかグローバルサウスの抵抗運動から、積極的に学ぼうという運動が若干ではあるが、広まりつつあるらしい。 後書きの最後の最後の部分を紹介して、感想文とする。  本書の冒頭で「人新世」とは、資本主義が生み出した人工物、つまり負荷や矛盾が地球を覆った時代だと説明した。  ただ、資本主義が地球を壊しているという意味では、今の時代を「人新世」ではなく、「資本新世」と呼ぶのが正しいのかもしれない。  けれども、人びとが力を合わせて連帯し、資本の専制から、この地球という唯一の故郷を守ることができたなら、そのときには、肯定的にその新しい時代を「人新世」と呼べるようになるだろう。  本書は、その未来に向けた一筋の光を当てるために、資本について徹底的に分析した「人新世の資本論」である。  もちろん、その未来は、本書を読んだあなたが、3.5%のひとりとして加わる決断するかどうかにかかっている。

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    投稿日: 2025.02.03
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     半分くらいは、ここ数十年来語られてきた内容でそれほどの新鮮味はないが、それらをコンパクトな新書サイズ、レベルにわかりやすくまとめてあるのは見事である。  で、問題はこれらの革命的改革案を実際に担う人々がどのようにして生まれるのか、育てるのか、という主体性論に行き着くのではないか。  さらに、著者の構想する社会では利潤、金利、貨幣はどうなるのか?これらを認めるのであれば、人間の欲望のどうしようも無さに結局は翻弄される社会が続くのではないか。  いずれにしろ、このレベルの本がヒットするというのは喜ばしい事である。

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    投稿日: 2025.01.28
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    以前著者である斎藤幸平氏が配信している動画を観てから著書を読んでみたいと思っていたので、海外にも翻訳され国内でもベストセラーとなった本書を購入。 その動画でも述べていたが、混迷の現代こそマルクスから学ぶべきと主張しており、いわゆるマルクス主義に対してネガティブな印象を抱いていた自分にとって興味をそそられたという理由もあった。 本書は冒頭から「SDGsは"大衆のアヘン"である!」と、いきなり読者に対して攻撃的な言葉から始まる。 これは、かつてマルクスが資本主義の辛い現実を和らげる宗教に対して"大衆のアヘン"と批判したことに対応している。 SDGsはアリバイ作りのようなものであり、目下の危機から目を背けさせる効果しかないと切り捨てる。 本書は360ページ程度のボリュームで新書にしては分厚いが、「人新生(=人類の経済活動や核実験によって地球の地質や生態系に大きな影響を与えた時代を指す地質年代区分)」における行き過ぎたグローバル資本主義を、導入の2章分(約100ページ)で徹底的に批判する。 SDGsだけでなく、グリーン・ニューディールも、ジオエンジニアリングも、IoTやAIを活用したCO2削減のための技術革新も、それらの取り組みはすべて資本主義下で先進国(グローバル・ノース)が後進国(グローバル・サウス)から搾取し続ける構造(=外部化)にすぎず問題を先送りしているだけだと、これでもかというくらいの事例やデータを示しながら持論を展開する。 3章以降からは、ケインズ理論の変遷を述べながら、特に最晩年のケインズの考えに基づき、人新生における行き過ぎた資本主義に対する解決策が述べられていく。 解決のためのキーワードは「脱成長」と「コミュニズム」の2つとしているが、ここまでどっぷりとグローバル資本主義に浸かってきた日本にとって、この解決策に対しては実現可能性という点で賛否あるだろう。 また、著者は脱成長コミュニズムを実現するための柱のひとつとして、労働集約型エッセンシャル・ワークの重視を挙げている。 比較的高給であるとされている仕事(マーケティングや広告、コンサルティング、金融業や保険業など)は、重要そうに見えるものの、実は社会の再生産そのものにはほとんど役に立っていない(=ブルシット・ジョブ)とまで断言している。 確かに、コロナ禍では社会の運営を下支えするエッセンシャル・ワーカーの重要性が多く取り沙汰されたが、比較的長い間ITコンサルティングを生業としている自分にとってはあまりにも痛烈な批判に感じた。 どうせ社会に出て働くのであれば、給料がより高い仕事や業界に人気が集中するのが当たり前であるが、物価上昇と人口減少が続いていく今後の社会において、特に若者に「社会的価値の高いエッセンシャル・ワーカーになろう!(ただし仕事内容は大変で給料はそれほど高くないけどね)」と提案しても、どれほど魅力的に響くのか疑問が残る。 興味深いのは、以前に読んだマルクス・ガブリエル氏の『倫理資本主義の時代(斎藤幸平氏が監修)』において、現代資本主義の限界については本書の主張と軌を一にするしているものの、「脱成長」は解決策になり得ないと真向から否定していることである。 ガブリエル氏は斎藤氏の主張を引用しながらも、環境や社会にとってより良いものを生み出すために成長は不可欠であり、脱成長は人々のインセンティブを削ぎ、社会を停滞させ、貧困をもたらす可能性があり、イノベーションをも阻害させると主張しており、極めて西洋人的論調である。 「環境問題、待ったなし!」と言われ続けて久しいが、これまで多くの学者や論客が、いわゆる"新しい資本主義"を提唱してきたにも関わらず、人々の専らの関心と期待は賃金・株価・GDPの上昇である。 世界的金融危機が訪れても、世界の至る所で大規模な天災が発生したり戦争や紛争が勃発したりしても、人々は成長と拡大を望む。 改めて資本主義が持つ慣性力のパワーは凄まじいと感じざるを得ない。 このパラダイムを変えるために、著者はバルセロナ市が旗を揚げた国際的自治体ネットワークである「フィアレス・シティ」の脱成長に対する取り組み事例を挙げながら、まずボトムアップ的に小規模でも出来ることから始めることが肝要だと熱く述べているが、残念ながら本書が出版されて5年目となった現在でも、国内で何らかの運動が起こったという話は聞かない。 著者が提唱する「脱成長・コミュニズム」にせよ、ガブリエル氏が提唱する「倫理・道徳に基づく資本主義」にせよ、どちらの主張に正当性があるかの検証にはまだ時間がかかるだろうが、行き過ぎた資本主義がもたらしてきた問題の解決にはとてつもなく高いハードルがそびえていることだけは確実だと痛感する一冊であった。

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    投稿日: 2025.01.13
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    実現可否性はさておき、帰結として一人一人の行動からしか社会システムは変わらないことと、無関心でいることの罪深さや、そういった構造を生む現代の課題を痛烈に感じる書籍であった。

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    投稿日: 2025.01.10
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    資本主義のままで脱成長できないのは同意。食料主権の話や、バルセロナの話にも共感は出来る。インフラ的なものがコモンになるのも想像できる。ただ、その先はイメージできない。資本が必要な産業が社会を支えていることはどうなるのか。あと、人口減の切り口も含めた議論が必要に感じた

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    投稿日: 2025.01.09
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    このまま人類は経済成長し続けるのか?疑問に思ったことがある人は多いと思います。資源は有限です。資源を求めて人類は深海や宇宙へと進出しようとしています。 一言で言えば、本書は、そういった経済成長ありきの考え方にNOを突きつけます。 経済成長が持続可能なのかは誰にも分かりません。しかし誰もが疑問を感じたことがあるテーマなので興味深く読み進めることができると思います。

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    投稿日: 2024.12.28
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    今後、人類が際限なき資本主義の拡大で滅亡の危機にある中での資本論について。 人新世というのはよくわからなかったが、内容は面白かった。

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    投稿日: 2024.12.27
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    人新世:環境破壊の時代の 資本論:資本主義批判 資本主義 •帝国的生活様式→グローバルサウス(先進国の帝国的生活の皺寄せをグローバルサウスに請け負わせ蓋をする) •分業化→個人の生産能力の低下+ただ資本の命令を「実行」するだけの労働者 •「商品としての価値」を重視し「使用価値」を蔑ろにする 企業がSDGsに即した事業を展開するのは、トレンド的にその方が「儲かる」からである →本質的には事業の成長を前提とする。 (実際はEVを生産するために、ICEよりも多くの二酸化炭素が排出される。技術の進歩が環境への負荷を増大させる) SDGsは環境問題の本質から目を背けさせ、何か環境にいいことをやったと錯覚させる阿片にすぎない。 本質的な環境保護は「脱成長」でしか目指せない。

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    投稿日: 2024.12.21
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    マルクスが辿り着いた資本主義の先にある、脱成長社会について知ることが出来た。 資本主義の限界と、これからの持続可能な社会への提案がなされている。 脱成長の5本柱(使用価値経済への転換、労働時間の短縮、画一的な分業の廃止、生産過程の民主化、エッセンシャルワークの重視)を意識して、生き方を考える必要があると感じた。

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    投稿日: 2024.11.30
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    図書館で借りた。 既に話題となって久しい、斎藤幸平先生の代表作。話題性からなんとなく概要は知っていたが、ちゃんと読んでなかったので借りてみた。既に文庫化されていた。 至るところで左派と自称している著者だが、理想を追い求める共産主義者というものでもない。リアリストな社会主義者…あたりだと個人的には理解している。共感するところも多く、非常に勉強になった。 改めて自分の立ち位置や考え方を整理するきっかけにしたい。

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    投稿日: 2024.11.08
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    産業革命以降、資本主義による「生産性」の追求を行うことで急速な経済発展を実現した一方で、地球環境に対しては大きな負荷をかけてきた。現在、各地で異常気象が叫ばれる中、このまま資本主義による「生産性」の追求が続くと、いずれ地球環境は取り返しのつかない危機的状況に陥ってしまう。この状況を打破すべく、資本主義からの脱却を目指す「脱成長コミュニズム」の構築を筆者は提唱する。 これからの時代、つまり人新世では経済成長という目先の利益に捉われず、持続可能な社会を構築していくべきだという主張にとても賛同できました。

    4
    投稿日: 2024.11.08
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    読者に社会革命を呼びかける最新の書。どこか懐かしいテイストだが、今、世界(特に西欧)で起きている様々な動向や議論を手際よくまとめて、目指すべき方向を明快に指し示す技量は見事。ただのユートピア思想ではないことを示すため、様々な疑念に対しても目配りが利いているが、それでもまだユートピア的なものに見えてしまうのは、こちらが余程資本主義社会に毒されているからだろうか。でも、著者の説く理想や希望をできるだけ多くの人が共有することは大事だと思う。

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    投稿日: 2024.10.29
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    『資本論』の1ページ目で挫折した自分には『資本論』を語る事はできないがマルクスがその先の事まで考えていたというのは知らなかった。 地球環境による人類滅亡を避けるには資本主義の際限ない成長に対する思想の転換が必要という考えは頷ける。ただネアンデルタール人ならともかく現代人の欲望の大きさは修正し難いと思われる。

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    投稿日: 2024.10.10
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    行きすぎた資本主義による気候変動などに対して警鐘を鳴らし、次なる社会を考察する コミュニズム(市民営化、市民自治)とグローバルサウスの実行という点は他の書と共通する部分であったが、読みやすい言葉で噛み砕かれているところが良かった。 マルクスが示す資本主義については不完全な部分があり、それはグローバルサウスを無視した主義になっていると著者は述べる。 オランダの誤謬に代表されるような、先進国の生活をグローバルサウスが支える構造は大きく見直す必要がある。 その中でもフェアレスシティという市民間の相互扶助、そして国境を超えて連帯するネットワーク精神はミュニシパリズムと呼ばれ自治体主義を翳す。 筆者はケアという観点からエッセンシャルワーカーの重要性を語るが、私の観点では隣人愛の視点からコミュニズムは成長するように思える。 大規模な気候変動による自然災害や、飢餓などは地域コミュニティにより解消される部分もあり、そういった信頼残高が、市民による市民のための協同組合的な自治制度につながるのではないかと考える。 総じて、過去の権威であるマルクス思想と現代の社会変動を合わせて論じており、かつ平易な文章であるので読みやすいところが素晴らしい本であった。

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    投稿日: 2024.10.05
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    私は金融機関に勤めていますが、国や企業が「成長するために」を前提に考えていた中で、その考え方や価値観に影響を与えてくれた1冊です。

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    投稿日: 2024.09.29
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    今後、持続的に我々人類が地球で生活していくには脱成長しかない。強いメッセージ性のインパクトのある一冊であった。だが、個人的な感想として、空想主義と感じた。脱成長コミュニズムで解決する問題とそうではない問題の分離が必要だ。希少性を生み出す資本主義によって我々は商品に魅力を感じ、満たされないというのは、本当だろうか?なにをもって公正、平等とするか、より多くの人が当事者として向き合いたいものだ。

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    投稿日: 2024.09.13
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    書いてある内容には概ね同意する。 価値増殖を第一原理とする資本主義が、外部からの侵奪と付加一体であること、人間の個性が捨象され、効率性の名の下に資本の奴隷に仕立て上げてしまうことにもっと自覚的にならないといけない。 ただ、脱成長コミュニズムに至るまでのプロセスが現実を見るとなかなか難しい。ソ連や中国のように独裁的な上からの改革を避けるのであれば、地道な社会運動を積み重ねていくしかないが、なかなか時間がかかる…。 また、人間の不完全性を前提とすると、計画的な経済はホロモドールや大躍進運動による大飢饉などのような人災を招いた過去があるし、やはり市場経済で需給のメカニズムを調整した方が良いのではないかとも思えてしまう…。 理想と現実を、改めて丁寧に橋渡ししていく必要がある一方で、環境危機という面では残された時間はあまり多くない。もっと考え、議論しなくてはいけない。

    1
    投稿日: 2024.09.10
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    著者は人類の存在が地球規模で影響を与えるようになった年代「人新世」において最大の問題、気候変動を止めるためには、利益の拡大再生産を本質とする資本主義社会の中でいかにグリーントランスフォーメーション(DX)を進めても解決できないと説く。 世界に必要なのは地域コミュニティをベースとして現状を維持する社会であり、晩年のマルクスが残した膨大なメモからその姿を見出すことができる。

    1
    投稿日: 2024.09.08
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    難しい部分もあったけど面白かった。言っていることは理解出来たけど、行動に移すのは難しいなあという印象。だけど今後ももっと十分に議論されるべき内容だと思いました!

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    投稿日: 2024.08.27
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    著者の斎藤氏については、若手の論客として注目していたこともあり、読んでみました。 が、何だか、「ロジックが甘い」というか、「議論が雑」に見えるのは、気のせいですかね? ロジックの甘さについては、著者自身が考えていることを述べるために、何となくその理由っぽい言葉を並べているだけで、論理的なつながりが見えない部分が多々あるように見えました。 また、議論の雑さについては、場合分けが不十分な部分が目立つように思いました。 ロジックの甘さや議論の雑さを補うために、同じことを説明するにあたり、表現を変える、あるいは、視点を変える、ということもあってよいと思うのですが、同じことを同じように説明するためだけに紙幅を割いているように見える部分も多いように思いました。 他にも、科学的な事象を根拠に挙げる場合、根拠としている事象に対する理解が不十分と思われる部分も散見されました。 そして何より、自分のことは棚に上げて述べているような文体が気になりました。 そのため、「現場のことをわかって述べているのだろうか?」と思い続けながら読むことになってしまいました。 この本から、著者は少なくとも、とてもよく勉強していて、いろんなことを考えてきたように見受けられます。 それゆえ、正しいことを言っているであろう部分もあります。 が、それらが有機的に、あるいは論理的につながっているようには見えず、その点が残念な本でした。 本書については、もっと著者の思考が深まったり、考察が進んだり、論点が整理されたり、結論へとつながる論理がまとまった段階で出すべきで、現時点では時期尚早だったのではないかと思われます。

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    投稿日: 2024.08.17
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    2021年の新書大賞をとった話題作。著者が同世代ということで、敬服いたします。 マルクス主義ときくとすでに廃れた理論という印象はあった。しかし、マルクス研究が今もなおその膨大な資料へのアプローチによって続いているということがまずは驚き。 マルクスの主張と環境問題をつなぎ合わせ、「脱成長コミュニズム」という解決策を提示している。資本主義へのアンチテーゼ。 声高に叫ばれているSDGsが資本主義の文脈である限り環境問題の抜本的解決にはならない。実感として、環境負荷が低い製品の訴求によって新しいビジネス展開を目論んでいる企業が大多数である。環境問題やグローバルサウスへの外部化に対する直接的なアプローチにはなり得ないし、自己満な感じは薄々気づいていたが。 超富裕層の支配する資本主義というゲームを打開するには、市民の共同体、アソシエーションの発足協力が必要である。個人的には資本主義のルールにどっぷり浸かっているが、このままで良いのだろうかという漠然とした不安は常々感じている。それは、利益追求の先にある限界到達からの経済崩壊、本書で論点となっている環境破壊による地球の終焉といったものである。日本に暮らしている先進国民としての私も、少しずつでも行動に移すことの重要性を受け取った。何かを始めなければならないという気持ちを持つ契機となる、現代で生きる人みな必読の本だと思う。

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    投稿日: 2024.08.14
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    ジャケ買い 地球環境を維持するのは、今の方法の延長では到底不可能であるということは理解できた。この50年ほどの経済成長がこれだけ地球に負担をかけていたという事実をそこまで知らなかった。気候変動に関する目標を設定して全世界で取り組もうとしているのも納得。 後半にかけての脱成長コミュニズムあたりは、難解ですっ飛ばしてしまった。現状の問題と課題解決にマルクスの新解釈が役立つというところまでは読んで、あとは読めず、、

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    投稿日: 2024.08.14
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    お金に頼らない生き方をしたいのと、一次産業や自然環境を守るために何かできないかを、3年後の退職後の生き方探しをする際のテーマとして考えています。そんな私には、考えを言葉にして整理してもらったような内容でした。大変参考になりました。 なんとか準備して、行動したいと思います。

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    投稿日: 2024.08.05
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    このレビューはネタバレを含みます。

    3.5%の中には入りたいです。本当に変わるとしたら入る人も多いのではないでしょうか。 ですが資本主義の枠組みの中に居ないと今は生きていけないので、まずは何が自分に必要で何が社会に必要なのかを、希少性、エッセンシャルワーク、資本の包摂、脱成長といった様々な考えのもと、実生活に当てはめて考えていきたいです。 教養としては本当に勉強になりました。

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    投稿日: 2024.07.26
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    人新生(=人類の経済活動が地球を破壊する)の時代に必要なのは脱成長コミュニティである。 脱成長コミュニズムの柱 ・使用価値経済への転換ー大量生産、消費からの脱却 ・労働時間の短縮 ・画一的な分業の廃止 ・生産のプロセスの民主化 ・エッセンシャル・ワークの重視ーケア労働 #斎藤幸平

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    投稿日: 2024.07.14
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    脱成長コミュニズム、資本主義と環境問題。 考えさせてくれた一冊。3.5%の行動発信者になるべきかなるのかみてるのか…確かにと。 使用価値、グローバルサウス、などなど自分事と自分の身の回りの仲間との事、大切なキーワード山ほどあり勉強になりました。

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    投稿日: 2024.07.11
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    マルクスの『資本論』産業革命とセットの歴史用語でしかなかったが現代の資本主義社会の閉塞感から再び脚光を浴びている。 労働にだけ縛られず、お金に縛られず、価値観変えるにはやはり自らが動いて社会に参加しないとならない。

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    投稿日: 2024.07.01
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    口先だけのSDGS・・に自分自身も乗せられていたかもしれない。これから人間が生き延びるためには何を考えなければいけないかを自覚させてくれる。 先進国が資本主義によって、富と快適さを享受する一方で、その皺寄せは主にグローバル・サウス諸国に行く。アフリカや南米から移動する難民は、政情不安からだけではなく、資源搾取や気候変動によって農業が立ち行かなくなっていることも原因らしい。 しかも、そのことは一般的に自覚しにくい。 イーロン・マスク氏の年間報酬は8兆円とか。資本主義の不公平ここに極まれりという感じだ。 数%の世界の富裕層がもう少し自覚を持ち、行動を変えれば何か変わる可能性はありそう。日本人もその例外ではない。 最後の方にどのような社会を目指せば良いのかも書いてある。悲観するだけでなく、解決策や、自分で出来ることを考えて行きたいものである。

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    投稿日: 2024.06.26
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    私たちの豊かさはただただ見えない場所に追いやられているだけ、不可視化しているだけだと言われ、ハッとした。そして、一生懸命働いても無力感が湧いてくる原因のひとつに社会の仕組み、ルールに関係しているのだと知った。 危機感も感じたし、行動したい。私の職業はそれこそ資本主義ど真ん中だけど、何か違和感を感じた時は意見を言うことが、今出来ることかな。すぐできること、長期的にじわじわやること、きちんと判断して取り組んでいきたい。明日、会社を辞める、なんてことは出来ないから。難しいなぁ。 面白かったけど、初めての言語、知識が多くて、まだ消化不良。身体が慣れていない。何冊か斎藤さんの本を読んで慣れる必要はあるかな。

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    投稿日: 2024.06.18
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    脱成長、コミュニズムの必要性自体はよく伝わるが、今の資本主義を動かしているGAFAMのようテック企業からどのようにして主導権を奪い取れるのかは全く想像がつかない。 結局は資本主義のゲームルールの中で勝ち、発言権を得なければ次のステージに進めないと思える。

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    投稿日: 2024.06.18
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    なるほど。マルクスをそう読むんですね。私マルクスと同世代のヘンリーdソローを敬愛しておりまして、突き詰めていくと両者の主張に共通点がありますので、すんなり落ちました。 最後、筆者は主張に向けた運動を紹介した上で、一人一人が立ち上がろうと呼びかけて終わります。私は、「資本」をどう変えていくのか、その処方箋の実現を目指そう。アイディアはある。

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    投稿日: 2024.06.15
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    資本論といえば、マルクスの資本論が有名だけど この本はマルクスの思想等も交えながら、資本主義とはなんぞやということ 資本主義で得をする世界に数%しかいない超富裕層や、世界各国のGDP順位 逆に今現代で課題になっている格差問題・異常気象等に関しても指摘している。 そりゃ新書大賞にもなります、面白いもの。 脱成長・反資本主義という内容がメインなので 読み進めていくとこれはかなり、この本に関する賛否両論が分かれそうだなーと思った。 確かに利益だ!豊かだ!と、どっぷり資本主義に浸かっているのはよくないとは思うが では逆に社会主義はどうだ?と問われるとう~ん…といった感想になってしまう自分もいる。 どちらに偏るのが良くて、こっちは良くないよねという線引きも難しいのは確か。 色んな考え方があるのだな、と勉強になった。

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    投稿日: 2024.06.13
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    「ひとしんせい」人新世。 新しい言葉。 SDGsエコロジーは新たな麻薬。 外部社会の犠牲の上に先進国の快適はある。 脱成長。マルクス。 GDPの拡大を目指すのでなくて人々のニーズを満たすことを重視。現物支給が増える。消費主義と手を切る。労働時間を減らす。エッセンシャルワークの重視。グローバルサウスから学ぶ。 対して 加速主義、持続可能な成長を求める資本主義。

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    投稿日: 2024.05.13
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    マルクスの資本論を中心に技術が飛躍的に発達した19世紀〜20世紀にかけて実現した社会システムがいかにバイアスが掛かり不完全であったかのか、マルクス自身も資本論に至るまでの理論の変遷などを丁寧に解説。結局は資本主義のシステムの限界とB面である有限の富の搾取の仕組み。国々は地球環境に対策を講じても今やその国の富の源泉はグローバルで見るとどこかに皺寄せがあると言う。まさにこの社会システムが変わらなくてはいけない。変わるのであればどんな社会システムを次に目指すべきなのかを論じている、意欲的な提案書である。読む限りでは色々なハードルや壁が山積しているように感じるがそれを一つ一つ解決していった時こう言う社会になるんだろうな。と感じた。

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    投稿日: 2024.04.29
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    言いたい事は分かるし、間違ってる訳でも無いけど、資本主義とは結局人間の欲望を増幅するシステムであって、脱成長コミュニティでどうやって欲望をコントロールするのか?って課題は、ソ連式社会主義とあんま変わらんのでは?と。 あと民主主義って必ずしも良い方向に向かわないとも思うのよね。 正規分布に則ると人間の半分は馬鹿なので、みんなで話し合ったら悪い方向に行くことの方が多いんじゃ無い?

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    投稿日: 2024.04.21
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    【概要】  資本主義は、帝国的生活様式や生態学的帝国主義を生み出し、気候変動を加速させた。グリーン・ニューディールは一見資本主義を解体せずに気候危機を止められる方法だと思われるが、実際は負担を転嫁する場所が変わるだけで、経済成長の罠にはまっめしまう。  気候変動を止めるのは「脱成長」であり、それは晩年のマルクスの思想だった。脱成長をするためには、コモンの領域を拡大させ、やがてボトムアップ型の社会運動とトップダウン型の政党政治が結びつかせることである。  この本の読者が本気で社会を変える3.5%の人々となることで、気候危機解決へ前進する大きな力となるだろう。  ここまで読んでおいて、まだ行動できない自分が情けない。自分の大衆迎合主義に心底うんざりするが、この大衆迎合主義に活動がうまく結びついたら活動は一気に広がるのでは、と思う。  自分自身グリーン・ニューディールに期待している節があったので、それでは事態は解決しないのだ、ということが知れただけでも良かった。自分が頑張って挑戦できる範囲でコモンを広げていきたい。地産地消を意識するとか、デモへの参加とかしてみたい。

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    投稿日: 2024.04.16
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    良く理解が出来なかったというのが正直な感想。ベストセラーになった本ゆえに、自身の読解力のなさに尽きると思うものの、客観的な事実に基づく分析(少ない)と、著者の主観(多) が入り乱れて展開されるのが難点。『「使用価値」を優先してコロナ禍で先進国がマスクすら作れなかった』等の枝葉末節に頻繁に話題が飛んでしまい、読み手の気を散らしてしまっている印象。経済活動の減速が必要という基本的な主張や、尤もな考え方も沢山含んでいるためやや残念。

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    投稿日: 2024.04.14
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    新進気鋭との触れ込みだったので、先日の池上彰の資本論の本に続けて読んでみた。これまで読んだ本は、勉強になるとか面白いとか、評価が高いものでもそういう言葉での形容だったが、これは考えさせられる。自分のこれからの生き方を、だ。素晴らしい本。 マルクスの資本論が資本主義が行き着いた先にある社会主義を論じており、マルクス・レーニン主義というのはソ連が都合よく作ったプロパガンダだと言うような話は池上彰の入門編でも読んだし、なんとなく理解していた。でもこれはその遥か先を行くものだと思う。たくさんの人に読んで欲しいと思うし、その後少しずつ行動に移していけるよう、意識を高く持っていたいと思った。 資本主義の否定が割と徹底的で、ある意味気持ちいい。一方、脱成長コミュニズムの模索は大変なんだろうと思う。「絶滅への叛逆」や「黄色いベスト運動」、バルセロナやフランスの市民議会の例を引っ張ってきているが、欧州各国はやはりそういう意識が高いなぁ。自分の人生をどう生きていくのか試されているような気がする。

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    投稿日: 2024.03.31
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    これからの資本主義と環境のあり方を考える機会になりました。 人間の欲望はの最後は地球を使い切ることか、共生することか?

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    投稿日: 2024.03.24
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    言っていることは理解できるが、現実世界に照らした結論、実際にどう応用するのかというところは分からず、机上の空論のように思えた。 だけど、妹は納得するらしい。これは、自分が社会にもうすぐ出る身、すなわち、社会人として働くという選択肢をとっている時点で、現状の社会構造に疑問を持つことがなくなり、異を呈することをしなくなってしまったということなのだろうか。 大学で国際法を学んで、国際法はあくまでも国家間におけるルール、お約束でしかなく、 独占禁止法を学んだり、

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    投稿日: 2024.03.19
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    恐ろしいほどに理解しやすく読みやすい本だった 。 小説で人間物語ばかりを嗜む私でも問題なく読むことができました。 自信満々に『経済成長!』と拳を握りながら世の中に訴えかける私達日本の総理大臣にこういった知見はあるのでしょうか。 皮肉とかじゃなく本当に気になる。 賃上げ→消費促進→経済活性化 ほとんどの人間がこれが正しいと信じて疑わない世の中なんだと思う。 自分だって間違いなくそうだったもん。 でもこの本読むと景色変わる。全然変わる。 行動に起こすのはとても難しいしさ、実現はまだ遠すぎる未来なのかもしれないけどさ、 限られた時間しか生きられないこんな世の中の景色が変わるだけでも読む価値があるってもんじゃない。 この考え方がね当たり前になる日が来るかもしれないよ。 「経済成長???思想強くね???笑」 という時代が来るのかもしれない。 でもとりあえず明日からも仕事頑張るわ。 会社の利益のために力を尽くすわ。 今やるべきことはそれだから。

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    投稿日: 2024.03.13
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    前半はマルクスの資本論が誤って理解されている根拠および本当は考えていたこと 後半はマルクスの資本論を踏まえて、自身の考える人新世時代の資本論 について述べられている 非常に勉強になることが多かったが、作者の熱が熱すぎるのか、説明がかなりクドい笑 途中から飽きてしまって流し読みになってしまった

    2
    投稿日: 2024.02.28
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    このレビューはネタバレを含みます。

    【資本主義に奪われた潤沢な社会】 読みたかったが読めていなかった本。ついに読んで、非常に示唆に富み、しかしとても多くの知識・思考が詰まっている本だったのですぐにでも再読したいと思う。以下は完全なる私見です。 読み終わっての感想としては、あらためてマルクスという思想家の偉大さを知る。今現在も彼の知見から現代社会の解決策を見つけ出そうとする試みがなされているということで、人類的な課題に挑戦し続けた人なのだということ。そしてその研究・解釈を試みつつ、分かりやすく今の社会に照らし合わせて論じられている斎藤先生も尊敬する。 大学で習ったときにとても興味を持って、でも社会人になるとなかなか読み込んだりする機会を持っていなかった。資本主義が問題だと分かっていても、それ以外の解決策は今のところない、という一般的な意見にやはり流されてしまう。既存の経済システム(資本主義)内で解決しようとするか、あるいは新しいシステム(Alternative)を作るのか、という対立軸はあっても、現実的な新しいシステムを見出すのがとても難しいためだ性に落ち着く。脱成長は頭では理解でき合意できても、資本主義社会の一部として生きる中で資本と成長に依存せざるを得ない状態がこれまでもあった気がする。 これまでも、世界で広がる格差に対する不満が高まり、人々が抵抗運動を起こしてきた。私も(たまたま)参加した、Occupy運動は、一時期は世界で大きなうねりとなったように見えたけれど、おそらくあの時からさらに、私たちの経済レベルは分断されていると思う。 ピケティの「21世紀の資本論」を少し読んだら、まあ今の制度ではそういうことになる、富む人が富む仕組みが制度としてある、といっていたし、では国家が動いて制度改革する必要がある、ということも納得した。 私は政治を習ったこともあって、政府に責任があるという思考に良く陥るのだけれど、マルクスは政治より先に経済、生産手段が基盤としてあるということを思い出した。 マルクスは政治思想家でもあったけれど、経済学者でもあって、既存の経済の枠組みで経済を論じるのではなくて、あるべき経済について論じる、経済思想家なんだなーと思った。 あらためて、今の経済は資本主義経済て、その資本主義が本当に政治も私たちの思想の価値観も、全てを包摂してしまっているから、本来の生きる価値を見失ってしまったりする。 最近読んだサステナビリティ経営の本では、いろいろな社会・環境指標を経済価値に落とし込む取り組みが現在進んでいる、とのことだけれども、本当に社会は自ら資本主義に飲み込まれて行こうとしているのかもしれない。排出権取引する流れにはなっているけれど、人権保護まで取引することになるかもしれない。現在の流れてできることをしようとしても全く解決策にはならず、問題を助長することになるのは本当に避けたい。 そうやって自分のなかの矛盾が明確に見え、もどかしい。 貧困をなくす、といって、国連の活動で行っていることは、国の経済成長を促す計算ではあると思う。まず貧困の物差しが経済所得であり、しかし実際、資本による囲い込みは、その国に資本(財産)を生むだろうけれども、労働者となる国民の生活は悪化しかねない。すでに現在の農村地域の貧困は資本主義がいびつな形で広がってきているものを反映しているともいえるのかもしれない。本来であれば資本に依存せずにも飢えずに暮らしていけた人々が、資本収入を得ないとやっていけないとなって、貧困が生まれている部分もあるのだろうなーと思う。でも一度侵食してきた資本主義は、たぶん取り込まれないことを許さない。 じゃあやっぱり併せて、できるところから、それに抵抗する動きを作っていかないといけないのだと思う。 でも、生産の現場から改革するって、まだ少し私には難しい。会社の意思決定を民主化するってこと?それよりも、一般的な既存民間企業の傍らで、協同組合などのアソシエーション組織を新たにどんどん作って行こう、ということだったかな。でもこの大量で強権な民間企業の存在はどうするんだろう。国家を強めずに、どうやって私たちの価値観を変えられるんだろう。… 何を書いているか自分でもわからなくなってきたけれど、とにかくとても興味深い本だったので、引き続き勉強し思考し、行動しようと思います。

    1
    投稿日: 2024.02.27
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    私の当たり前の生活は地球と世界の誰かの犠牲のうえに成り立っていると認識した一冊。子供や孫やその先の…後世のことを思えば何かしら行動を起こさないといけないだろう。まずは自分とその周りから…とは思う。

    1
    投稿日: 2024.02.23
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    仕事上のお客様から「ぜひ読んだ方がいい」と勧められて、購入して読んだ。 難しかった。。途中でくじけるくらいに難しかった。しかし筆者が言っていることはわかる気がしました。 のっけからSDG'sの否定から始まった。国連発信でこれだけ世の中が推奨しているSDG'sを「大衆のアヘンだ!」から始まる。読んでいくうちにその意味がわかってくる。それにしてもマルクスはすごい150年前からこの今の世の中を預言者のごとく憂いていたのだから。しかしもっとすごいのは筆者の斎藤幸平さんだ。そのマルクスを徹底的に研究されて誰もが唱えていなかったようなことを本にされている。わかる人が読めばもっと面白い本なんだと思う。まだ私には難し過ぎました。

    13
    投稿日: 2024.02.16
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    「人新世」とは、人が原因で、経済成長が困難になり、経済格差が拡大し、環境問題も深刻化している時代のこと。 どのように「脱成長」すべきかを論じた本だ。 真剣に地球環境を守ることを最優先に活動せよ!という主張の本でもある。 多くの人が読んで高評価し、ベストセラーになったことを嬉しく思う。 私も長年「経済成長」ありきという思想から脱却すべきと考えていたので、本書の主張はすんなりと支持できる。 著者の主張どおりに世の中が動けばかなりの改善が見込めると思うが、 各地で戦争が起きたり、金にまみれた自己保身が最優先の政治や企業活動を目の当たりにしていると、 人の思考や行動は簡単には変えられないという現実を身に染みて感じる。 「脱成長」などとのたまう人は、貧困層の苦しみを知らない金持ちだからだという反応がある。 では、資本主義のもと「経済成長」して先進国となった社会で過ごす大多数の人が依然として「貧しい」のはなぜなのか? 「脱成長」が嫌われるのは、資本主義をベースに考えているからだ。 資本主義の元では「脱成長」は「停滞」「衰退」という否定的なイメージがつきまとう。 だが、資本主義の収奪の対象は、労働力と地球環境全体だ。 資本主義のシステムで経済成長を目指せば、環境が危機的状況に陥るのは自明だ。 気候変動対策をないがしろにすることを正当化するのが資本主義の経済理論だ。 「環境に優しい恒久的な経済成長」というスローガンに酔いしれている政治家たちを批判しているグレタ・トゥーンベリさん。陰ながら応援している。 有限な世界において、いつまでも成長が続くわけがない。 急いで資本主義に代わるシステムを準備しなくてはならない。 なのに目先の利益しか考えられず、「経済成長」を続けて豊かになることが正しい判断だと思い込んでいる。 「災難は、我が亡き後に来たれ!」「自分さえ逃げきれればよい」という少数の政治家や資産家が世の中の悪化を推進している。 SDGsですら「持続可能な経済成長」と結び付け、儲けるチャンスとして利用しようとしている。 経済成長を目指す限り、気温上昇は止められない。 地球環境の破壊を止めるには、成長を諦め経済規模を縮小するしかない。 二酸化炭素の排出量を見ると、中国が突出している。 現在の気温上昇の諸悪の根源は中国だと言う人は多い。 だが、日本もアメリカも欧州も、中国に生産を依頼した製品を大量に消費している。 再生可能エネルギーの利用も増えているが、化石燃料は減るどころか急激に増え続けている。 世界の富裕層トップ10%が、二酸化炭素排出量の半分に責任があるという。 けしからんと思うが、日本人のほとんどはトップ20%に入っており、大勢がトップ10%に入っている。 我々自身が気候危機を作り出している当事者なので、生活様式を変えないと問題解決はしないということだ。 「経済成長」を前提とした計画は、「豊かな暮らし」という善意が敷き詰められており気持ちいいが「絶滅への道」なのである。 本書は「脱成長」を目指せという主張をしている。 どのような「脱成長」がいいかを考えている。 コロナ禍では、イザというときに政府に頼ろうとしても助けてくれないことを学んだ。 儲けの薄いマスクや消毒液は、中国に作らせていたため、日本では手に入らなかった。 必要とする時にマスクすら十分に作れない社会構造になっていた日本。 贅沢品でなく"使用価値"を重視せよ。 必要な物の自給率を高めよう。 消費主義をやめよう。 金儲けのためだけの意味のない仕事は減らすべきだ。 資本主義の元での効率化は、「労働からの開放」をもたらさず「失業の脅威」となる。 生産性向上のオートメーション化はエネルギー消費にも繋がっている。 著者の主張するエッセンシャルワークの重視には大賛成だ。 政治家の答弁書を作る官僚の仕事などは無くてもいい無駄な仕事だ。 国会で答弁を聞いている政治家は無意味なので寝ているじゃないか。 今の日本は、ケア労働や保育士や教師などの機械化が困難な労働は、生産性が低く高コストとみなされている。 投資銀行やファイナンシャルプランナーなど、使用価値をほとんど生み出さない無くてもいい仕事が溢れている。 労働に対する対価の基準がおかしいと感じる。 現在の都市の姿も問題だらけだ。 大量のエネルギーと資源を浪費する生活は持続可能ではない。 恒常的な成長と利潤獲得のための競争を煽る経済システムからの脱却を目指さなくてはいけない。 しかし、我々は資本主義が生み出した社会にどっぷりとつかって、それに慣れ切っている。 政治家だけを責めてもしょうがない。 政治家は次の選挙までのことしか考えられないからだ。 だから、民主主義も変えていかなくてはいけない。 よく、1%の超富裕層と99%のその他の人々なんて言われるが、 99%側の我々の無関心さが、1%の富裕層が勝手にルールを変え、自分らの利害追求をしやすいような社会の仕組みを作ってしまった。 だが、3.5%の人々が本気で取り組むと社会変革は可能だと言う。 日本だと430万人が3.5%にあたる。 私もこの3.5%に含まれる何かに貢献できるだろうか。 まとまりのない、長文のレビューになってしまったが、うまく要約できないので勘弁してください。

    43
    投稿日: 2024.02.11
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    めちゃくちゃ読みづらい 30年後に名著と呼ばれるかもしれない が、いまの私の日々の生活の行動変容は促さなかった 地球レベルの群体まで人類が進歩したら本著の通りになりそうな気はする

    1
    投稿日: 2024.02.10
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    前段の環境問題・気候変動問題の顕在化事例や対処の歴史は非常によく纏まっています。脱成長色が強いので、読み手の経済観によっては賛否が大きく分かれるところ。

    1
    投稿日: 2024.01.30
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     マルクスの著作を網羅的にカバーし、新たな視点からの再解釈を試みる「MEGA」なる国際的プロジェクトに参画する著者による、脱成長・脱資本主義の書。唯物史観のもと生産力至上主義を提唱したとされる旧来のマルクス像を、これまで日の目を見ることのなかった膨大な草稿や手記の研究により改訂した上で、晩年のマルクスが傾倒した「共同体=コミュニズム」と「エコロジー」に基づく新たな社会への転換を提唱する。  かなりラディカルな主張だが、よくあるエコロジー本のような切迫感や悲壮な感じはなく、むしろ本書からは前向きな明るささえ感じ取れる。文体も丁寧で平易であり、多くの読者に受け入れられたのも理解できる。多くの人が矛盾を感じながらも資本主義への「包摂」を余儀なくされているというこの閉塞感を打破するための起点となるに十分な本だと思う。  一方で、いざ本書の掲げるビジョンを個人レベルで実践しようするのはなかなか困難だ。「脱成長コミュニズム」は当然ながら共同体というプラットフォームがあって初めて成立する理念であり、コミュニティという基盤を欠いたままその理念を実践しようとすれば、個人にできるのはせいぜいミクロな「自己(消費)抑制」にしかならない。著者の掲げる脱成長の5本柱、①使用価値経済への転換②労働時間の短縮③画一的な分業の廃止④生産課程の民主化⑤エッセンシャルワークの重視、はいずれも理念的でありスローガンとしては機能するかもしれないが、個人レベルの運動を集約してそこまで到達するには相当な時間がかかる(無論選挙には期待できない)。この点はもちろん著者も承知していて、バルセロナやメキシコ、南アフリカで試みられた「ミュニシパリズム」の運動を紹介しつつ、「3.5%」の人々の非暴力的蜂起による社会変革に期待を寄せている。やはり、本書のような一般向けの媒体を通じて、草の根的に人々の間に変化が生じるのを待つほかにない、ということなのだろう。

    1
    投稿日: 2024.01.26
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    マルクス資本論に対する見方(偏見?)が180度変わる。 そして、「脱成長」しか機構危機から救う方法は残されていないんだと痛感させられた。 今まで当たり前だった経済成長を前提とした資本主義。グローバルサウスと呼ばれる食料輸出国で餓死している子どもたちが大勢いるという矛盾。 いくら作っても「足りない」「もっと」と感じてしまう。 抜本的に変えなければならないことはみんな薄々感じている。でも、どのように社会を変えていくべきか?という難解な問いに対して、筆者は明確なアンサーを与えてくれる。 何度も読み返したい良書です。

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    投稿日: 2024.01.18
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    マルクスの資本論を知らなくても良く理解できる内容となっている。脱成長コミュニティの実現。理想にも思えるが、地球規模の課題に一石を投じる観点ではすごく勉強になる内容。自分には何ができるのか。よく考えてみようか。

    2
    投稿日: 2023.12.29
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    前半100ページまでで資本主義経済と地球温暖化による環境破壊の折り合いが付いていない事実を述べて、経済成長を諦める「脱成長」と言う言葉を提示。 その後、ダラダラぐだぐだと講釈垂れ流しているが、誰が言っているのかを曖昧にしてなんとか派はこう言うだろうとかの繰り返し… 脱成長という言葉の定義をしっかり提示しない(出来ない)のが読んでいてフラストする。 長々と話されて、で?って思ったころに、「労働を抜本的に変革し、搾取と支配の階級的対立を乗り越え、自由、平等で、公正かつ持続可能な社会を打ち立てる。これこそが、新世代の脱成長論である。」とな。 マジかよ… 半分読んだ所でこんな事書かれて困惑。そして、結局マルクス… この後、読む気が起きなかった。 著者は、大阪市立大学の准教授の斎藤幸平氏。 前半に筆者のアイデアや意見が際立って書かれておらず、たくさん本読みましたね位のレベルの胡散臭さを感じてしまった。この調子で最後まで続きそうな予感がしたので、閉じる。 まぁ、読む人が読めばすごい!ってなるのかも知らないけど、サラリーマンの自分には途中から時間の無駄だなぁと思ってしまった。

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    投稿日: 2023.12.19
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    ジャンヌダルクや、ガンジーや、キング牧師、はたまた坂本龍馬の同時多発的復活が、この実現には必要と強く感じました。それも今すぐ。

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    投稿日: 2023.12.17
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    現状の地球温暖化対策に突き刺さった課題提起は認めざるを得ない。資本主義の本質を突いた論評は何度読んでも反論の余地なし。環境問題課題直視に大変インパクトある良著。唯一無二の地球環境を守るために「相互扶助と自治に基づいた脱成長コミュニズム」に各人がどう参画していくか? 残された時間はない。

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    投稿日: 2023.12.10
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    『人新世の「資本論」』(斎藤幸平)を読んだ。 読み物としてはとても面白い。 「成長型資本主義世界の害悪」も「気候変動による平均気温3℃上昇後世界の恐怖」もよくわかったよ。 だけど、(もちろん今の状態を是とするわけではないし、確かにこうあるべきだとも思うけれど)『脱成長コミュニズム』の記述はあまりにも綺麗事すぎるかな。 以下の「ゴータ綱領批判」(マルクス著)の一節なんかその最たるもので、 『(前略)、労働が単に生活のための手段であるだけでなく、労働そのものが第一の生命欲求となったのち、個人の全面的な発展にともなって、(後略)』 『労働そのものが第一の生命欲求となったのち』ってあり得るのか? (え!有り⁉︎) (資本主義に毒され、資本主義の奴隷となっているのかもしれない)私の、中途半端な読解力と想像力の無さに問題があるのだろう。 まぁとにかく、いろいろ夢のような世界が待っているようだが実現させるには世界中のムーブメントが必要だよね。 だけど、もう一度言うよ。 読み物としてはとても面白い。 あと、これは笑ってしまったのだが、 『例えば、みんながフェラーリやロレックスを持っていたら、スズキの軽自動車やカシオの時計と変わらなくなってしまう。』(本文より) おいおい! まさにスズキの軽自動車(ジムニー)に乗ってカシオの時計(G-SHOCK)使ってる私は、フェラーリやロレックスの対極にあって社会的ステータス皆無のひとだったのか。(笑)

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    投稿日: 2023.11.17
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    平易な言葉で「この章ではこのようなことを説明しますよ」「ここが大事なポイントですよ」とちゃんと示唆してくれる書き方で、最後まで読み進めることが出来た。 最高気温、熱中症、暑い中のイベント、と言った切り口からは連日ニュースになるものの、その暑さの原因には一切触れられることのない日本。 気候変動を憂い、「使用価値」を重視する脱成長コミュニズムを目指すことなんて、夢のまた夢としか思えない。

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    投稿日: 2023.11.04
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    過去にNHK100分で名著で視聴して購入した本です。この本でケイト・ラワーズさんの「ドーナツ経済学が世界を救う」を知り、続けて読みました。これからの経済が人にも環境にも優しい社会であって欲しい。

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    投稿日: 2023.10.29
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    集英社新書 斎藤幸平 「人新世の 資本論 」 「経済成長→環境破壊→地球危機」の流れを 止めるために 脱成長コミュニズムを提言した本 先進国の技術開発による発展は、グローバルサウスの犠牲(労働力の搾取、自然資源の収奪)の上に成り立っており、地球全体の危機に及ぶという論調 グリーンニューディール、ジオエンジニアリング、MMT、加速主義 といった 修正資本主義では 環境破壊は止まらないことを論証 〈感想〉核戦争で世界が終わることは 想像していたが、経済成長で地球が終わることは想像していなかった。修正資本主義や技術開発が無意味であるのは 衝撃的。やはり コミュニズムしかないのだろうか? 著者の処方箋の中で 印象に残ったのは「ワーカーズコープ」 脱成長コミュニズムのマルクス構想 *使用価値経済への転換 *労働時間の短縮 *画一的な分業の廃止 *生産過程の民主化 *エッセンシャルワークの重視 資本主義 *価値増殖と資本蓄積のために、さらなる市場を開拓していくシステム *資本とは、価値を絶えず増やしていく終わりなき運動〜繰り返し投資をして、財やサービスの生産によって新たな価値を生み出し、利益を上げ、さらに拡大していく *資本主義は、人間と自然の物質代謝を持続可能な形で管理することを困難にする *資本主義とは、人々があらゆるものを自由に市場で売買できる社会 *資本主義は、自らのために人工的希少性を生み出す。潤沢さが資本主義の天敵 *資本主義においては、人の命を救うかどうかより、儲かるかどうかが優先される *商品の価値を重視し、使用価値(有用性)を蔑ろにする コモン(共) *コモンとは、社会的に人々に共有され、管理されるべき富 *コミュニズムとは、生産者が生産手段をコモンとして、共同で管理運営する社会のこと 本源的蓄積=囲い込み *本源的蓄積とは、資本がコモンの潤沢さを解体し、人工的希少性を増大させていく過程 *囲い込み後の私的所有制は、持続可能で、潤沢な人間と自然の関係性 を破壊 *本源的蓄積は潤沢なコモンズを解体し、希少性を人工的に生み出した

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    投稿日: 2023.10.15
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    “住宅ローンは額が大きい分、規律権力としての力が強い。膨大な額の30年にもわたるローンを抱えた人々は、その負債を返すべく、ますます長い時間働かなくてはならない。残業代を得るために長時間働いて、出世のために家族を犠牲にするのだ。場合によっては、食べたいものを我慢して、もやし炒めや具なしのトマトソーススパゲッティを食べながら節約をする。もはや、何のための生活なのかわからなくなるような人生を送る羽目ににある。快適な生活のために家を買ったはずなのに、負債が人間を賃金奴隷にし、その生活を破壊していく“

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    投稿日: 2023.09.23
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    このレビューはネタバレを含みます。

    資本主義には外部化が欠かせない。先進国はグローバルサウスから資源を収奪することで、経済を成長させてきた。しかしながら地球の資源は有限であり、いつか収奪できなくなる時が来る上、異常気象には近年拍車がかかっている。 筆者は政府が財政を出動することで資本主義の枠内で経済成長を続け、同時に二酸化炭素の排出量は減らしていくグリーン・ニューディールを支持しない。 近年、マルクスの再解釈が進んでいることを踏まえ、筆者が代替案として提示するのはコモンの再生である。市場に飲み込まれてしまった水や電気、教育や医療といった共通資本を、再びコモンとして取り戻していく。ここで掲げられているのは、経済成長のない定常社会である。 すでにグローバルに繋がってしまった世界でコモンを取り戻していくのは難しいだろうが、こうしたアイデアを社会に示すことに価値があると思う。

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    投稿日: 2023.09.20
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    資本主義では残念ながら、如何に努力しても二酸化炭素排出を止める事は出来ない。何故なら、常に経済成長し続け利益を追求する事が資本主義そのものの原則だからである。先進国発展の裏に搾取されるグローバルサウスの問題も興味深い。マルクスやコモンと言った考え方は非常に難しく理解しづらいものがある。

    4
    投稿日: 2023.09.18
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    専門用語が多くて読みづらいけど、内容は素晴らしいと思う。 資本主義や気候変動を地球規模で見ると、様々な課題があり、今までの考え方がひっくり返った。 安い物を買うという行為が環境破壊に繫がるなんて思いもしなかった。 将来が不安で悲観的になりそう。 今の資本主義に慣れすぎて、3.5%の革命者にとても入れそうにない。

    3
    投稿日: 2023.09.14
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    もう少し内容をコンパクトに出来るのでは…という印象でした。筆者がこの後に出されている本のほうが、より読みやすかったです。

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    投稿日: 2023.09.08
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    いま、やれる事をやらないと地球に住めなくなるか、子供達が生きて行かれなくなると何となく思っていたが、この本を読んで改めてそう思いました。少なくてもこの本を読んだ人達は暮らし方や生き方を見直して欲しい。

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    投稿日: 2023.08.28
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    何度読んでも涙が出る一冊。 もしかしたら自分の日々の衣食住が、未来の子供達を苦しめてしまうのではないかと思わされます。 まずは日本人が世界で見れば富裕層であることを自覚する。そしてスローダウンを検討する。 地球は誰か一人のものではない。

    4
    投稿日: 2023.08.24
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    ほんと、そうなんだろうな、という感じ。 総論は賛成、ただし実際にどうやっていくのか、というのがものすごく難しい課題である。 以下本書の要約 ••• 驚異的な速度で進行する資本主義、新自由主義的な人間活動の副作用として地球環境に深刻な影響を与える気候変動が起こっている。さらにこの気候変動は人間社会にも悪影響を及ぼしはじめ、今後も及ぼしていく。 それなのにこの資本主義的、新自由主義的な営みを抑えることができないのは、そのメインの主体である西欧諸国にその弊害が可視化•体験化されていないからである。弊害の認知がしにくい理由として3つの転嫁を指摘する。つまり、それを直接的に解決する技術により別の問題に転嫁され、グローバルサウスなどの外部に転嫁され、またその副作用が出るまでに時間がかかるという時間的な転嫁が起こっているのだ。 グリーン•ニューディール(気候ケインズ主義)を提唱する人もいるが、経済成長に囚われているこの対策では気候変動問題への対策としては効果的ではないと指摘する。 脱成長が必要だ。(もちろん未だ不十分な国では経済成長は必要だが) では脱成長は資本主義システムの中で行うことができるのか? ドーナツ経済の概念を用いてそれを提唱するラワース、ダニエル•オニール、著者はその主張にある程度同意しながらも、世界的公正のためにはやはり資本主義では限界があると指摘する。そもそも資本主義は無限の経済成長を追い求めそれが気候変動をはじめ環境危機の原因になるからだ。 資本主義から脱成長社会への移行を試みるにあたって、その理論、実践のためにマルクスのコミュニズムを学ぶ必要性を説く。この第四章にしてやっと著者の専門であるマルクスの話が出てくる。 MEGAプロジェクトを踏まえてマルクスの思想の変遷と、彼の最終到達地点の新解釈を示した。つまりマルクスは当初の「生産力至上主義」から「エコ社会主義」をへて「脱成長コミュニズム」に至ったというのである。 これまでは経済成長•資本主義、脱成長•資本主義の限界をみてきたが、今度は経済成長•コミュニズムの可能性を評価することとなる。左派加速主義である。「完全にオートメーション化された豪奢なコミュニズム」、いわゆる「エコ近代主義」のバスターニなどだ。が、これも著者は経済成長は環境危機を解決できないとバッサリ。また加速主義の改革におけるプロセスにおいて、ローカル(素朴政治)にならないための案としての選挙政治にも批判を向ける。いわく選挙政治は民主主義の領域を狭め、参加者の主体的意識を著しく毀損する、と。民衆からの社会運動、政治参加の肯定的な例としてフランスの「黄色いベスト運動」とその後の「気候市民議会」設立の過程を紹介する。 資本主義に骨の髄まで染まってしまう、包摂(マルクスの概念)により私たちは無力化されてはいけない。バスターニの理論は資本主義の包摂を乗り越えることができない。資本主義による、構想と実行が分離されて私たちには実行しか与えられない状況ー資本の専制ーに甘んじてはいけない。資本主義の希少性と欠乏を生む特徴を指摘•批判し、それに対抗する潤沢な社会としての脱成長コミュニズムを再度提唱する。 環境危機の唯一の対策はどこあるか。生産と労働にある、と断言する。具体的には5つである。 ①価値経済から使用価値経済への転換。大量生産•消費から脱却 ②労働時間の短縮、③画一的な分業の廃止。労働の創造性を回復し魅力的なものにする。労働時間以外のQOLの向上をはかる。 ④生産過程の民主化。社会的所有による生産手段のコモン化 ⑤エッセンシャル•ワークの重視。 そして世界各国のさまざまな例を出す。デトロイト、コペンハーゲンの「公共の果樹」、バロセロナの「フィアレス•シティ」、国際農民組織ヴィア•カンペシーナ、南アフリカ食料主権運動、サソール社への抗議活動でBLMなどほかの社会運動と連帯(息ができない!)… 自由、平等、公正で気候変動に真正面から向き合う社会と世界が今まで以上に求められており、それをできるのは脱成長とコモンの視点での社会主義である。 ••• 要約終わり。 本書を読んで共感をする私は今、 クーラーの効いた部屋にいて、自家用車のSUVに乗って外食どこ行こう、その後Netflixで何観よう、と自然と考えはじめている。 おわりに、で著者は読者ができそうなことを例示し、鼓舞してくれているが、それすらもハードルが高い。 読者もきっと資本主義に包摂され、専制されきってしまっている人達ばかりである。 まず半歩いや、0.01歩動くことが難しい。それを認識した上で何が出来るか真剣に考える必要がある。 とりあえずエッセンシャルワーカーの知り合いへの感謝を伝えることから始めよう。

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    投稿日: 2023.08.23
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    資本主義による際限ない生産と消費の帰結で地球が住めなくなるという非常にわかりやすい問題設定から、解決策として、脱成長コミュニズムの提案をしている。さすがベストセラーか、読みなすく、一つ一つの説明はわかりやすい。 ただ、全体として感じたことは、この脱成長コミュニズムの成否は、世界地域の多数において成熟した市民が必要で、ポピュリズムや極右の存在感が増す世界で、それがあり得るのかという気持ちになった。なお、全ての地域でなく多数で良いかは、国際社会でフリーライダー的な問題が封じ込められるかは、ロシアや中国などを見ていると難しいのではないかと感じざる得ない。地球環境問題とはいえ、具体に議論を進めると正義・善・真理などの価値観の衝突になろうかと思う。 また各社会においては、著者は全体の「たった」3.5%が声を上げれば、社会は変わりうるということから希望を示すが、逆に、ポピュリストが3.5%を越えれば、ゆり戻しもあるということで、不安定さは拭えないようにも思った。 ネガティブな感想ばかりになったが、著者の主張がなるほどと思うところがあるが故に、難しさを感じずにはいられなかったと思う。 やや諦めに近いが、この地球環境問題は、人間というハードウェア(&ソフトウェア)の限界なのかもしれないなと個人的には思う。著者が言うように問題解決にならない見込みが高いが、加速主義の小さな可能性が(全員は救えなくとも)人類の「種として」の「希望」ではないかなと個人的には思う。

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    投稿日: 2023.08.15
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    このレビューはネタバレを含みます。

    とてもよかったと思います。なんとなく評判良さそうというのだけ知ってて、取り沙汰されているのだけ知ってて、でもほぼ前情報なしで読み始めて。気候変動に警鐘を鳴らす本だったことに面食らいつつ(笑)、しかも、新たなマルキスト的本だったことに衝撃を受けた(笑)。(でも、よくよく考えて?見れば、「資本論」とあるので当然とも言えるが、ポスト資本主義、くらいの感覚でいた。) 資本主義全否定!というなかなかの衝撃本。 でも、なんで成長しなきゃいけないの?成長率とかどうでもよくない?とか、なんで一番を常に目指さなきゃいけないわけ?と思う日々も多かった自分には、それなりにしっくり来る部分もあったにはあった。 ちなみに、資本主義の構造として、効率化が常に目指されるがその余力を次の生産に回さなければ失業者が増えるだけ→資本主義の構造として成長が前提、という説明が、今までの疑問に一番の解をくれていて嬉しかったっす。 そんな訳で、総じて楽しく読んだ。こんな超経済哲学論的な話が、このレベル感で簡単に読めるのってとても有難いね!! でも惜しむらくは、この論をどう実現できるのかが、私の頭では全然イメージできなかったことかな。。もう少し、実施論にも踏み込んで欲しかった。理論的には理解できたけど。 最後の実践の事例紹介みたいなところは、結局、今の資本主義の一部改善、の域を出ない面も多分にあったような気がするのよね。

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    投稿日: 2023.08.15
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    マルクスの遺稿などから明らかになりつつある彼の晩年の思想が、現代文明が直面しているさまざまな問題についてどのような解決策を示しているのかということを論じた本です。 まず著者は、気候変動によってこれまでの資本主義は行きづまることにならざるをえないと語ります。とくに、経済成長を維持しながら持続可能性を追求するさまざまな試みは、いずれもうまくいかないという著者の見かたが示されています。 そのうえで著者は、マルクスが晩年に脱ヨーロッパ中心主義と脱生産中心主義へ向けてみずからの立場を変えていったことが述べられ、そうしたあたらしいマルクスの発想をヒントに、脱成長コミュニズムの可能性と、それを実現するための道筋が語られます。 気候変動による自然災害をはじめとするさまざまな問題が、資本主義によって生み出される経済的な格差と深く結びついており、そうした問題のつながりを見すえながら解決への道をさがし求めなければならないという著者の考えは説得的だと感じました。その一方で、未来のあるべき社会を実現する途上で、われわれが向きあわなければならないであろう、さまざまな問題についての検討はじゅうぶんにはなされていない印象もあります。 著者は、資本による「包摂」が豊かさよりもむしろ貧困をもたらしているのではないかと指摘し、あたらしいマルクス解釈のなかで注目されている「コモン」をとりあげて、ある種の社会的包摂による問題の解決を図ろうとしているようです。ただしそのためには、われわれの「自由」に対する考えかたを大きく変えることが必要であるように思われるのですが、それにともなう心理的な抵抗をどのように乗り越えることができるのかという点で、もうすこし踏み込んだ議論があってもよかったのではないかと感じました。

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    投稿日: 2023.07.04
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    元々、資本主義による格差社会に疑問を感じていたこともあり、難しい内容だがすんなり入ってきた。 これまで色々な専門家や、国家の単位で社会主義・共産主義が掲げられては崩れ落ちて来たけれど、 一方で経済成長を促してきた資本主義もいまでは格差という大きな問題に突き当たっている。 共産主義も失敗し、見た目上上手く回ってみえる資本主義も崩壊寸前。ではどうすれば良いのか、考えなければいけないこの時代で、一つの案を提案してくれた重要な経済学者の一人だと思う。 ただ、その理論には(これまでの共産主義がそうであったように)穴が沢山あるように見える。斉藤さんの脱成長を促進するという考えも一つの案として考えながら、より現実的で実現可能と思われる政策をこれからも国民一丸となって考える必要がある。個人的には、成田さんの提唱するデータ資本主義のほうがファンタジーすぎる案ではあるが、AI社会の中で実現可能性があるようにも思える。

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    投稿日: 2023.06.13
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    これまで中核諸国の大企業や超富裕層を中心に資本主義による経済成長が推し進められ、結果として周辺諸国の人的搾取や環境破壊が為されてきたが最早影響は発展途上国に留まらず、気候変動や自然災害の増加など先進国にも影響を及ぼし始めているという。 解決策として、経済の脱成長と、地球全体の環境を国境を越えた共通のものとして取り扱うことが重要とのこと。 個人的にできる取り組みとしては、SDGsを謳った商品でも購入する際はその製作過程での環境への影響をよく考えること、企業によるグリーンウォッシュに注意すること、かな。

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    投稿日: 2023.06.07
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    そぞろ書房さんで交換させていただいた本。 資本主義について初心者の私にはちと荷が重かったです。まだ読んでませんが、同じ斎藤さんの「ゼロからの『資本論』」を先に読んだ方がよいかもしれません。 ただ、環境危機であること、脱成長コミュニズムの必要性は理解できたと思います。これからの生活を考えていきたいと思います。

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    投稿日: 2023.05.31
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    最新のマルクス研究に基づき気候変動と資本主義の関係を分析したもの。地政学てきに地球は「人新世」をいう新たな時代にはいったという。

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    投稿日: 2023.05.24
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     現在の資本主義を続けてゆくと、限りある地球のエネルギーを使い果たして文明は立ち行かなくなる、はやりのSGDsを唱えているだけでは何の効果もない、ということを述べている。最初の方こそ問題点は理解しやすかったが、途中からは話はだんだんと何回になってゆく。この状態を乗り越えるためには、マルクス主義をもう一度よく見返してみることが大切だと、マルクスを深く解説してくれる。ただそこが非常に難解で、わかりにくかった。現在の資本主義を見直さない解けないということだけは何となくな分かった。

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    投稿日: 2023.05.20
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    日本企業で働くサラリーマンという立場から書評を書きます。これまでマルクス主義者が書いた本は何冊か読んだことがあったのですが、その中ではかなり読みやすく説得力もある本だとは感じました。ただ一貫して大きな違和感を持ち続ける本でもありました。まず本書の主題でもある「脱成長コミュニズム」という言葉。著者が言わんとしている「脱成長」とは、資本主義の否定だと言うことですが、はたして「成長」は資本主義の専売特許なのでしょうか。何の成長なのかがより大事なのではないでしょうか。著者が批判する成長とは資本の増殖(成長)であって、それはGDPなどの経済指標が18世紀から指数関数的に増加していることから見て取れます。そしてこれを追求するのはもうやめよ(つまり端的にはGDPの極大化、永遠の成長を目指すな)ということで、これはそうだろうなと思う一方、著者が本書で主張しているのは別のモノの成長を追求せよというメッセージではないでしょうか。それは「使用価値」の追求であり、連帯感、環境意識、コモンズが成長する社会を構築しようということでしょう。そうであれば、著者は「成長」という概念をマルクスで鍛え直そうと言うべきであって、「脱成長コミュニズム」という言葉は、申し訳ありませんが私には響きませんでした。つまり脱成長ではなく、「資本では無い別のモノ」を成長させようというふうに主張すべきなわけです。 2番目に違和感を持ち続けたのは、著者が描く企業観です。著者は一貫して株主がいる会社の存在を否定していますが、たとえば日本企業に目を向けると、そこまでひどい企業ばかりとは思えません。企業経営者の中には、本気で利潤獲得と社会正義の両立を目指して事業をしているところもあり、協同組合型ではない企業はすべてダメだと一刀両断する姿勢はあまりに幼稚でしょう。こういう企業経営者こそが大いなる矛盾に日々悩んでいるのです。もし著者が、企業で働いた経験があったり、NPOを立ちあげるなど何らかの「行動」を起こしているのであればまだ説得力はあるのですが、本書を通じて「それであなたは何か行動しているのですか?」という問いかけが常に頭に浮かびました。また本書には、銀行や保険、コンサルティングなど高給取りほど使用価値のない仕事(ブルシット・ジョブ)だから無くして大丈夫だという話も出てきますが、それなら経済学者のなかには害をもたらしている人もいるんだから(全員ではありませんよ)、そういう人々は使用価値がないどころか、マイナスだろう、とは思いました。つまり「この職業はブルシットだ」というような「イチかゼロか」論ではないのです。本書を通じて感じたのは、著者はイチゼロ論を進めるクセがあるようですが、それこそが危険思想なのです。大企業イコール悪、というような思考様式で、このような思考様式はある意味で思考停止状態を生み出してもいるからです。私は企業人ですからバイアスがかかってしまうのですが、利潤獲得という命題に従いながらも、気候変動や格差問題に本気で取り組む企業は(少なくとも日本には)存在していて、日々多くの矛盾に直面しながら苦闘している企業人がいる、ということは主張したいと思います。

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    投稿日: 2023.05.06
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    気候、マルクス、人新世 脱成長 SDGsは「大衆のアヘン」 電気自動車のリチウムイオン電池 Amazonの配送システム 環境や就労者への負担 ブルシット・ジョブ(クソどうでもいい仕事、BSJ) 完璧に無意味・不必要・有害な仕事 取り巻き(ドアマンや受付嬢、パーソナルアシスタント)・脅し屋(企業弁護士、広報専門家など)・尻ぬぐい・書類穴埋め人・タスクマスター 人間の精神を傷つける フィアレスシティ 恐れぬ自治体

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    投稿日: 2023.04.20