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ティファニーで朝食を(新潮文庫)
ティファニーで朝食を(新潮文庫)
トルーマン・カポーティ、村上春樹/新潮社
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総合評価

392件)
3.9
92
126
106
12
3
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    このレビューはネタバレを含みます。

    『でももしそうなっても、私はなおかつ自分のエゴをしっかり引き連れていたいわけ。いつの日か目覚めて、ティファニーで朝ごはんを食べるときにも、この自分のままでいたいの』 『私の言ってるのは、自らの則に従うみたいな正直さなわけ。(中略)不正直な心を持つくらいなら、癌を抱え込んだ方がまだましよ。だから信心深いかとか、そういうことじゃないんだ。もっと実際的なもの。癌はあなたを殺すかもしれないけれど、もう一方のやつはあなたを間違いなく殺すのよ』 ホリーの台詞には時々ハッとさせられたし、終盤の美しくも儚く閉じていく描写(作品自体の雰囲気?)には心惹かれるものがあった。 性に奔放な生き様や、彼女の自己に重きを置くが他者に対しては責任を持たないような(軽い)発言が常に気になってしまい、「僕」がホリーに「ぞっこん」になる理由が分からず終いだったのだが(仮に相当な美人だったのだとしても、それだけで「僕」はホリーと友達になるだろうか)。私が作品の時代背景や彼女の出自、状況等を正確に認識できていなかったせいだろうか。戦争を知らない時代に生まれ、安定した家庭で育ち、あらゆる豊かさに囲まれて過ごしてきた平和ボケした私の想像力ではそこのところの理解が及ばず(彼女の倫理観と自分の正義感が所々で噛み合わず)、うまく作品の世界に入り込めなかった。何というか、作品の「彩度」をうまく捉えられなかったとでも言うべきか......。しかしそれでも「いやったらしいアカ」に塗れた人生で、己の信条を曲げずに凛として生きられる場所を求め続けるホリーの内面的な魅力や、彼女の理想が簡単には叶わない現実の苦さはひしひしと伝わってきた。美しくて、哀しくて、本物の人生のような小説だと思った。 以降余談だが、恥ずかしながら海外文学を手に取るのが子どもの時以来だった(たぶんハリーポッターとか赤毛のアンとか、児童文学しか読んだことがない)ので、前半は読み進めるのにかなり時間を要してしまった。映画も見たことがない。聞き慣れない単語や地名を調べ、登場人物の名前を覚え、彼らの出自や性別や職業を理解するためだけにページを行ったり来たりする始末だった。いつかリベンジにカポーティの初期の作品や「冷血」に挑戦できたらと思う。

    0
    投稿日: 2025.11.05
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    村上春樹さん訳 訳者あとがきで、『ティファニーで朝食を』時代のトルーマン・カポーティについて書いてあります。 あまりにも映画が有名すぎて、そのイメージで読んでしまうと小説の方が違うのでは…と思ってしまう。 やっぱり先に小説を楽しんだあと、映像化がいいな

    0
    投稿日: 2025.10.28
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    このレビューはネタバレを含みます。

    2025年9月にニューヨークを訪れる機会があったので、せっかくだから読んだうちの一冊。誰もが一度は名前を聞いたことのある名作だと思うが、映画も見たことがなかったため、僕にとっては初めて触れる『ティファニーで朝食を』だった。 タイトルやニューヨークという都市のイメージから、もっと華やかな作品を想像していたが、実際はむしろその反対。憧れとその奥に潜む不安、憧れるがゆえに生まれる喪失感や無力感が、語り手とホリー双方からにじみ出ていた。 作中のキーワードである「いやったらしいアカ」は、そうした感情と常に同居するものであって、憧れを抱いて生きるということは、時にその「いやったらしいアカ」に染まりながらも、それでもどこかに自分のサンクチュアリー(避難所)を見つけてやり過ごしていくことなのだと思った。 物語の最後で猫が居場所を見つけた場面、「いやったらしいアカ」から逃れた姿として描かれているけれど、それが本当に良いことなのか?と、最近ではなかなか染まらなくなってしまった自分は考えるのでした。

    5
    投稿日: 2025.10.19
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    他人に迷惑をかけてはいけない精神のある日本人からすると、ホリーの自由奔放な生き方は心底羨ましいのではないかと思った 万引きは当たり前のように、警察に捕まったのに割と簡単に海外に逃げているし、なんだかゆるいところがあるけれど、それが日本との価値観の違いなのかと疑問には感じた 村上春樹の文体が大好きな身からすると、この作品が好きなのか、村上春樹が好きなのかは判断しかねたが、この後の行方は読者におまかせ系の終わり方は個人的に好みでないため、星4に もう一度読んでみたいし、映画も見てみたくなった

    7
    投稿日: 2025.10.07
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    ホリーが物語の中の彼女と寸分変わらず、生きて幸福を掴んで欲しいと願わずにいられない。 同時に変わらずにいられないだろうとも思ってしまう。

    0
    投稿日: 2025.09.14
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    オードリー・ヘップバーンの映画で先に見てしまっていたせいか、好きな小説家のカポーティの作品でもなかなか読む気にならなかった。 映画を観たのはもう何年も前で、原作がカポーティだと知ったのはずいぶん後だったのだけれども。 この作品では、私の好きな感じの静かな語り口はところどころに見受けられるけど、 自由奔放、天衣無縫な主人公(ヒロイン)のホリー・ゴライトリーの鮮烈な印象にすべてもっていかれる感じだ。 映画とはストーリーも異なっているし、ヒロインの印象もちょっと違う。 映画は映画で良かったと思うが、この小説のヒロインはもっと型にはまらない感じで 不思議な魅力がある。 「トラヴェリング(旅行中)」と記したカード(名刺)を郵便受けに入れてたりする。 (実際は旅行中じゃなくても!) 彼女はつかみどころがない。物語の最後でも、彼女はどこで何をしているか分からないままだ。 どこか現実離れしたような、彼女の生き方を続けているのか、 それとも自分の場所を今や見つけて、落ち着いた暮らしをしているのか。。

    0
    投稿日: 2025.09.14
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    ちなみに訳者は龍口直太郎であり、村上春樹ではなかった。 魅力的な女性を主人公としたタイプの作品。ファムファタールとでも言おうか。思っていたのとは違うお話。 面白いかと言われれば普通。

    1
    投稿日: 2025.09.01
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    このレビューはネタバレを含みます。

    何回読むねん、というくらい何回も読んでる本。 下記文章を読みたいがために何度も何度も読み返す。 「要するに『あなたが善きことをしているときにだけ、あなたに善きことが起こる』ってことなのよ。 いや善きことというより、むしろ正直なことって言うべきかな。規律をしっかり守りましょう、みたいな正直さのことじゃないのよ。 もしそれでとりあえず楽しい気持ちになれると思えば、私は墓だって暴くし、死者の目から二十五セント玉をむしったりもするわよ。 そうじゃなくて、私の言ってるのは、自らの則に従うみたいな正直さなわけ。卑怯者や、猫っかぶりや、精神的なペテン師や、商売女じゃなきゃ、それこそなんだってかまわないの。不正直な心を持つくらいなら、癌を抱え込んだ方がまだましよ。だから信心深いかとか、そういうことじゃないんだ。もっと実際的なもの。 癌はあなたを殺すかもしれないけど、もう一方のやつは間違いなくあなたを殺すのよ。」 自分が自分であるために、自分を生きるために、定期的に読み返すのかもしれない。

    0
    投稿日: 2025.08.30
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    初カポーティ。映画でも有名な表題作はまだ観ていません。どうやら原作と映画はまた違う雰囲気のようです。ヘップバーンが演じたホリー・ゴライトリーがどのような人物に仕上がっているかはわかりませんが、本書のホリーはとにかく天真爛漫。誰もが振り向く美貌さと誰にも縛られない奔放さに小説の枠を超えて人々は魅了されるのでしょう。そんな彼女はどこかへ旅立ち、残された人々は彼女の記憶や痕跡を寂しく思いつつもただ楽しむ。そんな余韻すら魅力的な小説でした。 他に収録されている「花盛りの家」「ダイヤモンドのギター」「クリスマスの思い出」も余韻が素敵な小説ばかり。心にすっと入ってくる良作でした。

    8
    投稿日: 2025.07.22
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    『ライ麦畑で捕まえて』とともに、ハルキストではない私が、なぜかタイトルだけ記憶に残っていた一冊。 これはいわゆる”まれ人小説”にカテゴライズされるのであろうか。登場人物の一人の人生が、おおよそ突飛のない軌跡をたどっており、”ほんと?”とツッコミながらも読み進めていく。 しかし人の文体は翻訳であっても抜けないものだということが分かった。途中何度か、トルーマン・カポーティ―を読んでいるのか、村上春樹を読んでいるのか、わからなくなることが何度もあったのだ。

    1
    投稿日: 2025.07.17
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    このレビューはネタバレを含みます。

    目の前を干渉できない嵐が通り過ぎたようだった。 ホリーは、その名前はホリーでなくても、どこかで彼女の求めるままに暮らしていたのではないかと思う。

    0
    投稿日: 2025.07.08
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    表題作『ティファニーで朝食を』と『クリスマスの思い出』の2つがとても好き。『ティファニー~』では何と言ってもホリーという女性のキャラクターが魅力的すぎる(見返りに皿に山盛りの馬糞をするような女性という表現がとても面白い)。刑事に連れて行かれるとき「猫にご飯をあげてね」っていうところも彼女の特徴を表してて好き。映画のほうが有名で、村上春樹はヘプバーンの印象が強すぎるからまずは原作である小説でホリーを感じてほしいと言っていた。なのでとりあえずは理想の読者にはなれたということで良しとしよう。

    15
    投稿日: 2025.06.30
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    海外文学は「そして誰もいなくなった」からの2冊目の読破。 普段読んでいるものに比べて読むのが難しかった気がする。 四つの短編からなるが、個人的に一番好きな作品は「クリスマスの思い出」だった。

    0
    投稿日: 2025.06.16
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    彼女の「野生のものを好きになっては駄目」というセリフに妙に納得してしまった。映画もちょっと気になる。

    1
    投稿日: 2025.06.08
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    2025年5月30日、グラビティの読書の星で紹介してる男性がいた。アンティークのデスクの上に置かれた本2冊の画像が投稿されてた。「ティファニーで朝食を」「コンスタンティノープルの陥落」の2冊。 「「私が作ったやつだから、好きなの持っていって」と、施設入所の際に頂いたお手製ステンドグラスの照明。「俺が会社に入った時に上司から受け継いだ机なんだ。もう何十年も使ってないから捨てるだけだよ」と、こちらも同様に頂いた約100年前のデスク。最近の家具もオシャレな物が多いですが、何とも言えない味を醸し出しています(^^) さぁ頑張って仕事しよ! #アラフォー #ケアマネ #インテリア #プレゼント #読書」

    0
    投稿日: 2025.05.30
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    I was expecting something more elegant, so I personally found the novel hard to read. It made me realize how challenging foreign literature can be.”

    0
    投稿日: 2025.05.28
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    映画は未視聴。とにかく魅力的なヒロインが描かれている。長い台詞を気持ちよく読ませてくれるのは技術?魅力的なクラスのマドンナが冴えない主人公のことをなぜか気に入ってお互い特別視してるみたいな作風の先駆けのような感じ。村上春樹が映画に苦言を呈していたので、映画も観てみよう。

    1
    投稿日: 2025.05.10
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    華やかなシンデレラストーリーを想像してたけど全く違ったな。 あと短編がとても好きだった!特に花盛りの家

    0
    投稿日: 2025.05.04
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    その人に抱いているイメージ通りに生きるのか、そうじゃないのかはわからない。 多分こんな感じなんだろうなと本質は多少理解できても現実にどうなるかは思いもよらない気がする。 幸せになれてるといいけどね。

    0
    投稿日: 2025.04.24
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    このレビューはネタバレを含みます。

     タイトル有名ですよね。  しかし、内容はどうも頭に入ってきませんでした。その程度の私の読解力に悲しむ。  レズビアンの話題も出てきますね。  他に『花盛りの家』『ダイアモンドのギター』『クリスマスの思い出』が収録されています。  私にとっては、カポーティは『ミリアム』の方が、ミステリーでおもしろかったなぁ。

    0
    投稿日: 2025.04.17
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    このレビューはネタバレを含みます。

    普通とはかけ離れた自由奔放さはホリーの魅力。でも全くの考えなしなわけではなくて、その普通とかけ離れた経験が今のホリーの確固たる意志の源となっている。とはいっても完全なる強い女性というわけでもなくて危うさもある。激しく生きてプツンと壊れてしまいそうな。そんなホリーと過ごしたときが主人公にはあったのに、もうどんなふうに生きているのか今は全く分からない。しみじみと感じさせられる儚さと美しさが魅力的な作品。

    1
    投稿日: 2025.03.27
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    #ティファニーで朝食を #読了 自分らしくいること、自由になることを追い求める気持ちよさ、潔さを感じた。 ただの健康のためのランニングだけじゃなく、ものごとをよりドラマチックにするために数ブロック走ってみたいわ。

    0
    投稿日: 2025.03.16
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    表題を含む四話を収録。如何にもアメリカ文学といった感じもするが、原文はスマートらしい。取り立てて内容に興味を持ったわけではなかったが、今回それでも買った理由は、プレミアムブックカバーだったから。色はもちろん、ティファニーブルー。 「ティファニーで朝食を」は映画すら見たことがないまま、読了。あれ、パンケーキ出てきたか?と思って解説(訳者の村上春樹)を読むと、やっぱり原作と映画はかなり違うとのこと。やっぱ映画は映画で見るべきなのね。 残念ながらこの手の作品に出てくる女(主人公が思いを寄せる相手としての女)に一切共感も同情もできないんだが、昭和以前の男性はこういう女の子が好きなのかね…一時期のケータイ小説みたいに主人公だったら辛い状況を乗り越えて!的な状況がまだわかるんだけれども。 というわけで四編の中では「クリスマスの思い出」が一番良かった。これが中国SFだったら、実は親友と主人公はアンドロイドで、周りがそれに気づかないうちにうまく出し抜いて…なんて展開もあるだろうが、残念ながら主人公が大人に近づくにつれ、寂しい展開になっていく運命なのだ。 そして途中でコダックのカメラが文中に出てきたときはいささか驚きました。

    0
    投稿日: 2025.01.31
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    映画よりもより青臭くてイノセンスでそれでいて哀愁深く読めたかも どっちも好き ただ一つ謝らなきゃいけないのは、これを読む時は常にヘンリーマンシーニの音楽をかけていたし、オードリーヘップバーンのイントネーションで「ダーリン」って頭で再生していたわ

    0
    投稿日: 2025.01.04
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    このレビューはネタバレを含みます。

    有名すぎてずっと敬遠していた本。僕は見栄っ張りな性格なので、手垢のついた名作をいまさら読むのが気恥ずかしい。そもそもティファニーは宝石屋だ。食事をする場所ではない。それならなぜ『ティファニーで朝食を』なのか。しかしその意味を教えてもらってから、どうしようもなく読みたくなってしまった。 ホリーはとびきりチャーミングな女の子だ。みんな彼女に魅せられてしまう。だから自然と男たちが集まってくる。しかし誰も彼女を理解できない。ある男は彼女をこう評した。「あんたは脳みそをぎゅうぎゅうにしぼり、彼女のためを思ってさんざん尽くしてやる。ところがその見返りに受け取るのは、皿に山盛りの馬糞だ」。その男は彼女をハリウッド女優として成功させるお膳立てをしてやった。なのにホリーはオーディションをすっぽかしてしまう。悪気など微塵も見せずに。 普通の人間ならそんなチャンスをふいにしたくはないだろう。でも彼女は自分が女優になれるとは思ってないのだ。彼女が罪悪感を感じるとしたら、その男にそうさせてしまったことに対してである。彼はこうも言う。彼女はまやかし(phony)だ。ただし、本物のまやかし(real phony)だ。つまりホリーは、自分が本物のダイヤよりも偽物のほうが美しいと思えば、迷うことなく偽物を選ぶ人間なのだ。 彼女は世間が自分に求めるものと、自分が本当になりたいものとの溝を埋められない。ホリーは主人公と同じアパートメントの住人だが、そこは彼女の居場所ではない。バート・バカラックの“A House is not a Home”という曲があるが、ホリーにHouseはあってもHomeはない。 そんな彼女にとって唯一の心の拠り所がティファニーなのだ。もちろん高級ジュエリーを買えるほど裕福ではない。ただティファニーは、自分がそこにいてもいいと感じられる場所なのである。彼女の表現を借りれば、「自分といろんなものごとがひとつになれる場所」だ。Homeは朝食を食べる場所である。彼女はティファニーのような場所で朝を迎える暮らしを夢見て、流浪の旅を続けている。 最初に書いた通りカポーティを読むのはこれが初めてだが、とても気の利いた文章を書くと思った。言葉選びが卓越していて、これ以上の言い回しは考えられない。それは村上春樹の翻訳だからそう感じるのではなく、村上春樹がカポーティから強く影響を受けていると見るべきだろう。 気が利いているのは文体だけではない。たとえば主人公がはじめてホリーの部屋に入ったとき、まるでいま引っ越してきたばかりといった有様だった。また別の日に寝室へ通されたときは、キャンプ生活でもしているみたいに、いつでもすぐに出ていけるような状態だった。そういう描写がある。これをホリーが見かけに反してズボラでだらしない性格だと解釈することもできようが、旅の途中のような彼女の人生の二重写しでもあるに違いない。名刺の住所が「旅行中」になっているのは、もっとわかりやすい表現である。要するに、文章がそう書かれているのにはちゃんと理由があって、作者は読者がそれに気づいてくれることを確信して書いている。そういう書き方なのだ。 したがって、作中にくり返し登場する印象的な言葉「いやったらしいアカ」(the mean reds)も、自然と多義的に解釈したくなる。最初にホリーがこの言葉を口にしたとき、主人公は「それはブルー(憂鬱)みたいなものなのかな?」と問いかけるが、ホリーはそれを否定する。結局主人公は「そういうのをアングスト(不安感)と呼ぶ人もいる」と説明した。けれどもホリーは、この言葉を自分が捨ててきた過去や、同時に自分の中にどうしようもなく残り続ける本質に対しても使っている。だから、この「いやったらしいアカ」は彼女が嫌悪する不正直、卑怯者、猫っかぶりといったものをも含んでいると思う。というか、meanは「卑劣な」という意味なので、the mean redsはmeanの方が主意で、赤という色を冠しているのは別な理由があるのだろう。作品が書かれた時代から、そこに共産主義を連想する人もいるようだ(マッカーシー旋風、赤狩り)。たしかにティファニーは共産主義の対極にあるとも言えるが、どうだろう。さすがに深読みのような気もする。だが、カポーティの文章が深読みを誘うことも確かである。 何を隠そう、僕が原文に何と書いてあるか知っているのは、実際に原典にあたって確かめたからにほかならないし、僕にそうさせてしまう何かがこの作品にはあったのだ。そしてこの本にはまだまだ気づいていない楽しみがたくさんあることは疑いなく、『ティファニー』をめぐる僕の旅はきっとこれからも終わることがないだろう。

    4
    投稿日: 2024.12.24
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    このレビューはネタバレを含みます。

    チョコレート色の石でできたアパートメント、コンクリートを打ち付ける雨の匂い、喧騒に溢れ誰もが自由なニューヨーク。それらがありありと文章から伝わってくる素晴らしい翻訳だ。 やはり村上春樹の文体は凄い。何が凄いのか言語化できないのがもどかしいのだが、生命力に溢れている文章というか、いい意味でとにかく表現が生々しい。 私は読書の感想によく「心地いい」という言葉を使うことがある。ふと気づいたのだが、「心地いい読み心地」と「読んでいて心地いい」はまったく違うことだと思う。無論、本作は後者であり、文章を目で追うことはこんなにも快楽なのだとしみじみ実感させてくれる読書体験だった。 表題作『ティファニーで朝食を』に登場するヒロインのホリー・ゴライトリーは、美しいだけでなく猫のように奔放で軽やか、それでいて穢らわしさを感じさせない不思議な女性だ。 彼女の魅力は余すことなく語られているのだが、とりわけ私が好きなのはギターを弾いている場面。飼っている雄猫と共にアパートメントの非常階段に腰掛け、髪を乾かしながらギターを弾く。髪が乾いても薄暮の中で歌い続けているホリーの姿はため息が漏れてしまうほどに美しい。 ホリーだけでなく、本作に登場する人物たちは誰も彼もがアメリカという国を体現しているようだ。たしかに不倫も万引きも少女妻も道徳的にはいけないことなのだろう。しかし、この物語の中でそれらはどうしようもなく輝いていて、だからこそホリーを含む人物たちはどこまでも自由に見えた。 おそらく本作を通して読者に訴えかけたいものは、自由と同じくらいの不自由や虚しさだろう。 自由の権化たる美女・ホリーだが、終盤で麻薬密売の容疑をかけられると同時に結婚予定だった男性・ホセに捨てられ、さらには彼との子供も流産してしまう。ニューヨークでこの先も同じような生活ができなくなることを察したホリーは、すべてを投げ捨てることを決意し空港から飛び立つ。 語り部である「僕」や雄猫との別れが切ないのもさることながら、ホリーがこれまでの人生で捨ててきたものの中に自分になくてはならないものがあったことを語る場面が印象的で、ここに本作の魅力がグッと詰まっていると私は思う。自由に縛り続けられた不自由な美女の闇を描く作品でありながら、ラストはとても清々しく、読後感はとても良かった。 ホリーには、いつか彼女にとってのティファニーのような心の安住地を見つけてほしいと心の底から願うばかりだ。 表題作のほかにも三編の短編が収録されているのだが、この中では『クリスマスの思い出』が好みだった。こちらは老婆と少年の物語なのだが、不自由の中で幸せを見出す姿はどこか御伽話のようで、心地よい切なさを残していく。 村上春樹氏のあとがきも、カポーティという文壇界の寵児の生涯を力説されていて、いつか違う翻訳版や他の作品も手に取ってみたくなるような素晴らしいものだった。

    41
    投稿日: 2024.12.16
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    2023年に新潮文庫から発売になった、プレミアムカバー版で読了。今日ある読書会の課題本です。なんとか読み終えた。中編の表題作のほかに、三遍の短編が収録されています。映画は未視聴ですが、オードリー・ペプパーンがカバーになった写真を何度も何度も見てきましたが、ついぞ読書中のイメージに彼女が重なることはなかったです。作者もヘプバーンという配役には乗り気でなかったとのことで、まあそうだよな、と納得。ほかにもいろいろ感想はありますが、読書会にとっておきます!

    75
    投稿日: 2024.12.15
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    どの話も語りすぎず余韻のある終わり方。 また映画化されているが、原作は映像化されたほんの一部でモチーフにすぎない。 映像化されると、原作が先か、映像が先かという話になるがどちらも両立するし前後もなく共存し合っているなと思った。

    2
    投稿日: 2024.11.04
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    このレビューはネタバレを含みます。

    表題作『ティファニーで朝食を』について ホリー・ゴライトリーは「ティファニーのような場所」を見つけることができたのだろうか。推測するに、彼女は、飼っていた猫が我が家を見つけて名前を与えられたのとは違う人生を送ってるのではないかと思う。だけど、それが破天荒な彼女の儚さであり美しさであるとも思う。

    10
    投稿日: 2024.10.31
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    私もきっと多くに漏れず 映画からこの本を知った1人です。 ホリーの生き様に 小さい頃から憧れ、 いつか完璧な王子様と出会えると おもっていました。 先日、親友と酒を飲みながら 「自分がずっと手に入れたかった〝完璧な恋愛〟なんて、きっと存在していない。完璧な人がいないなんてわかっていて、それでもあなたといたいなんてぼやいて、完璧な恋愛はどこにもないんだ。」 という考えに至りました。 なにかキラキラしている不確かなものを だれに求めていたんだろう。 なぜこの作品が好きかは説明できないし 正直上手くお薦めもできないです。 ただ、深くソファに沈んで、スウェットとコーヒーとすっぴんで読むのが大好きな聖書です。

    1
    投稿日: 2024.09.22
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    ティファニーの社長が、昔テーブルマナー本の宣伝のために書店の人たち向けに会議室を臨時食堂に変えてご馳走した、って後書きの話が1番わくわくしたな。オードリーヘップバーンはいなかったらしいけど。 「ある晴れた朝、目を覚まし、ティファニーで朝食を食べるようになってもあたし自身というものは失いたくないのね」 「ら女は口紅をさしてからでないと、こういう手紙は読まないことにしてんのよ」

    0
    投稿日: 2024.09.21
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    映画では有名だけど、まだ見たことはない。 ただ主役のオードリーだけは頭にある。 だからはじめは、顔がチラついて集中できなかった。でも読んでいくうちにそれもなくなり、自分なりのホリーが動きまわった。若く、可愛らしく、いきいきと、今を精一杯思うがままに! 「何年かあとに、何年も何年もあとに、あの船のどれかが私をここに連れ戻してくれるはずよ。私と、九人のブラジル人の子供たちをね。 どうしてかといえば、そう、子供達はこれを目にしなくてはならないからよ。この光と、この川を。私はニューヨークが大好きなの」 今でもたぶんホリーは、どこかの街で、動きまわっている。それは、ブラジルかもしれないし、ニューヨークかもしれない! 読んだあとなぜかわからないが爽やかな風が吹いているような気分になりました。

    31
    投稿日: 2024.09.18
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    ティファニーで朝食をという有名作品の文庫版ですが、私は洋書はあまり合わなかったかもしれません。 好きな方には申し訳ありません。批判をする気は一切なく、私には合わなかったということを知れたので備忘録として残しているだけです。

    0
    投稿日: 2024.09.07
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    「ライ麦畑でつかまえて」や「グレート・ギャツビー」に似てるなって思った。 ‘彼女な本物のまやかしだからね。彼女は自分の信じている紛い物を、心底信じているんだよ。あの子をそこから引きはがすことは、誰にもできやしない。’ あったかい毛布のような、純真無垢なイノセンスの世界があったら良いけれど、きっと世界のどこにもないんだろうな。表題含め、どの話も切なかった。 大人とは、裏切られた青年の姿である、まさしく。

    1
    投稿日: 2024.08.26
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    村上春樹氏訳の名作。カポーティの冷血は読んだことがあるがまた違った感じだった。 映画のイメージが強く自分は見たことはないが、村上春樹氏の解説では主人公のキャラクターは違うとのこと。確かに髪の色はブロンドと形容されており、オードリー・ヘップバーンの見た目とは違うことが分かる。 古典的な作品ということもあり、ストーリーはどこかで見たことある展開だった。それでも引き込まれるのは作品として残り続けている魅力なのだろう。

    0
    投稿日: 2024.08.22
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    3.7 カポーティは、無垢な魂と自由な生き方を表現した作家。映画とは、全く違った内容。イノセンスを喪失しないで生きていくこては、できない。だから、イノセンスな頃を忘れずに生きて行こうとしてしまうなかな。

    0
    投稿日: 2024.07.27
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    やっぱり小説は良いなあと思った。 作品自体の内容や心地いいリズム感もあるが、 読み終わったあとに煙草を吸いながらホリー・ゴライトリーのその後、人間性、雰囲気、容姿、仕草等々を考える。 その時間があるだけでこの本を読む価値があると思える。

    0
    投稿日: 2024.07.25
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    PREMIUM COVER2023できれいなティファニーカラーの装丁に惹かれて買った本。 「ティファニーで朝食を」は有名だし、オードリー・ヘップバーンが主演ってことはもちろん知っているけれど、映画は一度も観たことがない。なので全くどういう話なのかも知らないまま読んだ。訳者あとがきを読んで、確かに映画を観たことがない私でもホリー・ゴライトリーのことを考えるときにオードリー・ヘップバーンの顔を思い浮かべたので、映画の影響はすごいと思った。でも、私が思うホリー・ゴライトリーを作って想像しながら読んだので、映画を観る前に読めて幸運だったかもしれない。訳者あとがきにも「できることなら映画からなるべく離れたところで、この物語を読んで楽しんでいただきたい」と書いてあった。トルーマン・カポーティはオードリー・ヘップバーンが演じるホリー・ゴライトリーは気に入らなかったかもしれないけれど、映画はどういう感じになってるのか気になったので観てみようと思う。 「ティファニーで朝食を」以外に3つ短編が入っていた。私は1番「クリスマスの思い出」が面白く感じた。貧しいけれど2人(クイーニーも入れてプラス1匹)は幸せに仲良く暮らしていた。最後はあっけなくみんなバラバラになってしまい、楽しい夢から醒めたように切なく、悲しかった。

    8
    投稿日: 2024.07.19
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    読みだすと止まらなくさせる文章の天才。 私は花盛りの家とクリスマスの思い出も好きでした。どれもハッピーエンド、すっきりとした終わりではないものの、ため息を吐いて浸りたくなるようなラストでした。 ティファニーで~のホリーはとっても魅力的なキャラクターでした。当時の時代背景ももっと勉強したい。 訳者のあとがきを読むと原文で読んでみたくなる作品です。

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    投稿日: 2024.07.16
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    不朽の名作、傑作である。 さすがと言うべきか、村上春樹の訳も素晴らしい。 映画の『ティファニーで朝食を』とは切り離して読んでほしいと村上春樹は言うが、それはかなり難しい。どうしても、あの可憐なオードリー・ヘップバーンを思い浮かべてしまう。 とはいえ、原作をはじめて読んだが、映画とは少しストーリーが異なる。映画ほど綺麗事で片づいていない。厳しく、つらい現実の要素もだいぶ含まれている。 それでもやっぱり、ホリーの自由奔放、天真爛漫な性格、生き方は魅力的だ。 その前提として、ホリーの類まれな容姿の美しさがあるようには思うが…。 もしホリーの器量が人並み以下だったら、物語は成立しないだろう。ティファニー本店のショーウィンドウと釣り合うには、相応の美しさが必要だ。 表題の他に収録されていた、『花盛りの家』、『ダイアモンドのギター』、『クリスマスの思い出』も素晴らしかった。 トルーマン・カポーティの才能を感じる一冊である。

    3
    投稿日: 2024.06.23
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    表題作は映画化で有名だけれども、映画とは人物設定も時代背景もその他諸々も全く違う話。 映画もすごく良かったし、主演をオードリーに据えた時点でああいう風に変えざるを得なかったのはわかる。けど、訳者あとがきにあるように、原作もいいので原作通りの映画を私も見たいですぞ。 【ネタバレっぽい】 化粧室に行くたびにお小遣いをもらうというのは、トイレへ行った際に従業員にチップを渡す習慣が分かっていないと何のこっちゃだよね。タクシー代を多めに渡すようなもので、主人公はいわゆる「いただき女子」、もしくは「エンコー女子」。犯罪者にも関わってしまうところが、お尻が軽くていらっしゃるというか、倫理観がゆるい。 でも、倫理観や貞操観念など、色んなものが破茶滅茶そうなホリーが、たまに発する詩的だったり含蓄のありそうな言葉がハッとさせられるほどいい。 「そうね、それが普通かもしれない。でも私は、普通よりは自然でありたいんだ。」 「四十歳以下でダイアモンドを身につけるのって野暮。(中略)似合うのはきっちり年取った女の人だけ」 「私が明日どこに住んでいるかなんてわかりっこないでしょう。だから住所のかわりに旅行中って印刷させたの」 「野生のものを好きになっては駄目よ。(中略)野生の生き物にいったん心を注いだら、あなたは空を見上げて人生を送ることになる」 「女たるもの、口紅もつけずにその手の手紙を読むわけにはいかない」 表題作以外の短篇三作も、けっこう個性的で面白い。 「花盛りの家」。結婚について考えさせられるというと陳腐すぎるんだけれど、主人公が嫁いだ家がすごいの。両親ではなく婆さんがいるんだけど、この婆さんが怪しげで性格悪くて。それに張り合う主人公もすごい。 「ダイアモンドのギター」。これは男同士の友情がテーマと言っていいんだろうか。それだけではなく主人公の若さへの憧憬と諦念もよく描かれていると思う。少しビターなお話。 「クリスマスの思い出」。少しわかりにくいところもあるけれど、ノスタルジックな気持ちにさせてくれる。最後の一文が最高に泣かせる。 それから訳者あとがきのボリュームたるや! やはりビッグネームな先生が訳すと違いますね。カポーティ作品の解説になっていて、けっこう面白く読みましたよ。 ただ、正直にいうと、あまりスムーズに読み進められなかった。村上文体がそこまで得意ではないせいなのか、カポーティがそこまで好きでないせいなのかは不明なので、もう一冊くらい読んで確かめたい気持ち。

    0
    投稿日: 2024.06.07
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    このレビューはネタバレを含みます。

    映画を先に見てしまったけど小説版の結末のが好みだと思った こういう人間は思い出のままでいてくれるのが1番なのかも 『クリスマスの思い出』が1番好き ケーキ作りの描写がいい

    0
    投稿日: 2024.06.01
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    オチを期待しない 美しい文章を読む 村上春樹の後書きをよんで一つの物語になった感が半端ではない また読み直そう!

    0
    投稿日: 2024.05.21
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    何者にもとらわれず、自由に自分らしく生きていくことも大変だなぁと感じた。広すぎる空で1人で飛ぶことは空虚だという表現が印象的だった。オシャレなカフェでカプチーノでも飲みがら読むには最適な本だった。

    1
    投稿日: 2024.04.21
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    このレビューはネタバレを含みます。

    映画を初めて見て、違和感を感じてしまったので原作を読んでみたら、とても好みだった。そう!ホリーは永遠に手に入らないひと、掴めない自由さ! それを悲しく思ったり淋しく思ったり切なく思ったりするのも、きっと凝り固まってるの 人の幸せなんて決められないのに 自由ってわるいこと? なんだか、映画では「間違った考えを目覚めさせる物語」「ほらこれが愛だ、幸せだろう」ってのが押し付けられた感じがして。私の中のホリーが一瞬でホリーじゃなくなっちゃった。別の作品だと思って愛することにする 原作の中の「私」は「安住の地」に惹かれ、ホリーにもそういう場所ができるようにって願ってたけど、 自分はどうしてもホリー的立場に立ってしまうので何となく嫌だった。凝り固まってる。世間一般の考えっていうのかな おしつけてこないで ホリーは自由な旅人なの 儀式的に一生一緒にいる誰かを決めて、優しさと暖かさと変わらない日常に拘束されて、その地に永遠に立ち止まるなんてつまらないし絶対イヤ 言い方悪いけど、心の底から 私が幼いから? ホリーが捨てた猫は、最終的にその後他の人に拾われて、暖かそうな部屋で飼われてた ホリーとは対照的で、きっと彼女はこうなりたくないと思っているのではないかと感じる わたしもなりたくない 個人的に龍口さんの後書きも好きだった

    1
    投稿日: 2024.03.27
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    中々小難しく咀嚼しきれているとは言えない。 ホリーゴライトリーという自由奔放・天真爛漫なヒロインの華やかなる社交界とぱっとしない主人公との接触。

    0
    投稿日: 2024.03.13
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    翻訳本が難しいのか,村上春樹が難しいのか,,なかなか入り込めなかった。ホリー・ゴライトリーを演じたオードリーヘップバーンが想像できないな

    1
    投稿日: 2024.03.09
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    ホリーの純真無垢というか天真爛漫、自分に正直で真っ直ぐなところ、自由奔放さが素敵だと思いました。最後のネコの話で、「失くしてからしか大切なものだと気づかない」のだと痛感しました。 面白くて素敵な話だった。 読んでから、初めて映画を見たけどオードリーヘップバーンがほんとに素敵。ホリーにピッタリ。 原作とは少し違った話だったけど、原作読んだ後だからこそ楽しめた! ニューヨークに行きたくなりました

    5
    投稿日: 2024.02.13
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    無垢さとその喪失がジーンと残るお話たちだった 物事の見え方と表現の仕方も好きだった "レモン色の日だまり" -- 私が泣くのは大人になりすぎたからだよ 人がこれまで常に目にしてきたもの、それがまさに神様のお姿だったんだよ。 私はね、今日という日を目に焼き付けたまま、今ここでぽっくりと死んでしまってもかまわないよ

    0
    投稿日: 2024.01.28
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    村上春樹の流れるような文章とトルーマン・カポーティのマッチングが素晴らしい。 クリスマスの思い出入ってたの知らなかった。

    0
    投稿日: 2024.01.11
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    このレビューはネタバレを含みます。

    時代が違うからなんか、翻訳されたものやからなんか、頭にずっと入りやすい文章ではなかったけどどのお話からも美しい景色と、失うとか諦めるとかのちょっとした悲しい気持ちを感じた でもやっぱ翻訳本はむずいなあ

    0
    投稿日: 2024.01.04
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    ティファニーで朝食を 題名に惹きつけられ読んでみた。1938年くらいのニューヨークが舞台で売れない小説家の主人公と綺麗な容貌で男を魅了する駆け出し女優のホーリーが主な登場人物で話が進む。全体として何が言いたいのかはよくわからなかったが読みやすくはあった。ホーリーがマフィアの連絡係として捕まったとき結婚する予定だったホセが彼女を助けずすぐ逃げ出しそれに憤慨するホーリー、主人公とホーリーが乗馬をして主人公の馬が暴走するのをホーリーが助ける場面が印象的。 花盛りの家 人気のあった娼婦のオティリーがロワイヤルという若者と恋に落ちた話。田舎に住むことになったオティリーはロワイヤルの祖母であるボナパルトから嫌がらせをされたり、ロワイヤルが木に縛ったりしてもロワイヤルのことが好きで許してしまう。木に縛られたオティリーは娼婦時代の同僚に助けられ元の街に戻るよう言われるも残ることを選択した。恋ってここまで盲目なのか。 クリスマスの思い出 いとこ同士である少年とおばあさんの話。二人は毎年クリスマスの時期になると知り合いに向けてケーキを作ったり、お互いにプレゼントを作ったりする仲。年は離れていてもお互い気心知れた友人で最後のシーンでおばあさんが死んだのち少年が凧を探すのはグッときた。老いた犬の存在もよかった。

    1
    投稿日: 2023.12.25
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    本当は表紙がオレンジのものを読みました。 見つからず、こちらで登録。 まず久しぶりに、ヘップバーンの映画を見て いいなぁ ってなって、本を手に取りました。 国や時代が違うお話って、少しずつ習慣とかが違って、私は没頭しにくい。 題名のものは、それを感じながらでも楽しめたのですが、後半の短編集は、嬉しい誤算で めちゃめちゃ一気読みでした。 想像力を掻き立てられる感じで、ドキドキでした。 村上春樹の後書き?も興味深くて、読後感は最高でした。

    3
    投稿日: 2023.12.13
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    ちょっと前に読んで、ブッククラブの7番目の男に献上してからしばらく経って再読の1冊。 表題作しか読んでなくて、あとに続く短編がこんなにすごいなんて聞いてない。 ティファニーはもうオードリーヘップバーンの映画のイメージが先行しちゃってるけど、主人公のホリー・ゴライトリーはもっとめちゃくちゃな女で自由奔放であけすけで揺るぎない行動規範を持ってるキャラクター。ニューヨーク、ライ麦畑でとご近所の舞台(マディソンアベニューとかレキシントンあたり)の社交界のなんやかやを売れない作家が描写してる構成がとにかくおしゃれ。初めて主人公の作品が掲載されたお祝いに飲むマンハッタン私も飲んでみたい。 最後麻薬仲介に関与してた罪で連行されるホリーが「猫に餌をあげてね!」って叫んだシーンが大好き。 でももうとにかくとてつもなく良かったのはホリーの兄フレッドが戦死したニュースを聞いて、ホリーが伏せった時の医者と主人公の会話。↓ ------ 「彼女の病気はただの悲しみなのですか?」 「悲しみがただの病なのですか?」 ------ 続く短編集は作家が変わったんじゃないかってくらい作風もシーンのトーンも違ってトルーマン天才やん...ってなった。 ティファニーみたいなニューヨークの話を描いたと思ったら黒人コミュニティが舞台になった話も描けちゃう。『花盛りの家』は恋の盲目性を描いてるって読みはまだ浅い気がする。 最高だった一文↓ ------ 恋をしたときってどんな気持ちになるわけ?と彼女は尋ねた。ああ、それはね、とロシータは目をうっとりさせて言った。まるで心臓に胡椒をふりかけられたような気持ちになるんだよ。 ------ 心臓に胡椒をふりかけられたようなって比喩がすごすぎて一回ページ閉じた。天才。 トニ・モリスンの「青い目が欲しい」を連想するような決して裕福とは世界から見た心情表現と日常描写がたまらんかった。 最後に収録されてた『クリスマスの思い出』は何で初読の時読まなかったんだろうって後悔するくらいの最高の短編。何度も読み返したくなるって言うよりは、読み終えると結構しんどいから次の日休みじゃないと仕事できなくなりそうなタイプの話。 61歳のおばあさん(年寄り老けてる感じがするのでおばあさん)と7歳の子供(少年というには幼すぎる感じはする)の2人の親友が毎年お金を貯めて11月末にフルーツケーキを作る。仲良い人に配るんじゃなくて「ルーズベルト大統領はクリスマスに私たちのケーキをテーブルに並べてくれるかしら」って思いながら作るのが、純粋混じり気ないピュアさでやられる。でも子供は成長するし、おばあさんは老いておく。お願いだからずっと2人が毎年11月末にフルーツケーキを作り続けられる世界があることを心底願っちゃう。 いい読書した〜!

    4
    投稿日: 2023.12.10
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    このレビューはネタバレを含みます。

    プレミアムカバーで、ティファニー色のカバーに変更されていたのがあまりにも可愛くてつい購入。 映画は以前にテレビでやっているのを断片的に見た程度だけど、小説はオードリーヘップバーンのイメージとは異なるので驚いた。どちらかと言うと、マリリンモンローのイメージ。 「ティファニーに入ると落ち着く。」 最初読んだ時はピンと来なかったけど、 ティファニーは資本主義、アメリカの象徴。 自分が自由でいられるからかな。 あの時代の雰囲気が分かっていないと、 うまく読み取れないけど、 あの時代には今より女性の自由への渇望があって、 もっと自由に生きて良いんだと思わせてくれるのがティファニーだったのかな。 最後まで自由に生きたホリーは幸せなのか。 少し苦しそうな気もした。

    3
    投稿日: 2023.11.26
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    名作と名高いので読んでみました。村上春樹が翻訳していたせいか、すごく村上春樹っぽい小説になっていて笑った。主人公のホリーゴライトリーの人生や性格は面白かった。序盤、またこういう女性に惹かれるバカな男の話か面白くないなーと思ったけど後半からはそうでもなくて、自由に自分の生きたいように生きる強い女性の話だった。ホリーが幸せだったのかは謎だが、誰にも縛られない生き方は尊敬する。そういう女に憧れてしまう男の気持ちもちょっとわかった。

    0
    投稿日: 2023.11.21
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    このお話が出版されたのが1950年代、村上春樹さんは高校生の頃に英語で読んだとの事だったから、1970年代くらいでしょう。 当時と2023年現在では、ホリー・ゴライトリーが特別に魅力的かどうかの判断はかなり変わるのではないだろうか。 現代では、彼女のような人間は少なくないと私には思える。 性的開放性や万引きやなんかの具体的なところは違うとしても、イノセンスと感じられる部分については、そんなに珍しいものではなくなっていると思う。 最近のジェンダー的な観点も、素直に読むのを邪魔してしまう気がする。 「ちょっとした古典」ということを念頭に置いて、村上春樹さんが溜息をつくほどの上手な文章を楽しむべきなのかもしれません。

    1
    投稿日: 2023.11.05
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    映画があまりにも有名な表題作の中編1つに加え、 短編3つからなる作品。 あとがきで、訳者の村上春樹氏が述べられているとおり、「ちょっとした古典」という表現がしっくりくる。どの話も、少々儚さがある終わり方をする。 性格に難ありで天真爛漫なホリーゴライトリーのような美女が近くにいたら、惹かれてしまう男子は、現代でも変わらず少なくないのではと思いました。

    1
    投稿日: 2023.10.31
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    オードリー・ヘプバーンの映画で有名な「ティファニーで朝食を」だけれども解説で村上春樹が述べているように舞台設定は類似しているけれど、別もの。読んでいてホリーのイメージはオードリーとは全く異なるし、主人公も異なる。むしろこの小説からよくあの映画になったなと思う。ティファニーもそうだけれど、この短編集はインセンスがテーマと言ってもよく少年少女の心を残して無垢なんだけれど、現実のなかで齟齬が生じてもがいているという感じ。そしてそれは徐々に失われていく。 必ずしも楽しめたかというとそうでもないけど、いい小説であることは間違いない。

    0
    投稿日: 2023.10.21
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    オードリー・ヘップバーンがホリー役を演じる映画の方は観たことがなかったが、確かに彼女は小説版のホリーのような汚さやふしだらさ、危うさが感じられる人ではない。もしいつか映画をリメイクする際はホリー役をマーゴット・ロビーに演じて欲しいと思うのは私だけでしょうか(マーゴット・ロビー好きの一意見)。 この話は映画版『ティファニーで朝食を』でイメージされるような綺麗なストーリーではない。が、確かに名作であったと思う。イギリス文学とはなんとなく異なり、主人公やホリー、ジョー・ベルなど、様々な登場人物のその時々の感情が読み取りやすいものだったように感じる。 ホリー・ゴライトリーというこんなにも危うく愛らしい女性が身の回りにいたとしたら、誰しも叶わぬ恋をしてしまうだろうと思う。女の私でさえレズに目覚めてしまいそうなので。

    5
    投稿日: 2023.10.10
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    昔観た映画のヘプバーンの印象が強いけど、それはさておき自由奔放なホリーが魅力的。性的なやらしさを全く感じないのは何故か。 表題含む4篇がおさめられている。どれも軽やかでテンポの良いストーリーだが、少し哀愁が漂う。カポーティの他作品を読んでみたい。

    0
    投稿日: 2023.10.08
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    オードリー・ヘプバーンの映画は観たことがなかったが、主演のイメージから可愛らしいラブストーリーを期待していた。しかし読み始めると、生きることに必死な当時の女性の生活を赤裸々に描かれており、イメージとのギャップにとても衝撃を受けた。主人公の女性に共感は出来ないが、このような生き方しかできない人たちは時代が変わった今でもいるのだろう。

    1
    投稿日: 2023.09.27
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    やぁっと読めた。 近くにいたら関わり合いになりたくないタイプのイケすかないオンナ。こういうのが好きね、オトコは。 だけど、小説になれば魅力が光る。 弱音を見せない彼女が心をさらけ出せる人にいつか出会えますように。 再読9/20/23 短編も面白かった。 『ダイアモンドのギター』は『ショーシャンクの空』を彷彿とさせられた。 また読もうと思う。

    0
    投稿日: 2023.09.24
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    このレビューはネタバレを含みます。

    読んだあと、なぜか幸福感に包まれた。ハッピーエンドとは言い難いのになぜだろと考えても分からなかったが、解説を読んで得心した。おそらく自分も、ホリー・ゴライトリーの持つイノセンスに惹かれていったのだと思う。彼女の近況が明らかにならない残念な気持ちよりも、思い出の中の自由奔放な彼女を失わずに済んだ安堵感が上回り、猫を見つけるという彼女との最後の約束を果たせたという達成感を感じ、そして安住の地を見つけた猫に彼女を仮託することで安心したいのだと思う。それほどに自分の気持ちを主人公に重ね合わせ、作中のホリー・ゴライトリーに魅力を感じることができた。

    1
    投稿日: 2023.09.22
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    このレビューはネタバレを含みます。

    あまり外国の本を読むのが得意でない私でも読み切れた。 表題作の「ティファニーで朝食を」に加え、3つの短いお話が収録された本。 1番印象に残ったのは表題作の「ティファニーで朝食を」。 一昔前の外国って感じが溢れてて、新鮮な気持ちになった。 セリフ部分が特に、日本以外の国特有の言葉遣いで、翻訳した村上春樹もさすがだな、と思った。 ただやはり横文字が多く、人の名前を覚えるのに少し苦労した。

    2
    投稿日: 2023.09.15
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    イオンで夕食を。 (ただの買い出し。) 米国版『人間失格』 もしくは米国版又吉直樹。 っぽいと思いました。 先に出てるのこっちだろうけど。 何処へ行っても、どこででも逞しく生きていけると思います。 ホリーにしてもティコにしても逃げるの鮮やかだよなー笑

    7
    投稿日: 2023.09.03
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    言わずと知れた名作である表題中編をはじめ、カポーティの描くまばゆいイノセンスがふんだんに詰まった4編の中短編集。 表題作については、私の狭い読書経験ではあるが、世界屈指の恋愛小説であり、世界一の失恋小説だと思っている。 その他の小説も珠玉であるが、その中でも特に「クリスマスの思い出」はカポーティの良心を煮詰めて固めてピカピカに磨き上げた、涙がこみ上げてくるくらい無垢な作品である。 カポーティの持つゴシック様式の文体は村上春樹と大変相性が良く、徹頭徹尾、どのページを開いてもきらきらと輝くような文章が並んでいる。 疲れたときに何度でも読みたい。誰にでもおすすめできる名作。

    1
    投稿日: 2023.08.31
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    あらすじ 第二次大戦下のニューヨークで、居並ぶセレブの求愛をさらりとかわし、社交界を自在に泳ぐ新人女優ホリー・ゴライトリー。気まぐれで可憐、そして天真爛漫な階下の住人に近づきたい、駆け出し小説家の僕の部屋の呼び鈴を、夜更けに鳴らしたのは他ならぬホリーだった……。 表題作ほか、端正な文体と魅力あふれる人物造形で著者の名声を不動のものにした作品集を、清新な新訳でおくる。─Amazon作品紹介より 感想 もともと海外作品を読むのが得意ではないせいか、イマイチ物語の中に入ってはいけませんでしたが、その中でもこうして読了できたのは、村上春樹の訳のおかげだと思います。 「ホリー・ゴライトリー」という、とんでもない女性に恋をしてしまった「僕」。 相手がどんなに得がたい存在でも、愛してしまうところに人間臭さを感じます。 はて、今ごろホリーは何をしていることやら

    0
    投稿日: 2023.08.25
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    うだつが上がらない作家志望の僕目線だから、ホリーがとびきりキュートに映るのだろう。撫でてたら爪を立てて足軽に逃げてしまう猫のようだ。傷つきながらもこんなに自分の思うままにできるだろうか。どの肩書きにも枠組みにも染まらないホリーであるとことは、あと2ヶ月で19歳になる彼女がもつ、ひとときの瑞々しさがもたらすものであり、いずれ変化するものなのだろう。いずれにせよ、ホリーに愛された猫のように、どこかであたたかく幸せに暮らしていて欲しい。カポーティは素晴らしい作家なのだろうけど、村上春樹訳を読める私は幸運だ。

    0
    投稿日: 2023.08.19
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    「ティファニーで朝食を」より 短編3本の方が良かった 狂言まわしの作家が 脳内では 村上春樹氏になってしまった アメリカのある時代の 風俗風景を たくみに描写した作品 新潮文庫の100冊2023

    2
    投稿日: 2023.08.15
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    表題作、映画とはまったく違って驚いた。『クリスマスの思い出』は、ツリーの飾りを準備している場面が好き。

    0
    投稿日: 2023.08.12
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    4.8 表題の『ティファニー』はポールオースター『偶然の音楽』を読んだ時以来の感動があった ストーリーはもちろん上手くまとまった都会的で洗練された素晴らしいものだし、なんと言っても文体が、その言語感覚がちょっと普通じゃ考えられないくらい優れている 僕の冷静であって内に籠った情熱みたいなものに不思議と共感できて、ホリーゴライトリーの愛嬌はやはりしっくりと腑に落ちる いつか原文を読みたいし、翻訳も一年に一度の頻度で何度でも読みたい 他の『花盛りの家』『ダイヤモンドのギター』『クリスマスの思い出』も、カポーティの荒さや不安定さ、それでいてまとまりが良くて心地がいい終末観が存分に發されていて素晴らしい一冊だった!

    0
    投稿日: 2023.08.11
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    ホーリーは、酷い女。 だって猫を捨てるのだもの。 でも、最後は猫が幸せそうでよかった。 つまり、これは猫の話。

    0
    投稿日: 2023.08.09
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    このレビューはネタバレを含みます。

    ホリーの奔放さに振り回されっぱなしにされ、最終的には行方知れず。どこまでも自由。数多の男を右から左に流しながら生きる逞しさはピカイチ。 わたしとしてはこれだけ大変な人生だし将来的には幸せになっていてほしい。 短編は本人達が幸せならいいのかな、というようなお話など全体的にみんな生き方が逞しいです。

    1
    投稿日: 2023.08.05
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    「ティファニーで朝食を」映画を観てなかったから小説を先に読んでよかった。ホリーという複雑なキャラをほぼ会話だけでここまで描けたのは、やはりカポーティという天才しか出来ないことだと強く感じた。読んでるうちにマリリン・モンローが浮かんできて、映画もモンローが演じたらよかったと思った。凄い作品なので強くお勧めします。

    1
    投稿日: 2023.07.02
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    映画しか観ていなかったら、ヒロインがオードリー・ヘップバーンで想像するようなものとは全く異なるので、最初はびっくりするかと思います。原作は自由でありつづけようとする人間を描こうとし、映画は原作の持つおとぎ話的な面を美しく映像化したものではないかと思います。どちらも古典となるくらいに大成功しているわけで、やはり原作の持つ力がすごいのでしょう。あと翻訳者である村上春樹氏の解説が素晴らしいです、トルーマン・カポーティの人物像、原作の解説など、氏のカポーティ愛がよく伝わるとともに、作品の理解を大いに深めてくれます。

    3
    投稿日: 2023.07.01
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    このレビューはネタバレを含みます。

    遅まきながら初めて読んだ。 ホリーは村上春樹作品に出てくる奔放でキラキラ輝く女性キャラクター(達)となんだか似ていたような気がする。(本作が村上春樹訳であることも関係している?) 個人的にはダイアモンドのギターが好きだった。先日に刑務所のリタヘイワースを読んだばかりでなんだか勝手に期待してしまったのだが、本作ではそううまくいかず、現実を感じた。 あとがきに書いてあったが、イノセンスの儚さ、切なさが胸に迫る感じ。 アメリカ文学、もう少し勉強してみたい。 次は冷血を読みたい。

    0
    投稿日: 2023.06.29
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    自由奔放な社交界の女性、ホリー。主人公の元に夜明けに訪れるシーンがとても印象的です。映画の印象とはかなり違っていて驚いた。トータルな印象は若干読みにくく面倒な本といったところ。 他の短編でのお気に入りはクリスマスの思い出で、素朴なクリスマスの思い出は作者の実話なのではとおもわれる。

    3
    投稿日: 2023.06.25
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    2023年6月24日読了。NYの社交界を優雅に生きるホリーと間近で見守る作家の「わたし」との関係を描く表題作など4編の中短編集。表題作は「エキセントリックに振る舞うホリー」というフックがあり舞台設定など含めて印象に残る小説ではあるが、そういった飛び道具のない「クリスマスの思い出」などの他の、どちらかというと地味な短編において、語られない登場人物たちの思い・懐かしいような切ないような感情に感じ入るものが多かった。

    1
    投稿日: 2023.06.24
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    このレビューはネタバレを含みます。

    【印象に残った一文】 「そうね、それが普通かもしれない。でも私としては普通より自然になりたいんだ」(p.81, 『ティファニーで朝食を』)

    0
    投稿日: 2023.06.24
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    このレビューはネタバレを含みます。

    4つくらいの話が入っている短編集。 とはいえ「ティファニーで朝食を」は、全体の半分以上を占める長さだが。 タイトルから、優雅な生活をしている人たちの話しかと思ったが、実際は全く違った。 優雅な生活、高級なものの代名詞として「ティファニー」が挙げられているだけで、主人公たちはおしゃれな生活をしているわけではなかった。

    0
    投稿日: 2023.06.15
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    私はハルキストではないが、この本の翻訳は、翻訳の域を超えた超一流の仕事だと思う。 かっこいいし、読んでいると鮮やかに情景が浮かぶ。それぞれ短い作品でありながら心にくるものがあった。

    2
    投稿日: 2023.05.15
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    収録されているすべての作品の出だし最初の一文がスタイリッシュでカッコいい。 最初の一文にすべての神経を注いでいるかのように ティファニーで朝食をは映画は見ていないので、どんな風な映画になっているのか見てみたいと

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    投稿日: 2023.05.14
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    小説版はオードリーヘップバーンと印象が離れていたがこれが原作なんだなあという気持ちで読む 若いのに頭の回転が早く快活なホリーに少し憧れる しかし映画版の方がやっぱり好き 短編の娼婦が街を抜け出して嫌な姑がいるところに嫁ぐ話は割と面白かった 愛が人を変えたのか洗脳なのか

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    投稿日: 2023.02.19
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    今さらな感じで手にとらずにきましたが、読んだら素敵な小説でした。 映画の印象が強いですが、やはりホリーは原作のほうが魅力的。純粋で、危うくて、大胆で、時に少女のようなホリーは20歳という設定の通りだと思いました。 映画のオードリーヘプバーンでは20歳代後半に見えますし、ホリーの純粋さを彼女の可憐さで魅せようとしていて ちょっぴり印象が異なります。 それにつけても冷血を書いたトルーマンカポーティとは思えない。

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    投稿日: 2023.02.10
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    題名は知っていたけど読んでいなかった本。 ホリーの自由奔放で掴めないようなその存在にいいな~という憧れを持ちつつ どこか儚げで切ない存在に何か悲しくなり 主人公僕との微妙な関係性に少しどきどきしながら読んだ。 ホリーの最後はわからず読者の想像に委ねられる形だが どうなったのだろうと想像を楽しむことにする。

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    投稿日: 2023.01.02
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    このレビューはネタバレを含みます。

    クリスマスの話ということでオススメしてもらった「クリスマスの思い出」を読もうと思い手に取った。 「ティファニーで朝食を」も読んだことがなかったのでよい機会だと思い。 この中では「クリスマスの思い出」が一番よかった。 なぜこの2人はこんなに虐げられているのか、という謎はあったが、ストーリーは全然違うものの、これはある意味「賢者の贈り物」の話だなぁと思った。なけなしのお金を使ってフルーツケーキを作って、贈る。お互いにたこを作って二人で上げる。そして、ラスト1ページは、とても胸に迫ってきた。 「ティファニーで朝食を」は、はじめ展開がよくわからず、これはどんな話なんだろう?と戸惑いながら読んでいたが、ホリーに振り回される主人公がだんだん面白くなってきて、ちょっと東京ラブストーリーを思い出したりしながら読んだ。大昔、映画を觀て、確か、ホリーの職業は…と思いながら読んでいたがよくわからず、ぼかしているのかなとも思ったが、解説を読む限りでは、映画とは結構設定や展開が違うらしい。じゃあホリーはどういう風に生活してるのだろう?また、これもあとがきにも書いてあったが、やはりオードリーヘップバーンの顔がはじめから最後まで浮かんでいた。 タイトルが最高だと思う。そこを切り取るんだ! 直訳だろうけど、邦題もいい。

    0
    投稿日: 2022.12.22
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    有名なのは知っているけど、未だに本作の映画を見たことがない 思い切って原作を読んでみた 文体は村上春樹 主人公の奔放さがすごく伝わるけど、なんでこんなに自由??時代なのかなぁ〜と、まだ良さを分かっていない… また月日が経って再読したい

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    投稿日: 2022.11.01
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    美しく悲しく、読んだ後余韻に浸りたくなる物語で、大好きです。 『ティファニーで朝食を』 ホリーは天真爛漫で、一緒にいたら振り回されるのに放っておけない魅力があり、多くの人から好かれていました。 同じマンションに住む僕も、そんなホリーと偶然話すことができ、一緒にあちこちに行っていろんなことをして、恋をします。僕は、ホリーと僕は、気持ちが深いところで通じ合い、理解し合えるようになったと感じていました。冴えない小説家の僕にとって、ホリーはとても魅力的な女性だったと思います。 しかし、ホリーは掴みどころがなく、本当はどう思っていたのか、理解しきれませんでした。彼女はきっと、自由にしているように見られるかもしれないけれど、彼女自身の力で強く生きていくしかないのだろうし、そこが周りからは魅力的に思われ、好かれるところなのだと思いました。世界のどこでも、きっと上手くやっていると思います。 『花盛りの家』 山地の農民一家に育てられたオティリーは、山奥を離れ街に出た後、一帯でも評判の娼婦となります。街で誰よりも幸福な娘であるはずのオティリーは、闘鶏大会を見に行った先で山育ちの男ロワイヤルと出会い、恋をして、大会の二日後には山地にあるロワイヤルの家へと向かいました。 ロワイヤルの行動は傍から見るとモラハラに感じ、私も親友だったらオティリーを連れ戻したくもなりますが、恋を信じたオティリーはとても幸福そうでした。 『ダイアモンドのギター』 林の中にある刑務施設で労務に服しているミスタ・シェーファーは、キューバから来たティコ・フェオと恋人のような関係になります。ティコ・フェオは脱獄する話を持ち掛けますが、彼にはミスタ・シェーファーと運命を共にするつもりはなく、ミスタ・シェーファーの孤独が強く感じられ、切なくなります。 『クリスマスの思い出』 遠縁のいとこである七歳の僕と六十を越している彼女のクリスマスの思い出です。フルーツケーキを焼いたり、ツリーを切りに行ったり、プレゼントとして手作りの凧を交換したり、心温まる思い出です。子どもの頃、こんな思い出があったら素敵だと思いました。

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    投稿日: 2022.10.08
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    このレビューはネタバレを含みます。

    ネタバレで隠したのではなくて、ギブアップで隠してます。 第二次世界大戦下のニューヨーク。新人女優ホリーは、社交界でセレブや軍人らをその魅力で惑わし、生活の糧とし、自由気まま、よく言えば天真爛漫。 彼女が語る、過去から未来。現実味がない、掴みどころがない。その浮遊感が彼女の魅力なのだろうと思うけれど。 皆さんのレビューや、村上春樹さんの後書を読んで、なるほどって、そう読むのか。 ギブアップ。文章を楽しめませんでした。読んでて、何について書いているのかわからなくなってしまって。翻訳は、柔らかい言葉を使って、新潮文庫曰く、清新な新訳。訳に酔ってしまったかも。 オードリーは思い浮かばないかな。 「痴人の愛」のナオミは思い浮かぶ。 ナオミは帰ってきたけど、ホリーは、浮遊を続けてる。 再読する元気がでないのです。

    37
    投稿日: 2022.09.09
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    このレビューはネタバレを含みます。

    2022/09/03〜9/9 【感想】 ・ティファニーで朝食を すごく読みやすかった ホリーは本当に魅力的(身近にいたらさておき) 芯のある考えを持っていたり、行動力がすごかったり、周りを悪気なく振り回す奔放さだったり、その中にあるまだまだ幼い面や孤独を感じる様子、、、絶妙なバランスだなあ、、、 そこそこの期間口をきかなかった友人に、明日にでも仲直りしよう、というようなこと言えちゃうのすごい笑 好みのホリーの発言がとても多かった ホリーが結局「僕」への連絡を結局しなかったのもホリーの自由気ままさが表れててすごくらしくて好き ・花盛りの家 オティリーが本当に逞しい、、、 恋に生きてる様は見てて清々しい ・ダイアモンドのギター そのギターはティコ・フェオを表してるみたいで面白い 軽薄な嘘つきだけど、ミスタの心の温もりを思い出させてしまったんだなあ切ない ・クリスマスの思い出 「映画を観て、わたしにその筋を教えておくれ。」で、目頭一気に熱くなった、、、 2人(と1匹)の関係性がとても微笑ましくてすき 優しいお話だったなあ、と思ったけれど、あとがきでそれだけではないことを理解した 【好きな言葉・表現】 いつの日か目覚めて、ティファニーで朝ごはんを食べるときにも、この自分のままでいたいの。(P63) 一回やるたびにぽんと手を打っていたら、今頃はすさまじい大拍手になっていたはずよ。(P128) 不正直な心を持つくらいなら、癌を抱え込んだ方がまだましよ。〜癌はあなたを殺すかもしれないけど、もう一方のやつはあなたを間違いなく殺すのよ。(P130) 女たるもの、口紅もつけずにその手の手紙を読むわけにはいかないもの(P152 私にとって、ホセという人はもう完璧に存在してないの。P157 その人がどんな風に私を扱ってくれたかで、私は人の価値を測るの。(P159

    0
    投稿日: 2022.09.09
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    奔放な美女を描いた作品は数あるけど、それを青春の思い出のままに美しく昇華させて終わるという展開は、割と好みです。この辺、フィッツジェラルドの冬の夢と対比的。

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    投稿日: 2022.07.20
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     ホリーはまさに私にとって理想の女性です。天真爛漫で、自分勝手で、自分の魅力を飛びっきり分かっていて、それを惜しげもなく振り撒く。そして、周りを振り回す。この小説を読んだのは三度目になります。  そして、最後に全てを失うような、それでいてある種の希望を残すような終わり方。主人公の儚い恋と消えてしまったホリーことを思う最後がなんともいい。多分、自分は喪失の物語が好きなんです。

    1
    投稿日: 2022.07.20
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    久々に読んだ海外作品。映画も観たことないから先入観無くホリー・ゴライトリーをイメージできた。 スタイリッシュな着こなし、様々な色に染めた髪、天真爛漫な社交界の華。色んな事件が起こるけど、主人公の「僕」によって淡々と回想されていく。当時のニューヨークを想像しながら読むのは楽しかった。

    0
    投稿日: 2022.07.04
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    「トルーマン・カポーティ」の著書を「村上春樹」が翻訳した『ティファニーで朝食を(原題: Breakfast at Tiffany's)』を読みました。 『雨天炎天 ―ギリシャ・トルコ辺境紀行―』に続き「村上春樹」関連作品です。 -----story------------- 第二次大戦下のニューヨークで、居並ぶセレブの求愛をさらりとかわし、社交界を自在に泳ぐ新人女優「ホリー・ゴライトリー」。 気まぐれで可憐、そして天真爛漫な階下の住人に近づきたい、駆け出し小説家の僕の部屋の呼び鈴を、夜更けに鳴らしたのは他ならぬ「ホリー」だった……。 表題作ほか、端正な文体と魅力あふれる人物造形で著者の名声を不動のものにした作品集を、清新な新訳でおくる。 ----------------------- 表題作の他に短篇3作品収録されています。  ■ティファニーで朝食を(原題: Breakfast ai Tiffany's)  ■花盛りの家(原題: Home of Flowers)  ■ダイアモンドのギター(原題: A Diamond Guitar)  ■クリスマスの思い出(原題: A Christmas Memory) 『ティファニーで朝食を』については、小説よりも映画の方が有名ですよね、、、 映画は観たことがないのですが、「オードリー・ヘプバーン」が主演ってことを知っているので、「ホリー・ゴライトリー」をイメージする際に、どうしても「オードリー・ヘプバーン」の顔が浮かんできてしまい、自由な想像が妨げらて制約されちゃいました… 映画の影響力って、強いもんですね。 「トルーマン・カポーティ」は、映画のキャスティングには不満だったようですが、映画は評価が高いので、一度、観てみたいです。 小説の方は、「ホリー・ゴライトリー」に振り回される物語の語り役の「僕」の気持ちにシンクロしながら読めましたね。 「僕」については、「トルーマン・カポーティ」自身の体験が色濃く投影されているらしいですが、、、 読んでいる途中よりも、読後にぐっ とくる作品で、青春時代の瑞々しさというのかな… なんだか甘酸っぱい記憶が蘇るような、不思議な気持ちになる作品でした。 「J.D.サリンジャー」の『ライ麦畑でつかまえて』を読んだあとの感覚に近いかな。 『ティファニーで朝食を』の印象が強いので、あとの短篇3作品は、少し印象が薄い感じでしたね。 『花盛りの家』はハイチを舞台にした「オティリー」という女性の物語、、、 不幸な生い立ちから娼館で働くことになり、その後、農家に嫁ぐが姑との関係がうまくいかず、姑の死後は旦那ともトラブルがあるが、それでも明るく前向きに生きようとする姿に元気付けられました。 『ダイアモンドのギター』は囚人農場で厳しい懲役に従事する「ミスタ・シェーファー」という男性の物語、、、 刑期が17年を数え、50歳を過ぎた「ミスタ・シェーファー」が、模造ダイアモンドをちりばめたギターを持ち込んできた新入りの「ティコ・フェオ」と懇意となり、そして裏切られちゃう… ちょっと寂しく、哀しいエンディングでしたね。 『クリスマスの思い出』は、7歳の「僕」の物語、、、 従姉弟で60歳を過ぎているけど少女のような心を持っている愛らしいおばあちゃん「バディー」との心温まる交流は、『ティファニーで朝食を』に近い読後の感覚がありました。 子どもの頃の愉しい思い出って、人生の宝物なのかもしれませんね。 金銭的に豊かなだけが幸せじゃないよなぁ… 心が充実していることって大切だなぁ… って、感じた短篇たちでした。

    0
    投稿日: 2022.06.27
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    元々自己陶酔的な内容の上に、村上春樹の甘ったるい翻訳で、あまり好みでは無い。でも、読みやすくストーリーも良く出来ていた。

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    投稿日: 2022.06.26
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    ホリーの奔放さが眩しい。 そう思うようになった自分は、どうも大人になりすぎたみたい…。「いやったらしい垢」にまみれない人生は難しくとも、そんな時間を忘れない人間でありたいものです。

    2
    投稿日: 2022.06.22
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    このレビューはネタバレを含みます。

    『自分が自分であるために…』 有名な表題作を含む4編の短編集 どんな環境にあっても、自分らしさを最後まで貫き通す。 そんな主人公たちの喜怒哀楽が生々しく伝わってくる。 表題作にはなかなか入り込めなかったけど、残りの作品は一気に読み終えた。不思議なことに、すべて読了後に表題作を読み直したくなった・・・不思議な本だった。

    0
    投稿日: 2022.06.14
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    奔放なホリーに惹かれる青年の回顧録 自由気ままに生きている様にみえる 彼女の言動も最後の猫の件で 青年に見せた感情が胸を打つ その時、彼の想いが成就した気がする 猫と彼女は謂わば、 分離した魂の象徴ではなかったか…

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    投稿日: 2022.06.08
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    ん〜わたしにはイマイチ。 刹那をこれでもかと楽しむ美女の生活はなんとなく自分と照らし合わせて似ている部分があるなと思う。若さの消費的な意味で。

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    投稿日: 2022.05.21