
総合評価
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powered by ブクログ情報社会と呼ばれる昨今、何が真実で何が虚報か、自分の頭で見極めようとこの本を通して思った。 出てくるじーさんみんなアクティブ
1投稿日: 2020.01.19
powered by ブクログ曳舟島の謎解きパートと戦時下の回想シーンによる間延び感は否めないが、それを挽回すべく終盤はスピーディーな展開が続く。張り巡らせた伏線を丁寧に回収し、大団円と呼ぶに相応しい結末。シリーズ随一の膨大な情報量を包括しながらも、無駄なく洗練されたプロットといい、社会派エンタメとしてひとつの到達点に達した作品だと思う。所謂【社会派ミステリー】は犯行動機が個人的なほど収まりが良く、犯行動機が【大義】になるほど上手い着地点を見つけるのが難しくなる(TVドラマ「相棒」なんて特にそう)のだが、今作はその全てが絶妙だった。
0投稿日: 2020.01.03
powered by ブクログとても面白く、そして、今を生きる自分とそれを取り巻く世界のことを考えた。 すべては、まさかと思う本当に小さな小さな火から始まるのだ。それでも燃え始めた火は消火活動をしない限り、大きく燃え広がざるを得ない。そうなったら、もう手のほどこしようがないのだ。 戦争を知らない私たちは、当時の人々は「洗脳されていたのだ」と軽々しく言う。でも、洗脳なんて、そんなに簡単にできることではない。ただ、考えるのをやめてしまっただけ。都合が悪いことは本能的に見えないようにしてしまうだけ。おかしいと思っていても、声に出せない状況に追い込まれてしまっているだけ。治安維持法、国家総動員法ができ、言論の自由が「検閲」されていく。非国民とレッテルが貼られたら生きていく術がない。そういう現実に黙らざるを得なくなる。それでも、声をあげ続ける人がいるのは尊敬に値する。でも、それはすべての人ができることではない。だから、考える。そうならないように、そうなる前に何ができたか、どうすればよかったかを。 すでに成立してしまった特定秘密保護法。それは、きっと小さな火なのだ。この火を今のうちに消すことができるかどうかが今、問われている気がする。
1投稿日: 2019.12.30
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
太田愛さんのシリーズはずっと読んでいたので、本屋で見つけたときは迷わず買った。その時は、こんなにも引き込まれるとは思ってなかった。ふらっと買って、心を奪われたことはあまりない。 2019年末の現在、安倍政権とメディアの腐敗は最早手遅れである。お上にとって都合の悪いことは流さない。この本を読んでそのことがさらによくわかった。そして、それは戦時中と同様であることも。しかし、まだジャーナリズムは死んでいないとも思った。事実を正しく報じてくれる人もきっといる。そう思えた。 話を本作に移すが、松林と喜重、勝利、そして正光の戦時中の話には涙を堪えられなかった。たくさんの命が犠牲になったのだ。たくさんの人生が失われたんだ。繰り返してはいけない。そのために、火が小さいうちに闘わなくてはならない。そう思った。 この国の政府とメディア、そして人々の生活は今後どうなっていくのか。
0投稿日: 2019.12.26
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
面白い。エンタメって感じだった。 シリーズ作品だとは知らずに読んだけれど、前作を読んでなくても面白い。 ただちょっと長い。戦争中のエピソードが特に長い。というかそっちに入り込みすぎて、物語が現代に戻ったときに「これは今どこに居るんだっけ?」となってしまった。 でも半端な書き方はできないだろうし、真摯に書こうとするあまりに長くなるのかもしれない。どうやったって戦争を知らない世代にとっては難しいところだとも思う。 私は報道の立場ではないけれど、知る権利云々の前に、そもそも知ろうともしていない事が多いのだろうと改めて思った。実際どのくらい真実を知っているのだろう? にしてもエンタメ作品という感じ。これ内容の割に話題になってない気もするけど、まさか…察して動いている人がいるのだろうか?
0投稿日: 2019.12.11
