
総合評価
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powered by ブクログ一作目の犯罪者 二作目の幻夏 そして今作でしたが 楽しかったです 犯罪者の時の 全く立場も違う3人が知り合っていき巻き込まれていき 終焉 続きがあればいいのに〜! って言ってたら その本を紹介 薦めてくれた読書会のお仲間さんから続きあるんですよ と教わって ようやくの3作目 下巻 犯罪者 作中で何でも解決してしまうアノ人 が2作目で少し緩めな面が描かれて 今作では本質というか生い立ちが… 作家さんの相性ってあると思うんです 評判なのに 読み辛い なんか頭に入らない とかあるんです わたしには この3作目 太田愛さんの文章メチャメチャ相性いいです 20年くらい前? のトリック2なんかもドラマ気に入ってから小説の方読みましたが 太田愛さんだったんですね
6投稿日: 2023.01.07
powered by ブクログなぜ正光秀雄はあの場所で空へ指を差し絶命したのか… 下巻からは思ったよりも重く、苦しい内容が続きました。 今生きている時代から何十年前の日本で起きていたことが恐ろしく感じ、正しいとは何か、生きるとは何かを考えさせられる場面が多くありました。 そして、その時代に生きた人が背負ってきたものがどれほどのものなのか… 情報が情報として成り立っていない怖さと、黒いものも”白”だと言われ続ければ、本当に”白”になってしまうことも恐ろしく思います。 今回は読んでいて苦しいシーンも続きましたが、やはり修司・鑓水・相馬のトリオの掛け合いや、絆の部分がとても暖かく感じました。 この三人には本当に幸せになって欲しいと心から思います…笑(でも続編を期待してしまいます・・・)
44投稿日: 2023.01.05
powered by ブクログ渋谷スクランブル交差点で絶命した老人は、戦時下情報統制に関わっていた。そして、死の直前のメッセージは、かつての旧友、戦時中新聞記者として、公権力と闘いきれなかった男に向けられていた。 下巻15章は、敗戦近い昭和日本がどの様に情報操作されていったか、新聞記者の視点で書かれている。参考文献に当時の新聞をかなり読まれている様で、当時の大本営の言論統制の状況がフィクションとは思えない趣です。そして、彼らは、不本意な戦況情報によって多くの子供達を空襲で失ってしまった事を生涯に渡り後悔していた。 現代のマスコミに再び公権力が力を及ぼそうとする事に、最後の気力を持って阻止しようとしていた。 そして、その意志を引き受ける鑓水ら三人。 戦時下の報道機関としての役割を果たせなかった新聞。今、再び、メディアに圧力が増してきていると。それを確かめる手段が、普通の家庭の主婦にはないんですよねえ。 太田さんの作品は、映像が浮かんでくる様な、スピード感と臨場感が際立っていると思います。 そして、読む順番は、大切です。 そして、登録する順番も大切です。
59投稿日: 2023.01.04
powered by ブクログうーん。話の筋書きはオモロいが、文章が下手。さーと読むとなかなかわかりにくい。じっくりと読まんといけんので疲れるわ。北方君などは短い文体で次から次へと引き込まれていくが、これは真逆だね。 確か、幻夏を読んだ時も爽快感は無かったな。
1投稿日: 2022.11.18
powered by ブクログ下巻も安定のおもしろさ。太田愛の作品読破してしまいました。 現代社会への問題提起もありつつ、戦時中の描写は別世界のようにリアルでした。 次回作が待ち遠しい!
2投稿日: 2022.11.17
powered by ブクログ渋谷のスクランブル交差点で、正光が死の間際に指さしたもの、最後の最後に真実が語られた。東京大空襲の描写は胸が苦しくなるほど。自分は何が正しいのか見極めることができているのか自信がない。情報操作に踊らされることは実はもう何度もあったのかもしれない。最初は小さな種火であっても、やがて業火となって命や自由を脅かす厄災となっていく恐さ。 鑓水と相馬、修司の三人vs前島、半田の攻防戦には終始ハラハラした。 本当に読んでよかった一冊。
18投稿日: 2022.10.23
powered by ブクログ戦争の時代、そこで生きた人々の葛藤。時が流れても、ずっと残ったまま。それが、呼び起こすきっかけによって、再燃する。折り合いがつけれないもの、それをまた受け継ぐもの、自由の尊さを感じる。
85投稿日: 2022.10.16
powered by ブクログこれは物語の話だろうか 実際に今もそこら辺にある話じゃないのか? そう思うと、うそ寒い。 現代のテレビのニュース、ネットや雑誌の情報は、真実なのだろうか。 信じられるものは何? いろいろな事を考えさせられた。 戦争の話は、辛く悲しくやりきれない。 特に子供の疎開の話は、ページが多くて作者が特に言いたかった事なんだろうなと、思った。 しかし、鑓水、修司、相馬の三人が、痛快でハラハラドキドキして楽しかった。
3投稿日: 2022.10.11
powered by ブクログ間違いなく2019年ベストの作品。 犯罪者も幻夏もおもしろかったけど、これが1番。 三部作の最後に一番の傑作を持ってこられるというのは素晴らしい。 続きが気になり、ページを繰る手が止まらなかったのは久しぶり。 下巻では戦時中の描写に涙させられ、また、「あぁ、これでもう大丈夫」と「え、ちょっと待ってどうしよう、どうなるの」の繰り返しでドキドキさせられ、本を読み進めながら翻弄される楽しさを味わいました。 これでまたしばらく、面白い!と思える好みの作品には出会えないのかなぁ。 そう思うと寂しい、けれど大満足の作品でした。 2019年13冊目。
6投稿日: 2022.09.11
powered by ブクログ犯罪者、幻夏、どちらも文句なし☆5の作品でしたが、こちらがいちばん熱かった。作家さんの想いをひしひしと感じる。人におすすめを聞かれたらしばらくは天上の葦を熱く語ってしまうであろう。 歴史は繰り返される。だから、国民が闘えるのは火が小さなうちだけなのだと。もう熱くなるわ、胸を締め付けられるわ、涙させられるわ、戦争について、報道について考えさせられるわ、でもエンタメ感もしっかりあるすごい作品でした。 現在の報道について考えることはあるが、戦時中の報道のことは改めて知り勉強になった。なんだか頭の中の鐘を鳴らされている気がするが、実際小さな一個人に何ができるのであろう。現在だってただテレビを眺めているだけでは、本当の情報は手に入らない。では、どうすればいいのだろう?と考えさせられる。 正光が指さしたものの正体がわかった時、涙が止まらなかった。どうか国のトップの方たちの一人でも多くが、私利私欲、権力に揉まれながらも、彼のような願いを忘れないで欲しいと願うことしかできない。 そしてこういう疑問や、意見を言えなくなる時代が二度と来ないことを願うばかりである。 「覚えておいて下さい。闘えるのは火が小さなうちだけです」 「世の中にほんまのことを伝えてくれる役目の人らに、ものを言わせんようにするんが目的なんやと聞いて、骨の髄からぞっとした。」
32投稿日: 2022.09.03
powered by ブクログ一気に読ませる筆力。見事すぎる。 戦前、戦時中の報道統制。そして現在、未来の日本における報道のあり方。大きなテーマに真っ直ぐ向き合った作品。エンタメ性も最大限に発揮され、文句の言いようがない。 正光が指差した空。 それがなにか示されたとき久々に小説を読みながら涙を流してしまった。戦争の当時者だからこそ感じる反戦のメッセージ。ありそうでない切り口。それがまた素晴らしい。 百年後に図書館に残したい小説。もっともっともっともっと評価されて良い作家さん。
7投稿日: 2022.08.31
powered by ブクログ日本人にとって戦争の記憶というものは、やはり決して風化させてはいけないし、受け継いでいかなければならないと、改めて考えさせられる。 政権と警察組織、そしてメディアの関係は、現実社会でも思うところはあるだけに、生々しく感じる。
6投稿日: 2022.08.29
powered by ブクログ犯罪者、幻夏に続く第三弾 戦争期の描写はとても興味深く、引き込まれる。 権力とメディア。 かなり考えさせられる一冊。
6投稿日: 2022.08.22
powered by ブクログ下巻に入り、物語は一気に加速。歴史は繰り返されるということか。小さい火のうちに...、でも気づけないんだよね...。国だけでなく、どんな組織にも起こりうる構造だろうなぁ...。 ぜひ映像化して欲しい作品。鑓水、相馬、修司以外のキャラも個性的なので、スピンオフ作品なども期待してしまう。お待ちしております!
18投稿日: 2022.08.16
powered by ブクログこの女は裏切らない ただし今回は途中思いを詰め込み過ぎて間延びした感は否めないと思われ・・・ これで3人の出自がある程度明らかになった 次の展開が楽しみ
3投稿日: 2022.08.12
powered by ブクログストーリーの面白さだけでなく、描かれた過去から現在に続く、人間の心理を操って支配して、己の欲望の実現のためにそれを利用していく人たちのおぞましさに圧倒された。 ここまで書くために、膨大な資料を読み込んだことを彷彿とさせる内容だった。知らなかった戦時中の人々の生の一端を見た気がした。 自分に翻って考えてみて、果たしていま真実を知らされているのか。巷に見るいわゆる報道がどれほど捻じ曲げられているのか、真の姿を追う術さえない。ネット技術の進化に伴って、為政者だけでなく、一般の人たちまでもが恣意的に事実を捻じ曲げたり、無意識に己の独善に走ったりしているように思えてならない。 そういうことを過去から続く事実として、改めて警告してくれたと思っている。 全てを疑ってかかった方が健全なのか。
6投稿日: 2022.08.10
powered by ブクログ『正光が指さした空に、かつて見た光景が胸を締め付けるほどはっきりと蘇った。正光の目が見つめているもの、正光が指さしているものが自分には解る。正光はこの私に呼びかけている』 「渋谷の空を指さして倒れた老人が最期に何を指さしたのか」を探るという始まり、読者を引き込むのがすごく上手だなぁと思った。公安、報道、戦争の闇…重たい内容ではあるけれど、登場人物一人ひとりの経験や思いが丁寧に描かれていて、読む手が止まらなかった。脚本も書かれてる方だから、場面も想像しやすくて映像でも見たくなる!戦争を経験した人たちが生きている今読むことができてよかったなぁと思うし、これからも絶えず語り継いでいかなければいけないことだと改めて感じた。重くて苦しいだけじゃなくて、クスっと出来る部分もあるのが最高だなぁと。面白い作品だからこそ、順番に読めなかったのが悔やまれる〜本棚にあるのに(笑)「犯罪者」から読むのをオススメします〜 #天上の葦下 #太田愛 #20220518 読了
3投稿日: 2022.06.30
powered by ブクログあっという間だった。戦争は繰り返してはいけない。戦時中の報道と国のこと、なかなか知る機会がなくて小説でこんなにも勉強になったの初めて。最後までページめくったら太田愛さんが沢山文献を読んで当時をまとめた1冊なんだなぁと思った。シリーズ3作全て読み終えて、鑓水、相馬、繁藤に会えなくなるのが寂しい。
3投稿日: 2022.06.23
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
一番好きな本。太田愛さんの三作品の中でも一番好きだし、一番力が入っている気がする。 上巻は戦争の描写が長く、参ってしまったけどもそれだけ伝えたかったことが深く伝わってきた。 空に指をさして、目を見開き伝えたかったことの意味がわかった時、全身に鳥肌が立ち、涙が出た。 嫌な偶然だけど、この本を読み終えた翌日からロシアとウクライナの戦争が始まった。人間は同じことを繰り返す。大きな流れに呑まれてしまうともう止められない。小さい火のうちでないと戦えない。正光が命をかけて伝えたかったこと。 まさに同じようなことが今の時代にも起きてしまっているのだな。と胸が痛む。 本当に名作だと思う。
6投稿日: 2022.06.17
powered by ブクログ読み終えると鑓水、相馬、修司の3人に会えなくなるのが寂しくて仕方なかった 重いテーマで、今読むことに意味があり考えるきっかけになったと思う。 ラストが切なくて思い出しては泣いてる。 無理しんどい語彙が足りない。
8投稿日: 2022.06.13
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
物語は一人の老人が渋谷のセンター街のスクランブル交差点で奇妙な行動を取ったのちに死亡したところから始まる。修司と鑓水に来たその行動を解き明かしてほしいという依頼と停職中の相馬に来た公安の捜査員を探してほしいという依頼。 上巻の途中で二つの依頼が重なり合い、3人揃って岡山県のとある島へ。 相変わらず、スピーディーな展開だが、奥行きを持たせる展開や行間、様変わりする目線が面白い一冊になっている。 ストリー的には、第一弾の『犯罪者』では、巨大になり過ぎた企業の腐敗とそれを糺そうとするものたち。第二弾の『幻夏』では、冤罪事件とそれに翻弄される冤罪被害者家族。そして、この第三弾では報道、ジャーナリズムと政治との関わりについてを描いている。昨今言われ始めている戦前、戦時中のような言論の統制や「忖度」という文化。 作中で語られて言うように、そのような悪しき火は小さいうちに消さなければ取り返しのつかないことになってしまうのだろう。そのためには、メディアやジャーナリストたちだけでなく受け手である私たちも正しく批判できるような知識や情報を得れるようにしないといけないのであろう。
6投稿日: 2022.06.07
powered by ブクログ戦争の描写がウクライナの映像と重なり、情報統制はロシアや中国などを思わせる。百年経っても人間は変わらない。 報道の真実は今のsnsの時代になにを持って行うのか。
3投稿日: 2022.06.04
powered by ブクログ今もどこかでこんなことが起きているかもしれないと思うと背筋が凍る。 今の世の中、コロナ禍やロシア情勢のとこもあるから余計に身につまされる。 今私たちがテレビやネットで知らされてる情報は真実なのだろうか? いったい何を信じたらいいのか。 この小説を読んでいろんなことを考えさせられた。 鑓水、相馬、修司の3人の信頼関係は最高! またこの3人の活躍を読みたい。
9投稿日: 2022.05.24
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
上下感想 過去とどうつながるのか、この先何が起こるのか、初めのページからラストまで惹きつけて上下の長編小説がテンポよくストーリー展開して飽きずに読み耽りました。 戦時中の大本営報道のあり方を軸に歴史的な記述が多く多少の読みにくさがありましたが、戦争の歴史をストーリーとして読みイメージしながら理解できたので、報道と法律がどんなことを国民に強いてきたのか、自分が知識として知っていたことの何倍も残酷だと思い知り胸が苦しくなりました。 現代においても未だに情報操作されている国が現実にあり、その恐ろしさを体験した世代が少なくなった今、太田愛さんは素晴らしい作品を残してくれたと思う。 お馴染みの3人組のシリーズが終わってしまい寂しいので、ぜひともまた書いて欲しいです。
5投稿日: 2022.05.24
powered by ブクログ本当にすごい話だった。老人たちに何度も涙が出そうになりました。傑作!この3人のシリーズはまた読みたい…
3投稿日: 2022.04.17
powered by ブクログお馴染みの三人が痛快。今回は、作者の思想的な思いが込められていて前二作とは少し趣が異なりますが、展開の速さは相変わらずです。このシリーズの続きはないのでしょうかね?
3投稿日: 2022.04.17
powered by ブクログスロウハイツは3階建てです!(どした急に?) さて言いたいことが言えたのでw(流して下さい)『天上の葦(下巻)』です 良く出来た物語は最後の最後に最初に戻ってくる なにやら名言のようなことを言っておりますが、ま、そういうことです 読後いや読んでいる途中から感じていたのは焦燥感、焦りです 早く!早くなんとかしないといなくなっちゃうよ!という焦りです 太田愛さんも同じように感じたんじゃないでしょうか?いや太田愛さんが感じたことを自分もちゃんと受け取れたんじゃないでしょうか?そんなふうに自惚れてます 「あの戦争は二度と繰り返してはいけない!」誰もがそう願い、そう言います 本当にそうでしょうか? あるいは本当に誰もがそう思っているのかもしれません そう思っていながら気づかずに、あるいは別の目的を持って、戦争になんかならないよとたかをくくって小さな火をおこしてるいる人たちがいるような気がします その小さな火が放っておくと大きな炎となり誰も止められずに日本を焼き尽くしてしまうことを身を以て知っている人たち 小さな火を見て心の底から叫び声をあげ警告する人たち その人たちはこの社会から次々と立ち去っていっています 人は永遠には生きられないからです ただその想いは魂は引き継ぐことができるのではないか いや引き継ぐために作られた物語それが本作『天上の葦』だったのだと思います 正光さんや時枝さん、善重さん、松林さん、勝利さんに代わって闘うことが出来ますか? 鑓水や修司、相馬のように この物語はあの戦争で亡くなった人たち、生き残り間違いを繰り返さいよう声をあげ続けた人たち そんな人たちから戦争を知らない世代に出された宿題なのかもしれません
36投稿日: 2022.02.18
powered by ブクログ追い詰められていく鑓水達と同時進行で危機にさらされていくメディアの姿が、戦時中の大本営発表の闇と重ね合わせながら描かれ、追いかけている真相に迫っていく。追いつ追われつの展開が最高に面白かった。早くも今年読んだ本のNo.1候補に決定!
7投稿日: 2022.02.11
powered by ブクログ平日に一気に読んでしまった。 島での描写,戦時中の描写が重工。登場人物は相変わらずトムクルーズばりにマッチョ。
3投稿日: 2022.02.03
powered by ブクログ”ひとつの国が危険な方向に舵を切る時、その兆しが最も端的に表れるのが報道です。報道が口を噤み始めた時はもう危ないのです。” この言葉の意味を深く考えさせられる小説。 特に後半から、80年前の出来事と現在が重なって展開されるストーリーに引き込まれます。過去の歴史は確実に今につながっているのだから、歴史から謙虚に学ぶことが本当に大切だと痛感しました。
7投稿日: 2022.01.27
powered by ブクログ下巻です。面白かったです。 最後の方はハラハラドキドキしながら読み進め、酔い終わった後は、すがすがしかったです。 また、「天上の葦」ってどのような意味になるのだろうと思っていましたが、解説を読んで、葦って葦のペンというのがあるのかと。報道に携わる人々と冒頭で空を指して亡くなった老人に絡めたタイトルだったのかと最後に解説で分かってよりすっきりしました。
3投稿日: 2022.01.15
powered by ブクログ2022.1.8読了 今作も面白かったです 戦争が物語の背景にあることもあり「犯罪者」のような息もつかせぬ疾走感とは違ったずっしりと読み応えのある作品でした 昨今の日本のマスコミの在り方を思うと鑓水の言うような良心的なマスコミ関係者が今もまだ大勢いることを願わずにはいられません 喜重さんから語られる戦中の話は心に重く響いて物語の後半に読むにはなかなかしんどかったけどその後の鑓水たちが引き継いだラストはこれまでの3作の中で一番すっきりとした終わり方だなと思いました 読後の余韻がハンパないです これでこのシリーズ終わってしまうのかな…と思わせるような できればこの先ももっと3人の活躍を見たいけど書いてくれないかなぁ
6投稿日: 2022.01.09
powered by ブクログ今作も実に面白かった。 上下巻一気読みでしたm(_ _)m 今回もハラハラドキドキの連続 白狐を名乗る老人を探して小さな孤島に乗り込む3人 秘密ありそうな僧侶、元校長…などなどの老人達 まるで獄門島( ̄▽ ̄)笑 戦争について語る部分は圧巻です… 今作も読んでいる間、映画を観ているようでした。
16投稿日: 2021.12.30
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
解説で引用されている「報道は政府に殺されるのではなく、自ら忖度し、権力の意向を『察して動く』うちに死ぬ」という一文は、象徴的である。最初に「よくわからない」謎が提示され、その謎の理由を解き明かすという筋立てで物語は進む。ミステリー小説なのだろうが、時にバイオレンスな描写はあるものの殺人は行われない。上下巻の構成であり、長い物語でもあるが、いつしか引き込まれる。謎はその正体を少しずつ、焦らしながら明かされるが、その謎は大きく根深い。 折しも、長期独裁政権を我が国で続けた「嘘つき」総理が、再び「腹痛」を理由に政権を放り出し、仕方なくそのあとを継いだパンケーキ総理も、覇気のない表情のまま政権を退いた。この間、国民の声を代弁し、舌鋒鋭く迫るべきメディアはどうであったか? まさに冒頭、解説で引用されている一文のとおりである。新聞が売れない、テレビ離れが続いている、とメディアはおのが置かれた状況を嘆くが、本当に知るべき情報を伝えもせず、永田町界隈の権力者たちの顔色ばかり見ているメディアの情報など、どう考えてもその信頼度は著しく低い。 『天上の葦』で、著者はこうしたメディアが形成された契機を、戦時中の言論統制され、特高警察などが厳しく取り締まっていたことに端を発しているという。そして、メディアが権力側に取り込まれてゆくプロセスも、丁寧に書かれている。さもあろう、と納得した。問題は、終戦から半世紀以上経過した今もなお、見回してみても日本だけが戦時中のメディア体質をそのまま引きずっている。時の総理が起こした不祥事や明らかな嘘に対して、そこに斬り込むどころか、隠ぺいに加担しているのではないかとさえ思われるメディアが多数存在する状況は、戦後から大して変わっていない印象を受ける。 第二次大戦において、日本と同じくなりふり構わぬ戦いをしたのはドイツだが、かの国は立派な女性首相を生み出し、東西に分割されていた国も統合され、戦時の反省を踏まえて立ち直っている。それですべての問題が解決しているわけでもなかろうが、ただただ経済成長だけを追い求め、長期にわたる一党独裁体制を許してきた日本とは、まったく現状は異なる。その意味で、ドイツには、日本にはない「民主主義」が存在した。我が国も表向き、民主主義を標榜しているが、これほど長く一党独裁体制が続く国家など、共産主義・社会主義体制国家ぐらいしか、他に例を見ない。 こうした我が国の現状を通底奏音として、この日本が抱えてしまった重い頸木を謎解きするかのように物語は進む。上巻でゆるやかに提示された謎は、下巻に入るとスピード感をもって(この「スピード感をもって」というフレーズは、奇しくも政治家が何もしていないことが明るみに出たときに使う常套句だ)明かされてゆく。その過程で感じる緊張感たるや、ものすごいものがある。自由なき日本、国民には偉そうな顔をしつつ、常にアメリカのケツを舐めているような今の日本がどうしてできあがってしまったのか? それを知ることができるという意味でも、すばらしいミステリー小説に出会えたという意味でも、本作を読めたことは僥倖であった。
18投稿日: 2021.10.29
powered by ブクログ★★★ 今月6冊目 ようやく終わり。長い。上がしんどかったが下は割合スラスラと。 戦争とは、メディアとはって感じでした。 太田愛はもういいや、飽きた
2投稿日: 2021.10.25
powered by ブクログこの本の読者は「過去ではなく、今、何が起こっているか」を問われている。 2017年2月にこの本が刊行された頃は、2013年「秘密保持保護法」成立、2017年「共謀罪法」成立など、国家統制に関する法律や動きが目立ってきたとき。 2010年(民主党政権時)に世界第11位であった日本政府の「海外からみた報道の自由度」は2015年世界第61位まで低下している。(2006年にも51位まで下がったが、そのときも同じ総理という事実) 終盤、とくに、太平洋戦争当時青少年だった人たちの出来事を描いたくだりは圧巻の一言。タイトルの意味するところを知るころには身震いするほどとなる。 「疎開」とは実態は避難でも「敵作戦を無効にする戦略的展開」であること。 言葉を変えて状況を見えにくくすることはその後も続く。 「敗戦」→「終戦」、「占領軍」→「進駐軍」、これらは戦後政治の中で使われてきた。 「憲法解釈」?「閣議決定」?「安全安心」? いま、何が置き換えられているのか、言いようのない、底知れぬ不安感に襲われる。 「火は小さいうちに消さないと、取り返しがつかない」……。 小説としては、社会的な主題の大きさに対しエンタメ性を少ししつこくしすぎた感があるのが、残念。
6投稿日: 2021.09.28
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
政府による情報操作が如何に危険かを伝えてくれる。戦争の悲惨さ、それに繋がるまでの過程が現代の事件と結びつけて描かれる。鑓水の過去が描かれることも魅力。
1投稿日: 2021.09.27
powered by ブクログめちゃくちゃ面白かった!ストーリー構成とかトリック(?)とか登場人物多くて混乱するけど、細かく考えててすごいと思った。
1投稿日: 2021.09.27
powered by ブクログ面白過ぎた。 ものすごくハラハラドキドキした。比喩じゃなく、読みながら本当に心臓ドキドキしてた。 だってもう、「どうなっちゃうのー!?」の連続なんだもん。絶対うまくいってほしいけど、こんなの無理だよってくらいの危機が次々に襲いかかってくるから心臓に悪いことこの上ない。 それでいてただハラハラするだけの物語じゃないところが、また面白いんだと思う。今の日本の危うい部分、闇の部分がどの作品にも描かれていて、現実に照らして読んでしまう。 今作も相変わらず、登場人物たちの過去や境遇などが詳しく語られていて、そこもハマる要因。思い入れがどんどん強くなる。 行動するうちにちょっとずつ味方が増えていくのも嬉しいんだよねー。 本当に面白かった。すべてキレイに解決するかというとそうではないんだけれど、現実ってそうかもな、と納得できた。 このシリーズはこれでおしまい。でも完結と謳っているわけではないから、また次が出ることに期待。まだまだ読みたい。三人の今後をもっと追いかけたい。
2投稿日: 2021.09.21
powered by ブクログ複雑な読後感。ほんとに面白かったけど、少しずつ変えられていく怖さを理解できた小説でした。数年前の法令化の時のデモが少しわかった気が。考えが浅いですが。「日本会議」知らないことばかりなことを痛感。 硬いこと抜きで久々の会心作。だから読書はやめられない。
6投稿日: 2021.09.18
powered by ブクログなんかゴチャゴチャしてたなって印象。 あと、戦時中の日本ヤバすぎ。 今じゃ誰も国の言うこと信用してないのにね。
1投稿日: 2021.09.05
powered by ブクログ壮大なスケールな話しに夢中になった! こののめり込む感じ、久々! 仕事中、帰ってからこの本を読むのかが楽しみだった。 太田愛さんすごいなあ、3部作ともカラーが違うけれど、 どれも面白い
2投稿日: 2021.08.17
powered by ブクログ読んで良かった!と思える本でした。 物語の中で問題提起されていることはすごくリアルで、コロナ禍という未曾有の事態である現在だからこそ、色々と思うところがありました。 これからの未来を担う10代や20代の若い人たちにも、多く読んでもらいたい物語です! これを機に、自分も含め政治や国の動向にもっと関心を持つ若い人たちが増えてほしいです。
4投稿日: 2021.07.18
powered by ブクログこの問題提起を忘却しないように。 言論の自由とは、確かに権力を持たない者に保障されるべきものだ。
6投稿日: 2021.07.11
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
今作は最後まで素晴らしい緊張感で物語が進行したことを嬉しく思います!読んでよかった!やっぱり最後まで永遠の0臭が漂っていたけれど、より政治的な側面から切り取られていて、そういう意味では一線を画していた。戦争の凄惨さやその当時の精神的な異常性が際立って書かれていて、それが間接的にせよ現代の事件に繋がっている点が面白かった。歴史は繰り返すから…というのが謎の一端を担っていた点が独創的だ。てか公安ってこんなに闇深いの?そんなわけないよねえ?あと、政治家ってこんなに汚いの?え、本当のところはどうなの??
2投稿日: 2021.06.27
powered by ブクログシリーズ3作目。 ストーリーはもちろん面白い。 それに加えて今まで知らなかった戦時中の話もあり、とても考えさせられました。
2投稿日: 2021.06.23
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
齢90前後の老人たちの覚悟にシビれました。間接的とはいえ、戦時中に情報操作で多くの人を犠牲にしてしまったことの責任感からか、命がけで行動する彼らの姿に心を打たれます。凄絶な過去エピソードは読むのが心苦しくもありましたが、その分喜重や正光のキャラに厚みが出、より一層彼らに感情移入させられます。 また、鑓水の出自も第二次大戦と少なからぬ因縁があることが分かりました。明確な言及は無かったように思いましたが、彼がこの事件に入れ込む理由の納得感が増した気がしました。 しかし敵はかなり手ごわく、山波のナイスプレイで入手した前島との電話録音データなどをネットに上げても、検察の力でもみ消されていく始末。鑓水も検察の手に落ち、逆転の手立てはもうないと思われましたが、そこはさすが策士の鑓水でした。 複数の針の穴に糸をノーミスで通すような計画で、最後は関の判断次第な作戦でヒヤヒヤしましたが、なんとか大団円。個人的には前島や半田の情けない描写を見たかったので、スカッとする結末ではありませんでしたが、そこに至るまでの経緯を思うと感無量ではありました。 鑓水・繁藤・相馬の3人組シリーズはこれで3作目で、作品数的にはおさまりが良い区切りではありますが、せっかく鑓水とウマが合う橋本みたいな面白いキャラも出てきたので、もう少し続けてほしいですね。 ところで、本作は権力側による情報統制問題をテーマにしていると思うのですが、報道側による意図的な印象操作も同じくらい問題なんじゃないかなーと、個人的には感じていたりします。なので、カウンター的に報道機関によるプロパガンダをテーマにした作品を読んでみたい気分になったりもしました。
9投稿日: 2021.06.09
powered by ブクログぬぉぉぉぉ~~~(*´▽`*) こりゃめちゃくちゃ面白い!!! 序盤はゆっくり、そして終盤にかけてはスピードがアップ!! 先日読んだ犯罪者より後味が何倍も良い!! ★が5個しかつけられないのがつらい!! ★10個くらいつけたい!!! このシリーズは頭っから3作、 「犯罪者」「幻夏」「天上の葦」全部読んでください!!! 自信を持って皆様にオススメできます! 多分、男性でも女性でも熱中できるのではないでしょうか!! このシリーズは、興信所の鑓水七雄、繁藤修司 刑事の相馬亮介の3人が主役なのだが、この3人の連携プレーもさることながら、 場面の切り替えが本当に巧み。 まるで映像を見ているかのような切り替え。 一旦ココでCMでーすという感じで場面が切り替わる。 そっちはどうなったんだよー!!! と気になるも、別の場面にも心は釘付けにされる!! 上記主役の3人の他にも、彼らに協力してくれる人が次から次へ! 昨日の敵も、明日には味方につける、まるでドラゴンボールのような設定も大好き! この本は会社の方からお借りしたのだが、もう感謝の気持ちしかない! こんな素敵な本を紹介してくださりありがとうございました~(*´▽`*) 最高です(*´▽`*)
50投稿日: 2021.06.05
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
評価4.5 とても壮大で重要なテーマを取り上げた作品であり、犯罪者・幻夏から続く、修司・相馬・鑓水の魅力的なキャラクターが登場する大変面白い作品だった。本当は5点満点でも良いくらいかな、と思うが、個人的には途中の戦時中の描写が少し長く中だるみ感があったので-0.5。ただ、非常に重要なテーマを描くためにも、どのように戦況が変わり、世の中が変わり、後戻りできない状況になっていたのかを伝えるために必要な長さだったのかな、とも思う。 『天上の葦』は 現在起きている事件の謎に迫るミステリーに、戦時中の国・軍・そこに生きる一般国民の様子を絡めながら、メディアと言論の自由について書かれた小説。 10月のある日、渋谷の交差点で何もない空を指して絶命した老人・正光 。正光が指さしていたものは何なのかを調べるよう、興信所に依頼が舞い込み、鑓水・修司が調査を開始する。同じ頃、姿を消した公安警察官・山波孝也の捜索を相馬が命じられる。 別々に動き出したこの2つの出来事が、やがて結びつき、正光が指さしたものが明らかになる。 戦時中の言論統制は歴史で学んだことで、戦後、日本は戦争を放棄し、言論の自由を認め、同じ過ちを繰り返さない国家になった、どこかでそんな甘い認識を持っていた。過去のことだよね、と。でも、違う。本当はこのところ、個人的には、特に安倍政権になってから、あれ?と思うこと、ちょっと怖い世の中になっていくんじゃないかな、と言う危機感は心のどこかにあった。それを、太田さんの作品によって炙りだされ、自分の中にくすぶっている小さな火種が燃え広がったような。そんな怖さに『ぞっとした』。 最近、こんなことが起こっている。 特定秘密保護法、集団的自衛権の行使容認、安全保障法制。共謀罪、憲法改正や検察庁長官の定年延長。 そして、解説にもあったように、高市早苗(たかいちさなえ)総務大臣(当時)が、放送局が公平を欠く放送を繰り返したと判断した場合に、政府が電波停止を命じる可能性があると述べた、と言うこともあった。 これらの問題について触れる時、「少しの犠牲は仕方ない」とか「一般人がごく普通に生きていく上では何ら問題ない」と言う論調もある。でもそれ、本当だろうか?戦時中の『国家総動員法』だって<戦時に際し、国家操総動員上必要ある時は>と言う但し書きに、初めは国民は、そんな事態はまあそうないだろうし、と思ったのではないか。しかしそもそも、戦況は正直に国民に伝えられていたのか?NOだ。疎開ですら、自由には出来ず、疎開先を見つけたり費用をどうするのかは自己責任だった。地方に頼れる親戚などのつてがなく、引っ越す費用がない庶民は逃げる自由さえなかったのだ。「自己責任」最近、よく耳にする言葉ではないか? この不安が杞憂で済むことを願ってしまう。大げさだと今笑われても。 『小さい火のうちに』この言葉は本当に大事だ。
1投稿日: 2021.05.10
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1作目、2作目、3作目と全て作品のカラーが違っていて、読み応えがあった。 ラストの手紙を読んで、なぜこの作品が3部作の最後の作品なのか納得した。希望を残す素敵な終わり方だったと思う。 今回は鑓水がメインの話になっている。鑓水って飄々としていて一番何を考えているのか分からないキャラなので、その鑓水の過去や、正光の死の謎に関心を持ち、のめり込んでいく過程などは読んでいて興味深かった。 この小説、映像化したら面白いと思うけれど、そうならない方がやっぱりいいかな。ラストのロープウェイは絶対にCGでは見たくないから。
1投稿日: 2021.05.06
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正午の渋谷スクランブル交差点で、空を指さしてその後亡くなった老人は、いったい何を指していたのか。 鑓水らに持ち込まれたその依頼には、思いがけないほど大きくて重い問題がひそんでいたー。 わたしがこの小説に出会ったのはたまたま今、コロナ禍の時代であったけれど、今だけでなく特に東北の震災のころから疑念を抱かざるを得なかったマスコミ、ジャーナリズムの問題に、この小説は真っ向から切り込んでいる。 政権とマスコミの癒着。癒着というよりは、自由を奪われた報道。あぁ、自由を奪われてるんだな、と一般市民が感じるときには、もはや消し止められないほど大きな火になっているという恐ろしさ。 現代の報道の問題と、戦時中の大本営とがリンクし、当時戦意高揚のために真実を伝えられなかった老人たちが、せめて小さな火のうちに、と現代の報道の問題(自由に報道しようとするジャーナリストの抹殺)と闘おうとする。 その戦いの一端が、スクランブル交差点でのできごとで、ほんの数日、数時間のうちに、何十年の時を超えて結束を固める老人たちの絆に何よりも驚かされる。 最初は、シンプルに謎解きのような気分で読み始めたけれど、あまりにもタイムリーかつ重厚なテーマだったので読み進むのに時間がかかってしまった。簡単に読み進んではいけないような気がして。レギュラーメンバーである鑓水や修司、相馬らは相変わらず八面六臂の働きだけれど、彼らの機転と回転の良さに感服しつつも、そのキャラクターそのものがコミックリリーフのようにもなっていてほっとする瞬間も。正しい報道って何だろう。いろいろ恐ろしくなってしまうくらい深い問題提起を抱えた小説。
7投稿日: 2021.05.05
powered by ブクログ『犯罪者』からの登場人物やエピソードがさりげなく出てくると嬉しくなる。特に長野からの発信はよかったなぁ。 前作までと同様にスピード感のある展開。驚きが幾つも隠されていた。
1投稿日: 2021.04.15
powered by ブクログ素晴らしい作品だと思います。 『犯罪者』で号泣の後、『幻夏』『天上の葦』と間髪入れずに読破。 すっかり太田愛ファンと化した僕。 読後の何とも言えないこの余韻。 太田愛ロス状態。 この主人公3人の、次の作品を熱望。 それ以外を読む気が、今はしない。 もう一度、『犯罪者』から読もうかな…。
3投稿日: 2021.04.11
powered by ブクログいやぁ、圧巻。 面白いという表現がふさわしいかわからないけど、これだけの長編を、これだけ難しい言葉が並んだ作品を、これだけスラスラ読ませてくれる太田愛さんは本当にすごい! 扱う内容が内容だけに、下調べも半端な苦労ではなかったと思います。 ぜひ、多くの方に「犯罪者」「幻夏」「天上の葦」と3部作読んでほしいです。
2投稿日: 2021.03.24
powered by ブクログ【佐野】 さすが太田さん!といえる秀逸な作品。後半は伏線の回収と怒涛の展開で一気に読めます。現代の情報社会の中でのメディアに対する、またそれらの情報を受け取るわたしたちに対しての課題提起に感じます。もの言えぬ時代に生まれた人々の苦しみが痛いほど伝わってきて、報道とはどうあるべきか、を考えさせられる。衝撃だったデビュー作「犯罪者」からの3部作なので、鎧水たち3人組のキャラクターがだんだん好きになってきます。
1投稿日: 2021.03.24
powered by ブクログ上巻は盛りだくさんで入り組んでいる印象で、ちょっと分かりずらかった。 ところが下巻は内容が絞られて、もちろん伏線として上巻があったわけだが、引き込まれるように読んだ。 報道機関の言論が統制されるという事はどのような事か。 言論の自由とは何か。 いまミャンマーや香港で起きていることを考えると、いつ自由が脅かされるか分からないという危機感を感じさせる話だった。
1投稿日: 2021.03.20
powered by ブクログあまりにも壮大なスケールで描かれた この作品は フィクションなんだけど、 どうしてもリアル社会と切り離せない。 戦時中の部分ほぼ事実であり、 そう昔の話でもないわけで。 組織に属する者の正義とは? 上が絶対の時代に生きて来て 長い物に巻かれる自分には 主人公3人があまりに眩しくて仕方ない。 だからこのシリーズはだいすきだ。 続きがまだまだありますように。
2投稿日: 2021.03.13
powered by ブクログこの作品が、10年後も、100年後も「物語」であることを、強く、強く願う。 偶然だが、今日は2021年の3月10日。 恥ずかしながら、疎開とは、続々と都市部を離れ、命を護る行為と思っていたが、現実は「都市への封じ込め」が行われ、東京大空襲では、2時間あまりの間に、10万人以上の無辜の命が奪われた。 吉光や白狐の相克する苦悩に、最期の命を賭してまで伝えたかったメッセージへ、残念ながら今の私は、大丈夫ですよ、と呼びかけることができない。 SNSは発達し、人々は垣根なくグローバルに繋がっているように思えるが、その輪環のなかに、そくそくと全体主義が忍びより、1の罪を10にして、社会的な制裁/死を与えようとする、まさに戦前に回帰しているような空気を感じる。 それでも、自身が決してその渦に呑まれず、常に自戒しながら、この現実と、薄い被膜で隔てられた物語の世界を、何度も読んで味わい、読み継がれる作品になって欲しい。 曳舟島が、今日も穏やかな波と空のあわいに浮かび、そこへ住む人々が、なんでもない日々の繰り返しを、笑顔で過ごせますように。 ※追記※ 3部作の最後(?)は、遂に鑓水の物語が明かされてゆく。常に飄々として、本音の見えない、ちょっと危ない風のいい男は、相手の感情に思い入れない(相馬談)たちであるのに、今作では事件に感情的に惹き込まれてゆく。すべてが明らかになっても、やはりこの男は乾いているのだけれど、それが故に心に熱情を注ぐ、激しい雨を求めているように思う。 改めて鑓水を好きになりました。ちなみに、服部さんと趣味(だけ)は合いそう……。
1投稿日: 2021.03.10
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
とにかく面白い。本当にこの作家さんの頭の中はどうなっているのか。 膨大な量の伏線が全て回収されて、こんなに綺麗にまとまるとは。 そして、戦争について書かれている話は多いけれども、この作品ほど引き込まれたことはないかもしれない。報道を規制され、戦争を続けるために国民を騙し続けてきた新聞としての立場から見た戦争。 こんなに痛ましいものなのか。 わたしもこの時代に産まれてこの教育や報道を受け続けたら、きっと日本の勝利を盲信してしまっていたと思う。 現代においても報道や警察という、権力と影響力をもつ機関が正しくあることが、こんなに難しいものなのか。 そして最後のジェットコースターのような展開はさすが太田愛さん!ドラマや映画のような、息をつかせないスピード感はすごい!! このスリルとハラハラ感では右に出る小説はないのでは… 同シリーズの前作2つと比べ、素直に喜べるラストだった。 これで修司、相馬、遣水の3人ともがフォーカスされたので、これでひと段落なのかな? もっとシリーズが続いてくれることを祈ってます。
1投稿日: 2021.03.03
powered by ブクログこのシリーズに出てくる3人が、今まで何百冊と読んだ本の主人公で一番好きかもしれない。 私が知らない史実を交えながら、現代の日本が抱えている問題点がとてもおもしろく、興味深く、忠実に描かれていました。 上下巻とボリュームはありますが、一気に読めました。
1投稿日: 2021.02.25
powered by ブクログ作者のリサーチ力、物語構成力に脱帽。 1つの物語の中にメディアの在り方、戦争を経験した世代の減少により当時の様子を伝える人が減ってきていること、差別、いじめ等多岐に渡るトピックが散りばめられており読者を飽きさせない素晴らしい作品だった。 個人的には戦争経験者の話と言えば広島、長崎の話をイメージする事が多かったが今後は東京大空襲についてもっと知った方が良いなと実感した。
1投稿日: 2021.01.31
powered by ブクログ犯罪者、幻夏、天上の葦と一気に読んでしまいました。余韻が強すぎて、次の本に入り込めない日が数日間続きました。これ程までに色々な感情を引き出された物語は無かったように思います。 戦時中の描写、疎開の意味など、本来なら学校でちゃんと教えなければならない事なのだと考えさせられる事ばかりでした。 二十年後、三十年後が、この本が「物語」のままで読まれている世の中で在ることを心から願います。
19投稿日: 2021.01.11
powered by ブクログ己の信念を頼りに大きな組織に向かう人々、そして最後の喜重の手紙に書かれた真相。胸が張り裂けそうだ。 知っているようで知らないことがまだまだ山ほどある。知ろうとするきっかけを与えてくれるシリーズ。
1投稿日: 2020.12.21
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
シリーズものだと知らず、この本から読み始めた。 マスコミが神格化されてる気がして、、 権力の監視がマスコミの仕事とはいえ、そのために命を賭すっていうのはどうなの。
1投稿日: 2020.11.27
powered by ブクログ戦争のシリアスな内容からスリリングな逃亡シーンやら、悪を追い詰める爽快感、感動といろんな感情をひとまとめにしたとても読み応えのある本でした!!鑓水がボコボコにされながら相手を追い詰めるシーン、島から老人たちが力を合わせて鑓水らを逃すシーンとか楽しかった。
4投稿日: 2020.11.21
powered by ブクログ犯罪者、幻夏、天上の葦と順番で読んだので3人の主人公の事がよくわかり天上の葦もスラスラ読めました。 瀬戸内の島で明らかになっていく登場人物の人間関係、謎の真相、迫る追っ手読むのが止まらなくなりました。犯罪者の黒幕人物が依頼人という点もいい。
1投稿日: 2020.11.18
powered by ブクログ〈上下巻合わせて〉 「犯罪者」「幻夏」の鑓水、相馬、修司の3人が、再登場。前2作に続き本作も、現状の日本の体制・制度に対する問題提起が強め。 ある日1人の老人が、真っ昼間の渋谷のスクランブル交差点のど真ん中で、空を指差して絶命する。鑓水の事務所にその謎を解明する依頼が舞い込む一方、謹慎中の相馬は失踪中の公安刑事を探す特命を受ける。 全く関係の無い様に見える複数の出来事をミステリアスに散りばめ、次第にそれらの点が線で繋がり、平面になり、そして全体像が明かされるそのプロセスが素晴らしい。 そして最終盤での大立ち回りからの大逆転劇からの大団円は愉快痛快で非常に満足。面白かった。
1投稿日: 2020.11.06
powered by ブクログ素晴らしい作品でした。読後に打ち寄せるこの思いは、感動という言葉に置き換えられることを嫌い、権力への反迎合という鎧を纏い心の襞そして奥底へと染み突き刺る。ミステリー、エンタメ、警察、公安と様々な方向の 楽しみ方の提供もまた秀逸。だが『正光』が死ぬ直前、天を指し託した壮大で深淵、遠大なテーマが歴史を纏い歩き始める今の時勢の中で、我々一人一人が傍観者ぶる現世への警鐘が作者の上梓を早めたのが、思い過ごしであればいいのだか!!!!!察して行動する、忖度して動いた、だけでは、悲劇は繰り返される。
1投稿日: 2020.11.05
powered by ブクログ「天上の葦」(太田 愛)を読んだ。 まず頭に浮かんだのが、 『戦争が廊下の奥に立ってゐた』 という渡辺白泉の句だった。 とにかく読んでいてゾワリと背筋が凍えるのだよ。 白泉が戦争に出くわしたその廊下にこの先私達が何を見るのかを決めるのは私達自身の行動なのだよと強く思わせる力作です。
2投稿日: 2020.10.24
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
上巻からの一気読みで大満足の作品でした。 感想はゆっくり書いていきます(笑) 鑓水、修司、相馬の3人が辿り着いた瀬戸内に浮かぶ小さな小島。 正光が死ぬ間際に見上げた空に映し出された謎を解く為に、唯一の手がかりだと思われる白狐を探しながら徐々に解き明かされる謎。 それは想像だにしなかった先の大戦に隠された真実へと繋がっていく。 全ての謎が解けた時に見上げた空は何もない青い空だった。 これだけの長編にもかかわらずページをめくる手を止められない見事な作品でした。 惜しむらくは本作が著者の作品の初読みであったこと。 「犯罪者」「幻夏」もいつか必ず読もうと思います。 説明 内容紹介 日常を静かに破壊する犯罪。 気づいたのは たった二人だけだった。 失踪した公安警察官を追って、鑓水、修司、相馬の三人が辿り着いたのは瀬戸内海の離島だった。山頂に高射砲台跡の残る因習の島。そこでは、渋谷で老人が絶命した瞬間から、誰もが思いもよらないかたちで大きな歯車が回り始めていた。誰が敵で誰が味方なのか。あの日、この島で何が起こったのか。穏やかな島の営みの裏に隠された巧妙なトリックを暴いた時、あまりに痛ましい真実の扉が開かれる。――君は君で、僕は僕で、最善を尽くさなければならない。すべての思いを引き受け、鑓水たちは力を尽くして巨大な敵に立ち向かう。『犯罪者』『幻夏』(日本推理作家協会賞候補作)に続く待望の1800枚巨編! 内容(「BOOK」データベースより) 失踪した公安警察官を追って、鑓水、修司、相馬の3人が辿り着いたのは瀬戸内海の小島だった。そこでは、渋谷で老人が絶命した瞬間から、思いもよらないかたちで大きな歯車が回り始めていた。誰が敵で誰が味方なのか。あの日、この島で何が起こったのか。穏やかな島の営みの裏に隠された巧妙なトリックを暴いた時、あまりに痛ましい真実の扉が開かれる。すべての思いを引き受け、鑓水たちは巨大な敵に立ち向かう! 著者について ●太田 愛:香川県生まれ。大学在学中よりはじめた演劇活動を経て、1997年テレビシリーズ「ウルトラマンティガ」で脚本家デビュー。「TRICK2」「相棒」など、刑事ドラマやサスペンスドラマで高い評価を得ている。2012年、本作『犯罪者 クリミナル』(上・下)で小説家デビュー。13年には『幻夏』を発表。日本推理作家協会賞(長編及び連作短編集部門)候補となる。 著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より) 太田/愛 香川県生まれ。「相棒」「TRICK2」などの刑事ドラマやサスペンスドラマの脚本を手がけ、2012年、『犯罪者 クリミナル』(上・下)で小説家デビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
15投稿日: 2020.10.20
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
山波を追う鑓水たちが辿り着いたのは、瀬戸内海の小島、曳舟島。 正光の病院に届いた白虎からの葉書の住所から判明。 白虎は元校長の喜重。喜重は元新聞記者。大本営の正光と知り合い交流 大本命発表に従い疎開の記事を書く。東京空襲で死んだ子供達を救えなかったことを引きずり教師になった。正光は産婦人科医。 喜重は新聞記者を辞め薬中になった。正光が救い出した。 正光の死を確認するちその真相を伝えに見た山波を保護。追ってきた公安の半田を拉致。鑓水、相馬。修司が島を訪問。テレビ番組の取材を理由。 前島が岡山県警に捜査依頼。喜重達を逮捕した警察を島民はゆるさない 3人の脱出を協力・ 山波は前島から捏造データで新番組のキャスターを逮捕する会話を録音 音声データをネットで拡散。公安が削除。大手メディアは忖度。 キャスターと合流するが鑓水が公安に逮捕。 前島は派閥争いに利用されている。事実をオープンにしないと公安の責任になると説得。 前島は山波の認知症の母を誘拐。 キャスター逮捕を指示した政治家は議員辞任。 正光が天に向けて指さしたのは今なき玉電ビルのゴンドラ。 新番組の担当者は退社。 社長に正光が訪問した事実は女秘書から依頼者に漏れていた。 そこでは、渋谷で老人が絶命した瞬間から、大きな歯車が回り始めていた。穏やかな島の営みの裏に隠されたトリックを暴いた時、痛ましい真実の扉が開かれる…。
1投稿日: 2020.10.17超大作といえます。
上下巻併せての超大作でありました。 特に下巻では、上巻部分の謎解きが見事に描かれており、一気に読んでしまいました。 だだ唯一、読み応えがありすぎて、上下巻併せ、もう少し短かければ、間違いなく星5つの評価にしたと思います。
0投稿日: 2020.10.15
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
過去の戦争が絡んだ重いテーマで様々な思いが駆け巡って感想がまとまらない。 国の有事が最初小さな火から始まって戦争という大火になるという道のりは身震いするほど恐ろしかった。それとは真逆に、一人に端を発した小さな静かに燃える志が戦後沈黙していた者たちや戦争を知らない命を生きる者たちを動かして、後半の反撃の大きな火に転じる展開は熱い感情がこみ上げる。 もうあの自由にものが言えない時代をくり返さないために、老いてなおそれぞれが最善を尽くす彼らの決意の固さに瞠目。これからを生きる世代にぜひ読んでほしいと心から願う。 B29が飛ぶ七十年前の空を私たちは知らない。けれど、その空に至った道のりを知り、本当に闘わなければならない敵は内にあるということを常に忘れずにいたい。正光の指差した空が未来永劫続くために…。
1投稿日: 2020.09.20
powered by ブクログサスペンス・ミステリー ということで手に取ったが 内容は深く濃い 今「報道」が問われている 政府べったり 戦時中の「大本営発表」と酷似している 記者が進んで忖度してすり寄っていく 老人の長い長いストーリーが語られる そこに込められているもの それに真っ向から立ち向かっていく若者 ハラハラしながら 読み続けた 面白かった 考えさせられた ≪ 天上の か細い葦を 指し示す ≫
6投稿日: 2020.09.13
powered by ブクログ下巻のとくに最後の方の内容のスピード感や濃厚感は手に汗握りました(反面、ややあっさりしてたかも) 戦時中、事実を報じることができない新聞等マスコミ、むしろ偽りの情報ばかり、今の中国、北朝鮮に似ている。(今の日本もいろいろありますが…)、この頃を知らない人間ばかりになる恐ろしさ。 素晴らしい作品でした。
2投稿日: 2020.08.24
powered by ブクログ戦時中の言論統制、公安警察を伏線に極上のミステリーに仕上がってます。ご馳走さまです。 あと、敵役も含めてキャラクターがみんな素敵です。
1投稿日: 2020.08.10
powered by ブクログめちゃくちゃ面白かったです。 強い想いに心打たれました。戦争の話が辛いけど、現実に抱えて生きてきた人たちがたどるであろう行動が、リアルに思えてかっこよかったです。巻き返しも、なかなか爽快でした。
1投稿日: 2020.08.10
powered by ブクログ始まりからテンポがものすごく良くて、のめり込むようにして一気に読んじゃった。ドキドキしながら真相を一緒に追っていくスリルは推理小説の醍醐味だな…ヤミツキになる…
1投稿日: 2020.08.08
powered by ブクログ犯罪者が修司、幻夏が相馬中心の物語なら、今作は鑓水の物語。鑓水の卓越した推理力と作戦立案力の理由が分かるが、理由はかなしい。 途中の戦時中のシーンがものすごくリアルで、それがあったからこそみんなが動いたことに納得がいく理由が付される。参考文献の多さから、丁寧な取材や調査をされたのだろうと推測できる。 シリーズ全般を通して、公権力へ立ち向かう姿が描かれているが、今作が一番スッキリとした終わり方をしてくれました。テーマがどれも重たく、読後はずしんと何か残るような感じ。いい読書をさせてもらいました。
2投稿日: 2020.07.30
powered by ブクログ上巻で広げられた風呂敷を丁寧に回収する下巻。 二転三転しながらも、着実に結末に向かっているという安心感があった。
1投稿日: 2020.07.07
powered by ブクログ失踪中の刑事を追い、瀬戸内海の小さな島へ。 渋谷の交差点で亡くなった男性と島民と失踪中の刑事。 どんな繋がりがあるのか? 『上』巻で乗ってきたところで『下』巻へ突入。 これまた途中は、なかなか重いテーマで読むのに時間がかかりました(汗) 読み応えもあり、最後はドキドキ。 おもしろく読めました。
2投稿日: 2020.06.23
powered by ブクログ全貌を知ると、とても長い時間を経た底深い後悔が最初のシーンに込められていることが分かった。その後、1000万もの費用に値する捜査の目的が話題から薄れていったが、最後になって漸く表面化したストーリー展開だった。 下巻も次々と危機迫る展開の間に、この話の核になる回想がしっかりと書かれている。関心を持ったのはその情報元だった。ノンフィクション?と錯覚するほどの史実が映像で頭に思い浮かんだ。 そして、タイトルとも関連するこの物語の主旨が"火は小さいうちに消す"ことだった。この部分は、著者が意図するノンフィクションではないかと感じた。読み応えがある作品だった。
2投稿日: 2020.06.19
powered by ブクログ途中、戦争の話が出てくるのでその時は難しすぎて眠くなったり読むのに時間がかかりましたが…その場面をのぞいたらもうどうなっているのか、結末まで寝る間も惜しんで一気見してしまいました。 太田愛さんシリーズはオチがしっかりしていてかつ簡単すぎない感じが読みごたえがあり好きです。
1投稿日: 2020.06.14
powered by ブクログメインの登場人物は「犯罪者」「幻夏」に引き続き。今回の主題を考えるまでの伏線の仕掛けと登場人物の人物描写が膨大かつ精細なこともあって、「報道のゆでガエル」状態を非常に丁寧に描きだしている。非常に力作で、最後まで物語に引き込まれる魅力的な作品。コロナ下で家の中で過ごす時間が多くなった今、是非読んでもらいたい読み応えのある秀作。
6投稿日: 2020.06.08
powered by ブクログ戦時中の報道規制や疎開の制限とか詳しく書いてありました。火種は小さいうちに消さないといけない。現政権が次々にゴリ押しで理不尽なことをやっているのを見ると、声をあげていかないと取り返しのつかない事になるぞ!と思いました。折しも、ツイッターで国民の怒りが爆発。検察庁法改正案は潰れましたね。
1投稿日: 2020.05.28
powered by ブクログシリーズの3作目。 面白かった~。 鑓水の計画を読者にも教えておいてくれればいいのに、ドキドキする~!っていつも思う。 改めて言う事でもないが、戦争は恐ろしい。 そして、これは今まで考えた事もなかったが、戦争と報道について。当時の新聞が、そんなにひどい状況だったなんて、思いもしなかった。 今の世の中は情報があふれていて、真実を見極める力が大事なんだって思った。 そして、「火は小さいうちに消さなきゃならない」という事。今の安倍政権の事を言っているようで、ものすごく焦った気持ちになる。 私たちが気付かないうちに、色々なことが決められていってしまっている。大火になってからでは遅いのに。 正光医師が最後に指さした空。てっきり戦闘機がいっぱいの戦争中の空なのかと思ったけど、いつかのテレビで見たことがあるけど、渋谷の空に張られたロープウェイを指してた。幸せの青空。それを守っていくのが大人の役目なのだろうと思う。 いろいろ深く考えさせられる作品だった。 *** 失踪した公安警察官を追って、鑓水、修司、相馬の3人が辿り着いたのは瀬戸内海の小島だった。そこでは、渋谷で老人が絶命した瞬間から、思いもよらないかたちで大きな歯車が回り始めていた。誰が敵で誰が味方なのか。あの日、この島で何が起こったのか。穏やかな島の営みの裏に隠された巧妙なトリックを暴いた時、あまりに痛ましい真実の扉が開かれる。すべての思いを引き受け、鑓水たちは巨大な敵に立ち向かう!
1投稿日: 2020.05.25
powered by ブクログ内容(「BOOK」データベースより) 失踪した公安警察官を追って、鑓水、修司、相馬の3人が辿り着いたのは瀬戸内海の小島だった。そこでは、渋谷で老人が絶命した瞬間から、思いもよらないかたちで大きな歯車が回り始めていた。誰が敵で誰が味方なのか。あの日、この島で何が起こったのか。穏やかな島の営みの裏に隠された巧妙なトリックを暴いた時、あまりに痛ましい真実の扉が開かれる。すべての思いを引き受け、鑓水たちは巨大な敵に立ち向かう!
1投稿日: 2020.05.11
powered by ブクログ鑓水さんかっこよかった 色々伏線回収されるし、話が深くて面白くて、感動できるところがあって考えさせられた。 戦争の恐ろしさをこんなに詳しく感じたのはなかなかない。 捜査の方法とかが面白かった!
1投稿日: 2020.04.28
powered by ブクログ失踪した公安の刑事・山波を追って瀬戸内海の曳舟島にやって来た鑓水・相馬・修司の三人自身も公安に追われる身になっていた。島を歩き、山波の行方を捜す三人だが、なかなか見つからない。渋谷で亡くなった老人・正光の謎と山波の失踪に関わり、様子のおかしかった鑓水の出生の秘密、戦中・戦後を生き抜いてきた曳舟島の老人たちと正光の想い。 その思いを受けて、大きな賭けに出た三人。最後までハラハラドキドキだった。欲を言えば、相馬がその後どうなったか、知りたかった。
0投稿日: 2020.04.19
powered by ブクログどのような展開になるのか、白狐は誰なのか、と気になり読むペースが上がっていく。 面白かった。 多少戦時中の場面が長い感じがしたが面白かったと思う。 ただ訴えたい事や作者の思想が分かると少し冷めてしまった。一方で戦後の報道界や教育界に置いて左派的な思想、方針が現在でも脈々と引き継がれている事が分かる気がした。
2投稿日: 2020.04.09
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
やっぱりこのシリーズ大好き! 戦争の場面は知らないこと知らない言葉が多く 若干読み疲れてしまうものの その場面のおかげで島の人たちの思いなどが すっと入ってきやすい気がした。 3人の逃亡劇や最後の作戦はハラハラして面白かった。
0投稿日: 2020.03.25
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
靴の中の小石のように、小さな違和感を感じた時が大事な分かれ道になるのかもしれない。小説では『小さな火のうちに』と表現されていたが大火事になってしまったら、もはやそれが誰もがおかしいと感じていても誰にも消化することができない。ただ眺めるしかできない状況は、まさに今の時代に起きている出来事と重なる。
0投稿日: 2020.03.22
powered by ブクログ2020/3/14読了。 「犯罪者」の時と同様、途中で「やっぱり上下巻になっていると、この作者の作品は『長い』な〜」とため息をつくこともあったけれど… 少し荒唐無稽なところもあるけれど… 重厚なテーマ、先が読めないストーリー、洒脱な会話、そして息を飲むようなアクション、すべてがうまく噛み合って、とても魅力的な作品になっていると思う。 主人公3人のキャラクターとその深い結びつきによって、なんとか納得できる結末になったのも、個人的にはほっとできて良かった。 緊迫した場面でも、クスッと笑ってしまうような描写もあり、ふっと力を抜けるのも良い。うまい。 いつも大変な事件に巻き込まれてしまう鑓水、相馬、そして修司には、少しゆっくり休んでもらいたいと思うけれど(笑)、 読み終わってこの3人と離れてしまうのは寂しいし、辛い。 どんなに面白いと思った本でも、再読、ということは今までほとんどしたことがないけれど、 今回はまたすぐ、最初から読み直そうかな?と思ったほど、大好きな1冊。 (そして本当に読み直しました) 今現在、コロナが世界中で猛威を振るい、いろいろと難しい時ではあるけれど、この本を読んでいると救われた。 曳舟島の人たちをはじめ、主人公3人に協力してくれた人たちのように、「良心」を持った温かい人たちがいつまでも幸せに暮らせる世の中でありますように。
2投稿日: 2020.03.15
powered by ブクログ日本の歴史は現代史をおざなりにしている。戦争の歴史を見て見ぬふりをしてきたおかげで、この本によって知る歴史がたくさん出てきた。 と言いつつ、戦中の話が苦手なので、だいぶ気持ちは落ち込んでしまったし、下巻の大半を占める部分が回顧録であるのは、太田愛がそれだけ伝えたかったことであり、今後の日本に対する警告であることがすごく伝わった。 おかげで3人の反撃はテンポも良くて、一気に読んでしまった。
0投稿日: 2020.03.07
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読み終わるのが惜しいくらいおもしろかった。 いや、正直初めのうちは「白狐がだれかわかるまでが長くない? 今回の鑓水・相馬・修司シリーズ失敗じゃない?」なんて思ってなかなか読み進まなかった。 それが山波の話になってから一気に引き込まれた。 山波と正光の話し合いではわけもなく泣きそうになり、鳥山と溝口が公安に問いただされてるシーンでは、頑張れ頑張れ、と思わずにいられなかった。 太田愛さんがこの本を今書かなければ、と思った気持ちがよくわかる。 日本がこの先間違った道へ再び進みそうになった時、私はそれに気づけるだろうか……。
0投稿日: 2020.03.04
powered by ブクログ最近久しく本屋に足を運んで無かったのですが、何となく寄った本屋で、なんとなく目に入ってきたので購入しました。 久しぶりに読んだ小説でしたが、土日で一気に上下巻を読みました。 元々脚本作家さんが書かれたどういうことで、話のテンポが良いです。 また、戦争と報道という非常に政治.社会的に重いテーマでありながら、ドラマチックでエンターメント性が高い作品だと思います。 読んでよかったです。
1投稿日: 2020.02.12
powered by ブクログ主題は「報道の死」 現在の安倍晋三による言論統制と腑抜けなマスゴミへの痛烈な批判がテーマであり、2020年の日本への重大な警告。特に下巻150ページ前後から300ページ過ぎまでの内容は、本来なら学校教育で反省とともに必ず教えなければならない史実であり、今も自民党政権が隠し続けているこの国が現実に犯した大きな過ち。幻冬舎では絶対に出版できない本。犬HKや産経、読売などの自民党広報誌の記者やアナウンサーに是非読んで頂きたい。
1投稿日: 2020.02.09
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上巻のスリル溢れた展開から、瀬戸内海の島へ渡ってからの場面の変化がよかった。ここからは東京空襲の辛い戦時中のことが長々と語られ、辛かった。 なかなか敵の意図がわからなかったが、読み進めていくうちに、かつての人気経済評論家U氏もこうして嵌められたのでは?と考えてしまった。 次のシリーズが読みたい。読み終わって寂しい。
0投稿日: 2020.02.02
powered by ブクログ上下巻、とても内容の濃い小説。 改めて、戦争の怖さと歴史が繰り返えされつつある現代の状況に背筋が凍る思いがしました。 3人の活躍をまたみたいです。
0投稿日: 2020.01.31
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戦争の怖さ 何事も小さな火から始まる。 正光氏が天を指差し逝った理由が切なく、また指差した先にあったロープウェイの暖かさ。 その後、表紙を見た時の感動。 太田愛さんの本、他も読もうと思いました。
0投稿日: 2020.01.25
