Reader Store

総合評価

205件)
4.6
136
53
9
2
1
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    読み応え十分。重いテーマでメッセージ性が強く、考えさせられる問題提起もありながら、スピーディーな展開。面白いという表現で良いのか、語彙力がなく上手く表せないですが、どんな展開になるのかワクワクしながら読み進めました。 下巻は凄い。上手く行きそうで上手く行かない、でもそれは想定の範囲内であったり、二転三転。 結末をどう締めくくるのかが難しいと思ったけれど、この結末は良かったと思います。 何でもありではないけれど、思ったことを誰にも言えない窮屈な世界は駄目だと思いました。人間は恐ろしい。

    55
    投稿日: 2025.11.13
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    テーマは重厚なのにハラハラしながら楽しんで読めるのがすごい。権力を持つ一部の人が作る、大きな流れに漫然と乗っていると取り返しのつかないところまで行ってしまう。そこに警鐘を鳴らす作家さん、ジャーナリストさんのメッセージをしっかり受け止めたい。オールドメディアと揶揄されるけど、責任ある立場で本来のジャーナリズムの役割を果たすメディアを信じたい。

    15
    投稿日: 2025.11.10
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    第3弾 下巻! 言論統制の時代か… 「国家総動員法」 太平洋戦争下では、言論、出版、集会、結社などに関する自由が大きく制限され、政府による報道規制や言論統制が実施された。 「大本営発表」に見られるように、政府は虚偽の情報発信を行い、言論統制と結びついた。 島に住んでいる老人たちの過去、戦時中の話は、なんか辛い。負けてるのに勝ってそうな報道するわ。 疎開もあまり進めず焼夷弾は、簡単に処理できるとか… で、実際に空襲になって傷付くのは庶民。 今の時代にないわ!って切り捨てられるのか… 私のような最下層の者からは、想像もつかないところで、徐々に… そういうのを危惧して、こんな作品書いたんかな? 歪められようとした事実を防ぐために(借金を返す為という説もある)、行動する 鑓水、相馬、修司の3人! 公安、政治家を罠に嵌めて、何とか阻止に! 鑓水さん、ボコボコやけど… エンタテインメントとしても楽しめた! やっぱり、飄々としてるけど、頭の良い鑓水さんがええ感じでした〜 体力ないけどね(^◇^;) こんな人に憧れるけど、飄々とは出来ても頭が…_| ̄|○ 「曳舟島の老人たちから聞きました。まるで空気が薄くなるように自由がなくなっていったあの時代のことを。着たいものを着る自由、食べたいものを食べる自由、読みたいものを読む自由。気づいた時には誰も何も言えなくなっていた。思ったことを口にしただけで犯罪者とみなされる時代が来るとは、誰も思っていなかった。あなたも覚えているんじゃありませんか?少しずつ自由がなくなっていった時代のことを」 (本文より) こういう時代に戻らないように、少しでも力になりたいね!

    98
    投稿日: 2025.11.06
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    やっぱりこのシリーズは満足できるなぁ。ズッシリしながらもエンタメ。それだけに多くの人に読んでほしくなる。多くの人が読める筈なだけに。このトリオも好き。続いてほしい。

    2
    投稿日: 2025.11.06
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    なんかすごい考えさせられた。 改めて権力って色んな意味で怖いなぁと思った。 渋谷の事件からこんなふうに物語が繋がるのは思いもしなかった。

    19
    投稿日: 2025.10.19
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    物語として面白いだけじゃなく、社会派ミステリーとしてのメッセージ性をしっかり感じるのがこの三部作の凄いところだと思う。

    2
    投稿日: 2025.10.18
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    「犯罪者」「幻夏」を読んで好きになった太田愛さんのシリーズ。主人公たち3人のキャラクターに惹かれ、早く読みたくてうずうずしていた本作品。 主人公たちだけでなく、これまで登場していた人たちも出てきて、ワクワクした!(個人的に服部はわりと好きなキャラだったので、鑓水とのやりとりはクスッとなった笑) 内容としては、戦時中の話が多く出てきたので、読んでいてしんどくなるかなと思っていたけれど、情報量がすごすぎて、かなり勉強になった。戦時中のこと、知らないことが多すぎて、ショッキングな内容はたくさんあったけれど、この作品を通して知ることができてよかった。 テレビやネットで様々な情報が飛び交う日々、そこに出回っているものは当たり前に真実だと思っていたけれど、なんでもかんでも鵜呑みにしてしまわないように、真実はどこにあるのか、しっかりと考えないといけないと思った。 と言いながらも、実際のところはメディアで取り上げられていることを自分は信じてしまうんやろうなあ。 願わくば、これからの世も報道機関が誠意を持って国民に正しいことを伝えてくれますように。 読み始めからずっと続きが気になって、読む手が止まらずあっという間に上下読みきったけど、読み終わるのが寂しかったなあ~。 また鑓水、相馬、修司の3人に会いたい!

    2
    投稿日: 2025.10.12
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    非常に心をつかまれた。思いもよらない方向に話が進んでいって意外な内容だったけど、大切な話だった。現代の日本の社会に対して、本当に全て正しいのかと読者に疑問を抱かせるテーマでここまでの話を書けるあたり、太田愛すごいなって思った。あと、街を歩く老人への見る目が少し変わった気がする。

    1
    投稿日: 2025.09.24
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    怖かった… ここ数日、アフリカのホームタウン問題に、アメリカのチャーリー・カークさん、フランス、ネパール、ドイツ…世界中がえらい事になっているのにTVでは全然報道されない。 というかここ数年TVの報道の在り方に疑問が生じてもうそれほどTVを付けていない。 だから、今生きている現実と本があまりにもリアルすぎて怖かった。 正直、TVの言っていることを鵜呑みにしてのほほんと生きていられた頃に戻りたい。 でもそんなことしてたら、また気付いた時には何も言えなくなっている時代に戻ってしまうんじゃないかという恐怖もある。 今はTVも新聞もネットの情報も全てどこかに何かに忖度しているんだろうと疑いの目をもって見ている。 正しい情報を得る力が欲しい。 それに負けない強い精神力が欲しい。 戦時中の描写も生々しくて本当に怖かった。 入り込みすぎて出口が分からなくなった頃にふっと時代が現在に戻る。そこでハッと気付いてようやく息ができる。 こんなに読んでいて怖かったのいつ以来だろう。 この本はフィクションだから、ホッと終わるけど、現実世界、まだ間に合うのか⁉︎間に合ってほしい!と祈りながら本を閉じた。

    55
    投稿日: 2025.09.12
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    なぜ今になって 老人はあの空を指ささなければならなかったのか… まるで残された命を燃やし尽くすようにして… 老人の不可解な死と 公安警察官の失踪を調べるために 鑓水、相馬、修司は瀬戸内海の小島にたどり着く 老人が絶命した瞬間から 小島では大きな歯車が動き出していた… 穏やかな島の営みの裏では 大きな秘密を隠すべく 公安の警察官をも巻き込みながら 巧妙なトリックを仕掛けていく… 人生の最期に流れる時間は 降り積もる雪のように 現在の風景を覆い隠して 過去へと押し戻すのかもしれない… 闘えるのは 火が小さなうちだけだ やがてその火が繋がり 風が起こり 風がさらに火を煽り 大火となれば誰もなす術がない もう誰にも どうすることができなくなる… そうなる前に 鑓水たちは大きな敵に 真っ向から向かい 最後の賭けにでる 大きな敵に挑んでいる時は 特にハラハラドキドキした!! まるで自分が目に見えない何かに 追われてるようだった そして老人が雲ひとつない空を指さしながら 絶命した意味を知ったとき… また上巻の1番はじめの文章に戻ってくる構成に ぞわぞわと鳥肌がたった!! すごい!すごい!すごい!すごい!すごい! 今日はこの余韻を味わいながら 眠りにつきたいと思う(大満足!!)

    0
    投稿日: 2025.09.08
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    言いたい事を言い、やりたい事を自由にやれる今の世の中を当たり前のように思っていた。しかし、それが当たり前ではない時代があったという事実に目を背けてはいけない。同じ間違いを繰り返してはいけない。

    10
    投稿日: 2025.08.31
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    苦しみと喜びと入り混ざりながら、本当に読めてよかった1冊になりました。 上巻からのスピード感を失うことなく、白虎を突き止めるまで、そして公安との駆け引きの緊張感でページを捲る手が止められませんでした。 上巻から引き続き情報量は多いし、内容的にも苦しくなる瞬間も多々ありました。それでも読んでよかった。 ジョージオーウェルの「1984年」を思い出しながら、「1984年」を読んだ後と同じく満足感でも喜びでもない、でも確かに頭と心が満たされている気持ちになりました。 結末も、個人的には前作の「犯罪者」より好み。未来に希望を持てる。 鑓水たちのシリーズはこの3作で終わりなのかなあ、もっと読みたいなー! 太田愛さんの作品、ハマりそうです。

    4
    投稿日: 2025.08.06
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    白昼渋谷で死を遂げた老人が指さした先に何があったのか? きな臭い依頼から公安に追われることになった探偵たち "権力による言論統制"で繋がってきたのは先の大戦の記憶 複雑に絡まった事実と虚偽と迫りくる公安の手が緊迫感を膨らまし、物語に没頭させられる はたして事件は解決し、謎は解かれるのか? とても楽しめました

    4
    投稿日: 2025.07.25
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    上下巻、長かった〰️ 挫折しそうだった。 公安がよくわかってないからか難しかった 戦争末期 都合の悪いことは隠し報じない報道機関。 情報操作 なんとなく人々も戦争に負けると気づきながら 口には出せない。 この時代の軍部の情報操作に恐ろしさを感じる 鑓水、修司、相馬の3人のシリーズ3作目 前作2作と比べて、 暗い戦争時代 と現在の公安の情報操作がテーマ で少しわかりづらいところはあったけど、なんとか読み終えた。 また、この3人のシリーズ続編書いてほしいな

    1
    投稿日: 2025.07.20
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    ホームパーティーで出会った男女がとある異国で再会して真実の愛を見つける物語と酒をこよなく愛する知人に勧められて手に取る。 後半の怒涛の追い上げ、残りページ数から、これ終われるの?と思ったけど、めっちゃスッキリした。

    1
    投稿日: 2025.07.18
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    まさか戦争時代の話とリンクしていくなんて思わなかった! 鑓水の出生の秘密が戦争と関係があったり。戦時中の理不尽さとか恐ろしさとかと読んでいて辛かった。 現代の事件と戦時中の後悔が重なり合うお年寄りたちの連携プレイが良かった! 寿命が尽きてしまい切なかったけど、やり切った感がある! 相変わらずハラハラドキドキ! 鑓水、修司、相馬の活躍をもっと読みたい!

    1
    投稿日: 2025.07.09
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    フィクションとしてもちろん面白かったですが、戦時中の話は読んでいて胸が苦しくなりました。そして、この3人のシリーズはどれを読んでも面白いです。

    2
    投稿日: 2025.07.02
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    相変わらず社会派ミステリーとして圧倒的な読み応えと面白さでした。 報道の自由が奪われていき、弾を補充するように人の命が投入されては消えていった戦時の話の数々を通して、「今現在があの時にどんどん近づいていっていないか?」という警鐘を鳴らす作品。 社会派作品としてのメッセージ性の強さや素晴らしさはもちろん、ストーリー展開もすごく良い。 文量がかなりあるけれど、中盤から終盤にかけて頁をめくる手がどんどん早くなるし、止まらなくなる。太田愛先生の作品らしく今回もまるでドラマを見てる時のような、ハラハラドキドキを味わえました。 やっぱり太田愛先生はすごまじい…『犯罪者』も『幻夏』も良かったけれどこちらの作品もすごくすごく良かった。読み終わったあと、なかなか余韻が抜けなかったです。 あと鑓水、相馬、修司のキャラクターや関係性がとても良く、読んでいるうちに愛着が強まって同シリーズをもっともっと読みたくなりました。 これだけ重厚感ある話が続いていると、次の作品も自然とハードルが上がってしまい執筆が大変だとは思うのですが…。それでもシリーズの続きを強く期待しています。

    1
    投稿日: 2025.07.02
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    戦時中、国民総動員に向かうプロパガンダとして、新聞や放送などジャーナリズムが国家によって操作されていくことの恐ろしさをまざまざと感じた。 結局、あの大戦はだれが向かわせ誰にとって有益なものだったのだろう。日本中を焼け野原にし数百万人を死に至らしめ、学ぶことも個人の意思もすべて取り上げられ、飢えや病が蔓延した時代。 加害者も被害者も大きさの違いはあれど・・・ 真実を知りながらも公安という組織が日本中を統制し、声を上げられなかった人々はその罪を抱えながら戦後を生きていく。 焼け野原に降り立ったのは米人だったが、もしアメリカがこなかったら日本はロシアか中国に支配されていたのだろうかと思うと、空恐ろしくなる。 そして、奇跡の復興を果たした日本の好景気を後押ししたのが、対岸の朝鮮戦争であったということも悲しい現実だったのだ。 私たちが知らないうちに国家によって統制していくようなことが悲しい現実にならないよう正しいものを見極める知恵を持たないといけない。知識ではなく知識を。 立ち向かった3人の男性たちと、罪を忘れずに戦後を真摯に生き抜いた人たちと警察や国家権力との攻防に引き込まれた数日間だった。

    0
    投稿日: 2025.06.29
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    下巻は一気読み。 満足度の高く、深い読後感をもたらしてくれた社会派ミステリー。戦時中の状況、登場人物の言動など描写が素晴らしく感情が揺さぶられる。凄い。

    36
    投稿日: 2025.06.23
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    かなりの大作。そして力作。 ミステリアスな導入部から一気に引き込まれ、長いだけあってところどころ冗長で分かりにくい場面は出てくるものの、概ね退屈することなく最後まで読めた。 終盤の第二次大戦中のシーンなどは、切迫感満載なページと、ダラダラと長ったらしいシーンが交錯していて、なんだか勿体なかったかな。 相変わらず主人公3人に魅力が乏しいのが残念だが、水準をはるかに超える作品であることは疑いようがない。 よくこれだけの内容を書けたなと、作者には感心するばかり。

    0
    投稿日: 2025.06.20
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    (備忘)シリーズ3作目。このシリーズは登場人物も魅力的ながら、序盤から終盤にかけて大きくなる話のスケールが段違いで、先が読めず怒涛の展開に驚かされてばかり。本作のテーマはメディア。情報はなんでも鵜呑みにせず自分で判断することが大事だと改めて思いました。 それにしても、本シリーズの続編まだ出ないのかなあ。心待ちにしてます。

    0
    投稿日: 2025.06.15
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    犯罪者読んでむちゃくちゃ面白かったんでこちらも読み終えました。犯罪者超えはさすがになかろうと思いながら読んで、結果的に犯罪者超えはしなかったですが面白かったですね。途中じいさんの過去の話しは歴史の授業かと思うくらい話しが入ってこなくて苦戦しましたがそこは私の拒絶反応が原因かと。。笑 鑓水が勇敢だなぁと、みんなですけど、島のみんなも、勇敢な男たちがでっかい敵に立ち向かってく姿はやはり面白いです。

    1
    投稿日: 2025.06.14
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    老人は、渋谷のスクランブル交差点の真ん中で空をふり仰ぎ、蒼穹の1点を指差して絶命した。 その衝撃的な場面から始まる上巻は、それでもいつもの3人の快活な動きや会話で、クスッと笑えるような楽しさも含まれた。 けれど下巻で真相が明らかになるにつれ、それは読み進めるのも耐え難いほど、過酷な地獄があった。 戦争とは、お国の為と戦い抜いた尊い命を奪い、残された家族の命も奪い、そして奪わなければならない立場の人たちの心を奪った。 今まで生きた70年近くの人生を全て捨ててでも、立ち上がらなければならなかった老人たち。 その時代を真摯に生き抜いた人たちの壮絶な覚悟がそこにはあった。 凄すぎて心が震えた。人はなんて愚かなんだろう。人はなんて純粋で美しいのだろう。 国はいったい何をいつも守ろうとしているのだろう。 鑓水、修司、相馬さん、頑張ってくれてありがとう!いつも、破茶滅茶な3人は希望の光ですね。

    19
    投稿日: 2025.06.14
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    やっぱり、このシリーズは面白かったです。 途中の過去シーンは、ズーンと来るけど、その時代があったということは忘れちゃいけないと。 ドラマをひとつ見終えたような満足感でした。

    2
    投稿日: 2025.06.10
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    1作目も2作目も凄かったけど、3作目が一番面白かった…! スケールが大き過ぎて、「全貌が全く見えない…謎が深まるばかり、面白い…」が上巻、下巻途中から「なるほど、繋がった!!」と興奮しながら一気読み!お陰で睡眠不足です… 太平洋戦争の描写が丹念で(参考文献の量がすごかった)、気持ちを揺さぶられるので、心が健やかな時に読むのをお勧めします。

    5
    投稿日: 2025.05.21
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    シリーズものの三作目。一作目が面白すぎて超えないかなーと思いながら読みましたが、今作が一番面白かったです。 またこれまでの作品も社会派の要素が存分に入った作品でしたが、社会に問いかけるメッセージ性もこの作品が一番強かった気がします。 でも、太田愛さんのすごいところはここまで濃密なメッセージを小説に託しつつミステリーとしての速度感は落とさずに、強いメッセージ性と物語としての流れ・おもしろさを共存させるところです。 シリーズ4作目も楽しみにしています。

    1
    投稿日: 2025.05.06
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    鑓水が賢過ぎる…。よく思いついたなあの作戦。 初めは冷たかった島の皆が協力してくれる件は熱くなる。 戦時中の言論統制についても分かりやすく描写されていて、SNS等が発達した現代においても他人事じゃないとしっかり警鐘を鳴らした作品となっている。 鑓水シリーズまだまだ読みたいんですが、これが最後なんですかね…? 期待して待ってます。

    4
    投稿日: 2025.03.09
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    老人が、渋谷スクランブル交差点で、空に向かって絶命するまで指差していた意味がラストに分かる、、、と、ともに号泣。

    4
    投稿日: 2025.02.26
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    よかった。最後の数ページで涙が出た。 そういう意味だったのか。 今回もどんどん読ませていって、グイグイ引き込まれていった。

    7
    投稿日: 2025.02.22
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    このスピード感、たまらなかった。 今まで曖昧で私の中でも納得いっていなかった空を指さした理由が最後の最後で腑に落ちました。どこまでも国のことについて考えていたとも取れるがそれ以上に、個人の良心故の理由で温かかった。解説で"天上の葦"の意味を知り、そこに込められた深い意味に心が揺さぶられました。 鑓水、相馬、修司の3人、ずっと読んでいたい。それほどにバランスの取れた3人。三部作読み終えてしまった、、、大変満足の三部作でしたが、もっと読みたい欲が強すぎてなんとなくぽっかり心に穴が空いた感じ

    1
    投稿日: 2025.02.21
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    老人が指差したもの。 感動してしまいました。二度と起こしてはならない惨事(B29)かと思ってたけど、護りたいものだった。 ストーリーは秀逸で、満点。でも、構成に難あり。 全体の3/4辺りで全容が判明するのだが、そこから老人たちの回顧が続く。この本にとって非常に重要な内容なのだが、「さあ、これから解決に向けてどうなるのか!」というタイミングで、延々80ページ戦時中の回顧が続くと、ダレてしまう。 映画やドラマなら、終盤の手前にまとまって回想シーンが続くのもありだと思う。例えば全10話のドラマで第8話がまるまる回想シーンでも、楽しく見れる。 でも、小説では如何なものか? 回想シーンを途中で小出しにする手法もあったとおもう。 また、鑓水達にはあのタイミングでこれだけの回想シーンを聞いてる余裕はなかったはず。そこにも違和感があるし、鑓水や相馬が戦争の細かい点に詳しすぎるのもしっくりこない。 という点が気になるので、★は1コ減らしました。

    0
    投稿日: 2025.02.12
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    上巻から続き、鑓水・修司・相馬の3人は曳舟島にいると思われる山波を見つけるため、山波が来た日の老人たちの行動を探る。何故正光はスクランブル交差点で空を指さしながら死んでいったのか....事件の全貌が明らかになっていく。 今回もめちゃくちゃ面白かった。義重・松林・勝利と広斗が山波を半田から匿うため睡眠薬を飲ませる所や、立住が冤罪をかけられ逮捕され、それを事前に知っていたのに本人に伝えなかった罪悪感からNNXを辞職した兵頭を今回の悪事を暴露するため記者が集まる会合に出席させるために鑓水・相馬・修司が公安や警察の追っ手を振り切る所のハラハラ感が凄かった。鑓水が半田に捕まったとこの絶望感はやばい。半田は殴ったりしすぎ。きらい。また、若き日の義重(白狐)と正光が経験した戦争中の回想が心苦しかった。情報は全て国が閲覧し決め、日本が戦争に負けていると言ったり書いたりしようものなら憲兵に引っ張られ拷問や負けている戦地に送られる。義重は記者として日本は負けていると知っているにも関わらずその事は検閲に引っかかり書けなかった。代わりに正光と共に疎開を促そうと一生懸命に記事を書いた。だが、政府が作る法は女子供、老人を消火要員や軍需要員として都市に縛り付けて空襲から逃げられないようにしていた。とうとう都市にB29がやってきて爆弾が雨のように降った。多くの女子供、老人が死に焼死体の山になった。国が情報を完全に統制することの怖さが感じられた。戦後子供たちがロープウェイに乗って笑っていたあの若き日の空を正光は指し、義重に戦中に起きたことを二度と起こさせては行けない、あの日のことを思い出せと伝えたかった。 鳥山と橋本もいい仕事するなあと思った。山波も公安から元の2課に戻れてよかった。

    1
    投稿日: 2025.02.04
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    『評価高いし面白そうだから読んでみよ♪』 なんて気軽な気持ちで読んだ私のような人は、読むのに苦労したかもしれません。 非常に濃厚な作品でした。 映画か、漫画でもいいから画(え)で観てみたいと感じました。

    2
    投稿日: 2025.01.25
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    シリーズ3作目で楽しみに取っておいた作品を満を辞して読みましたが期待通りの面白さだった。 マスコミ、報道、戦争を題材に私たちが思いもよらぬ、深く考えさせられる作品に作り上げる構成力は本当に太田さんは素晴らしい作家だと思う。 読み始めるのも焦らしましたが、読み終わってしまうのがもったいなくて読了も焦らしました。

    8
    投稿日: 2025.01.12
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    「犯罪者」「幻夏」に続くトリオシリーズ第3作。 瀬戸内の島での、島人とのやりとり、公安との攻防はスリル満点でした。 さすが太田愛って感じですよ

    0
    投稿日: 2024.12.03
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    こちらを読み終わって、今別の本を読んでいて、気付く。太田愛さんのすごさ、、、、 物語のスケール、文章力・表現力から来る臨場感、、、すごく心を揺さぶられる。 素晴らしすぎるのは大前提で、ただ自分の好み的に犯罪者・幻夏がのほうが好きだったから4 島での物語はおじいちゃんたちの団結物語(安っぽい表現で申し訳ない)って感じで、 みんなお歳を召している割に精神力・体力ともに90超え?とかそこらへんと思えず こんなにペラペラ語れるかなあ、車運転したりできるかなあ、 なんてことがずっと頭から離れず、ちょっと無理あるな〜と思いながら読んでしまった。 あと半田がめちゃくちゃ嫌いでした。 前島より半田がめちゃくちゃ嫌いでした。 戦争時の日本、こんなに事実をねじ曲げて報道してるとは知らなかった。日本のこと嫌いになりそうだった。 もう一生戦争しないでください。

    1
    投稿日: 2024.11.15
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    本当は5ポイントにしたい! けど、 自分の読解力のなさで4ポイントに…泣 重要な登場人物が多すぎて 何度も確認していたら 100%内容が理解できないまま 読了してしまった感じが… いろんなことが絡み合って あらゆる事が怖すぎて 本当に最後までハラハラ読めた作品 戦争が色々な所で起きている今 他人事では無い 今度の選挙も考えて投票しなければ! 平和で 平穏な毎日が 本当はとても素晴らしいんだって事を 教えてくれた はて 鑓水、相馬、修司トリオのストーリーは まだ続きがあるのかな?

    6
    投稿日: 2024.10.16
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    一日で読了。 シリーズ三部作を通して抜群の面白さもありつつ、考えさせられることも多くてとても勉強になった。 特に本作はストーリーの中に史実がたくさん含まれており、ただ勉強するだけではなかなか手が伸びないし頭に入ってこないが、本筋が面白すぎるだけに難しい内容もスルッと入ってきた。 そして巻末の参考文献の量に呆然。。 この三部作でメインの登場人物3人がそれぞれ主人公になったわけなので、シリーズ完結なのかもしれないが、太田愛さんは登場人物を魅力的に描くのが上手すぎるため、どうしてもまたこの3人に会いたい…!! 何年先になるかわからないが、いつか続編が読めますように。

    8
    投稿日: 2024.10.13
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    鑓水、修司、相馬がみんな生きて終わって良かった!この一言に尽きます。 三部作だと思っていたので、誰か死んで終わるのではと、ずっとハラハラしていました。 終わり方が今までで一番救いがあり、一番好きな作品になりました。 すごく恐ろしい話しだったけれど、実際に裏ではこういうことが行われているかもしれない。マスコミの報道を全て鵜呑みにするのではなく、しっかり自分で考えていきたいです。

    1
    投稿日: 2024.09.21
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    2024.8.25読了 上下巻合わせて約800ページ。 途中挫折しそうやったけど何とか読み終えた。 スクランブル交差点で老人が天を指差し卒倒。老人が指さしたものは何か? この設定でよくこのような作品が描けるなと感心した。 戦争、言論、報道様々なものに対して考えさせられる作品でした。 相変わらず鑓水、相馬、修司が警察から逃げる追われるの展開はひやひやどきどきさせられた。

    0
    投稿日: 2024.08.25
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    読んだタイミングもよく戦争の話しも、メディアの話しも厚くあり、いろんなところに展開が行くがそれぞれにもドラマがあり面白い。 テレビドラマ向きな作品。 それにしても主人公たちは頭の良い面々だな

    3
    投稿日: 2024.08.15
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    これはすごかった。最後の最後までよかった。 面白くてついつい読むのを止められない。 すごい物語。下巻は一気読み。 下巻はまず、島が舞台。公安と公安に追われる主人公たち、島民との駆け引き。白狐は誰なんだというミステリー要素。それだけでも十分だけれども、そこに太平洋戦争下での日本の報道規制の史実がより物語を重厚にする。 中盤はいかに戦時中、国が事実を捻じ曲げ報道機関を政府の機関として法で絡めとり、国民の意識を戦争へと盲信させたかの事実に胸が苦しくなった。 最後はもう怒涛の嵐だ。 自由に物が言えなくなり始めた時は、もう国がまずい方向に向かっているということ。 会社でも、家庭でもどのコミュニティーにおいてもそれは言える気がする。 終戦の日を迎える8月に偶然読めたのはよかった。 面白かった。 太田愛さん、凄すぎる。

    21
    投稿日: 2024.08.14
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    正光が空を指さしていた意味がわかるのだけど… その真実には戦時のこと、報道のこと、深〜い意味がありました。 やっぱりこの3人は大好き。 テンポ良いピンチからの脱出や、3人の掛け合い、また見たいな〜って思う。 伏線回収も完璧です。

    1
    投稿日: 2024.08.11
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    壮大なお話でした。此の時期に戦争体験をした事の無い自身かなり勉強になりました。 そもそも戦争を始めた第一人者は誰?愛国心を翳し国民を犠牲にして偉ぶるのは何時も間違えた考えを持つ上の人間… 本当に腹立たしい! 正光さんや喜重さんが日本のドップならきっと良い日本が訪れていたんだろうと思わせる1冊でした。

    0
    投稿日: 2024.08.05
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    スクランブル交差点での生中継中、老人が何もない空を指差し絶命。同じ頃、ある公安警察官が行方不明になり… この冒頭から、誰がこんな壮大なストーリーを想像できるのか。 早く読みた過ぎて身体が痛くなる程じっと読んでしまった。 やはりこの作者のミステリーは極上です。

    0
    投稿日: 2024.07.21
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    ボリュームはあったがあっという間に読んでしまった。報道の自由は昨今も問題になっている。(実際は問題視している人は一部で、気にしてない人も大半であろう。)テレビ局、雑誌も視聴率や部数を気にするあまり、インパクトのある低俗な情報で溢れている。そりゃあ難しい国政や国際問題の話するよりも、芸能人の不倫問題扱っている方が視聴率取れるのであればそっちの方が楽ですよねとは思う。ネット記事も普及してきて、さらに個人が発信できる時代になった今、情報を受け取る我々がその情報の真偽を吟味する必要があろう。これはいつの時代も変わらない。絶対に誰かのバイアスが入っているのだから。公平な中立な報道の自由などはあり得ないということを認識すしなければならない。そんなことを読んでいて思った。

    3
    投稿日: 2024.07.20
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    まだ読まれてない方は、とにかくご一読下さい。 総評★4以上の事実に、ひたすら同意です。 こりゃすごいもん読ませられましたよー。

    2
    投稿日: 2024.07.10
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    テレビドラマを読んでいる感覚。 キレイにシナリオ通りに進んでいく展開で、創作感はあるものの、ドラマだと人気が出る面白いドラマになるだろうなとも思う。

    0
    投稿日: 2024.06.21
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    間違いなく今年読んだ本のベストになるだろう作品。巻末の参考資料も多く、この複雑な物語をこんなに面白く読ませてくれる太田愛さんは天才だと思う。 下巻に入ってどんどん真相が明らかになっていく。特に戦時中の描写は本当に痛ましいし、正光や喜重ら老人たちが、罪の意識を何十年も背負いながら、そこから逃げることをせず生き続けた切実さに胸が締め付けられた。戦時中に国が新聞、雑誌などのあらゆるメディアを利用して国民を騙し、思ったことを口にするだけで犯罪者とされてしまう時代があったことにここまで注目したことがなかったけれど、世界でもまだ戦争が続いている現状からみても完全な他人事と考えるべきではないと思う。読むのにかなり体力がいるのだけど、先が気になって読む手が止められないし、テーマとしても日本人として本当に読めてよかった。戦争についてもっと勉強しないといけないな。

    6
    投稿日: 2024.06.07
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    上巻に引き続き、下巻に突入し、読了しましたが、いや~、読者の期待を裏切らない、本当に重厚なミステリー作品でした。 各々の登場人物が、ずっと持ち続けてきた自分の仕事に対する矜持の熱量に圧倒されまくりでした。 また、下巻において、瀬戸内海の小島で実際に起こった、ある日の出来事の真相が徐々に明かされますが、このくだりは本当に本書を読んで良かったな~と思わされました。 最初は、よそ者を排除しようとする島の住民ばかりと思われましたが、真相は・・・ そして、物語の後半、キーマンが語る若かりし頃の苦い経験・・・ 本書のラストで、物語の冒頭で起きた、ある奇怪な出来事の真相が語られます。 この部分は、その時のある人物の胸中を思いやり、不覚にも涙腺が緩んでしまいました。 ある人物、そして、キーマン・・・ 本書で語られる、それらの人物が過ごしてきた壮絶な過去、それらのリアルな描写によって、本書は珠玉の作品に仕上がっていると思います。

    1
    投稿日: 2024.05.26
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    真実を話さなかったり 隠蔽したり、、それは現在の政治でも繰り返し起きている。 私達は よく聞いて考えて進む道を見ないといけない。 自分の気持ち、感情を自由に表現できる時代に。 最後正光が空を指差して何を伝えたかったか それが伝わって良かった。

    0
    投稿日: 2024.05.17
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    YouTubeのおすすめ読書で手に取った。上巻は安定していたんだが下巻は、島での白狐さがしがやや冗長で、報道規制で子どもたちがいっぱい死んでといった説教臭い展開がなあ、ちょっと今一つに感じてしまった。

    0
    投稿日: 2024.05.16
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    失踪した山波を追って、曳舟島に到着。誰が白狐なのかを、探す。そして、たどり着いた真相は、戦前、戦中の言論弾圧を繰り返さないため、おじいちゃん達が立ち上がったのだ。 真相は内閣官房副長官が、メディアの発言を規制させる法案を可決し、メディアに政府の恐怖を叩き込むため、生贄として立住を完膚無きまでに叩きのめす事だった。それに気づいた、山波、鑓水たち三人はおじいちゃん達の力と根性のすわったメディアの人たちと協力する事で、逆に公安から内閣官房副長官を一網打尽にする。 戦中のやりきれない人々の思い、後悔などが胸を熱くする一冊

    0
    投稿日: 2024.05.01
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    …しかし、長い。。長すぎて初期設定を忘れてしまう。 第3部の解決編は怒涛の展開で一気に物語が進む。「そうだよ、望んでいたのはこれ!この息つく間の無い展開、手に汗握る駆け引きだよ!」 相当な調査と十分な取材、よく練られた構成によって書かれた大作であるのは間違い無い。しかし、私には島での話とそれ以外は何か別の物語に感じ馴染めなかった。戦時中の言論統制(史実)と現代のソレ(小説上の国家権力による圧力)とは余りにも次元が違う。 現実に目を向けると『国家権力による…、、』よりも寧ろマスコミ自身の驕りから来る過熱報道・偏向報道こそが問題となっているのではないか? 放送法など無視したTV局・ニュース番組・ワイドショー、行き過ぎた取材や取材対象者との約束・プライバシーを守らないなど、度々問題になる。マスコミ側にこそ問題があるのでは!? 結果、新聞は既にオワコン化しTVも急速に後を追っている。

    0
    投稿日: 2024.04.28
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    『犯罪者』ほど常に全力疾走、ではない。ミステリーでもない。 けれど時に真相に向けて走り、時に戦時中へともぐり、最後は未来にむけて願い、壮大さは三部作でも1番ではないでしょうか。 登場人物それぞれが よくも悪くも自分の信念のもと強く生きている。鑓水、相馬、修司の個性はもちろんのこと、公安部隊や島の人々、正光さんに関わる人々それぞれの思いに引き込まれました。 長編ゆえ手に取りにくい1冊ですが、ぜひ読んでみてください。

    10
    投稿日: 2024.04.17
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    本作もとても素晴らしい作品でした。上下巻1000ページほどの超長編作ですが、一気に読み進めることが出来ました。鑓水、修司、相馬達の第三作品目です。相変わらず皆さん本当に良いキャラです。複雑難題もこの3人が絡むとわかりやすく事を進めていってくれます。つまりは太田さんの文体がとても読みやすく、作中世界観に惹き込まれていくわけで、彼らの行動やその場の情景が目に浮かびます。 内容的には、国家思想、公安、報道メディア、言論のあり方といった人が生きていく上で正しく守られ維持されなければないならないものが、戦中、戦後の観点を主軸とし、では今現在がどうであるか、どういう方向に向かおうとしているのか、重く一石を投じている作品です。太田節が炸裂しているわけで、この作品を通じて伝えたいとするその主張に大変感銘を受けました。且つとても勉強にもなりました。特筆すべきは、大本営、戦中の情報操作や隠蔽、報道規制や言論統制のあり方は、現代のようなSNS時代では到底制御しきれないであろうと推測するわけですが、実は現代においてもある一定のレベルで統制された情報や隠蔽または忖度によって真実が見えてこない事が多いということ。つい先日の裏金問題然り。いつの時代も誰が何を守る事を前提に、どれだけ国民のためとなる情報が全方位的に届けられているのか、油断禁物という事です。改めて考えさせられる作品であると感じました。このシリーズはいずれも素晴らしい作品です。次回作にも大いに期待したいと思います。

    36
    投稿日: 2024.04.16
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    太田愛さんはどうやったらこんなに素晴らしい作品を書けるのでしょうか… これだけの事を事細かく書くには相当の資料を手にしたはず、と思っていましたが最後の参考文献の一覧を見てただただ驚きました。 下巻に入ってから1日で読んでしまいました。 戦争当時の描写、今もなお背負って各々が生きてきた想い、白虎さん達が語る度に何度も何度も涙が流れてしまいました。 恥ずかしながら平成生まれの自分は戦争について、教科書から学び、試験のために戦争の年号や事件名やちょっとばかりの詳細しか知りませんでした。 当時、それぞれの立場でどのような苦しみがあったのか。日本人としてきちんと歴史を学び直す必要を感じました。 (これは本書と関係無く、個人的な話なのですが…フィリピン人の母が日本人の父と結婚する時、唯一猛反対した今は亡き曽祖母は日本兵にきっと忘れられない事をされたんだなあ、と改めて思いました。日本人のひ孫の私に会うと分け隔てなくいつも優しくしてくれた曽祖母を思い出して涙しました) 後半からはいつもの鑓水達の大どんでん返し!最後の最後までいつも太田愛さんの作品は結末が読めません。 3人の背景も三作通して知ることができたので、今回で終わりなのかな…。 また3人の事件に巻き込まれたいです!!!

    2
    投稿日: 2024.04.15
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    「犯罪者」「幻夏」に続くクライム・サスペンス・シリーズの最後の一冊。 鑓水の推理が相変わらずキレキレで、上巻での謎が全て回収されて面白かった。戦時中の話が長かったけど、勉強になる部分も多かった。 最近はメディアの忖度が取り上げられるけど、別に政治にだけじゃなく、ジャニー氏や松本人志の初動報道を見ていると、もう結構火が回っているのではと思いながら読みました。 あと、この本にはかっこいいおじいちゃんたちがたくさん登場し、彼らがより作品を魅力的なものにしてますね。 文句なしに面白かったけど、やはり最後の終わり方が個人的にあまり好みではないかな。シリーズの中では一番読了感は良かったけど。

    7
    投稿日: 2024.04.02
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    戦時中の過ちを再び起こしてはならないという強い思いが人々を動かした。 その思いから、何かを守るために自分の人生を犠牲にしてまで尽力する人達がいた。 理不尽が渦巻く社会において、正義を貫ける人がどれだけいるだろうか。 過去に過ちを犯してきたからこそ、二度と繰り返さないと誓い、真っ当に生きられる人もいるのだ。 過って改めざる、これを過ちという。 悲しみ、怒り、焦燥感、色々な感情を揺さぶられるが最後には優しい気持ちになれるであろう良書。

    22
    投稿日: 2024.03.21
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    圧巻。。続きが気になり一気読み。 上巻の数々の伏線を見事に回収。考えることが多すぎて、感想が書けない… 戦争、戦時下の言論統制・報道統制。疎開がなかなか進まなかったのはそういうことだったのか…。 戦時中のシーンでは目を背けたくなるほど苦しかった。 一罰百戒。恐ろしいけど現代にもある話。。 メディアのあり方、受け取る側のあり方。 サスペンス小説、歴史小説、社会派小説でもある圧巻の内容。

    13
    投稿日: 2024.03.08
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    これは面白いと同時に、すさまじい作品。 忘れられない小説になると思います。 下巻は瀬戸内海の曳舟島から。 排他的な島の人たち徐々に入り込んでいく三人。 鑓水、修司、相馬が捜している人物はどこに? 島の老人たちの姿が目に浮かぶような描写が秀逸。 その一挙手一投足に、警戒心と親近感が揺れ動く。 そして、島まで追ってくる公安の捜索隊。 物語の最後までずっと続くハラハラドキドキ。 すっとぼけているようで頭脳明晰な鑓水。 軽妙なトークにクスッと笑わされながらも、 作品の重さに押しつぶされそうになる。 とりわけ、戦時中に行われていた報道統制。 国民に本当のことが知らされることはなかった。 「新聞は戦争が始まったと同時に死んでいた」 という言葉がずしんと重い。 世界には、今も戦火のもとで暮らす人がいる。 本当のことは知らされない国の人々もいる。 日本は絶対大丈夫、と言いきれる? 点だった火と火が線になり、面になり、 あっという間に巨大な火になる。 そして生き物みたいに荒れ狂う。 「常に小さな火から始まるのです」 交差点で倒れた正光が残した言葉が耳に残る。 正光が空を指さして何を見ていたのか。 それを突き止めることを依頼した元政治家の磯辺。 『犯罪者』で、スキャンダルの渦中にありながら 永田町を去ることで無傷のまま政界から去った人物。 今回は、利権のためだけに動いたのではなかったよう。 そこに一筋の光を感じた。

    44
    投稿日: 2024.03.07
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    戦時中ってこんなんやったんやと初めて知った。 戦争の話に入った時は正直読み進めるん面倒臭いと思ったけど、読んでるうちに興味湧いてきた! 登場人物もいっぱい出て来て混乱しつつも最後までちゃんと読めて良かった! 鑓水、修司、相馬シリーズもう続かんのかなぁ、、 またこの3人のん読みたいなぁ、、

    1
    投稿日: 2024.03.06
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    太田愛さん3作目。上下巻。 渋谷のスクランブル交差点で一人の老人が天を指差して死んだ。このダイイングメッセージの指す意味は…? 鑓水と修二の前に、1作目の敵、磯辺から依頼が入る。この老人の意味するものを調べろと。 時を同じくして相馬のもとには公安の前島から、失踪した部下を探すよう依頼が入る。 調べるうちに三人は、この失踪した部下と、死んだ老人に接触があったことを知り…と言った感じで展開していく。 今回の陰謀は情報統制。あるジャーナリストに罪をでっちあげて、国に対して反発的な報道をするとこうなるぞ、というでっちあげを行う計画を政治家と公安が立てる。 それを知った公安の刑事は、反発。首を突っ込みすぎて公安から狙われる。 母のいる老人ホームで会った高光は事情を知り、そんなことを起こしてはいけないとその刑事を自分の旧友、白虎に託す。 戦時中にあった、もはや国全体がおかしくなっていた、その時代の情報統制に高光は絡んでいたのだった。二度とそんなことは起こしてはいけないと。 最終的には最新のメディア、ネットを使用してこの陰謀は明るみに出る。 糸を引いていた政治家は依頼人磯辺の宿敵であった。だからこその依頼。 高光が指を指した先は。いつしかあった渋谷のロープウェイだった。子ども達の無邪気な笑い声を聞いた高光と白虎。こんな時代を、子ども達を、守らなければならないと誓った。そのときの子ども、時代を指差して、死んでいったのだった。 前後編で、テーマもかなり重い。特に前編は動きがあまりなく、読むのが辛かった。 1作目のような疾走感や2作目のようなノスタルジーさはなく、3作目はじっくりゆっくり腰を据えて、重いテーマをじわじわと展開させていく描き方。 3作全て、強大な権力に立ち向かう一般市民を描いている。作者は脚本家だから、やはり色々しがらみがあって書けないテーマもあったのかもしれない。テレビでやりづらいだろうネタをミステリーに隠して訴えてるように読めた。 後編に入って一気に動きが出てくるが、テーマが戦争なだけになかなか読み進めるのが辛い…でも目を背けてはいけない。 全国民の頭がおかしくなっていたあの時代。その時代の情報統制を引き合いに、今の時代の情報統制について疑問を投げかける作品だった。 3作読んでみたけれど、1作1作の味が濃すぎる。読んでスカッとはしないけど、今も近くにある闇に対して無意識な読者に対して、エンタメを提供しつつ警鐘を鳴らす描き方が凄まじいと感じた。 個人的には荒削りな1作目がエンタメとしては好きだけど、3作目はもう一度じっくり読んでみたいと思わされた。 続きが出ればぜひ読んでみたい。時間を忘れて読みふけってしまう作品だった。

    1
    投稿日: 2024.03.05
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    戦時中の話が結構ボリュームあって読むのに少し時間がかかった。犯罪者もそうだったけど、主人公たちはもちろんそれ以外のキャラクターも魅力的で良い! ぜひ続編出てほしい...!

    6
    投稿日: 2024.03.04
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    松林、勝利、喜重。誰が白狐なのか。初めはそれだけを考えて読み進んでいったが、誰が嘘をついているのかなんて小さな問題ではなかった。戦争中の話は経験してない者には本当の意味での理解はしづらいが、それでもあまりの惨憺な回想シーンに胸が痛んだ。鑓水たちが曳舟島から東京に戻ってから、どんな展開をするのだろうと思ったが、想像以上にスリリングで、どんどんページをめくっていた。 うまく事が進むかなと思っても、新たな問題が出てきたり、鑓水たちの作戦が難航したりと最後までハラハラさせられた。 鑓水、相馬、修司のキャラクターが本当に魅力的。 今回は3人に加えて山波のキャラクターも魅力的だった。 実直な感じがするけど、たまにセリフが面白かったりした。 鑓水たちとの間にどんどん連帯感が生まれてきて、仲間になっていく感じがよかった。 実写化したら、鑓水や山波はどの俳優さんがいいのかなと、読了した今考えています。 【好きなシーンのセリフ】 修司:「ったく、なんで病み上がりの山波より先にバテるかな」 鑓水:「喫煙者…心肺機能…低い」 山波:「私は肺炎だったんだが…」 特にストーリーに関係ある会話ではないが、山波が鑓水、相馬、修司たちの仲間に加わっていく感じが強く表れていた。

    1
    投稿日: 2024.02.19
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    終盤、警察が曳舟島に迫ってきて島から逃げ出す事を決めた時に勝利・松林・喜重の過去が明かされる。鑓水の「ひとつ聞いてもいいですか」から語り始めたのだが、切羽詰まった状況なのに戦争の話が長く語られて少し違和感があった。戦時中の言葉や生活、戦況、歴史に無知な自分は内容を理解するのに必死になり、歴史物の違う作品を読んでるかの錯覚に陥った。 しかし、『天上の葦』という作品を読み終えた時には見事なとタイミングで戦争の描写があり、成り立っていると感じました。 作中の様々な表現全てが伏線で、後々にキレイに話が繋がっていくので世界が無限に広がっているかのよう。筆致が丁寧で、作品に対する思いがたくさん詰まっていて読んでいて伝わってきます。これもまた傑作! 次回作はあるのか?3人のキャラクターがしっかりしていて面白いので期待して待ちます。

    68
    投稿日: 2024.01.14
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    これは傑作。すごい。ミステリーとしても、社会派小説としても、歴史小説としても、素晴らしい。はじめは正光氏と山波白虎の行動の理由として弱そうと心配したが、下巻でしっかりと描かれている。戦争を経験した人達から、実際に話を聞いたような気持ちになった。報道の危うさもちゃんと書かれている。そしてミステリーとしても文句なし。キャラクターも魅力的。伏線回収も見事。後日談があるのも好き。ご老人達も頑張りました。四郎も可愛い。 壮大な小説になったので、登場人物が多すぎた気がした。戦争の話も少し長かったかな。でもそこはしっかり描かなきゃいけないところなので仕方ない。

    26
    投稿日: 2024.01.10
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    太田愛氏が2017年に刊行したサスペンス小説。 本作は鑓水・相馬・修司の3人を中心とした物語の3作品目。 『天上の葦』は、渋谷のスクランブル交差点の真ん中で1人の老人が空を指差し突然亡くなってしまうところから物語が進んでいく。 物語りの序盤は鑓水・修司の2人と相馬が別々の依頼を捜査していくなかで、渋谷で亡くなった1人の老人に辿り着く。 そこから展開される老人が死の間際に指したものはなんだったのか? ぜひ本作を読み進めて鑓水たちと一緒に考えてもらいたいです。 それはきっとこれからの私たちにとって最も大事なもので、これから先もずっと続くことを祈ります。

    6
    投稿日: 2023.12.27
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    最初が何だったかわからなくなる程、とてもいろいろなことが起こり描かれてる大作。話が重厚なだけに、下巻でもかなりの部分を割くことになる戦時編はこの中になくてはならず、教訓にも溢れたものではあるが、その分流れがぶった斬られてる印象もある。終盤部に入ってからは一気に畳み掛けてくる勢いが凄いし、それまで鬱積したものも流れ出し、ラストの締め方も相俟ってすっきりした読後。参考文献の量に驚いたが、まあそりゃそうだ。いやー読んだ!という感じ。

    17
    投稿日: 2023.12.25
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    ついに鑓水さんのお話‼️ すごい‼️時代を超えたストーリーに圧巻。 私も祖父にもっと戦時中の話を聞いておくべきだったなぁと反省もする。 いつも太田愛さんの作品を読んで思うんだけど、解決の糸口が見えると困難が襲いかかる。だからこそワクワクするんだけど。匠だよなぁ〜と毎回感心してしまう。 しかもとってつけた困難じゃないのがすごい‼️ 毎回大作をありがとう‼️太田愛さん好きすぎる…。

    6
    投稿日: 2023.12.09
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    無関係の人間に犯罪を冒してまで協力させる事への動機。 ここに無理がありすぎるから長々と戦時中の話を書くことになる。 ここが退屈。現代で進行している事件をもっとスピーディーに書いてほしかった。

    14
    投稿日: 2023.11.14
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    戦時中の話、作者の思いの丈を綴った15章は今しか知らない私には話が長く感じてしまった。国家ぐるみでジワジワと洗脳されていく感じは時代が変わっても残っていると思った。言葉に出してはいけない…なんて事ある?メディアが忖度して正しく報道されないなんてある?あるあるある!今も! 例の芸能事務所の事件が頭に浮かんだわ! あとね、島の人達、もう誰が誰やらこんがらがるんだけど最終みんなかっこよくて、まっいいか。 そして相馬さんは誰がいいか…まだ思い浮かばない。

    9
    投稿日: 2023.11.14
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    メディア、警察、戦争に絡む重いテーマで問題提起がギッシリ詰まった濃厚な物語。読み応えがありました! ハラハラドキドキもあり、いつもの3人の軽快な掛け合いもあり、重い割には楽しく読めます。三部作が終わったー。寂しい。

    6
    投稿日: 2023.11.12
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    知人の勧めで。謎解き要素には興味を持ったが、なかなか読み進められず、すごく時間がかかってしまい、最後は飛ばし読みしてしまった。皆さんの評価が高いだけに、おもしろさを感じられなくて残念。

    0
    投稿日: 2023.10.30
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    戦時中の日本の実情を詳細に語る戦争経験者の声。 権力がじわじわと市民の生活を、権利を縛り、奪っていく恐怖が現実にも起こりうる、いや起こっているのかもしれないこと。報道が政権や警察などの権力のただの宣伝であれば、真実は伝わらない。報道を鵜呑みにするのではなく、真実に目を向けなければと思う作品。 テーマは良かったが、途中は中弛みを感じた。個人的に相馬たち3人の最終章としては残念かも。

    1
    投稿日: 2023.10.29
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    2023-10-11 前作前々作と同じく、とてつもなく印象的な導入から、思いもよらなかった巨大な陰謀が明かされていく。 第二部第三部はほぼ一気読み。久々に味わったページをくる手が止まらない感覚。 最初の謎、老人が指し示していたもの、には見事にミスリードに引っかかった。引っかかったからこその感動。 しかしこの事件、現実でも似たような話があって空恐ろしくなる。やはり外の目というものは重要なのだ。

    1
    投稿日: 2023.10.12
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    3部作のラスト。こちらも、読みながら完全に頭の中でドラマが再生されていました。ほんとにすごいです、太田愛さん。ハマりにハマったシリーズ、もう続きがないと思うと寂しい。

    1
    投稿日: 2023.09.19
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    雑踏している東京の交差点で一人の老人が空を指さして昏倒し絶命した事件の真相を、ある人の依頼で鑓水七雄、繁藤修司、相馬亮介が追及する壮大な物語だが、その老人 正光英雄の戦時中の行動が事件の根底にあることを突き止めた鑓水たち.公安の前島、半田、さらには山波といった重要人物が次々に登場して複雑な展開になる.正光と喜重巌という人物との接点が判明し、鑓水たちは岡山の離島に行き喜重に会い、さらに島民から色々聞きただすが真相がつかめない.公安の手先も次第に迫ってくる中で、正光たちが戦時中の報道管制に対する脅威を実感した経験から、そのような空気を現代の世界から排除すべきだという壮大な構想が浮かび上がってきた.報道を規制したい体制側の姿勢は現在も奥深く存在しており、その流れを監視していくことの重要性を教えられた気がする.

    2
    投稿日: 2023.09.15
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    まあまあ これまで読んだ太田愛3冊のなかでは、一番つまらない 登場人物が多すぎて、上巻の間は物語に入り込めない 面白かったのは下巻の最後の方のみで、あとは比較的ダラダラと続く

    3
    投稿日: 2023.09.07
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    また会えた3人、 鑓水が中心な本作もいつもの疾走感。 でも物語は戦時中に遡りながら 重苦しい空気を孕んで進みます。 読んでいて苦しい気持ちになる部分も。 「火が小さいうちしか戦えない」 今の時代でも同じこと。 最後の展開は胸がすく思い。 だけど読後の心はまだ震えています。

    1
    投稿日: 2023.08.30
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    相馬・鑓水・修司の3部作目。 今回は警察と報道と政治の話。 戦争の事実の話もあって少し難しかったけど、勉強になった。 相変わらず太田愛さんの本は最初から最後まで面白い。 そして今までの2部は部分的にやりきれなさが残るけど、これは全部すっきり終われてすごくよかった…! いい加減3人も報われてほしい(笑)

    1
    投稿日: 2023.08.14
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    思ったことを言えなくなることを初めて恐ろしいと思った。 今の日本の報道を鵜呑みにせず、色々なとろこから情報を集め、自分で判断できるようにならなければ。自分の子供たちのために。

    2
    投稿日: 2023.07.23
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    はー…とんでもない物語だった。 考えさせられることが多すぎて、感情が揺さぶられすぎて感想が上手く言葉として出てこない。 最高だった。 三部作の最終章なのですが、ぜひ一作目「犯罪者」から読んでほしいです。

    7
    投稿日: 2023.07.16
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    一気に読み終えた とても面白い 冒頭の天を指すサインがなんだったのか、そこまて深い意味がありそれがわかる人にはきちんと伝わり 戦争中は大変な思いをされた人も多く、人に言えない悲しみを抱えて生きている人がたくさんいるんだなと その悲しみが癒えて人は少し幸せを取り戻すのかなと 自分もいつか悲しみも癒えて笑顔で旅立ちたいな

    3
    投稿日: 2023.07.13
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    単純に面白い。 超閉鎖的な島で、情報を引き出すためのさり気ないはずの日常会話が取り調べみたいで、現実では、こんな日常会話から情報は引き出せなきと思うけど、ここて引き出せたことにしないと話が進まないから、仕方ないけどね。 あと、相馬は一課より交通課が向いてる。交通課でよかった。凡庸にも程がある。 戦争の話は苦手。 情報も大手メディアとネットの大手メディアが報道していない別の情報があり、何が本当なのか庶民が見分けるのはとても難しい。特に戦争の話はどんなに多くの文献を参考にしようとも、全ては一側面で、一体だれが全貌を分かっているのか。ただ悲惨で無益なことだけは確かで、平和な世界を心から望みます。世界中のほとんどの人は平和を望んでいると思います。でもとても残念なことですが地球のどこかで未だに戦争はありますね。 面白かったので4作目を期待します。

    0
    投稿日: 2023.07.03
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    圧巻! 戦時下でいかに情報の国家統制が進められていったかが今の時代ともリンクして恐ろしさを覚える。豊富な資料に基づいて著述されたことがこのリアルさを引き出しているのだと思う。ラストの展開もスリリングで見事。著者の力量に脱帽。

    2
    投稿日: 2023.07.02
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    今年の上半期に読んだ本で最も面白かった! 面白すぎて手が震える!素晴らしかった! 犯罪者シリーズ第3弾は、今の時代こそ読まねばならないものがテーマでした。 戦争の愚かさ、悲惨さ、壮絶さ…それらは学校で学びこそすれど、私たちにはどこか遠くの昔話にしか感じられないものです。 テレビでロシアとウクライナの戦争を目にしても「なんかやってるなぁ」くらいにしか思わない人が多いでしょう。 私たちは、最も知らなくてはならないことを、報道で目にすることがないから。 国にとって不都合な報道は国家権力に握り潰されてしまうから。 国民が愚かで無知なほど、国家は喜ぶものです。 それではいけない。 この作品は、それに警鐘を鳴らすものでした。 国家の陰謀に立ち向かう3人と、それを助ける周囲の人々に胸が熱くなりました。 一人ひとりの背景が細かく設定されていて、その切なさに何度となく泣かされました。 迫りくる恐怖、幾度となく立ちはだかる敵、思いを託された人々…ああ!なんて激アツな展開!! 読後感は素晴らしく、読んでよかったーーー!!と大声をあげてしまうほど気持ちよかったです。 こんなに面白いシリーズなのにSNSで話題にならないのが不思議で仕方ありません。 Twitterに多くいる読書家さんたちは何故このシリーズを知らないんだろう? メディアに紹介されない本は読まない人が多いから? じゃあ何故メディアはこれを取り上げない…? もしかしてそれも国家権力に情報操作されている…?国民が賢くなるのを恐れてる…?? なんて勘ぐってしまいます笑

    4
    投稿日: 2023.06.25
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    主人公の2人に公安の相馬によって、曳舟島で謎は解き明かされるのか。権力争いに巻き込まれた駒兵隊と島を守り続ける住民たちのどちらが知恵と行動力が勝るのか。 下巻は戦争の情勢が厳しくなっていく頃に出征や疎開をした人たちの話も出てきて、このストーリーの奥深さ、複雑さがさらに増していく。いや、テンポよく話が動き回って楽しく読めるアクションミステリーだった。最後に依頼人に回答しての終わり方が秀逸。そんな時代だったのかーという感想は幅広い世代から出てくるのではなかろうか。 曳舟島に彼らと行って見たいとまで思ったが、そんな奴らはいないし、島も存在しない。そりゃそうだ。

    4
    投稿日: 2023.06.17
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    本も内容も分厚い。中身が濃い。あーやっと読めました。 東京大空襲を予期していたにも関わらず、言論統制や法律で避難勧告ができない大本営の軍人と新聞記者。戦後も大きな重荷をしょって生きてきた人たちの思いがあることをきっかけに行動を起こす。。。いろいろと書きたいことがあるのですが、うまくまとめられないな。これは、いつか再読しなければならない。そんな感想です。 ただ、解説の町山氏の文章はいただけない。恣意的だし、そういうことじゃないんだよなー。

    35
    投稿日: 2023.05.15
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    太田愛にはずれなし 最初に大きな謎を提示して、そこから主人公たちが急き立てられるように謎を紐解いていくいつものスタイル 同じ流れなのに全部が面白い ストーリーが本当に面白い。 少しずつ謎が紐解かれていくストーリーは飽きることなく一気に読ませてくれる。 出てくる人物がみな活き活きと描かれていて、登場人物は多いにもかかわらず一人もぼやけることがなくくっきりとした輪郭を保っているのがすごい。 そして相変わらずの鮮やかな情景描写。終始映画を見ているかのような感覚で頁を捲り続けていた。 犯罪者、幻夏と本作の3部作全て読んだが、作中の熱量というか密度は本作がダントツな気がする。 あまりの濃度と迫力に、読みながら(メタではあるが)作者である太田先生はどれだけの期間をかけて、どれほどの熱量でこの作品を書き上げたんだろうと思った。 もちろんどの作家も生みの苦しみを伴いながら必死に作品を書き上げるのであろうが、本作は特に作者が自分の何かを削りながら執筆したのではないかと思うようなそんな凄まじい気迫のようなものを感じた。 犯罪者も幻夏もだが、この作品も実写化されることを熱望する。

    3
    投稿日: 2023.05.04
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    3人のキャラクターがはっきりと描かれておりよかった。戦争の悲惨さを市民目線から容赦なく叩きつけてくる。全体的に飽きのこない良作。

    1
    投稿日: 2023.04.20
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    公安警察(バックは官房副長官)の野望を見事打ち砕いて爽快だった。我々は決して戦時中の体制(当たり前のことが言えない、言うと捕まる特高の国家体制)を甦らせてはならない。そういう決意を抱かせる。太田愛の筆力に乾杯!

    3
    投稿日: 2023.04.16
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    戦時中の描写がとてもリアルで 目を瞑りたくなる場面が多くありました 戦争を全く知らない私ですが とても響きました 終わり方はスカッとで 色んなストーリが繋がっていく最後は 読むのを止められなかったです あの3人がやっぱり好きだなと思いました

    6
    投稿日: 2023.04.11
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    当たり前だが本作はフィクションである フィクションとはいえ、今作も日本人の置かれている状況を物語を通してわかりやすく説明されているようだ。 情報が溢れている中で、どこに真の報道があるのか。 流してみているテレビやラジオを中身だけでは無く多角的に見抜く癖をつけようと考えさせられた。 火は小さい内に何とかしないと、燃え広がったら手がつけられない。

    2
    投稿日: 2023.03.12
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    ただただ、圧倒された。 かつての戦争について触れられているシーンもあり、目を背けたくなってしまうような事柄もたくさんあるが、決して繰り返してはいけないと強く思わされた。 報道が国によって牛耳られることの恐ろしさがこれでもかと描かれている。 緊迫感、推理展開、世界情勢、キャラクターの魅力、どの要素から見ても一級品の作品であると思います。

    3
    投稿日: 2023.03.12
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    上巻で散りばめられた要素が、謎が ギュッとまとまっていく下巻。 本土とは違う文化を持った離島で余所者には白々しい目を向ける住民たちは何かを隠している? 誰が敵で誰が味方か、それぞれの行動に何の意図があるのか。 半分から少し後ろあたりは戦争のお話。 本書を読んだ後に本当に恥ずかしいことだが、 毎年8月にやる戦争の特番もドラマも、 興味もなければ、どうしてそんなに辛いことを 延々と毎年やるのかよくわかっていなかった。 学生の時に社会の授業で習ったはずのことも 見させられた映像もあるはずなのに 大人になってこんな形でその凄惨さを知ることも、 興味を持つことになるなんて思ってもいなかった。 小説として楽しく読める部分と、 興味や知見を広げる深い部分と、 美味しすぎる。

    6
    投稿日: 2023.02.26
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    「犯罪者」も「幻夏」も面白かったけれど、「天上の葦」も読み応えがありました!伏線の回収が堪らない作品。 映画を観終わったような読了感。 お馴染みのトリオの連携が、今回も気持ち良かったー! 重いテーマも含まれているけれど、きっと、太田愛さんの願いも込められた作品なんだろうな(*´-`)

    10
    投稿日: 2023.02.21
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    上下巻合わせて読んでの感想 シリーズ三作品目 感動あり、緊迫感あり、面白さありと、とにかく色んな人に読んでもらいたい作品 昔と同じ過ちを繰り返さないよう巨大な組織に立ち向かう人々の物語 前作「幻夏」もすごく良い作品であったがこちらも負けず劣らず良作品 上下巻合わせて1000ページ弱と読むのは大変であるがそれを鑑みてもぜひオススメしたい作品である

    3
    投稿日: 2023.02.11
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    読み終えてしまった。 上下巻で結構なボリュームだが、全く飽きさせる事なく最後まで楽しませてくれた。 鑓水、修司、相馬にまた会いたい。 戦争について考えさせられる話。 昨今でもマスコミは国家権力から言論の統制を強めに受けているんだろうと感じる。 日本は知らないうちに、拙い方向へ向かっているのかもしれないと思った。

    0
    投稿日: 2023.01.13