
総合評価
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powered by ブクログ中途半端感が拭えない。 言いたいことは分かるし、大事なテーマだとは思うが、子供じみた設定と舞台装置のおかげでいまいちすんなり入ってこない。 この人の本はもういいかな、と思ってしまった。
0投稿日: 2020.04.04
powered by ブクログ唐突な始まりから、静かなストーリーが始まる。 全編を通して、こんなに静かな作品はあまり記憶にない。 結末はほぼ予想していた感じだが、もう少し分かりやすい方が良かったかもと思った。
0投稿日: 2020.03.09
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
よるのばけもの/住野よる 『夜になると、僕は化け物になる。』から始まるこのお話。読み進めていくうちに沢山の謎が出てきて、しかし最後まで謎解きはされないで読者に考えが委ねられている。 そのような部分で住野よるさんの作品の中でもこのお話は今までと違うと感じた。 私がもっとも印象的だったのはお話に出てくる女の子、矢野だ。特徴的な喋り方であることや、いじめを受けていること以外に、注目して欲しいところが沢山ある。 まずは彼女の頭の良さ(頭の良さだけでまとめていいのかわからないが、)だ。 安達にもわかっていなかった人の内面的な部分や人間関係などを客観的にしっかりと見えていて、後半になり、彼女の言っている意味が分かった時は唖然とした。 その他にも、彼女がいつもにんまり笑っている意味に気づいたり彼女が夜の休み時間をどれだけ大事にしているかわかった時、心が締め付けられるような感覚に陥った。 また、このお話の主人公である安達だが、彼の人間性、考えていたことはおそらく一般的だ。誰もがこの状況に陥った時にそうするであろうことを彼は上手くこなしていた。 しかし、夜の休み時間を矢野と共に過ごしていくうちに、自分の心のばけものに気づくことが出来た。 最後の最後に矢野に挨拶をした所で彼には辛い未来が待っていると予測は出来るが、それでも行動を起こした彼には感動した。 このお話を読んで1番に思ったのはどの自分が本当の自分なのか、それを定めるのは難しいし、自分がいつも接しているその人は本当の自分で接してくれているのか、それはわからない、ということだった。 学生である私がこの話に共感することは容易であったが、このような酷いいじめは中々お目にかかることは無いだろう。 しかし、今の自分が本当の自分でみんなと接することが出来ているのかを考えることは誰にでもできる。 改めて自分自身を見つめ直すきっかけになったことは言うまでもない。
0投稿日: 2020.03.09
powered by ブクログいじめ問題怖い。子どもがいると、何となく自分ごとのように考えてしまう。怖い怖い。 他者の中に自分はいるという東洋的なコミュニティでも、自分が正しいと思うことを言えるか、というテーマは重たいね。いじめとフィクションで表現してるので、よく分からなくもなってる気がする。 作者独特の秘密的なことも少なく、作者も成長してるのだなーと、先に他の作品を読んでいたので思いました。
0投稿日: 2020.01.15
powered by ブクログ気になっていた、住野よるさん作品。 人間の弱さと強さを感じました。 学生ならではの世界を強く共感してしまいました。 自分の望む自分で過ごせているだろうか、、 と考えさせられました。
0投稿日: 2020.01.15
powered by ブクログ人間は弱い。 他人から悪意を向けられて平気な人など、そうそういない。 特に思春期の頃は難しい。 周りと同じ事をして、同じ物を持ち、同じような服を着て、同じようなものを好きになって。 自分の足並みが周りと同じでないと安心できない、はみ出してはいけない、個性より調和、そんな風に見える。 それに息苦しさを感じない方がどうかしているように映るのに、表に出せば異物となる。 それでも、自分に嘘をつくのは辛い。 罪とわかって罪を犯す怖さは耐え難い。 学校という狭い箱庭を「世界」だと思わないで欲しい。 もっと世界は広いし、選択肢も自由だ。 自分がされて嫌なことは他人にもしない。 「あの人がこうだから…」ではなく、「私はこうしたいから」と堂々と言える人間になりたい。
2投稿日: 2019.12.07
powered by ブクログ「君の膵臓をたべたい」に引き続き住野さんの書かれた作品を読みたいということで全く事前情報なく手にしました。そもそもタイトルからして何か化け物が出てくるのは間違いないとは思いましたが、描写される化け物は丁寧に書かれているにもかかわらず全くもって頭にイメージがわいてきません。モヤモヤ感を持ったまま読み進めるるとそこに展開されたのは壮絶とも言えるイジメのシーンでした。化け物のシーンに比べてこちらの方はその場面が臨場感を持って伝わってきて、あまりの重い空気感に何度も読むのをやめようと思っては、思い留まってを繰り返しました。一方で夜の化け物の方は相変わらず茫洋としたまま、一方の昼の学校のイジメは壮絶さを増すばかり。 そんな中、最後の最後になってようやく小さな一歩を主人公が踏み出したところで物語は急に幕切れとなります。この小さな一歩、でも主人公にとっては大きな大きな一歩の意味、主人公のその後は読者の想像力に委ねられます。ここをどう捉えるかでこの作品の読後感は真逆になるように思いました。雲間から射した一筋の光と捉えるのか、それとも嵐吹き荒ぶ海に飛び込んだと捉えるのか。 夜に出てくる化け物というのはこの作品では何でもよく、リアルにイメージできる必要も、する必要もなかったということでした。だって夜に化け物はいなかったわけですから。タイトルから受けるイメージに反してとても重くて深いお話でした。 よるのばけもの、何とも言えない読後感が残りました。 それにしてもこの作品で描かれたようなことが現実の学校でも実際に起こっているのでしょうか?現実には、近い状況さえありもしない小説の中だけの空事であってくれることを祈るばかりです。
24投稿日: 2019.11.29
powered by ブクログ夜になるとバケモノの姿になる男の子といじめられっ子が夜の学校で出会うお話 テーマとなっているのはいじめ これは現代版の山月記なのではなかろうか? 自分のクラスでの立ち位置とその振る舞い でも内心では違うことを思っていたり そのちぐはぐな心持ちによってばけものとなっているのかねぇ? 最後の一文は良し悪しだなぁ 自分の本心に向き合えたのはいいけど、明日からの生活が大変になったりしそう あと、代理の復讐対象? そしていじめられっ子の矢野 無神経で鈍感で人の気持ちがわからないように見えるけど、実は誰よりもわかってる わかった上での行動なのか… ってか、最後まで読むと笠井が一番恐ろしい マンガ「MONSTER」のヨハン? 元田は本当にただのバカ 工藤はまぁ、一般的な行動なんだろう 井口もいい子なんだろうけど、中途半端 緑川は矢野の評価でいうと馬鹿なんだけど、愛ある馬鹿なんだよなぁ その辺が井口とは違う 一番わからないのが能登先生 夜にも学校にいるということ? 不可思議な事の黒幕は全部この人だったりするのかな?
0投稿日: 2019.11.21
powered by ブクログ最後まで矢野さんの正体などについて詳しく明かされなかった。 僕が矢野さんに対して昼の世界では ''矢野'' 、夜の世界では ''矢野さん'' と呼ぶところが、昼と夜での僕の心情の違いをよく表していると思った。
0投稿日: 2019.11.09
powered by ブクログいじめの傍観者である主人公の話。 誰にでも起こりうることだな、と思った。 『よるのばけもの』の『ばけもの』は、夜の姿じゃなく、昼の姿のことも指しているんだと思う。
1投稿日: 2019.11.08
powered by ブクログ最初の始まりは読みにくかったけど、読み始めると止まらなかった。 小学校高学年から中学校にかけてこのようなクラスに当たることが多かった。とくにここまでの嫌がらせはなかったがら近いこともあったし、どちらの立場にもなったことがあるので読んでると痛いほど感情移入してしまった。 当事者になったことがある人にとっては苦しくなるくらい共感できる作品だと思います。
0投稿日: 2019.09.16
powered by ブクログここで終わるのかっていう感じのラストだった。テーマや描き方にははっとさせられただけに、最後まで書いて欲しかった気持ちが強い。
0投稿日: 2019.09.09
powered by ブクログ自分とは何なのか。 誰しもが抱いたことのあるテーマであると思う。 そして、この本の主人公も、いじめられている女の子との関わりを通してその悩みを抱く。 彼が出した答えは、誰にも正しいかはわからない。 しかし、彼自身が決めたことで、彼は初めてよるのばけものから解放されたのであろう。
1投稿日: 2019.08.23
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
★4つ付けてるが気持ち的には3.5。 住野よるさんの作品は、少し青臭いけどゆったりと、それでいて誰の心の中にでもある感情を柔らかく刺激してくる。 夜になるとバケモノになってしまう少年が、夜中の校舎でいじめられっこの少女と鉢合わせし物語は進んでいく。 作品の中で少女は昼の話、夜の話、と自分の世界を2つに分けて考えているが、これは時間軸での分類ではなく、誰の心の中にでもある二面性やしがらみだと思われる。 どう思われたいか、どう見せたいか、本当の自分はどうなのか、主人公の少年は常に迷い悩んでいる。 そんな中、少女が少年に問いかける「昼と夜の姿、どっちが本当?」という言葉が印象的だった。 作品を通して残念だと思った点は、会話が作り物っぽかったところ、ここがもう少し作り物ではないリアルな言葉と運びのチョイスだったら、間違いなく4評価でした。
0投稿日: 2019.08.15
powered by ブクログ2019年6月現在、発表されている住野よる先生作品はこれですべて読了 最初知ったのは膵臓でしょうねやっぱり どこの本屋に行っても店頭にバッと並んでいたし、まぁタイトルも衝撃的でそそられるところがあったから でも最初に読んだのは「また同じ夢を見ていた」 考えるとこの作品に出ていた不器用なキャラクターというのも住野先生のお得意パターンですな その後で膵臓を読んで失望w 冒頭で書いたとおり全作品に目を通す事ができたわけだけど、とにかく大きな感動を得るか失望するかしかない 7割が感動、残りが失望 たしか失望したのは2作品 膵臓と麦本三歩 まぁ人それぞれでしょう で、本作 夜に化け物の姿になってしまう学生の男の子が主人公 読んでいくと元からこのようなヘキがあった訳ではなく後天的にそうなったらしい 夜は姿が化け物になってしまい、寝る必要もなくなるようで、いろいろな場所に行ってそれなりに楽しんでいたようだ で、ある時に夜の学校に行く 行きたかった訳でなく昼間に宿題を学校に忘れた事を思い出して宿題を取りに行ったのだった そこで同窓の女の子に出会う 化け物の姿かたちをしていたが、自分だと言う事に気づかれてしまう が、その女の子も変わった子でそこまで慌てず「明日も来てね」と このタイミングではどういう女の子か詳細には分からないが、読み進めていくとクラス内でイジメにあっている子だという事がわかってくる 主人公としてはイジメに積極的に加担しているまでは行かないものの、その子と仲良くしたら自分もイジメられてしまうといういわゆる同調圧力に抗う事ができずにいる その一方で夜になれば学校で二人は会話していた 女の子曰く「夜休み」という時間 この対比でしょうね 夜は姿形は化け物であるが人としては正しい姿勢で女の子と触れ合っている 昼は姿形は普通の人間であるが人として正しい行動はできていない どっちが本当の化け物なんだろうと そういった疑問に悩みつつ、、、 昼に女の子が落としたモノが男の子の足元に どうするのかと思ったが、悩んでいる自分に気づいていたのにまだ同調してしまう ガッツリと足でそのものを踏みつけてしまう その前の夜に女の子から「好きな先生の誕生日プレゼントを買う」と聞いていて、そのプレゼントだった そのプレゼントを踏みつけてしまったのだった その事を謝ったのが最後の夜 次の日からは同調圧力に負けず女の子とコミュニケーションしていくのがラストシーンだったかな それから姿が化け物になる事は無くなった 自分でも「昼の自分は化け物みたいだ」と思うところがあり、それによって夜の特異体質を呼んでしまったのだろう 昼が化け物ではなくなったのであれば、夜に化け物になる必要はないと オジサンになってから読めば分かるというか、、、同調しちゃダメだと思うのだけど、それってオジサンの勝手な話 学生だった頃の事を思い出してみるとやっぱり多少なりとも同種の同調圧力というのはあったよね 今はイジメはダメだと強く思うけど、学生だった頃の事を思い出したらどうだったのかと思う いろいろと考えるところが多かった 良い作品でした
0投稿日: 2019.06.22
powered by ブクログ自我に対しての内省が「よるのばけもの」という姿を通じて描かれた作品。住野よるの作品を読むのは4作目であるが主題に対して補足的に用いられるのが、学生内のいじめということもあり読んでいて気持ちのいいものではない。一見意味のなさないようなやりとりが続く前半から、全てを伏線のように回収して主題に対して意味を与える筆者のこだわりはありがちではあるが、読者の視点からすると分かりやすい。作中に多く見られる俗的な物事に意味を与えるべきか、あるいはあくまで俗っぽさを出すためのものにすぎないのかは彼の作品を読んでいていつも悩むところではある。
0投稿日: 2019.06.18
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
自分とは何か。いつ、どこに生きていて、誰と関わっている自分が本当の自分なのか分からなくなることがある。 しかし、この本を読んでそんな事を考える事自体が無意味なのだということに気づいた。なぜなら、どこにいても、生きている限りそれは自分だからだ。 最後、矢野の放った「やっと、会え、たね」は、安達が自分というものに会えたという意味なのではないかと思う。
3投稿日: 2019.06.03
powered by ブクログ自分に投影できた。 小学生の頃あったいじめで、昼の主人公と同じような立場にあった。 まわりにいじめがないだけで今の自分もまだ変わってないかもしれない。 どれがほんまの自分なのかの答えを出せないなー。 なんかすごく考えさせられた。
0投稿日: 2019.06.01
powered by ブクログいつもと変わらないこと。 いつまで続くかわからないこと。 いつもと同じようにすること。 いつものことを続けること。
0投稿日: 2019.05.29
powered by ブクログ分かりやすい文章で難しい問題に焦点を当てられている本だと思った。 ファンタジックな様でリアルなこの物語は読む人を虜にし、自分自身を見つめ直せる事ができる素敵な話だと思う。 君の膵臓を食べたいに次ぐ、深く複雑な人間の弱みや苦しみを分かりやすくそして退屈しないように物語に出来ていて傑作だった。また忘れかけた頃に読みたいと思った。
0投稿日: 2019.05.29
powered by ブクログ夜になると、僕は化け物になる。寝ていても座っていても立っていても、それは深夜に突然やってくる。ある日、化け物になった僕は、忘れ物をとりに夜の学校へと忍びこんだ。誰もいない、と思っていた夜の教室。だけどそこには、なぜかクラスメイトの矢野さつきがいて―。大ベストセラー青春小説『君の膵臓をたべたい』の著者が描く、本当の自分をめぐる物語。(e-honより)
0投稿日: 2019.05.27
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
ばけものは、あっちーのもう一人の自分だったのだろうか。クラスでのけ者にされないために、偽らなければいけない自分に対して、素のままの自分がばけものとなって現れた。それは、昼とは違う世界が必要という意味で、夜の休み時間を必要とする矢野と同じだ。
0投稿日: 2019.05.24
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
『君の膵臓を食べたい』の住野よるの長編3作目。住野よるの作品を読むのは『君の膵臓を食べたい』以来の2作目。 夜になるとばけものになる中学三年生の『僕』は宿題を忘れたことに気がつき、ばけものの姿のまま空を飛び越えて学校へ忍び込む。深夜の中学校には誰もいないはずだったが、なぜか教室にはクラスメートの矢野さんがいて、『僕』の正体を知られてしまう。それがきっかけで毎晩『僕』と矢野さんは深夜の学校で時間を過ごすようになる。 このあらすじだけ見るとここからお互いの秘密を共有した二人の淡い恋愛小説に発展するのかと思いきや、まったくそんなことはなく、「いじめ」問題を鋭くえぐる社会派小説になっていく。 なぜ『僕』が深夜になるとばけものになるのか、クラスメートからいじめにあっている矢野さんがなぜ深夜に学校にいるのかということの真相は本書内では明かされない。 自分的な考察としては、夜の出来事はすべて『僕』の中では夢の中の出来事で、『僕』の潜在意識の中で矢野さんを助けたいという気持ちがあり、その気持ちが夜という特別な空間を通して『僕』と矢野さんのお互いの夢の中で意識を交わすことができたということではないだろうか。 昼間の『僕』は、いじめは正しくないことだとは認識しているけれども、それを指摘したり、矢野さんの味方になってあげられるほどの勇気はない。そんなことをしたら今度は『僕』がみんなからいじめの標的にされてしまう。それに矢野さんが自分でクラスメートに悪いことをしたのだからある意味、制裁としていじめを受けることは仕方のないことなのだと『僕』は自分を正当化している。 しかし、深夜、矢野さんに会うと彼女の態度や言葉から、彼女も彼女なりの考えがあり、それを考えると、一概に彼女が『悪』とは思えない。もしかしたら僕たちは彼女を根本的に間違って認識しているのかもしれない。 他のクラスメートと共に矢野さんを無視する昼間の『僕』とばけものの姿のまま矢野さんと親しげに話しをする深夜の『僕』。どちらも『僕』であり、違いはない。『僕』には昼間は昼間の価値観があり、夜には夜の価値観がある。 ある夜、矢野さんから『僕』はこう聞かれる。 『人間の姿をした昼間の君とばけものの姿をした夜の君はどちらが本物の君なの?』 ああ、そうか。矢野さんにとっては、ばけものの姿の『僕』が本物の『僕』で、人間の姿の『僕』が仮の姿なのだ。 つまり、矢野さんにとっては、昼間がすべて仮の姿だから、どんなつらいことや悲しいことがあってもそれはあくまで仮の姿なので我慢できる。そして今この瞬間、深夜の今の時間こそが彼女にとっての真実であり、この深夜の学校生活を彼女は十二分に楽しんでいるのだ。 ばけものの僕も人間の僕もどちらの『僕』も同じだ、でも、昼間の『僕』は自分の心を偽っている『僕』だ。 そして、『僕』は勇気を出すことにした、いや、勇気を出すんじゃない、偽りの『僕』を捨てて自分のそのまま姿を出せばいいんだ。 矢野さんは、いつものように一人で登校し、無視されるのが分かっているにもかかわらず今日もクラスに入ると「おはよう」と挨拶をする。 誰も彼女の挨拶には答えないし、舌打ちする者すらいる。 そんな中、『僕』はこう答えた「おはよう」と、皆の視線が一斉に『僕』に突き刺さる。皆が聞き間違えじゃないかと勘違いすることのないように、もう一度、さっきよりも少し大きな声で矢野さんに答える「おはよう」と。 矢野さんは笑顔を浮かべ、『僕』にこう言った『やっと会えたね』。 その夜から僕がばけものになることはなくなった。 『夜』と『ばけもの』というメタファーを通じて、少年少女の内面を描写し、現代のいじめ問題を鋭くえぐる、住野よるの秀作。
23投稿日: 2019.05.20
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
夜になるとばけものになる主人公と学校に夜休みに来てる少女。学校でも会社でも、世間的な常識が通用しないそこだけのルール=正解がある。そつなく空気を読み、その場の正解を選び続ける主人公だったが、少女との秘密の夜の時間を通して、自分の心とのズレを少しずつ無視することはできなくなった。 空気を読む。それは時にとんでもないばけものを生む。 最後のあの、なんでもない一言が言えて良かった。その一言で癒えた。
2投稿日: 2019.05.19
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
いじめ。 でも、矢野さんがクラスにいたら、イラッとしてしまうだろうなぁ。 笑い方はわかったけど、喋り方はなぜ? 星3つ半 ※半分をちゃんとつけたいな。
0投稿日: 2019.04.21
powered by ブクログキミスイの住野よる氏による三作目。本作では「いじめ」がテーマになっており、夜になると化け物に変身してしまうあっちーの目を通して、クラスメイトである矢野さつきへのいじめを考えます。前2作同様、読みやすいです。本作は前2作と異なり、きっとこの2人の間では解決してるけど、クラスの中での立場を考えると、物語の後の2人にはと嫌な想像を掻き立ててしまうのがちょっと可哀想な気がしました。物語中では語られないあっちーと矢野以外にのクラスメイトや先生も気になるので、その辺をスピンオフとして描いてほしいなと感じました。
0投稿日: 2019.04.20
powered by ブクログ面白くて一気に読んでしまった。 いじめが題材となってるんだけど、文章のせいか、あまり暗い感じがなく、すーっと読み進めることができる。 なぜにバケモノなの?とか、そーゆー疑問はあったけど最後の一文でなんとなく納得。 あっちーのきめた答えに救われる。
1投稿日: 2019.04.16
