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明日の子供たち
明日の子供たち
有川浩/幻冬舎
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総合評価

263件)
4.4
135
90
14
7
0
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    児童養護施設を取り巻く問題を描いた小説。 堅苦しさや悲壮感は全くなく、かといって楽観的にもなりすぎず、かつ心を動かされる小説となっている。 解説は養護施設出身の女性が書いている。この方は自身の想いを綴った手紙を有川先生に送っており、この作品が生まれるきっかけとなったそうである。 当事者の想いから始まり、取材を経たからこそ、これだけの「熱い」作品になったのだな、と思う。 それと、明らかに池井戸潤作品を意識した「価値観を転倒させる」というのもこの小説のテーマだと思う。 児童養護施設に興味がある人はもちろんなのだけど、新しい価値観に触れたいという人にもおすすめしたい一冊です。

    1
    投稿日: 2018.10.06
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    ドラマチックではないですが、今の社会的養護の現場が丁寧に描かれていて、物語としても、現場のレポのように読んでも面白いです。

    0
    投稿日: 2018.09.30
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    このレビューはネタバレを含みます。

    あとがき読んで2度目の感動!そうか〜、カナ(厳密には違うだろうけど)はモデルがいたのか!そのおかげで私がこの本を読めているんだから感謝しなくちゃな〜 有川さんの本を読むの久々だけど、この正義とは何か!?っていうか、一人一人のキャラクターやそれを取り巻く環境が何を正しいとしているか、何が大事かって事を何度も何度も強く訴えてくる。それが読んでて凄く心地よくて、奮い立たせてくれる!もっと当事者の書いた本とか、そういうのも読んでみようかな?という気持ちになった あとがきの彼女が望んでいた社会になって欲しい。私もしていきたい! 有川さんの本はいつ読んでも前向きな気持ちになれるパワーがすごいな〜

    0
    投稿日: 2018.09.10
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    児童養護施設のお話。 実際に作者の元に届いた手紙が元になっているのですね。 前向きでこの作者らしいストーリーに仕上がっていて、読んでいて爽やかですが、爽やか過ぎる気も……。

    0
    投稿日: 2018.09.03
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    小説のラストで明かされる、有川氏に施設出身者から手紙が来たのがキッカケというエピーソードを聞くと、低評価をつけにくいんだけど、やっぱり小説としてはイマイチだな。 ラストのプレゼンテーションのシーンで、一番伝えたいことに集中して伝えるという話が出てくるんだけど、そのまんまこの小説に当てはまる。 まるで幕の内弁当のように、いろいろ入ってるけどメインがない、どれもこれもいまいち。残念。

    0
    投稿日: 2018.09.01
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    このレビューはネタバレを含みます。

    有川浩さんの作品が大好き! 今までとは違うリアルなしんどさがありつつ、いつもながらの匂わせるような温かい恋愛 「人生は一人一つずつだけど、本を読んだら自分以外の人の人生が疑似体験できるでしょう。…そうやって他の人の人生を読んで経験することが、自分の人生の訓練になってることがあるんじゃないかって、先生は思うのよ」

    0
    投稿日: 2018.08.24
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    夏の読書15冊目。 この一冊に出会えてよかった。何気なく本屋の文庫コーナーでとった一冊にここまで心を動かされるとは。児童福祉施設を描いた作品だが、ボクらの仕事に通じること、そして知らなかったことが、丁寧な取材の中で物語の中に練りこまれている。 この夏いちばんの一冊。

    3
    投稿日: 2018.08.24
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    前々から、有川さんは取材を上手に作品にする作家さんだなあと思っていた。 空飛ぶ広報室しかり、県庁おもてなし課しかり、シアター然り。 そういう意味で、この作品も実に作者らしいなあと思った。 ただ、テーマがテーマだけに、序盤はかなり話が固くなってしまったのは、まあ仕方ないだろう。 読んでるこちらも、何が正解なのかを考えながら読み進めることになった。 けれど、中盤、施設出身の自衛隊員が登場するあたりから、いかにも小説的な仕掛けが動き出し、お話がスムーズに回り出した気がする。 二つの恋の行方も実に作者らしい。 そしてクライマックスの講演会。 胸にグッとくるものがあった。 解説を見てこのお話が産まれたきっかけを知ったわけだけど、そう言う意味で、この感情を読者に呼び起こしたことだけでも、この物語の成功だろう。 願わくば、その切っ掛け通り、さらに多くの人と社会に、この物語の意味が広がることを願う。

    0
    投稿日: 2018.08.10
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    同じ職場の方の推薦図書。 「児童養護施設のことを世の中の人に知ってほしい」という切なる願いの手紙から生まれた、感動の小説。丹念な取材を見事なストーリーに落とし込んで消化している。 クライマックスの講演会の描写は、思いと願いの結晶。 私からも皆さんに、推薦します!

    0
    投稿日: 2018.08.06
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    面白かったけど、作品内で実在のドラマをディスるのはいかがなものか。 タイトル名変えててもモロばれだし。

    0
    投稿日: 2018.08.03
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    児童養護施設で働く職員や、そこで暮す高校生の子どもたちを中心とした物語。 有川さんの描き方が素晴らしい。厳しい現実が書かれていて、ものすごく考えさせられる。でも読んでいて暗くなったり陰鬱な気分になることがない。お涙頂戴的な感じもなく、派手で無理のある展開もなく、日常の中のものがたりにグイグイ引き込まれる。続きが知りたい、もっと知りたいと素直に思わせる。 今までほとんど知らなかった児童養護の世界や、どんな気持ちで過ごしているのか、知らなかった世界を知れて、本当にこの本を読めてよかった。

    0
    投稿日: 2018.07.28
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    このレビューはネタバレを含みます。

    児童養護施設のお話 内容以前に、この小説は目的達成という意味では100%成功している 何が目的かは読めばわかる 特に、解説まで含めてこの一冊は完成 あとは、ドラマ化すれば最良かな? 児童養護施設については朝井リョウの「世界地図の下書き」を読んで色々とちょっと考えた事があった 幸いながら、そんな境遇で育ったという人の話を身近では聞いた事がない ま、僕が知らないだけかもしれないけど あと、僕たち夫婦が事故か何かで死んでしまったら子供はどうなるかとか、逆に誰かを引き取る事になったらとか考えたり まぁ、何だかんだ言ってもなんとかなるという結論に至ったものの、やはり楽しいものではない そんな、重くて暗くなりがちなテーマでもポジティブに軽やかに明るいストーリーに変換するのが有川浩の能力と再確認 以前「キャロリング」を読んだ時は、「重そうな境遇の人が主人公ですか・・・」と思った 読んだのが発行順だったら、「この話の消化不良だった部分を解消したんだな」と思った事だろう 未読の人には是非ともオススメの一冊 /* 以下、ネタバレ含む */ 「ストーリーセラー」を読んだときには「どこまでが本当?」と思ったけど 作家に手紙を書くエピソードに関しては「これは実際に手紙が来たんだろうな」と確信できるほどのリアルな説得力があった(これまでの有川作品を読んできてるからか?) ストーリー展開に関してはご都合主義的なものも散見される 特にいのっちと和泉さんのそれぞれの再会エピソードは出来すぎていると思う ただ、ベタであるからこそ心を揺さぶられてしまったけどね 個人的な意見としては やはり児童養護施設で暮らす子供たちは「かわいそう」だと思う コップ半分のミルクを「こんなにある」か「これしかない」と思うかの違いを例にも挙げてたけど 多数の人がコップなみなみ貰ってるのに、半分しかもらってないのに「こんなにある」と思っている状態がかわいそう 何が「普通」かによるけど、両親が揃っていない子供は少数派だし 親とうまくいっていない人も少数派だと思う マジョリティからしたら、もっていてあたりまえのものを持っていない人はかわいそうに思えるでしょうよ パトレイバーの内海さんのセリフによると 「週刊誌の作り方知っているかい?強きをけなし弱きをわらう。勝者のアラさがしで庶民の嫉妬心をやわらげ、敗者の弱点をついて大衆にささやかな優越感を与える。これが日本人の快感原則にいちばん合うんだな。」 自分より恵まれない境遇の人を憐れむことで無意味な優越感を感じている事も否定はしない でも、そんな感情がなければ支援しようとは思わないんじゃないかな? 本編でも語られているけど、ニーズの問題としてね 児童福祉のエアーポケットになりがちというのは確かに言われて気がついた 「明日の大人たち」というタイトルもすばらしい ただ、実際問題として当事者が約4万人、その関係者1万人と考えた場合 全国で約5万人の支持を受けるため(しかも不確かな将来性として)の施策って政治家としてどれだけのメリットがあるのかね?という疑問 一番共感した部分は本を読むことの意味 本を読む事で、本来は一度しか体験できない人生の中で、他の人生を垣間見ることができるという考え 別にそう思って本を読んでるわけじゃないけど、確かにそういった側面はある 他の人生を垣間見て、自分が何を思い、何を得るのかは人それぞれだけどね まぁ、そんなところも含めて読書ってよいですよね 将にこの本が既にそんな存在として説得力があるわけですし

    0
    投稿日: 2018.07.28
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    大好きな有川さんの小説。今回のお話は児童養護施設を舞台にしている。誰かの伝えたいことを小説という形で世の中に広めていく新しい試み。元々それを発想した人も素晴らしいし、それを汲み取ってきちんと本に出せる有川さんも素晴らしいと思った。 なんでこの本を読みたいと思ったか: よく読む有川さんの小説。きっと面白いと思った。 得られたこと; 内容から言えば、人それぞれが抱える事情を、理解はできないけど、知ることはできると思った。知るために、世界を広げることが大事。本編とは話がずれちゃうけど、大人は生きている時間が長い分、知っていることも多い。世界の広さをうまく子供に伝えルことが教育なのかなと思う。 この本の取り組み自体が素晴らしいし、本の中で本を読むことを推奨していることの意味を体現していると思った。

    0
    投稿日: 2018.07.14
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    少し、メッセージの方に重きを置きすぎて、ストーリーとして、エンターテインメントとして、物足りない感じはありましたが。でも、人気作家さんがこういう問題をテーマにする意義はとても大きい。 三田村の「俺だったら」の思考が、読者にとってのガイドになっているので、物語の世界に入り込みやすい作りになっている。 そして、さすがは有川浩というべきか、登場人物一人一人が魅力的。敵役であるはずの梨田でさえも、とても魅力的。

    0
    投稿日: 2018.07.13
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    このレビューはネタバレを含みます。

    「三匹のおっさん」で有名な有川浩さんが、ある手紙をきっかけに著した、児童養護施設の実態についてのドラマティック小説。 会社員から転職し、児童養護施設で働き始めた三田村慎平は、施設では「問題のない子」として生活する16歳の谷村奏子から、なぜか距離をおかれて心を開いてくれない。 先輩職員の中で成長していく慎平は、施設で働くきっかけとなった、あるドキュメンタリーの話を熱く語るが、捉え方は様々で偏見や思い込みにより、苦しむ人もたくさんいることを知ることになる。 長編の小説ではあったけど、深く掘り下げすぎることもなく、時期や主人公が変わる区切りがあり、すごく読みやすく、心を動かされ、児童養護施設について理解もすすんだ。 児童養護施設は、公的な予算がおりにくい。 それはなぜかというと、選挙権のない児童が相手であり、もしそれが障害児の施設であれば、親が選挙権をもっているので予算もつきやすいが、児童養護施設の場合、両親や親族が関心をもっているケースは少なく、高校を卒業して退所した後、施設出身者として選挙権をもったとしても、施設出身ということを隠すためであったり、関心がないふりをするためなのか、政治家にとって票を集める手段にならず、エアポケットになってしまう。 児童養護施設で育った子どもを何も知らずに「かわいそう」とひとくくりにはできず、施設で育ったことで普通の生活を手に入れ、幸せに生きている子どももいる。 そんな子どもたちに、必要な環境を与え、退所後にも身を寄せられる場所を整備していくことは、社会にとっては大きな投資になるはずだ。 近ごろ、児童相談所の不手際のせいで子どもが虐待され亡くなったと騒ぎ立てる報道がよくあるが、子どもを守ろうとしている施設や職員さんなんかは、本当に一生懸命やっている。 騒ぎ立てて責任を追求し、問い詰めるのではなく、実態について世論に関心をもってもらって、仕組みや体制を変えていくことに重きをおいてほしいと思えた。

    0
    投稿日: 2018.07.12
  • 多くの人に読んでほしい感動の名作です

    素晴らしい感動作品でした。人には様々な価値観があり、それを知ることが出来る手段が読書であるということが、再認識することができました。 追記 本書の中の自衛隊訪問の下りですが、思わず涙ぐんでしまいました。

    0
    投稿日: 2018.07.11
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    このレビューはネタバレを含みます。

    有川さんだし、評価も高いしって期待しすぎて自滅したパターン。そもそも私は施設の子供たちをかわいそうと思った事がないし、だからかわいそうだと思わないでって手紙から始まったというこの物語も共感できないというかなんというか・・・施設より現実の実家の方が辛いなんていう家庭はきっと沢山あるでしょ。奏子の気持ちすっごくわかる。でも、かわいそうと思われることが嫌な気持ちはよくわからないんだよなあ。他人からどう思われようが、自分が好きな人以外の目線なんてどうだってよくないか?とね。 うーん終始平和すぎてライトすぎたかなぁ。現実はもっと厳しいはず。

    0
    投稿日: 2018.07.10
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    重いテーマだけど、するするっと懐に入ってきて心が暖まるような、そんなお話。 主要な登場人物みんな、嫌な人が一人もいない。 読後感も良く、いい本だなーって素直な気持ちで思えました。

    0
    投稿日: 2018.07.08
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    児童養護施設が舞台とは、また何かの縁があったのかと思っていたが、末尾の解説で納得。 悲しいとか切ない気持ちで泣いちゃうかも、、と思ったこの小説。 やっぱり有川さんだ。 そんなところで読者の心は掴まない。 猪俣先生が女子の進学には頑なに反対していたあの件の回収。 和泉先生のほろ苦い恋の結末。 奏子と久志の将来も見たくなる関係性。 県庁おもてなし課的な、行政への問いかけもあるけれど、木論見通り世の中に広く知れ渡ってくれたらいいなと思う。

    0
    投稿日: 2018.07.04
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    多くの作品で、一面的ではなく多面的な正義を描く作家さん。 だから読んでいて、世の中では正しいと分類されるものであっても、「違う見方は試してみた?」と問われている気持ちになる。 この作品もそうだった。 子供の視点、大人の視点。普通の暮らしをする視点、親と離れて暮らす視点。 自分の立場を公表する視点、しない視点。 千差万別の視点がすべて正しくて、それらは全部同じ場所にあるのに気付いていない人が多いという、簡単だけれど難しいことがテーマだった。 本屋でタイトルを見て、頭の中で渡辺美里の『Power-明日の子供-』が流れた。 まったく関係無い小説と音楽なのに、読み終わってもやっぱり流れ続けた。 25年以上も時間が経っているのに、同じ言葉が持つ力が同じ方向を向いていることに驚いた。 解説はネタバレになってしまうので。 でも、良い解説だったし、この作品が生まれた理由がよく分かるものだった。 帯は、まさにこの通りだと思う。うまくこの短い言葉に納めたなぁ。 ただ、「ドラマティック」は違うかな…。なんか急にチープさが出た。

    0
    投稿日: 2018.07.01
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    このレビューはネタバレを含みます。

    最後の手紙を書いての作者へのアピールに関しては鳥肌が立つくらい嬉しいエピソード。 いつも思うがそれぞれのキャラがとてもリアルで感情移入が出来る。 徹底して調べて本が作られていることがはっきりとわかる。

    0
    投稿日: 2018.06.19
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    読了後にどんどん心が温かくなった。 児童養護施設のことなど何も知らなかったが、恐らく作者は綿密に取材したのだろう。 実態と問題点がよく描かれている。 物語で描かれている行動が、実際の出来事とリンクしていてこの物語が生まれたことが、感慨深い

    0
    投稿日: 2018.06.15
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    有川浩さんの小説で、恋愛ものじゃないのは久しぶり。 私にとっては、解説まで含めてとても心に残る物語だった。 シリアスな題材でありながら、会話のテンポ、登場人物の性格の良さ、熱量の高さに気づけば引き込まれている感覚は、有川浩さんの真骨頂。 うまくいきすぎと思う節もあるけれど、厳しすぎる現実がたしかにあるのに、物語の世界でもうまくいかなくてどうする!?と。そこに救いや希望はあってほしいと、私は強く感じた。

    0
    投稿日: 2018.06.13
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    無知なことは罪なのかもしれない。児童養護施設のことも、そこに預けられる子供たちや退去後のこと、私に何が出来るか考えさせられました。清々しい気持ちになれました。

    0
    投稿日: 2018.06.12
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    このレビューはネタバレを含みます。

    児童養護施設の物語。 前向きな話だし、人気作家ということで、施設に関する情報がもっと行き渡ればいいと思う。 話題になったランドセルの寄付も、実際にはそれほど重要でないこともわかる(あくまで優先順位ではあるが)。 ただ、施設にだけフォーカスするのではなく、施設に入っていなくても厳しい環境にいる子供も潜在的に存在することを知ることも必要だ。

    0
    投稿日: 2018.06.06
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    新米職員・三田村を中心に児童養護施設の現状を描いた作品。 実際に児童養護施設の子供たちと接することも多いが、職員の方の苦悩などには触れたことがなかったので、すごく同感出来る部分が多かった。 ただ有川浩の作品のタッチと扱っている内容の温度差が少し感じられ、そこだけがちょっと勿体ない感じがする。 こういう作品に恋愛要素はいらないかと…

    2
    投稿日: 2018.06.05
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    もっと、重たい物語かと思っていたので、ずっと気になっていたけど、待望の文庫本が出ても、すぐには購入せずにいた。 もっと、早く読みたかった! 「かわいそう」から、「未来への投資」に、自分の中でも大きく変化した。 明日の大人たちのために、一緒に出来ることを、模索していきたい。 素晴らしい作品を、ありがとうございます。

    0
    投稿日: 2018.06.05
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    【あらすじ】 三田村慎平は転職先の児童養護施設で働き始めて早々、壁にぶつかる。生活態度も成績も良好、職員との関係もいい"問題のない子供"として知られる16歳の谷村奏子が、なぜか慎平だけに心を固く閉ざしてしまったのだ。想いがつらなり響く時、昨日と違う明日がやってくる。先輩職員らに囲まれて成長する日々を優しい目線で描くドラマティック長篇。 【感想】

    0
    投稿日: 2018.06.03
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    自分の知っている組織が寄付を続けている児童養護施設 ってなんとなくどういう人がいるのかは知っていても、 その人たちがどう生活をしているのか よく・否まったく知らなかった。 社会に出ていく、場合によっては出ていかざるを得ない システム、出ていったあとに待ち構えている世界が 施設出身ではない多くの人間とは異なること。 自立できるまでの生活の場を提供し、自立した後に 戻って来られる場所とはちょっと違うのだな。 作者の他の作品同様、善き人々が気持ちよくイキイキと 動きまわり、衝突したり、悩んだり、爽やかに物語が 進んでいき、甘々の恋愛成分が薄い分 エンターテインメントではあるものの、 読者も物語を楽しみながら真剣にテーマに引き込まれる。 で、自分はどう向き合い、どう接し、何を行うのか、 何を行わないのか、考えるきっかけに。

    0
    投稿日: 2018.05.28
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    胸キュン要素を期待して読むのならば、ちょっと物足りないかもしれない。 児童養護施設が舞台となっている以上、あまり恋愛要素を盛り込むわけにもいかないだろう。 社会的な問題を取り扱いながら、しっかりとエンタメになっているのは、さすがとしか言いようがない。 あとがきを読んで、児童養護施設のことを知ってもらうために小説家に手紙を書いた少女が実在したことには驚いた。 これは作者としても、頑張らざるを得ないよなぁ。

    0
    投稿日: 2018.05.27
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    児童養護施設にいるひとりの女の子の手紙からこの物語は紡がれたそうだ。そういう声に耳を傾ける有川さんを尊敬する。 この物語の骨子は、「かわいそう」と簡単にレッテルをはってほしくないというところにあると思う。それは私も常々思ってきたことなので、とても共感した。「かわいそう」というのは、ひとつ(?)上からの視点だと思う。だからこそ、「かわいそう」ではない寄り添い方をしていきたいし、「かわいそう」という一言がどれだけ傷つけることがあるのかということを伝えない。そんなことを思った。

    0
    投稿日: 2018.05.25
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    偏見の目で見ていたものをズバッと変えてくれる一冊。 児童養護施設って、どうしてもかわいそうな子どもがたくさん入っているイメージを持ってしまう。 あー、あの子施設の子なのよねえ、なんて。 施設で生活できて幸せ、っていう奏子の思いに目から鱗。 施設に入る前、親と生活していたときの苦しみを考えるとたしかにそうなのかもなと思った。 やっぱ有川さんすごい。 そして解説も感慨深かった。そういうことなのねー! 最近、読書熱が再燃してきてて楽しい。 次読む本がひかえてるっていいね。

    0
    投稿日: 2018.05.20
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    伝えたいという思いに満ちた物語だった。 だから、とても読みやすかったけど 小説としては、都合の良い展開が多かったかなと思う。 今では、一般の家庭のほうが大人として子供を見れてない親が多いと思う。友達のような親子ってそうゆうことじゃないかな。

    0
    投稿日: 2018.05.17
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    いい人しか出てこないけど、素直にいい話。 疲れているときにも読める1冊。 そして、一気読みさせる面白さはちゃんとある。 途中何度か泣いて、クライマックスで盛大に泣いて、終わってほうっと息をついた後、あとがきでまた泣かされるという。。。

    0
    投稿日: 2018.05.14
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    このレビューはネタバレを含みます。

    再読。登場人物がみんな真っすぐで、児童養護施設の持つ問題点をわかりやすく伝えてくれるので、理解したいなあという気持ちが自然とわきあがってくる。

    2
    投稿日: 2018.05.10
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    このレビューはネタバレを含みます。

    本当に有川さんのところに届いた手紙に端を発し、ある社会問題な現実を小説を通して世の中に認知させたと言う点は素晴らしい。 評価としては辛いですが有川さんの小説としては中の下。 が、ともすれば堅い問題提起に終わりそうなこのテーマを扱ってきちんとエンターテイメントとして読ませるだけのものにするのはやはり流石。

    0
    投稿日: 2018.05.10
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    児童養護施設とそこにいる子供たちの気持ち、わかっているようでわかっていない、その立場になってみないと理解できないことがたくさんある。物事を一面からでなく、多方面から見たり、考えたり、素直に受け入れたり、自分の意見を持ったり。。 大事なことは難しい。

    0
    投稿日: 2018.05.09
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    もっと続きが読みたくなる。まだ終わってほしくない。有川さんの作品をよむといつもこういう感情になります。今回も例外なく、というより今まで以上に感じました。 そして最後の解説をさらった読んで飛ばしてしまうのですが、解説で驚かされた作品はこれが初めてです。

    1
    投稿日: 2018.05.09
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    最近では児童についての本も増えてきたし、そこまで目新しいものではなかった。施設の当事者の思いが描かれているが、なんとなく印象に残りづらかった。とんとん拍子にうまくいく展開は、簡単に行き過ぎだと感じた。実際の手紙をもとにしている点はとても良いと思うが、他の人の事例や取り巻く人の実情など、さらに掘り下げて欲しかった。

    0
    投稿日: 2018.05.07
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    温かい内容で、とても素敵だった。ラストを読みながら、これって…と思っていたことが、後書きとリンクしていて、有川さんさすがだなあ、と感激した。

    0
    投稿日: 2018.05.07
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    有川浩の明日の子供たちを読みました。 児童養護施設「あしたの家」を舞台に、世間の人が児童養護施設に対して抱いているイメージとはちょっと違う、職員と子供たちの生活の様子が描かれています。 例えば、いろいろな事情で親と一緒に暮らせない子供たちは、困ったときに親に頼ることが出来ないため、進学も大きなリスクになります。 それでも子供たちは悩みながらも自分の進む道を探していくのでした。 解説で、この小説が書かれることになった経緯が明かされて、なるほどと思ったのでした。

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    投稿日: 2018.05.07
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    児童養護施設に住む子供たちと、そこで働く職員たち。取り巻くのはちょっぴり冷たい社会。 全ての人が自分と同じ環境で育ったわけではないと思い知る。辛いんだ、助けて! と声をあげたら、どこからともなく差し出される手がある社会だと良いなと思う。

    0
    投稿日: 2018.05.07
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    このレビューはネタバレを含みます。

    児童養護施設を巡る物語。 渡会と和泉の高校時代の恋の話が非常に共感できた。 男というものはかっこつけたがるものだよなと改めて再認識。なんというかにやけてしまう。

    0
    投稿日: 2018.05.06
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    この作品が生まれたいきさつなど まるっきり知らず 大好きな作家さんの 文庫が出たから買ったわけですが。 まさかそれがこの本が出版された理由だとは! まさに私は策にはまり 「砕かれ」ました。 自衛隊シリーズと図書館戦争に共通する 内側からの視点が この作品にもあります。 児童養護施設をモチーフとすることの難しさは 自衛隊と同じですよね。世間の人は知っていても 正しくは知らない。それを真面目に、正しく 描こうとする姿勢に 掛け値無しに共感します。 児童養護施設を「家」だといい 職員を「家族」だなどという誤解は 何も知らない方が施設にそんな幻想を抱き 社会が薄っぺらな理想論に 染まっているからでしょう。 職員は親でも兄姉でもなく 子供たちの幸せな暮らしと将来の自立を支える 児童福祉のプロフェッショナルなのだということを こうしてあらためて真っ直ぐ提示されたことに 清々しさを感じます。 自衛隊も図書館も児童養護施設も その本来の機能と存在意義 そして 信念を持ってそれを支え続ける 多くのプロフェッショナルたちがいる。 内側の視点を的確に自分のものとし 誰の立ち位置から見ても正しいと思える ありのままの真実として伝えることができる 唯一の作家。 それが我らの有川浩さんだと私は思うのです。 解説も含めて最後まで読んでようやく 「そうだったのか!」と制作事情に 気づくわけですが やたらと出てくる「ハヤブサタロウ」なる 奇妙な作品名は長い長い伏線だったんですね。 最も胸を刺したのは 児童養護政策が エアポケットであるという事実でした。 老人介護や障がい者は多くが選挙権を持ち 持たない方でもそれを持つ保護者がいる。 でも児童擁護施設の当事者たちは選挙権を持たず 保護者であるはずの家族との関係は 必ずしも良好ではない。 政治に対して声をあげる立場にないこと。 それが政策的に後回しにされ 社会の偏見にも さらされる大きな要因であること。 このことは この作品を読むまで うかつにも 気づいていませんでした。でももう 気づきました。 これからは私も支援者として行動することが 自分に対して恥ずかしくない。 きちんと知り 正しく支援できます。 この作品は 多くの人に読んでほしい。 自衛隊シリーズや図書館戦争シリーズと 同じ意味と 同じ強さでそう思いました。

    5
    投稿日: 2018.05.04
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    児童養護施設の現状と課題やそこに働く職員とそこで暮らす子供たちの心情について丁寧に説明し、偏見や誤解を解き、物語の形を借りて広く世間に知らしめる、みたいな本。 最後になって分かるように、実際に施設で暮らしていた女性が自らの思いを手紙で作者に伝えてこのような本としてまとまったよう。 しかし、そこに暮らす人に対して「かわいそう」ではなく「大変だなぁ」というのは参考になったが、話の流れとしては、どうにも素直に読めなくて…。 最初の話が、”かわいそうな子供たち”の支えになろうと飛び込んできた職員の三田村に、誤った見方からの同情は要らないとばかりに反発する”問題のない子”奏子、という作り。 そこからしてベタなんだけどで、二人の間が気まずくなって、だけども歩み寄りがあって、二人が分かり合えるようになるって、この展開はどうでしょう。 その後も、施設の子であった彼氏に上から目線で接して振られた過去から施設の職員になった和泉が、今なら彼のことが分かるのかとか、進学を勧めた子が奨学金が払えなくなって大学を退学して以来、進学を勧めるのに踏み出せない猪俣が、ある再開をきっかけに再び思いを直すとか、まあ、ありがちな話が続く(手練れた作者はそこをきっちり読ますのだけど)。 元より施設の子にしても優等生の奏子と久志以外には殆ど登場せず、職員にしろ、三田村・和泉・猪俣の他には、出来た施設長の福原と頑迷な副施設長・梨田しか描かれず、これまた類型的な描き方。 私は有川さんのお話はいつも楽しみにしていて、本作もとてもためになるし真っ当なお話しだったと思うけど、今回は作風とテーマがしっくりマッチしなかったように思う。

    3
    投稿日: 2018.05.02
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    慎平ちゃんのキャラクターが愛らしくて好き。伏線が忘れかけた頃に回収されてスッキリする。児童養護施設という少し重いトピックなのにくすくすと笑えるような場面が多くみられ、心の奥が温かくなるような気持ちになった。

    3
    投稿日: 2018.05.01
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    このレビューはネタバレを含みます。

    施設職員の経験はないけれど、施設の子どもたちや職員さんたちと関わってきた私が読んでみて、すごくリアルな印象です。施設を舞台にしたドラマ等は、全然わかってない、偏見を助長する、とイライラしながら見ることも多かったのですが、この小説はぜひ多くの人に読んでほしいです。  施設職員それぞれが挫折や葛藤を抱えながら働いていて、子どもたちに寄り添いながら成長を支えていく。子どもたちも施設の中の人間関係、学校での人間関係など家庭で育つ子どもたちとは違うことでたくさん悩みながら生きていく。私が関わった職員さんや子どもたちと重なるところもあり、泣ける場面がたくさんありました。  特に、猪俣先生とアッコの関係はとても共感できました。関わった子はいつまでたっても担当児童だし、どうしてるかわからなければ心配。未熟な自分のかかわり方であの子の人生に悪影響を与えてしまったのではないか、という思いはずっと付きまとう。  施設出身者というマイノリティの課題がなかなか社会に理解されない、退所後の居場所必要性がなかなか理解されないのを、変えていこうとするプレゼンの場面、「届け。響け。穿て。」と祈りながら聞く職員さんと一緒に祈りながら読んでいました。 この本の登場人物たちも、現実世界の子どもたちや職員さんもみんな幸せになってほしいな、と願いながら読める素敵な本です。

    1
    投稿日: 2018.04.30
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    久々の☆5つ。県庁おもてなし課や空飛ぶ広報室とかこの手の有川浩のシリーズ、ホント好き。 今回はいわゆる「施設」の子供たちと、そこの職員たちのお話し。全く知らない世界だったのに、本当に勉強になった。作者(と手紙を出した女の子)の思う壺ということです。にしても何事も先入観なく、ゼロベースで物事を見るということのなんと難しいことか。 そして勉強になった系なのに、ここまで引き込まれるのはなぜだろう。何回かジーンときました。 やはり自分は数多くの取材に裏付けられたノンフィクションが好きなんだなぁと改めて。 それと話の本筋とは違うけど、読書をすることで「色んな人の人生が体験できる」というのは、これまでなかった視点だった。読書が趣味で良かったと今回かなり思った。

    4
    投稿日: 2018.04.30
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    2018041 舞台は児童養護施設。 ひとりの女性が有川さんへ投稿したことがきっかけで、生まれた作品と巻末の解説にありました。児童養護施設を舞台にした作品と言うのは、見たことがなかったのですが、施設の実態とか、抱えている問題など色々と知ることができました。 作中に登場する様々な先生たち。理想主義に燃える先生もいれば現実主義に走る先生もいる。最初は理想主義に燃える慎平や和泉を応援していたけど、現実主義的な猪俣先生の存在も必要なのだと思いしる。優しさや強がりだけではいつか心が折れる。だからこそ冷静に物事を見る目も必要なのだと。それでも子供達に注ぐ優しさは変わらない所が良いなと思う。 猪俣先生の進学して良いのは意識が高い子だけという考え方は話を読み進めて行くうちに、その理由が良くわかりました。自分の考えの甘さに打ちのめされました。そして行方不明の施設の子と再び巡り会えた時は本当に良かったです。思わず泣きそうになりました。 親は子どもが可愛いから甘やかす。自分も子どもがいたらそうするかもしれない。施設は子どもにルールを教えて、自分のことは自分でやらせる。そうしないと、将来、頼れる大人がいないからという。心構えからして違うなと思う。 親がいるということが当たり前。親は子どもを愛するのが当然。それはすべてのひとに当てはまる訳ではない。親の育児放棄もあれば、すでに両親が他界している子どももいる。こどもたちも様々な事情はあるけど、可哀想と思う考えは良くないと思いました。結局、それで終わってしまうから。自分達がこのぐらいの年の時は、どうだったかと言う、その子と同じ目線に立って考えることは必要だとおもいました。 明日の子供達も、近所の子供達と何も変わらない。久しぶりに読み応えのある作品でした!

    0
    投稿日: 2018.04.30
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    有川浩好きだけど、今回は今一つ・・・ 有川浩の持つ雰囲気と、児童養護施設が合わない気がした。 「いやいや上手くいきすぎでしょ」みたいな。 恋愛ものならベタベタの展開もバシッ!とハマるんだけどねぇ。

    2
    投稿日: 2018.04.29
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    施設の子はかわいそう…何も知らずにただ漠然と持っていた施設に対する間違ったイメージがこの本を読んだことで大きく変わりました。 登場人物たちの様々な後悔や想いが繋がり少しずつ救われていく様子や、何よりも最後の解説を読んで心が熱くなりました。

    0
    投稿日: 2018.04.25
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    児童養護施設の職員とその施設で生活している&していた子供達の物語でした。 親がいなかったり、親が適切に子育てできない、そのような境遇の子供は、とても厳しい人生を送るという先入観があり、かわいそうなお話を想像していましたが、全然違いました。 高校3年生の女の子は、施設で生活できて良かったと思っていました。ここに先ず驚き、一気に読み進んだのでした。 個人の問題だけでなく、政策の問題点を打開しようという素晴らしい展開にも思わず拍手です! 末尾の解説、これはファンタジーでは?こんなことが現実にあることにも驚きました。

    0
    投稿日: 2018.04.25
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    児童養護施設を舞台にしたお話です。 大学で社会福祉を勉強していましたが、知らないことばかりでした。 施設に入らなければならなくなった悲惨な話が満載なのかと、ちょっと緊張しながら読み進めましたが、そんなことは全くなく。 ちょっと説明的な描写が多いなという印象はありましたが、それも最後の解説を読んで納得。 児童養護施設のこと、中の子供たちのことを知ってほしい。 この物語ができた経緯を知ったらもっと好きな物語になりました。 有川ワールドなので、もちろんキャラクターが魅力的です。 ちょっと反発しちゃってやり場のない心の動きとか、痛いくらい共感できました。 あとはちょっと切ない恋のお話、物語の続きが知りたくて仕方ないこれからの恋のお話しもあり。 いつか短編でその後がわかればいいな。

    0
    投稿日: 2018.04.24
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    児童養護施設の子dもたちと職員のお話。慎平ちゃんのキャラや和泉のキャラは、有川作品によく出てくるタイプでほのぼのした。一気に読めていいお話だったが、単行本で一度読んでいるのか?ドキュメンタリーの記事に似たような内容のものがあってそれを読んだのか?どこかで聞いたようなエピソードがあったので、ちょっと★を減らしてみました。

    0
    投稿日: 2018.04.24
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    様々な理由から児童擁護施設で暮らす子供たち。とある施設を舞台に新人職員三田村慎平と先輩職員、子供たちを描いている。実際の施設に暮らす子供からの手紙で始まったというのも興味深い。かわいそうってやっぱり見下している言葉なんでしょうね。早く大人にならなければならないというのもそれを受け止める側も大変だ。

    0
    投稿日: 2018.04.22
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    このレビューはネタバレを含みます。

    児童福祉施設などには全く関心がなかった(というか日常生活で接点がなかった)私としては、この本を読めて本当によかった、と思う。 作家への手紙のくだりには、参考になった実在の女の子がいたようなので、これは実話に近いのかな。 最初は「使えないヤツ」と見捨てたくなるような三田村が、和泉先生やや猪又先生とい先輩の中で、自分の特性も加えつつ成長していく様子が微笑ましかった。奏子と久志の爽やかな関係も気持ちよかった。

    0
    投稿日: 2018.04.20
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    児童養護施設の子供たちと、そこで働く職員のお話。 有川浩らしい、ハートフルな“強く心動かされる”作品。 魅力的な登場人物達に、いつもより“ぐっ”と物語に引き込まれました。作中の登場人物達の掛け合いが絶妙です!全ての登場人物が主役に感じられるストーリー展開にも好感が持てる作品でした。 それもそのはず、物語の最後に思わず涙!!! ちゃんと解説まで読んでね。 もうタイトル見るだけで笑顔で泣けます。笑

    0
    投稿日: 2018.04.20
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    安定して面白かった。有川浩は特定の分野だけでなく色んな分野でインタビューや調査をして物語化しているのが好きだ。明確に伝えたいことがある時は恋愛要素を控えめにするところも良い。 この本をきっかけに児童養護施設のイメージが変わった。中途半端に毒な親に育てられるよりこのような施設に入り、自立して生きていくほうが幸せだな。

    0
    投稿日: 2018.04.19
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    児童養護施設での子どもたちの生活と職員の仕事の話。重いテーマだけど,読むのが苦しくなるほど重く書くのではなく,でも丁寧に取材されていることがわかる物語だった。

    0
    投稿日: 2018.04.18
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    とても素敵な本だった。 今まで児童養護施設について深く考えたことがなかったけれど、この本に出逢えたことで、確実に私の中で何かが変わったと思う。 この題材を描こうと決めた有川さん、そして何より有川さんに手紙を送った、当時施設にいた少女にも感謝したい。その少女が大人になって解説を書いているのも、また素敵だ。 ページ数は多いけど、有川さんらしい人間ドラマにウルっとしたり、ほのかに恋愛要素が入っていたり、とても読みやすかったし楽しめた。

    3
    投稿日: 2018.04.17
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    アッコの件。やっぱり有川浩好きだ。 ーーー 三田村慎平は転職先の児童養護施設で働き始めて早々、壁にぶつかる。生活態度も成績も良好、職員との関係もいい”問題ない子供”として知られる16歳の谷村奏子が、なぜか慎平にだけ心を固く閉ざしてしまったのだ。想いがつらなり響く時、昨日と違う明日がやってくる。先輩職員らに囲まれて成長する日々を優しい目線で描くドラマティック長篇。

    1
    投稿日: 2018.04.14
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    一気に読み終わった。 なんというか、重たいテーマであると思うのに、爽やかだった。登場人物がとても魅力的。 児童養護施設というものに対して、エアポケットに入っているというのはすごく納得できることだった。 個人的には、本を読むのは素敵なことという施設長の人柄、言葉がすごく素敵だと思った。

    6
    投稿日: 2018.04.12
  • 使命をもって書かれた作品

    例のドラマのことも出てきて,児童養護施設について正しく知ってもらうと いう使命をもって書かれたとも言える作品です。 「かわいそうなんて思わないで欲しい」という”問題のない”施設生カナと使命 感をもって転職してきた慎平の認識のずれがそのまま世間の認識のずれなの でしょう。 ブームにさえなった,タイガーマスク(伊達隼人)にも 「ランドセルは支給されるので,必要ではないんですよ」という施設長。何 が必要とされているのかが少しだけ見えてきます。 最後まで読むとどうして有川さんがこの本を書くことになったのかが分かり ますよ。

    0
    投稿日: 2018.04.10