
総合評価
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powered by ブクログこれって解決出来るの?とドキドキしながら最後まで一気に読み終えてしまいました。 2010年から25年前の事件、すでに時効になってしまった9才女児殺人遺棄 定年退職した67歳の元国家犯罪捜査局長が、自己の体調悪化が取っ掛かりの物語が始まり、中だるみも全く無い展開 シャーロックホームズの名前も出てきてファン的にはちょっと嬉しかったです。 他の本も大人買いで、揃え中!
11投稿日: 2025.10.29
powered by ブクログ国家犯罪捜査局の長官を退職したヨハンソン。脳溢血に倒れながらも、25年前に起きた少女惨殺事件の犯人に迫る。 1985年6月21日に少女の死体は発見されたが、今日は2010年7月14日、ヨハンソンの担当医から、牧師だった父が去年死ぬ間際、少女の事件の犯人を知っていると懺悔を受けていた、と打ち明けられる。そこから始まるヨハンソンの推理。 しかし、事件は時効を迎えていた。この7月1日に時効廃止の法改正がされたが、事件は6月で時効が成立していたため、法改正は適用されないのだ。 しかしヨハンセンは、元同僚や、捜査資料を取り寄せ、その資料を丹念に読み解き、隠されていた人物にゆきあたる。 事件の家族はトルコからの移住者、さらにロシアからの移住者なども出てきて、スウェーデンの事情が興味深い。時効でも犯人に行き着いた時どうするか、しかも残忍な犯罪なのだ。 ヨハンソンの頭脳がスーパーすぎる気もするが、また、性犯罪の描写に辟易するが、いろいろな登場人物に、読む手は止まらない。 2010発表 2018.2.16初版 2018.4.6再販 図書館
10投稿日: 2025.02.12
powered by ブクログきっと面白い作品なんだろうけど、どうしても海外の翻訳ものが性に合わない。 小粋なジョークとかあるんだろうけど、よくわからず。 これが最初から日本語ならもっと没頭して読めたのになーと残念。
0投稿日: 2024.07.28
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
海外ものをよく読むけれど、 上手いなと感心する翻訳と、 ところどこと、ムムム・・・???と感じてしまう翻訳がある。 本作は後者かな。 もっと軽妙に読み進められるはずにのシチュエーションだと思うので、ちょっと残念。
0投稿日: 2023.05.15
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
スウェーデンが舞台の長編ミステリー 史実を絡めて物語が進むので現実味が強い作品でした。 主人公は元凄腕の長官ヨハンソン。 退職後に脳梗塞になり入院先の主治医から25年前のある未解決事件の話を受ける。 時効を迎えている今、法的に罰することが出来るのか?また犯人は誰なのか? 中盤で犯人像が明確になり、 そこからどう追い詰めるかが面白かった。 個人的にマティルダとマックスのキャラクターが良かった!2人が居てくれて良かった。 ヨハンソンはもう少し体に気を遣って欲しいな。
0投稿日: 2023.05.06
powered by ブクログスウェーデンミステリーの大御所、GW・ペーションの作品を読んでみた。主人公が脳梗塞で倒れ、運ばれた病院の主治医からの依頼で、時効になった事件を再捜査する。協力者は個性的な面々で面白い。後半、事件の成り行きを知りたくて一気に読んだ。 裏切らない展開である。
0投稿日: 2023.03.31
powered by ブクログスウェーデンの作家「レイフ・GW・ペーション」の長篇ミステリ作品『許されざる者(原題:Den Doende Detektiven、英語題:The Dying Detective)』を読みました。 「アーナルデュル・インドリダソン」、「ジョー・ネスボ」の作品に続き、北欧ミステリが続いています。 -----story------------- CWA賞、ガラスの鍵賞など5冠獲得! 北欧ミステリの重鎮による究極の警察小説 国家犯罪捜査局の元凄腕長官「ラーシュ・マッティン・ヨハンソン」。 脳梗塞で倒れ、一命はとりとめたものの、右半身に麻痺が残る。そんな彼に主治医の女性が相談をもちかけた。 牧師だった父が、懺悔で25年前の未解決事件の犯人について聞いていたというのだ。 9歳の少女が暴行の上殺害された事件。 だが、事件は時効になっていた。 「ラーシュ」は相棒だった元捜査官や介護士を手足に、事件を調べ直す。 犯人をみつけだし、報いを受けさせることはできるのか。 スウェーデンミステリ界の重鎮による、CWA賞、ガラスの鍵賞など5冠に輝く究極の警察小説。 解説=「杉江松恋」 ----------------------- 人呼んで"角の向こうを見通せる男"、「ラーシュ・マッティン・ヨハンソン」… そんな伝説の国家犯罪捜査局の元凄腕長官を主人公にした物語、、、 主人公の「ヨハンソン」は、伝説の捜査官というだけではなく、警察組織内で"オーダーレンから来た殺戮者"と恐れられたほどの鬼上司でもあったようですね… 本作品に至るまでの物語はシリーズ化されており、シリーズが始まった1978年(昭和53年)、当時の「ヨハンソン」はまだペーペーの捜査官で、同期の親友「ヤーネブリング」と共に夜な夜なストックホルムの街をパトロールしていたらしいです。 「ヨハンソン」はそこから、最終的に国家犯罪捜査局の長官にまで上り詰めたんですから、スウェーデンミステリ史上最も出世した主人公ですね… 本作品は、「ヨハンソン」が定年退職したあとに巻きこまれた事件を描いた物語で、シリーズ最終章とも呼べる作品、、、 本作品がとても愉しめたので、これまでのシリーズも読んでみたいのですが… 邦訳されていないようです。残念。 2010年(平成22年)7月5日、「ヨハンソン」はストックホルムのカールベリス通り66番にあるホットドッグ屋台〈ギュンテシュ〉でお気に入りのホットドッグを買うが、いざひと口かじろうとした瞬間、脳塞栓の発作を起こし、危ういところで命を拾う… 国家犯罪捜査局元長官の「ヨハンソン」にとっては青天の霹靂ともいうべき出来事であった、、、 右半身に麻痺が残ったほか、かつては部下たちに「角の向こう側が見通せる」と畏怖された頭脳にも以前ほどの切れが戻らない… 病床で失意を噛みしめる「ヨハンソン」に、主治医の「ウルリカ・スティエンホルム」が驚くべきことを打ち明けた。 牧師だった彼女の父は、ある殺人事件の犯人を知っているという女性から懺悔を受けたものの、聖職者の守秘義務ゆえに誰にも口外できず、悔いを残したまま亡くなったのだという… それは25年前の1985年(昭和60年)6月に「ヤスミン・エルメガン」という9歳の少女が殺害された事件で、警察の初動捜査が遅れたことなどが災いして、迷宮入りしていた、、、 スウェーデンでは2010年(平成22年)に法改正が行われ、殺人を含む重大犯罪については時効が廃止されたが、それも同年7月1日以降に時効となるもののみが対象である… 「ヤスミン」の事件は一足早く時効が成立してしまっていた。 つまり、「ヨハンソン」が犯人を突き止めたとしても法で裁くことはできないのだ… それでも「ヨハンソン」は、このようなおぞましい事件がいまだに未解決だということに元長官としての責任を感じ「ヤスミン」事件を解決することを決意する、、、 「わが主が、25年前の古い殺人事件に正義をもたらすために、 頭に血栓の詰まった意識不明の元警官をお前さんの元へ送ったとでも言うのか。 さらには、たった数週間ちがいで新しい法律に間に合わず、時効を迎えさせたとでも?」 「ヨハンソン」による執拗な犯人捜しが始まる… 思うように身動きのとれない「ヨハンソン」は、同期の元相棒で親友の「ボー・ヤーネブリング(ヤーニス)」や、元部下の「シェル・ヘルマンソン(ヘルマン)」、介護人の「マティルダ(ティルダ)」、兄「エーヴェルト」から派遣された用心棒のロシア人の若者「マキシム・マカロフ(マックス)」、妹の夫で元会計士の「アルフ・フルト」等の協力を得ながら、真相に近付いていく。 脇を固める個性豊かな仲間たちが印象的でしたね… 身体の自由が利かない「ヨハンソン」を、年齢も出身もバラエティーに富んだ仲間たちが常にサポートしているんですよね、、、 彼らの協力と「ヨハンソン」の論理的な推理によって、犯行現場や犯人が徐々に特定される… しかし「ヨハンソン」の前には難題が立ちはだかっていた。 この事件は時効を過ぎてしまっている… 見つけだした犯人を、いかにして罰するのか――。 「ヨハンソン」は、犯人と直接接触… 時効になっていない他の犯罪や母親の自殺を自らの殺人だったと証言して自首し、自ら懲役を受けることを促す、、、 犯人の判断は!? いやいや、ここからが衝撃的な展開でしたね… 賛否両論があるエンディングだと思いますが、個人的にはスッキリするオチでしたね。 「ヨハンソン」の、まず現状を受け入れる… という考え方が印象に残りました、、、 これって、生活や仕事において、大切なことですよね… さすが元凄腕捜査官ですね。 以下、主な登場人物です。 「ラーシュ・マッティン・ヨハンソン」 国家犯罪捜査局の元長官 「ボー・ヤーネブリング(ヤーニス)」 ストックホルム県警の捜査課の元捜査官 「パトリック・オーケソン(パト2)」 県警の警部補 「シェル・ヘルマンソン(ヘルマン)」 県警の犯罪捜査部の警部 「エーヴェルト・ベックストレーム」 ヤスミン事件の捜査責任者 「ピエテル・スンドマン」 ミリヤムの知り合いの警部補 「リサ・マッティ」 公安警察局本部の局長補佐 「ピア」 ラーシュの妻 「エーヴェルト」 ラーシュの長兄 「アルフ・フルト」 ラーシュの妹の夫 「マティルダ(ティルダ)」 ラーシュの介護士 「マキシム・マカロフ(マックス)」 エーヴェルトから派遣されたロシア人 「マッツ・エリクソン」 経理士 「ウルリカ・スティエンホルム」 ラーシュの主治医 「オーケ・スティエンホルム」 ウルリカの父、牧師。故人 「アンナ・ホルト」 ウルリカの姉。検察官 「ヤスミン・エルメガン」 二十五年前に殺された少女 「ヨセフ(ジョセフ・シモン)」 ヤスミンの父 「ミリヤム」 ヤスミンの母 「マルガリエータ・サーゲルリエド」 オペラ歌手 「ヨハン・ニルソン」 マルガリエータの父 「ヴェラ・ソフィア・ニルソン」 ヨハンの妹 「スタッファン・レアンデル・ニルソン」 ヴェラの息子 「エリカ・ブレンストレーム」 マルガリエータの家政婦
0投稿日: 2023.03.10
powered by ブクログ読み終わってから、感想を書くために少し検索して大事なことを知った。本作、1978年から続く大人気シリーズの最終話(2010年発表)なのだということを。 『ヤーネブリング&ヨハンソン』シリーズは、最初はペーペーだった主人公が警察組織のトップに登り詰める、いわばスウェーデン警察版「島耕作」の様なものらしく、本作『許されざる者』はその主人公の定年退職後の話。なのだが、実は本作が同シリーズの本邦初登場だった、という状況。 それは先に知っときたかったなあ。それにいきなり最終話だけ読んでもなあ。長年愛されてきたキャラクターに対するファンの惜別の思いに応える、そういう意図を持って書かれたと理解していれば、冗漫さにイラつくことはなかったよ。 以下は上記の事項を知る前に書いた感想(ネタバレ無し)で、知った上では若干アンフェアかなと思われる記述もあるが、ある意味アンフェアなのはお互い様だ。そのまま載せる。 =====≠==≠=========================== 安楽椅子探偵的な設定のためか会話の場面が多く、それも事件と関係ない内容も多い。近年のミステリの傾向と比して、主人公のキャラ付けに筆を費やし過ぎではないかと。それも、どこかで見たような頑固で横柄なクソ親爺型。そういうのは英語圏の作家が散々コスってるし、そちらのほうが本作よりもずっと巧みにユーモアとペーソスを醸し出している。ユーモアに関しては(ユーモアを意図したものかどうかも定かではないが)ほぼ全スベりで無益に緊張感を損ねただけ。演出、味付けの面でセンスが良いとは言い難い。 本作同様に警察官の公私を描いた作品としてはアーナルデュル・インドリダソンのエーレンデュル捜査官シリーズがあるが、趣向は同じでも中身は本作とは一味ちがう。公私ともに親子の問題に関する事件を抱え、それらが共鳴しあって一つのストーリーとなっているのだ。 本作では時効を迎えた少女暴行殺害事件に、主人公の元警察幹部(富裕層)のリハビリ生活が絡むが、最後まで読んでも一つのストーリーとして統合・収束された感じはない。 事件捜査のプロットは素晴らしく、引き込まれるところもあった。が、決着の付け方は唐突すぎて、あんまり味がしなかった。五冠に輝く警察小説ということで期待は大きかったが、あまり高くは評価できない。
1投稿日: 2022.11.25
powered by ブクログ時効が成立している犯罪の犯人を探すよう依頼された国家犯罪捜査局の元長官。25年前の犯人を見つけられるのか。突き止めたところでその落とし前をどうつけるのか、がポイント。長官を補佐する仲間が皆いい感じ。
0投稿日: 2022.06.21
powered by ブクログ読みやすかった!重たいテーマだし、北欧ミステリーだし時間がかかるかと思ったけど、あっという間に読了。 ひとつひとつの章が短くて、スピーディな展開で読みやすい。登場人物も愛すべきキャラクターばかりで覚えやすく、何度も登場人物ページで確かめたりする必要がなかった!犯人以外みんな良い人なんだもん。
0投稿日: 2022.02.27
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
ネットで見かけて。 何だか変な感じがした。 その「変」は読み終わった後、解説を見てわかった。 人気のシリーズの最終作だった。 なるほど。 それで、 登場人物が妙に完成されたキャラクターだったり、 途中で出て来た人との関係が重かったりのは、そのせいか。 北欧ものにしては暗くないし、 悲惨でもないこの作品において、 それは決してマイナスにはなっていなかったけれど、 この前の作品を翻訳してほしい。 話はそれだから。 「角の向こう側の見通せる」男、国家犯罪捜査局の元長官が、 脳梗塞で倒れる。 麻痺と闘いながら、担当医の頼みを聞いて過去の事件を調べ始める。 妻の諫めも聞かず脂っこいものを食べたり、 酒を飲んだりしながら。 病と闘いながら死に向かう話なのに、 ユーモアにあふれていて面白かった。 たぶん、最終作にふさわしいオール・キャストなのだろうが、 それが楽しめないのが残念だ。 北欧ものはそこそこ読んでいるが、 ヘラジカ猟がそれほど重要なことだとは知らなかったし、 七十年代の終わりごろにモンチッチが流行っていたのも知らなかった。 衝撃的だったのは、 若い妻が遺言どおり半年もたたないうちに、 新しい恋人を作ったことかな。
0投稿日: 2021.11.07
powered by ブクログ面白かった。意外な出だし、車いす探偵として主役の鋭さチームの妙味。好きなタイプでした。どう結末つけるんやろうって思いながら読み進む。
0投稿日: 2021.07.01
powered by ブクログ始まりは慣れるまで読みにくく、その後にどんどん面白くなり、最後はまたあっけなく終わって拍子抜け。解説でこの原作はシリーズだとわかり、その最終巻にあたるのだと知った。現時点ではシリーズ自体は翻訳されていないようだ。賞を獲った作品なので、これだけ独立して読んでも面白いはずなのだろうが、自分には今ひとつ入り込めず、熱量がクライマックスまで保てなかった。
0投稿日: 2021.05.05
powered by ブクログこれは面白い、素晴らしい。脳梗塞で倒れ麻痺が残った凄腕の元警察長官のヨハンソンに、主治医が、25年前に起きた少女暴行殺害事件の相談を持ちかけてきた。9歳の女の子の強姦殺人事件だ。事件はすでに時効だが、元同僚のヤーネブリング、介護士のマティルダ、身の回りを世話してくれるマキシムなど周囲の仲間と一緒に捜査を始める。ヨハンソンはもちろんだが、全ての世代、男女ともに魅力的な人物たちが登場する。ヨハンソンは幸せなわけだ。ヨハンソンのセリフの後に本心の言葉が続く。不甲斐ない後輩たちへの不満や自分への叱咤、女性への気持ち、その繰り返しが面白い。犯人は比較的早い段階で特定される。誰もが殴り殺したくなるような卑劣な少女虐待強姦殺人犯。話の主題は時効切れの犯罪者にヨハンソンはどうケリをつけるのかに移る。一命を取り留めたヨハンソンが人生の集大成とも言える事件解決をし、彼の人生の晩年に関わった若者たちがバトンを受けて次の人生に進んで行く。この本はスウェーデンの重鎮作家の書くヨハンソン&ヤーネブリングシリーズの最終話であるが、ラストでは主人公に肩入れしたり感情が偏ることもなく描かれ、まるで大河小説の中の登場人物の1人のようにあっさりと時代の渦の中に飲み込まれ、次の人たちに舞台が譲られる。そのさりげなさが返って人間らしくて好ましい。CWA賞、ガラスの鍵賞など5冠に輝いた傑作警察小説。
0投稿日: 2021.03.26
powered by ブクログ渋い。渋すぎる。 まず、主役が 脳梗塞を患い 右半身に麻痺が残っている 元警察庁長官。 治療やリハビリを受ける中で ある時効を迎えた 女児殺害事件に行き当たります。 主治医である女医から 牧師だった父親が 生前「事件の犯人を知っている」 という懺悔を耳にしたらしい と 告白され 犯人探しが始まるのですが いわゆる 『安楽椅子探偵モノ』に近く 自らは ベッドに横たわったまま 当時の捜査資料などを紐解きながら 想像力と経験値で 推理を進めていきます。 ピアスやタトゥーを施した 介護士の若い女性や 同じく年金生活者で 元警察官の親友 非常に細かい 元会計士の義弟 孤児で 並外れた 体格の持ち主である ロシア人の若者など 脇を固める配役も 一癖あって 魅力的。 主人公が 酸いも甘いも噛み分けた 中年以降の男性警察官で 男同士の友情や どうにもならない理不尽さ などが入り混じる 決して 手放しで ハッピーエンドとは 言えない 苦み走った 翻訳ミステリーが 大好きな私にとっては たまらない作品でした。 CWA賞など5冠に輝く 警察小説。 好みは かなり偏ると 思われますが…
4投稿日: 2021.03.23
powered by ブクログリタイアした高位の元警察官が時効を過ぎた残虐な殺人事件に関わる羽目になる。 その明察な推理と行動力によって犯人を見つけたが、主人公は呆気なく急死してしまう。 最後まで飽きさせない面白さ。 他の作品も読みたい。
0投稿日: 2021.03.15
powered by ブクログ良い本だ。主人公の病気は切実感がある。お金持ちで強い兄弟に守られて、地位も名誉ある人、まあ、退職はしたもののね。そんな事を羨んだりしたら、小説は楽しめない。それでも、病は降りて来る。 『見習い警官殺し』を読んでるので、ニヤニヤがでるところもあるし、このティストの違いが、差がこの作家の幅の広さ、力量だなと思う。 それでも、このエンディングは微妙。主人公には素晴らしい死が待っているか、微妙!ちょっと遊んでる感もあるか。 なかなか翻訳されないらしいが、もつと読みたい。 「いかなる慈悲も与えるな」 「目には目を、歯には歯をーー」
0投稿日: 2021.03.07
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
国家犯罪捜査局の元凄腕長官ヨハンソン67歳。 引退して悠悠自適だが脳梗塞で倒れ、後遺症の麻痺が残る。 入院中に女医から過去の迷宮入り事件を相談される。 女医の父は牧師で、懺悔で25年前の未解決事件の犯人について聞いていたというのだ。でも誰の懺悔か?誰を指したのかもわからず。 9歳の少女が強姦されて無残に殺された事件だが、時効になっていた。 ラーシュは相棒だった元刑事、義弟、介護士、兄から送られたボディガードらを手足に、事件を調べ直す。 長編だが一気に読んでしまった。 解説を読むと、このヨハンソンはシリーズ物らしくて、これが最終巻とのこと。 なんでこれが一番初めに訳されて出版されるのか? 些細な証拠から犯行現場を推測して、そこから地道に捜査をする。 自分は動けないので周りの者を手足にして犯人にたどり着く。 さて、そこからどうするか?時効によって刑事責任は問えない。 1.このまま放置する。 2.殴り殺す。 3.マスコミにばらす。 4.被害者の父親にばらす(父親は米国で成功した有力者) 5.犯人に悔い改めて自ら刑務所に行く選択を与える。 ここから何を選択するのか? 長い割に物語自体は割ととんとん拍子に進むので飽きは無い。 面白かったのは、ミレニアムの登場人物の名前が結構出てくる。 名探偵カッレ君とか(これは登場人物ではないけど) ラーシュが介護士にネットは使えるか?と聞くと「リスベット・サランデルほどじゃないけどね」とか。 最近読む小説の主人公が高齢者(戻り船の伝二郎は68歳)が続くが、皮肉屋で台詞「」の後に、自分の本音がはさまって、なかなか愉快。 もっと邦訳が出て欲しい作家。
19投稿日: 2020.07.26
powered by ブクログ読んでも読んでも終わらないなかなかの長編だった。でも特捜部の方が断然おもしろい。訳にちょっと違和感、どうして6l0代の主人公にわしとか、かたじけないとか言わせるのかな
1投稿日: 2020.05.21
powered by ブクログ北欧ミステリー。 退官した大物警官が関係者からの新情報を手掛かりに25年前の事件の真相を突き止める。 直観と洞察力を頼りに捜査するところはちょっとモースに似ている気がする。
0投稿日: 2020.05.13
powered by ブクログ少し厚めの小説だけど区切りが多くて読みやすかった。登場人物が多く、呼び方も様々で読み進めるのに少し時間がかかる。主人公の周囲の人たちの温かさが心地いい。結末がザックリしていて呆気ない。
0投稿日: 2020.04.21
powered by ブクログ引退した警察官が、既に時効を迎えた事件の捜査をする・・・。 そんなプロットの作品は、他にもあると思いますが、この作品で興味深いのは、その引退した警察官が国家犯罪捜査局の長官であったと言う事と、脳梗塞の影響で半身が不自由だと言う事。 動けない捜査官と言うと、リンカーン・ライムシリーズがありますが、ライムほど動けないわけでは無く、最後は自分で事件に幕を引くために動いていたりする訳ですが。 時効を迎えていたものの、真相が見え、犯人に選択を迫るわけですが・・・。 そういう結末ですか。中々興味深い結末です。
0投稿日: 2020.04.04
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
スウェーデン人の聞き慣れない名前がいっぱい出てきて苦労した。 それでもだんだんと解明されていく事件にどっぷりハマった。 最後は丁稚ってことでいいのかな。。。
0投稿日: 2020.02.17
powered by ブクログタイトルからイーストウッドの映画が思い浮かぶけれど無関係 。原題の直訳で良かった気がするが、内容に関わるという判断なのかな。 時効を迎えた凶悪犯罪をどう扱うかが一つの見所だが、某登場人物の超人化で非現実的な方向へ舵が切られた感じ。 主人公の家族や友人とのやりとりは親しみやすく微笑ましい。しかし「制裁」ルースルンド、ヘルストレム(著)を思わせる後味の悪さが尾を引く。
0投稿日: 2019.12.29
powered by ブクログ元国家犯罪捜査局長官が脳塞栓(心臓由来の脳梗塞)で倒れた。入院先の病院で女性主治医から25年前の未解決事件を聞かされる。9歳の少女を強姦した犯人は捕まっていなかった。ラーシュ・マッティン・ヨハンソンは車椅子生活を余儀なくされながらも非公式の捜査に取り掛かる。昨今話題の北欧ミステリだがスウェーデンの微妙な地政学が伺えて興味深い。 https://sessendo.blogspot.com/2019/12/gw.html
0投稿日: 2019.12.15
powered by ブクログスウェーデン産のミステリで、クリントイーストウッドは無関係です。 いきなり引退した警察重鎮が倒れるところから始まるのですが。。。。。
0投稿日: 2019.12.08
powered by ブクログ通りの向こう側を見通せるといわれた元犯罪捜査局長官が犯人を追う。体調の悪さと闘いながら。ののしりながら。 すでに時効の切れた事件、見つけてどうする。 武器は、的確な指示と判断力。 物語は脇へそれることなく、事件の中心をグイグイ進んでゆく。飽きさせない。 垣間見える頑固さがかわいい。 いい仲間たちだ。
0投稿日: 2019.10.09
powered by ブクログ退職した警官が過去の事件の調査を依頼され‥ スウェーデンの人気シリーズの最終作。 ガラスの鍵賞など、各賞総嘗めにした作品です。 警官と言っても、このラーシュ・ヨハンソン、ただの警官じゃない。 凄腕で知られる、国家犯罪捜査局の長官だったのです。 退職後のある日、脳梗塞で倒れます。 入院先の担当医の女性から、父親が気にしていたという、昔の事件を調べてほしいと頼まれます。 牧師だった父が、犯人を知っているという懺悔を聞いたというのです。 懺悔は本来秘匿すべきものなので、犯人の名前まではわからないのですが。 すでに時効になった、25年も前の未解決殺人事件。 かっての部下にも連絡を取り、少しずつ調べるうちにのめり込んでいきます。 不自由な身となり命の危険を感じつつ、生への執念を燃やすように。 ヨハンソンは兄との共同の事業でも成功しているし、年の離れた美人の妻もいる幸せ者。 頑固なヨハンソンのもとへ、見た目が派手な若い女性の介護士が来たり、ヨハンソンを上回って押しが強い兄が心配して送り込んだ屈強な若い男性が傍に付き従ったり。 思わぬ闘病&安楽椅子探偵生活を描く筆致はユーモラスです。 当初は雲をつかむような話だった昔の事情が、微妙に違った角度で見え始める。 部下たちが全幅の信頼を寄せている様子も微笑ましい。 さぞ豪胆で頼りになる上司だったんだろうな、と。 しかし倒れたというのに、好きなものを食べるのを全然やめないの、この男。 引退したとはいえ、時効とはいえ事件を抱えているのだから、もう少し健康に気を配ったほうが!という気はしますが。 最終作なのでオールスターキャストなのでしょう。 この作品からの翻訳で、これっきり?なのかどうか。 ちょっと、惜しいですねえ。 次はどの作品が翻訳されるか?楽しみにしてますよ。
20投稿日: 2019.07.19
powered by ブクログ時効となってしまった殺人事件を、引退した警官が捜査していく物語です。 犯人自体のめぼしは割合早くついてしまうのですが、時効になっているケースだからこそ、「犯人をどう罰するのか?」というテーマについても触れられていて、これが中々興味深かったです。 また、事件と同じくらいのボリューム感で、主人公の人生模様についても同時進行で話が進んでいきます。 個人的には事件の真相に迫っていく一連の流れは面白く、読むのを止められませんでしたが、主人公自身の話の割合がちょっと多いかなと思いました(途中で中だるんでしまいました…)
3投稿日: 2019.05.26
powered by ブクログストックホルムにあるスウェーデン一のホットドッグを出す屋台「ギュンテシュ」の、挽きたてのコショウとパプリカ、オニオン、軽く塩漬けにしてから粗く挽いた豚肉でつくられたジプシーソーセージをバゲットにはさんだやつ、想像しただけでお腹がなる。 脳梗塞で倒れた国家犯罪捜査局元長官が時効になってしまった25年前の事件を調べ直す。主人公がいつまた倒れるのじゃないかとはらはらしながら読了。長官が美しい景色のなかで幸せに幕を降ろせてよかった。事件当時も25年後も仕事のできない警部が最後はそれ故にうまく絡んでニヤリとさせられる。
2投稿日: 2019.05.12
powered by ブクログ2018年秋に読んで、とても印象に残る作品だったので、昨年の『このミス』では5位に投票したのだが、今思えばもっと上位に入れてもよかったかもしれない。本国スウェーデンでは、いくつかのシリーズ作でヒットを飛ばし、うち何本かはTVシリーズにもなっているこのレイフ・GW・ペーションであるが、日本ではほとんど知られていない。本邦初訳となるペーションのこの作品は、各賞を総舐めにした傑作である。この作品に出会えて本当によかった。 主人公は国家犯罪捜査局長官のラーシュ・マッティン・ヨハンソン。何と、この主人公、作品のスタート時点で、ホットドッグ屋台の前で脳塞栓を起こし、意識不明の状態で病院に運ばれてしまう。やがて意識は戻るが、元の体に戻る見込みは相当に薄い重病である。このヨハンソンは、シリーズ主人公であり、これはその最終作なのである。シリーズ読者は驚くだろう。ぼくのように邦訳作品を手に取る者は、初対面の主人公がいきなり病床で、未解決事件の捜査指示を開始しやがて解決に導いてゆく本書の構成を、普通のこととして読んでしまうが、巻末解説で各種シリーズの紹介がなされており、実は、これがこの存在感ある主人公の結末かと思うと、とても複雑な気持ちになった。もっと早くシリーズ初作から邦訳されていれば……。 スウェーデン本国のファンには後れを取ったものの、それでもこの一作は素晴らしい。身体は動けないが、事件と生命への執念を燃やす頑固親父の主人公は、25年前の幼女殺しという未解決事件にのめり込む。彼を手助けする個性的なメンバーが集められ、古い資料が取り寄せられ、ここからは捜査の面白さの中で、最初は薄ぼんやりとしている人間関係の深淵が、次第に明確な真実の形を成してゆく様を読んでゆくことになる。捜査小説の王道である。ディテールから徐々に見えてくる真実。ほぼ捜査だけで、事件を終結させる一冊であり、その語り口に一切のけれんも感じさせない。 しかもこの事件は、時効法成立前の未解決事件であるため、もし真犯人がわかったとしても法的処罰を下せない。罪と罰という因果に、この作品はどう決着をつけてゆくのか? 本作で最も素晴らしいのは、いわゆる「キャラが立っている」ことだ。多くの人物が登場するのに、それぞれに見事なほど存在感があり、個性がある。アンナ・ホルト刑事もエーヴェルト刑事も、それぞれが主役でのTVシリーズになっているらしいので、人物像がしっかりしているのもむべなるかな。さらに本書も、3話構成でドラマ化されており、この作家は、小説のみならず映像作品でも本国では著名であるようだ。 最後に、緻密な捜査について。作者自身が犯罪学者として、国家警察省長官の補佐役まで勤めた経歴のある現実に根を下ろしたという、文芸界では極めて稀有な存在であるため、地に足のついた捜査模様が積み重ねられてゆく、本書ならではの着実なリズム感も、そうした素地から生み出されたものだろう。 北欧ミステリの面白さは、歴史的かつ社会的事実に、時間軸かつ地形軸で、しっかり考証された現実味というところあるように思う。現実は、小説世界と読者の側の世界とを結びつける共通のものだからである。本書の犯罪一つとっても他人事とは思えぬリアルな事件であり、いくつもの真実の要素を身に纏っているからこそ、我々読者側の真剣さを引きずり出してくれるものなのだろうと思う。 折角の機会だ。この作品を機に、ペーション作品が多く邦訳されることを強く願ってやまない。 追記:ちなみにタイトルの『許されざる者』だが、ジョン・ヒューストン(1960年)、クリント・イーストウッド(1992年)、李相日(2013年)、いずれの監督作品とも無関係である。
5投稿日: 2019.03.11
powered by ブクログスウェーデンの小説は初めて読んだとおもうが、こんなの表現が面白いとは思わなかった。ストーリーも単純ではあるが引き込まれる。
2投稿日: 2019.03.02
powered by ブクログ福祉国家、人権重視国家でさえ、子供への性犯罪は止められぬと思うと、絶望的になる。スウェーデンミステリは陰鬱な印象があるが、本作はユーモア系といってもいい程。 そういえば、『名探偵カッレくん』、読み逃していたな。 ラーシュの長兄とダメ捜査官のファーストネームが同じなのは何か意味があるの?綴りが違うのか? 警察幹部の妻が銀行重役なんて、まず日本ではあり得ない。 マックスの存在は真犯人の邪悪さを際立たせる。 ラストで、真犯人に下されたのは人の手によるものだが、ある女性を見舞った運命は天意なのだろうか。 <いかなる慈悲も与えるな>
2投稿日: 2019.02.27
powered by ブクログ原書名:DEN DÖENDE DETEKTIVEN ガラスの鍵賞 著者:レイフ・GW・ペーション(Persson, Leif G. W., 1945-、スウェーデン・ストックホルム、小説家) 訳者:久山葉子(1975-、兵庫県、翻訳家)
0投稿日: 2019.01.22
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
年寄りにはショッキングな出来事から始まるが、冷静で硬質な描写がとても良い。 迷宮入りしていた事件が、なんでこれだけでわかっちゃうの?と少々思わないでもなかったものの、本来はもっともっと早かったはずなのだよなあ。 事件とヨハンソン、どちらからも目が離せないまま、一気読み。 本当に面白かっただけに、後でもっと若い頃のヨハンソンがシリーズで出ていると知って、かなり悔しがっている。 だったら、なんでこの本が、ラストがこれで終わる作品が一番最初の翻訳だったのか。 何はともあれ、シリーズのほかの作品も日本で出版されると良いのだが。
2投稿日: 2019.01.05
powered by ブクログこれは面白かった!長官の生き方が美しい。犯行を防げたかもと自責の念を抱き続ける人々が細やかに描かれている点に好感。見た目と異なり素直で真っ直ぐなマティルダも良いけど、イチオシは正義をなす人、マックス。その後のマックスで新作書いてくれたら絶対読む(笑
3投稿日: 2018.12.25
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
かつての名探偵が引退後、脳梗塞を起こし、安楽椅子探偵として事件を解決する。 ただ、事件は時効が成立しており、、、。 話はまずまず面白かったが、途中ちょっと無駄に長いかなという部分もあり。 最後もちょっとあっけない感じもするが、あとがきを読むとシリーズ物の最終作的位置づけの作品のようであり、そう思うと他の探偵の最後と相通じるものもありこれはこれでありかな。
2投稿日: 2018.12.11
powered by ブクログ設定はそれほど珍奇なものでなく、筋運びも総じてシンプルかつ素直というか、結末に至るまで読者の想像の範囲を大きく逸脱することはおそらくない。 勘弁してくれ、と思うような退屈な作品では決してなかったが、特筆すべき何某かを受信することもなかった、というのは単に自身の感性が鈍化しているせい…? などと栓無きことを考えてしまう。
2投稿日: 2018.11.12
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
あらすじ 国家犯罪捜査局の長官だったヨハンソンは、退官したがとにかく凄腕だった。70手前にして、脳梗塞に倒れ、入院リハビリを余儀なくされる。担当の女医は、牧師の娘である。牧師は、25年前に未解決だった幼女殺害事件を知るものから懺悔を受けたというのだ。動かない体や頻発する頭痛、止まりそうな心臓を抱えてサクサク捜査するヨハンソン。協力者は、同じく引退した同僚や、ヘルパーのロシア青年。捜査に上がってきたのは有名なオペラ歌手の義理の甥で、当時若々しい青年だった男である。 病気におけるもどかしさと一緒に、悪や逃げている悪人に対しても、ものすごいやる気で事件を捜査していくヨハンソン。最後病に倒れたのはびっくりしたけど、死を覚悟していたからゆえのあの熱量? ストーリーの進め方とか硬派で独特だった。
2投稿日: 2018.10.31
powered by ブクログ25年前の未解決の某事件を、退職した元犯罪捜査局長官が解く。 しかし、事件はすでに時効。主人公の元長官は、物語の冒頭で右半身麻痺になる…。 どのように真相に辿り着き、その結末をじっと待った。 時効と刑罰。「目には目を歯には歯を」とあるが、結末と、結末の結末…。 本書の著者は、この作品が初邦訳。 後書きによると、海外では人気があるらしく、この『許されざる者』もシリーズものの最終作のよう。 魅力溢れる、登場人物たちの前回までの活躍を読みたいと思った。
1投稿日: 2018.09.26
powered by ブクログ国家犯罪捜査局の元凄腕長官ヨハンソン。脳梗塞で倒れ、命は助かったものの麻痺が残る。そんな彼に主治医が相談をもちかけた。牧師だった父が、懺悔で25年前の未解決事件の犯人について聞いていたというのだ。9歳の少女が暴行の上殺害された事件。だが、事件は時効になっていた。ラーシュは相棒だった元刑事らを手足に、事件を調べ直す。スウェーデンミステリの重鎮による、CWA賞インターナショナルダガー、ガラスの鍵賞等五冠に輝く究極の警察小説。(アマゾン紹介文) 面白かった…のですが、ちょいちょいと不満というか首をかしげるようなところが。 キャラクターは各々魅力的で、しかも味方サイドは有能ぞろい。これじゃあ犯人相手じゃ役不足かなぁと。 事件の真相に近づいていく興奮はありましたが、基本的に過去の事件なので、二転三転ということもなく。 結果、面白いのに消化不良という微妙なところに落ち着きました。
1投稿日: 2018.09.14
powered by ブクログ国家犯罪捜査局の元長官ヨハンソン。脳梗塞で倒れ命は助かったが、麻痺が残る彼に、主治医が25年前の少女暴行殺人の未解決事件の捜査を依頼する。有能な捜査官だったヨハンソンは、友人や元部下の力を借りながら、犯人を見つけ出そうとする。
1投稿日: 2018.08.23
powered by ブクログ特に凝ったプロットではなく、ヒネリがあるわけでもないが、結構楽しんで読めた。シリーズ物かなと思いながら読んでいったら、あらら、これでは続きようがないわという結末。それもそのはず、これは本国では人気のシリーズの最終作なんだそうだ。著者初の邦訳らしいが、さかのぼって刊行されるのだろうか。 探偵役は引退した敏腕刑事。このおじさんがなんだかすごくエラソーで、ちょっと鼻につく。冒頭いきなり急病で入院するのだが、担当医師(女性)を「お前」呼ばわりして言いたい放題。その後も、世話になる介護士の娘さんも「お前」と呼んで、失礼なことを言いまくる。それなのに、若くて別嬪の奥さんとは相思相愛で、周りから愛されてたりして、なんか納得いかんわ~。 これも「ガラスの鍵」賞受賞作品だが、北欧ミステリって日本人に合うのかもしれない。自分としてはよりエキゾチックなヨハン・テオリンや、インドリダソンが好きだが(あ、「ミレニアム」は別格ね)、ちょっとクサしてしまったが、これもおもしろかったです。
1投稿日: 2018.07.31
powered by ブクログ7月-1。3.5点。 元警察庁長官。脳梗塞で車椅子となるが、昔の未解決事件を捜査。少女の強姦殺害。 時効を迎えた事件だが、犯人を追い詰めていく。 まあまあ。ラスト100頁辺りからスピード感あり。 結末は結構「あっ」という感じだった。
1投稿日: 2018.07.06
powered by ブクログ時効を迎えた犯罪の犯人を罰することはできるのか。これを主題にしてラーシュ・マッティン・ヨハンソンは捜査に取り組む。ラーシュはすでに引退し、しかも脳梗塞で死の縁から甦った老人。彼を中心にしたチームが、25年前の幼女強姦殺人事件の犯人を追い詰める。健康に不安を抱えた探偵が膨大な資料から推理をし、仲間の助力もあって解決へと相成るのだが、その過程の描写が素晴らしい。緊迫と弛緩の間で、緊張感を持ちながらテンポ良く読める。犯人の確定はあっさりしているが、それ以上に登場人物のドラマに目が釘付けになる。
2投稿日: 2018.06.28やんちゃ坊主そのままの退職警官2人が時効を過ぎた事件に挑む。
片方は現役時代「角の向こうを見通せる男」と言われた切れ者だが脳梗塞で倒れ入院。2人の会話は熱く正義感に溢れ着々と事件の核心へと迫っていくが同時に高カロリー食への追憶も繰り広げられる。 北欧ミステリー、9歳の少女、暴行、死体遺棄、時効、などから想像したのは暗く重い作風だったが意外なほどテンションが高いので戸惑った。 ところが第2部に入ると加速度的に面白くなった。それにしても犯人を捜してどうするのかと心配したが謎が解けてからが本当の物語りの始まりだった・・・創造していた雰囲気と違っていたうえに謎解きの楽しみもなかったが面白い作品だった。
1投稿日: 2018.06.25
powered by ブクログ脳梗塞で倒れた元犯罪捜査局長官が未解決で時効を迎えた女子殺人事件の捜査に乗り出す北欧ミステリー。登場人物が多く冗長なので、読了までに大分時間を要した。解説を読むと本作は著者の初邦訳作品ながら、長らく続いたシリーズの完結作らしく、集大成のオールスター作品ゆえの密度のようだ。序盤〜中盤は話が動かずじれったいが、重要参考人に繋がる中盤からギアが入り、犯人との直接対峙に臨む終盤の高揚感は心地良い。主人公のヨハンソンが500頁超の本編を経て導き出した犯人への制裁を一気に覆す結末だが、この無情さも味といえば味なのか。
1投稿日: 2018.06.20旅先で読み始めても、難なく引き込まれる巧みな物語
犯罪捜査物の面白さは、どれだけ複雑で難解な謎を、優秀な捜査陣がいかに解きほぐすかにかかっていると思うが、今回は実はそれほど難事件というわけではない。 いままで未解決だったのは、考え得る最悪のタイミングと布陣で捜査が行なわれたからで、「角の向こうが見通せ」、「状況を受け入れ、無駄にややこしくせず、偶然を信じない」という"殺人捜査の黄金の三カ条"を信条とする主人公には不釣り合いなほど。 ではどうするかというと、出来の良い主人公に制約を設けることから始まる。 脳梗塞で入院させた上、すでに時効となっている事件を与える。 さらに麻痺を残したまま退院させ、常に介添えを必要とし、捜査中もたびたび意識を失わせるのだ。 こうした試練をともに戦う、主人公をサポートする人物配置が実に見事。 孫といっていいくらいの若い介護士のマティルダやマックスから、時に「長官」と敬われ、時に聞き分けのない子供のように扱われるヨハンソンがどこか微笑ましい。 コールドケースの解明の端緒をどこに持ってくるかも秀逸だ。 本来なら、事件発生直後であれば現場に立って、周辺を洗い、被害者の交友関係から怪しい容疑者を見つけようとするが、今回は、ある証拠からまず犯行現場を直観に近い形で特定し、そこから必然的に容疑者を導き出す。 すでに当てはまるべきピースが頭の中に想定されているので、必要とするピースが見つかるまで食い下がる。 それをサポートし最後には天啓となる導きを与えるのが、主人公の妹の夫フルト。 あまり好人物とは言いがたいが、綿密で精緻な調査は「わしのシャーロック」と言わしめるほど重要な役回り。
1投稿日: 2018.06.11
powered by ブクログどんでん返しもなし、視点人物の交代もなし、二つの時間軸の行ったり来たりもなし。おまけに、時効が成立しているので犯人を見つけても逮捕することができない。今どきこんな小説を書いて、読む人がどこかにいるのだろうか、と思うのだが大勢いるらしい。本邦初訳ながら、作者レイフ・GW・ぺーションはスウェーデン・ミステリ界の重鎮で、本作で探偵役を務めるヨハンソンとヤーネブリングのコンビはシリーズ化されているという。 国家犯罪捜査局の元長官ラーシュ・マッティン・ヨハンソンは二〇一〇年七月五日、スウェーデンいちのホットドッグを食わせる<ギュンテシュ>の屋台に車を停め、ホットドッグを買い求める。車の運転席に座り、食べようとしたとき、後頭部が突然アイスピックで刺されたような痛みに襲われる。脳塞栓だった。発見が早かったので一命はとりとめたものの右半身に麻痺が残り「角の向こう側が見通せる」と噂された頭の切れが戻らない。 主治医のウルリカから相談をもちかけられたのが、事件に関わることになったきっかけだ。牧師だったウルリカの父はある殺人事件の犯人を知っている女性の懺悔を受けたが守秘義務を守り、口を閉ざしたまま死んだ。一九八五年六月に起きたヤスミン・エルメガンという九歳の少女の強姦殺人事件で、初動捜査の遅れにより事件は迷宮入りとなる。事件解決を遅らせる要因となったのが、翌年二月のオロフ・パルメ事件だ。現職の首相が殺され、警察は多くの人員をそちらに割いた。難民のイラン人少女の殺害はその影響をもろに受けたのだ ヨハンソンは、体の自由が戻らぬままに捜査を開始する。アームチェア・ディテクティブならぬ、ベッド・ディテクティヴだ。その手となり足となるのが元同僚で今は定年退職をした元捜査官のボー・ヤーネブリングであり、義弟のアルフ・フルト。それにコンピュータに詳しい介護士のマティルダと兄が送り込んだ頑強なマックスというロシア生まれの青年だ。警察小説でありながら捜査本部は病室と自宅だが、ヨハンソンを慕う部下は多く、協力を惜しまない。 事件の捜査の進捗とヨハンソンの回復と停滞が日付けとともに日誌のように記されてゆく。淡々とした捜査日誌ではなく、体が思うように動かせない病人の苛立ち、子ども扱いされる不満、大好きなホットドッグや酒を止められ、ヨーグルトやミューズリーといった健康食品を食べさせられる不満が、随所に書き留められる。ほぼヨハンソンの視点で語られているため、会話の後に内言が多用され、言わずに置いたこともすべて語られるので、読者はいやでも主人公と感情を共有することになる。 よくある刑事とちがって、ヨハンソンは資産家だ。長兄とすすめている事業も順調で、歳の離れた若い妻との仲もいい。子どもの頃から狩りをしてきて銃の扱いには長けている。食いしん坊で、不摂生とストレスが心臓に負担をかけており、健康的な生活を心がけねば危険だと医者に言われていても、リハビリ中にもかかわらず、ヤーネブリングやマックスの手を借りて、レストランで好きなものを食べ、酒を飲む。ほぼ同じ年頃なので、気持ちはわかるが妻にしてみれば困った亭主である。 北欧ミステリといえば、本作もそうだが、幼児性愛や、虐待といった陰惨な事件を扱うことが多い。その反面、それを追う警察仲間の人間関係はけっこう親密で、ユーモアに溢れているのが、ある種の救いになっている。本作もまさしくそれでヨハンソンを囲む人々の元長官に寄せる愛情がひしひしと伝わってくる。もっとも、本人はなかなか回復しない病状の方に気が行って、それをありがたく思うところにまで気が回らない。 純然たるミステリとはいえない。取り寄せた資料を読み解くうちに、ヨハンソンは犯人像をしぼりこむ。特に重要なことは、ヤスミンの両親が知らない人に注意することを徹底していたという点だ。顔見知りの犯行ということになる。しかも、犯行の手口から見て、ふだんはまともな暮らしをしていることがうかがえる「配慮のあるペドフィリア」。撒き散らした精液の量から見て歳は若い。 これだけプロファイルされていたら、巻頭に掲げた登場人物の紹介をあたれば、まだ登場していなくても犯人は分かる。問題は時効が成立済みの犯人にどう対処するか、という点になる。髪の毛一本すら現場に残さない犯人から、どうやってDNAのサンプルを採取するのか。あるいは、万が一それが一致したとして、逮捕できない犯人をどう処罰するのか。正直言って、この解決法は納得のいくものではない。ひねりのないのも善し悪しだ。 二〇一〇年、スウェーデンは殺人罪などの重大犯罪は時効を廃止した。しかし、施行日以前までに起きた犯罪は時効が成立してしまう。その矛盾をどうするのか、という大きな問題を突きつけている。ヨハンソンという人物の魅力と、その周りに集まってくる友人、知人の活躍で持っている作品である。スウェーデン料理についても逐一紹介されていて、料理好きにはちょっとたまらない。これを機に未訳のシリーズ作品が、訳出されると思われる。本作には他のシリーズ物からカメオ出演している人物も多いらしい。何かと愉しみな北欧ミステリの雄の登場である。
1投稿日: 2018.06.11
powered by ブクログ面白かった。幕切れも潔いです。リスベットみたいに、とかカッレくんとか、ミレニアムネタが放り込まれるところなど、北欧ミステリーの懐の深さを感じました。しかし、北欧ものにはこういう犯罪ストーリーが多いですね。陰鬱になります。目には目を、で終わらないところも印象に残りました。この作者の初の邦訳とのことですが、また読みたいです。
1投稿日: 2018.05.05
powered by ブクログ国家犯罪捜査局の元凄腕長官ヨハンソン。脳梗塞で倒れ、命は助かったものの麻痺が残る。そんな彼に主治医が相談をもちかけた。牧師だった父が、懺悔で25年前の未解決事件の犯人について聞いていたというのだ。9歳の少女が暴行の上殺害された事件。だが、事件は時効になっていた。ラーシュは相棒だった元刑事らを手足に、事件を調べ直す。スウェーデンミステリの重鎮による、CWA賞インターナショナルダガー、ガラスの鍵賞等五冠に輝く究極の警察小説。 これは収穫。ユーモラスな筆致が、事件の悲惨さや理不尽さを和らげている。他の作品もぜひ。
2投稿日: 2018.04.08
powered by ブクログ定年退職した老刑事が、時効を迎えた殺人事件の謎を解く。犯人は分かっても、その先がスリリング。なかなかの収穫だった。
1投稿日: 2018.04.03
powered by ブクログ時効が成立した事件。元国家犯罪捜査局長官ラーシュは、犯人を見つけ出すことができるのか?そして犯人は裁かれるのか? 物語の始まりから、ラーシュは危機的状況である。 「状況を受け入れろ」彼は戸惑いながらも、順応し仲間達と捜査を開始する。 北欧ミステリらしい作品ではあるのだが、ウィッドに富んだ会話、ユーモアセンス、読み心地が抜群にいい。 お気に入りの介護士マチルダ(家庭的な刺青っ子)も含めた彼ら彼女らの正義。それに向かうまっすぐな希望と断罪の戦い。 幼女殺害、時効成立、初動捜査の失敗。スウェーデンの社会問題に言及し、現実感のある事件。 安楽椅子探偵、名探偵の挫折と復活。 着実に証拠を集める。読者は終盤における決断に期待するだろう。 私としては、展開の落とし所が予想通りだったので、そこまで過度な期待はしてはいけない。 なんと母国では、派生したシリーズがたくさんあるらしい。翻訳が望まれる。
1投稿日: 2018.03.27
