
総合評価
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powered by ブクログ複数巻を並行に読むシリーズ。 六浦賀を捕まえることを決心したベンこと紅功と昭子。しかし、ジョージ・ワシントン団の拷問で腕を失った昭子は、失った腕にレーザーガンを着けることを望む。また、六浦賀の待つサンディエゴには武装アーマーでしかたどり着けないことから、サンタカタリナ島経由で行きたいのだが、そのためには負けると殺されるゲーム大会で優勝するしかなかった…。 つらつらとあらすじは書いているものの、ほとんど忘れていたので、わからないまま読み進めていた。しかもほとんど説明なく会話で進むことから、なかなか状況が把握できない。 ロボットもののドライでクールな作品ではなく、血しぶきどろどろ、『北斗の拳』よろしく無法地帯で人が死にまくる設定なので、読む人を選ぶ作風である。読みやすいが、かなり疲れる。うーむ。まだ2作買ってあるんだよなあ、トライアス。 あとがきに、やはりのディック『高い城の男』の話、日本のアニメなどの影響について書かれていて、ずるいなあ、こんなの好感持つしかないやんという状況だが、漫画的に度の人を中心に読めばいいのかわからないことや、勢いだけで先走って主語が2つある文章など、お世辞にも読みやすい良作とはいい難い部分もある。 ただ、書きたかったことはよく分かる作品ではあったな。
0投稿日: 2023.03.02
powered by ブクログアメリカから見た戦時中の日本って、こういう怖さがあったのかと客観視できた気がします。 日本が戦争に勝った世界線で、アメリカが勝利する設定のコンテンツがあるという設定が面白いです。
0投稿日: 2022.09.15
powered by ブクログ久しぶりに一気読み。すごく面白かった。 どこか本心を常に隠している電卓のプロフェッショナル、ベン。強い愛国心のあまりキレると自制心が効かない特高の昭子。2人の主人公それぞれに背負った秘密がわかったときの切なさ。 歴史改変SFなんてジャンルには収めたくない、生き方や国、アイデンティティ、宗教、色んなことを考えさせてくれる小説だった。 何より、日本に対する造詣の深さと、この「イフ」の世界観をここまでリアルに描ける筆力はすごいと思う。
0投稿日: 2021.05.22
powered by ブクログディックの高い城の男の設定を受け継ぎつつ、サイバーパンク的要素をふんだんに盛り込んでいる。ディックなどの古典SFに大いに影響されたであろう、日本のSFの世界観の中でも特にロボ(エヴァやメタルギアなど)が再帰的に古典SFの中に取り込まれて出来た作品という感じがした。
1投稿日: 2021.01.09
powered by ブクログ下巻に入ると情報が整理され、物語の方向性が明確になって、かなり読みやすくはなった。でもそれは単調な一本道と同義であり、相変わらず深みはない。外国人の目から見た日本人や日本文化に出会うたび感じる、一種の気恥ずかしさや違和感がずっとあって、居心地の悪い読書だった。完全なエンタメに振ったほうがよかったのではなかろうか?
1投稿日: 2020.04.29
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
さあ終わった~石村大尉と特高の槻野は所在不明の六浦賀将軍の足跡を追う。将軍は先の大戦で日独が負ける改変歴史世界を舞台とするゲーム「USA」を開発し、アメリカ人抵抗組織に協力しているのだという。石村は片腕にガンアームを装着した槻野とパイロット久地樂のメカに乗り、行く手を阻む的メカを撃破し、抵抗組織の本拠地へ向かう~下巻はほぼ一気読み・できた。だけど、結局どっちの勝ち? 華々しく終わって欲しかったなぁ
0投稿日: 2020.01.23
powered by ブクログ"本の帯にもあるように、話の流れはフィリップ・K・ディックさんの「高い城の男」を思い出さずにはいられない。どちらも、第二次世界大戦で枢軸国(日独伊)が勝った世界に住む人の物語だ。どちらも、あまり自由はなく統制された社会を描いている。その世界の中で、高い城の男では、もしも連合国が勝ったであればという内容の発禁本が登場する。 本作品では、USJという日本がアメリカを統治した国が舞台で、USAというゲームが登場する。もしも、アメリカ合衆国が戦争に勝っていたらというゲームが。 本書のユニークなところは、USJでは巨大なロボットが戦う道具として存在しており、その戦闘シーンも見せ場のひとつになっている。 上巻は退屈したが、下巻は楽しめた。"
0投稿日: 2018.11.24
powered by ブクログ上巻よりは明らかにテンポが良くなったけど、ちょっと好みじゃ無かった。 デストピア物嫌いなのかなあ?<おれ あと、隠された歴史として『三光作戦』とか出てきて萎えたのも事実
0投稿日: 2018.10.14ロボットものではない
ロボットは出てきますがあくまでもストーリーのひとつです。 全体的には第二次世界大戦でドイツと日本が勝利した世界の話です。 最初表紙につられて読み始めましたがロボットの登場はごく一部… でも読み物としては秀逸だと思いました。 スターウォーズのようなストーリーを期待しているひとにはお勧めしません。ディープな話を楽しんでください。
0投稿日: 2018.01.25未来が来るということ
1956年、もはや、戦後ではないと日本での一方的な宣言が成されてもう60年になります。 日本ではフィクションでさえ、あの戦争について書くのはタブーだった時代もあります。今でも書かない方が良いのではとも感じます。 戦後70年です。 未来は来ます。 USJで描かれている日帝の圧政を笑うことはできません。 アメリカ合衆国は世界の半分を支配しているのですから。 著者が暗示しているように、アメリカ合衆国が勝利した現実の歴史で、非イギリス系の白人は、ある種の生きづらさを感じるのかもしれません。 いい意味でも悪い意味でも、もはや戦後ではないのでしょう。 …何にしても神の祝福がありますように! 最後はマジックリアリズムかなあとも思ったのですが、どうなんでしょうか…。 ベンと昭子の活躍に胸が躍りました。 …介錯って、本当に難しいらしいですよ? 星5つ。
0投稿日: 2018.01.03
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
第二次世界大戦で枢軸国側が勝利し、日本が北米の西側を、ナチス・ドイツが東側を支配している世界。「皇国」と自称する日本は、ロサンゼルスを中心に「日本合衆国」を建国し、日系混血人を中心とした圧政を敷いている。 皇国への叛逆を目論んだ両親を告発して現在の地位を得た軍人・石村紅功は、かつての上司である六浦賀将軍から、自死した娘クレアの死の真相を探って欲しいとの極秘の命令を受ける。ほぼ同時期に石村の前に現れる「特高」の女工作者・槻野昭子もまた六浦賀を追っていた。時は今しも、息詰まる監視社会の中で密かに流行するゲーム「USA」。現実の歴史とは異なり、連合国側が枢軸国側に勝利した世界を舞台にした戦争シミュレーション・ゲームを作ったのは、他ならぬ六浦賀では無いかとの噂が流れていた。異形の日本的社会の中、巨大ロボが治安を守る日本合衆国で謎を追い求める石村と槻野の戦いが、今ここに幕を開けるーー。 うーーーーーーーむ・・・・・・ 下巻まで読み切って、作者がこの作品で表現したいこと、伝えたいことは、わかった気がします。両親を裏切って生き抜いてきた石村の人生の真相、サディスティックに見えて実は自分への恐怖を克服し切れていない槻野の人間的な弱さが最後に明かされ、暴力的な圧政の元でささやかな信念を胸にサバイバルする個人の魂の遍歴を描きたかったのだろうな、と鴨は読み取りましたし、その視点で読むとこのラストはなかなかの出来映えだと思います。 ただ、そうした人間模様をテーマにする作品であれば、人間を描く深みが必要です。それがないと、ストーリーが上滑りして、求心力を失います。 この作品では、主に登場人物の台詞の応酬で人間性や置かれた環境、ものの考え方を表そうとしています。が、この台詞がいちいちカッコ付け過ぎていてリアリティが無く、地に足の着いた会話になっていないため、キャラ造形に深みが無くステレオタイプなキャラ設定しか印象に残らない結果になっています。 ここで誤解のないように申し上げておくと、キャラ造形に深みなんぞなくても立派に成立するSFはあります。舞台設定の面白さ、SFとしてのアイディアの秀逸さ、それだけでSFは勝負できますし、過去にそうしたベクトルで成功した古典SFはたくさんあります。でも、この作品は、そういたベクトルで勝負しようとした作品ではないよなー、と鴨は感じています。だったら、巨大メカとか相撲レスラーとか人体改造とかゲーム対決とか、そうした派手なガジェットを売りにするのはちょっと違うんじゃないかなー、と。派手なガジェットが面白さを付加しているならまたそれはそれで評価できますけど、残念ながら昔からあるありがちなガジェットの焼き直しばかりで、あまり面白くありませんし。 というわけで、鴨のこの作品に対する評価は、「ちょっと方向性間違えちゃったかなぁ・・・」との残念な感じ。人物描写も世界観もどちらも中途半端で新鮮味がなく、ストーリー自体の求心力が今ひとつ。ぱっと見の面白さだけで星雲賞取っちゃったか? どちらかの針に振り切れれば、面白いSFを書ける作者なのだと思います。今後の精進に期待!ですねー。
1投稿日: 2017.10.10
powered by ブクログうーん、どう評価したらよいのか・・・ 完全にファンタジーなんですよね。ギレルモ・デル・トロの『パシフィック・リム』に出てくるイエーガーを思わせる巨大ロボット兵器「メカ」が登場したり、うーん。 設定は良いと思うんですよ。でもね、描かれた内容にね、なんか共感できないんですよねぇ。かと言って、“駄作”とまで言う気にもならず・・・
0投稿日: 2017.09.11
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
かつてサンディエゴで起きたことを回想する石村。一方、ワシントン団に拷問された昭子は憲兵から、国賊の謗りを受ける。一体何が起きているのか。助けにきた石村と共に、昭子はキーマンである六浦賀がいるらしき泥沼の紛争地帯、サンディエゴを目指す。 このあらすじたと、ロボット出てこないじゃん!て話になるんですが、出てくるんだけど割と、本筋と関係ないんですよね。出てくるし暴れるけどね。 昭子が最後に自分自身の不安、恐怖、トラウマを素直に告白できるようになるまでの監視社会の恐ろしさの描かれ方が無理なくて良いです。石村の正体?本心?がわかると、冒頭の「死を考えない日はなかった」がようやく効いてきます。 最後はちょっと残念な気持ち。昭子はどうなるのか。基本素直な人だと思うので、信念を持ってやってくれると信じたい。 ちょっと全体にチグハグな印象も受けるのですが、まあまあ面白かったです。
0投稿日: 2017.06.18
powered by ブクログ大東亜戦争で枢軸国側が勝利(日本は米国本土に原爆を投下)し、北米は西側を日本が、東側はナチスに占領されている。そんな世界の1988年、人々は「電卓」と呼ばれる携帯端末を駆使し、軍事ロボットが闊歩するハイテク世界となっている。日本は天皇制管理国家を昇華させ、占領政策を行うが、ジョージワシントン団という、反占領軍組織が北米中に浸透し、「USA」というアメリカが戦勝国となった非合法架空戦記ゲームが地下で広まっている。このゲームを作成した首謀者六浦賀将軍を捜索する、帝国陸軍検閲局のロートル大尉石村と特高警察の昭子。 世界観は楽しめたが、もっと対憲兵や対レジスタンス戦とかが繰り広げられることを想定していた。 著者が日本通であることは十分判るが、だからこそ話の展開や広がりが中途半端だと感じる。
0投稿日: 2017.06.08ディストピアものです。
この本の表紙イメージから軍国青年活劇かと思いきや、残虐な大日本帝国が支配する暗黒の世界で、米国の自由や民主主義に憧れる物語、という感じでした。 枢軸側が勝利した世界に自由があるとは思えませんが、それでも戦前と大戦初期の国民の大半はそれなりに楽しく過ごしていたことでしょう。で、その世界が拡張された世界が舞台なわけですから、今の我々には理解できない全く異なる価値観の世界を舞台としたロボットアクションものだと思って読んだとしても無理はないですよね。
0投稿日: 2017.04.08
powered by ブクログエグイ話にえげつない話の連続(ほめ言葉) 一度決定すると引き返しができないという本質を、露骨に描いていて、ただのオマージュでは終わらない内容。
0投稿日: 2017.04.04
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
メカって。 WW2で日独が勝利したIF世界での物語。ディックの『高い城の男』の精神的続編だとか。日本が巨大ロボでアメリカを統治してる話。 ディックの話と同じように、史実をそこそこ知ってる状態で読んだ方がより楽しめると思う。作者が日本文化、日本のエンタメが好きな方みたいで、ディックよりもとっつきやすい日本感。 なんだろう、なんか、こう、天皇陛下がどうとか、現人神だとか、八百万の神とか、思想についてはIFの世界だしまあいいんだけど、いろいろ置いといて、面白かったんだよ。 適度なエログロ。エロはそんなになかったかな。グロがちらほら。工匠のとこのシーンとかすげー好きですわ。ああいうグロ好き。 なんか、いや、うん、めっちゃネタバレしますけど、なんでベン、死んじゃったんだよ……。 ゲームの中でメカ出してきたシーンとか、すげー滾ったのに。「これこれ! こういうチート待ってました!」って興奮したのに。最後、最後さぁ……。両親を告発した行動の本当の意味とかさぁ。これ、きっつい。きつい。ほんと。もう少し、ベンの心の内側を知りたかったよ。両親を犠牲にして生きのびた彼は、どんな理想を抱いていたんだろうね。それを考えると苦しくなってくる。 そんなベンに生かされた昭子はこれからどうするんだろうね。 巨大ロボが「メカ」って呼ばれてるのがちょっとどうだろう、って思ったんだけど、ガンダムとは呼べないし、モビルスーツもガンダム用語? なんか、もちっとかっこいい呼称が良かったな。 抜粋。いろいろ好きな部分はあったけどね。メカパイロット久地樂のセリフより。 「名誉なんぞ、気分ようなるための言葉遊びや」
1投稿日: 2017.03.25
powered by ブクログんー下巻は期待してたほどじゃなかった。なんかもっとこの世界観を上手に活かしてほしかったんだけど、ロボットバトルもそう盛り上がらないし主人公のスーパーハッカーとしての技術も活かされきってないし、不本意なラストだった。ここまで大風呂敷広げたならエンターテイメントに徹し切るべきだったんじゃないかな。エピローグ的な章もあのラストの後だと蛇足に過ぎないなと思った。しかし訳がとにかく秀逸なので、訳書だと意識せずに読めたのが本当に新鮮な体験だった。
0投稿日: 2017.02.23
powered by ブクログなんかこう、別の世界線という感じすらしない。日本という国名が出てくるけど、俺の知ってる日本ではないというような感じが最後まであった。
0投稿日: 2017.02.17拷問なんかするもんじゃないなあ……
予想外のエンド。解説の大森さんが絶賛する本はおれと相性イマイチなのを認識しているが,これは快作と言っていい。パトレイバーや機龍警察ではないのでロボ目当てにはしないコト。でも表紙絵のフィギュア欲しいネ。
0投稿日: 2017.02.16
powered by ブクログ下巻もダラダラと読んできたが、本も半ばに来て、慣れてきたというか、太平洋戦争に日本が勝ったという設定をしたゲームの世界だと思うことにした。 皇国や特高や憲兵や八紘一宇も神道もそれらしく見せるためのアイテムに他ならず、それ以上の意味がないと思えば、気にもならず、結局は“だれもが信じられる国・USA”を讃えているように読めた。 表紙が凄くかっこ良かっただけに、めっちゃ肩透かしでした。
0投稿日: 2017.01.28
powered by ブクログ下巻もメカの戦闘シーンは少なめ。パシフィックリムを観た時のようなテンションにはたどり着けなかった。 ただ、ストーリー自体は思っていたよりも楽しめた。なかなか深い結末だ。日本人が同じ設定で小説を書いたら全然違う現状を描いていた気がする。 オマージュとも言われたディックの『高い城の男』を未読だったので、俄然興味が出てきた。
0投稿日: 2017.01.04
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
(上・下巻全体のレビュー・感想) 第二次世界大戦で枢軸国が勝利し、アメリカ西海岸は大日本帝国が統治し、日本合衆国(USJ)となっている世界(時代は1988年が中心)。 表紙から推察して、メカがもっと活躍するかと思って読んでいたけれど、予想に反してメカの登場シーンは少なかった(上・下巻を並べると表紙絵がつながるのは嬉しい感動。)。 設定はとっても面白いし、翻訳者さんが漢字を上手く使いこなされているお陰で、現実世界の日本ではなく”大日本帝国”が存続している感じが上手く伝わってきました。(解説を読んで、本書で必要不可欠な”電卓”は原文ではportable calculatorを縮めた"portical"という造語だっただったのか、と納得。) ただ、ストーリー自体は期待が大きすぎたのか、ちょっと拍子抜けしたように感じました。 石村大尉がゲーム「USA」の制作・配信などにどの程度かかわっていたのかが、一読しただけではわかりにくかったです(私の理解力が足りないだけかもしれませんが…)。 エピローグで描写されている石村大尉が両親を告発した経緯が切なかった。このエピソードを知ったうえで、改めて上巻の石村大尉の初登場シーンを読むと、「石村紅功が死を考えない日はなかった。」という言葉の重みが増してきました。
0投稿日: 2016.12.05
powered by ブクログ陸軍検閲局大尉・石村紅功,通称ベンと特高課員・槻野昭子(作者的にはこっちが主人公らしい)は憲兵に追われる身となる。非合法ゲーム『USA』を制作し、アメリカ人レジスタンスの手助けをしているらしい六浦賀将軍の首級を挙げてこの窮地を脱することを目指す。向かう先はレジスタンスと激しい戦闘がなされ壊滅状態にあるサンディエゴ。 片腕マシンガンガール、命がけのゲーム対戦、巨大ロボ「メカ」戦、キッチュな展開が実に大まじめに進むところがすごい。 大日本帝国治下のアメリカはディストピアには違いなく、ところどころで滅びてしまったアメリカの「自由」の理念が語られるが、そのアメリカも日系人を強制収容所で人権蹂躙したことはプロローグで触れられているほか、理念と現実の解離はしっかり見定められている。他方、大日本帝国の掲げた理想にも言及され、USJの世界とUSAの世界は徹底して相対化されたある種の公平さに作者のアメリカのアジア人という位置をみる。 作者もディックと自己の資質の違いに言及しているようだが、確とした価値観がいまだあるなかで現実の崩壊を描いたディックに対して、もはや1つの世界ではなくなってしまった現代におけるディック的世界を楽しむのもよかろう。
0投稿日: 2016.11.29いかにもなB級ハリウッド映画感
本題に入る後半。 立ちはだかる障害を乗り越えつつターゲットに向かって突き進む主人公ら。 彼らそれぞれが持つわだかまりの噴出。はちゃめちゃな大スペクタクルバトル。 そして,冒頭からちくちくと刺していた主人公にまつわるあれの真実……。 と,その描写・展開は,いかにもなB級ハリウッド映画感が満載であった。
0投稿日: 2016.11.19ifの世界観を上手に利用したファンタジー
ifの世界観を上手に利用したオタクワールドです。 本の替わりにゲームを登場させ、 その作者を追うという一線は外さずに 大型ロボットあり、キメラあり、ガンアームありと 下手に人間の心情やらを書かずにエンターテイメントに徹していればもっとスッキリとした読後感があったと思います。
2投稿日: 2016.11.16
powered by ブクログこれは、プロモーションによるミスリードだと思う。 いい意味でも、悪い意味でも。 しかし、それぐらい大声をあげて喧伝すべき小説だと思うのです。 ニッポンオタクの韓国系アメリカ人でアメリカ在住の著者が、「日本が戦争に勝ち、以来アメリカは日本に支配されている」という世界を今、この時代に描いたという、その側面こそもっと、スキャンダラスに取り上げられてもいいはず。 著者の出自や物語の舞台設定に垣間見える「無国籍感」こそが、この小説の最大の特徴だと思う。 やはり翻訳小説には翻訳小説の文体というのがどうしても存在してしまって、日本文学のそれとは仕方なく乖離してしまうのだと私は思う。それは言葉を「置き換える」という作業が発生してしまう以上どうしようもないことであって、だからその文体こそがある意味「翻訳小説らしさ」であったりするのだと思う。 その翻訳小説の文体に、漢字カタカナまじりの名前が載って、日本統治下のアメリカ内地で物語が進んでいくというこの違和感。 これは「外国文学」とか「日本文学」とかではなくて、「無国籍文学」というべきなのではないか、と思う。
0投稿日: 2016.11.11
powered by ブクログ面白いような気がする、という状態が延々と続いて、ある瞬間にふっと終わってしまった。もう少し面白そうだと思ったんだけれど、面白いような気がする止まりだったのが残念。 起伏を感じられなかった。 161110
0投稿日: 2016.11.11
