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powered by ブクログ予測に関する本 メモ ・超予測者を目指すための10の心得 トリアージ 一見手に負えない問題は手に負えるサブ問題に分解せよ 外側と内側の視点の適度なバランスを保て エビデンスに対する過小反応と過剰反応を避けよ どんな問題でも自らと対立する見解を考えよ 問題に対して不確実性はできるだけ細かく予測しよう 自信過小と自信過剰、慎重さと決断力の適度なバランスを見つけよう 失敗した時は原因を検証する。ただし後知恵バイアスにはご用心 仲間の最良の部分を引き出し、自分の最良の部分を引き出してもらおう ミスをバランスよくかわして予測の自転車を乗りこなそう 心得を絶対視しない
2投稿日: 2023.12.24
powered by ブクログ非常に参考になった。 全く知らない事柄に対して予測する際に、 自分の知っていることとに細切れにして、その一つ一つを予測していく手法は面白い。 世の中には、全く知らないことについて常に予測をしているような人たちがいるのだ。 某国の情報機関の予測より正確だという。面白い。
13投稿日: 2020.10.25予測し、測定し、修正する
緊急事態宣言は解除されたが、コロナ第2波は来るか? 来るとすればいつか? 多くの人が2020年6月時点で抱いている疑問だと思うが、刊行時に読んで4年ぶりに再読したところ、問いの立て方が間違っていることに気づいた。 "『ファスト&スロー』以来の秀作"と絶賛された本書だが、予測者の視力を0.2から0.5に上げる効果(劇的な変化!)しかないことにガッカリしたのか、皆が手に取る状況には至っていない。 www.goodjudgment.comには、COVID-19ワクチンはいつ発売されるかなど特設ページが作られている。
0投稿日: 2020.06.06
powered by ブクログ予測を定量的に評価しようというお話。一発、ワンショットで未来を宣託するのではなく、変化していく状況などの影響因子を評価して数字(確率)で未来を見通す。だから予測も漸近的に推移していく。そと精度を評価していくところが面白い。そして評価の高い予測者とはどんな組み立てをするのかを定性的にまとめているのが参考になるかも。 それにしてもCIAの分析官や天気予報士などプロの予測者でも自身の予測について外れることへの逃げ道を残す表現を使う習性があるところが人間くさいもんだ。
0投稿日: 2020.05.11
powered by ブクログ予測できることとできないことを明確に 長期的な問題に関する予測はほぼ無理 問題を明確に 自分に都合よく解釈しない 認識のバイアス 大きな問題は小さな問題の集合に分割して考える フェルミ推定 類似事例をもとにベースとなる確率を設定しそこから予測確率を調整 新たな情報を得た場合は予測を調整 情報の重要性を考慮 他者の意見も予測に反映 自分の考えに固執しない 予測内容は具体的に検証可能な状態で 予測対象、期間、予測結果の指標 どうすれば結果から予測精度を検証できるか 検証時は後付けバイアスに注意
1投稿日: 2020.01.25
powered by ブクログ本書は予測力の高い人達の思考方法や行動原理の共通法則を、エビデンスに基づいて整理した画期的な本。本書で紹介している法則は、予測力だけでなく、学問的にも企業活動的にも仮説を立てるにあたって活用すべき思考方法として非常に有効な方法ではないかと思う。研究者、コンサル、行政や企業の企画スタッフ、そしてマネジメントの職にある人たちにとっての必読書。
0投稿日: 2019.09.26
powered by ブクログすごく面白いです。未来予測の本であるし、リーダーシップの本でもあるし、投資の本でもあるし、確率論の話でもあるし、機械学習に通づる話でもある。書き口も平易ですごく読みやすい。
0投稿日: 2018.12.12
powered by ブクログとにかく冗長。結論はシンプルで「永遠のベータ」すなわちダーウィニズム同様変化に常に対応できる「一貫して一貫性のない」人に予測力は高くそなわるというもの。
0投稿日: 2018.11.22
powered by ブクログ・超予測者にとって「自らの意見とは死守すべき宝ではなく、検証すべき仮説にすぎない」 ・運命論的思考をする人ほど、予測の正確性は低くなる傾向がある。確率論的思考をする人ほど、予測の正確性は高い ・優れた予測と立てるために、超予測者の多くが踏んでいる手順。まず質問を分解する。知りえる情報と知りえない情報をできるだけ明確に選別し、すべての仮説を吟味する。外側の視点に立ち、問題を固有のものではなく、一般的現象の一つの事例として相対的に見る。それから内側に視点を転じ、問題固有の情報に焦点を合わせる。さらに、自分と他人の見解を比較し、類似点と相違点を検討する。とりわけ予測市場など、群衆の英知を引き出す仕組みに注意を払う。こうして得られた多様な見解を、トンボの目のような鋭い単一の視点に統合する。最後に確率を1%単位で示すなど予測はできるだけ精緻に表現する ・思い入れを強く表明するほど、変化への抵抗も強くなる ・優れた予測をするための魔法のような必勝法など存在しない。たくさんのただし書き付きのざっくりとした原則があるだけだ ・特定分野での予測能力を高めたければ、それを繰り返し練習すること、そして、間違えたら、その原因を学ぶ姿勢が大事 ・「自分の頭で考えよ」。必要とあれば、命令に異を唱えよ。批判しても構わない。そしてどうしても必要と思ったら逆らうことも厭うな(正当な根拠がないと後々困ったことになるが) ・不愉快な話にも進んで耳を傾けようとする姿勢と、誰もが都合の悪い話を安心して上司の耳に入れられるような文化を組織全体に醸成する必要がある。「型にはまらない因習打破的な発想ができる人材は守り、育てていく必要がある」 ・優れた予測に必要な謙虚さとは、自己疑念ではない。自分を卑下する感覚ではなく、知的謙虚さである。つまり現実はどこまでも複雑で、物事をはっきりと理解することが仮にできたとしても、それには不断の努力が必要だ。だから人間の判断には過ちがつきものだ、という認識である
0投稿日: 2018.11.04
powered by ブクログあとがきより 「本書『超予測力』の土台となっているのは、『ソ連で赤軍がパレードをしていたロナルド・レーガン政権時代』から一貫して予測力を研究してきたペンシルバニア大学教授、フィリップ・テトロックの研究成果である。テトロックの率いる研究チーム『優れた判断力プロジェクト(GJP)』は、2011年から15年までアメリカ国家情報長官直属の組織であるIARPAが主催した予測トーナメントに出場、圧倒的な成績を収めた。…GJPの予測の正確性は他大学の研究チームはもちろん、CIAなどの諜報機関で働くプロの情報分析官のそれさえも上回った。原動力となったのが、テトロックが『超予測力』と名づけた一群のボランティアだ。 超予測力はどのような人々か、彼らはどのように予測を立てるのか、徹底的に分析した結果、テトロックがたどり着いた結論はこうだ。『予測力は生まれつき備わった神秘的な才能などではない。特定のモノの考え方、情報の集め方、自らの考えを更新していく方法の産物である。知的で思慮深く意志の強い人なら、だれでもこの思考法を身に着け、伸ばしていくことができる』。」 以下、本編より ■典型的な超予測者像まとめ ・モノの考え方の傾向 慎重 確実なことは何もない。 謙虚 現実はどこまでも複雑である。 非決定論的 何が起きるかはあらかじめ決まっているわけではなく、起こらない可能性もある。 ・能力や思考スタイル 積極的柔軟性 意見とは死守すべき宝ではなく、検証すべき仮説である。 知的で博識 認知欲求が強い 知的好奇心が旺盛で、パズルや知的刺激を好む。 思慮深い 内省的で自己を批判的に見ることができる。 数字に強い 数字を扱うのが得意である。 ・予測の方法 現実的 特定の思想や考えに固執しない。 分析的 鼻先越しの視点から一歩下がり、他の視点を検討する。 トンボの目 多様な視点を大切にし、それを自らの視点に取り込む。 確率論的 可能性を多段階評価する。 慎重な更新 事実が変われば意見を変える。 心理バイアスの直観的理解 自分の思考に認知的、感情的バイアスが影響していないか確認することの重要性を認識している。 ・努力についての考え方 しなやかマインドセット 能力は伸ばせると信じる。 やり抜く力 どれだけ時間がかかろうと、努力しつづける強い意志がある。 ■超予測力をめざすための10の心得 (1)トリアージ 努力が報われそうな質問に集中しよう。 (2)一見手に負えない問題は、手に負えるサブ問題に分解せよ (3)外側と内側の視点の適度なバランスを保て (4)エビデンスに対する過少反応と過剰反応を避けよ (5)どんな問題でも自らと対立する見解を考えよ (6)問題に応じて不確実性はできるだけ細かく予測しよう (7)自信過少と自信過剰、慎重さと決断力の適度なバランスを見つけよう (8)失敗したときは原因を検証する。ただし後知恵バイアスにはご用心 (9)仲間の最良の部分を引き出し、自分の最良の部分を引き出してもらおう (10)ミスをバランスよくかわして予測の自転車を乗りこなそう (11)心得を絶対視しない ※外側の視点から始めよ …統計学で基準率と呼ばれる。ある事象が母集団のなかでどれだけ一般的かを示す。ダニエル・カーネマンはもっと想像力をかきたてるような呼称をつけた。「外側の視点」である。対義語は「内側の視点」で、特定の事例の詳細な情報を表す。… われわれはどうしても内側の視点に引っ張られる。内側の視点は具体的で、ストーリーを組み立てていくのにうってつけな興味をそそる情報が詰まっている。反対に外側の視点は抽象的で無味乾燥で、ストーリーをつくるのに不向きだ。… なぜ外側の視点から始めるべきなのか、疑問に思うかもしれない。…理由は「安価リング」と呼ばれる基本的な心理学の概念だ。… …予測を立てる際に内側の視点から出発すると、あまり意味のない数字に影響を受けるリスクがある。外側の視点から始めれば、分析は意味のあるアンカーから出発することになる。質の高いアンカーが有益なのは明らかだ。
0投稿日: 2018.10.08「わたしはわかっている」に負けないで
2012年の「専門家の予測はサルにも劣る」という本はご存知でしょうか。専門家には、一つの信念を貫くハリネズミ型と、懐疑的なキツネ型がおり、前者の予測は当てずっぽうと同じか劣る的中率、しかし後者の中には、限定つきながら、確実に有意な成績を挙げる者がいることを明らかにし、話題となりました。 本書は、心理学・行動経済学の成果や、米国政府の支援の下で行われた大規模な実験(「予測者オリンピック」とでもいうべきか?)を元に、同書のさらに先にあるものを教えてくれます。 (1)ダーツを投げるサル>専門家 賢明な読者の方々は、薄々感づいておられるかもしれません。 我々が日々接している様々な分野の「専門家」は、本当は自分の理解していない、または知り得ない事柄について断言すること。そして我々は、その確信の強さに感銘を受けつつも、その内容を受け入れるかは、真贋ではなく好みによって決めていること。さらに、客観性を無視して特定の立場に固執するほど、専門家の人気は高まり、長続きすることを。 人は、お気に入りの考え方を手離しません。専門家でも、それは同じです。いくら知能が高く勤勉でも、チンパンジーが投げるダーツ以下にしか当たらない、間違った予測の下に行動して、目標を達成する方法を見つけ損なうのです。 (2)恐るべき認知の歪み フェイクニュースが「リアル」と称して積極的に拡散されるこの時代でも、正確さへの需要は高いものがあります。 しかし、知識の豊富さや経験は、決して正確さを担保しません。 本書では、我々が原始的な認知の偏りに、いかに惑わされているかを説明してくれます。問題のすり替えや近視眼的判断。ポーカーのトッププロによるセミナーの事例などから、「わかっちゃいるけどやめられない」仕組みを教わります。この部分だけでも、一冊分の価値アリです。 幸い、心の罠をくぐり抜け、予測の正確さを高めることは、可能です。 本書では、「超予測者」とそのチームには、独特のモノの考え方と、「やり抜く力」があることが示されます。 考え方としては、「外側の視点」をもつこと。確率で考えること。新事実が見つかったら柔軟に見解を変えること。 次々登場する超予測者は、どの人も凄く優秀で、そして地味。リーダーや講演者には不向きです。白か黒か灰色かの三択で思考する法律家出身のオバマ大統領が、「それ結局五分五分だろ」と投げ出すシーンは印象的です。 しかし、超予測者の力が認められる世界では、確実な変化がもたらされます。最初は少しずつ、やがて見過ごせないほど大きなものになるでしょう。 あなたがもし、懐疑的な知性の持ち主で、集団に馴染めず、自己を高く評価しないが、地道な努力を楽しめる性質だとしたら。 それは、あなたの周囲の人々にとり、稀少でかけがえのない資質をもつことを意味するのです。おめでとうございます。 (3)問う人と、答える人 読んでいて、一つ気になることがあります。 超予測者のチームがすごいことはわかる。では筆者である研究者さん(ジャーナリストのガードナーとの共著ですが、一人称の「私」は、主にテトロックを指すようです)、あなたは何をしているの? 彼は、「わからない」ことにワクワクする科学者ですが、超予測者とは違うモノの見方をしています。本書の後半で希望を語るときの彼は、キツネではなくハリネズミ。 それは、彼が優れた「質問者」だからだと思います。有意義な予測をするには、優れた問題提起が必要です。 実は私も、思い込んだら一直線のハリネズミ。超予測者の資質はありません。しかし、本書を読み終えた今、質問者として腕を磨き、予測者の力を引き出す役割は、果たせるのではないかと感じています。人気者やリーダー型とは違う、より相補的なパートナーです。 科学者による本格的な読み物ですが、実例が豊富で語り口はユーモラス。確率論に冷や汗をかく人でも、読み通すのは、そう難しくありません。 ぜひ本書をひもといて、不透明な時代に光を射す、超予測者の世界に足を踏み入れてみてください。そして少しずつでも、考え方を変えられたらいいですね!
0投稿日: 2017.10.25
powered by ブクログ自分の人生を生き抜くための永遠の課題と捉えている、物事を予測すること。 この問いに対し、心理学的な側面、資質、予測のプロセスについて、実際に米国で研究・検証したケーススタディをベースに、種々解説しております。 巻末に、超予測者になるための心得として、10箇条の要約が明記されております。 心理学的側面では、社会心理学や行動経済学でも登場する、バイアス・ヒューリスティックなど、客観的な視点を歪ませる人の心理が丁寧に解説されてます。 予測のプロセスにおいては、やはりというか緻密で且つ客観性を保持することの重要性を主張しております。「永遠のベータ」であれといういい響きの言葉をいただきました。 なお、様々に集めた情報を「シンセシス(統合)」することの重要性を感じました。この部分が、予測(結論)する上で、最も重要で且つ必須スキルであると思います。 予測に関する書籍を読み漁っていますが、ここの部分について、詳細に綴られているものはなく、ここが形式知化できないコアな部分であると、あらためて感じた次第です。 翻訳書特有の米国人の言い回しの分かり難さで、-0.5点です。
0投稿日: 2017.05.07
powered by ブクログ面白かった。 予測力が飛び抜けて優秀な人は、いわゆる超能力があるわけではなく、やるべき手順を知っていて、それを遂行できる能力がある。 数学が抜群にできなくてもよいが、ある程度の力は必要。この辺はなんとかなる。 ある程度なら自分もできそうではあるが、実際にやれるかは意志の強さが求められる。なかなか難しい。 本書に出てきた、期限を切らず数値で基準も示さず批判する輩には腹がたつ。責任も取らず言いたいことだけ言う人々。そうはなりたくないものだ。
0投稿日: 2017.03.27
powered by ブクログあらゆるテーマに関して予測が高確率で当たる人とそうでない人の違いを研究した本。 著者はブラック・スワンのNNタレブとは予測可能性に関して意見を異にすると言っているが、書いてある主な内容としてはブラック・スワンで語られている不確実性を極力排除した上で意思決定を行う方法をより体系的にわかりやすく解説した感じになっている。 ネイトシルバーも出てくるし割と個人的に好きな人たちの名前が多く挙がっている本。 要は、予測の精度を上げるためには、バイアスを自覚しできるだけ多くの変数を考慮する必要があるという話。
0投稿日: 2017.03.19
powered by ブクログ超予測力を持つ人を、見つけ出し、要因を探る大規模実験。実験内容は秀逸。結局もって生まれたものが大きいという悲しい現実が。。しかしいくつか為になるチップスもあり、予測力を磨く必要がある人間としては読んで良かった。 ・超予測者は数学に強い。 ・超予測者はこまめに予測を更新する。 ・超予測者はニュース、本で知識を貪欲に吸収。 ・チームで協働することで各個人の成績も良くなる。
0投稿日: 2017.02.27
powered by ブクログP33 予測力というのは本当に存在する。 〜中略〜 測定可能な本物の能力を持っている。 〜中略〜 重要なのは彼らがどんな人物かではなく、どうやっているかだ。 予測力は生まれつき備わった神秘的な才能などではない。特定のモノの考え方、情報の集め方、自らの考えを更新していく方法の産物である。知的で思慮深く意志の強い人なら、誰でもこの思考法を身に着け、伸ばしていくことができる。 超予測者を率いた研究チームの方がこう書いているのだが、にわかには信じ難い。 P241 研究では1つの分野における予測能力は、他の分野では全くと言っていいほど役に立たない。 特定分野であれば予測能力は身につくと。 P344 われわれに必要なのは、予測の評価に本気で取り組むことである。 本書はこの事を繰り返し書いているが、それを個人が果たしてできるものなのか。
0投稿日: 2017.02.09
powered by ブクログ先を予測することに長けた超予測者から、予測を行う心得がわかる。○か×の二項対立ではなく、確率で表そうとする点が「シグナル&ノイズ」に通ずる点を感じた。そして、世界で起きる様々な事象をもとにその予測をアップデートしていくという点が面白い。フェルミ推定も取り上げられており、テクニカルな部分でも興味深い。
0投稿日: 2017.02.06
powered by ブクログポイントは 質問分解 類事例の発生確率を基準に 対立する見解を考え統合 新しいエビデンスに従いアップデート 結果を検証 例にもよく登場するように株価予測に役立つと思う。
0投稿日: 2017.02.06
powered by ブクログ新聞、雑誌、テレビなどで様々な予測を目にすることは多く、中には、株式投資のように、その予測に影響を受けた行動をとる人もいることだろう。しかし、そのような予測は、プロ野球の順位予想など一部を除けば、その当否が検証されることはあまりない。 本書は、予測を検証する方法論、優れた予測を行う人の存在、そうした超予測者が行う予測の方法などについての著者の研究成果が紹介されている。こうして見ると、かなりマニアックな内容のようにも見えるが、実際には、エビデンスベースの医療が導入されるまでの歴史とか、予測の失敗例と成功例として取り上げられたケネディ時代のキューバ問題とか、このような予測問題に対して批判的なブラックスワンの著者の意見など、幅広い事象が取り上げられていて、非常に刺激的であった。 本書を読んだからといって、自分が超予測者になれるとは思えないが、ここで紹介された色々な物の見方はいかにも有用そうで、今後、なるべく生かしていきたいと思わせるものがあった。 一つ気になったのは、様々な面でタブーを物ともしないような鋭い切り口の著者であるが、第二次大戦を戦ったドイツ国防軍のシステムや思考方法を賞賛した後で、これについて弁明めいた追記をしているところ。アメリカでは、今も、ヒトラー政権下のドイツ軍に関することを賞賛するのは、よほど政治的に正しくないことなのだろうか。
0投稿日: 2017.01.15
powered by ブクログ『超予測力』 -不確実な時代の先を読む10カ条 フィリップ・E・テトロック/ダン・ガードナー 著 土方 奈美 訳 早川書房 2016/10 408p 2,200円(税別) 原書:SUPERFORECASTING(2015) 1.楽観的な懐疑論者 2.「知っている」という錯覚 3.予測を評価する 4.超予測力 5.「超頭がいい」のか 6.「超数字に強い」のか 7.「超ニュースオタク」なのか 8.永遠のベータ 9.スーパーチーム 10.リーダーのジレンマ 11.超予測者は本当にそんなにすごいのか 12.進むべき道 付.超予測者をめざすための10の心得 【要旨】天気予報を考えればわかるように、未来に対する人間の「予測」は、 しばしば外れるものだ。「平均的な専門家の予測の的中率は、チンパンジー が投げるダーツとだいたい同じくらい」という研究結果もある。その結論を 導き出したのが本書の著者の一人、フィリップ・E・テトロック氏だ。そう 言い切ったテトロック氏だが、米政府機関IARPA(情報先端研究開発局)とと もに行った人間の予測力に関する実験では、驚異的な予測の的中率を叩き出 す複数の「超予測者」と出会う。本書では、専門家でも特別に訓練を受けた わけでもない超予測者たちが、なぜ優秀な結果を残せるのか、彼らの予測の 方法を観察、分析することで探っている。テトロック氏はペンシルバニア大 学経営学・心理学教授。共著のダン・ガードナー氏はカナダのオタワ在住の ジャーナリストで、『リスクにあなたは騙される』『専門家の予測はサルに も劣る』などの著書がある。 ------------------------------------------------------------ ●「優れた判断力プロジェクト」で見出された“超予測者”は58人 2010年夏、二人のIARPA(情報先端研究計画局)職員がバークレーにやって 来た。サンフランシスコのホテルで彼らと会ったが、そこで聞いたニュース はすばらしいものだった。(政府機関の)情報分析官が日々行なっているよ うな予測を立てるのに最適な方法を編み出せるのは誰か、IARPAがスポンサー となって大規模なトーナメントを実施するというのである。 1年めには数千人のボランティアが名乗りを上げ、そのうち約3,200人が一 連の心理測定テストに合格し、予測を開始した。われわれ(※著者のフィリ ップ・E・テトロック氏ら)は自らのチームと研究プログラムを「優れた判 断力プロジェクト(GJP)」と名付けた。 GJPに参加した被験者は国際問題について約500の設問を出され、合計で優 に100万個を超える予測を立てた。ダグ・ローチは1年めだけで1,000個近い 予測を立てた。量だけでなく、ダグの予測の正確さも目を見張るものだった。 人間に適用しうるあらゆる指標に照らして、ダグ・ローチの結果は驚異的だ った。 ダグ・ローチは切手収集やゴルフ、飛行機のプラモデルづくりにいそしむ かわりに予測を立ててみただけの退職者である。それにもかかわらず、機密 文書を読むことができ、CIAから本部の執務スペースと給料をもらっているベ テラン情報分析官ですらまるで歯が立たないほどの成績を収めた。 ダグ一人が特別だったわけではない。2,800人のボランティアのうち、1年 めに抜群の成績を収めた者は他に58人おり、彼らが超予測者の第一陣となった。 ●「外側の視点」から始め「内側の視点」で調整する 優れた予測を立てるのに確立された手法はないが、超予測者はだいたい同 じ手順を踏む。それは誰にでも実践できるものだ。まず質問を分解する。知 りえる情報と知りえない情報をできるだけ明確に選別し、すべての仮説を吟 味する。外側の視点に立ち、問題を固有のものではなく、一般的現象の一つ の事例として相対的に見る。それから内側の視点に転じ、問題固有の情報に 焦点を合わせる。さらに自分と他の人の見解を比較し、類似点と相違点を検 討する。こうして得られた多様な見解を、トンボの目のような鋭い単一の視 点に統合する。最後に確率を1%単位で示すなど予測はできるだけ精緻に表 現する。 ある家族について質問しよう。 レンゼッティ家はチェスナット通り84番地の小さな家に住んでいる。フラ ンク・レンゼッティは44歳で、引越会社で経理の仕事をしている。妻のメア リーは35歳で保育園で働いている。二人には5歳になる息子のトミーがいる。 夫を亡くしたフランクの母カミラも同居している。ここで質問だ。レンゼッ ティ家がペットを飼っている可能性はどれくらいか。 この質問に答えようとするとき、たいていの人は一家の詳しい情報に目を 向ける。しかし超予測者が最初に確認するのは、アメリカの家庭の何%がペ ットを飼っているかだ。これは統計学で基準率と呼ばれる。ダニエル・カー ネマンはもっと想像力をかきたてるような呼称をつけた。「外側の視点」で ある。対義語は「内側の視点」で、特定の事例の詳細な情報を表す。 グーグルで検索すれば、アメリカの家庭の62%がペットを飼っていること がわかる。これがこのケースの外側の視点だ。外側の視点から、レンゼッテ ィ家がペットを飼っている確率を62%と想定するところからスタートする。 それから内側の視点に移り、レンゼッティ家の詳細な情報を見ながら62%を 上下に調整する。 われわれは予想を立てるとき、なんらかの数字から出発し、調整する。そ の元となる数字をアンカー(錨)と言う。アンカーの設定が不正確だと、予 測も不正確になりがちだ。外側の視点から始めれば、分析は意味のあるアン カーから出発することになる。質の高いアンカーが予測に有益なのは明らか だ。 ●超予測者は「確からしさ」を細かく数字を刻んで精査する われわれが「50%」あるいは「五分五分」と言うのは、たいていは「わか らない」「不確実である」、あるいは単に「どちらとも言えない」の意味で ある。 人類はそれなりに人類と呼べる状態に進化して以来、常に不確実性と向き 合ってきた。知識人が確率論について真剣に考えはじめたのは驚くほど最近 のことである。それ以前は鼻先越しの視点に頼るしかなかった。草むらに動 く影がある。鼻先越しの視点に頼っているかぎり、ライオンである確率が60 %か80%かといったきめ細かな判断は下せない。選択肢が三つしかなければ、 指示も明確になる。ライオンか? イエスなら「逃げろ!」、どちらともい えないなら「警戒せよ!」、ノーなら「安心しろ」である。 こうした事情を考えると、われわれが頭の中に二つか三つの選択肢しか持 たない傾向があるのは理解できる。われわれははっきりとした答えを求める。 「イエス」あるいは「ノー」は、「どちらとも言えない」よりずっと腑に落 ちる。 科学者の確率に対する姿勢はまったく違う。科学者は不確実性を楽しむか、 少なくとも受け入れる。なぜなら科学の視点で現実を見ると、確実性は幻想 に過ぎないとわかるからだ。確実なことが何もないのであれば、二つか三つ の選択肢しかない思考法には致命的な欠陥がある。「イエス」「ノー」は確 実性を意味するので使えない。そうなると残るは「どちらとも言えない」と いう、われわれが本能的に避けようとする選択肢だけだ。 もちろん選択肢が一つしかなくては意味がない。だとすれば「どちらとも 言えない」を、確かさに応じてさらに細分化する必要がある。だから科学者 は数字を好む。数字を使う場合は、できるだけ細かく刻んだほうがいい。 「10%、20%、30%」「10%、15%、20%」あるいは「10%、11%、12%」 といった具合に。 超予測者は科学者や数学者と同様、確率論的にモノを考える傾向がある。 IARPAのトーナメントで正式な予測を立てるときでも、ふつうの人はそれほ ど細かくない。10%のくくり、すなわち30%、40%などと答えることが多く、 35%、あるいは37%といった回答をすることは少ない。超予測者ははるかに 細かい。彼らの予測の優に3分の1は1%単位である。何かが起こる確率は 4%ではなく3%ではないか、と入念に検討するのだ。 油と水のように、確率と運命はなじまない。そしてわれわれが運命的思考 に身を委ねるほど、確率論的にモノを考える能力は損なわれる。「私が人生 のパートナーとめぐりあう確率はとても低かった。それでもめぐりあった。 だからそうなる定めだったのだ。つまりわれわれがめぐりあう確率は100%で ある」。どう見てもおかしいし、一貫性に欠ける。 確率論的にモノを考える人は「なぜことがおきたのか」という問いにそれ ほどとらわれず、「どのようにことがおきたのか」に注目する。確率論的に 考えると、こうなる。「たしかにあの晩、僕とパートナーがめぐりあう可能 性は極端に低かった。でも僕はどこかにいなければならなかったし、彼女も どこかにいなければならなかった。そして幸い、二人の『どこか』が一致し たんだ」 確率論的思考をする人は自己のアイデンティティ形成に深くかかわる出来 事に対しても外側の視点でとらえ、幾多のパラレルワールドの選択肢の中か ら無作為にくじでも引くように決まったものとみなす。正確に先を読むには 確率論的思考が欠かせず、また運命論的思考が確率論的思考を阻害するなら、 超予測者は物事を運命としてとらえない傾向があると推定される。 コメント: 逆説的だが、超予測者は「先のことはわからない」ことを強く 意識する謙虚さをもっているのだろう。わからないことをわかった気になる と「決めつけ」が生じ、正確な予測からは遠ざかる。そうなると、善か悪か、 敵か味方かといった単純な二元論に走りがちだ。籠屋邦夫著『スタンフォー ド・マッキンゼーで学んできた熟断思考』(クロスメディア・パブリッシング) では、著者が提唱する熟断思考を「曇ったフロントガラスときれいなバック ミラーとサイドミラーを持った車によるドライブ」にたとえている。明確な 過去(バックミラー)と現在(サイドミラー)をもとに不確実な未来(フロ ントガラス)を読むということだ。超予測も同様だろう。 === [本棚から一冊]超予測力/フィリップ・E・テトロック他 著 2017/08/25 電気新聞 8ページ 973文字 ◆未来見通す価値とその限界知る ◇超予測力-不確実な時代の先を読む10カ条/フィリップ・E・テトロック、ダン・ガードナー 著、土方奈美 訳/早川書房/2200円+税 <評者>国際環境経済研究所理事・主席研究員 竹内純子 「平均的な専門家の予測の正確さは、チンパンジーが投げるダーツとだいたい同じくらいである」 1984年から約20年間をかけて行われた専門家の判断能力に関する評価研究の結果、本書の著者の出した結論は、平均的な専門家の予測は、ほとんど当てずっぽうと変わらないというものだったという。イギリスのEU離脱に関する国民投票や米国大統領選挙の結果に、ご自身の「予測力」にがっかりしたという方も少なくないだろうが、専門家でもそのレベル。がっかりする必要はなさそうだ。 その研究結果を端的に伝える冒頭のジョークがあまりにキャッチーであったが故に、彼の研究成果は、専門家の予測には意味が無い、あるいは、専門家の知識はチンパンジー並みという、本来全く意図していなかったニュアンスをもって受け止められるようになったという。そのことに対する違和感から、あらためて「先を読む」ことを考察したのが本書である。 私がこの本に関心を持ったのは、気候変動対策における予測の価値と限界を考えていたからだ。パリ協定は加盟国に長期戦略の提出を求めているが、2050年の絵姿を描かねばならないのは国家だけではない。気候変動による企業の財務・金融リスクの情報開示を求める動きが強まり、エネルギー関連企業は特に、産業革命前からの地球の温度上昇を2度未満に抑制するというシナリオと、自社の事業戦略や資産ポートフォリオの整合性を分析し、開示することが求められる。 しかし、企業の時間軸とはスケールの異なる超長期の、しかも科学的不確実性を多分に含む2度シナリオとの整合性を考えることは相当に困難だ。未来予測に真剣に取り組む一方で、その限界も踏まえて、予測とうまく付き合わなければならないのではないか。 本書は、予測力を高めるために何が必要かを研究の成果を踏まえて考えると共に、予測の限界もまた説いている。AI(人工知能)に委ねる価値も認めながら、一方で人間の主観的判断の必要も主張する。先を読むことについて「楽観的な懐疑論者」であろうとする著者の姿勢に学ぶことは多くありそうだ。 ===
0投稿日: 2016.11.19
