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総合評価

15件)
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    武田信玄亡き後から長篠の戦いに至るまでの武田、織田、徳川、豊臣(羽柴)各家の動乱と策略が目まぐるしく描かれている。 内部抗争に巻き込まれる武田勝頼に対し、着実に勢力を増していく信長の脅威がうまく描かれている。各武将のそれぞれ良いところと悪いところをうまく描きながら長篠の決戦まで持っていく筆致に引き込まれる。 戦国時代に興味があるならぜひ読んでおきたい一冊。

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    投稿日: 2024.07.17
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    私の好きな作家の初期の作品で、大変面白く読めた。ここ最近の作品に薄れてきたと感じられていた物語りの躍動感や緻密な舞台構成など、この頃はこのような中身の濃い作品を送り出していたんだなぁと感じた。

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    投稿日: 2024.06.09
  • 多数の視点から

    使い古された戦国時代の終盤戦「長篠の合戦」をテーマにした作品であるが、作者の巧みな筆さばきにより極上の料理に仕上がっている。章ごとに語り部を変え複数視点からの作りになっている。信長や勝頼たち有名武将の語りだけではなく、農兵の語りも入っていることにより作品の奥深さが出ている。鉄砲商人や鉄砲職人の語りが入っていればよりいっそう面白くなったことだろうと思う。

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    投稿日: 2023.05.17
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    このレビューはネタバレを含みます。

    #読了 面白かったー。信玄の死から始まり、長篠の戦いで終わる物語。「武田家滅亡」へつながるような最後だったし、そっちを前に読めばよかったかも。武田家滅亡でも活躍した信濃先方衆の監物や帯刀、それから小宮山内膳なんかも登場。勝頼、信長、家康、秀吉という大名をメインにすえつつ、国人衆の辛い立場や家族愛も描かれていて、そういうところも物語に奥行きを感じる一因なのだろうか。 武田家憎しで頑張っていた家康も、最後の最後で自分の立場を自覚したり、一蓮托生というキーワードでいろいろな人が結びついている。歴史小説ゆえにその後の浮沈がわかるため、同じ一蓮托生という言葉でも捉え方が変わってきて面白いね。

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    投稿日: 2022.08.23
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    作者らしい精緻で細かい史実に沿った描写に最初は読み進めづらかったが長篠の合戦に近づくにつれて加速していった。創作性の強い歴史物が多い中、本作は正面から長篠前後の武田、織田、徳川を描いた正統小説。一人称が10pくらいで転々としていく形式であるが、秀吉の場面が非常に興味深かった。長篠が銃の戦い方を変えたという史実を知っているだけに、どうやってそこに向かっていくのだろうかという思いで手が動いた。

    4
    投稿日: 2020.11.14
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    世は戦国時代ながらも、現代に当て嵌めるとなかなか面白い。カリスマリーダーからの事業承継に苦心する勝頼、上司からの無理難題を超克する秀吉、危機に瀕しながらも外部リーダーシップを駆使する家康、組織の命令に従いつつも地縁を重視する帯刀...。合戦のリアルより、互いの心理戦を楽しむ方が良いだろう。うん、一気読みでした。

    4
    投稿日: 2020.02.05
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    このレビューはネタバレを含みます。

    今まで読んできた伊藤潤の歴史小説の中でも、屈指の面白さだった。歴史小説というジャンル内だけでなく、これは中々スゲー小説だ! 長篠の合戦を描いた歴史小説。誰か一人を主人公に据えるのではなく、4人の主人公(武田勝頼・徳川家康・羽柴秀吉・地侍の宮下帯刀)の視点から、細かい章立てでめまぐるしく替えて描き切るテクニックが活きる。 4人の主人公それぞれの傍にいる参謀役というか相方がまたそれぞれに良い味を出していて、対比のさせ方も上手い。筆の力もそうだけど、技巧で読ませるあたりがニクいなぁ~ 武田家終焉の切なさも去ることながら、信長・秀吉・家康の特徴が典型的によく分かる。この本を読めば、ほととぎすの句の三者三様ぶりがさらに際立ってくるぞ。

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    投稿日: 2019.02.09
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    武田信玄の死から長篠合戦終結までの、四者(勝頼、家康、秀吉、武田方雑兵ら)の物語。 「武田信玄、死す―」元亀4年、その噂が戦国の世を揺さぶった。 父の悲願、天下掌握を果たすべく信長の追い落としを謀る勝頼。 生き残りを賭け謀略をめぐらせる家康。 信長の命で大量の鉄砲調達に奔走する秀吉。 そして兵として戦場を駆け回る地侍の宮下帯刀。 男たちは長篠の地に集結し、死力を尽くした戦いに臨む。

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    投稿日: 2018.11.12
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    信長が死んだ後の、かつての戦国最強軍団・武田家vs織田・徳川連合軍の、天下分け目の戦い描いた作品。武田・織田・徳川・秀吉 それぞれの組織の作り方がすごく勉強になる。信玄は強かったけど強すぎて二世がうまく育たなかったんだなあ。徳川は、強さ(カリスマ性)より人の良さで上に上り詰めたんだなあ。とか。

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    投稿日: 2017.11.05
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    元々織田信長が読みたくて買ったのですが、織田信長の周りの武田勝頼、徳川家康、豊臣秀吉、および地侍帯刀各々の目線で、長篠の戦いまでが描かれています。私はあまり歴史ものを読んだことが無く、また歴史自体も恥ずかしい理解レベルですので、「え?そうだったの?」とか「へえ、そうだったんだ!」と思う箇所が多く、とても楽しめました。特に武田信玄が亡くなった後の武田家については全然知らなかったのだなあと。同じ著者の方が書かれた「武田家滅亡」も読みたく思っています。

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    投稿日: 2017.07.20
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    このレビューはネタバレを含みます。

     勝頼・家康・秀吉、そして「宮下帯刀」の四つ視点から長篠合戦を描き出す骨太作品。伊東さんの長編はいつも前半を読むのがなかなか大変ですが、中盤からクライマックスにかけての盛り上がりに飲み込まれます。三段撃ちのシーンへの持って行き方が巧すぎる……!  有名どころ三人それぞれの性格や苦労・苦悩の違いも見どころですが、この面々の中では異色の帯刀視点でのエピソードが、一番心に残るものがありました。

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    投稿日: 2017.07.18
  • 新田次郎と双璧をなす武田勝頼の物語

    かなり以前に書かれた『武田家滅亡』につながる武田勝頼の上巻的な位置づけの作品。 信玄逝去から長篠の合戦までを描く。 やはり単独作品としては少し物足りない。 2冊併せて初めて勝頼の壮大な物語が完結する。 長篠の合戦は新田次郎の『武田勝頼』で描かれている説を真っ向から否定する解釈。 あくまでも鉄砲三千丁による三段撃ちをメインに据えて、それが実現可能であることを秀吉の大奔走によって立証しようと試みている。 佐久間信盛の内通偽装工作もなく、正々堂々のガチンコ勝負。 これはこれで面白い。 壮絶な長篠の合戦を堪能できた。

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    投稿日: 2017.06.19
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    大好きな伊東さんの本をようやく読めました。 金曜日の夜と土曜日の朝で一気読み。 相当読書に飢えてました。 舞台は武田信玄の死から長篠の戦いに向かう2年ほどの期間。 武田勝頼、徳川家康、羽柴秀吉 この3人の視点で物語が展開します。 時代の中では、信玄の死から長篠の敗戦までの武田家滅亡への軌跡 は必然のように思われていますが 決してそんなことをなく、家康が滅亡を意識したほどに勝頼に追い詰められた場面もあり それゆえに長篠の戦いというのが、いかに重要なターニングポイントになったかが この本を読むと気づかされます。 伊東さんお得意の合戦シーンも臨場感たっぷりでおもしろいですが それまでの2年間の攻防、信長や信玄への畏怖 そういう入り混じった感情の表現がとってもよくてとにかく一気読みでした。 おもしろい! こういう歴史小説に出会えるのは本当に幸せです。

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    投稿日: 2017.04.08
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    長篠合戦の前夜。登場人物のそれぞれの運命がいかにして決定づけられたか、興味深い。 緻密に寝られた戦略の賜物か? それとも偶然の産物か? 天下分け目の決戦!

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    投稿日: 2017.01.01
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    『天地雷動』は、よく知られている戦国時代の合戦と言い得る「長篠の戦」の裏表が多面的に描かれ、一軍の将から、兵站担当者、前線の兵というような多層的なドラマが展開する作品である。なかなかに面白い!!

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    投稿日: 2016.11.06