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powered by ブクログ著者はもともとは人工知能の研究者だそうだが、世の中のほとんどの事象はデータになっていないことに気付き、見えているのに見えてない、聞こえているのに聞こえていない、生活空間の魅力に気づかせるために「仕掛け」に注目し、これを研究し始めたそうである。「トイレの的」など世の中には仕掛けは多々あるも、思わず行動したくなるようなものが「仕掛け」であり、著者の今まで集めたデータや分析が分かりやすく解説されていて、面白く読めた。
0投稿日: 2018.05.30
powered by ブクログ強制するのではなく、「ついしたくなる」ように仕掛ける仕組みづくりについて、具体的な事例を交えて説明している一冊。 紹介されている事例は有名なものが多く、内容も仕掛けの説明が中心で、少し物足りないように感じてしまいました。
0投稿日: 2018.03.14
powered by ブクログ●→本文引用 ●「したほうが良い」と直接伝えても効果がないことは明らかなので、「ついしたくなるよう」に間接的に伝えて結果的に問題を解決することを狙うのが仕掛けによるアプローチになる。 ●仕掛けは選択肢を魅力的に見せることで自ずとそちらの行動が選ばれるように仕向けたものであるといえる。 ●行動を変えるときに必要な負担が大きければ、それに見合う便益が得られないと人の行動は変わらない。一方、負担が小さければ便益が小さくても人の行動は変えやすい。仕掛けは負担が小さいほど良い仕掛けといえる。 ●便益は下がる一方なので、最終的には負担の小さい仕掛けが長続きすることになる。仕掛けに飽きられにくくなる要因を加えることで便益の減衰カーブを上げたり緩やかにすることもできる。 ●「アナロジー」と「ポジティブな期待」を使っている仕掛けが13件、「聴覚」と「ポジティブな期待」を使っている仕掛けが11件あり、これらの組み合わせが利用しやすいことがわかる。 ●これは使えそうだと思った仕掛けの発想法は以下の4つである。・仕掛けの事例を転用する。・行動の類似性を利用する。・仕掛けの原理を利用する。・オズボーンのチェックリスト。
0投稿日: 2018.01.14
powered by ブクログIoTの時代、「ビッグデータを活用」とかつい言ってしまうが、データを取ったりするための機器を、誰が負担して、どういう動機で設置するかが課題になっている(イノベーターな人は先んじて手掛けることに価値を見出せるから良いけど…) その意味で、こうした公平性だったり、誘引性だったり、特に「目的の二重性」といった要件を満たすものとして「仕掛け」を考える視点は非常に興味深かった。 ここまで聞いたら、もっと知りたくなる!という意味で、あえて星は4つ!
0投稿日: 2018.01.12
powered by ブクログ以前より興味があり、ブックオフで購入。 人の行動を誘引し、結果的に課題解決に至る仕掛けについて、学問としての有様を成り立ちを平易な言葉で追う形で紹介している。正論では動かない時のもう一つの解決策として、大変興味深い。現象を分解して概念化し、そこから発展につなげる科学って何だっけということを追う教科書としても分かりやすい。子供に読ませたい本。
0投稿日: 2017.11.14
powered by ブクログ無意識にそうさせようとする仕組みをうまくついています。 どうしてもそのように行動してもらいたいときは文章で訴えがちですが、それではなかなか大衆は動かない。 アイデアが面白くてすごく参考になりました。
0投稿日: 2017.08.10
powered by ブクログ人に行動させるときに、「したほうが良い」と直接伝えても効果がないので、自発的に「ついしたくなる」ように仕向けて結果的に問題を解決することを狙うのが仕掛けによるアプローチを解説。中身が薄い。
0投稿日: 2017.07.31
powered by ブクログ改めて待ちの中にある仕掛けや、プロモーションの仕掛けのアイデアの要素の引き出しとしては良かった。ただ、同じことを何度もループさせていて、おもしろみは無かった。 内容としては10Pもあればいいようなものを水増しした印象でした。
0投稿日: 2017.07.12
powered by ブクログFAD 公平に 行動的に 目的別に 何か仕掛けをつくるときの三要素 大事なのは気づけばやってしまうこと=目的のものも達成してしまうこと 事例はたくさん載っていたが自分で考えるには今ひとつ物足りない本
0投稿日: 2017.07.12
powered by ブクログ【全体の感想】 言葉でこうしてほしい、と言うわけでもないのに、相手が自然と意図した通りに動いてしまう「仕掛け」の仕組みについて解説している本です。 仕掛けとはどんなものか、どういう風にして仕掛けが作られているかについて紹介されていますが、具体的な仕掛けの例は少ししか紹介されていないので、あくまで仕掛けをつくる考え方を知りたい、という方におすすめです。 (著者自身は数百件の事例を収集しているそうですが、著作権等の関係で公開できるのはごく一部だそうです) まずは紹介されている事例を真似しながら家庭や職場で早速仕掛けを作ってみたい!とワクワクします。 【おすすめしたい人】 ・お仕事でマーケティングをおこなう人 ・自分の行動を変えたいのに、なかなか変えられない人 ・言葉や命令ではなく、相手の行動を自然と変えたい人
0投稿日: 2017.06.24
powered by ブクログまさに究極の改善活動。改善するのではなく改善誘導するという考えが秀逸。仕掛けはいまや「学」がついて仕掛学まで昇華してきた。残念なのは著者も書いているように学会がないこと。せめてフォーラム的な場でもあれば盛り上がるんだろうが。
2投稿日: 2017.05.06
powered by ブクログ個人的に興味を持っている、どのような仕掛けをすると人は動くのかという点から、まさにドンピシャのテーマだと思って購読。バスケットゴール付きのゴミ箱、ピアノの音が出る階段、立ち小便防止の鳥居マークなど、様々な仕掛けを分析し、そのエッセンスが解説されている。これはこれで面白いのだが、やはり事例が少ないのと、「仕掛け学」としては始まったばかりで、もっと分析が深まるととても面白いと思う。世界中の事例や工夫をもっと学べるとよいなあ。
0投稿日: 2017.04.12
powered by ブクログ仕掛に対する反応の強弱 便益の大小⇔負担の大小 便益大、負担小が最も効果的 飽きやすさ 飽きられにくくなる要因を加えることで便益の減少カーブを上げたり緩やかにすることができる 仕掛けは、物理的トリガーによって心理的トリガーが引き起こされ、それによって行動が変わるという順序を経て機能する 仕掛けの原理 物理的トリガー ・フィードバック ・五感 ・フィードフォワード 人が行動を起こす前に仕掛けから人に伝わる情報 ・アナロジー ピアノ階段→ピアノのアナロジー トイレの的→的は狙って当てるもの ・アフォーダンス イスを見ると「座れる」ことが分かる 足跡 心理的トリガー <個人的文脈> ・挑戦 バスケットボールのゴミ箱 ・不協和の解消 ファイルボックスの背表紙 ・ネガティブな期待 道路の起伏(スピードバンプ) ・報酬 スピードカメラロッタリー アンダーマイニング効果に注意 ・自己承認 エレベーターの前の鏡 <社会的文脈> ・被視感(見られている感) 目を描く ・社会規範 小さな鳥居、駐車場の線 ・社会的証明 他の人の行動によって生み出される規範 お店の行列 物理的トリガーと心理的トリガーの組み合わせ 仕掛けの発想法 子供を観察する 行動観察 ・仕掛けの事例を転用する ・行動の類似性を利用する 捨てる→投げる、しまう、入れる、当てる ・仕掛けの原理を利用する ・オズボーンのチェックリスト ださく似たオチ
0投稿日: 2017.04.09
powered by ブクログ小便器にハエのイラストを描いて綺麗に使うことを促すような仕掛けを集めて解説した本。アイデアが面白い仕掛けが色々とあるんだ。
0投稿日: 2017.04.01
powered by ブクログ「FAD要件」がわかりやすかったですね。いわれてみると「なるほど」とは思います。出来上がったものを見ると、「よく考えているな~」と思うんですが、いざ自分で考えるとなると…ですね。
0投稿日: 2017.03.28
powered by ブクログ人の動きを操るちょっとした仕掛けについて、まとめられた本。男性トイレにおける、的、小便禁止の張り紙よりも、鳥居マークの方が効果的など。ちょっとした心理をつけば変えられる行動の仕掛けについて。内容は軽くて良いが事例はやや少なめ。以下抜粋。 -------------------------------- ・背表紙を「並んで一枚の絵」になるようにしておけば自然と順番に並べたがる心理が働く。 ・「ついついしたくなる」ように仕向けることは不確実性を含むので遠回りに感じるかもしれないが、正攻法が効かない場合は有望なアプローチになる。 ・身だしなみをキにするの自己認識の一つの現れ。実験でチラシスタンドの上に鏡を置いておいただけで、鏡を設置しなかったことに比べ2.5倍ビラをとった数が増えた。 ・社会的証明 →ペッドボトルも、キャップを一緒に捨てる方法ではなく、キャップだけ別に入り口を買えると、分けて捨てる人が49→60%に上がった。これは別箱に入っているキャップが社会的証明になったからとかんがえられる。 ・アイデアの発生が詰まったときの9つの視点 1.他の使いみちは? 2.他に似たものは? 3.変えてみたら? 4.大きくしてみたら? 5.小さくしてみたら? 6.他のもので代用してみたら? 7.入れ替えてみたら? 8.逆にしてみたら?」 9.組み合わせてみたら?
1投稿日: 2017.03.12
powered by ブクログ仕掛学とはなるほどそういうことか。 上手く乗っかっちゃいます。 特にトイレの的は上手く出来てると感じたものです。 様々なことに応用出来れば面白いし、既に沢山やられています。 こんな風に考えてると、ふとアイデアが浮かぶかも。
0投稿日: 2017.03.12
powered by ブクログ心理学でも「つい自ら進んで動きたくなるような仕掛け」の話については聞いたことがあるのだが、それを1つの「学問」領域にまとめようとしている学者さんが、一般向けに分かりやすく書いた本という事で手に取ってみた。そのとおり確かにわかりやすく、興味深く、おもしろく読めた。 第1章「基本」、第2章「仕組み」については参考になったが最後の第3章「発想法」についてはちょっと薄かったかな…。でも、街にあるいろいろな仕掛けについて、この本での仕掛けの分類を考えながら改めて注意深く見るようになると思うし、自分でできることについても、とりあえず、だんなと息子がつい自ら進んで部屋を片付けたくなるような仕掛けについて、早速それぞれの行動を改めて観察をしてみたい。
0投稿日: 2017.03.06
powered by ブクログデザインのアイデアに関する研究。内容はかなり平易。 具体例が結構あるのが良かった。原理分析については、メモったが活用できるかどうか…やってみないとダメですね。
0投稿日: 2017.02.18
powered by ブクログ男性用小便器につけられた的、バスケットゴールのついたゴミ箱、上ると音がでる階段……「ついやってみたくなる」「その結果、いいことがおこる」という仕組みを定義する。すなわち、 公平性:誰も不利益を被らない 誘因性:行動が誘われる 目的の二重性:仕掛ける側と仕掛けられる側の目的が異なる こうした定義のもと、世の中にあるいろんな「仕掛」について紹介していく。 170ページ程度とわりと軽い。写真も30点以上納められている。やはり見ないとわからないし。 中身はよく整理されていて、頭のいい人が書いたんだろうなと思えるが、もっといろんな具体例紹介があったほうが、読む楽しみはひろがるなぁと。
0投稿日: 2017.02.05
powered by ブクログ・要約 ★私見 --- ★タイトルを見て、痴漢防止の看板を思い出した。「痴漢は犯罪です」よりも、「皆様のおかげで犯人を捕まえることができました」の方が犯罪が減ったという事例。 ★本書は仕掛け例の紹介と分析を書いた本であるが、分析の際に同じ仕掛け例ばかり取り上げるので中だるみした。 ★厚めの本であるにも関わらず、情報量がとても少ない。文字数をカサ増しした上に、文章間の空白も余分に取っている感じ。よく言えばさらっと読めるが、物足りない。 ★とはいえ、家庭や仕事の仕掛けを考えよう、と思い立った点では役に立った。 ・p16 運動や減塩など「した方が良いこと」はなかなかしないので、「ついしたくなる」仕掛をつくるといい。 ・p21 仕掛け例:子供のおもちゃ箱の上にバスケットゴールを設置することで、お片付けがゲームになって捗る。 ★似たようなものを作ろう。スペースの都合があるので、赤いポスト型とかかな? ・p57 仕掛け例:コインが面白い動きをする募金箱には募金しやすい。 ・p72 仕掛に乗る負担が大きくて持続性が低い(飽きやすい)仕掛けは観光地などに向く。仕掛にも向き不向きがある。 仕掛けに乗る負担が少ないのは、男性トイレの的当てなど。 仕掛に乗る負担が大きいのは、エスカレーターの代わりに階段を登ることなど。 ・p150 仕掛けの思いつき方:行動の類似性を使う。 ゴミ箱に「捨てる」→似ている動詞→「投げる」→連想されるもの→「釣り」 ゴミ箱に「釣り」→連想→魚拓をとれるゴミ箱 ・p154 仕掛けの思いつき方:五感を組み合わせる ゴミ箱+「視覚」→連想→ゴミを入れると◯◯が変化して見える ・p164 仕掛け例:真実の口の中に手を入れるとアルコール消毒噴射 ・p165 仕掛け例:上から垂れている紐の出所を見ると広告がある(人間釣り) ★私がやっている「ながら家事」は、誘導性が低いものの、仕掛けと言って良さそうだ。 例1:きれいにした洗面台に布巾を置いておく 各自がきれいな状態を保とうと、使用後に布巾がけをしてくれる。 例2:階段にクイックルワイパーを置いておく 階段を使うときに、ワイパーで掃除しながら昇り降りする。
6投稿日: 2017.02.01
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
チラシを手に取ってもらいたい時は鏡の前に置く(自分を見るために鏡に近づいたついでにチラシを手にする)とか、小便器に貼ってある虫のシールとか、ちょっとした仕掛けで人の行動を操作しようという仕掛学 行動経済学で言い尽くされたような内容が多い?
0投稿日: 2017.01.26
powered by ブクログついしたくなるものを学術的に再定義した本。一応体系的に理解できる構造を提示しており、考え方の1つとして知っておくのはありかも。参考図書やおすすめの図書を漁るのは楽しそうなので漁ろうと思う。
0投稿日: 2017.01.23
powered by ブクログトイレの便器にシールを貼ることで、飛び散りを減らすというのは公共のトイレでよく見るが、そういうことを含め「仕掛」学と定義していくのはなかなか面白い所に目をつけているなと思った。 しかし体系的にまとめているが「被視感」など造語と思われる言葉もあり、まだまだ練れていない(よく言えばこれからの学問)事やその面白さがこの本ではあまり伝わってこなかった。 とても期待していたのでその点は残念だった。 本書では問題解決に繋がる時行動を誘うきっかけになるもので、 下記3要件を満たすものと定義している。 ・公平性(誰も不利益をこうむらない) ・誘引性(行動が誘われる) ・目的の二重性(仕掛ける側と仕掛けられる側の目的が異なる) そして良い仕掛けと言うのは「行動の選択肢を増やす」だけで「行動を強要しない」と言うのはなるほどと思った 仕掛けを分類すると下記の通り。 大分類は物理的トリガーと心理的トリガーに分かれる。 物理的トリガーの中分類にはフィードバックとフィードフォワードに分かれる。 フィードバックの小分類には視覚、触覚、嗅覚、味覚、視覚に分かれる フィードフォワードの小分類にはアナロジーとアフォーダンスに分かれる。 心理的トリガーの中分類には個人的文脈と社会的文脈に分かれる。 個人的文脈の小分類には挑戦、不協和、ネガティブな期待、ポジティブな期待、報酬、自己承認に分かれる 社会的文脈の小分類には、被視感、社会規範、社会的証明に分かれる 最後に著者のプロフィールを見たら自分よりも年下だったのは驚いた。
0投稿日: 2017.01.19
powered by ブクログ「仕掛学」(松村真宏)読了。難しいえば、工学、デザイン、行動心理学などの総合科学。簡単に言えば、おもろそうでやってみたくなる(やめときたくなる)もの、つられる仕組みですね。つられる方は楽しいけど、作るのは柔らか頭が必要。その例がこのyoutube動画。 https://m.youtube.com/watch?v=cbEKAwCoCKw
0投稿日: 2017.01.15
powered by ブクログタイトルに惹かれて購入。 人を動かすアイディア=「ついしたくなる」仕掛けの数々が紹介されている。 どのようにすれば行動を変化させられるのか。 そんな仕掛けを発見方法から仕組み、原理、発想法まで解説。 しかし難しいことではなく基本原理さえ知ってしまえば誰でもできると思える。 2~3時間で読めるボリュームながら新たな発見の多い著書です。 街やそこら辺を歩きながら仕掛を見つけるのも楽しみになりました。 仕事なんかで人を間接的に伝えて問題を解決する時のアイディア出しに役立ちそうです。 #2017年4冊目
1投稿日: 2017.01.12
powered by ブクログボタンがあると押してしまう。小便器に的があると、狙ってしまう。ゴミ箱の上にバスケットゴールがあると、ねらって投げてしまう。 こんな「仕掛け」を学問領域として立ち上げた著者の最初に一般向けの本だそうである。カバーをめくった袖のところにスタンフォードの教授の紹介文があるが、英文では「Shikakeology」となっている。 本を通して、著者が収集した様々な仕掛けが写真付きで紹介されているのが楽しい。 心理学や行動経済学にも関わってくるのかな?でもマーケティングとかコミュニティのイベントなどにもすぐ応用できて、実践的。行動を誘引する面白いアイデア、にとどまらずそれを整理して体系化しているところが「学」なのだろう。 仕掛けというものの定義を次の様に定めている。 −誰も不利益をかぶらない。 −行動が誘われる。 −仕掛ける側と仕掛けられる側の目的が異なる。 たとえばバスケットボール型ゴミ箱は、仕掛ける側はゴミをゴミ箱に入れてほしいだけだが、仕掛けられる側はゴミを投げ入れるゲーム性が楽しいだけなのである。 第二章では仕掛けを分類することで整理し、どのような構成要素が存在しているかが例示とともに紹介されている。 第三章では、整理された仕掛学を元に、仕掛を発想する方法が紹介されている。 さすが研究者というべきか、きちんと引用がされているし、注釈も細かくついているので、気になっても深めて読むことができる。 学問としての研究の発展性というよりは、社会をよくするための手法という感じ。しかし、仕掛の発想そのものは小さなことだけではなく、政策にも応用できうるものなので、この考え方は取り入れたい。すなわち、必ずしも政策を打ち出す側の目的と行動する側の目的が違っても、仕組みが動けばOKなのである。頭を柔らかくして問題解決する。著者の問題意識の持ち方が素敵である。 冒頭に出てくる文章は研究者として肝に銘じておきたい。 「世の中の事象のほとんどはデータになっていないという当たり前のことに気づいた。」
0投稿日: 2017.01.11
powered by ブクログ思わずやってしまう状態を作りだす「仕掛け」論。 子供が飲み込まないように、リカちゃん人形の小物には苦い味がつけてあるってのは知らなかった。 ギブソンとノーマンのアフォーダンスの違いについて注で言及しているほどなのに、レッシグのアーキテクチャについての言及がないのは、バランスが悪いように思った。
0投稿日: 2016.11.28
powered by ブクログ人を動かすにはちょっとした仕掛けがあればいい。 仕掛のポイントは目的を直接的に悟られず、思わず してしまうことで結果的に目的が達成されるという仕組み。 例えばトイレの小便器に「綺麗に使ってください」と張り紙が書かれていても効果は薄いが、小便器の中に的が書かれていると思わずそれを狙いたくなってしまい結果的にトイレが綺麗に使われます。 世の中にあるそういった仕掛けを色々と紹介しているが思わずなるほど!と声が出てしまうほど秀逸なアイデアがたくさんで非常に面白い。 個人的には大好きなジャンルの本でおすすめです。
1投稿日: 2016.11.19
powered by ブクログ11月20日の日経、朝日、両紙に書評があり、ちょっと気になっていたこともあり。女性にはわかりにくいかも知れないが、男子用小トイレにハエのマークなどがついていて、そこを狙うと廻りの汚れが少ない。ということは以前から言われていたが、それを「仕掛」と称し、学問として必要な要素は何かを説く。もともと人工知能の人なので、考え方はケースを集めて推論する方法で、理論的ではなく、経験的な部分もあるが、確かにこの分析はおもしろく、いろいろ企画を立てる上での参考になる。仕掛けには物理的と心理的なトリガーがあり、それをまた分解すると~。人に受け入れられるアイディアを考えている人におススメ。
2投稿日: 2016.11.16
powered by ブクログやらされている感じが全く出ない、「ついしたくなる」仕掛け。 子どもの様子を観察したり、画像検索で世界の情報を調べるとヒントがある。オズボーンのチェックリストも効果的。 技術屋は、単純な仕掛けですむものを大げさに考えるかもしれない。気をつけよ。
1投稿日: 2016.11.15
powered by ブクログSubject: 【SERENDIP】ベストセラー 仕掛学 ブック紹介 『仕掛学』 -人を動かすアイデアのつくり方 松村 真宏 著 東洋経済新報社 2016/10 176p 1,500円(税別) 序.「ついしたくなる」には仕掛けがある 1.仕掛けの基本 2.仕掛けの仕組み 3.仕掛けの発想法 【要旨】人には「わかっていてもついやってしまう」行動や習慣があるもの だ。ダイエット中なのに甘いものに手を出したり、過度の飲酒や喫煙、部屋 を散らかし放題、公共マナーを守らない、など。これらは、自ら固く決心し たり、他人から注意されたところでやめられないことも多い。それらを「や らない」という「別の行動」に本人が意図しないかたちで導くのに、巧みな 「仕掛け」が使われることがある。本書では、そうした仕掛けにはどんなも のがあるか、仕掛けが行動変容に結びつくメカニズム、効果的な仕掛けをつ くるにはどうしたらいいか、などを豊富な実例とアイデアを紹介しながら論 じている。著者は大阪大学准教授で、上記のような「仕掛け」を収集、分析 してその効果を探る「仕掛学」の提唱者である。 ------------------------------------------------------------ ●「ついしたくなる」を間接的に伝え問題解決を図る 著者はもともと人工知能の研究者であり、コンピュータを使ってデータか ら意思決定に役立つ知識を発見することに取り組んでいた。しかし2005年の ある日、世の中のほとんどの事象はデータになっていないという当たり前の ことに気づいた。人はデータに頼らなくても道端にひっそりと咲く花や鳥の さえずりに気づく。必要なのはデータでもコンピュータでもなく、生活空間 の魅力を人に気づかせる「仕掛け」である。仕掛けの事例を集めていくうち に、問題解決のための手段として汎用的に仕掛けが利用できることに気がつ いた。これが「仕掛学」の生まれた経緯である。 私たちが直面する問題の多くは私たち自身の行動が作り出している。環境 問題、交通安全といった自分「たち」の行動が引き起こす問題も結局のとこ ろ個人の行動が集まった結果として立ち現れてくるものなので、自身の行動 を変えることが問題の解決につながる。運動不足そのものは個人的な問題で あるが、不健康な人が増えて医療費がかさむようになると社会が負担する医 療費も増大する。 運動不足や塩分の多い食べ物が体に良くないことを知らない人はいないだ ろう。しかし頭では理解していても楽をしたいとか食べたいといった目先の 欲求にはなかなか勝てない。このとき「したほうが良い」と直接伝えても効 果がないことは明らかなので、「ついしたくなる」ように間接的に伝えて結 果的に問題を解決することを狙うのが仕掛けによるアプローチになる。 ●行動と解決する問題が無関係にみえるのが良い仕掛け (一列に並んだ複数の)ファイルボックスの背表紙に(すべてのファイル ボックスにまたがる)斜線を一本引くとファイルボックスが順番通りに並ん でいるか一目見てわかるようになる。ラインが乱れていると気になるのでつ い直したくなり、結果として整理整頓が達成される。 おもちゃが散らかった子供部屋の場合を考えてみよう。この場合、片付け るように子供に伝えるだけでは何の効果もないことはほぼ自明であろう。し かし、たとえばゴミ箱の上にバスケットボールのゴールを設置すると、つい おもちゃを投げてシュートしたくなる。シュートして遊んでいるだけなのに、 結果的におもちゃがゴミ箱の中に片付くことになる。 これらの仕掛けに共通することは、整理整頓が「結果として」達成される ことである。整理整頓をしているつもりはないのにいつの間にか本来の目的 が達成されている。 問題解決につながる行動を誘うきっかけとなるもののうち、以下の3つの 要件からなる「FAD要件」(それぞれの要件の英語の頭文字をつなげたもの) を全て満たすものを「仕掛け」と定義する。 ・公平性(Fairness) ・誘引性(Attractiveness) ・目的の二重性(Duality of purpose) 「公平性」(F要件)は仕掛けによって誰も不利益を被らないことであり、 人を欺くものは「仕掛け」の定義から外れる。 「誘引性」(A要件)は行動を「誘う」仕掛けの性質のことであり、行動 変容を「強要」するものは仕掛けの定義から外れる。 「目的の二重性」(D要件)は、仕掛ける側の目的(解決したい問題)と 仕掛けられる側の目的(行動したくなる理由)が異なることである。 行動と解決する問題の関係が一見すると無関係に見えるときほどうまい仕 掛けになる。このような仕掛けの性質を「仕掛けの副作用性」と呼んでいる。 仕掛けの副作用性は、行動の多義性を利用することで生まれる。行動の多 義性とは、たとえば「投げる」という行動が運動会の玉入れで玉を「投げる」 ときとゴミ箱にゴミを「投げる」ときに用いられるように、同じ(ような) 行動が異なる状況で起こることである。このような行動と状況の組み合わせ を入れ替えることで仕掛けの副作用性を実現できる。ゴミ箱を玉入れのカゴ にして運動会の曲を流せば、掃除が運動会の玉入れに早変わりする。 ●物事や行動の本質を見失わないことが仕掛けをつくるコツ 仕掛けのアイデアを考える一番簡単な方法は、これまでに見つけた仕掛け の事例を転用することである。ゴミ箱の上にバスケットゴールをつける仕掛 けのアイデアを転用すれば、バスケットゴールの代わりにサッカーゴールを つけたりボーリングのピンを立てるといったアイデアはすぐに思い浮かぶ。 使用済みのダンボール箱の蓋の部分を組み立て直してバスケットボールのゴ ールになるようにすれば、使い道のなかったダンボール箱そのものが魅力的 なゴミ箱のオマケになるといったアイデアもすぐに浮かんでくる。 仕掛けは人の行動を変えることで問題解決を狙うものなので、「行動」を 手がかりにして仕掛けを考えることもできる。ゴミの「捨てる」という行動 に着目して似ている行動を探すと、「投げる」「しまう」「入れる」「当て る」「落ちる」といった行動が挙がる。さらにそれぞれの行動から連想する ことを自由に発想していくと、 「投げる」ダーツ、釣り、運動会の玉入れ 「しまう」洗濯物、食器、コレクション 「入れる」荷物、CD、空気 「当てる」神社のおみくじ、弓と的、パズル 「落ちる」落とし穴、雷、おむすび といったキーワードが出てくる。 次に、連想されて出てきたキーワードと「ゴミ箱」を無理やり組み合わせ て仕掛けを考えてみる。たとえば前記に挙げた5つのパターンのそれぞれか ら以下のような仕掛けのアイデアが得られる。 ・ゴミ箱+釣り:ゴミを入れると、ゴミの大きさと重さを測り、魚拓ならぬ ゴミ拓を取ってくれる。また、大きさや重さやゴミ拓のランキングが公開さ れる。 ・ゴミ箱+コレクション:ゴミ箱が格子状に分かれていて、ゴミの種類ごと に収納する場所が決まっている。ビンゴになればゴミ箱の中にゴミが落ちる。 ・ゴミ箱+空気:ゴミが入れば入るほどゴミ箱が膨らむ。 ・ゴミ箱+おみくじ:ゴミを入れるとおみくじが出てくる。 ・ゴミ箱+落とし穴:ゴミがコロコロ転がりながら落ちていく。 一見すると関係ないように見えるA(仕掛けの対象。ここでは「ゴミ箱」) とB(仕掛けの要素。ここでは「釣り」や「コレクション」など)の間に見 事にC(誘われる行動。ここでは「投げる」や「しまう」など)という共通 項が見えるとうまい仕掛けになる。 問題に直面したとき、技術に詳しい人ほど技術にとらわれてしまい、使う 必要のない技術をわざわざ使って簡単な問題を難しく解決しようとする。以 下の有名なアメリカン・ジョークも同じことを揶揄している。 「アメリカのNASAは、宇宙飛行士を最初に宇宙に送り込んだとき、無重力状 態ではボールペンが書けないことを発見した。この問題に対処するために、 NASAの科学者たちはこの問題に立ち向かうべく、10年の歳月と120億ドルの 開発費をかけて、無重力でも上下逆にしても水の中でもどんな表面にでも氷 点下でも摂氏300度でも書けるボールペンを開発した。 一方ロシアは鉛筆を使った」 仕掛けの発想で大事にしたいのは、この「鉛筆を使った」というアプロー チである。ゴミの分別回収について考えるとき、技術者は自動分別装置のつ いたゴミ箱を考えるかもしれない。しかし、各人がちょっと気をつければ解 決する問題の解法としては大げさすぎて、実現可能性は低い。技術だけに頼 るのではなく「つい分別したくなる」ように誘う仕組みこそ実現可能なアプ ローチになる。仕掛けを作る際には、本質を見失っていないかを常に心に留 めておくべきである。 コメント: ある目的地に向かって道を進む時に、その道が違う方向に曲が っていることに気づく、あるいは何らかの事情で通行止めになっていた時に、 たいていの人は引き返して「別の道」を選ぶだろう。ところが我々はえてし て今進んでいる道に固執し、目的地に向かうように道を直そうとしがちだ。 その時にさりげなく「違う道もある」と教えてくれるのが、本書でいう「仕 掛け」なのだろう。『空気のつくり方』(幻冬舎)で野球の横浜ベイスター ズの池田前社長が、野球の観客に「別の楽しみ方がある」と提案し、成功し たのと同じだ。また、仕掛けの最大のデメリットは「飽きられる」ことだが、 仕掛けが「これまでの道を直す」のではなく「別の道に導く」のである以上、 また他の道を探すことができる。仕掛学が、問題解決に際していくつもの可 能性を見出すための思考訓練になることは間違いない。 ※『空気のつくり方』のSERENDIPダイジェストはこちら↓ https://serendip-service.com/book/detail/2576
0投稿日: 2016.11.11
powered by ブクログ大学時代に近い分野の研究をしていて、論文等を読んだことがあった。事例を見ると「なるほど」だが、その事例をもとに「新たにどう生み出すか」に至るのが難しい・・・
1投稿日: 2016.10.12
powered by ブクログ2016.10.07 著者が考案した仕掛学か紹介されている。分かりやすく、2~3時間で読める。事例がたくさん紹介されており、理解しやすい。新しく刺激的な考えに興味津々!
0投稿日: 2016.10.09
