
総合評価
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「ジョジョ」の描き方、教えます。
1986年からの連載以来、今なお根強いファンを持つ「ジョジョの奇妙な冒険」シリーズ。その生みの親である荒木飛呂彦が、漫画の描き方について自ら語ったのが『荒木飛呂彦の漫画術』です。本書の特徴は、単なる精神論やアドバイスではなく、具体的な方法を明らかにし、彼の徹底的な仕事術を堪能できる。 荒木は、漫画の「基本四大構造」として「キャラクター」「ストーリー」「世界観」「テーマ」の4つを挙げています。絵によってこれらを統括し、セリフで足りない部分を補足していく。ページをめくっていく内に、彼の語る「ジョジョは王道」という言葉もすんなりと受け入れられていきます。 確かに、秘伝の情報まで明らかにしたハウツー本ではあります。でも、一番読者に伝わってくるのは、これらを考え、実行する荒木飛呂彦という漫画家のこだわり。事前に用意するキャラの設定には、生年月日や体重はもちろん、声の質や手術経験といった細部にまで考えを巡らす。海外への現地取材を行う時は、行く前に地理や歴史を頭に叩き込み、その上で資料にはなかったものを現地の取材ですくい取る。 この本で明らかなになるのは、ただの”漫画の描き方”ではなく、荒木飛呂彦というひとりの漫画家の情熱と凄みなのです。
3投稿日: 2015.10.20
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
・シンボル化、リアル化。人気漫画家はシンボル化が上手い。 ・キャラクターや世界観の設定等、漫画そのものには出てこないが背景設定がきちんとあれば、漫画がリアルになり矛盾もなくなる。
0投稿日: 2015.10.17
powered by ブクログなるほどなぁと思うことがいろいろと書いてあって面白かった。荒木先生の作品だけでなく他の漫画も例に挙げながらの説明でとてもわかりやすかった。ジョジョの人気の根底には「人間讃歌」という揺るぎないテーマがあったんだなぁ。
0投稿日: 2015.10.12
powered by ブクログ2015.10.7 漫画に限らず『すべての物事がしっくりいく』という状態があって、それこそが美しい瞬間だと思います。仕事でもなんでもそのしっくりいく状態を模索していくのが難しい、、、。
0投稿日: 2015.10.08
powered by ブクログジョジョは読んだことないけど、この本のおかげで、三浦しをん姉弟が繰り広げた騒ぎの真相が分かりました。
0投稿日: 2015.10.03
powered by ブクログ読了。想像以上に本格的な漫画家育成のhow-to本。中学生くらいの時に夢中になつて読んでたジョジョの世界。知らず知らずに術中にハマってたのね。
0投稿日: 2015.10.02
powered by ブクログはじめて読んだ荒木飛呂彦の漫画は「バージニアによろしく」だったと思う。なんだか不思議な漫画で、少年漫画にしては色んな要素が詰まっていて、妙に印象に残った。 次に読んだのが「バオー来訪者」。これはもう、面白くて、セリフのリズムとかすごくお気に入りだった。周りの人があんまり知らない(もしくは、面白さがわからない)のが残念でしょうがなかった。 そして「ジョジョの奇妙な冒険」。実はごく初期しか読んでないけど、ずっと長く続いているのを、我がことのように誇らしく思っております。 というわけで、この本は私にとって読むしかない一冊なのです。 読んでみて驚いたこと。荒木飛呂彦の漫画ってすごく個性的でセンスで漫画を描いてる感じがしていたのだけど、実はものすごく論理的に描いている。漫画を描くときの情報収集力や、そこから必要なものを分析して組織している方法をみたら、「漫画なんて」と思ってる人はびっくりするんじゃないだろうか。でもきっと、どんなものであっても何かを創造する「クリエイター」は、こういう作業を経ているんだろう。そうでないとつくれない。 読んでみてすごく納得したこと。「バージニアによろしく」で、登場するキャラクターの名前が「ボニー」、「クライド」だったように、映画など漫画以外の知識が豊富で、それが漫画に奥行を与えていること。「バージニアによろしく」を読んだ時はまだ子供だったので、その名前の意味や、どうして印象に残るのかがわからなかったけど、今思えば、漫画の向こうに広がる作者の世界が、読み応えとなって伝わってきたということなんだな。 この本を「漫画を描くための様々な道が記された『地図』にしたい」、でもこの本の「通りに漫画を描いてはいけない」というのに激しく同意。 地図をもてば自分がいく道は見えるけど、そこにどうやってたどり着くかは、自分のやり方を見つけなきゃいけない。マニュアル本が嫌いなのはそこで、誰かのやったとおりにやっても絶対同じようにできないのに、さも「成功を保証する」ように描いているから。 一つのマニュアル本じゃなくて、小説や映画、学問など、様々な地図をもてば、自分がどこにいるかがよくわかる。それが教養なんだよな・・・とこの本から飛躍したことも思ったりしました。 読みやすいし、漫画だけじゃなく、課題解決や創造的な仕事をしたい人が読んでも面白い本だと思いました!
0投稿日: 2015.09.23
powered by ブクログ漫画だけでなく、映画や小説など、ストーリー性のある芸術一般に通用する考えだと思う。 特に、漫画を構成する基本四大構造(キャラクター、ストーリー、世界観、テーマ)は、「なるほど」と膝を打った。 芸術でもスポーツでも、一流の人はやはり深く考えている。
0投稿日: 2015.09.21
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
『ジョジョの奇妙な冒険』の作者である、荒木飛呂彦氏による漫画術を指南本。『ジョジョの奇妙な冒険』は書店員時代からいろんな方にすすめられているのと好きなバンドマンもFC会報ですすめていたのだが、まだ未読。この本をきっかけに読んでみたい!と思った。荒木飛呂彦流、漫画の描き方講座的な感じなので、企業秘密を垂れ流し的な状態。ファンの方や漫画家を目指している方にはたまらない一冊ではないだろうかと思われる。
0投稿日: 2015.09.19物語の設計方法
漫画の構造を分かりやすく解説してくれている本なのだが、その応用範囲はとてつもなく広いと感じた。 そこら辺のビジネス書よりも仕事の役にたつと思う。 漫画はストーリーが有り、世界があり、人物がいる。 とても高度な表現なんだと思う。 いつもは面白可笑しく読んでいる漫画だけれども、その裏側には精密な構造があり、高度な設計によって成り立っていると教えてくれる。 この本を読むと漫画の面白さが増す。
0投稿日: 2015.09.08
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
「ジョジョの奇妙な冒険」の荒木飛呂彦氏による「漫画の描き方」本。 漫画家志望でなくても「ジョジョ」ファンならみんな、荒木先生の頭の中知りたいと思うはず。ということで出された本だと思うのだけど、期待通り荒木先生の漫画哲学やコダワリ具合が感じられてとても面白かった。 内容は、「ジョジョ」特有の漫画要素(スタンド、ジョジョポーズ、独特のセリフ回し)についての話(独創的なアイデアの出し方みたいなもの)はあんまりなくて、以下の、荒木先生の考える漫画における普遍的な「基本四大構造」+「絵の描き方」についてが主に書かれている。 1.キャラクター 2.ストーリー 3.世界観 4.テーマ 確かに、ストーリーは破綻しているのにキャラクターだけ人気がある漫画、世界観は詳細に作り込まれているけどストーリーや主人公の内面はあまり描かれていない漫画も世の中にある。でも、後の世に残る名作漫画というのは、これら全てがバランス良く成り立っているとのこと。 僕が名作だと思う少年漫画を3つあげるとしたら、「火の鳥」「寄生獣」「うしおととら」。どれも、4つの要素全てが秀逸だと思う。 印象的だったのは、4つの要素の内、荒木先生が考える最も重要なものは「キャラクター」で、「ジョジョ」のスタンド使い一人一人について、「身上調査書」という詳細な設定書を作成しているということ。この設定書には、身体的特徴・性格・口癖など漫画での必須項目だけではなく、漫画の中では登場しないかもしれない情報(家族構成・音楽や映画の趣向・恐怖するもの・恋愛経験・学歴)も書かれており、正直ここまでしなくても良いのでは、と感じてしまう。でも、このコダワリが「ジョジョ」において、脇役なのに印象に残る個性的な敵スタンド使いがたくさんいたことにつながったのかとも思う。 裏話的なところでは、「ジョジョ」第4部に登場した岸部露伴は、最初はそこまで重要人物にするつもりはなかったのらしいけど、描いてみたらどんどん変人さが出てきて面白くなって、活躍するようになったらしい。 僕ら読者は、荒木先生の変人ぶりを誇張したキャラクターなんだろうな、と想像していたのだけど、この本を読むとご本人もやっぱり「コダワリの強い変わった人」という風には感じた。 また、「ジョジョ」のテーマである「人間賛歌」は、最初から考えていたわけではなく、単行本の著者コメントにたまたま書いた言葉。書いた後にこの言葉の奥深さに気付き、漫画の内容が「人間が自らの力で道を切り開いていく物語」となり、それが発展して「次世代へ受け継いでいく物語」となったとのこと。
0投稿日: 2015.09.06
powered by ブクログ漫画の基本四大構造 ①キャラクター ②ストーリー ③世界観 ④テーマ 少年ジャンプの三大原則 ①友情 ②努力 ③勝利
0投稿日: 2015.08.31
powered by ブクログ荒木先生のファンや少年漫画家を志す人だけじゃなく、娯楽作品を作る人見る人すべてにオススメしたい本。 アイディアの組み立て方から作画まで、多くの内容がコンパクトにまとめられていて面白い。 ご本人が実感して身につけたことが書いてあるので、そのまま役に立つのはもちろん、既存の作品や世に出た自分の作品を見て、どこが読者をつかんでどこが足りなかったのか、見抜ける能力も才能であり大事なんだろうなというのがわかります。 ここで書かれてる「王道」は基本的には少年漫画のセオリーだけど、プラスにプラスを重ね続けるという物語のあり方は娯楽作品に共通するんじゃないだろうか。途中で停滞したりプラスマイナスゼロの話って、確かに面白くするのは極めて難しそう。 キャラクターが死ぬところは書きながら泣いてしまうこともあるとか、編集者や読者の感情と真摯に向き合っているところとか、この方の人柄が作品にも表れているんだと感じます。 とにかく、すごく面白かったッ!
1投稿日: 2015.08.29
powered by ブクログ作者の思考方法を見ることができる。 この方法を使っても…と書いているが、ここまでできる人なら独自の方法論をすでに見つけているだろう。あらためて彼はすごいと思える。
0投稿日: 2015.08.26
powered by ブクログ2015年23冊目「荒木飛呂彦の漫画術」読了。 荒木飛呂彦という文字に思わず反応した一冊。 小学生の時に読んだジョジョは今も続いていて、当時よりさらに人気がある作家というのもすごいなと(若干アメトークの影響もある気がするが…)。続く漫画というものは、よく考えて、そしてとても丁寧に作られているのだと知れて感動。その他にも、作者の漫画論というか漫画観にも納得できる一冊だった。 --------以下抜粋--------- (キャラクター論) 「まっすぐな心を持ち、へこたれるような状況でも明るく乗り越え、正義感があり、友だち思いで、武道の達人。必殺技は、かめはめ波」これだけで、ドラゴンボールの孫悟空だとわかります。このシンプルかつ少年漫画の王道を行く完璧なキャラクターと、鳥山明先生の絵があれば、それだけでドラゴンボールという漫画は完成してしまうでしょう。…「仕事はさぼりがちで、趣味ばかり追い求めているけれど、ストレートな集中力があり一生懸命のめり込む、東京の下町に住むおまわりさん」。こう書いて、「ああ、両さんだ」とわかるのは、いかに『こち亀』が傑作かという証拠です。 (ストーリー論) どんどんプラスが積み上がっていく状態を作り出すために、1980年代の少年漫画家達が考えたのが、トーナメント制でした。トーナメント方式のように、一回戦、二回戦、三回戦……と順々に勝ち上がってきた敵と戦っていくわけですが、最後、頂点に立つまで必ず「上がって」いくことを読者も予想できます。「キン肉マン」や「ドラゴンボール」が代表的な作品ですが、トーナメント制にすれば、ヒット間違いなし、という手堅いストーリーになるわけです。ただバブル経済と同じで、「頂点に行ったらどうするか」という問題が予想されるのが、トーナメント制の欠点でした。 (世界観作り論) 僕自身、『ジョジョ』が始まってからは、描く場所には可能な限り足を運んでいます。第三部の「スターダストクルセイダース」でも、危険な地域を除いて、ゴールとなるエジプトまでの行程となる場所にはすべて取材に行きました。 (アイデア論) 周囲の出来事に素直に反応できるアンテナを持ち続けられるのであれば、「アイデアが尽きる」ということはないはずです。この「素直に」ということを心がけるようにしてほしいと思います。「自分が興味があるのはこれだ」と限定して、そこから外れたものを無視するという”自惚れ”は絶対にNGです。
0投稿日: 2015.08.20
powered by ブクログ物書きに興味がある人ならば、少なからず考えたことがあるようなことが、整理されて書かれている本でした。 ジャンプという雑誌が求める約束事をいい意味で漫画のプラスのエネルギーにしているんだな、と思わせる内容でした。 作品の様々な要素についてよく考えていることも伝わってきて、やはりこういう人だから、売れるのだな、と納得の一冊でした。
0投稿日: 2015.08.17
powered by ブクログ最高峰の漫画家が自分の漫画術をおしげなく披露してくれている本書。 後続のために漫画の黄金の道、地図を記しておきたかったとのこと。 最後で著者が言っているように、この本は大事な知識や考え方が満載なのだが、マニュアルにしてはいけない、あくまでも地図として使いここから発展させていくことが大事なのだというところに、荒木飛呂彦の常に発展し続ける姿勢を見た。自身の漫画術を披露したとしても、著者はそれ以上にこれからも発展して、唯一無二の作品を作っていくのだろうと思う。
0投稿日: 2015.08.16
powered by ブクログ2015/08/11 移動中 「企業秘密を公にするのですから、僕にとっては、正直、不利益な本なのです」って帯良いですね。雰囲気が伝わります。この手の術的書籍で、そのすべてが明かされるわけではないのですが、激情やリビドーあふれる戦いが描かれていたとしても創作過程は非常にCoolと言う感じで、言うなればキャラに順ずる裏側だなと思わされている時点で、著者の術中にはまっているような気もしてしまう一冊です。
0投稿日: 2015.08.16タイトルどおり荒木飛呂彦の漫画術
目次の小見出しを読んだらもう過呼吸が起きそう。ここここれくださいとレジに走ることだろう,マンガ家はプロアマタマゴ問わず。 バオーやジョジョの原稿自体が荒木の精神のカタチみたいなもんで自由な発露かと思いきや,こう考えてこうしたという創作秘話がふんだんにあり,実におもしろかった(おれはファンとしてネ)。いやいや,ここまで書いたって荒木に「不利益」なんてないでしょう。
0投稿日: 2015.08.14
powered by ブクログハリウッドの脚本術をベースに「少年漫画家のプロとして書き続けてきた」ゆえの説得力のある一冊。 面白い漫画を描くことは誰にでも出来るかもしれない。けれども、書き続けるためには基礎トレというか、しっかりした土台があってこそなのだなぁとしみじみした。 何よりも驚いたのは「正中線と肘がしっかりしていれば、人体に違和感が無い」ということ。えっ。ジョジョ立ちは違和感というか……そうか、アレって違和感じゃないもので出来ていたんだねっていう感想。 使えるものは何でも漫画に取り込む姿勢は見事である。ジョジョ読み返したくなる。
0投稿日: 2015.08.13
powered by ブクログどんな仕事にせよ成功する為には中身を分析し、必勝パターンを掴むという事が大切である。 今まで何も考えずにマンガを読み、面白い面白くないと感覚的に判断していたが、こうした分析しながら読んでみるとまた違った面白さがある。 ただしマンガを純粋に楽しみたいのなら、知らない方が楽しめるだろうなー。
0投稿日: 2015.08.08
powered by ブクログ荒木先生の作品をが好きで物書きもするので当然のように購入。 これは漫画だけじゃなくて、小説を書くにも参考になります
0投稿日: 2015.08.04「感謝」と「地図」を
表現の心構えから物語の構造論など、ご自身の作品をサンプルにわかりやすく解説されていて、作劇のハウツーになったり、また枠組みにはあまり興味のなかった人にも関心を持たせるような内容です。 一見ハウツー本なのかと思いますが、この書籍に書かれていることは、荒木先生が執筆25周年を迎えた頃より、各地で行われた講演会やテレビなどでファンに向けて発信されていたメッセージの集大成ともいえるものとなっています。 そもそも講演会などに登壇しメッセージを発信するようになったのも、節目を迎えて振り返り、作品だけでなく直に感謝を伝えたいという気持ちになったからだと仰られておられました。 この本もまた、初代の担当編集・椛島さんが定年退職を迎え、その感謝を示すために二人で作り始めてきたものを形にしたいと思われたからだそうです。 そんなこの本はとてつもないお宝にも見えるのですが、同時に奇妙な寂しさを感じずにはいられません。 荒木作品を胸に抱く者にとっては、その意味も為すべきことももうわかっているはずです。 より前に一歩を踏み出すために。 これまでの道を肯定していただけたからこそ、この先の道も見えています。見えるはず。 聖書に星を付けるとかナンセンスなことはしたくないのですが、★8。 紙書籍を購入していましたが、いつも持ち歩いていたのでヨレヨレです。 電子書籍で買い直し。帯の露伴&荒木先生のイラスト画像がページで入っていました。ご参考までに。
6投稿日: 2015.08.04期待以上
私は荒木先生のファンではございますが、この本は漫画家になりたい人が読む本なんだろうなーと特に期待することなく購入しました。 しかしっ!内容はもちろん漫画の描き方や表現の仕方だけでなく、ものづくりの考え方や新しいアイデアの出し方、などなどとても勉強になりました。引き込まれるように一気に読んでしまいました。まず読んでおいて損はない1冊です。 荒木先生がますます好きになりました。
3投稿日: 2015.08.04
powered by ブクログ言わずと知れた人気漫画家・荒木飛呂彦氏による創作術本である。 内容的には極めてベーシックなもので、もっと正確に言えば「原理」「原則」を語ったものだろう。ハウツー本として読めば肩透かしを食うかもしれない。しかし、物語を作っていく上でどのような心構えを持つべきか、あるいは本職の人間がどのような形でアプローチしているのかを余すことなく知れる良書である。 その意味で、本書の中でも指摘があるように、漫画以外の道にも有用な一冊だろう。普遍性があり、かつ荒木氏らしい視点での論評もある。プラスとマイナスの法則などは特にユニークなところだろう。 惜しむらくは紙面に限界があるところだが、それでも新書としては望める最上級の内容だろう。星五つを付けておきたい。
0投稿日: 2015.07.30
powered by ブクログジョジョが好きなので手に取ってみる。出だしの「王道漫画の書き方について」と言うところで、ん?王道?と思うが、読み進めていくとなるほどなと。漫画を描こうと思っていない人も、ジョジョが好きな人であれば手に取ってみても。 読んでいるうちにジャンプの著者、編集者のすごい裏側が会間見えるのではないかと楽しい。 【学】 漫画の四大構造 キャラクター ストーリー 世界観 テーマ キャラクターの作り方:何をしたい人なのか、動機をしっかり 「キャラクター」と「困難な状況のアイディア」があればストーリーを作っていける 重要なのはキャラクターであってストーリーではない。
0投稿日: 2015.07.30
powered by ブクログ「何を描けばいいのかわからない」というのは、暗闇の中やツルツルの地面を歩いているようなもので、これでは「地面」を役立てることもできません。漫画を描く目的は何か、それを決して見失わないようにしてください。 ラップのように韻を踏んでいる台詞 「5W1Hの基本」「他人とは違う自分ならではの個性」「同時に複数の狙いを描く」「漫画全体の予告」という、最初の1ページに必要な要素がすべて入っており、「この作品に何か意見を言ってくる編集者は逆におかしい」というぐらいのグレードに仕上げた、当時の自分にとってのベストの出来だったと思います。漫画は最強の「総合芸術」「基本四大構造」①キャラクター②ストーリー③世界観④テーマ スペクタクル【spectacle】 1 壮観。壮大な見世物。 2 映画・演劇で、大群衆や大がかりな仕掛けを見せ場にするもの。「―巨編」 蟲師 ギンコ スピリチュアルな存在の雰囲気とムード 孤独のグルメ 食べること自体がストーリーの基本である「起承転結」にもなっているのです。 井之頭五郎には「ひとりで食事を楽しむ」という一貫した哲学がある 井之頭五郎が敢えて没個性のサラリーマン風に描かれている一方で、食事は徹底的にリアルです 既に「悟空」という完成されたキャラクターがいるのですから、二番煎じでは新鮮味がありません 「どんどん強くなりたい」という、シンプルかつ男の子なら誰もが思う非常にわかりやすいもの 『少年ジャンプ』の三大原則が「友情・努力・勝利」であるように ただ「正しいこと」だけをストレートに描いていると、如何にも偽善的で嫌らしくなることもありますから、主人公の弱点や欠点、或いは人間的な欲望も加味していくことが必要です。 内側に醜いものを抱えている 大きなカタルシスを得る 人間の生々しい感情 論理的、法律的に許されない 星飛雄馬と花形満 それに対するアンチ 善と悪のコントラストが鮮明になります 「黄金の風」ブチャラティ はみ出し者同士の集まり 戦うときはそれぞれが孤独 究極のスーパーヒーローは、イエス・キリストのような人物です。 クリント・イーストウッド グラン・トリノ 空条承太郎 リンダ・ハミルトンのようなマッチョな女性 身上しんじょう調査書は「秘伝のたれ」ディテールをきちんとリアルに出せれば 知性をひけらかす嫌らしい部分を出すとか、或いはもっとスマートな賢さを表現するとか、様々な選択肢が出てくることになるでしょう。 キャラクター造形がマンネリ化 「オインゴ」と「ボインゴ」兄弟のように、韻を踏むのもひとつの方法です。 承太郎の「動機」を描いたページ。心の底の「優しさ」が表れる 因みに承太郎という名前は、「継承する」というイメージと「ジョジョ」の語感を合わせて作りました。『キャリー』で、自分の嗜好がヒット作とは違うところにあることには気付いていました。 その時その時で作ったエピソードからなるストーリーによってリニューアルしているのです。 やはり常に新しいエピソードを加えることで、両さんをアップデートしているからだと言えるでしょう。 キャラクターとストーリーが融合 常に「起承転結」から考える、それがストーリー作りの鉄則です。 主人公は「常にプラス 」弱いからこその狡猾さや怖さがある キック・アス ヒット・ガール これではただのプラスマイナスゼロでしかなく、観ていて感動できません。 結局ゼロで終わるのでは、観ている方としては「だから何?」ということになってしまいます。 伏線ふくせん 読者が読みたいのはサクセス・ストーリーであって、主人公が困難に立ち向かいながら、どんどん「上がって」いくところなのです。 リアリティを追求していて、芸術的には確かに素晴らしいものの、観客の立場からすれば単純に「そこは観たくないんだよな」と沈んだ気持ちになってしまいます。 哲学的に言えば、マイナスも一周してプラスになるのだと言えるでしょう。キャラクターと設定がきちんとできていれば、「後は、よろしくね」という感じです。 表現はヘミングウェイに学べ! 『殺し屋』という短編小説 この小説は、ひたすらセリフだけで情景描写をしてストーリーが進んでいくのですが、それでいてキャラクターや世界観をきちんと表現できている、「こういう風に書けばいいんだ」というお手本だと言えるでしょう。モハメド・アヴドゥル タロットカード 『七人の侍』運命を予告「テーマ」を読者に示す 岸辺露伴が蜘蛛の内臓をカッターでほじくって苦しみ方を観察したように、やはり漫画にはリアリティを追求しなければいけない部分があるのです。 水と油のように相対するリアル化とシンボル化ですが、ふたつを同時にやることは可能です。それをまさに体現しているのが、鳥山明先生の絵でしょう。波紋とスタンドは超能力の可視化 一枚絵の素晴らしさは、永遠の一瞬とも呼ぶべき、本来儚い一瞬が絵の具の粒子に永遠に封じ込められていることです。絵を一枚描いただけで、人の一生や人生観など様々なものが凝縮される、本当にすごい。リサーチをしっかりやるほど世界観も自信を持ってきちんと描けるのですから、手抜きは禁物なのです。 AKIRA 超克ちょうこく 人間賛歌 ルーツ 差別問題 黒人たちの家族の物語 自分と違う意見に興味を持つ 反応できるアンテナ コマ割りはリズムに乗って 文章でも、どこで段落をつけるかは、読み易さや構成など、書く人のセンスで決まってきますが、漫画でも同じことが言えるでしょう。 未開の地に行くための「地図」
0投稿日: 2015.07.21
powered by ブクログ超実力派現役漫画家の、漫画術。 これはいいわあ。絵の描き方ではない、漫画の描き方。先生が何を意識し、どうやって作品を作っているののか、その方法論まで描いてある。 惜しむらくは、この倍くらい内容が欲しいな。 あと、もちろんん先生の漫画は王道ではあるが、普遍ではなく若干の痛さが否め無いところもまたいいのだ。
0投稿日: 2015.07.20
powered by ブクログ漫画を描きたいわけではないのだけれど、荒木が書いたんなら読んでみようか、というつもりで買いました。 漫画の描き方って、自分の仕事の進め方とも通じるところがあると思いました。 荒木が他の作品について言及しているのをあまり見たことがなかったら、その辺りも面白かったです
0投稿日: 2015.07.18
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
ジョジョと聞けば誰もが一度は聞いたことがある作品だろう。私がジョジョを初めて読んだのは2、3年前だが、絵、台詞、ストーリーなど全てが天才的だと感じた。荒木飛呂彦先生はこの本のなかで漫画を総合芸術だと述べているが、まさしくジョジョは芸術の領域だと思う。 この本では技術的な説明まで踏み込まず、一般の人でも荒木飛呂彦先生がどのようなことを「考えて」漫画を描いているのかを知ることができる構成になっている。それでいて表面をひっかいたような感じではなく、作品作りの真髄に関わることも書いてあるのでファンならずとも一読してほしい本である。漫画だけでなく色々な芸術を理解するヒントにもなる。どの分野でもそれを極めた一流の人物の言葉は含蓄があるが、荒木先生の言葉も非常に深く、面白い。特にイタリアでベルリーニの彫刻「アポロとダフネ」から閃きを得てジョジョ立ちが生まれたというエピソードが印象深い。やはり古典はそれだけのパワーがあるからこそ古典なのだろう。私もただ眺めるのではなく作品の力を感じられるように目を養いたい。
0投稿日: 2015.07.13
powered by ブクログ3ページほど立ち読みして、そのままレジに持っていった本。 ジャンルはなんであれ、極まった方々の考え方は万事に通じるように思う。漫画にとどまらない「王道」の歩き方を教えてくれる一冊。
0投稿日: 2015.07.12
powered by ブクログ荒木先生がここまで漫画術について書くなんて!これは漫画家を目指す人なら必須、漫画好きも読んだほうがいい素晴らしい本。いやわかってはいたけれども、ここまで漫画が計算されて作られいるなんて知ると漫画をまた違った目線で読むことができる。とりあえず、荒木先生の漫画を片っ端からもう一読み直したくなった。
0投稿日: 2015.07.11
powered by ブクログ漫画界でも一線に立ち続けている荒木飛呂彦先生のノウハウ。創作をしている人ならばぜひ見てみるべし。荒木飛呂彦先生自身はこの本を使って漫画を書いはいけないと書いているが、同時に迷った時の指針になって欲しいという事も書いている。この本から何を選んで何処に進むのかはあくまで読者次第なのだ。
0投稿日: 2015.07.10
powered by ブクログ編集者は表紙が詰まらんと見てもくれないというリアル極まりない目撃談からの分析力が凄い! 黄金の道というと臭く聞こえるが自分のノウハウを包み隠さず公開する勇気に感動しました。
0投稿日: 2015.07.10
powered by ブクログ面白かった! マンガを書く時はもちろん、小説を書く時も新しい道を歩む上での地図になりうると思う。 尊敬する荒木先生の考え方を教えてもらえて得した気分です。
0投稿日: 2015.07.08
powered by ブクログ自分が培ってきたノウハウを後の世代に惜しみなく伝え、盲信せず礎として欲しいという器の大きさ。「ストーリー上やってはいけないタブー」「常にプラス」などから、あの作家はあまり好きじゃないのかな、と邪推したりもする。
0投稿日: 2015.07.01
powered by ブクログ荒木先生がどう考えて漫画を執筆しているのか。黄金の道とは。 背景を理解することで漫画の見方が変わり、より深く楽しめるようになる。 漫画家を目指していない人であってもジョジョ好きであれば必読です。
0投稿日: 2015.07.01
powered by ブクログ著者はいわゆるハウツーと言ってますが奥が深いな。 漫画家って才能70%情熱30%くらいだと思っていましたが、分析も努力も本当に必要なんだな、と。 漫画家目指してなくても面白いアプローチです。
0投稿日: 2015.06.29
powered by ブクログタイトル通り、荒木飛呂彦が漫画を描くにあたって実践している「王道」を紹介した本。 読者想定はやはり漫画家志者なんだろうけども、私みたいな小説好きが読んでも面白い。というより役に立つと思う。 荒木飛呂彦が考える漫画の主要要素は「キャラクター」「ストーリー」「絵」「世界観」「テーマ」である。 これらについて、どのように考え作っていくか、どのようなものが読者の心をつかむかをかなり具体的に紹介してくれている。 これらの要素は、著者自身も言っているように、小説や映画をつくる際にも共通して意識しなければならないものだと思う。 それゆえ本書で書かれている「王道」が頭に入っていると、小説を読んだ時にその内容や狙いを分析したり、ひいては自分の感想をまとめる際の「ものさし」にもなってくれる。 漫画家志望の方はもちろん、単なる漫画好き小説好き映画好きにとっても、面白い本なのではないだろうか。
0投稿日: 2015.06.27
powered by ブクログ途中まで。これ、めちゃ面白い。 キャラクターを逆境の状況に放り込んで、キャラクターに感情移入しながら(やべー抜け出せないかも−と思いながら)、どうやって危機を脱出するかをキャラクターと共に一所懸命に考えてストーリーを練っている話はなるほどなと思った。 色々ヒントがたくさん埋まってそうだ。
0投稿日: 2015.06.22
powered by ブクログジョジョの奇妙な冒険で知られる荒木先生のが書かれた本。 自分はジョジョのファンなので、ジョジョの裏話を読むようなつもりでこの本を手に取った。 しかし、わかったのは荒木先生が非常に研究家であるということ。 黄金の道を知ることで何事に対しての興味を見失わず、自分なりの漫画術を生み出してきた。 そして、漫画家としてプロであり読者をひきつけるその姿勢や方法は、私たち一般の社会にも通づるところがある。 周りを知り、己を知る。黄金の道の地図を手にして自分の立ち位置見つめ直したい。 変化は恐れない。主人公は常にプラスプラス!
0投稿日: 2015.06.22
powered by ブクログ王道漫画の描き方解説。 考え方から実践法までわかりやすく読みやすい。 なぜこれがおもしろいのか、世間では人気なのかなど、成程と思うところがたくさんあった。 個人的には先生のネームが衝撃的でした…笑。
1投稿日: 2015.06.20
powered by ブクログ漫画家荒木飛呂彦氏による漫画のハウツー本ですが、単なるハウツー本ではなく「王道漫画」を描くための「黄金の道」を記した本です。荒木氏をはじめとする漫画家の方々が、いかに計算して漫画を描いてるのかという事が分かりました。そもそもネームが描けるという事が私からすれば驚きなので、本当に漫画家の方々は凄いです。
0投稿日: 2015.06.19
powered by ブクログどうやって漫画を書いているのかをかなり具体的に説明しているのだが、ハウツー本というよりもエッセイのように感じた。漫画を書くということに対してどう向き合っているのかが伝わってきた。
0投稿日: 2015.06.09
powered by ブクログ漫画家を目指す(かもしれない)読者に向けての心構えを説いた本。予想以上にしっかりした内容で、漫画家に限らず普通の仕事についても十分に通用する「術」(テクニック)が紹介してある。 いくら作り手が苦労した作品であっても、読まれなければ話にならず、そのためには編集者の目に止まる工夫が必要。ではヒット作に共通する要素は何か...という分析や、漫画家として生計を立てるための収支計算、長期連載のためのペース配分といったシビアな計算と、手書きのライブ感や、キャラクタへの愛着、満足のいく作品ができたときの高揚感といった情熱がほどよいバランスで語られており、「天職」に就けた人の喜びが感じられる。 著者自身の作品についての自信を感じるが、傲慢な印象を受けないのは、編集をはじめとするいろいろな人や「漫画の神様」に対する感謝の姿勢が根底にあるからだと思う。 「どこかにいるかもしれないこの本を必要とする誰か」に向けての指南書。 同じものを作るための「マニュアル」ではなく、自分の立ち位置や目的地を知るための「地図」。 面白かった。
1投稿日: 2015.06.05
powered by ブクログ漫画を書く「黄金の道」を示すというとこからしてもうジョジョだが、著者の言う通り、「黄金の道」はすべての表現に通じるところがあるし、漫画家になりたい人だけじゃなく、誰が読んでも面白いと思う。ふつうにジョジョの制作裏話も多いのでそれだけで楽しい…ドドドドドド…
0投稿日: 2015.06.03
powered by ブクログ実際に氏が描かれた作品を例にとりながら いかにして読者を惹き付ける漫画を書くか? というテクニックが惜しげもなく披露されている。 漫画家でもなんでもないしなろうともしていない私が 本書を手に取った理由はいうまでもなく氏の作品のファンであるからだが テクニックではなく精神的な面、たとえば 「厳しい批評の中にも期待や肯定的な意見が込められているのでそれを汲み取ろう」 といった教訓は一般のビジネスシーンでも非常に有用なものであり、そこには漫画家もサラリーマンも区別がないのだという点が大変興味深かった。
0投稿日: 2015.06.02
powered by ブクログ荒木さんはちょっと特殊な方でもあるとは思いますが、プロはここまで考えてるんだ、という事が良く分かります。 漫画術というタイトルだけど、クリエイティブな仕事だけでなく、社会全般に通じる仕事術になっていると思います。 ジョジョ好きでなくても読める本ですね。
0投稿日: 2015.06.02
powered by ブクログ「ジョジョの奇妙な冒険」でお馴染みの荒木飛呂彦先生が書いたマンガの作り方の基礎を説明した一冊。先生のマンガを作る上での考え方や取り組む姿勢などノウハウ満点の一冊。 大変面白かった。マンガを構成する要素は「キャラクター」「ストーリー」「世界観」「テーマ」の四大要素だとして、それぞれをどの様に創り出していけばいいかを説明している。 個人的にはマンガ家になろうとは思わないので、マンガを描こうという観点で見るとどうなのかはわからないけれど、何かを成功させるためには課題を分解して答えを導くのだなと改めて痛感した。本当に考え抜いて作られているんだね、凄い。 若干ネタバレとしては、当時のジャンプで主流だった当時所謂「トーナメント方式」へのアプローチ。強敵相手に勝ち進むこの方式は盛り上がるけれど優勝しちゃったら?またトーナメント?と言う問題や強さのインフレ問題の危険性がある。そこで先生が考えたのは「適当戦い、買って、先に進む」と言う「スゴロク方式」。これならその都度リセットでインフレも起きない。それが採用されたのが第三部!これは本当に凄い「発明」だと感動してしまった。 この本を読んで、これから自分が面白いな、と思った作品にはどんな特徴があってどんな仕掛けが自分に引っかかったのかを考えるのも面白いななどと思った。話のネタとしても考え方のコツとしてもいい本だと思う。
0投稿日: 2015.05.27
powered by ブクログジョジョファンなので本屋で見つけて衝動買いしてしまいました。 当然といえば当然ですが漫画づくりはここまで考えられているのか!と感心!漫画をもう少し丁寧に読んでみようかなと思いました。
0投稿日: 2015.05.26
powered by ブクログジョジョが大好きだし、話題にもなってたので拝読。 どんな本かと思いきや、「漫画家を目指す人のために書いたハウツー本」との書き出しから始まる。 ハウツー本はあんまり好きじゃないんだよなーと思いながらも読み進める。 漫画家を目指しているわけではないけど、仕事における大事な要素は大して変わらないんだなと実感した。ヒット作がなぜヒットしているかの分析を常にする、他人が面白いと思ったことも取り入れるアイディア出しの方法など、仕事を進める上で大切な王道が書かれた一冊です。
0投稿日: 2015.05.23
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
流石の情熱。案外計算されているんだなぁと感じる。 ネームってぐちゃぐちゃなんだな。 「基本四大構造」・・・キャラクター、ストーリー、世界観、テーマ。 「王道漫画」を描くための「黄金の道」 キャラクターは身上調査票を詳細に書く。 なるべく現地に行って、そこでしかわからない描写・距離感・空気感を。
0投稿日: 2015.05.20
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
今明かされるッ! 『王道漫画』に至る『黄金の道』ッ! 『ジョジョの奇妙な冒険』の作者、荒木飛呂彦が綴る漫画術。 ストーリーからキャラクター、デッサンまで荒木先生のテクニックを網羅した一冊。 面白く思ったのは、連載当時の悪戦苦闘を描いた部分である。『ジョジョの奇妙な冒険』は長期連載をしている作品であるが、途中でストーリーや主人公、舞台が変更される特徴がある。その際、主人公を見比べると絵柄が刻々と変化しているのが判る。本書では一例として、一部から三部までの男性の眉と、四部以降のの男性の眉は違うことを上げている。主人公たちを見比べてみると四部から細めになり、五部以降は細い眉が主流になっている。これは古臭いとされてしまった太い眉の男性キャラクターからの脱却を綴った資料とも言えるだろう。 また、トーナメント方式の戦いからの脱却のため、次々と行く先で敵が襲い掛かってくる方式の発明など、既存の少年漫画との差別化を図るための努力があったことが綴られている。 気になった点はストーリーに関してひたすら「プラス」を目指していくというスタイルだ。曰く、ジョジョは「プラス」に上がっていく物語だという。 一般的な漫画はひたすら「プラス」の物語であるという。また「マイナス」から「プラス」に上がる例もあげている。六部の「ストーン・オーシャン」、七部の「スティール・ボール・ラン」はマイナスからプラスに至る物語だろう。特に七部では主人公のジョニィが「マイナス」から「ゼロ」に向かって行きたいと語っている。 逆に「プラス」から一旦「マイナス」に降りて再び「プラス」に至る物語を否定している。映画の脚本ではこのような形式が多いのだが、連載漫画としては常に「プラス」が正しいのかも知れない。 様々な「ジョジョ」の裏側を見ることができて面白かった。また現在連載中の『ジョジョリオン』が如何に「プラス」に向かって行くのかも、楽しみになった。
0投稿日: 2015.05.14
powered by ブクログ「企業秘密を公にするのですから、僕にとっては、正直、不利益な本なのです」 いやいや荒木先生!誰にもこんな真似はできませんから!
0投稿日: 2015.05.13
powered by ブクログ王道とはなにか、敢えてその意味を詳細に紐解く。荒木飛呂彦の立場だからこそ書ける、基本から応用への指南書。
0投稿日: 2015.05.13
powered by ブクログ言わずと知れたジョジョの作者の著書。 最初買うか悩んだけども、中身を見て買うことを決意。 おごり高ぶらず、真摯な本だと思う。 漫画家を目指すための本的な位置づけにもかかわらず別業種でも言えてることだと思う。 ビジネスだと時にはズルさも大事だけども、真摯に向かい合う必要性を感じさせる一冊。 特にクリエイター職やクリエイターを扱う立場の人に読んでほしい。 まだ、最後まで読んでませんが、文字から物腰の柔らかさや、文章の流れがわかりやすく読みやすいです。
0投稿日: 2015.05.12
powered by ブクログ漫画術…ということだけど,いろんなことに置き換えて考えることができて面白かった。とりあえずは自分のお仕事に置き換えて(しまい)ました。教育研究の世界でも,同じことが言えるなぁと。
0投稿日: 2015.05.08
powered by ブクログ荒木先生が、漫画界の後進のために、持てる漫画創作の技術を解説してくれます。 特筆すべきは、解説の仕方が非常に具体的なところです。キャラクターを作るための身上調査書を開示したり、世界観を作るためのサンプルを列挙するなど、天才の思考の一端を垣間見ることができます。 素晴らしい内容なのですが、記載内容に一点だけ明らかな誤りを発見しました。 『ジョジョリオン』で「初めて女性のおっぱいも描いています」とありますが、実際は『ゴージャス☆アイリン』で既に描いています。
2投稿日: 2015.05.06
powered by ブクログ荒木氏の漫画に向き合うスタンスや考え方、ポリシーがよく伝わってくる。こうしたものが徐々に醸成され、熟成されてジョジョが綴られているのだと思う。 また、考え方だけでなく、絵を描く際のスキルもしっかりしていて、キャラクター設定、ストーリー展開などとあわせて、漫画が構成されていることを再確認する。かなり高度な芸術だと思う。 こういう本を読むと、またジョジョを読み返してみたくなるもので。
0投稿日: 2015.05.05
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
読む前から、凄い本だとは予感していたけれど、予想以上のものだった。 漫画家による漫画の描き方についての本といえば、すぐに思い浮かぶのは『サルでも描ける漫画教室』だ。サルまんは「漫画の描き方」を一つのエンターテイメントにまで昇華していて、含蓄はとても多いのだけれど、内容的には散漫かなと感じる部分もあった。また、今時、本屋に行けば漫画の描き方についての本は棚に溢れるほど並んでいるし、専門学校で漫画の描き方を学べる時代にもなった。 というわけで、「漫画の描き方についての本」というのはレッドオーシャンなジャンルと言える。でも、ここにきてついに、というか満を持して、荒木飛呂彦が自分の漫画術を語るという本を出してきた。 これは例えるなら「人間界にゴジラが現れた」級の衝撃だ。なぜなら、荒木飛呂彦は歴史上最も売れた漫画雑誌の、黄金期と呼ばれた時代に漫画を連載し続け、またその作品は日本のカルチャーに深い影響を与えている漫画家だからだ。 その荒木飛呂彦がこの本で語ることは、「少年ジャンプの黄金期に漫画を連載しつづけるために、考え抜き編み出した僕の漫画術」という、これまた凡百の「漫画の描き方本」の作者が到達しえない高みからの内容になっている。それだけで説得力が段違いにあるし、すべての漫画家が憧れる(はずですよね)少年ジャンプに連載するために、どういう心構えで漫画を描くべきかという、なかなかありそうでなかった視点からの漫画論が展開されている。 内容は漫画を構成している要素を、大きく「ストーリー」「キャラクター」「世界観」「絵」「テーマ」に分けて、それぞれについての考察をしている。どういう意図を込めてデビュー作を描いたか、少年漫画で求められるストーリーとはなにか、キャラクターや世界観をどのように構築していくか、絵を際立たせるためにどのように工夫したか、テーマをどう設定するか……など、漫画にかぎらずクリエイティブな仕事全般に通じる金言がちりばめられている。 荒木飛呂彦は新書で映画論を2冊出していて、そのどちらもが分析的で着眼点も漫画家ならではのものがあり、充実した内容だったが、それはこの『荒木飛呂彦の漫画術』においても踏襲されている。ちゃんと、荒木飛呂彦の漫画術を語るだけのロジックが用意されていて、そのどれもが独り善がりなものになっていない。 【「これは!」と思ったところ】 ・漫画家は全員「ヒッチコックの映画術」を読め! ・ムードで押しきるのは天才だからこそできる(普通はできない) ・雑な仕事は読者に見破られる ・仕事で消耗してしまわないように、締め切りはちゃんと守る ・ストーリーは常にプラスに向かうべき。マイナスとプラスが混じるストーリーはダメ 個人的には、最後の「ストーリーは常にプラスに向かうべき」という話が一番ためになった。創作をしていると、とにかくマイナスを描きたくなるのを、「それは読み手にとって不要」と断じているのは、荒木飛呂彦の漫画論の核心かもしれない。ジョジョの1部で少年期のジョナサンとディオを描いたのは、ちょっと失敗だったかもという自戒があるように読めたし、また、とにかく過去話に行きたがる昨今の漫画への警鐘なのかも? 読んでて思ったのは、荒木飛呂彦は漫画家としては「努力型」の人なんだなぁということだった。色々と試行錯誤して、自分のスタイルを作り上げて成功した漫画家。でも、この本で語っているように、漫画について突き詰めて考えるという点においては「天才的」と言えると思う。傑出した才能と努力の持ち主であるからこそ、少年ジャンプに長期間連載できたのだろう。 あと、荒木飛呂彦が自作の漫画をネタに、漫画の技法的なものを語っているので、今後の研究にも役立つ部分が多々あった。特に、漫画の作成途中の資料や、漫画のどこにポイントを置いたのかの解説、コマ割りから漫画観まで、無視できない要素が本当に多い。 荒木飛呂彦はマニエリズムの漫画家と評され、本人もルネサンス期の彫刻に影響を受けたことを告白しているが、それと同じく「見えないものを描く」ことに注力していることが語られている。端的に表れているのが、「波紋」や「スタンド」であるが、火や水、空気や光のようなものをどう描くかについても、試行錯誤の上に体得した方法が開陳されていた。荒木飛呂彦が見えないものを描くことに意識的であるということは、コマ割りについてのところで、丸コマの使い方に言及している部分でも読み取ることができる。 というように、荒木飛呂彦個人の漫画論としても面白いし、少年ジャンプに連載するための王道とはなにか、を知るための本としても面白い。「メインストリーム」について、それがあまりに自明なものであるがために、語られる言葉が陳腐なものになりがちななかで、こういう本質に切り込んだ論説が読めるのは、誰にとってもありがたいことだと思う。
4投稿日: 2015.05.05
powered by ブクログ漫画を書くためのハウツー本。 読者が思っている以上に作者はいろいろ考えて書いてるんだなーという印象。 漫画を書く人にはいいかもしれないが、それ以外の人からは退屈かも。 前の映画のエッセイの方が楽しめた。
0投稿日: 2015.05.04
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
晒すなあ。ここまで考えてたのか。荒木さんの漫画は芸術。 トーナメント方式の敵のインフレに関する考察とか,プラスの法則とか,「ストーリー」に関する記述はやや納得できないけど(それは読者に読んでもらえて,売れるからではないの?),その他の点はとても面白かった。
0投稿日: 2015.05.02
powered by ブクログ以前、TV番組で観た先生の漫画作法に興味を持ったので、買いました。 漫画を描く上で気を付けるべきポイント、優先順位が示されていて、非常に勉強になりました。 キャラクター、世界観、ストーリー、テーマの基本四大構造(及び優先順位)、エピソードの重要性、身上調査書でキャラの属性を可視化する、シンボル化、エンタメでは常にプラス方向へ進むストーリーを心がける、等々。 「アイディアが尽きるというより、自分の興味が尽きるからアイディアがなくなる」という言葉も、なるほどと思いました。 折に触れて読み返したい一冊。
0投稿日: 2015.05.01
powered by ブクログ「ジョジョの奇妙な冒険」の作者が明かす漫画の描き方ハウツー本。 大変、面白く読みました。 漫画だけでなく、あらゆる創作に役立つノウハウが盛りだくさん。 漫画の基本四大構造は「キャラクター」「ストーリー」「世界観」「テーマ」なのだそうです。 これは漫画に限った話ではなく、映画や演劇、エンターテインメント小説などでも同じではないでしょうか。 プレス絵と言葉が入って漫画が成り立ちます。 荒木先生が「漫画は最強の『総合芸術』」と呼ぶ所以です。 第3章「キャラクターの作り方」で実物が紹介されている「身上調査書」は、創作に携わる人には大いに役立つものと思われます。 姓名、年齢、性別といった基本事項はもとより、性格、趣味、特技、将来の夢、さらには視力・色力、手術経験なんて項目もあり、いかに荒木先生が徹底してキャラクターを作り込んでいるかが分かります。 少年漫画の物語は基本的に起承転結で話が展開します。 それともうひとつ大事な「鉄則」があるそうです。 それは「主人公は常にプラス」ということ。 つまり、主人公は困難に直面しても、それを打破して常に成長していく存在でなければいけないのです。 これが「ヒットするための絶対条件」なのだとか。 私はレビューの冒頭で「あらゆる創作に役立つ」と書きましたが、たとえば純文学なんかは救いのない話が多く、「主人公は常にプラス」は当てはまりません。 これは漫画(特に少年漫画)に特有の原則といえるかもしれません。 それにしても、こんなに惜しげもなく「企業秘密」を明かしちゃっていいのでしょうか。 読者にとっては実に贅沢な本です。
1投稿日: 2015.04.30
powered by ブクログこれ以上削れるセリフやコマがまったくない、という、実に完璧でまろやかな状態。(中略)そういうときには、実際には作中で描いていないのに、なぜその主人公がここに生まれてきたのか?といった作品の裏側まで、自然と見えてくることさえあります。 ーp278より
0投稿日: 2015.04.30
powered by ブクログ本当に漫画家のために描かれた漫画家の本。 一般人が読んでも十分おもしろい。 ポイントは、荒木飛呂彦のストイックさであり、その姿勢こそが人間賛歌だというところ。研究しつくし、発展を重ねる天才。この生き方が人間としての到達点でもあると思える。 この人の生き方こそが人生の「王道」なんだろう。
1投稿日: 2015.04.29
powered by ブクログ帯に「企業秘密を公にするのですから、僕にとっては、正直、不利益な本なのです」とあるので、単純に読んだときの気持ちを。 ふむふむ。なるほど。こういうことですか。前にこんなことやったな。これは思いつかなかった。 でもこれだけじゃなんだかよくわからないので、なるほどと思ったところを一部引用。 「『ジョジョ』は王道漫画である」 「テーマは「人間賛歌」」 「個人的に好きなのは、主人公の名前が入っているタイトル」 「アイディアは尽きない」 といったところです。 多くの人に読んでもらって自分で感じてほしいと思います。
0投稿日: 2015.04.29
powered by ブクログ奇抜なストーリーや世界観と思われがちだけど本当に漫画の王道を歩んでるんだなと思った。普通にためになると思う
1投稿日: 2015.04.24
powered by ブクログ荒木飛呂彦が描いた実際の原稿や ネームを見ながら本人の解説が読める、 というのがこの本の醍醐味。 このコマはこんな効果を狙った、など ははぁ、と思うところが色々。 全体を通しては、 漫画家としての基本を書いている感じ。 漫画家ってやっぱりここまでのことを してるんだなーすごいなー、と思う。
1投稿日: 2015.04.23
powered by ブクログなぜこの漫画が好きかと問われると、どこかで聞いた言葉でしか表現できなかったけど、 この本でどのように描かれているか知ることができ、好きな理由を言語化できた。
0投稿日: 2015.04.22
powered by ブクログ帯にあるように、著者の漫画家としての経験や学びから得た、響く漫画を描くための「王道」を指南する書。マニュアルでなく、迷わず進むための地図として。 1:読んでもらえる導入の描き方(5W1H、予告) 2:漫画の基本四大構造 ①キャラクター(人間の基本的な欲望が動機) ②ストーリー(起承転結、つねにプラスへ) ③世界観(読者は世界観にひたりたい) ④テーマ(テーマは作者の人生哲学) 3:基本四大構造をむすぶ「絵」 リアル化とシンボル化
1投稿日: 2015.04.22
powered by ブクログ基礎からかみ砕いて分類・系統化するのはさながらビジネス書の様相。その中にも、自分の意識から抜け落ちていた基礎の発見がある。二度見するようなたとえや大胆すぎる言い切りもこれぞ作者、という喜び。
1投稿日: 2015.04.21
powered by ブクログ荒木先生の頭の中がこれ1冊で見られる非常~にお得な本。 あくまで方法の1つであり、マニュアルではないことを強調して書かれていたのが印象的でした。 とはいえ漫画の描き方は勿論、その中のストーリー構築方法なんかもすごく参考になるので、漫画を描く方は勿論、小説やゲーム、その他ストーリーやキャラ要素が絡むものにも活用できる汎用性があります。 また、これを読んだ後に荒木先生の作品を読むと、構成やテーマ、絵の意味などをより意識することができて面白さがアップする効果も。 う~ん、まさに秘伝のタレ。
1投稿日: 2015.04.20
powered by ブクログジョジョの荒木飛呂彦による「漫画の書き方」ではなくて、「漫画術」本。非常に読みやすくてすんなり終えれる。 ストーリー・キャラクター・世界観・テーマという漫画の4大構成要素の話や身上調査書とかは実際に役立つだろうけど、行ってみればこれまでに先行する漫画・映画での理論書は山とあるわけで、やはり「荒木飛呂彦が著した」というのが非常に重要だね。 しかしあとがきにもあるように、このままなぞっては「いけない」というのもまた、そこまでちゃんと読んでれば理解出来るわけで、「俺が「これまで」やってきたことはここにあるけど、ここから先こそが本当の漫画だよ」という、受け渡されたもののようだ。
1投稿日: 2015.04.20
powered by ブクログ代々伝わる秘伝のタレを、企業秘密を公にしてしまおう、ということで作者にとっては不利益な本、としながらも、本当にこれを読んで漫画家になる人はたった一人かもしれない、その一人のために書こう! というあたり、グッと来るじゃあないか。 僕はその一人ではないので、その熱い枠の中にはいないけど、物語の組み立て方、王道とは何か、売れるとはなにか、読者をガッカリさせるとはなにか… そう、これは漫画術ではあるが、ビジネス術であり、人間術でもあるのだ!(持ち上げすぎた。でも「漫画術を読みたい、漫画を志さない人向けの本」でもある。だから僕もターゲットだ) 思っていたより真面目というか、まっとうというか、ものすごい衝撃があったわけではないのだけど、これが王道ということだろうか。 例によって帯(は、今回はデカい)は描きおろしの絵が入っているから、これも帯付きを買うしかなかろう。
0投稿日: 2015.04.17
