Reader Store
ネアンデルタール人は私たちと交配した
ネアンデルタール人は私たちと交配した
スヴァンテ・ペーボ、野中香方子/文藝春秋
作品詳細ページへ戻る

総合評価

29件)
4.3
8
14
1
0
0
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    邦題はダイレクトだが、原題は“Neanderthal Man: In Search of Lost Genomes”。原著は2014年刊。著者スヴァンテ・ペーボがノーベル生理学・医学賞を授与されるのは、この8年後の2022年。 ネアンデルタール人のゲノムを取り出し解析するという冒険の一部始終が語られる。自伝的なエピソードもたっぷり入っている。それにスウェーデン人で、ドイツで研究。それらが混然一体となって、ふしぎな読後感がある。 時系列で書かれた研究の進展はスリリング。快いほどのスピード感がある。ネアンデルタール人と現生人類が交配した可能性については、かなりの紙幅を割いている。2014年の刊行なので、終わったばかりのデニソワ人のゲノム解析までを紹介している。 一方で、自伝的な側面は衝撃的。2つあげてみる。ひとつは、バイセクシュアルだということ。自分がゲイだと思っていたのに、友人のボーイッシュな奥さんに惹かれ、最終的には結婚(友人とは合意の上の略奪婚)、子ももうけている。これって二重、三重のカミングアウト? もうひとつは婚外子であるということ。ペーボという名は化学者の母親の姓。父親は、スウェーデンの生化学者スネ・ベリストローム、1982年のノーベル生理学・医学賞受賞者。おとなになるまで、父親とは会ったことがなかったらしい。本書には、肺血栓になり危ない状態になったが、その治療法について調べたら、自分の父親の論文に行き当たり、心が揺れるエピソードも登場する。

    3
    投稿日: 2025.10.28
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    ●2025年10月3日、池袋ジュンク堂本店にあった。 タイトルの「交配」のワードにインパクトありすぎて思わずチェックした。

    1
    投稿日: 2025.10.03
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    ゲノム配列の解析技術開発と、現生人類ゲノムやバクテリアゲノムのコンタミネーションと、損傷ゲノムを含む希少サンプル解析。我々は何処から来たのか、我々は何者なのか、に迫るサイエンスの物語。

    0
    投稿日: 2025.06.30
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    ノーベル賞も受賞されたスワンテぺーボ博士の自伝である。 古代DNAの解析に取り組み、進化のミステリーに挑み続けた歴史がわかる。 最新のDNAシーケンスの技術は常に取り入れているものの、科学的に難しいアプローチはほとんどなく、ただひたすらに内在性のピュアなDNAを抽出しシーケンスし、私たちの祖先とネアンデルタール人との関係を紐解く情熱には心打たれる。 真摯さ、謙虚さ、大胆さ、ユニークさ、超一流の科学者の心の動きや思考力などを垣間見える素晴らしい一冊だった。

    4
    投稿日: 2023.11.29
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    ネアンデルタールが現世人類と交配した。少し前なら、ジュラシックパークなみの眉唾ものでした。 この本は、読みやすく分かりやすかったです。訳文もこなれて良いです。面白かったです。

    0
    投稿日: 2023.10.18
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    分子遺伝学、古人類学。 2022年にノーベル生理学・医学賞を受賞したSvante Paaboの著作。 現生人類の遺伝子の中にはネアンデルタール人由来の領域が含まれていることを発見した。 極めて緻密な実験設計、衛生管理により実現。 バイセクシャルらしい。 なんとも興味深い本だった。

    0
    投稿日: 2023.02.20
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    なかなか専門的な内容が多く、難しいところもありましたが 面白いと思いました。科学者という人の思考パターンや 気質がよくわかった感じがします。 そういえば、日本の恐竜学において、恐竜のDNAを 抽出(有機物?)できるかもといった 記事を見たことを覚えているのですが(多分NHKかな) あれは、結局どうなったんだろうと思いました。

    1
    投稿日: 2023.01.15
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    ノーベル生理学・医学賞を受賞されたということで拝読しました。 そこまでDNAに詳しいわけではありませんが、高校生物に毛が生えた程度の知識でもとても楽しく読み進めることができました。DNA分析のカギを握るPCR(ポリメラーゼ連鎖反応)はここ最近よく聞いた言葉の一つではないかなと思います。 興味深かったのは、ペーポ博士が元々はエジプトのミイラの研究をしたいと思っていた点です。同じく研究していた医学とそれを組み合わせたことから、このDNAをめぐる大きな研究が始まったともいえます。 多分野に興味を持つと、往々にして「どれか一つにしておきなさい」と言われることがあります(本文中のペーボ博士もそうです)。けれど、この本を読んで好きなものはいくつあってもいいのかなと思いました。 好きなものはいくつあってもいい。 いつかそれらは複雑に絡み合って、あなたを見たことも想像したことさえもないところへ連れて行ってくれる。 研究についての内容もとても興味深かったですが、時々差し込まれるプライベートな出来事(恋人がヨーロッパに居るからヨーロッパの研究所のポストを探すとか、友達の研究者とうっかり三角関係?になるとか)も面白かった。立派な博士と自分たちの間に地続きの人間味を感じるエピソードでした。 この分野はこれからも物凄いスピードで発展していく分野だと思うので、今後の発見にも期待です。

    1
    投稿日: 2022.10.12
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    DNA解析の歴史でもある。 むずかしいことははぶいてある。 一気によんだ。 日本の考古学が他の学問、大学同様、権威主義で、さらに捏造事件で地に落ちたことと対象的に、科学的に進められている。 科学、医学、工学を目指す中学生に読んで貰いたい。

    0
    投稿日: 2022.02.08
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    生物をバックグラウンドに持っていないと難しいかもしれない。生物基礎レベルがあれば読めるが、実験レベルの知識はないと結構読むのむずいかも。 PCR黎明期なだけあってそっち方面の苦しみが多く描かれている。PCRは簡単じゃねえんだよワイドショー! そしてさり気なく作者に暗い影を落とす東西冷戦。スウェーデンは第三世界にあったおかげでなんとかなっているけど、これ作者が西側出身なら絶対できず諦めるしかなかった内容だよなあ。 ネアンデルタール人と現代人の差の研究は面白い。ミトコンドリアが母系遺伝である以上、ミトコンドリアイブのものを受け継いでいるはずだが、当時(20年前程度)の技術は現代と比べると未熟なのでなかなかPCRとかうまく行かない。本文数行で結果のみ書かれている実験にどれだけの苦労が詰まっていたかを想像してめまいがする。 ネアンデルタール人のゲノム計画、500万ドルを電話で相談したところ、2日で500万ユーロ揃えるマックス・プランク研究所かっこよすぎ。 一番面白い点が、科学者が七転八倒する様子が一応描かれている点だ。他の科学の本だと、「こう考えて仮設を立て、実験をこうして結果はこうだった」とかんたんに述べていることが多いと思うが、実際には基礎検討とか地味な部分がクッッソ辛い。そこを、実験にかけた時間の形で述べているのは非常に好感が持てた。 シーケンスサービスはイルミナじゃないのかって思ってたら、454社がロシュに買収されたからイルミナに変えてて「やはりか」と。 ネアンデルタール人と人間、類人猿と人間を分ける仕組み! なぜネアンデルタール人や類人猿には人間のような豊富なコミュニケーション能力や真似する力がないのか。ネアンデルタール人とホモ・サピエンスが別れてからのゲノムの変異で考える!面白そうだけども、類人猿と人間のゲノムがほぼ変わらん以上、多分エピゲノムレベルなんじゃないかなあ? 

    0
    投稿日: 2021.04.05
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    子供と一緒に読んだ。ちょうどTVにも出ていたりして興味を持ったようだ。本は非常に面白い話だったけど、自分のことそんなに書いてしまって良いのだろうかと思わないでもなかった。

    0
    投稿日: 2020.11.09
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    分子生物学を古代DNAに適用したパイオニアが書いた自伝的な本。古代DNAと言ってもネアンデルタール人みたいに数十万年前のものまで。それより古いとDNAは失われてしまっているそうだ。恐竜のDNAを復元したなんてニュースも昔あったが、それはとんでもない誤りだったそうで。そういった試行錯誤も込みでの科学の現場が描かれていて読み物として楽しめるし、分子生物学の知見や古代のDNAを復元するむずかしさについても興味深い。 ただ理論的なところについては、半分わかったものの半分はハラに落ちなかった感じ。PCR法の説明なんかも昔読んだ福岡伸一の本のほうが分かりやすかったので、引っ張り出して復習してしまった。時節柄、PCR法と言われると反応してしまいますしね。感度の高さ故、コンタミに気をつけなければならない手法であることを再認識。 分子生物学の手法についてのくだりを読んでいて痛感するのは、生物学もコンピューターサイエンスになりつつあること。生けるものは皆、4文字を組み合わせたコードでプログラムされた存在なのである。ナチュラリスト的な昔気質の古生物学に対する、著者のなかば憐れむような視線にはほろ苦さも感じる。 本書でも触れられているが、23andMeはサービスの中でどれくらいネアンデルタール由来の遺伝子を持っているか教えてくれる。ワタクシは23andMeのカスタマーの中では上位2%に入るらしい。だからどうしたという訳でもないが。ただ現生人類がネアンデルタール人と交配したのは出アフリカの後らしいので、アフリカ人にはネアンデルタール由来の遺伝子は見つかりにくい。ここらへんは色々センシティブになりうるので、著者もちょっと気を使っている様子がある。

    2
    投稿日: 2020.04.25
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    とてもおもしろく、一気に読んでしまった。そもそも読んだきっかけは、ResearchatというPodcastでおすすめ本として紹介されていたからだ。気軽に読み始めたのに本当に惹き込まれてしまい、ページを捲る手もわくわくも止まらなかった。「ネアンデルタール人は私達と交配した」ということは教科書やニュースで聞いており、更にアフリカを起源として人類がどう世界に発展してきたかも既に現在図説などでは当然の知識として載っている。その当然のものがどのようにして明らかになったのかと問われた時、「DNAを比べたから」という非常に簡潔な言葉一つで普通は終わり、そこにあまり感動もなければ驚きもない。しかし実際そこに行き着くまでのストーリー、人々の展開した論理、試行、努力、交渉…立ちはだかる「DNA」という物質の物性…それらが非常に事細かに語られたこの本は、「ネアンデルタール人は私達と交配した」という事実が明らかになったことがどれだけ奇跡的で、どれだけの知と血が注ぎ込まれた故の結果で、どれだけ衝撃的なものだったのか、というのを絶対に他では感じられないほどエキサイティングに教えてくれる。また研究という世界が如何なるものか-どれだけ競争的で、どれだけ不確かさの入り乱れたものなのか-というのも伝わってくる。「ネアンデルタール人は私達と交配した」ということで知識を終わらせなくて本当に良かった、とこの本を読んだ今心から思う。

    0
    投稿日: 2019.08.30
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    最近,古代人類のDNAの研究が熱い。 長い間,古代人のDNA解析は,細胞内に大量にあるミトコンドリアに関するものに限られてきた。その成果でさえ,欧州の母系祖先として7人のミトコンドリアイブが同定されたり,日本人の母系祖先が様々なルートで日本列島に流入してきたことが推察されたりするなど,とても知的刺激に溢れていたのだが,一方で,ミトコンドリアDNAからは,我々サピエンスとネアンデルタール人とが交配した証拠は見つからなかった。古代の核のDNAについては,映画ジュラシックパークの後,琥珀の中や化石の中から何万年どころか何千万年も前のDNAを抽出して塩基配列が分かったという論文が,雨後の竹の子のように世界中から何本も出たが,後になってどれもみな間違いであることが判明した。そのような喧噪の中,本書の著者ペーボ教授は,世間から距離を取り,「ズルをせず」,極めて地道に古代の核のDNAの抽出に取り組んだ結果,試行錯誤の苦労の末の大逆転として,ついに4万年前のネアンデルタール人のDNAの解析に成功したのである。驚くべきことに,ネアンデルタール人のDNAは非アフリカ人を除くサピエンスすべてに数パーセント共有されており,アフリカを出たサピエンスが中東でネアンデルタール人の遺伝子を取り込んで世界中に広がっていったことが分かった。  この回想録では,そうした科学上の成果だけでなく,研究者としての野心や他の研究者との論文発表を巡る駆け引き,さらには自身がバイセクシュアルであることやノーベル賞受賞者である父親の愛人生活などの私生活までが赤裸々に書かれていて,下手な小説を読むよりはるかに面白い。  また,本書の最後には,著者がネアンデルタール人の次に取り組んだユーラシアのデニソワ人に関する研究の初期の成果が紹介されている。デニソワ人はネアンデルタール人に近縁な別の人類で,やはりネアンデルタール人やアジアのサピエンスと交配していたことを明らかにしたのだが,本書の刊行後の最近の研究では,チベット高地人の高地順応遺伝子は,突然変異と淘汰の結果ではなく,デニソワ人から取り込んだものだと判明したほか,しかし,デニソワ人のゲノムはネアンデルタール人のゲノムよりもサピエンスのゲノムとの違いが大きいことから,デニソワ人と交配した未知のホモ属がいる可能性があるなど,当分は古代人類のゲノム解析から目が離せそうにない。 mak 図書館蔵書なし

    1
    投稿日: 2019.05.23
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    国立科学博物館 2015年7月7日(火)〜10月4日(日)  URLはこちら http://www.seimei-ten.jp/midokoro/midokoro_01.html 『生命大躍進 −脊椎動物のたどった道−』 :  ⇒ URLはこちら https://blog.goo.ne.jp/pasobo-arekore2005/e/ae9d7f847ada17b796486e0456a51e48  『「生命大躍進」展へ行こう』 〜 Myブログ「パそぼのあれこれフリーク:Part2」 2015/9/29 行きました。 面白かったですよ!  ⇒ URLはこちら https://blog.goo.ne.jp/pasobo-arekore2005/e/a3bdaa7177c692f4fe38606064155517  『「生命大躍進」展 その1〜4』 〜 Myブログ「パそぼのあれこれフリーク:Part2」 〜 〜 〜 ☆ 〜 〜 〜 〜 ☆ 〜 〜 〜 7/21(火)関連のイベントに行きました。  『生命大躍進』DNAから考える私たちの成り立ち (講師:篠田謙一) 篠田先生のお話で、「ホモ・サピエンスとネアンデルタール人」の新しい研究成果も紹介されました。 最後にネアンデルタール人との交配についてちらっと一言あったので、情報を探してこの本にたどり着きました。 どんな話か、読むのがすごく楽しみ!     〜 〜 〜 〜 ☆ 〜 〜 〜 〜 ☆ 〜 〜 〜 〜 本書には、古代の人類のDNAを調べる研究の過程が、読みやすく書かれています。 と言っても、内容は最先端の研究なので、理解するのは困難ですが、 少しわかったような気にさせてくれます。 最先端の理論と技術を切り開きながら挑戦していく著者とそのグループの研究の日々には、驚かされます。 誰も思いつかない様な発想、地道な努力、人脈作りと研究資金、論文のことまで、すごく面白い本です。 エジプトのミイラ(失敗)から、マンモスやホラアナグマ、古代人「アイスマン」・・と次々にDNAを解析し、 ついにネアンデルタール人のDNAを解析し論文を発表しセンセーショナルな話題を引き起こす。 さらに、「デニソワ人」のDNA解析へと 古代の人類から現代への道筋を解明していくわけですが、 まだまだわからないことは多いそうです。 今後、多くのDNA資料が入手・解析されて、真のストーリーがわかっていくのが楽しみです。 また、最近気軽になんでも DNAを調べればいい! という風潮ですが、 安易な検査とその結果を信じるのは、禁物のようだとわかりました。 訳者あとがきより  ”・・・URLはこちら http://www.nhk.or.jp/seimei/special.html 『NHKスペシャル「生命大躍進」』 : 第3集「ついに“知性”が生まれた」(2015年7月5日放送)では、  ペーポ博士とマックス・プランク研究所の言語チームの研究が詳しく紹介される予定とのことです。  ペーポ博士らによれば本書のあとがきで触れられている「FOXP2遺伝子」研究のさらなる進展や、  人類とネアンデルタール人の運命を分けた違いなどが掘り下げられるそうで、こちらもとても楽しみです。” この放送は、録画しているので、再チェックします! 内容と目次・著者は 内容 : ネアンデルタール人の遺伝子は、現生人類の中に生きていた! 長年の試行錯誤の末に、新技術「次世代シーケンサー」で約4万年前のネアンデルタール人のDNAの増幅に成功した科学者が、30年以上の苦闘のすべてを明かす。 目次 : 第1章 よみがえるネアンデルタール人 1996年のある晩、わたしの研究室からの電話が鳴った。長年の努力の末、絶滅し、失われたはずのネアンデルタール人のDNAを骨から復元できたのだ 第2章 ミイラのDNAからすべてがはじまった 1981年、医学生だったわたしは昔からの憧れのエジプト学と分子生物学の合体を思いつく。ミイラのDNA抽出を実験し、当代一の学者の目に留まった 第3章 古代の遺伝子に人生を賭ける 1987年、古代ゲノム研究の道を選んだわたしの人生は転換点を迎える。「PCR法」で古代動物DNAを増幅する実験を重ね、正教授のオファーが来た 第4章 「恐竜のDNA」なんてありえない! 1990年、ドイツに移ったわたしは現代のDNA混入への対処に苦闘する。一方、学界では何千万年も前のDNA復元と称するいい加減な研究がはびこる 第5章 そうだ、ネアンデルタール人を調べよう 1993年、古代人「アイスマン」を解読したが、現代人との区別は難しかった。もっと古く、かつ、ある程度DNAが残るのは……ネアンデルタール人だ 第6章 2番目の解読で先を越される 1章で述べた「ミトコンドリアDNA」復元に続く第二のネアンデルタール人解読をめざし1997年に骨を入手したが、他の研究者に先を越されてしまう 第7章 最高の新天地 1997年、思わぬ機会を得て、マックス・プランク協会の進化人類学研究所を創立できることに。すばらしい施設を立ち上げ、私生活も大きく変わった 第8章 アフリカ発祥か、多地域進化か 1997年の論文で現生人類の出アフリカ説を採用したわたしは多地域進化論者の批判を受ける。それには答えたが、真の結論には「核DNA」調査が必要だ 第9章 立ちはだかる困難「核DNA」 1999年、1万4000年前の永久凍土のマンモスから核DNAの抽出に成功する。だが冷凍保存でないネアンデルタール核DNA復元は不可能に思えた 第10章 救世主、現れる 2000年にわたしが顧問となったDNA増幅の新技術「次世代シーケンサー」は生物学全体を変えるほど強力だ。ネアンデルタール人復元も現実味を帯びる 第11章 500万ドルを手に入れろ 2006年、わたしは2年以内のネアンデルタール・ゲノム解読を宣言した。しかし次世代シーケンサーの500万ドルもの費用を始め、次々と難題が襲う 第12章 骨が足りない! ゲノム解読にはとにかく骨が必要だ。2006年、新たなネアンデルタール人の骨試料をもらいにザグレブに向かった。だが、不可解な力が骨の入手を阻む 第13章 忍び込んでくる「現代」との戦い シーケンスの進歩を待つだけではダメだ。2007年はDNA精製の効率化の徹底を図った。だが必ず混入する現代のDNAを検査する方法が見つからない 第14章 ゲノムの姿を組み立てなおす 増幅したバラバラのDNAの全容を知るには、それを組み立てなおさなくてはならない。新しい方法を試すたびに難題が起こったが、少しずつ前進していく 第15章 間一髪で大舞台へ 約束の2年が近づき、発表は2009年2月に決まる。シーケンス担当を新会社に交代させ、発表6日前、間一髪でゲノム解読に必要な配列データが届いた 第16章 衝撃的な分析 わたしが2006年から集めていた凄腕科学者のチームは、交配の問題に取り組んでいた。2009年のゲノム配列の発表直前、彼らから衝撃的な報告が 第17章 交配は本当に起こっていたのか? ゲノム解読には成功したものの、彼らと現生人類が交配したらしいという分析は、慎重に検証する必要がある。しかしライバルの存在にわたしは焦っていた 第18章 ネアンデルタール人は私たちの中に生きている 2009年5月から現代人のゲノムとの比較をはじめた。そして、25年夢見てきた結果が出た。現代人の中にネアンデルタール人のDNAは生きているのだ 第19章 そのDNAはどこで取り込まれたのか 5万年前、アフリカの外に足場を築いた現生人類は、急速に世界に拡散した。彼らはどこでネアンデルタール人のDNAを取り込み、今に伝えたのだろうか 第20章 運命を分けた遺伝子を探る ヒトとネアンデルタール人を分けたのは何なのか。ゲノム情報は将来その答えを示すだろう。ヒト特有の変異のうち5つだけでも興味深い事実ばかりなのだ 第21章 革命的な論文を発表 2010年5月、ついに『サイエンス』に論文を発表し、彼らと現生人類の交配の事実を世に問うた。大反響があり、年間最優秀論文に。格別の喜びだった 第22章 「デニソワ人」を発見する 2009年、デニソワ洞窟の小さな骨がわたしに届いた。さして重要とも思わなかったが、一応DNAを調べると、なんと未知の絶滅した人類だったのだ 第23章 30年の苦闘は報われた 2010年、デニソワ人の核DNAも解読し、『ネイチャー』に論文を発表した。30年前の夢は夢をはるかに超える成功をもたらし、わたしは深く満足した あとがき 古代ゲノムに隠された謎の探究は続く 解説 「ズル」をしないで大逆転した男の一代記 更科功 訳者あとがき 野中香方子 著者 : スヴァンテ ペーボ 1955年スウェーデン生まれ。生物学者。 ドイツ・ライプツィヒのマックス・プランク進化人類学研究所の進化遺伝学部門ディレクター。 2015/07/21  予約 8/15 借りる。 8/21 読み始める。9/5 読み終わる。

    0
    投稿日: 2019.01.12
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    ネアンデルタール人のDNAを幾多の困難を乗り越えて解読した著者の自叙伝。タイトルから想像してた内容とはちょっと違っていた。 初めから1/3くらいはちょっと退屈だったし、遺伝子工学、DNA等の専門知識がないと理解できないところが多い。しかし、次々と出てくる課題をチームで知恵を絞って、ズルをせず地道に正直に研究を進めていく過程は読み応えがあり、最後に花開くところはわくわくして、全体としてはおもしろかった。 けっきょく我々のDNAの数%はネアンデルタール人に由来していることをつきとめて、それがタイトルになっている。

    0
    投稿日: 2017.12.09
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    ネットで見かけて。 9割ぐらいの部分はわかっていない。 ネアンデルタール人と現生人類が交配した、結論付けるまでのDNA解析の進歩や研究の過程が描かれている。 かなり噛み砕いて書いてあるのはわかるが、 それでももう少し面白い部分を増やしてくれないと、難しくて読んで理解する気にならない。 古代の標本からDNAを抽出するために、こっそりオーブンで子牛のレバーのミイラ作りをして、ラボの人々に臭いとばれてしまった話とか、著者の結婚に至る話とか、毎年自分はネアンデルタール人じゃないかと思うという手紙が届く話とか。 ネアンデルタール人から現生人類へDNAが流れ込んだ、つまり二つの集団が出会った時ネアンデルタール人の方が優勢な集団だったという説明の際に、ネアンデルタール人は結果として滅亡したので優勢とは思えないかもしれないが、という断り書きがあった。 いやいや、骨格標本をみたら、どうみてもがっちりとした体形のネアンデルタール人の方が優勢でしょ。 比較して貧弱な体形の現生人類が生き残ったのは、様々な偶然が積み重なった結果なのだと思う。 現生人類がネアンデルタール人と遭遇した時、ネアンデルタール人はすでにアフリカの外で20万年以上暮らしていたため、アフリカには存在しないヨーロッパ特有の病気に対抗できるDNAを有し、それを受け継いだ現生人類は生き延びやすくなったのではないか、と書かれていたが、そういう幸運をつかんできただけではないのかと。

    0
    投稿日: 2017.10.23
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

    半分は自叙伝ということで、著者の生き方、-30年に及ぶ研究人生の挫折や困難と名誉の獲得など-、に興味あればよく読めばいい。私は、ネアンデルタール人とホモサピエンスが交配したという事象とその科学的根拠、また交配の結果何がもたらされたかが知りたかった。 女性にしか伝えられず、約1.6万のヌクレオチドからなるmtDNAではなく、性別に関係なく子孫に伝わり、30億以上のヌクレオチドからなる核DNAに科学的証拠を求め、パイロシーケンス法によって核DNAの塩基配列を解析できたことで、ネアンデルタール人とホモサピエンスが交配したことが証明された。結果として何がもたらされたかまでは書いていなかった(と思う)が、そこは自分で考えようと思う。これ以上は情報量が多すぎて記憶できないので、割愛。

    0
    投稿日: 2017.05.03
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    ネアンデルタール人に全く興味が無いというか交雑してようがしてまいがどうだっていいじゃないか、というような人には退屈極まりない本です。 しかし人の影響で汚染されていない純粋なDNAを採取するための偏執的な取り組みと検証システム構築については頭が下がるというか、想像するだに吐き気がする。

    0
    投稿日: 2016.11.18
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    2016年のベスト。 運とテクノロジーと人と根気を使ってネアンデルタール人のゲノムを読み取った生物学者の道のりと半生を記す。まず著者がバイセクシュアルでノーベル賞受賞者の婚外子だという話もさらりと出てくるところが面白いが、何より色んな人と関わり合い、試料を探し出し、最新の技術を使い、分析して、既存の概念に挑みネアンデルタール人のゲノムを読み出すことに成功するその学者冥利につきる半生を追体験できるのが痛快である。

    0
    投稿日: 2016.02.25
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    著者スヴァンテ・ペーボはスウェーデン人の分子古生物学者。彼とその仲間たちはネアンデルタール人のゲノムを明らかにし、私たち現生人類のゲノムの中に、ネアンデルタール人の遺伝子が入っていることを突き止めたのである。 彼が新たな研究分野を確立するために組織を一から作り上げていく苦闘も描かれている。加えて、同性愛者であった著者が同僚研究者の妻に恋をしてしまい略奪してしまう話もあったりと、もはや単なるサイエンス本ではない。情熱あふれる著者の一代記である。

    0
    投稿日: 2016.01.28
  • 面白い! 知的な興奮をもたらしてくれます。

    考えようによっては、ゴシップのような事象を、根気よく、科学の段階を追って、綿密に証明していく。 一時の名声を目標とし、科学の段階を無視し、花火をあげればよい、という科学的ではない"科学者"、には耳が痛いかも。 読み物としても、最先端の科学をかいま見る窓としても、Jurassic Parkのアンチテーゼとしても、激しい競争の場に身を置く賢人の心の葛藤の記述としても、楽しめます。 ほんのちょっぴり、LGBTの風味もついています。

    1
    投稿日: 2016.01.21
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    「ジュラシックパーク」が上映された頃は、何千万年前の化石から恐竜のDNAが採取されたことが話題になったが、DNAは極めて変質、分解しやすく、恐竜のものの採取は不可能というのが最近の常識らしい。 当時「採取」されたのは、混入した他の(もしかすると採取した研究者本人の)DNAだったのだろう。 本書には、こういった「汚染」を除去しながら、前人が試みなかったミイラや化石からのDNA取得とゲノム情報解析を著者(とそのグループ)が、数多の困難を乗り越えていかに実現したかの、30年にわたる苦闘の歴史が記されている。 それだけでも感嘆するに余りあるのだが、本書には著者の性的嗜好というかジェンダー傾向も隠さず書かれていて、ゲイを自覚しパートナーもいた著者が、既婚女性との恋愛の末結婚し、子供も授かったのだという。 その明け広げ度合いというか、認知され度合いにも感嘆するのである。

    0
    投稿日: 2015.11.17
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    このレビューはネタバレを含みます。

     これこそが、わたしが25年にわたって夢見てきた成果だった。数十年にわたって議論されてきた、人類の起源にまつわる重大な謎を解く証拠を、わたしたちは手にしたのだ。そしてその答えは予想外のものだった。現代人のゲノムの情報のすべてがアフリカの祖先に遡るわけではないと、それは語り、わたしの師であるアラン・ウィルソンが主な提唱者である厳格な出アフリカ説を否定したのである。それはまた、わたしが真実と信じていたことも否定した。ネアンデルタール人は完全に絶滅したわけではない。彼らのDNAは現代の人々の中に生きているのだ。 (中略)わたしたちが発見した結果では、ネアンデルタール人はヨーロッパ人だけでなく、中国やパプアニューギニアの人々にもDNAを伝えていた。なぜこんなことが起きたのだろう?わたしは考えが定まらないまま、机上の整理を始めた。最初はゆっくりとだったが、次第に勢いづき、古いプロジェクトのがらくたを次々に捨てていった。机上にたまっていた埃が宙に舞う。新しい章の始まりだ。机をきれいにしなければ。(pp.264-5)  マイクは、この他者の注意を何かに向けようとする衝動を、発達段階の初期に現れる認知特性のひとつで、人間に固有のものだとしている。それは、心理学者が「心の理論」とよぶ、他者が自分とは異なる心(認識・知覚など)を持つことを理解し始めた兆候である。に逃げんが巨大で複雑な社会を誕生させたのは、社会活動、他者の操作、政治的駆け引き、団結といったことに秀でていたからだが、そうした能力が、人の立場、政治的駆け引き、団結といった興味を操作できるというこの特性から生まれたことは、想像に難くない。マイクのグループが突き止めたこの特性は、現生人類が、類人猿や、ネアンデルタール人などの絶滅した他の人類と異なる道をたどる根本的な要因になったものだと、わたしは考えている。(p.286)

    0
    投稿日: 2015.11.10
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

     我々の中にネアンデルタール人のDNAが残っいる・・その事実については、まあだからどうした、というくらいの感想しかないのであるが、その事実を明らかにする過程がスリリングである。というか、真の科学者というのはここまで「科学」に対して誠実であることができるのだということに感動した。。  掘り出された古代のDNAにはすでに現代の微生物や人のDNAが混入している。それらから目的のDNAだけを取り出し、増幅する。だが、目的のDNAだと思ったものがやはり混入した現代人のDNAだったりする。様々な設備や装置や仕組みを自ら開発し、2重3重のチェックを自らに課し、そしてたぶん科学ではもっとも重要なことの一つ「再現性」に徹底的に拘っていく。そうして、長い長い道のりを経て真実を明らかにするのである。 その間に、ライバルたちは数万年どころか恐竜のDNAまで解析したと、サイエンスやネイチャーなどの有名な雑誌に発表していく。しかしそれらはすべて、科学的には不誠実な態度で、再現性もなく、実際に間違っていた。メジャーな科学雑誌もまた、実は「科学」に忠実というよりも商業主義的なのである。正しい道を歩んているという自覚と自信があっても、それはそれは苦しいものだったに違いない(と、著者も言っている)。  読んでいる間じゅう、STAP細胞を巡る「捏造の科学者」(文藝春秋)を思い出していた。小保方さんや笠井さんが、スヴァンテ・ペーポほどに「科学」に対して誠実に向き合い、つまり「再現性」に謙虚に向き合う勇気があったなら、そしてスヴァンテ・ペーポがすでに喝破していたように著名な科学雑誌が極めて商業主義的であることを理解していたなら、あの事件は起こらなかったに違いないと。

    0
    投稿日: 2015.10.04
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    研究の意義や技術的な困難の説明は面白かったが、私生活の思い出話や人間関係の恨み言などつまらない部分もかなり多かった。伝記は自分で書いちゃだめだな。

    0
    投稿日: 2015.08.16
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    人類の歴史の話だから、当たり前であるが、 研究室間の競争や、恋愛、家族など、非常に人間くさいドラマでもあった。

    0
    投稿日: 2015.08.15
  • powered by ブクログのアイコン
    powered by ブクログ

    まず、この本は非常に面白い。『イヴの7人の娘たち』や『アダムの呪い』のように、遺伝子解析によって人類の歴史をたどる話は、自分にとってはほぼ外れなく面白いのだけれど、この本は特に研究界の競争の実情がよく伝わる内容になっていて興味深い。 本書では、著者のスヴァンテ・ペーボが、古代生物のゲノム解析の研究者として成功し、マックスプランク進化人類学研究所を率い、その分野の第一人者となる物語が自身の手で描かれている。その過程では、古代生物解析におけるDNA汚染の回避に向けた地道な闘いや、他研究機関との協力や競争の内実、研究者としてのテーマ選択やキャリア形成、メディアとのやりとりなどが描かれていて実に面白い。熾烈で情け容赦がない先陣争いやそれにまつわるどろどろとした感情も伝わってくる。 著者の研究対象は、古代生物のDNAであり、タイトルにあるネアンデルタール人だけではないのだが、やはり著者を一躍有名にしたネアンデルタール人DNA解析の話のインパクトが大きい。さらに驚くべきことは、かつてアフリカから出たわれわれの遠い祖先は、約三万年前にすでに欧州にいたネアンデルタール人と出会い、そして交配したという事実の発見だ。その交配の痕跡がわれわれのDNAに刻まれているという。驚いたことに、アフリカを除く現生人類の遺伝子の約2%がネアンデルタール人由来のものであるという。この割合はヨーロッパ人でもアジア人でも大きくは変わらないことから、現生人類とネアンデールタール人がいつどのように出会ったのかまで推定できる。残されたDNAの分析からそこまでわかるのか、とまさに科学の力を見せつけた事例だと思う。今後、遺伝子学によって、人類についてますます多くのことがわかり、ますます多くのことができるようになるだろう。 科学研究の話だけでなく、著者がバイセクシャルであることや、研究者仲間の妻となっていた昔の同僚の女性を略奪する形で結婚したことまで赤裸々というよりも淡々とした調子で書かれている。こういった自伝的要素も含まれているのも単なる科学解説書にはないこの本の特徴である。 それはともかく、面白いので読んでもらいたい。

    0
    投稿日: 2015.08.02
  • ディープな科学論から伝わってくる熱量が半端ない一冊でした

    ジュラシック・パーク以来、古代の遺伝子をめぐるファンタジーに慣れっこになっている感があるけれど、ここに記されているのはゲノム解析技術を黎明期から現在まで真面目に牽引してきた科学者の控えめな自叙伝です。アイデアからストーリーを作るのでなく、ファクトからストーリーを構築するアイデアと技術と蓄積のスパイラルが、結果としてドラマチックで素晴らしい。 汚染され変成し欠損しているDNAが、どんなチームで解読されてきたか、という観点でも興味深い一冊でした。

    4
    投稿日: 2015.07.25