
総合評価
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powered by ブクログ内容以前に最初の数ページで日本語のひどさにストレスが溜まりました。断言できますが、この翻訳、時間をかけずに翻訳し、誰も内容をチェックせずそのまま出版したものに違いありません。皮肉なことに日本語が一番しっかりしていたのが「編集後記」で、編集後記を読んでいる時だけは心が落ち着きました。訳者の略歴を見ると「フランス文学の名訳者」と書かれていますが、これが正しいとしたら、別人が翻訳しているのでは?という疑念も湧いてきました。学生が翻訳しているとか。 その意味では非常に惜しい。トッド氏の主張はかなりユニークで偏っている感も拭えませんが、もし日本語訳がうまければ、星4つくらいの作品ではなかったかと想像します。正しい、正しくないという次元ではなく、こういうレンズでドイツを見ることもできる、という問題提示としては極めて興味深く読みましたが、いかんせん、「迷」訳のためトッド氏の言いたいことの数パーセントくらいしか理解ができませんでした。残念です。
0投稿日: 2023.04.27
powered by ブクログ平和な日本にいると、ロシアによるウクライナ侵攻は 社会主義専制国家によるヨーロッパ民主主義国家への 暴走行為のように見えてしまう。 著者のエマニュエル・トッドはフランスの人口学者。 経済と人口動態から世界の力関係を見ると、 ロシアの脅威よりもEU、ドイツを利するシステムこそ ヨーロッパひいては世界の脅威になり得る。 前提としてヨーロッパ主要国の最近の情勢が分かっていないと、なかなか理解できない点も多いが、 人口動態や人類学的な観察にもとづく論説であり、 ものの見方としてためになる。
0投稿日: 2023.01.15
powered by ブクログドイツがEU圏内で歴然とした力を持つのはよくわかった。永遠のライバルである祖国フランスを卑下しつつも。日本人への警告はあまり多くなかったかも。知識量が豊富で、氏の主張は説得力があることばかり。でも前作で読んだとおり、ドイツ帝国よりアメリカの方が世界の不安定化に貢献してる気はする、実感として。
0投稿日: 2022.12.28
powered by ブクログこういう見方もあるのかと感心しました。 ドイツについて、EU内の位置、ロシア、そして、アメリカや、日本との対比を語っています。 ドイツは、すでに二度にわたってヨーロッパ大陸を決定的な危機に晒した国であり、人間の非合理性の集積地の一つだ。 ドイツというのは、計り知れないほどに巨大な文化だが、人間存在の複雑さを視野から失いがちで、アンバランスであるがゆえに、恐ろしい文化である。 ヨーロッパは、20世紀の初め以来、ドイツのリーダシップの下で定期的に自殺する大陸なのではないか。 ドイツはグローバリゼーションに対して、特殊なやり方で適応しました。部品製造を部分的にユーロ圏の外の東ヨーロッパへ移転して、非常に安い労働力を利用したのです。 ユーロのせいで、スペイン、フランス、イタリア、その他のEU諸国は、平価切下げを構造的に妨げられ、ユーロ圏はどいつからの輸出だけが一方的に伸びる空間となりました。 ヨーロッパのリアルな問題は、ユーロ圏の内部の貿易赤字です。 エマニュアル・ドット氏は、ドイツが再びヨーロッパを自殺に追い込むのではないかと危惧をしているのです。 気になったことは、以下です。 ・EUはもともと、ソ連に対抗して生まれた。ロシアというライバルなしでは済まないのだ。 ・ごく単純に、紛争が起こっているのは昔からドイツとロシアが衝突してきたゾーンだということに気付く。 ・ドイツが台頭してきたプロセスは驚異的だ。東西再統一の頃の経済的困難を克服し、そして、ここ五年間でヨーロッパ大陸のコントロール権を握った。 ・ドイツが持つ組織力と経済的規律の途轍もない質の高さを、そしてそれにも劣らないくらいに、途轍もない政治的非合理のポテンシアルがドイツにはひそんでいることをわれわれは認めなければならない。 ・もし、ロシアが崩れたら、あるいは譲歩しただけでも、ウクライナまで広がるドイツシステムとアメリカとの間の人口と産業の上での力の不均衡が拡大して、おそらく西洋世界の重心の大きな変更に、そしてアメリカシステムの崩壊に行き着くだろう。アメリカが最も恐れなければいけないのは、今日ロシアの崩壊なのである。 ・果たして、ワシントンの連中は覚えているだろうか。1930年代のドイツが長い間、中国との同盟か、日本との同盟かで迷い、ヒットラーは蒋介石に軍備を与えて彼の軍隊を育成し始めた事があったということを。 ・イギリス人は、ある種のフランス人とは違い、ドイツ人に従う習慣を持っていないのだ。「英語圏」つまり、アメリカや、カナダや旧イギリス植民地に属している。 ・エネルギー的、軍事的観点から見て、日本にとって、ロシアとの接近はまったく論理的なのであって、安倍首相が選択した政治方針の重要な要素でもある。 ・乳児死亡率の再上昇は、社会システムの一般的劣化の証拠なのです。ソビエト体制の崩壊が間近だという結論をひきだしたのです。人口学的データはきわめて捏造しにくいのです。 ・ロシアでは、ソ連時代から、継承された高い教育水準が保たれていて、男子よりも女子のほうが多く大学に進学しています。また、人口流出よりも、流入のほうが多いことからも、ロシア社会とその文化が、周辺の国にとって魅力的なのだということが分かります。 ・KGBとその現代版である、FSBはロシアのエリート育成機関なのです。 ・日本社会とドイツ社会は元来の家族構造も似ており、経済面でも非常に類似しています。産業力が逞しく、貿易収支が黒字だということですね、差異もあります。この二国は、世界でも最も高齢化した人口の国です。人口構成の中央値が44歳なのです。 ・ビスマルクに関して言えば、私はここで告白しておかなくちゃなりません。あれは実に見上げた人物だと思っているのです。いったんドイツ統一を成し遂げたとき彼はそこで止まりましたね。限定的な目標を達成して、そこで止まる器量のあった稀有の征服者です。 ・EUの喫緊の問題は、ユーロではなく、債務危機です。明晰になろうではありませんか。主権国家の政府債務が返済されることは絶対にないのです。 ・今日大陸全体にひろがる怒りのタネである単一通貨は、初めからヨーロッパなるものの否定だったのです。だから私は、はじめから単一通貨に反対でした。ユーロを救う必要が欧州レベルの保護主義を促すだろうと考えたのです。ですから、現段階で、私の選択は、ヨーロッパ保護主義によるユーロの救出ということになります。 ・社会構造がすでに個人単位となり、いわば原子化sれているため、集団行動にブレーキがかかるのです。集団的な異議申し立ての持つパワーを私は信じません。 目次は次の通りです。 1.ドイツがヨーロッパ大陸を牛耳る 自ら進んでドイツに隷属するようになったフランス ウクライナ問題の原因はロシアでなくドイツ ドイツがヨーロッパ大陸を牛耳る アメリカとEUの産業上の不均衡 アメリカと「ドイツ帝国」の衝突 2 ロシアを見くびってはいけない 3 ウクライナと戦争の誘惑 4 ユーロを打ち砕くことができる唯一の国、フランス 5 オランドよ、さらば! 銀行に支配されるフランス国家 6 ドイツとは何か 7 富裕層に仕える国家 8 ユーロが陥落する日 編集後記
5投稿日: 2022.10.11
powered by ブクログ「問題は英国ではない、EUなのだ」とよく似た内容ではあったが、EUの主導権を握っているのがドイツであり、EU自体が一枚岩になっていないことが理解できた。 他民族が一緒に暮らすコンビビアリティの難しさを実感し、これから世界はどの方向に向かっていけばいいのかわからなくなった。
0投稿日: 2022.08.17
powered by ブクログ人類学者であるエマニュエル・トッド氏が欧州の力関係を明らかにし、ドイツの支配構造を浮き彫りにしたインタビュー集。第一章『ドイツがヨーロッパ大陸を牛耳る』では14年のクリミア危機を背景として、ロシア脅威論の裏に潜むドイツ帝国の覇権や欧州におけるアメリカの凋落、ドイツに隷属する周辺国家の思惑などが指摘されている。冷戦対立に起因する《西側諸国VSロシア》という固定観念を脱却し「各国間の諸システムの間の純然たる力関係を見る」ことで、《アメリカVSドイツ》の新たな対立構造が現れる。諸国の家族制度比較を通じて経済性質の差異を解説するなど、人口学者的な視点からの分析も印象的だ。第二章以降では、自由主義に追従せず国力安定化を図るロシアや、ウクライナ危機の本質、オランド政権下のフランス社会(寡頭支配層と銀行)について語られる。本書に収録されたインタビューから五年が経ち、その間に欧州情勢も大きく変化した。ドイツ主導の難民問題でEUの平和理念は瓦解、経済的にも公的債務や英国脱退などの影響から金融安定リスクが増加している。ドイツ一強時代は早くも危機に瀕している状態だ。フランスではエマニュエル・マクロンが大統領となり、税制改革への反発から起こった《黄色いベスト運動》の余波でENAが閉校されるに至った。様々な憶測が飛び交う中、人類学的な民族性の差異を前提とする視点、政治的価値を考慮せずに各国の力関係のみに注目する視点は国際情勢を読み解く上で有効だと感じた。
0投稿日: 2019.09.21
powered by ブクログアメリカシステムとは、ユーラシア大陸の2つの大きな産業国家、すなわちドイツと日本をアメリカがコントルールする事だ。
0投稿日: 2019.03.05
powered by ブクログ・自由貿易は諸国民間の穏やかな商取引であるかのように語られますが、実際にはすべての国のすべての国に対する経済戦争の布告なのです。自由貿易はあのジャングル状態、今ヨーロッパを破壊しつつある力関係を生み出します。そして、国々をそれぞれの経済状況によって格付けする階層秩序に行き着いてしまいます ・上層階級が私にとって許しがたいのは、その階級の連中が発狂し、無責任になるときです
0投稿日: 2018.11.04
powered by ブクログ【由来】 ・図書館の新書アラート 【期待したもの】 ・内容もさることながら、人類学者ってことで、原先生にも聞いてみる 【要約】 ・ 【ノート】 ・ 【目次】
0投稿日: 2018.10.28
powered by ブクログフランス人の歴史人類学者による、ユーロ圏の政治・経済学的な現状について述べた本。あまり聞いたことのない内容であったが、これが事実なのかもと感じた。通貨ユーロによってドイツが1強状態となり、巧みな政治・外交と歴史伝統を引き継ぐ民族性とで欧州を席巻することを恐れている。中国はドイツとともに台頭を図る仲間となりつつあり、対抗勢力として鍵を握るのはロシアとアメリカだと言う。日本としては今後、ロシアとの連携が重要となると思料。 「台頭してきた正真正銘の強国、それはロシアである前にドイツだ。ドイツが台頭してきたプロセスは驚異的だ。東西再統一の頃の経済的困難を克服し、そしてここ5年間でヨーロッパ大陸のコントロール権を握った」p27 「ドイツが持つ組織力と経済的規律のとてつもない質の高さを、そしてそれにも劣らないくらいとてつもない政治的非合理性のポテンシャルがドイツには潜んでいることを、我々は認めなければならない」p28 「ドイツはロシアに取って代わって東ヨーロッパを支配する国になったのであり、そのことから力を得るのに成功した」p41 「新しいドイツシステムは基本的に労働人口の吸収によって成り立つ。最初の段階で使われたのは、ポーランド、チェコ、ハンガリー等の労働人口だった。ドイツはコストの安い彼らの労働力を用いて自らの産業システムを再編した」p50 「今日、二つの大きな先進的産業世界の存在を確認することになる。一方にアメリカ、他方に新たなドイツ帝国である。ロシアは第二次的な問題でしかない」p63 「今日、政治的不平等はアメリカシステムの中でよりも、ドイツシステムの中での方が明らかに大きい。ギリシア人やその他の国民は、ドイツ連邦議会の選挙では投票できない。一方、アメリカの黒人やラテン系市民は、大統領選挙および連邦議会選挙で投票できる。ヨーロッパ議会は見せかけだ。アメリカ連邦議会はそんなことはない」p67 「ユーロのせいでスペイン、フランス、イタリアその他のEU諸国は平価切下げを構造的に妨げられ、ユーロ圏はドイツからの輸出だけが一方的に伸びる空間となりました。こうしてユーロ創設以来、ドイツとそのパートナーの国々との間の貿易不均衡が顕著化してきたのです」p151 「ヨーロッパ各国の政府は、景気浮揚が中国とその他の新興国の経済ばかりを浮揚させるということを遂に理解しました」p188 「自由貿易は諸国民間の穏やかな商取引であるかのように語られますが、実際にはすべての国に対する経済戦争の布告なのです。自由貿易はあのジャングル状態、今ヨーロッパを破壊しつつある力関係を生み出します。そして、国々をそれぞれの経済状況によって格付けをする階級秩序に行き着いてしまいます」p218
0投稿日: 2018.10.24
powered by ブクログフランスの歴史人口学者のヨーロッパの見方が新鮮で興味深かった。自分は世界史を全然理解していないことがわかった。
0投稿日: 2018.02.18
powered by ブクログ刺激的な視点を提供してくれようとしている気はするが、私の読解力が足りないのか、翻訳が良くないのか、文章が頭にあまり入ってこなかった。グラフをもとにドイツの世界における位置づけを説明する部分は伝わった。
0投稿日: 2018.02.08
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
第7章の「富裕層に使える国家」が面白かった。その次が第8章の「ユーロが陥落する日」。前半のグルジア/ジョージア問題はあのあたりの地理や背景にもう少し私自身が詳しくなると面白さが増すのではないかと自分の力不足を感じているところ。 トッド先生は、ほんとにドイツの事嫌いなんじゃないかと思いますが、それ以上にフランスに歯がゆさを感じているのだとよく伝わってきます。あと、日本人がドイツと日本を同一視したり同カテゴリに置いたり、過度に親近感を抱く節があるのはちょっと本来のあり様から外れているよ、という指摘は結構重要だと思っています。 日本について論じているところが読みたい人は編集後記を先に呼んで参照ページを読むのが便利だと思います。流石文春、その辺のマーケティング解ってますね。
0投稿日: 2018.02.03
powered by ブクログフランス人の作者から見ると、やはり問題は天敵ドイツなのでしょう。もちろん、最近のドイツの一人勝ちは日本にいてさえ見えてはいます。でも、周辺諸国がどれくらい虐げられてるのか、それをどう思ってるのか、それとも思ってないのか、その辺までは分からなかった。
0投稿日: 2017.11.07
powered by ブクログドイツが現在EUの中心であり、今後も脅威になることを説いた一冊。 視点は面白いのだけど、いかんせん翻訳が難しいのか、内容自体が難しいのか、わかりにくかった。
0投稿日: 2017.10.16
powered by ブクログヨーロッパの真の敵はロシアではなく、ドイツだという話。 また、EUというのは、一握りの金持ちとドイツを独り勝ちさせるためのシステムで、すでにその従僕となっているフランスは、一刻も早く立ち上がるべきだという内容。 世の常識からすると、びっくりするような話で、著者がフランス人だと聞けば、ああなるほど、ドイツ・アレルギーが嵩じたあげくの世迷言かと思ってしまうが、書いたのがあのエマニュエル・トッドということならば、話は違う。 ベルリンの壁の崩壊や、アラブの春など、この人類学者の将来予測は、けっこう的中するのである。 インタビューをまとめたものなので、中身はそう濃くはないが、その分読みやすい。 刺激的な本である。
0投稿日: 2017.10.07
powered by ブクログほとんどがフランス誌のインタビュー記事なので、ちょっと読みにくいのが難点。 帯には「圧倒的な5つ星(日経新聞)」ってあるけど、3つぐらいか。 で、なんだかんだで、だいたいまあまあ言った通りになるやつっているじゃん? あれの欧州版。
0投稿日: 2017.09.27
powered by ブクログ指摘されているドイツと日本の類似性を知らなかった。 Todd の「燃え上がるレトリックに騙されてはいけないわけですね...。」と対談者が言うのが象徴的。
0投稿日: 2017.07.01
powered by ブクログギリシャ危機、ウクライナとロシアの紛争などヨーロッパの情勢については、地理的距離からか関心が少ない、情報が少ないというのが実態だろう。その他、ニュースに取り上げられる移民問題、極右政党、政府の過剰債務、貧富の差の拡大とエリート層について一刀両断で解説してくれる。EUを通じてドイツが結果として経済覇権を確立させ、他国を支配しているという。しかもそれは単にドイツだけの問題ではなく類似点を持つ日本に対する問題提起でもあるという。
0投稿日: 2017.03.20
powered by ブクログこの本も昨年末の大掃除で部屋の片隅で埃にまみれてました。表紙にまでこびりついていて、クイックルワイパーしました。帯に書かれているように、ドイツと中国の貿易の関係はとても密のようですね。 ドイツはEUで、唯一の勝ち組とされているようですが、それに貢献しているのは、ユーロ安を活用できる輸出が旺盛で、それに貢献しているのは中国です。 この本の最も印象的なのは、開いた一ページ目にある「ドイツ帝国の勢力図」です。ドイツはEUを使って、事実上のドイツ帝国の復活を目指しているような感じがしますね。 以下は気になったポイントです。 ・ドイツ帝国=ドイツ+ドイツ圏(ベネルクス、オーストリア、チェコ、スロバキア、クロアチア)+自主的隷属(フランス)+ロシア嫌いの衛星国(ポーランド、スウェーデン、フィンランド、バルト3国)+事実上の被支配(その他EU諸国)+離脱途上(イギリス、ハンガリー)+併合途上(ウクライナ)(p1) ・ドイツ帝国は最初のうちはもっぱら経済的であったが、今日では政治的なものになっている。ドイツはもう一つの世界的な輸出大国である中国を意思を通じ合わせ始めている(p37) ・乳児死亡率(1歳未満での死亡率)の再上昇は、社会システムの一般的劣化の証拠である、1976年にソ連で上昇していた(p81) ・経済指標はねつ造できるが、人口学的指標はねつ造できない(p82) ・ドイツはグローバリゼーションに対して特殊なやり方で適応した、部品製造を部分的にユーロ圏の外の東ヨーロッパへ移転して、非常に安い労働力を利用した。国内では競争的なディスインフレ政策をとり、給与総額を抑制した。平均給与はこの10年で4.2%低下した(p150) 2017年1月3日作成
0投稿日: 2017.01.03
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
2015年刊行。 困った本である。 面白い視座だなぁと読み始めたら、どうもドイツの内政・外交に関して、経済的に独の一人勝ちのみという結果だけが適示され、その政策分析は皆無。つまり著者の言い分がいかなる事実に裏打ちされているのかというのが適示されず、下手な陰謀論並でしかないのだ。 しかも、著者のこの感情的な独忌避の意味を考えるに、著者が仏人だったという笑えないオチ。かつ、WWⅠ前の露仏協商の如く、露を殊更持ち上げて見せる辺り、仏人の対独ルサンチマンを雄弁に語る書のように思えてくる。 すなわち、本書の結論部分の是非を味読するのに必要な情報。それは現代の独仏露の政治・外交・経済政策の詳細である。 その各種政策の利害得失を切り取って見せて初めて、本書の言うドイツ帝国主義の再来の正誤を語りうるはずである。 そもそも日本において、欧州各国の各々の政治情勢やその対立を詳細に報道されることは殆どない。ならば、本書では脚注での解説が重要で、訳者ないし編集者の現代欧州の政治経済(特に経済と外交)への造詣が問われるところである。 しかるに、脚注皆無な上、訳者の専門も仏文と仏思想で、やや外している。 「文春」しっかりしてくれと言いたくなるのだ。 ところが、困ったことに、切って捨てれない。 すなわち、①「政府債務(≒国債?)は民間金融機関の発明」であるとか、「政府債務の立て直し(≒国債の価値と償還可能性向上)は(国債保有者たる)富裕層・金融機関の利益のため」であるとか。 さらに、②国家は一般意志の体現者でもあるが、支配階級の表現者という両義性を持っていること。③市場システムというより、寡頭支配者層が国家や財を制御・支配という関係性が問題である、など、ウイットに富んだ面白いことを言うので始末に負えない。読み飛ばせないのだ。 実に困った本である。
0投稿日: 2016.12.31
powered by ブクログトッド氏が、最近インタビューで述べた言説をまとめたもの。 内容は、フランス民主主義の崩壊、ドイツの覇権の浮上、ロシアとの紛争の激化などです。 歴史家、人類学者、人口学者の立場で、ヨーロッパ社会の過去、現在、未来を論じており、ところどころで、日本のことにも触れている。 内容ですが、 1 ドイツがヨーロッパ大陸を牛耳る 自ら進んでドイツに隷属するようになったフランス ウクライナ問題の原因はロシアではなくドイツ ドイツがヨーロッパ大陸を牛耳る アメリカとEUの産業上の不均衡 アメリカと「ドイツ帝国」の衝突 2 ロシアを見くびってはいけない 3 ウクライナと戦争の誘惑 4 ユーロを打ち砕くことができる唯一の国、フランス 5 オランドよ、さらば!――銀行に支配される フランス国家 6 ドイツとは何か? 7 富裕層に仕える国家 8 ユーロが陥落する日 この本が出てから、イギリスのEU離脱があり、オランドの再選不出馬表明があったり、トッド氏の未来予測はとっても興味深いものであります。
1投稿日: 2016.12.09
powered by ブクログ日本だけではなく、フランスでもドイツでも、アメリカも権力中枢にいるエリートたちの頭がおかしくなっているのだそうだ。人類補完計画の始まりなんだろうな... 気を確かに持ちたいものである。
0投稿日: 2016.12.01
powered by ブクログ著者はフランスの歴史学者。EUの創設時の話は、すべての加盟国家がパワーの大きさにかかわらず平等に扱われることが掲げられたはず。実際には強国と弱小国に分けられ、絶対的強国のドイツが牛耳っていることを著者は指摘する。なぜ副題に日本人への警告とあるのか。それは日独両国の間には何となく共通性があると思いこまれているが、昨今の政治情勢を見てドイツと比せられるのはむしろ中国だからである。現代版「帝国」形成という地政学的変化を指摘した書籍。
0投稿日: 2016.11.26
powered by ブクログフランス最大の知性とかなんとか凄いこと書かれてたのでどんなもんじゃと思って。歴史人口学者の2014年頃のインタビューをまとめたもの。ソ連の崩壊とアメリカの衰退を「予言」して的中させたそうで、この本でもさらっと「イギリスはアメリカ、カナダとの繋がりからドイツ主導のEUなんかにとどまってないですよ」とか言っててさすがだなと。移民の流入にうんざりしたイギリス国民の意思かと思っていたけどそういう見方のほうが確かにしっくりくる。 タイトルは扇情的だけども要は南欧、東欧を安い労働力の供給源、市場として上手く取り込んだドイツがEUを通してヨーロッパを経済的に支配しており、フランスもほぼ膝を屈してしまっている、という現状を憂いた内容。イギリスは前述のごとく逃げちゃったしロシアのみが対抗しているもののこのままでは米独は衝突するのでは…という内容。その視点でみるとドイツ銀行の問題も別の見方ができる。戦争は何も武器だけでやるものではない。 しかし、予言が当たるかどうかは別として説明がロジカルで非常にわかりやすい。大恐慌の時にアメリカはリベラルなルーズベルトを選んだがドイツが選んだのはヒトラー。要はそういう国民性なんだ、という具合に…
0投稿日: 2016.11.06
powered by ブクログ冷戦後のヨーロッパの情勢とこれからの世界の情勢がそれぞれの国の文化から書いてあった。国単位でもエリート国が存在する。これから世界中のエリートが国境関係なしに0.01パーセントが勝つ状態になるそんなエリート(国も人も)が暴走しないようにどうコントロールするかがこれからの鍵
0投稿日: 2016.09.24
powered by ブクログもはやEUは、ヨーロッパの自由と平等を体現した共同体ではなく、ドイツの言いなりばかりのドイツ帝国だ。
0投稿日: 2016.09.19
powered by ブクログ2016/08/26:読了 今年読んだ本の中では、ベスト3に入っている。 ベスト1かもしれない。 ドイツ、EU、アメリカ、ロシア、フランスの現状分析が素晴らしい。読んでいる間中、納得し続けた。 文脈上、イギリスの離脱も、当然。 東アジアについても、こういう納得感のある本を、読んでみたいと、つくづく思った。 【書評】 イギリス人はある種のフランス人たちと違い、ドイツ人に従う習慣を持っていないのだ。E・トッド - 株式日記と経済展望 URL=http://blog.goo.ne.jp/2005tora/e/bc3086dd2f0c2de74f899beed52562ca?fm=rss
0投稿日: 2016.07.02
powered by ブクログ自分の、世界情勢、とりわけヨーロッパ情勢への理解がたりないことを棚に上げて言う。 インタビュー集なので、読みやすいと言えば読みやすいけれど、納得できる感覚が得られにくい。 対談やインタビューの宿命かもしれないけれど。 例えば。 ハワイやインドネシアで育ったオバマ大統領が、ヨーロッパ情勢に疎かったという指摘は、そうなのかも、と思える。 アジア重視の外交政策をとっていたことも知っている。 ただ、再選後から、ウクライナ危機までのオバマ政権の外交策は、「見せかけだけでない革新的な知性によるものだった」と評価だけ書かれていて、どういう面を評価しているのかが、よくわからない。 この人のヴィジョンは、次のようなものだろうか。 ドイツは、アメリカに代わり、アメリカの自由主義とは違う原理によって、これからの世界の覇権を握る「帝国」になるだろうということ。 ヨーロッパの安定にはロシアがキャスティングボードを握っているけれど、ドイツの対ロ外交の態度が一定しておらず、不安定な状態が続くであろうこと。(そしてイギリスはEUを離脱するであろうこと。) 昨年、ドイツに仕事で行くことがあって、その豊かさに目を見張った。 あんなに寒い冬にも、ホテルのビュッフェはもちろん、スーパーにも生野菜のサラダがふんだんに、安価に並んでいる。 でも、電車で数時間の町では爆弾テロが起きている。 それ以来、一体ここで、何が起きているんだろう、と気になっている。 もう少しベーシックなところから、勉強しなくちゃ。
0投稿日: 2016.06.11
powered by ブクログ「ドイツが普通に努力するだけで周りはついてこれない。」ということは容易に想像できる。価値観の違いは人口動態に反映され、そして著者の考えに至るのだろうと思った。 フランス人による本だけに、前提とする欧州の基礎知識のレベルが違いすぎて、難解ではあった。
0投稿日: 2016.06.11
powered by ブクログ少し過激な口調で難しいこと話すがみんながわからないようにではなく頑張って調べればわかるように話す。 ロシアは戦争する気はない、ロシアの出生率は伸びている、ロシアの大学は女子の比率が高い、フランスもイタリアもスペインも実質的にドイツに支配されている、などなどとても新鮮な情報にあふれてた。オランドの話で、一般市民がこんな数字知ってどうするのみたいな話、よく理解しないで騒いで批判する市民を煽るマスコミはときには批判して良いのだと思った
0投稿日: 2016.06.10
powered by ブクログインタビュー形式の翻訳ものなので、ちょっと意味がとりづらいところもあったが、現在のヨーロッパを理解するうえでは役に立つところが多かった。 どうしても自分が好きな国ばかり勉強してしまうが(私の場合はフランス、イタリア、イギリス)、やはりヨーロッパは1国だけ理解していてもダメで、特に19世紀以降はドイツを抜きにヨーロッパを理解することは、物事の片面しか見ていないことになっていることを痛感した。ドイツおよび中欧、そしてその向こうにいるロシア、これらについてもっと深く学ばなければと思った。来月にはイギリスがEUを離脱するのかどうか住民投票が行われるが、ドイツという存在がこの住民投票に及ぼす影響を注意深く見ていきたいと思う。
0投稿日: 2016.05.21
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
日本に言及したところもあって、なるほど…とは思うものの、フランスのことがわかっていないから理解しきれず。
0投稿日: 2016.05.14
powered by ブクログドイツと言えば大戦時のことはさておき、わが国ではお手本の国のひとつとして扱われている。 ドイツでは、なんてしたり顔で言う人、多いよね。 ヨーロッパの平和を脅かすのはロシア、という絵もよく見る。だが本当にそうか? ドイツは、アメリカと衝突しはじめている。みな、ロシアが幅を利かせてきた、と思うだろう。だがそれ以前にドイツだ。オランドはドイツ副首相と言えるほど、フランスはドイツに対して自発的隷属を選んでいる、とフランス人の著者は語る。 ドイツにはロシアのパイプラインの出口がある。パイプラインの問題はウクライナを通過していることではなく、ドイツに出口があることだ、という。ウクライナを通らないガスパイプラインが作られる、というのはドイツからエネルギー供給のコントロールが失われるということも意味する。 ドイツは中華思想とは違うけれど帝国を築いている。近隣諸国は安い労働力でドイツ支配下にある。 著者は穏健な考えを過激に言っているんだ、とは言うけれど、本当に穏健かなあ。 フランスは普遍主義ゆえに異なる社会を異なるままに分析する能力に欠ける、という記述があった。これに僕はとても感銘を受けた。 一方で、政治指導者にサイエンスフィクションを読んで頭を空っぽにし、精神を外に開くことを勧めたい、なにしろ彼らはどこへ向かっているかも知らずに、実に決然とした足取りで歩いているからね、とも。これも響いた。 実に決然とした足取り。迷走した政権も批判の対象となるが、決然したそれもまた怖い。いや、一応日本人への警告、とあるからそんなことも考えては見るが、やはりヨーロッパで何が起きているかを真面目に知ろうとすることが大事かな、と思った次第。逃避ではなくて。
0投稿日: 2016.05.11
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
ドイツがヨーロッパでどのような役割を果たし、それによってヨーロッパを変質させて行っているかがわかる本。 ■学び ドイツのように、他国(東欧圏)に対して、賃金が安いが質のよい労働力を確保して、そこでの生産および利益が、自国ないし自国経済の登場人物に還流する仕組み(帝国のシステム)を作りだす志向性を持たなければならないということ。 つまりは、自らそれを志向しなければ、他の帝国を志向する隣人に、位置付けられ、利用され、下位序列化されてしまい、そのシステムから抜け出せなくなるということ。フランスがドイツに飲み込まれてしまっているように。 ■気づき 金融資本を操る超富裕層が、国家に金を借りさせている状況を作っているという点であり、無能無策な国家が、呑気に支出した結果、金が足りなくなり、借金をしているのではないということ。 超富裕層(ここではゴールドマンサックスの名前が頻繁に挙がった)の余った金の運用先として、国家債務があり得るということだった。 だから、ギリシアはデフォルトさせてもらえない。つまりは、金を返さなくてはならない状況に追い込まれているとのこと。
0投稿日: 2016.05.03
powered by ブクログ以前、書店で平積みになっていたので、気になり図書館で借りて読みました。 ヨーロッパ事情に暗いため、私にとっては難解でしたが、フランスから見たドイツについて、ほんの少しだけわかった気がしました。 何よりも自身の勉強不足が身にしみました。(ですので、本書の評価の星はつけないことにします)
0投稿日: 2016.04.18
powered by ブクログ戦略的に周辺国を実質支配することにより嫌われるドイツ、戦略なく没落したため周辺国から軽蔑される日本 ドイツも日本も低賃金の周辺国と分業関係を構築してきた。 ドイツはそうした分業関係を構築する傍らで外交力を発揮し、欧州の中で政治力を高めた。 日本企業の多くは薄利多売、シェア拡大指向で国内経済は衰退の一途、お馬鹿な政治家と企業経営者によって海外諸国から軽蔑視されている。 フランスに対する自虐意識をいささか強く感じるが、フランス人の著者の見方は英文メディアでは見かけたことのない斬新さがあり、興味深い。 ウクライナについては少し本を読んで歴史を勉強したが、著者の記述は若干デフォルメされているものの、概ね正しいようだ。 日本とドイツの経済を対比して考えるうえで刺激的な材料を提供してくれる貴重な文献である。
0投稿日: 2016.03.21
powered by ブクログフランス人の著者がドイツがヨーロッパ大陸を牛耳りつつあることを、隷属するフランス、ウクライナ問題を皮切りにドイツ圏などドイツが経済的に支配している地域や米国との衝突などを解説、まさに第四帝国化するドイツです。現在のドイツの好調はユーロを巧みに利用した通貨安と工場などを人件費の安い旧東欧に設置して実現している。なるほど、インダストリー4.0が国家プロジェクトである理由がよく分かります。「IoTでものづくり復権」などとぬるいことを言っているどこかの国と違って、国としての戦略が明確です。まぁ、欧州の他国民がどう思うかは別問題ですが。。。
0投稿日: 2016.03.06
powered by ブクログ記事が書かれたのが2~5年前で古い話ばかりだけど、先に読んだフランス国内政治の本よりはだいぶわかりやすかった。EUという試みは最初から帝国だったと思うしフランス人である著者が帝国を嫌うのもわかる。となるとやはりわからないのはフランスがなぜ参加してしまったのかだな。
0投稿日: 2016.02.25
powered by ブクログエマニュエル・トッドがここ数年の間に、 いろいろなインタビューを受けており、 その内容を翻訳して、とりまとめたもの。 あとがきによれば、本人からの売り込み?による企画らしい。 ウクライナ問題やユーロ危機について、 どのような見方をしているのか、 とりわけロシアに対する見解は氏ならではのものだと思う。
0投稿日: 2016.02.15
powered by ブクログ大変興味深く面白い内容だった。 丸丸全部言う通りということはないと思うが 確からしいと思えた内容だった。 面白かったなという点を抜粋しようと思ったら 巻末の編集部の編集後記にすごくきれいにまとまっていた。 ここまで綺麗に読んだ内容をまとめられないなと感じ 歴史や現在の社会情勢に対する自分の知識のなさを特に感じた。 それはさておき 文中にあった 直系家族構造は今では先進国にはもはや存在しないがそれでも長年の間に培った権威、不平等、規律といった諸価値つまりあらゆる形におけるヒエラルキーを、現代の産業社会・ポスト産業社会に伝えた。 というところがまさに『ドイツとは』を知るベースの部分であり、日本にも通ずるところかなと思った。 以前別の本でも感じ、最近よく思うことだが、 人の性格は十人十色、個性云々と言われるが、全体でも 個のようにふるまうことがあり、大きな流れの中ではもがいても為すがままということがあるのだなぁと。 大昔から民族がどんな風に暮らしてきたかで既に決まっていて、自分は認めようが認めまいがその一部であるんだなぁと。 そういうシステムなんだろうと。 ただ、それを見極めるためにも 圧倒的な知識が必要だなと思った。
0投稿日: 2016.02.08
powered by ブクログ現代におけるドイツの擡頭(他の欧州諸国に対する経済的・政治的支配による「ドイツ帝国」化。ヨーロッパの危機)を軸に、EU問題(ユーロ問題)、フランス批判、ロシアの「健全さ」(女性の活躍率など)、アメリカ帝国の崩壊…等も描く。 巻頭の「ドイツ帝国」の勢力図を見れば、まさにヨーロッパの現状が一目瞭然である。 本書を読み、とりわけ、ドイツ、フランス、ロシアに対するイメージが大きく変わった。 国家の基本的な性格は、歴史に学ぶことでよく知ることができると再認識した。 ただ、「なぜそう言えるのか」というところの根拠、論理の説明が不十分なところが随所に見られる。 また、翻訳が基本的に読みにくいのが大変残念。 もう少し、日本語として分かりやすくなるよう意を用いてほしかった。
0投稿日: 2016.02.04
powered by ブクログ金融資本主義が国家を支配しており、欧州では最強金融資本であるドイツが、EUというシステムを使って欧州の支配を進めているというのが論旨です。ウクライナ問題を通して、ドイツ、ロシア、アメリカの動きを読み解いたり、中国への接近も触れています。これらの動きは、勿論、アメリカの凋落と符合しています。確かに翻訳が拙劣ですが、日常的に接している米国発の偏向情報とは違う視点で、欧州事情や国際情勢のリテラシーが磨かれます。
0投稿日: 2016.01.30
powered by ブクログちょっとトリッキーに喋り過ぎて、暴論ぶちまけた感がある。寡頭金融支配層が世の中を都合良く動かしている現状を打破するには、輪転機を回すこと。つまり、国家の負債先は金持ちであり、血税が金持ちに回るメカニズムが出来上がっている。それを直すには、政府債務のデフォルトなのだろうか。 金持ちが世の中を支配する構図は、我々誰しもが気付いている。いや、我々が金に支配されていて、その金が自動的に与えられる階級が存在するという事実がある、と言うべきか。お金の暴走を防ぐために、一応の法律が設けられてはいる。そのため、我々は、完全にお金の奴隷になるわけではない。お金があっても、今すぐ人を立ち退かせたり、その人の妻を奪う事は許されない。あくまでも、法律上は。 しかし、この限界を超える方法がある。政治に介入し、法律を変えたり、軍事介入、国家間バランスの操作…。民間の生きやすさの指標は、人口統計しかないのか?ドイツという国を通じ、考えさせられる一冊である。
1投稿日: 2016.01.24
powered by ブクログ借りたもの。 ロシアのウクライナへの介入に端を発した対立構造、欧米 vs. ロシアという図式は、かつての冷戦のぶり返しでは無いことを著者は指摘する。 西側諸国のロシアを悪のように見立てる報道に対して「待った」をかける視点は大切だと思う。 ロシアは戦争をしたい訳ではなく、ウクライナへの介入は対ロシア包囲網を恐れていること、プーチン大統領は立ち直りつつあるロシアの国力まだ脆弱であることを自負していると分析。 ユーロ、ひいてはEUを経済面から動かしているドイツ――その影響力から「ドイツ帝国」とし、世界は独・米・露の三つ巴の勢力争いになっているという。 そしてこの均衡が崩れた時を懸念する。 経済の危機――ユーロという統一紙幣の中で、`諸国民の文化や習俗の違いに大きく起因する経済問題が現れて(p.150)´いるという。 家族構成から見る文化的差異ーー家族的・家父長的性格のドイツと、遺産は男女関係なく平等に分け与えられ、自律的な家族ユニットを築く事が当然とされているフランス。 こうした差異が齟齬を生む事をふまえ、ドイツが提唱する経済モデルに追従しようとするフランスを批判している。 著者が親露嫌独ではなく、人口学や文化的な差異から読みといた結果がそうなるという。
0投稿日: 2016.01.11
powered by ブクログ普段とは畑の異なる本をと思い、買い求めましたが、あまりにも畑が違いすぎました。 書いてあることがさっぱりわからない。 しかしながら、決して著者にも非はありません。 単に私の理解力不足によるものです。 以上の理由から、評価の星はつけることはいたしません。 己の教養のなさを痛感する2015年最後の読書でございました。 付箋はわずか二枚のみつきました。
1投稿日: 2016.01.01
powered by ブクログかなり前に、ヨーロッパ問題とはドイツ問題のことだ、と聞いたことがあるが、実際にその通りになっていることが特にギリシャ危機以降に顕著になってきた。ECが統一通貨ユーロを採用したことで、ドイツとその他の国の関係になってしまったのだ。 このことをさらに発展させてアメリカと対立すると警告しているのが本書である。もはやドイツ帝国であると言うが、現状をシビアに考察すれば、やや過激ではあるがそんなに突飛な意見ではない。その辺の考察をインタビュー風にまとめた本であり、なるほどねと思うところもある。難しい言い回しも多々出て来て分かりにくいところもあるけど。 つまり本書は書き下ろしではなく、2011~2014年のいくつかの筆者へのインタビュー集である。古いのが後になっているので、順番は逆がいいように思う。また、書名が注目を浴びたいがために決めたとしか思えないほど下品でセンスがないのが残念である。
0投稿日: 2015.12.24
powered by ブクログ・人口学的指標 ・家族構造 等、国家関係や政治的な出来事を見るときに、考えたことのない視点が多く、面白かった。 ドイツとアメリカは衝突する(してる)のですかね…。 ただ、私には基礎知識が皆無なので、この人の言うことが妥当なのかどうかは分からないのですが。 最近になって国際政治に興味を持って少しずつ本を読んだりしているのですが、難しいですね(ひとは見たいものを見て言いたいことを言うものだな、とつくづく思います)。
0投稿日: 2015.12.23
powered by ブクログ筆者はフランスの歴史人口学者、家族人類学者さん。 プーチンのロシアをすごく評価しているように感じた。ドイツという国、国民をとても警戒していて、そして母国フランスの理念(私は「自由と平等」を重んじてるのだなと感じた)を実行できずにいる政府へ失望している。 家族人類学者というだけあって、話題の中で家長父制についても言及してる。ドイツと日本にあてはまると。 人口学的なデータは他のデータよりも捏造しにくいという話は興味深かった。
1投稿日: 2015.12.04
powered by ブクログギリシャ危機はEUを率いるドイツがまねいたもの。 アメリカさえも制御できなくなっているドイツの戦略的な巨大化に警鐘を鳴らす。
0投稿日: 2015.11.29ヨーロッパやアメリカ、ひいては全世界が恐れるべきなのは、ロシアよりドイツだ!
パリでのテロを受け、これまで「ドイツ副首相」とまで揶揄され、埋没しがちだった指導力を急速に回復させつつあるオランド大統領。 本書で展開される主張もこの事件を受けて多少変更されるかもしれないが、著者の根強い「ドイツ嫌い」は揺るがないだろう。 ドイツは、権威主義的で不平等な文化の国であり、給与水準抑制策をたいした抵抗にも遭わず実施できる国であり、政権交代よりも好んで国民一致を実践する、途轍もない政治的非合理性のポテンシャルが潜んでいる国だとする。 普通の人であれば、たとえ隣国に不満があっても、その国の長所、たとえば規律の高さや優れた工業力などがあれば、それを渋々ながらも認めるものだが、著者にかかるとその長所の源泉が自国の文化と相容れないと激しい拒絶を示すのだから、まるで取り付く島がない。 ちなみに、著者の警戒すべき対象国には日本も含まれていて、この他にスウェーデンや、ユダヤ、バスク、カタロニアなどが、驚異的なエネルギーを生み出し得る社会文化として挙げられている。 著者とすれば、「EUの優等国 = ドイツ」という評価がまず我慢がならないのだろう。 ふつうヨーロッパの人々が恐れてるのは、ロシアの膨張主義の方だけど、著者はそれを「安定化」と肯定的に評価している。 クリミアやウクライナをめぐる紛争で擡頭してきているのは、ロシアではなく間違いなくドイツだと考える。 さらに昨今のドイツの、軍事的コストを負担せず、政治的な発言力を強め、裏切りととられるような反米的でアグレッシブな態度にも違和感を表明する。 アメリカが真に恐れるべきなのは、ウクライナでの勝利による、ドイツシステムの拡大とロシアの崩壊なのだ、と。 ドイツの民主主義に対する徹底した不和をどう評価するか意見が別れるところだが、ユーロ危機の実態やEU域内の各国の思惑とパワーバランスの変化など、傾聴に値する指摘も多い。
3投稿日: 2015.11.24
powered by ブクログ題名はミスリーディング。フランスのじいさんの面白い話位の位置付けで読んだほうがいいと思います。何しろ切り口が斬新で見たことのない景色を見せてくれる。そういう見方もある、位のスタンスを楽しめる人に。通貨発行権ってのは国家にとって本質でユーロとかバカじゃんとは私も大学の頃から思っていて、それをそのまましゃべったらユーロ国際学生招待イベントのオーディションに落とされたことを思い出した。安い東欧の労働力を軍事負担なしでてにいれたドイツ。とかアメリカの覇権の終わりを認識しないと始まらないとか、楽しい。新生児の死亡率の上昇からソ連の崩壊を予想したトッドさん。必読
0投稿日: 2015.11.17
powered by ブクログ正直、ユーロ巡る問題でドイツは嫌いだけどドイツの有権者が意図してるわけでも ドイツ国民自体がドイツ拡大の恩恵をさほど受けてはいない点は勉強になった
1投稿日: 2015.11.15
powered by ブクログEUの中心で勢力を拡大するドイツ。過去を反省し補償を厭わないことで、日本もドイツに学べと息巻く向きも多いようだが、勤勉さや家族体系に共通点はあっても、日本とドイツはやはり異なる国家なのだと改めて感じた。著者はフランス人であり、ヨーロッパ大陸の中央から世界を見ている。ロシアは戦争の機会を狙っているのか。アメリカは強さを取り戻せるのか。そしてフランスはドイツの独走を止めることができるのか。歴史人口学者の穏やかだが確固とした言葉に、物事を別の視点から見ることの大切さを感じた。
1投稿日: 2015.11.15
powered by ブクログドイツというか、ドイツが中心になったEUか。 ロシアへの考えも面白い。なんつっか、途中からどうでもよくなって、果てた。
1投稿日: 2015.11.01
powered by ブクログ著者の最近のインタビューをまとめたもの。 フランス人として、隣国の再度の台頭に警告を発している。 ドイツ経済が元々の力に加え、東欧の崩壊を安価な労働力の確保に働き、ユーロの優位性を活かして域内の緒国家を従える形になってきた。アメリカは弱体化して、ドイツを抑えられなくなってきた。 地勢学的にはロシアと対抗するが、そのうらで中国と結び付きが強くなるのは当然か。
0投稿日: 2015.10.30
powered by ブクログいやあ、興味深かった。 タイトルは刺激的であるが、そのタイトルに負けない中身だった。 欧州を中心に起きているさまざまことを整理するとこういった見方になるのかという驚きがある。 ただそこには全く、論理の飛躍はみられず、過去の歴史とドイツ人(特にエリート層)の気質を考えると非常に理解できる。 ドイツのエリート層は、意識しているのか意識していないかはわからないが、ドイツ人がEUを運営するという立場になったとき、こういった行動をする(しがち)というのも肌感覚でわかる。 私は、立場上EUをドイツ人を通してみているのだが、そのほか(それも中心的立場のフランス)の国の人からこういう意見が出てくることに驚きを感じたが納得もした。 EU(全体としての)の悩みも深いな。。。 ちなみに、アメリカ・ロシア・中国も納得の解説でした。しかし日本には世界的ビジョンないなあ。
0投稿日: 2015.10.17
powered by ブクログEUはドイツが一人勝ちするシステムになっており、ドイツにストップをかけるのがフランスの使命でありながら、現政権はなっていない!・・・ということを云いたいらしいんだが・・・ EUの歴史や情勢について、かなりの知識を想定した対談形式になっており、本書の内容を理解するには、もう少し予備知識が必要であった、
0投稿日: 2015.10.06
powered by ブクログ欧州情勢を扱ったニュース番組なんかでの際立ったメルケルの登場数を見るにつけ、ドイツがEUの主人になりつつあるのかな、と感覚的にはわかっていたけど、つまりそれは、ユーロを守るためにといっては各国に緊縮財政を強いることでリアルにEUを実効支配している今のドイツの姿だってことだった。そしてそのドイツに隷属している母国フランスへの、著者の嘆き節を読むと、やはり日本での見え方とはちょっと違うヨーロッバ諸国の姿が見えてくるのが面白い。ドイツはもともとが家父長制度の国で、規律を受け入れ全体のためにひとつにまとまろうという意志が強く、また持ち前の産業技術力と旧東欧諸国の低賃金労働をとりこんでいく一方で、自由と平等を第一とするフランス始め、ドイツのようには緊縮財政も給与の引き下げも国民性として受け入れられず、かといってEUから抜けられないため平価の引き下げも許されないという他のEU諸国との相対で、とびぬけた貿易黒字をあげ一人勝ち状態になっているという著者の分析は明快だ。西側から見ると脅威といえばロシアとイメージしがちだが、それが過去のイメージにとらわれたもので事の本質ではない。そういった目でウクライナ問題をながめてみると、だいぶ認識が変わってくるのだ。
1投稿日: 2015.09.22
powered by ブクログソファーに寝転んで、イッキに読んだ。 図書館で、買ってもらえるように申請だしたら、すぐに買ってくれて、すぐに借りれた。 うれしい。 フランス人には、潜在的にも、ドイツ人嫌いが多いと思う。 日本人が、隣国を嫌うように。 中国や韓国が、日本を憎悪してるように。 ドイツ人は、フランス人より優秀だよね。 科学的に、経済的に、ドイツはフランスより進んでる。 トッドがいうほど、ドイツ帝国は、世界に影響を及ぼすだろうか? 中国が世界に影響を及ぼすのは分かる。 アメリカが世界に影響を及ぼすのは分かる。 しかし、ドイツって、そこまで影響力あるかな? 無いと思う。 トッドは、EUに否定的みたいだけど。 オレは、EUに肯定的だ。 トッドは完全に間違ってる。 EUというのは世界史のうえでも偉大な実験だったし、とりわけユーロは、決定的に重要な実験だった。
1投稿日: 2015.09.17
powered by ブクログ国際政治にある程度通じている人とそうでない人とで、この本の評価は分かれるのではないかと思う。著者の主張を理解する(味わう)には行間を読むチカラが必要で、それが不十分な人の評価は低くなる傾向があるのでは。ということで☆2つ。。
0投稿日: 2015.08.30
powered by ブクログ本の帯には「現代最高の知識人による世界情勢論」となっており、著者も自分はドイツ嫌いではないと言っているが、中身はドイツに対する嫌悪感溢れる本です。知的で論理的という知識人とはチョッと距離がある感じがしました。 言い換えれば、フランス人のドイツに対する感情を代表した意見かもしれない。 個別に見ると、 「ロシア系である人々がウクライナ東部で攻撃されており、その攻撃はEUの是認と支持と、そしておそらくは武器でもって実行されている。ロシアは事実上ドイツとの戦争状態にあることを知っていると思う」 「ドイツはもう一つの世界的な輸出国である中国と意思を通じ合わせ始めている」 「この(EU)行き着く先は、ヨーロッパ大陸のドイツ以外の国々の産業システムが崩壊して、ドイツだけが得をするというシステムだ」 またロシアに対しては同情的で、 「ウクライナの危機におけるロシアの外交的観点は、非常にシンプルです。つまりロシアはウクライナにNATOの基地を望まない。そんなところに基地を作られたのでは、バルト三国とポーランドからなる包囲網がいっそう強化されしまうというわけです。それだけのことなのです」「ロシアが好戦的になることはありえない」 中国に対しては, 「中国はおそらく経済成長の瓦解と大きな危機の寸前にいます」 そしてアメリカに対しては、 アメリカはドイツに対してコントロール出来ていないし、またアジアでは韓国がアメリカの戦略的ライバルである中国と共謀し始めているのをコントロール出来ない体たらくが問題であると。 著者は世界秩序を維持するのは米露の協調なのに、アメリカはそれを理解していないと嘆いている。 最後に日本に対しては、 通常ドイツに比せられるのは日本であるが、「地域の安全保障の問題として考えた場合、ドイツに比せられるのは、日本であるよりも、アジアにおける中国なのかも知れない」 現在の日本の置かれている国際的な位置は、ヨーロッパにおけるドイツのそれよりも、英、仏、伊と言った諸国のそれに近いのかも知れない。
1投稿日: 2015.08.24
powered by ブクログ「帝国化」を進めるドイツと,その片棒を担ぐ母国・フランスに対する批判と激情が爆発している一冊です。 「ドイツ嫌い」ではないと自称する著者のトッド氏ですが,もしそれが本当であれば,彼は「ドイツ恐怖症患者」かもしれません。 たしかにドイツの存在は,ユーロ圏内,そして世界にとって脅威となり得るかもしれません。 しかし十分な軍事力を持たずに平和主義を標榜する国が,「帝国」として世界に君臨することが果たしてできるのでしょうか。 宮崎哲弥氏が「名著」と呼び,日経新聞が「圧倒的な5つ星」と評価する本書ですが,私のような無学の者にはそれらの評価にピンと来ませんでした。 しかし,いくつか印象的な部分がありました。 ひとつは,ロシアの存在です。 欧米諸国がロシアを過剰に脅威として捉え,「対ロシア」がドイツの帝国化の柱となっている点を指摘する著者の主張には納得できます。 そして,日本の存在について,編集後記で以下の通りまとめられている。 「地域の安全保障の問題として考えた場合,ドイツに比せられるのは,日本であるよりも中国なのかもしれない」 「現在の日本がおかれている国際的な位置は,ヨーロッパにおけるドイツのそれよりも英・仏・伊といった諸国のそれと比定すべきであろう」(いずれも編集後記) どうしても「似ている」と思いがちな,日本とドイツ。 ドイツを模範とすべきという論調が我が国には多いが,本書を読む限りでは,この国の経営にはそれほど持続可能性が高いとも思えない。 他国の真似ばかりするばかりでなく,我が国は我が国らしく国家経営をしてゆくべきだという思いを改めて強くした。
1投稿日: 2015.08.11
powered by ブクログエマニュエル・トッド鋭い指摘。ユーロ圏、ドイツ一人勝ち。フランスにはドイツがいて、日本には中国がいる。
0投稿日: 2015.08.06
powered by ブクログドイツがEUを経済的に牛耳り、ドイツの衛星国となったフランスやイギリス以外の西ヨーロッパ諸国に対し民主主義という名の支配体制を築く。 EUを繋ぎ止めるのはもはやロシアに対するヘイトのみとなるが、ロシアも出生率を見る限り今後一つの勢力となると考える。支配体制についたドイツは歴史から見るように不安定な支配欲を爆発させるが、これに対しアメリカやロシアがどう抑え込むかが今後の鍵になるという展開。家族構造と社会システムの相関に注目したトッドらしい、ウクライナの分析はさすがと言える。
1投稿日: 2015.07.27
powered by ブクログフランスの人類学者で保護主義的な人の読み物って今まで読んだことなかったのでいろいろと新鮮。 独露関係や、米の力が弱まってからのドイツの擡頭、ユーロやマーストリヒト条約なんかがドイツ帝国を下支えする制度になってる話など。 それと自分の見方がそうおかしくなかったってこともわかった。クリミアがロシアに編入された話だけど、ロシアが力でみたいな日本で一般的な理解とは違う見方。まぁ力づくではあったろうけど、そこに住んでる住民の感情ってのもちょっと勘案してる感じの。
1投稿日: 2015.07.26
powered by ブクログ細かいことは抜きにして、どこの国も病巣ってあるもんなんですね。 マスコミからの情報だけでは見えないところがよく見えました。 タイトルから見え見えですが、ちょっと偏りがあるように感じますが、、、
0投稿日: 2015.07.21
powered by ブクログ多様な文化を持つ国々を単一通貨でまとめて巨大な経済圏を創出しようとする試みはどこへ向かうのか。著者が想定するような将来は極東に住む我々が思う以上に現実的なものなのかもしれない。新書にありがちな扇情的なタイトルはともかく、断片的なインタビュー記事を一冊にまとめた編集が上手い。
0投稿日: 2015.07.20
powered by ブクログEU とユーロは欧州諸国民を閉じ込め、ドイツが1人勝ちするシステムと化している。ウクライナ問題で戦争を仕掛けているのもロシアではなくドイツだ。かっての悪夢が再び蘇るのか? ドイツがヨーロッパ大陸を牛耳る、 アメリカの白人デモクラシー 支配者たちのデモクラシー、 人種差別時代のアメリカ、白人グループ内部の平等が、アメリカは元住民および黒人に対する支配によって保証されていた。 イスラエルの民主主義に一体感と自由が存在するのは、敵とみなされるアラブ人たちの集団が存在していることによってであるから。
0投稿日: 2015.07.19論理建てと翻訳が良くて読みやすい情況論
「ヨーロッパはドイツのリーダーシップの下で定期的に自殺する大陸なのでは」という人類学者のインタビュー集。日本とドイツは直系の家族構造から権威主義的なメンタリティが似るなどの指摘が興味深い。一方、地政学的には置かれている立場が全く違い、それがもたらしている状況の違いもうまく捉えられているように感じた。
11投稿日: 2015.07.08
powered by ブクログ所々示唆に富んだ内容もあるが、日本人向けに書かれたものでないため読みづらい。欧米では売れたのだろうが、タイトル売りの感が否めない。
0投稿日: 2015.07.07
powered by ブクログ挑発的なタイトル過ぎて最初ちょっと引き気味でしたが、読んでみるとそれほどエキセントリックな感じではなく、むしろ地理、歴史、経済データ等を踏まえて現在のヨーロッパ情勢を理詰めで説明してくれており、とても勉強になりました。 それにしてもさすがにドイツのことをこき下ろしすぎのように思えるのは筆者がフランス人だからでしょうが、現在のギリシア問題を見る上でも、単に怠け者のギリシア人がけしからん、ドイツが怒るのももっとも、といった単純な見方では的を射ていなかったこともよくわかりました。 世界というのは複雑で、いろいろな情報ソースに当たってみないと判断が偏ってしまうことがよくわかります。それに気づかせてくれただけでも、価値のある本だったと思います。
0投稿日: 2015.07.07
powered by ブクログ世界地図の上では、ヨーロッパの中ひしめく国々の一つにすぎないドイツ。著者は、そのドイツが、「ヨーロッパ大陸全体を牛耳っている」といいます。 本書は、見えざる「ドイツ帝国」の存在を明らかにし、その存在がヨーロッパや世界に与える影響について、わかりやすく解説した一冊です。 詳細なレビューはこちらです↓ http://maemuki-blog.com/?p=6389
0投稿日: 2015.07.02
powered by ブクログ「ー」 ドイツはヨーロッパを支配しようとしている、悪い意味で。それがこの著者の主張である。今までにない見方でドイツについて話しているので、その視点と考え方は面白かった。しかし、些か陰謀めいていないか。ロシアがスノーデンを保護したことにより、ロシアの存在こそが言論の自由を保護しているという考えには、なるほどと納得した。
0投稿日: 2015.06.14
powered by ブクログ現在のドイツについてこの視点はなかった。政治・経済の優等生で、いちはやく脱原発に向かう、国民の意識の高さと民主主義。EUの経済を牽引する勤勉さとその成果。おしなべて良いイメージを持っていた。 しかし人口学者エマニュエル・トッドの見方は違う。 ソ連の崩壊の予測を人口の推移データから的中させ、グローバリズムをアメリカニズムと切り捨ててその帝国の衰退を予言するフランス人の彼が見るドイツは、EUを事実上牛耳り、新たな経済圏を東へと拡張してロシアに迫らんとしている、無邪気にして尊大な帝国の復活である。 ウクライナ問題にしても、西側の報道には現れない、別の側面が存在する。EUが肩入れする現政権がナチスに親しい極右勢力であることも、今は問題視されていない。 あまりに強大になったその力を押さえる勢力はもはやEU内には存在しない。その脅威を論じる人間は少ないようだ。 物事には必ずカウンターとなる意見があり、それを丁寧に読むことはきっと大切なことなのだと思う。
3投稿日: 2015.06.11
powered by ブクログそうは思えないという直観や、常識、歴史上とったその国の行動、数値、人類学的な家族構造の問題……トッドが自分の認識を示すための根拠の示し方は、こんな風にいささか行き当たりばったりという感じがする。 自分の見通し、見立て、世界観があって、適当な根拠付けをしている……というような。 新書に望むべきものでもないかもしれないが、全てを鵜呑みにすべきではない。トッド自身が最後まで言っているように。
1投稿日: 2015.06.10
powered by ブクログフランスの新聞・雑誌・インターネット上に掲載された著者(トッド氏)へのインタビューをまとめた本。 現在のヨーロッパ、EUにおけるドイツの立ち位置(脅威)を分析している。 フランスとドイツの関係、本書の最後の方(2011年ごろ)、フランス大統領選挙前に行われた分析など、興味深かった。
0投稿日: 2015.06.08
powered by ブクログ本の題名に惹かれて購入。 読みにくかったのは、翻訳が所々直訳のせいかもしれないが、カッコ付きの「ドイツ帝国」がその輪郭を表しているというのはとてもよくわかる。 ギリシャ財政危機を契機に、ユーロの構造的な問題が表面化し、それはつまり通貨がその域内の経済的実力に見合わないことによる不当な高さもしくは低さによる不均衡から利益を得る国とその逆が現れているという問題だ。 その問題は、まず経済的な領域に表れ、次第に政治化していく。その政治化した先にこの「帝国」が表れるのかもしれない。 そもそも帝国とは、イギリスの大英帝国の時代から経済的な植民地支配を行った上で、その基盤の上に軍事的な「実行支配」があったのだ。それは川北稔『イギリス、繁栄のあとさき』でも主張される「帝国」という概念の本質である。 ただ、自国の軍隊による実行支配などという余計なコストを支払わない分、現代の「ドイツ帝国」はより効率の良い帝国であるということだ。
1投稿日: 2015.06.02
powered by ブクログなぜドイツが? と思わせるタイトル。でも、このタイトルは誇張でもなんでもなく、中身もドイツ圏の分析に当てられている。 ただ、軍事パワーバランスから見たというより経済の側面から見た分析であって、もちろんドイツが侵略戦争をしだすと言う話ではない。 トッドという学者は、どちらかというと玄人向けの学者という認識だったけど、かなり実社会にコミットしてる人なんだなと。そして、過激な発言で知られる人なのね。 個人的には、大学で韓国の開発社会学の授業のときに参照してたけど、当時は家族社会学を基礎に分析する方法がどうも古臭く感じられた覚えがある。その意味での疑問は、やはりこの本にもつきまとうんだが、どうだろうか?(長子相続の伝統が権威主義的文化を作り出したという見方など)
1投稿日: 2015.05.30
powered by ブクログブログに掲載しました。 http://boketen.seesaa.net/article/419767550.html 「ホントかよッ!」4連発。当否を判断できないオモシロ過激発言。
0投稿日: 2015.05.30
