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舟を編む
舟を編む
三浦しをん/光文社
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総合評価

1604件)
4.3
742
554
190
17
2
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    三浦しをん先生は感情の描写が肉肉しい。 まじめというある意味非現実的な、強力なキャラクターを中心において、それを囲む人物たちの感情をリアルに描いている。そこに読者は共感する。 西岡さんと同じくらい、もしくはそれ以上に岸辺さんの感情や人間性をグロテスクに描いても良いと思った。 全体的に平和なストーリーである。 安心して読めるのだけど、もう少し刺激も欲しいかなと思ったり。どんな展開が考えられるだろう。 たとえば、編纂を妨害する人物があらわれる。 これだとミステリとか池井戸潤のような活劇になる。 これだと何だか違う。この小説にスカッと感はいらない。 たとえば、編纂の競合相手があらわれる。 これまた池井戸潤だ。玄武書房を傘下に引き入れようとする大出版社が登場するかもしれない。これも違う。 たとえば、大渡海が出版された後の話。 使い手が言葉とどのように出会うのだろうか。 これは西岡さんの言葉が伏線にもなっているし、常套手段だろう。ただ、メインというよりはスピンオフ。 安部公房のあとに読んだのもあって、ワサビが足りないように感じたが、王道のマグロ一貫のような小説であった。

    3
    投稿日: 2024.03.26
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    当たり前に手に取っているもの全てに、作り手の想いが詰まってるんだと再認識。 それは日本語も例外ではないんだなあ追求してくれる人がいるから、生活に当たり前に存在することができる

    2
    投稿日: 2024.03.26
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    ひとつのものを作り上げるために文字通り人生をかける…そんな世界に驚き、ひたむきに言葉と向き合い続け、情熱を持って進む登場人物たちに胸が熱くなった。 と同時に、それほどの情熱を捧げられるものがあることに羨ましさも感じた。仕事に誇りを持っているわけではないわたしだけれど、 「だれかの情熱に、情熱で応えること」 この言葉にハッとさせられ、こうありたいな、あらなければいけないなと強く思った。 物語の視点が変わるごとに、登場人物がどんどん魅力的にみえてくるのもよかった。人間らしさに溢れた西岡さん、好きだなあ。。 そして巻末の馬締さんの恋文、大変素晴らしかった(おもしろかった)です。笑いながら読みつつも日本語の魅力に溢れている文章に感動して、日本語って美しい言語だなとなんだか少し誇らしいような気持ちになったりしました。

    1
    投稿日: 2024.03.25
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    大学の授業で課題図書だったので一度読んだが、現在ドラマをやっているのでいい機会だと思い読み返してみた。 馬締さん、西岡さん、岸辺さん、それぞれの視点から語られる辞書作りは思っていることや感じていること仕事に対する想いも三者三様で面白かった。 私はまだ学生で、アルバイトでお金を稼いでいるといっても『船を編む』の人物達のように情熱を持って働いたことはないように思う。仕事をお金を稼ぐ手段だけではなく自分の一生を捧げるように情熱を注げられたら…、そんなことを考える一冊だった。

    7
    投稿日: 2024.03.25
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    ストーリー展開の仕方や視点の切り替わり方のためなのか、まるで漫画を読んでいるような感覚が楽しい。私は新社会人であるため、登場人物のアツい働きぶりを見て、「こんな風に熱を持って働けたら楽しいだろうな」と思った。

    7
    投稿日: 2024.03.24
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    毎回言葉の美しさに気付かされる本。そして人の情熱、ひたすら向き合うこと、成し遂げること、なんてかっこいいんだろう。 読後の感想書きたいことがいっぱいあるんだけど、言語化できない。辞書編纂、言葉を扱う難しさを読後にも実感する。

    7
    投稿日: 2024.03.24
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    NHKでもドラマ放送をしており、 やっと読めた! 辞書を作るまでの物語で、 それぞれの登場人物のキャラクターも 好きだし、達成感や感動が込められて いた。 辞書を作るのってめちゃくちゃ大変なんだなぁ! 最近は電子辞書が主流かもしれないが、 やはりあの紙の分厚さや手触りなど 作り手のこだわりを実感できるのは 紙の辞書ならではなんだと思う。

    8
    投稿日: 2024.03.23
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    情熱を持って一つのことに打ち込む人のことだけでなく、その周りの人たちの心情も丁寧に描かれていてとても良かった。 特に西岡さんに感情移入して、励まされました。 一つのことに打ち込める人を羨ましく妬ましく思う気持ちが分かりすぎる!辞書のあとがきに名前が載っていることに、私も感動して涙してしまった。強い志がある人を助けるために、自分が精一杯できることをやっていくって、それもとても素晴らしいことだよなと思えました。

    7
    投稿日: 2024.03.23
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    このレビューはネタバレを含みます。

    辞書を作る出版社の1部署の奮闘を描く。辞書に人生を捧げる人物に焦点を当て、徐々に完成に近づく様を航海に出る舟として書いているのだろう。 好きなものに情熱を捧げられる人間の熱量や、それを捧げられない人間の苦悩には軽いタッチながらも感情移入せざるを得ない。 夏目漱石のこころに対するツッコミは著者が大学の講義で聴いたもんなんだろなあ

    2
    投稿日: 2024.03.21
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    いつか読もうと先延ばしになっていましたが、RADWIMPS野田洋次郎さんが主演という事で やっと手に取りました! 真面目な内容が続くと思いきや、とても読みやすいし映像が頭に浮かびやすいし、コミカルな掛け合いが多いせいかクスッとしたり……1日で読了! もっと長編でも良かったのにと思うほど楽しく読めました! 毎回思うけどもっと早く読めばよかった 笑 辞書の世界を知るのも楽しかったけど 登場人物のキャラが全員良かったです。 個人的には、西岡さん目線の場面すごく好きでした。 あの貢からグッと面白く感じ出したし、部署異動せずにあそこに残って欲しかった!!! ストーリーとしては、ひっくり返ったりつまづいたりせず順風満帆に進む所がサラッと読めて良かった所かと思います。 最後のハッピーエンドに向かって行く感じ、NHK向きだな〜と思いました! 幸せな本を読みたい人は読むべき。

    1
    投稿日: 2024.03.21
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    お勧めです。放映中のドラマもお勧めです。辞書づくりについて知ることが多く、おもしろかった。広辞苑を脇に読みました。これからはこまめに辞書を引きたい、言葉を大事にしたいと思わせる小説です。

    6
    投稿日: 2024.03.20
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    言葉って美しい 言葉って深い きれいな言葉を使いたい そんなふうに思わせてくれる素敵な小説 最初にこの本を読んだあとには広辞苑を買いました 改めて辞書の薄い紙をめくって触れてみたり。 どんな辞典も隅から隅まで気を配られているのだな〜と感謝の気持ちでいっぱいになります。

    4
    投稿日: 2024.03.15
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    このレビューはネタバレを含みます。

    「たくさんの言葉を、可能な限り正確に集めることは、歪みの少ない鏡を手に入れることだ。歪みが少なければ少ないほど、そこに心を映して相手に差しだしたとき、気持ちや考えが深くはっきりと伝わる。一緒に覗きこんで、笑ったり泣いたり怒ったりできる。233」 「馬締が言うには、記憶とは言葉なのだそうです。香りや味や音をきっかけに古い記憶が呼び起こされることがありますが、それはすなわち、曖昧なまま眠っていたものを言語化するということです。267 」 死者とつながり、まだ生まれ来ぬものたちとつなかもるために、ひとは言葉を生み出した。323 ------------------------------------------------- 自分が言葉というものに関して漠然としながら持っていた考えに近いものを読むことができた。 やはり、言葉には大きく分けて人に伝えること、自分に伝えることの機能があると思う。 引用の中にもあるが、言葉には死者やまだ生まれていないものとつながることができる力があるという考えは好き。 人間ドラマ的で働くものたちの熱を感じられる話でもあった。馬締をはじめ、西岡や岸辺などだんどん好きになれるキャラクターがいっぱい出てきた。 馬締の恋文が読めるのも良かった。

    1
    投稿日: 2024.03.13
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    国語辞典の編纂をする人たちの物語だが、全然固くなく、むしろユーモアにあふれている。キャラクターの魅力がすごい。本屋大賞。

    9
    投稿日: 2024.03.11
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    映画やドラマ化されても、原作を読んでから、と思って気になりつつ読んでこなかったのをようやく読んだ。 じっくり読めて、暖かくて淡々とした文章に、胸が熱くなった。 映画やドラマも見てみようかなあ

    2
    投稿日: 2024.03.05
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    大分前に映画を見ていて、ドラマ化されたこのタイミングで本の方を 映画を見たあとに残っていた印象と同じく 暖かく、それでいて大きな航海を終えたような満足感のある読了感でした

    1
    投稿日: 2024.03.05
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    このレビューはネタバレを含みます。

    実はあまり三浦しおんさんが好みでなく… 改めて読んでみるかぁと重い腰を上げて読んだのがこの本でした。 辞書の成り立ちについて詳しく知ることができて面白いのですが、どこか淡々としていてやはり世間ほどのめり込めず… なぜ10年以上頓挫していた辞書作りが急に動いたの? かぐやさんが主人公にそんなに惹かれるところ、本当にある? などなど… それは筆者が一番伝えたいことではないから、極限まで削ぎ落としたのかなぁと思いつつ、ちょっとひっかかるのでした。

    2
    投稿日: 2024.03.02
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    NHKのBSドラマを見て購入、読了。ドラマは2話が終わった。仕事に対する姿勢、言葉に対する姿勢、自分の働き方を見直す事になると思う。そして、生き方も変えてくれる。自分の感じたことをボヤッと思うだけでなく、言葉にして、考えてみる。このような思いを抱かせてもらいました。

    2
    投稿日: 2024.03.02
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    受賞作品としてタイトルは知っていたものの初めて手に取り読了。 上司に恵まれ辞書の世界で輝き、大家さんに恵まれ素敵な奥さんをもらい、自分が気が付かないところで恵まれている馬締が羨ましくもあり、真面目で誠実な人柄がその幸運を引き寄せているのだろうと思った。

    1
    投稿日: 2024.03.02
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    言葉の紡ぎ方が心地よくて、浮かぶ情景がとても鮮やかで綺麗。あまりの心地よさに、紡がれる世界にずっと浸っていたい、って本を読んで初めて感じた。

    2
    投稿日: 2024.02.29
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    とても丁寧に丁寧に紡いでいるお話だと感じました。出てくる人達の生き方も丁寧で羨ましくなりました。 そして何より言葉の持つ力や、言葉の大切さを教えてくれました。日頃の自分の言葉遣いが情けない…。 きれいな言葉遣い心掛けたいです。 まぁでも、ある意味一番人間臭い西岡さんが一番親近感あって好きです…笑

    1
    投稿日: 2024.02.28
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    「言葉は、言葉を生みだす心は、権威や権力とはまったく無縁な、自由なものなのです。」 「言葉」について考えさせられるとても良い作品でした。小学生の頃から何気なく使わされていた辞書。この作品を読了し、もっと真剣に触れていればよかったと後悔しました。太古から現代、そして未来へと言葉を繋ぐ舟。 馬締さん、松本先生、荒木さんをはじめ、「舟を編む」ことに関係する方々の想いにひどく感動しました。 最後の松本さんの手紙で涙しました。 素晴らしい作品をありがとうございました。

    1
    投稿日: 2024.02.26
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    このレビューはネタバレを含みます。

    辞書作りを中心とした登場人物の成長が描かれている。 いきなり10年くらい時間が飛んだことには驚いた。そこまで時間がかかるものなんだ。 特に西岡のことを好きになった。

    1
    投稿日: 2024.02.26
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    3度目 2度目の感想ーー装丁が単行本とはがらっとかわっていて、(帯に単行本のテイスト残す)きれいだなーとおもってよくよくながめていたらなんと雲田はるこではないか!数日前昭和元禄落語心中を読んだばかり。 最初に読んだ時も感動したが、2度目もやはりここ、西行の語釈を二人で議論するところ好きだなぁ。ちょっと泣きそうになる。 今回の感想ーーしをんさんの小説は好きと合わないに二分されるが、これは好きの最上位に位置する作品、久々だったので後半部分岸辺みどり登場から辞書完成までのあたりをほとんど忘れていた。今放映中のドラマはこちらを軸に作っているのですね。 今回もやはり西岡と馬締の西行の語釈をめぐる会話のくだりと彼の言葉で西岡が救われたと感じるところぐっときた。再読の楽しみのひとつに自分の気持ちのクライマックスがどこにあるかがわかっていて、もうすぐだ、くるぞくるぞ、きたーというのが楽しみというのが確実にあると思う。

    5
    投稿日: 2024.02.26
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    不完全同士が羨み、励まし、助け合い、愛し合う。その営みの素晴らしさ、美しさを気づかせてくれ読んでいる側に優しい気持ちを思い出させてくれる作品でした。 また、将来について悩んでいた私にとって個人的に、何をするか、ではなくどれだけ真摯に打ち込むかが大切であることを教えてくれました。 久しぶりに読書をしたけれど、やはり本を読むことは素晴らしい!

    11
    投稿日: 2024.02.23
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    本屋大賞に選ばれているにも関わらず 辞書が題材なんてじめっとしてそう。と思い ずっと読んでなかった1冊 あーなんで早く読まなかったんだろう。 こんなにも熱く1つのことに前向きで 胸が熱くなる作品だったなんて! これはまた何年か経ったら読み直したいな。

    3
    投稿日: 2024.02.19
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    言葉について考えるのは面白い。 馬締さんのラブレターたまらなく好き^^ 馬締さんも西岡さんも岸辺さんも各々考えることがあって、葛藤しては自分なりに納得して自分の役割を見出していく姿が印象的だった。 周りの人ってとても大事だよな〜

    2
    投稿日: 2024.02.18
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    みなさん感想が豊かですごい。辞書の話なんで全体的には地味な感じがしましたが、文がうまいせいか最後まで飽きずに読めました! ただ、調べごとがあれば辞書でなく携帯で探すかなと申し訳ないけど思いました笑

    2
    投稿日: 2024.02.18
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    来週からNHK:BSでドラマスタート。 『原作が先、映像が後』党なので急いで手にとった。 辞書制作の物語…いや、辞書を作ることを「編む」と表すらしい。言葉を紡ぎ合わせてまとめる作業は「編む」が相応しいのだろう。 月日とともに変化していく言葉は生き物。言葉の大海原を渡る舟を編んでいく。 辞書【大渡海】発刊に情熱を傾け、没頭する人々の話は新鮮で胸が熱くなった。 よし、私も頑張るぞう!と、大いに前向きにしてくれた!

    25
    投稿日: 2024.02.16
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    このレビューはネタバレを含みます。

    荒木公平 辞書に捧げられた人生。大手総合出版の玄武書房に入社。辞書っくりひとすじ三十七年。女房の具合が芳しくなく、定年後は女房そばについていてやりたいと。後継の社員を探し、馬締を見つける。定年退職後も辞書編集部のお目付役として、会議に毎週顔を出す。 松本朋佑 荒木とたくさんの辞書を作った。『大渡海』監修である老国語学者。荒木と共にさまざまな辞書の編纂に携わった。『大渡海』出版を見ることなく死去する。 西岡正志 玄武書房辞書編集部員。二十七歳歳。入社五年目。『大渡海』出版にこぎつけるため、派手に動き、宣伝広告部に異動となる。大学時代からの腐れ縁である麗美と結婚し、四人の子供をもうける。 馬締光也 玄武書房第一営業部。大学では言語学専攻。大学院卒の入社三年目。二十七歳。営業部での評価は低く、辞書編集部に引き抜かれる。春日の下宿「早雲荘」に大学時代から住んでいる。蔵書は自室のみならず、早雲荘の一階にある部屋を軒並み占拠している。 佐々木薫 玄武書房辞書編集部の契約社員。四十代前半。主に用例採集カードの整理と分類を行なっている。愛想に欠けるが、実務能力は高く、辞書編集部にはなくてはならない女性。 タケおばあさん 馬締が住む下宿の大家。 トラさん タケばあさんが飼っている猫。 林香具矢 タケばあさんの孫娘。二十七歳。タケばあさんが高齢のため心配で早雲荘に引っ越してきた。京都で板前の修業をしていた。湯島の『梅の実』という店で、板前の見習いをしている。十三年後、『月の裏』で板前をしている。 四日市洋子 西岡の同期。営業部。馬締のことを配属された新人がキモいと西岡に伝えていた。 三好麗美 西岡とは大学のテニスサークルの先輩後輩だった。西岡の追いだしコンパの夜に酔った勢いでセックスした。 岸辺みどり 入社三年目で女性向けのファッション誌から辞書編集部に配属される。気温差アレルギーと埃アレルギーを持っている。 宮本慎一郎 あけぼの製紙営業部第二部。『大渡海』にふさわしい辞書用紙の開発を依頼される。

    1
    投稿日: 2024.02.11
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    このレビューはネタバレを含みます。

    ドラマ化前に再再読。 数年おきに再読しているが、今回が一番しみたかもしれない。とてもよかった。昔より、言葉の面白さを感じたり、自分の考えをきちんと言葉で伝えたいと思っているからだろうか。それとも歳を重ねて、『大渡海』にかけた年月の長さと重さを実感しているからか。自分にとって仕事とは何かと考えているからだろうか。 馬締やみどりの、恋や愛の語釈で対象を「異性」と限定するのはおかしいのでは?という疑問は、今では多くの辞書で改訂されているのではないか。感慨深い。 一番共感できたのは西岡だった。 辞書や職場にそこそこ愛着もあったのに、あとから入って来た馬締に敵わないと思ってしまった西岡は、異動先で、自分にできる方法で辞書作りを支援しようとする。その気持ち、わ、わかる……!あとがきに自分の名前を発見した時の西岡を想像したら、泣ける。 「その言葉を辞書で引いたひとが、心強く感じるかどうかを想像してみろ」。西岡、いいこと言う……! 『CLASSY.』連載だったというのが毎回意外でびっくりする。 みどりの妄想した馬締の河童への取材「とっくりを持つことはありますか?」がツボ。

    3
    投稿日: 2024.02.10
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    辞書の編纂というニッチな世界に関わることになった青年と取り巻く人たちの話し。新しい辞書のタイトル「大航海」は、主人公の送る日々に照らすと本作の副題にあたると思えてくる。 一つの単語の意味を簡潔に1センテンスで表現する難しさ。とりわけ日本語は特有の曖昧さから難易度は非常に高いのではないだろうか。 本書を読み終えた後、長らく手にすることもなかった国語辞典を開き、ページをめくりながら眺めて見ると、今まで気付かずにいたことに大いに感心させられた。 主人公が想いの人に宛てたラブレターは、作品の中でいい味出している。

    6
    投稿日: 2024.02.09
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    ☆5 2012年の本屋大賞受賞作とのことで、ずっと気になっていた作品だったのですが、やっと読了することが出来ました! 小学生の頃、初めて買ってもらった自分だけの辞書がとても嬉しくて、大切に使っていた記憶が蘇ってきました。 大人になった今は、知らない単語や聞き慣れない言葉が出てきたら、すぐにスマホで調べてしまう癖がついてしまっているのですが…子供の頃のようにまた辞書を使って調べてみたいと思いました。 一冊の辞書を世に送り出す過程の大変さや、言葉の大切さを知る事が出来、とても魅力的な作品でした。

    54
    投稿日: 2024.02.08
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    辞書編集部に務める、主人公‘馬締’が「大渡海」の一冊を編むまでの物語りです。 馬締はもちろん、登場人物1人1人に個性や辞書に対する思いがあり考えさせられます。 初心者でも読みやすく、辞書に対する理解が深まるそんな一冊となってます。

    3
    投稿日: 2024.02.06
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    本屋大賞受賞作ということで手に取りました。 昔、映画も1度レンタルしましたが、前半で寝てしまいました。。。 辞書を作る話って地味で面白くなさそうと思っていましたが、登場人物は静かな情熱を秘めている人がたくさん出て来て面白い! 仕事で悩んでいる妻に勧めたくなりました。

    3
    投稿日: 2024.02.04
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    15年も諦めずに努力し続けてまで成し遂げたいものを見つけられてもわたしに15年間努力し続けることは出来るんだろうか 自分の利益に直結するわけではないのに根本的な意義を見いだして、周りの人のために頑張ることができたらどれだけいいだろうな 言葉の勉強もしていきたいと思った

    1
    投稿日: 2024.02.02
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    人の中身や本質を見てて優しさを感じた。 そんな人たちの話で、物語が良い起伏で続いてて、最後にはいいお話があってほのぼのできた。 誰かの情熱に情熱で応える! その言葉をそのとおりにしっかり感じた。 人物像をよく見てた気がする。 仲良くなれそうな登場人物が多かった。

    18
    投稿日: 2024.01.31
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    とても面白かった。ほとんど止まらず読み切った。 辞書を作る人がいるだなんて考えたこともない。想像を絶する壮大な話だった。たくさんの人の想いをのせて15年もの月日をかけて「大渡海」は作られていく。すごいな本当に。 こういう大きな物に触れると唖然というか、圧巻!な気持ちになる。全く知らない世界である辞書を愛する人々に触れられて嬉しい。 この感想を馬締くんにみられたら言葉の使い方を間違ってるよと指摘されてしまう気がする。。 西岡、いいキャラしてるなと思った。普通にいい奴で一番気持ちがわかる感じ。 辞書を作る人達の話。 馬締、荒木、佐々木先生、西岡、岸辺、香具矢さん。 三浦しをんさんの本は普通とはちょっと一味違ったような本が多いのかな?今のところ思いつきもしないような知らない世界の話ばかりだ。三浦さんのいろんな本を読んでみたいと思う。

    23
    投稿日: 2024.01.31
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    かなり好きな本でした。 辞書ってこんなふうに作られてるって知れてよかったです。 本に登場するまじめさんもかぐやさん、西岡さん、佐々木さん、荒木さん、松本先生、おばあちゃんみんながちゃんと物語の中で生きていて誰も悪者がいなくてほんわかしました。 もっと早くに出会いたい一冊でした。

    14
    投稿日: 2024.01.28
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    表紙がとても好き 読了して、思わず辞書を買ってしまった 言葉の意味を理解して、こういう場面ではこの言葉が適切かな〜いやこっちが良いかと吟味するのは観ていてとてもワクワクする

    4
    投稿日: 2024.01.27
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    数年前に松田龍平主演の映画を観たが、ほんわかとした柔らかい描き方で淡々と進んでいくストーリーだったので原作を読んでみようという気持ちには至らなかった。風がつよく吹いているを読んで三浦しをんさんの描く世界観に心を鷲掴みにされてしまい、三浦しをんさんの代表作といわれるこの作品を読んだ。他の方の感想にもありますが読書が好きな人にはたまらない題材ではないでしょうか。原田マハさんの本日はお日柄もよくもそうですが「言葉」を大切にする本は素晴らしいですね。当分三浦しをんさんの作品にハマりそうです(笑)

    4
    投稿日: 2024.01.27
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    とある出版社の辞書編集部、そこに言語に対する感性を買われてやってきた主人公を中心とする物語です。主人公、馬締光也が部署の新人としてやってきて、そこで出会いと別れがある中で受け入れられ、プライベートでは恋愛もし、やがて辞書編集部の責任者となり、新たな新人がやってきてと、王道ともいえるストーリーが展開されます。読んでいて安心感があり、辞書を作る部署という独特の世界について知ることが出来ました。また辞書という目立たない世界を進めるための、主人公達の情熱の素晴らしさに感嘆します。決して焦ることなく着実に、「編む」ようにという姿勢には学ぶところがありました。

    4
    投稿日: 2024.01.27
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    辞書が読みたくなり、広辞苑をペラペラとしてしまった。言葉、日本語の奥深さや職人気質とか…古き良き時代の心意気を感じました。

    2
    投稿日: 2024.01.26
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    何度目かわからないくらいの再読。大好きな本。 サンキュータツオさんの本で辞書の個性や楽しみ方について学んだあとだったので、より没入して読めた。 辞書は私情や個性を極力排除した語釈を書かなければいけない反面、辞書を通して世の中に働きかけたいという熱い思いを持った執筆者・編集者が方針に従ってそれぞれ個性豊かな辞書を編みあげるというのが非常に矛盾しているけれど、その縛りがあるなかで一生懸命考えられた文章だからこそマニアも多い愛おしい本となるのだと思った。 大人になると辞書を引く機会もないし(スマホで一瞬で調べられてしまう)、お金や置く場所や使う頻度的に実際買う勇気は正直ないんだけど、子供には将来いい付き合い方をしてもらえるように早い時期にこの本を読んでもらえたらいいな。

    2
    投稿日: 2024.01.26
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    自分が小説好きになるきかっけを与えてくれた本。 出版社に勤める主人公が辞書の編纂を通し、同僚やプライベート間で起こる様々なドラマを乗り越え、成長していく様を描いた作品。 辞書編纂を題材にしているだけあって知らない語彙がふんだんに散りばめられており、これまた勉強になった。また、出版社の業界知識や慣習、限られた予算といったサラリーマン的な要素も含まれているため非常に共感できた。 朴念仁な主人公・馬締とチャラいけど繊細で憎めない男・西岡のコンビにいつしか親近感を覚え、ラストでは彼らに感情移入してしまい、不覚にも目頭が熱くなっている自分がいた。物語が終わる頃には寂しく思えたくらい。 小説が初めての方や、食わず嫌いの方にぴったりの本。読み終えた後には心がほっこりする、そんな小説です。

    3
    投稿日: 2024.01.26
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    3.8 以前から読みたいなーと思っていて、先に買った辞書を片手に読破。 辞書編纂というのは思っていたよりずっと時間がかかるもので、生半可な覚悟では取り組めないと感じた。 作中で学んだのは、何より大事なのは何かに熱中し本気になれることがあることが、どれだけ貴重で価値がある“才能”であるかということ。 また、せっかくこんなに多種多様な日本語があるのだから小説を読んでいろんな語彙に接していろんな日本語で表現していきたいと思った。

    5
    投稿日: 2024.01.25
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    このレビューはネタバレを含みます。

    辞書は言葉の海を渡る舟。 移ろい変わる言葉の意味や、新語、死語、今まで知らなかった一冊の辞書を作るのに考えるべきことを体感できて、とても面白かった! これだけ人生をかけて生み出される辞書が、松本先生の生きている間に間に合わなかったのが辛かったけど、松本先生からの手紙で馬締たちが救われて良かった。 馬締を憎めない西岡めちゃくちゃ応援した。君だからこそできたことがたくさんあるよ...得手不得手を支え合うのって大事だよね。西岡の辞書に対する感覚、読んだ人が安心するように、って考え方が好き。 大人になった今、また辞書を買ってみたくなったな!

    3
    投稿日: 2024.01.21
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    自分の知らない辞書作りの世界の話 とにかく登場人物の各々のアツい気持ち 特に西岡の部分は、自分に重なるような所があって気持ちを揺さぶられました。

    3
    投稿日: 2024.01.20
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    爽やかな読後感のある作品。登場人物が全て良い人で、辞書編纂のバイトしたいな、と思ってしまった(まじめさんのポジションは無理)。 用例採集カードという言葉は、ゆる言語ラジオで知ったが、辞書ってものは長い年月をかけて途方もない労力と共に編み出されるものなんだなぁと改めて畏敬の念を持った。言葉は大切なものだから、大事にとり扱いたい。

    12
    投稿日: 2024.01.16
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    ずっと読みたかった作品。 もっと早く読めばよかった…!! すごく素敵な作品だった。 ユーモアのある文章にクスッと笑いながら読んだけど、最後はすごく感動した。 映画も観てみようと思う。

    26
    投稿日: 2024.01.13
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    「努力は夢中に敵わない」を強く感じた。 日夜、休日問わず好きなものを追いかける力強さは誰も止めることが出来ない。 馬締の辞書にかける拘りや宮本の製紙にかける情熱が自分にないもので格好良く感じた。そして、その熱は周りにも伝導していく。 自分も西岡や岸辺のようになんとなく時代の流れに沿って生きてきたため、西岡の馬締に対する嫉妬心はとても共感した。 馬締や香具矢のような"変わり者"だけでなく西岡や岸辺のような"何となくこなす者"が登場したことで一気に身近な物語に感じた。 就職活動をしていく中で普遍的なスキルを追い求めてしまっているが、ひとつのことを生涯をかけて成し遂げる経験を自分もしてみたい。

    4
    投稿日: 2024.01.08
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    好きだ。しをんさんのお話に出てくる人たちが好きだ。友だちになりたいなぁ。 何かに情熱を傾けられる人に憧れます。 ありがとうございました。

    2
    投稿日: 2024.01.07
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    2024年、ドラマ化ということで再読。 一冊の辞書を編むのに費やした時間は15年。 辞書『大渡海』用の紙について書かれているが 指に吸いつくようにページがめくれる しっとりした質感「ぬめり感」が重要だと。 辞書を手にしてもそういうことまで気が付かなかった。 わからない言葉でも本棚から辞書を取り出すことなく スマホひとつで簡単に調べることができる。 そこからは伝わらない紙質、字体など辞書を片手に確かめてみたい。 解説は、岩波書店 辞典編集部 平木靖成さん。 〈各辞典にはどれも個性がある〉 「正しさ」の枠に押し込めるより 自由に言葉を使うために使ってほしい、と書いている。 本作から、多くのことが伝えられている。 ドラマが楽しみになってきた。

    2
    投稿日: 2024.01.06
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    大好きな本。辞書を作るって本当にひと文字ひと単語と向き合うんだなぁ。アニメも映画も見た(よかった)けど、やはり原作の「ことば」に触れてこそだと思う。編集部の皆さん、製紙会社の人、みんなが何年もかけて辞書を送り出していくのが、沁みた。

    2
    投稿日: 2024.01.05
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    ほんとに面白かった。映画化やアニメ化されるのも納得。もっと多くの人に読んでもらいたい。 辞書を作るのは大変だろうなと思っていたけど予想以上だった。言葉ひとつひとつに長い時間向き合い、言葉の意味を考えていく。そこにかける人たちの情熱と奮闘に感動した。辞書に、こんなにも人の思いや情熱が詰まってたのかと思うと、それを知らずに今まで使っていたことが申し訳なくなった。辞書の見方が変わった1冊です。 また、辞書に関わらず、小説に関しても同じことがいえると気づいたので、それに気づかせてくれたこの本にも感謝です。

    2
    投稿日: 2024.01.01
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    声の意味、普通に口から出す声の他に「季節・時期などが近づく気配」とあって、この用例に心を動かされ一気に引き込まれた。 辞書編集部、自分にとって馴染みのない世界だからとても興味深かった。 今ではわからない言葉もスマホで検索しちゃうし辞書とは疎遠になってしまったなぁ…学生時代は重い重いと思いながら英和や古語辞典に親しんでいた(気がする)のに… 辞書作りにはあまりにも膨大な作業、時間、マンパワー、そして経費をかけて作っていることが強く伝わってきた。 今までにたくさんの辞書が作られてきたわけだけど、その一冊一冊にこれだけの力が注がれて世に出てきたのだなぁ…。まさに人の叡智の結晶のような。 日本は外国と違って国主導で作られた辞書がないというくだりも面白かった。 自分は仕事にどれくらい情熱を傾けてるかな? 辞書編集部の人たち、製紙会社の人たちの熱意に触れてそう思った。 仕事は情熱だけではやっていけないし、どうしても馬が合わない人ともやっていかないといけない。でもこんなふうにみんなで何かを成し遂げて喜びを表しているシーンを読むと羨ましいなとも感じる。日々の努力や苦悩の積み重ねがあるからこその喜びなんだろうけど、こんな職場に身を置いてみたいような気がした。 これから辞書を見る度に、この小説を思い出すのだろうな。

    2
    投稿日: 2024.01.01
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    15年もの長い歳月をかけて作り上げた国語辞典の編集での奮闘と辞書作りに携わる人たちの人間模様が織物の縦糸と横糸のように綿密に織り成しているような、繊細で温かみのあるお話でした。

    4
    投稿日: 2024.01.01
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     最初の荒木の語り口や、まじめさんの『俺』という口調に若干の違和感を感じだしたが、登場人物の不器用な情熱。そして、コンプレックスや熱い思い等、読んでいて頑張らなきゃと思わされる一作でした。辞書を作るという、大変な作業を通して人々の思いが紡がれ、交差していく、素敵な物語です。

    4
    投稿日: 2023.12.31
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    綺麗な言葉がたくさん出てきた。言葉を紡ぐ、辞書を作ることを舟を編むって表すの素敵だなぁ。自分の語彙力の無さ知識の無さが恥ずかしくなるもっと本を読んで勉強したい!

    2
    投稿日: 2023.12.29
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    いつも途中で挫折するけどこれは読めた いろんな言葉を知ってるのってカッコいいなと思った 細かい事が苦手な自分には向いていない仕事だなと思った

    2
    投稿日: 2023.12.25
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    玄武書房 辞書編集部を定年退職する荒木が、後継者にちょっと風変わりだが適任と思える第一営業部の馬締光也をスカウトする場面から始まる。 タイトルの「舟を編む」は新しい辞書を『大渡海』と名付けた由来からくる。 「辞書は、言葉の海を渡る舟だ」「海を渡るにふさわしい舟を編む」という思いが『大渡海』の由来。 一、定年退職する荒木公平視点 二、馬締光也視点   林 香具矢との出会い 三、辞書編集部 西岡正志視点   宣伝広告部に移動が決まる 四、辞書編集部に移動してきた岸辺みどり視点   『大渡海』企画から13年   あけぼの製紙 宮本慎一郎登場 五、馬締光也視点   辞書編集部に移動して15年   『大渡海』完成・出版 ---- 辞書出版に携わる人々の誠実な執着、努力、情熱がありありと伝わる。 用例採集、学生アルバイトの管理、原稿執筆、大学教授への執筆依頼と推敲・修正、紙の開発・選定、5回の校正刷り、校正・校閲、宣伝広告、装幀決め、完成後の改訂作業…… 果てしない時間と労力、人の手で作り上げられる辞書編纂の世界を垣間見る事ができた。 それぞれ登場人物の性格がわかりやすく細かく設定されている。 西岡の教授との駆け引きではスカッとし、紙が出来上がった時にはまるで自分の手にも紙が吸い付いているかの様に「ぬめり感」を感じた。 最後は辞書完成の静かな喜びと、松本先生のいない寂しさを味わい、共に辞書編纂に携わった様な時を味わった。 本屋大賞1位も納得の作品。

    2
    投稿日: 2023.12.15
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    このレビューはネタバレを含みます。

    ・だれかの情熱に、情熱で応えること。西岡がこれまで気恥ずかしくて避けてきたことは、「そうしよう」と決めてしまけば、案外気楽で胸躍る思いをもたらした。 ・感情の密度と濃度 ・辞書づくりに取り組み、言葉と本気で向きあうようになって、私は少し変わった気がする。岸辺はそう思った。言葉の持つ力。傷つけるためではなく、だれかを守り、だれかに伝え、だれかとつながりあうための力に自覚的になってから、自分の心を探り、周囲の人の気持ちや考えを注意深く汲み取ろうとするようになった。 ・取材のときは、相手の表情やしぐさ、同僚とのやりとりなども見ておきたいので、メモは最小限にとどめ、取材が終わったら喫茶店に駆け込み一気に頭の中の情報を吐き出すのだ。

    2
    投稿日: 2023.12.08
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    すごく心が浄化されるような作品だった。 辞書は小学生のときを最後に触れてないから単語そのものが懐かしかった。同時に今はもう電子辞書とかスマホとかがあるから手に取ることは無いことに科学技術の進歩のすごさともしかしたら辞書という崇高なものの価値が紙媒体では価値を落とし始めていると思うと、少し寂しい感じがした。 今まで辞書はつまらなくて重いというマイナスなイメージしか持っていなかったことがこの作品を読んで申し訳なく思った。この作品は辞書に永遠に残る言葉と人々の思いに触れてえたことに気づかせてくれた素敵な1冊だっ!

    25
    投稿日: 2023.12.01
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    このレビューはネタバレを含みます。

    素晴らしい本だった。 辞書を編纂し出版を目指す者たちの物語。初めは変わり者で愚直な青年、馬締の成長を描く物語かと思ったが言葉に関わる熱い思いを持った人々の物語でとても面白かった。 おそらく三浦しおん氏が日頃考えている言葉の持つ力のようなものが前面に出ていて心に響く。例えば「辞書は、言葉の海を渡る舟だ」など。 構成もとても心に響くもので荒木、馬締、西岡、岸辺、それぞれの視点から各々の考えることを等身大に描かれていて人間味を感じた。 本を、言葉を大事にしようと思えると同時に何かに情熱を捧げることの素晴らしさを学べる一冊だった。

    7
    投稿日: 2023.11.30
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    少し風変わりで魅力的な主人公を始めとして、仕事に情熱をかける爽やかさ、尊敬に基づいた恋、友情。わくわくする素敵な話です。辞書を作る人に想いをはせるなんて、この小説を読まなければなかなかないかもなどと思いながら。

    3
    投稿日: 2023.11.29
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    再読。 10年前に買ったものを出してきて読んでみました。 やっぱりいい本は何年経ってもいい。 もう辞書を手にすることはないかもしれないけど、手にした時には、辞書を何年何年もかけて編んだ人たちがいるって事を思い出して、紙の質感なども噛みしめながら見てみようと思う。

    23
    投稿日: 2023.11.28
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    ほんっっとうに良かった!!! 辞書作りに没頭する姿、大切な人を思って行動する姿、真面目で、でも愛おしい登場人物たちが読めば読むほど大好きになっていった。 所々出てくる言葉の使い方や微妙な違い、別の意味、それらを知ることでいつも以上に本をきちんと丁寧に読めた気がする。 『言葉は、言葉を生み出す心は、権威や権力とは全く無縁な、自由なものなのです。』 「言葉があるからこそ、1番大切なものが俺たちの心のなかに残った。」 「記憶をわけあい伝えていくためには、絶対に言葉が必要だ。」 文庫特典の恋文一生懸命考えて書いたと思うと良すぎる、西岡さんと岸辺さんのコメントもだいすき(笑) p.s これを読んでから本の紙質がやけに気になるようになってしまった。新潮文庫の薄さとサラサラ感が個人的に好き!

    4
    投稿日: 2023.11.24
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    遅ればせながら読了 良い本すぎる 松本先生のところで読みながら泣いてしまった 言葉って大事っすね 一つだけ、美人とあっさりくっつくのはおもしろくないっすわ笑

    2
    投稿日: 2023.11.22
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    兄弟の本棚で見つけ、手に取った1冊。三浦しをんさん初読みでした。 私の知らなかった世界の扉が開いた。その一言につきます。辞書って、学生時代誰もが1度は触れてるけど、作成の裏にはこんなドラマが広がっているんだなぁ。 主人公馬締さんの辞典編集との出会いから、13年の年月を経て「大渡海」が編まれるまでを数人の視点を介しながら物語が進みます。 馬締さんにも、岸辺さんにも、西岡さんにも、それぞれのキャラクターがあって、それぞれの在り方で仕事に向き合っている。 解説のお言葉のとおり、好きでたまらない仕事に出会える幸せ、そうでなくても目の前の仕事に真面目に取り組むことで誰もがその道のプロとして誇りを持てるのだ、というところが心に沁みます。 文庫特典の恋文、おもしろかったです(笑)。

    34
    投稿日: 2023.11.19
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    普通に生きていたら体験できない世界を経験したかのような気分を味わえる、小説の醍醐味を改めて実感した一冊。今度本屋に行った時は辞書を手に取ってみようと思う。一丁前に、熱い想いが込み上げてきそう。 個人的には人間臭くて腹の中にドロドロしたものをもっている、自分と似た面をもつ西岡の章が1番好きでした。

    3
    投稿日: 2023.11.18
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    辞書に対する見方がかわった 高校卒業以来辞書はほとんど触っていないけど、作っている人側のことは考えたことがなかったので新鮮だった 色々な人の視点で描かれていて、ところどころユーモアもまじえた表現もあって面白かった、私は西岡パートが一番好き

    3
    投稿日: 2023.11.17
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    高校の時の英語教師が好きだと言っていた1冊。 辞書編集部のメンバーが辞書をそれぞれの想いと共に、協力して作りあげる物語。 確かに本屋大賞って感じの面白さを感じた。 辞書作りに関わる4人の視点で描かれていて、個人的に好きな部分は、西岡という人物の視点の話がめちゃめちゃ刺さった。仲間や同棲者への想いとか悩み事とか、仕事への向き合い方に共感というか、自分と少し似たところがある感じがして、そこの部分だけものすごいスピードで読んだ。 辞書見たらこれ思い出すと思う。

    7
    投稿日: 2023.11.13
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    おもしろかった! 辞書という、あまり深く考えたことないものを取り扱い、その制作過程に奥行きをもたせたストーリーに引き込まれました、一気に最後まで読んでしまいました

    8
    投稿日: 2023.11.06
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    辞書に対する見方がかなり変わる本でした。読み終わったあと、学生時代以来全く触っていなかった辞書を開いてみると学生時代には感じなかった凄さや驚きなどを感じました。そしてなにより小説内のように編纂する方達の努力が詰まっていると思うと今後は愛着を持って開くことができるようになっていると思います。

    3
    投稿日: 2023.11.04
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    くすっと笑えて心がじんわり温かくなる納得の本屋大賞受賞作。辞書『大渡海』の完成を目指す大航海が始まる。魅力的な登場人物達を含めた世界観すべてが愛おしく、1行1行味わいながら読み進めた。言葉への興味がより増した1冊。

    3
    投稿日: 2023.11.03
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    このレビューはネタバレを含みます。

    ひとつの新しい辞書を発刊するまでには、長い時間がかかる。15年。15年と聞くと実感しづらい時の長さを、15年の長さを、登場人物の人生を通して感じた。 人が死に、人が生まれて、恋が実る、そんなに長い。私も15年前はまだ学生だった。

    3
    投稿日: 2023.10.30
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    辞書に対するイメージがとても変わった作品。 日本文学を専攻していたため、辞書には度々お世話になったがここまで辞書編纂が大変だとは思っていなかった。 誰が何年かけて何の辞書を作ったなんて話は聞くが、実際に物語で辞書を作る過程を知っていくと大変な偉業であるというこが知れた。

    16
    投稿日: 2023.10.29
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    それぞれのキャラクターがとても良い。主人公が様々な人達と関わる中で段々と変わっていく(周りを変えていく)過程が丁寧に描かれていた。

    3
    投稿日: 2023.10.28
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    このレビューはネタバレを含みます。

    辞書は使ったことがあるけれど、 作り手のことは考えたことがなかった。 辞書がどんな形で、工程で、 どれだけの労力と、作り手の想いがこもっているか。 人生をかけても作り切れないことだって あるんだなとも思わされた。 こんなに色んな人の想いが詰まった物を 私たちは使っていたんだ・・・。

    4
    投稿日: 2023.10.23
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    「大渡海」編纂での馬締たちの葛藤と尽力に、経験したことの無い情熱を一緒に感じることができた。最後の場面では涙する場面もあった。 馬締の不器用さと辞書に対する情熱のギャップに笑みが止まらなかった笑 1番心に残っているのは大渡海を通じて馬締を取り巻く人間関係がどんどん変わって行くことです。生き方は違えど向かわんとする方向が一緒であるために、登場人物が皆感化されていくのが読んでいて気持ちよかったです。 本作を通じて少し自分も言葉に対して敏感になったような気がする。言葉の持つ力に魅了されました。 馬締の恋文は何度読んでも面白い笑

    4
    投稿日: 2023.10.15
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    辞書を作る人の話ですが、とっても面白いです。最近流行りなのか、ちょっと変わった人が主人公です。辞書を作る作業なんて全然知らなかったけれども、こんな風にやってるんだと思いました。

    4
    投稿日: 2023.10.10
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    言葉は自由がうえ難しい。 言語化するということは、ただ相手に的確に伝えるだけじゃなくて、自分の大切にしている記憶や気持ちを風化させない役割もある。

    3
    投稿日: 2023.10.10
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    23.9.24(日)ブックオフで110円で購入。10/6読み始め。10/10読了。辞書を作るのにこんなに手間暇かけてるんか。辞書を買いたくなった。

    2
    投稿日: 2023.10.08
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    以前に映画を見たことがあり、原作も読んでみたいと思い手にとってみた。 社会人として仕事をするようになって早10年ほど経ち、もう随分と長く働いた気分になっていた。 ただ、職場をいくつか代え、関わるプロジェクトや担当範囲、クライアントもその時々で異なるため、都度新鮮な心持ちだったなと思う。 その点、本書で題材となっている"辞書"は作成に10-15年ほどかかると言うではないか。一つのプロジェクトに対してそんな長い年月を費やすことに対して、想像ができないというのが正直な感想だ。 一方で、本書の中に登場する人物たちは、辞書作りという一つのプロジェクトに対し、異なる役割を持ちつつも情熱を燃やし続けている。その姿を頭の中で想像し、少し羨ましくもなった自分もいた。

    18
    投稿日: 2023.10.07
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    のめり込んだ物語。 言葉は人を救い、時には傷つける。言葉の可能性を信じ、辞典の作成に関わる話だった。 人は強みと弱みを持つもので、仲間として補填し合う素晴らしい様子も描かれていて、物語としての面白さの中に学びもあった。 これからも言葉を大切にしていきたいと思う。 読んで良かった。

    5
    投稿日: 2023.09.25
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    このレビューはネタバレを含みます。

    前半は話がトントン拍子すぎて正直ついていけなかった。後半から徐々に面白くなったように思う。西岡の存在は大きかったんだろうけど、後半はほぼ出てこなくてなんか寂しかった。

    3
    投稿日: 2023.09.22
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    韓国の翻訳家クォン・ナミさんの「ひとりだから楽しい仕事: 日本と韓国、ふたつの言語を生きる」で言及されていて、すごくおもしろそうだったので、読んでみたシリーズ第二弾。(シリーズと言いつつ、たぶんこれで終わり) 小説というよりは完全に漫画だったが、でもおもしろかった。 西岡君が泣きそうになったところで泣いてしまった。 いい奴だなぁ、西岡。 辞書編集という、かなり特殊でレアなお仕事について書かれた本だったが、これは、辞書編集じゃなくても、あらゆるお仕事に本気で取り組んでいる日本全国の名もなきサラリーマンすべてについて書かれた本だと思った。あ、サラリーマンだけじゃなくてすべての働く人、が正しいかな。 馬締くんとか西岡さんとかみたいに本気でお仕事頑張っている人を私は何人も知っているよ。 私の今の上司もそう。何でも超全力投球で、まぶしいったらない。 普段の仕事に加えて、私の目には完全に罰ゲームに見えるどうでもいい仕事まで押し付けられちゃって、でもそんな仕事にも本気で取り組んで、いつの間にかコアの部分を膨らませて多くの人を巻き込む重要なプロジェクトに変えてしまった。 最初は「こんなくだらない仕事、適当に流して終わらせるべし」と思ってた私も、すっかり楽しんでお手伝い。 本気で頑張る姿勢って周りに伝染しちゃうんだよね~。一人で頑張らせたくない、手伝わねば、って気持ちは、もしかしたら人間の本能なのかも、とすら最近思う。 これも、映画「タッカー」で言われていた「夢が伝染る」ということなのかもしれないけど。 ということで、仕事に打ち込む人たちの胸が熱くなるお話でした。 でも、最後のラブレターはいらなかったな。 しょーもなかった。 馬締君くらい言葉に敏感な人はあんな雑なラブレターは絶対に書かない、と思ってしまった。

    5
    投稿日: 2023.09.16
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    読後、手近にあった英和辞典をしばし眺めました。 本文を読むだけでなく、紙質も確認しながら。 そういえば学生時代に使ってた国語辞典は実家に置いたままだったなぁ…と。 あと……久々にサッポロ一番を食べてみたくなりました。

    13
    投稿日: 2023.09.09
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    2,3度目の読了。 章毎に異なる登場人物の視点で描かれており、それぞれの人物に感情移入しやすい。 そのため「大渡海」を編むまでの10年以上を要する月日の中での各人の環境の変化が描かれる描写はとてもリアルで、こちらまで嬉しさや切なさなどの感情が湧いた。 個人的に、この本を社会人になってから読み直したのは初めてであったため、以前読んだ時よりも辞書作りに携わる全ての人の情熱を強く感じ、仕事に対する心情やモチベーションにも影響する作品ではないかと感じた。 今度、映画版も観てみたいと思う。

    3
    投稿日: 2023.09.08
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    辞書を作り上げるということは、こんなにも大変な積み重ねがあるのかと。どんなお仕事にも熱をもって取り組む人のかっこよさが詰まってますね。小3の娘が国語の授業で辞書を開く機会があり、なんとなく身近に感じられたお話でした。馬締さんと西岡さんの関係がとても良かったです。

    5
    投稿日: 2023.09.06
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    辞書をきっかけに料理屋さんで働く人と恋する純愛小説 とっても暖かくなる本 ✩5まではいかないけど✩4くらい可愛い本

    2
    投稿日: 2023.09.06
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    「言葉」というものを深く考える機会になりました。章ごとにそれぞれの登場人物の視点に切り替わっていくことで、それぞれの人物の辞書作りに対する思いが伝わってきました。 言葉は、私たちが生きていくために必要なモノであり、それを海と舟で例えてることが秀逸でした。 自分と他人を比較してしまい、卑下になってしまうことは、人間誰しもあるかもしれませんが、そんな人でも立ち直り、頑張れるってことを教えてくれる本です!

    2
    投稿日: 2023.08.31
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    このレビューはネタバレを含みます。

    『舟を編む』という美しいタイトルに、まず惚れる。 自由な航海をするすべての人のために編まれた一冊の辞書、”大渡海”。 長い年月をかけ、言葉の持つ強い力を信じる一人の「地味な」青年・馬締が、 広く深い言葉の海を漕ぎ出したことをきっかけに、船乗りが一人またひとりと増えて辞書作りに情熱を捧げていく話。 これまで「辞書」がどのような行程を経て編纂されるかなんて気にしたことすらなかったのでその緻密さと奥深さに驚き、また夢中になれる仕事に対してひたすらに没頭することの(言葉に関する本なのに語彙力がないけど)「格好良さ」を感じた。 特にどこにも触れられていないような気がするが、 読了後、この本の装丁を外したとき、濃い藍色の背景に銀色の箔押し。 細い銀の線で描かれた波のうねりがそこにあった。 まさに「大渡海」のデザインがそこに反映されていることに気付く。この作品自体の芸の細かさを最後まで思い知らされた。こんな仕事がしたい。

    4
    投稿日: 2023.08.30
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    とある出版社の人々が辞書を作りあげるお話。 辞書作りと聞くと、ちょっと地味だなとか大変そうだなという漠然としたイメージしかなかったが、これほどまでに緻密で繊細で、そして情熱とロマンに溢れたものなんだと物語を通して知ることとなった。そして言葉の尊さを感じる作品。 途中メンバーの変更やトラブルに見舞われながらも、関わった全員が最後まで情熱を持って創り上げる姿は感動的で美しかった。それにしても、時間がかかる作業なんだなとは思っていたけれど、まさか15年もかかるとは。情熱なくしては本当にできない凄いことだと思う。「大渡海」という名前もぴったり合ってて素敵。 近年、日本人の国語力が低下していると言われているが、正しく美しい日本語を使っていきたいと強く感じた。また、これを機に辞書をじっくり読んでみたいなと思う。

    2
    投稿日: 2023.08.29
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    辞書を題材にした本は初めて読んだ。めっちゃ面白かった、またよみたい!最高!感激!って感じではないけどスラスラ読めて読みやすかった。1日あれば読める

    5
    投稿日: 2023.08.26
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    広辞苑を作ることに情熱を注いだお話。 自分の好きなこと、個性を活かして、1つのことにこれだけ没頭できるなんて、羨ましいです。 こういう風に働いてみたい。 登場人物が誰も彼もいいキャラです。

    3
    投稿日: 2023.08.24
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    このレビューはネタバレを含みます。

    「面白い本」ってこう言うことを言うんだなと思うくらいの名作。 最初から最後までグッと引き込まれてしまった。 辞書に対して、それぞれがそれぞれの信念を持って編纂していくことに、感銘を受けたし、感動したし、なんなら羨ましいとまで思った。 大渡海の完成と、松本先生の最期には泣かされました。本当に面白かった。

    2
    投稿日: 2023.08.22
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    2012年、本屋大賞を受賞した三浦しをんの小説。 映画は第37回日本アカデミー賞 も受賞。「原作の良さをさらに映画でも味わうことができるのは」と言えばこの作品だと思う。 <最優秀作品賞・最優秀監督賞(石井裕也)・ 最優秀主演男優賞(松田龍平) ・優秀主演女優賞(宮﨑あおい) ・ 優秀助演男優賞(オダギリジョー) ・新人俳優賞(黒木華)・ 最優秀脚本・録音・編集・照明・・・多数> 「玄武書房」に勤める馬締光也が、新しく刊行する辞書『大渡海』の編纂メンバーとして辞書編集部に迎えられ、個性豊かな編纂者たちが辞書の世界に没頭していく姿を描いた作品。(「辞書は言葉の海を渡る舟、編集者はその海を渡る舟を編んでいく」という意味でこの書名が付いている。) 主人公 馬締 光也(まじめ みつや)を演じるのは松田龍平 玄武書房辞書編集部員。27歳。大学院で言語学を専攻したのちに出版社に入社して3年目。 入社当初は営業部に配属されるが、皮肉が通じず他人の言うことを額面通りに受け取るなど、対人コミュニケーション能力の低さから営業の全くできず、変人扱い・厄介者扱いを受けていた。 しかし馬締は下宿先のほかの空き部屋も大家さんの好意で書庫として使わせてもらうほどの言語オタク。言語学専攻のキャリアと言語感覚の鋭敏さを 小林薫演じる荒木(もうすぐ定年・後釜を探していた)に認められて辞書編集部にヘッドハンティングされ、言葉への強い執着心と持ち前の粘り強さを生かして、辞書づくりに才能を発揮してゆく。 林 香具矢(はやし かぐや)を演じるのは宮﨑あおい 馬締が暮らす下宿の孫娘。馬締が辞書編集部に抜擢された頃、その下宿に引っ越してきた。日本料理店で、板前の見習いをしている。料理に真剣に向き合い、板前姿が本当によく似合う。 これなら主人公の松田龍平演じる馬締が恋に落ちるのが納得の清らかで芯が強い存在感 主人公の同僚 西岡 (にしおか まさし)を演じるのはオダギリジョー 玄武書房辞書編集部員。27歳。入社5年目。 当初は言葉や辞書に対する関心は低かったが、馬締の影響を受け次第に辞書作りに愛着を持ち始める。軽薄でチャラい現代風の若者であるが、社交的で対人折衝能力が非常に高く、馬締とは違った方向性で辞書『大渡海』出版にこぎつけるため、派手に動き、宣伝広告で大きな力を発揮する。 他にも辞書編集部にはいい味を出す人たちがたくさん登場 事務作業を一手に引き受け、黙々と着実に仕事をこなす契約社員を演じるのは伊佐山ひろ子。 畑違いの女性ファッション誌から配属されてきた、女性編集者 を演じるのは黒木華。 異動してきた当初は馬締の独特のキャラクターに引いているが、次第に辞書作りに情熱を持ち始め、他にも紙のページのぬめり感にこだわるマジメに応える製紙会社の人、校閲に何日も泊まり込みで作業するアルバイトの人達全員が地道な社業の辞書づくりに情熱を燃やす様子が描かれている 大学の教授職を辞し、辞書の編纂に人生を捧げてきた国語学者・松本 先生を演じるのは 加藤剛 辞書の完成間際に病気で亡くなってしまう。松本の妻を演じる(八千草薫)も上品ですばらしい理解者として、お似合いの夫婦 <面白ポイント> ・香具矢への告白を促されていた馬締は「恋文」を書き上げ、西岡に意見を求めるが、西岡は一目見るなり唖然とする。よりによって毛筆による行書体で書かれていた。「戦国武将じゃあるまいし」 ・馬締が語釈を任された「こい【恋】」は「ある人を好きになってしまい、寝ても覚めてもその人が頭から離れず、他のことが手につかなくなり、身悶えしたくなるような心の状態。 / 成就すれば、天にものぼる気持ちになる。」 ・チャラキャラ西岡は現代語の語釈を任される。「ダサい」用例として「酔った勢いでプロポーズするのはダサい」と書かれていた。「用例は実体験に基づく」と打ち明ける。自分の言葉が辞書に載る、ひとつひとつの言葉や用語の説明が命を持ちイキイキしてくるという醍醐味を辞書編集者も読者や映画の視聴者も一緒に経験していくとしての自覚に目覚め、熱意を燃やすようになる。 みんなで辞書の完成に向けてひとつひとつ手を抜かず、情熱を持って進んでいく、何年たっても色あせない良い本、良い映画

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    投稿日: 2023.08.19
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    辞書の編纂に人生をかける人たちの話。 「辞書は言葉の海を渡る舟、編集者はその海を渡る舟を編んでいく」 天才です!

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    投稿日: 2023.08.15
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    言葉にかける想いの強さを感じた。辞書づくりには沢山の人の想いがこもっているのだと。 自分の発する言葉に責任を持って、美しい言葉を使っていきたいと思う。

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    投稿日: 2023.08.15
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