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総合評価

154件)
3.6
18
57
54
6
2
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    作家アリスシリーズ、何作目かはもう忘れてしまったけど、やっぱり好きだなぁ、と思った作品です。 なにより、アリスと火村の関係が好きで、軽口の中に信頼が込められているというか、とにかく付かず離れずな男の友情というものが、良いなぁと思います。 後、舞台が関西というのが良い。 関東舞台の作品が多い中、アリスの大阪弁や、見知った土地が出て来て、想像しやすく、親近感わきます。 3つの殺人が、実は一つに繋がっているという事は、割と早いうちから考えられていたけれど、その理由や方法が、のちに解き明かされていく形です。 そして、その犯人が、思いもよらないというか、やはりそうだったのか、というか。 とにかく、作者に気持ち良く翻弄された感じでした。 ただ犯人がついに罪を認める場面では、ちょっといきなり?感があり、証拠固めではなく、論破?いや、違うか、感情に訴えられた?うーん、とにかくあまり恋愛体質ではない私には、ちょっと共感し辛いものでした。 読了後に、もう一度、プロローグを読んでみると、ああ、これがこういう意味だったのか、と改めて理解出来て楽しい。 一冊本を読み終えた満足感と、犯人がわかった爽快感、そして、終わってしまった寂寥感を感じる良い作品でした。

    0
    投稿日: 2025.08.27
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    このレビューはネタバレを含みます。

    「朱色」がさまざまなところでキーになった物悲しい事件だった。 火村の夢の内容を突然知ることになったアリスもちょっと寂しいよな…… 「人は複雑さと単純さの混血児」がまさしく当てはまるような事件だった。犯人の心情を語るアリスがとてもよかった。 登場人物みなの心の奥底にある想いやトラウマが「朱色」によって照らされて外に出てきているようだった。

    0
    投稿日: 2025.07.16
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    犯人の動機が切ないと表していいのかわからないけど寂しくなった 想い人を通じて、「どんな結果でもよしとする」気持ちが見えた 火村先生推せます(私の想像では色男)

    0
    投稿日: 2025.06.08
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    朱色、すなわち「世界の終わりみたい」な夕陽の色に染まる三つのプロローグで、早くも朱色の世界に引き摺り込まれます。その夕陽の色、そこに重なる炎の色が繋いでいた、三つの殺人事件。強烈な光が作る濃い陰のように、放火やら脅迫やら偽装やら、そして、一つの想いが隠れていました。犯人の心の葛藤の闇の深さが測り知れないけれど、火村の推理とアリスの指摘は、刺さったのでしょう。やりきれない中に、ほんの僅か救いがあるように思います。

    12
    投稿日: 2025.04.25
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    大好物の作家アリスシリーズでした。 犯人の歪んだ感情が引き起こした事件を、火村さんが鋭く解決してくれます。

    1
    投稿日: 2025.03.03
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    2008年。コナン・ドイルをもじったタイトルなんだって。 夕焼けがこわい朱美と、夕焼けすきな人々。 人物相関図がほしい。 男が殺され、過去の殺人事件(モテモテだった女性)も関係しているようだ。 和歌山なんて太平洋側なのに、密入国者が来るんだって。みたいな本編と関係ない話が好きだったりする。あと、作者のあとがき。

    0
    投稿日: 2025.02.06
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    このレビューはネタバレを含みます。

    六人部が火村に挑戦状を出したのは、朱美ちゃんを巡る嫉妬もあるでしょう。意図せず美女を魅了してしまう火村先生は罪深い…

    2
    投稿日: 2024.11.27
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    作家アリスシリーズ8作目。 全編通して「朱」のイメージがついてまわる印象的な作品。特に世界の終わりみたいな夕陽の描写は見事。他の作品もだけど有栖川さんは夕陽の描写が素敵だなと思う。 謎解きについてはいつも通り「わかってみればなんてことない」んだけど、説明されるまでそれが分からないんだよねえ~というところが毎回上手だなと思います。 犯人の動機について、少しでも共感できるかどうかで読了後の満足度が変わるかも(私は好きです)。

    0
    投稿日: 2024.10.26
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    大好きな有栖川作品だが、少し物足りなさを感じた。不思議な現場の状況にどうやって犯人を特定するのだろうと楽しみにしていたら、いまいち腑に落ちない感じで終わってしまった。犯人の動機にも理解ができなかったので、途中を読み飛ばしたのかなとすら思った。次の作品に期待かなぁ。

    2
    投稿日: 2024.03.16
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    ゼミの生徒に2年前の未解決殺人事件の調査を頼まれる火村。その矢先、新たな殺人事件が起きる。プロローグの夕陽など「朱色」をキーにした作品。映像で観る綺麗だろうな。犯人の動機においては理解できなかったけど面白く読んだ。

    2
    投稿日: 2023.12.01
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    火村英生シリーズ8作目。 動機が弱いという感想がよく出てくる作品ではありますが、 人間なんてどんな動機で何をしでかすか分からないので、いいんじゃないでしょうか。 今回は火村先生の内面に少し触れる部分もあり、読み進めると面白いものが出てきそうだなと思わされる回でした。

    7
    投稿日: 2023.11.10
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    長編は本当外れがないなって思う。 過去と現在で起きた事件を追ううちにだんだんと分かってくる真相とは。 タイトルの通り夕焼けがちょくちょく出てくるので夕焼けが見たくなる。 ただ動機に賛否両論あるのかな…

    2
    投稿日: 2023.08.18
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    「有栖川有栖」の長篇ミステリ小説『朱色の研究』を読みました。 『虹果て村の秘密』、『孤島パズル』に続き「有栖川有栖」の作品です。 -----story------------- 過去のトラウマから毒々しいオレンジ色を恐怖する依頼者が推理作家「有栖川」と犯罪社会学者「火村」を訪れた “2年前の未解決殺人事件を再調査してほしい”臨床犯罪学者「火村英生」が、過去のトラウマから毒々しいオレンジ色を恐怖する教え子「貴島朱美」から突然の依頼を受けたのは、一面を朱で染めた研究室の夕焼け時だった――。 さっそく「火村」は友人で推理作家の「有栖川有栖」とともに当時の関係者から事情を聴取しようとするが、その矢先、「火村」宛に新たな殺人を示唆する様な電話が入った……。 現代の「ホームズ」&「ワトソン」が解き明かす本格ミステリの金字塔。 ----------------------- 探偵役である臨床犯罪学者「火村英生」と、「ワトソン」役の推理作家「有栖川有栖(アリス)」のコンビが活躍する作家「アリス」シリーズの長篇5作目にあたる作品… 名探偵「シャーロック・ホームズ」シリーズ第1弾『緋色の研究(原題: A Study in Scarlet)』を意識したタイトルのようですね。  ■プロローグ――夕景  ■第一章 幽霊マンション  ■第二章 疑惑の男  ■第三章 二つの灯  ■第四章 枯木灘を望む家  ■第五章 朱色の悪夢  ■終章 遠い太陽  ■エピローグ――落日  ■あとがき  ■文庫版あとがき  ■解説 朱色の研究者たちあるいは『本格推理の悲しみ』について 飛鳥部勝則 臨床犯罪学者「火村英生」は教え子の「貴島朱美」から、2年前の未解決殺人事件について捜査依頼を受けた… 2年前の6月末、被害者である「大野夕雨子」は周参見の別荘近くの浜辺で、後頭部を鈍器で殴殺された状態で発見された、、、 被害者と恋人関係にあった「山内陽平」が疑われたが、物的証拠がない上に、アリバイが成立したことで迷宮入り… 遺体の背後にある高さ5メートルの崖から、大きな石が落とされていた点も捜査を難航させたという。 依頼を受けた「火村」は、当時の事件関係者に事情を聴取しに向かった… その足で友人である推理作家「有栖川有栖」を訪ねた「火村」、、、 翌朝、「アリス」の元へ不審な電話が入る… 「今すぐにオランジェ夕陽丘の806号室に行け、と火村先生に伝えてくれればいい。そうだ、あなたも一緒に行ってもらおう」、、、 そのマンションは前日、「火村」が事情聴取のために訪れた建物である… 訝しがりながらも指定された806号室へ向かった二人は、浴室で絞殺された男性の遺体を発見する。 被害者は2年前の「大野夕雨子」殺しの関係者「山内陽平」だった… 6年前の深夜の放火(殺人?)、2年前の「大野夕雨子」殺し、そして今回の「山内陽平」殺し、、、 3件の事件の真相を、「火村」と「アリス」は紐解いていく……。 それぞれの動機と犯人… 3件の事件がパズルのピースを嵌めるように繋がっていく終盤は一気読みでしたね、、、 事件に至る男女の思惑の微妙なズレは、現実世界でもありそうですね… 2年前の「大野夕雨子」殺しの殺害時間を特定する推理、「山内陽平」殺しのトリックよりも、その目的を明らかにする推理、これが冴えていましたね。 本シリーズは、「有栖川」と「火村」二人のコンビが、丁寧に事件を解決してくれるので、わかりやすくて愉しみやすいですね。

    0
    投稿日: 2023.08.11
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    久しぶりの火村シリーズ。初期の作品で火村の犯罪者に対する想いが聞ける稀有な回でもある。肝心のストーリーは長編ならではの旅情性と2人の掛け合いが十分に楽しめて良かった。解説でも書かれていたように「どちらへ転んでもいいトリック」というのが秀逸で他にあまり例が浮かばない。だが、犯人の殺人の動機だけが解せない。流石にそれで犯行には及ばないだろうと思えてならない。有栖川作品の初期に見られる物語全体を覆うセンチメンタルな雰囲気(今風ではエモい雰囲気)が何とも物悲しく、これぞ本格ミステリの王道とも言える。

    4
    投稿日: 2023.03.16
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    犯人の動機に納得できない部分があった。犯人はある女性をほとんど宗教的情熱を持って信仰し、その情熱のままに殺人を犯す。まるで宗教者が悪魔や鬼と対峙したかのように。そしてその信仰は夕日とも重なる。また作中ではその犯人が「若きウェルテルの悩み」のウェルテルに重ねられるなどいささか文学的すぎる。世の中のほとんどの人間はウェルテルに共感はできても本当に実行はしない。 また動機が情緒的なのに対して、犯行が用意周到すぎる気がした。 ただ狂信的とも言える犯人の信仰と犯罪が夕日の切なさとかかってくる展開は良い。容疑者Xの献身を思い出した。あと動機なんて後付けだと言った探偵もいたな。

    0
    投稿日: 2022.10.10
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    このレビューはネタバレを含みます。

    何を言っても変な感じになりそう。放火から繋がる一連の事件。アリスの珍推理が楽しい。たまに当たったり、火村が頷くとちょっと嬉しそうなのもよい。こんなに違和感なく居続けられる友だちって貴重よ。 事件は、始まりの放火で全てだった。そうかもなぁって思っていた人が犯人という、珍しいパターン。 珍しくといえば、事件の解決を依頼した学生が好きになれなかったな。男性が描く女性って難しい。逆もそうなのだと思うけど。火村シリーズの中ではライトな気がする。

    0
    投稿日: 2022.10.08
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    このレビューはネタバレを含みます。

    病院の待合室にて読了。久々の火村先生シリーズ。 最初に感じたなんとなくの違和感が最終的にちょっとスッキリ。…は、したんですが、もうちょっとびっくりしたかったなぁーという無いものねだりな気持ちです。 でもやっぱり火村先生とアリスさんのコンビは読んでいてたのしいですねぇ。会話のキャッチボールが楽しい。 そして何より、『21世紀のウィルス』のくだりにゾクリとしました。(こっちにゾクゾクしすぎて本編のゾクリが薄まった…かも!?) 予言者…!!!

    0
    投稿日: 2022.05.17
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    初っ端から火村先生&アリスに挑戦状を叩きつけるような事件。 そんな始まりのわりに事件は地味だなぁと思っていたら、思ってたよりも大胆な犯人だった。 流石に過去の事件は解決するにも手がかりが…な状態から、突然の閃きと推理。 最後はあっという間に全ての事件を解き明かしちゃう火村先生、流石でした! 今回はアリスの推理小説に対する考え。 それに『海のある奈良の死す』での火村先生が見る悪夢の内容を知ることが出来たので、ミステリだけでなくキャラクターへの興味も満たせて良かった。

    8
    投稿日: 2022.05.08
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    このレビューはネタバレを含みます。

    めちゃくちゃ読むの時間かかった~。 夕日の真っ赤に燃える描写がとても鮮烈。 二段階構えの謎解き、面白かった…。 これドラマで見たことあったからエレベーターのトリックは覚えていたけど、 犯人とか別荘のトリックとかは全部忘れていたので新鮮に驚いた。 犯人の動機はよくわからないと思ったけど、納得している人もいて、そういう衝動に駆られることもあるのだなと新鮮に驚いた。 風景描写がとても好き。 「夕日」をこれでもかと出してくるのに、毎回違った表現で表してくるから脱帽。

    0
    投稿日: 2022.04.19
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    このレビューはネタバレを含みます。

    夕焼けを題材にしたストーリー。最新作もだけど、有栖川さんは夕焼け空が好きなのかな。 今回は、作中でアリスがミステリーを書く意味だとか、火村のフィールドワークの理由なんかが描写されてて、派手さはないんだけど満足度の高い一作だった。 この世には人間しかおらず、あの世は存在しないから、犯罪者は人間の手で裁かれるべきなんです。 この辺りの台詞が特に好き。 好きなひとがいるのに、他の女のひとの魅力に傾いてしまった自分が許せなくて他の女のひとを手にかけるって…動機の面は全く意味がわからなかったな…有栖川さんの作品は割と動機がよくわからない。たぶんこのひとの価値観が自分と違うんだろうな…

    6
    投稿日: 2022.03.27
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    一章から火村さんもアリスもずっと一緒。そんな始まりが好みだった。夕焼け、極楽浄土、風景、、火村さんとアリスの掛け合いがとても良かった。

    4
    投稿日: 2022.03.24
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    このレビューはネタバレを含みます。

    派手さはないが、完成度が高い、とても有栖さんらしい作品。 車の陰という小さな手がかりから犯人を導く手腕もさすがだが、どちらかというと動機に重点が置かれているのだろうか。 想い続けている人がいる中で、他の女性を好きになってしまう。 朱色に染まった、なんとも物悲しい物語だ。 飛鳥部勝則さんの解説も面白かった。

    5
    投稿日: 2022.03.08
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    ’21年11月4日、読了。KindleUnlimitedで。本当に久々に読んだ、有栖川有栖さんの、長編。 楽しかった…もう、ただそれだけ、それ位、有栖川さんの作品が好きです。なんだか、どれを読んでも「優しさ」を感じます。どんなに残酷な殺人事件でも。 この作品も、そういう意味で、有栖川さんらしいなぁ、と僕は感じました。ズバッと「愛」が語られる、解決編…そこに、いつもの火村の、氷の様な「怒り」。 論理的には、いつものキレは感じなかったけど…久々に、有栖川有栖さんを満喫しました!あと何作、未読作があるかなぁ…(╥﹏╥)

    10
    投稿日: 2021.11.04
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    このレビューはネタバレを含みます。

    教え子からの依頼を受け、過去の事件を調査することになった火村先生。 傍からみたらそれくらいの事で?と思える事でも当人にとっては殺してしまう程の大きな問題だった… 大きな問題だったにしても動機としての薄さが少し気になってしまいました。 犯人を追い詰めていく場面も今作は少し難しく(と言うか芝居じみていて)なんだか楽しみ切れずに読了してしまった感が(--;)

    0
    投稿日: 2021.09.15
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    このレビューはネタバレを含みます。

    有栖川有栖、渾身のミステリー作品だと認識して選択。火村英生と有栖川有栖がとある電話からマンションに向かうと遺体を発見。この殺害と2年前の周参見における殺人事件とリンクしていた。そこで火村とアリスが犯人を追う。犯人は外れてしまったが、ちょっと言わせてもらいますが、この犯人の動機には納得がいかない!この動機で殺すか~?本当に~?あり得ないでしょ~!ポアロシリーズを読んでいるが、動機は2つ「怨恨」か「金=かね」。今回は怨恨だけどそんなに憎いかなぁ?逆に嬉しいぞ~。レンガ本を挑戦している読友さんより早く読了

    9
    投稿日: 2021.07.18
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    コナン・ドイルの『緋色の研究』を検索していたら出てきた本(笑) 有栖川有栖さんの本二冊目 一冊目『海のある奈良に死す』 https://booklog.jp/item/1/4041913020 2年前、周参見の別荘でおきた殺人事件の再捜査を依頼された火村英生シリーズ 近畿圏の馴染みのある土地の話しで、知らなかったことがたくさん出てくるのですごく楽しめる 斎藤工主演、有栖川有栖役に窪田正孝が出てたドラマ『臨床犯罪学者 火村英生の推理』のお話しだった 補陀落渡海記 知られざる古代―謎の北緯34度32分をゆく 死者の書・身毒丸 読みたくなった 2005年初版本の登場人物の雑談の中に「21世紀のウイルス」の話しが出てきた。

    1
    投稿日: 2021.07.06
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    このレビューはネタバレを含みます。

    死後に神の裁きが待っているのなら、人間が人間を裁くことは僭越であるばかりか、犯罪的に傲慢です。この世には人間しかおらず、あの世は存在しないから、犯罪者は人間の手で裁かれるべきなんです by 火村英夫

    1
    投稿日: 2021.05.21
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    このレビューはネタバレを含みます。

    火村センセ、頭良くてイケメン(多分)で腕っぷし強くてクールでちょっと闇抱えてるの、ホントにどストライクです。 2年前の殺人事件の解決を教え子貴島朱美に依頼された火村、引き受けた矢先に、怪しい電話で新たな犯行現場に呼び出されて殺人の第一発見者になるという、犯人からの挑戦を受ける。殺されたのは朱美の伯父だった。果たして今回の殺人と2年前の殺人との関係性は? 更には6年前の放火事件との繋がりは? 火村(とアリス)は2年前の現場である周参見の宗像家別荘へと赴く。 みたいな。 作家アリスシリーズの長編は、角川文庫モノの方が総じて質が高いように思う。 本作品も、矢継ぎ早に事件が起きるわけではないから分かりやすく丁寧な作品ながら、何ヶ所か読みどころというべきクライマックスがあって、一気に読ませる。トリックと呼べるのは最初のマンションの階違いのところ(メイントリックに持って来ないあたりが憎い)で、これを解く火村がカッコイイ。2年前の殺人を含めた全体の真相は、むしろ犯人の心理的葛藤を中心に語られ、ちょっとした会話劇的な演出になってる。 火村の存在も引き金のひとつになったというアリスの考察と、「火村は朱美が磨いた六人部の拳銃だった」って表現は、言い得て妙だと思った。 良い意味で中庸で、隠れた名作かもしれない。 あと、アリスが割と活躍するのが新鮮(ただし推理以外で)。 早くも21頁目から火村とアリスはイチャイチャし始める(早い)。 口を開くと憎まれ口叩く火村センセだけど、能動的に泊まりに来るの、アリスのことめっちゃ好きだよね。信頼してるんだろうな。 毎度ながらこの二人の気の置けない関係性がすごくツボ。 現実世界ではこんな関係性の友人を持てる人って少ないからこその羨望なのだろう。 終盤に本作品は純愛譚の様相を見せ始める。 でも、犯人六人部の大野夕雨子殺しの動機は、実はイマイチ腑に落ちて来なかった(心が汚いから?)。 朱美への恋心を本人に伝えることなく想い続けることを良しとする若き青年のナイーブさは、過去の彼方に確かに在った自分の中の感情と重なって、遠くで共感する。 だけど、その心を搔き乱す(穢すと言い換えてもいい)存在の夕雨子が赦せなくて殺すなんて、掻き乱されてる自分を正当化してるだけで結局エゴでしかないじゃないか。 犯人を知ってから再読すると、六人部、最初からかなり挑戦的な態度で危ない橋を渡ってる。なかなかの役者である。 中村と夕雨子が付き合ってたって事実がいつの間にか登場人物間で自明になったのが、よく分からなかった。だとしたら中村が夕雨子が死んだ日に悲しみもせず夕陽に夢中でシャッター押してたのは怖い。 山内の殺害現場が有耶無耶なままだったのもモヤった。けど、まぁいいや。 アリスと有栖川さんを同一視しちゃいけないのは分かってるんだけど、有栖川さんって猥褻なモノ苦手そうだし、あんなピュアな学生シリーズが書けちゃうところとか、ちょっと潔癖なところがあると思う。その質を引き継いでる感のあるアリスが、自分と六人部が似てると感じるのは、なんか分かる。 火村に比べてアリスのキャラ設定が弱いと時々思うけど、多分に自己の投影なので、説明を飛ばしてるところありそう。 それにしても、アリスって何故こうも推理力がポンコツなんだろうか。 推理作家なんだよね? しかも学生アリスシリーズの作者って設定だよね?? あんなにしっかりしたプロット書ける作家の推理がこんなのって、どゆことよ? 作家アリスシリーズは、最初に第一作を読んだにも拘らず、その後はあまり順序立てて読まなかったのを、今回も後悔した。 火村の悪夢、ここでカミングアウトされてんのか! 火村が殺したいほど憎んだ人、地獄に堕ちろと呪った人のことが、ほんの少し口端にのぼったのに、そこを糸口に深く追及しようとしないアリス、相変わらず優しい。 ファンとしては知りたいところだけどこのまま明かさないでいてほしいところでもあり、今回はこれでいいです(笑)。 このシリーズはアリス目線なので火村の心境はなかなか語られず、何故火村がアリスといちゃつくのか分からないんだけど、やっぱりアリスのバランス感覚と安定した情緒が火村を癒やすんだ、と自分の仮説の正しさを確信した。(妄想です)

    1
    投稿日: 2021.03.04
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    このレビューはネタバレを含みます。

    自作自演。 トリックは最初から犯人が言っていたのね。 最後のいいところはアリスが持っていきました。

    4
    投稿日: 2020.11.19
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    再読。昔読んだ時は火村先生の悪夢の話ばかり印象に残っていて犯人の事はあんまり覚えていなかったのだけれど今読んでみると犯人の最後の言葉が切なくて苦しい。有栖川先生はいつ読んでも風景の描写が美しいよなぁ。

    1
    投稿日: 2019.11.01
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    ・プロローグの夕焼けの描写が鮮烈で、まずそこからやられた。 ・作中に時折挟み込まれる夕焼けに関連するシーンが、リリカルというよりも何だか陰鬱で不安を煽られる感じがして逆に印象深く刻まれる。 ・しかし、今回の登場人物があまり自分ごのみではなかったのか、それともこのところ疲れていたからなのか、読んでいても途中興味が散漫になってしまって、話にのめり込むことかできなかった…。 でも、火村先生の夢の内容が語られたりと、このシリーズ的に重要な要素もあるので、また余裕のある時に読み返そうと思う。

    2
    投稿日: 2019.08.02
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    再読。トリック以外はほぼ覚えていなかったので初読みのように楽しめた。15年ほど前に読んだ時には殺人に至った犯人の気持ちも、二人の悪夢やアリスの思いも私には難しかったのだろう。このシリーズはトリックを楽しむより人間の悲しさや醜さ、そして優しさを感じさせられるものが多いような気がする。

    1
    投稿日: 2019.06.14
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    久しぶりの長編〈作家〉アリス。やっぱり面白いッ!今作で火村先生のあの“悪夢”の詳細が語られる—— 。読後感は「孤島パズル」に似た悲しみを感じましたね。

    0
    投稿日: 2019.06.12
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     ロジックも良かったし、アリスの推理小説論も面白かった。朱色とは夕日のことなのですが、冒頭の夕日の描写も印象的でした。  でも、それをすべて持って行ってしまったのが犯人の動機。人ってそんな感情になることがあるのか…  順を追って感想書いていきます。まずロジックについて。  この話は前半、後半に分けられそうですね。  准教授の火村が自身のゼミの学生から、過去の未解決事件の捜査を依頼されますが、その事件を本格的に追い始めるのは後半から。  前半は火村とアリスが謎の電話に呼び出され、マンションの一室を訪れると、そこに他殺体があります。そして、その部屋に直前までいた容疑者が現れるのですが、その容疑者の話では部屋に死体は無かったらしく…。この謎が主題です。  個人的には、過去の事件だけでがっつり長編にしてほしかった思いもあるのですが、この前半部もきちんと意味があり、それはそれでやっぱりよかったのかな、と思ったり。  トリックについては、ちょっと悔しかった…。もうちょっとじっくり考えたら分かりそうだったんだけどなあ…。  そして、後半部。いよいよ過去の事件へ。こちらはロジックがしっかりしてました。たった一つ条件が変わるだけで、ここまで推理が展開されるとは!  続いてアリスの推理小説論について。アリスたちが火村のゼミの学生と過去の事件現場へ向かう電車内で、アリスは質問されます。 「なぜ推理小説は殺人事件を描くことが多いのか?」  それに対しアリスはこう答えます。 『死者は、こちらがいくら問いかけても絶対に答えることがない。その不可能性が鍵のような気がします』 『問いかけても答えないと確信しているものに、答えてくれないと確信しながらなお問いかけるというのは、切ない行為だと思いませんか?』  推理小説とは、世界や運命、過去になぜ? と問わずにはいられない人間の思いを引き受けたものなのかもしれない、と。  推理小説をここまで昇華してみることができる作家さんって、有栖川さんをおいて他にいないような気がします。  有栖川さんの描く推理小説やその探偵たちの魅力の秘密は、こうした有栖川さんの思いなんでしょうね。  夕日の描写に限らずなのですが、有栖川さんの描写って何だか好きです。どこか推理小説ぽくないセンチな感じや、繊細な印象を受けるときがあります。この作品の夕日の描写もそうでした。  きっと有栖川さんのどこかロマンチストなところが反映されているからだも思うのですが、これ本人に言ったらどう思われるでしょうか(笑)  そして犯人の動機。個人的にはなかなか理解の難しいものだったのですが、犯人の最後の告白はなんだか身につまされる、切ないものでした。  きちんとロジックや物的証拠を検証したわけではないのですが、個人的な意見だと、まだ犯人は言い逃れできそうな感じではあったんですよね。  ではなぜ犯人は、罪を語ったのか。それは今まで決して表に出すことの無かった感情を告白できる、最初で最後の機会だったからだと思うのです。  共感しがたいのに、なぜか犯人の切ない思いを想像してしまう、そんな不思議な結末でした。

    2
    投稿日: 2019.06.08
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    どうしてさっさとレビューを書かなかったんだろうと思ったけれど、たしか長い感想を書き終わったあとすぐに消してしまってショックすぎてほったらかしにしてたんだった。 ミステリとしてもかなり好きな内容だった。ドラマの前に読み切ろうと頑張った記憶が。噂の新婚ごっこもあっさりしつつ面白かった。二人の掛け合いが絶妙。こんな親友ほしい。 生徒の秘密の告白から、事件は動き出し、二年前、五年前のふたつの事件がつながっていく。そこに隠された恋と呼ぶには幼いような感情が、それでも存在を否定されなかったことはアリスの存在が大きかったのかなぁ。 火星の話、素敵な未来だ。

    2
    投稿日: 2019.04.25
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    犯人の動機・・・ 人によっては意味不明だし、全くもって共感できないかもですけど、個人的にはすごく共感できるところがあって、思い出深い作品です 火星の青い夕焼け見てみたい!!( ・∀・)ノ

    1
    投稿日: 2019.04.03
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    このレビューはネタバレを含みます。

    “2年前の未解決殺人事件を、再調査してほしい。これが先生のゼミに入った本当の目的です”臨床犯罪学者・火村英生が、過去の体験から毒々しいオレンジ色を恐怖する教え子・貴島朱美から突然の依頼を受けたのは、一面を朱で染めた研究室の夕焼け時だったー。さっそく火村は友人で推理作家の有栖川有栖とともに当時の関係者から事情を聴取しようとするが、その矢先、火村宛に新たな殺人を示唆する様な電話が入った。2人はその関係者宅に急行すると、そこには予告通り新たなる死体が…?!現代のホームズ&ワトソンが解き明かす本格ミステリの金字塔。 ハードカバーの装丁がとても好きで、実家にあるはずと思っていたのに捨てられていて悲しい… アリスが、「観光スポットで記念写真」を疑問に思う火村にぺらぺら解説するのが面白くて何度も読んだ。 最後に朱美に「青い夕焼け」のはなしをするのがとても好き。 動機は何それ?って意見が多いみたいですが、あまり疑問なく読んでしまった。

    1
    投稿日: 2019.03.26
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    初版本で読んだ記憶があったが、最近見たら表紙が変わっていて面食らった 新装版はなんかサイケ… 2021再読。 「二十一世紀に待ち受けているウィルスの恐怖」 この頃はなんとも思わず読んでたなあ。

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    投稿日: 2019.02.03
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    トリックや謎の解明はもちろん、人の心の不思議まで描かれており、ただの推理小説から一歩進んだ印象。 ただ正直、動機に関してはすぐに理解できるものではなかった。 夕焼けに関する伝承や風景やそれぞれの思い、作品内に散りばめられたオレンジ色のモチーフは印象的。真っ赤に染まる一瞬の時は確かに心を動かすものである。

    1
    投稿日: 2019.01.07
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    階の錯誤はコナンぽいトリックでした。この点では島田荘司の目眩の幽霊マンションのほうが上手だった。夕焼けはミステリにおいてもっと取り上げられてもいいと思うキーワードですね。

    1
    投稿日: 2018.12.01
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    このレビューはネタバレを含みます。

    火村先生の生徒の夕焼け恐怖症。夕焼けっては悲しい気持ちになるな…けど始まりでもあるんだな なんだか切ない話。

    1
    投稿日: 2018.11.22
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    “2年前の未解決事件を再調査してほしい。これが先生のゼミに入った本当の目的です”臨床犯罪学者、火村英夫が過去の体験から毒々しいオレンジ色を恐怖する教え子、貴島朱美から突然の依頼を受けたのは一面を朱で染めた研究室の夕焼け時だった。 さっそく火村は友人で推理作家の有栖川有栖とともに当時の関係者から事情を聴取しようとするが、その矢先、火村宛に新たな殺人を示唆するような電話がはいった。2人はその関係者宅に急行するとそこには予告通り新たなる死体が……。 夕焼けの美しさ、差し込まれる人生観、息苦しい動機。全体的に物悲しい作家アリス。先生してる火村せんせや悪夢について語る火村せんせが見られる。ただ ぼんやりしていたせいかもしれないけど、わりと事件自体は大雑把でなぜ一連の事件が2年前に明らかにならなかったのが不思議だった。

    1
    投稿日: 2018.08.26
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    火村英生×有栖川有栖シリーズ8作目です。2016年1月期にテレビドラマ化された際、6話と7話で放送されてます。ドラマよりも原作の方がやっぱり有栖川ワールドを堪能できますね。所々に散りばめられた、有栖の笑いを誘う一言がすごくいい。警察が捜査しても解かれなかった謎が、警察と同じ物しか見てないのにするすると謎を解いていく様はさすが火村先生。トリック云々ではなく、目の前に提示された事実をかみ砕いて真実に辿り着く。地味な感じですが、面白かったです。

    1
    投稿日: 2018.06.19
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    このレビューはネタバレを含みます。

    火村のゼミ生、黄島朱美から持ち込まれた、二年前の未解決殺人事件の再調査依頼から始まる物語。夕焼けがテーマで、繰り返し描写されてたのが割と印象的かな。なんだか物悲しい物語で、それが夕焼けと相まって寂寥感を掻き立てるのかも。 アリスのところにかかってきた謎の電話から、二年前の殺人事件の関係者の一人が殺されている現場に踏み込んだ火村とアリス。容疑者に挙がったのは、やっぱり二年前の殺人事件の関係者だった、というところから再調査も兼ねて、関係者の話を聞く二人。どうも二年前の殺人事件と関係しているんじゃないか、さらには、それ以前に起こった、朱美の伯父が死んでしまった放火事件にもつながりがあるんじゃないか、と過去をひっくり返しながら物語は進んでいくんですが。 犯人は朱美に憧れを抱いていた人物で、その憧れが強すぎて二年前の殺人事件を起こしてしまい、その殺人の事実を知った人も殺してしまった、というオチなんですけど、狡猾でありながら、なんかこう純粋っていうか…それがいいというわけじゃないけど、そういうところもなんだか物悲しいなあ、って思ったのでした。 イカロスみたいなもんかね、などと思ったりして。 この話の萌えポイントとしてはー(突然のテンション変更w)、夜を徹して語り明かすこともあった二人、二年前の殺人現場検証ついでに恋人岬を回る二人、夜中に事件のことを語り合いながら酔っ払ってる先生、悪夢にうなされた朱美に自分の見る悪夢について語る先生とかですかね! 火村の見る悪夢は酷い方法で人を殺す夢で、手に血がべったりついている感触が残っていて、という話をしてから、悪夢のことを思い出したのか、アリスと朱美に気づかれないようにそっとシャツの裾でその手を拭いてたっていう描写がなんかもう、なんかもう!ですよ。あとそういえば、アリスは一番最初にその現場に居合わせた時は、火村に声をかけたんだな、って思ったのでした。それ以降は声もかけられないって相当なことですよね、あんなに打ち解けて見える二人なのに。打ち解けているからこそ踏み込めないのかもしれないですけどね。 全然関係ないけど、自分はこの物語の中でいうと朱美の従兄の正明に似てるかもしれない…とちょっと思ったのでした。無意識に無神経っていうか。それがある意味事件のきっかけにもなってたりして、ちょっと自分を省みたりしている…そういう話じゃないですけど…。

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    投稿日: 2017.12.01
  • 現在とそして過去へと・・・

    作家アリスシリーズ。題名のようにいろんな朱色が表現されています。焼け、炎、タバコの火・・・いろんな場面で色鮮やかに浮かび上がってきます。火村が学生から相談された2年前の殺人事件とつながっているであろうと思われる殺人事件に、火村とアリスが巻き込まれて・・・やがて、過去の殺人事件を解くとともに、現在の事件も解いていきます。ただ、殺人の根拠が理解しがたい。根拠としては薄く感じました。火村の見ている悪夢と、それを見守るアリスの気持ちが分かったのが収穫といえば収穫。トリックはエレベーターは思っていたのとは違っていて予想外。

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    投稿日: 2016.12.21
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    ドラマで放送していたので、読んでみた。 確かにホームズ、ワトソンのようなちょっと懐かしいミステリー。

    0
    投稿日: 2016.12.06
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    この人が犯人かなぁと思わせつつ、いやどうなんだろう・・・でテレビで結末は知っていたにも関わらず楽しめました。それにしても、とりとめのない話を延々できるって火村先生と有栖は気が合うんですねぇ。

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    投稿日: 2016.08.11
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    2年前の事件の解決を依頼された矢先に その一人が住んでいる場所にて、の死体。 夜中に電話が入ってくる時点で、なぜ? ですが そこは言ってはいけない話。 いけば死体、そして容疑者。 2年前の事件だけかと思ったら、さらに掘り起こされる 前の事件。 現場にいかないと分からない事がある、といいますが まさに今回それ! 崖にしても表現で何を想像するかにしても 人間、自分の知識の基準で考えますから。

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    投稿日: 2016.07.18
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    やはり岬のアレによる犯人特定とホワイに「ああ~~~~」ってなりやした。飛鳥部勝則センセの解説も良さだった。しかしドラマへの目線も厳しくなった

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    投稿日: 2016.07.09
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    “2年前の未解決殺人事件を、再調査してほしい。これが先生のゼミに入った本当の目的です”臨床犯罪学者・火村英生が、過去の体験から毒々しいオレンジ色を恐怖する教え子・貴島朱美から突然の依頼を受けたのは、一面を朱で染めた研究室の夕焼け時だった―。さっそく火村は友人で推理作家の有栖川有栖とともに当時の関係者から事情を聴取しようとするが、その矢先、火村宛に新たな殺人を示唆する様な電話が入った。2人はその関係者宅に急行すると、そこには予告通り新たなる死体が…?!現代のホームズ&ワトソンが解き明かす本格ミステリの金字塔。

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    投稿日: 2016.04.03
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    ドラマを忘れたころに読了。 ドイルの緋色の研究を意識した題名のせいか、友人に勧めようとすると「朱色?緋色でしょ。何言ってんの」とかさんざん言われたのは嫌な思い出…(笑) 夕焼け、日本人にとって故郷や心の落ち着く場所を意識させるものですが、今回は「夕焼け恐怖症」ともいうべき女子大生が登場。夕焼け=朱色ということで、朱色を見ることさえNG。ひょっとすると心が安らがない様子を表していたのか…。そう考えると、最後のセリフは彼女がやっと安らぎを手に入れることを暗示していたような気もするのですが …なぜカットされた^^;

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    投稿日: 2016.03.19
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    夕暮れの切なさを感じさせる、 全体的に夕日色に染まった作品。 トリックや犯人についてはそんなに驚きはなかったけど、 色彩の美しさがとても印象的だった。 殺人の動機も切なく純粋。 シリーズの中でもだいぶお気に入りの作品です。

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    投稿日: 2016.03.18
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    このレビューはネタバレを含みます。

    禍々しいまでに鮮やかな夕焼けに彩られた作品。夕焼けの印象と、補陀落渡海の記述が強く残っています。 犯人の動機については賛否色々目にしましたが、私としては自分の中にある純粋な気持ちを犯されたくないという思いは何となく共感できます。他著者を引き合いに出すのもあまりよくないのですが、京極夏彦の「魍魎の匣」にあったようなまさしく”魔の通った”瞬間がまさしく本作の”夕焼けのおつげ”なのでしょうね。

    1
    投稿日: 2016.03.04
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    再読。 改めて読むと、つくづく「人の心」を書く作家なのだな~と。 本格ミステリーではあるけれど、女性に人気があるのは、やはりこのへんなのかなと。 エレベータートリック以外はさっぱり忘れていた…… 今読むと、三つの事件が上手く絡んだ話だったのだな! 犯人の動機、分からないでもない。

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    投稿日: 2016.02.25
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    これも超久々に再読。すっかり内容忘れてた。。。ドラマの後編が放映される前に読めて良かった。 推理小説って時代が変わると、設定や装置も様変わりしていて、トリックに違和感を覚えたりするもんなんだなーと改めて思った。エレベータも今だったら普通、防犯カメラ付いてるもんね。 火村とアリスが夜中に周参見の別荘で飲んでるシーンが好き。「こんなぐるぐる回る家、いるもんか」は激しくお気に入り。太陽の価値観は地域によって異なるという話が出てくるけど、これも今だったら実によくわかる。熱い地域では太陽は凶星だから。 朱美ちゃんの話に絡めて火村の悪夢の話がけっこう出てきて興味深い。アリスに「夢の中で誰を殺すんだ?」と聞かれて「そりゃ、殺したい奴さ。誰だっていいだろうが」って火村が答えるシーンも出てくる。いつかシリーズ並べて火村の発言を検証してみたいな。誰かがやってくれてる気もするけど‥‥(笑)。

    1
    投稿日: 2016.02.23
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    初読。 火村先生の教え子、貴島さんの過去に影を落としていた事件と新たな事件。 それにシンクロするように火村先生の過去(悪夢の内容)も少しだけ明らかに。 解説でも述べられていたけど「朱色」というキーワード・主題に乗っ取って文章から色彩豊かな脳内情景が展開され、夕焼けという脳内風景がまた美しくも切なく作品に影を落として味わい深い作品だった。 今回、作中のアリスさんの口からなぜ推理小説が書かれ読まれるのか、について(おそらく著者自身の想いや考察でもある)語られ、そこがまたおもしろいなと思う。 私はトリックも犯人の動機もそこまで気にする性質でないので(作中の人間ドラマそのものと作者の思考とメイン登場人物の関係性を楽しみたい。推理小説というジャンルとしての愛好家にはなれないのであろうな。。)、そこについては触れない。 今回も終始行動を共にし、恋人岬にも行ってしまう火村アリスコンビ。ふたりの関係性がまた気になるところ。笑 (2016.2.18)

    1
    投稿日: 2016.02.18
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    【図書館本】やっぱりこのシリーズ好きだなぁ。 本編を通して見える“朱色”が鮮やかだった。本を読んでここまで色を感じるのも新鮮。そして、その“朱色”のグラデーション、というかバリエーションか。それも見事で。“世界の終わりみたいな夕日”をぜひ拝んでみたい。出来れば夕陽丘で!

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    投稿日: 2016.02.04
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    シリーズ第5長編。 犯人からのものと思われる電話と学生から火村への依頼から、話しがスタートする。 謎の提示は魅力的。 足跡の考察があるが、シリーズにかなり散見される。 ここまでの数を作ったのは、流石。今後も期待したい。 犯人の動機は、嫌い。 火村の秘密に、関する新事実は読者にとってのナイスサービス。

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    投稿日: 2015.09.21
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    良かったところ ・すぐに物語に引き込まれるプロローグ ・貴島朱美のキャラ。真面目! ・朱色が頭に浮かぶ風景描写 ・表紙! 良くなかったところ ・犯行の手段(トリック) ・犯人の犯行動機。全く理解できない。 ・男性容疑者のキャラ。誰が誰だか。

    0
    投稿日: 2015.06.20
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    このレビューはネタバレを含みます。

    どうも学生アリスと比べると作家アリスは割といい加減と言うか何と言うか。 まあ、学生アリスもそんなにパーフェクトなわけじゃないけど。 火村のキャラが好きじゃないと言うのが一番大きい所である訳だと思うけど、今回は特にミステリの部分も、なんじゃそれ?って感じでありました。 と言うか、そんなの普通に分かると思うんだけどなあ。 火村は名探偵となれないと言う事だろうかなあ……。

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    投稿日: 2015.05.27
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    このレビューはネタバレを含みます。

    このトリック、 クレイトン・ロースンの 「天外消失」発展編とでも申しましょうか。 ここんとこは探偵が頑張ってますが、 ラストの動機つめをワトソン役がやってます。 いいのかあ~。 でもって、この「動機」、なんですがね。 かなり微妙・・・・。 アリとするかナシとするか、 読み手の恋愛観に左右されるところだと思います。 読書会ネタにしたいなあ。 四天王寺の西門近くの「釣鐘饅頭」ってのが とても気になってます。。。。。

    2
    投稿日: 2015.03.23
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    火村ゼミの学生が火村に持ち掛けた相談―2年前の殺人事件から始まる謎。 そのゼミ生、貴島朱美をはじめとしたメイン人物の深く内面が描かれ、話が進むにつれて強く惹かれていく。 最後の場面も明るい中にもどこか寂しさを感じさせ、本を閉じたとき、しばらく読後感をかみしめたい気持ちになる名作長編。 火村が犯罪を研究する謎の一端に触れる、「夢」について言及される場面も。また、後半、火村とアリスの「それは、いいんだ」「うん、それはええ」とのテンポよい思考のキャッチボールが心地よい。 「優れた本格物には、不思議と悲しみの感覚が漂っている」(解説)―まさにそんな気分を味あわせてくれる。 主な現場:オランジェ夕陽丘、周参見の別荘 警察サイド:大阪府警船曳班、鮫山警部補、森下刑事 時期:11月20日~

    0
    投稿日: 2015.02.01
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    これが本格推理小説か。犯罪の動機が私にはイマイチ理解出来なかった。臨床犯罪学者・火村の推理は冴えるが心の奥には一体何があるのか?

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    投稿日: 2014.10.25
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    このレビューはネタバレを含みます。

    犯人がまさかの感じだった。叙述トリック? というんだっけ? そして、奥さん、聞いてくださいよ。男二人で恋人岬に行くシーンがあるのですのよ……。

    0
    投稿日: 2014.09.27
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    火村アリスシリーズ。 大雑把にいうと、火村アリスが遺体発見した現在の事件と2年前の事件の2つを解決する流れ。2つの事件のつながりを推理しつつ・・と。 つまらないというほどでもないけど、まあ普通だったかな。トリックや人物描写もそれほどグッとくるものもなく。というか、犯人の動機がいまいち納得できなかったのが大きい。そんな理由で殺人に至るものだろうか?こういうところで共感できないと読後感が「なんかよくわかんなかったかなあ」ともやもやした感じになってしまう。。。

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    投稿日: 2014.09.26
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    有栖川有栖の作家アリスシリーズ『朱色の研究』を読了。 プロローグが実に良い。世界の終わりを告げるような、毒々しいオレンジ色がすべてを染め上げる夕暮れ時。メインとなる登場人物達の様子が描かれている、実に映像的で素晴らしい。 序盤の展開も読者を飽きさせない。作品紹介にあるように、謎の人物からアリス宅に、火村宛の電話がかかってくる。しかしその時間や指定した場所、なぜ火村がいることを知っているのかなどから考慮して、その電話はかなり不自然。個人的には、この少しばかりの推理でのめり込んでいた。上手いと思う。 電話で指定されたマンションでは死体が発見されるが、ここのトリックの推理は外した。オレが考えていたことを、作中でアリスも考えていた。どうやらオレはワトソン役が向いているようである。最終的に明らかにされたマンションのトリックには納得。オレが言えることではないけれど、驚愕するほどでなかった。 これ以降も事件は続くが、そちらもワトソン並の推理しか出来なかったので残念。 相変わらず論理的な推理で解決されるものの、動機だけは少し残念だった。これまでと比べて、明らかに弱い。ただ、いくら客観的に見て理解できない動機でも、犯人にとって動機たりえるならば、それで十分なのだろうとも思う。 それと、完全にではないものの、火村の見る夢についても明かされた(大まかにではあるが)。火村の夢については、このシリーズを読む楽しみの一つと言える。オレは刊行順に読むタイプなので判らないのだが、今現在までに刊行されている作品までで、その内容が完全に明かされているのか判らない。どちらにしても、これからさらに明確にされていくであろうことは間違いない。 次は『ペルシャ猫の謎』。手元にはあるので、その内に読もう。 ……しかし、作家アリスシリーズは刊行順に並べると、講談社やら角川文庫やらがバラバラで見栄えが悪い。国名シリーズとそれ以外は、分けた方がいいかもしれない……。

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    投稿日: 2014.09.19
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    このレビューはネタバレを含みます。

    火村英生シリーズ。 【あらすじ】 英都大学の教授・火村は、ゼミの女子学生から、2年前に周参見で起こった未解決の殺人事件を解決して欲しいと依頼される。 数日後、事件の関係者から聞き込みを済ませた火村は、作家アリスの元を訪れていた。早朝、近くのマンションの806号室へ行け、という奇妙な電話が入り、二人が現場へ向かってみると、その部屋の浴槽には絞殺された男性の遺体があった。 【感想】 タイトル通り、朱色を強く印象づけるシーン…夕日や炎…が度々出てくる。文章からもその朱々しさが伝わって眩しい。 さて、女子学生の周囲で過去に起こった数々の悲惨な事件。学生は火事のトラウマで、度々悪夢を見るほどに苦しんでいるが、火村は人を殺める悪夢を度々見ることが本作で明らかにされており、彼の過去が気になるところである。 肝心の話は、とことん盛り上げといて簡単に終わった感がある。特に、6年前の焼死事件が起こった動機が消化不良。今回の事件の真犯人が起こしていたなら、強い動機もあって納得できたのだが。 一方で、トリックは面白かった。特に、2年前の事件の殺害時刻を特定するに至ったプロセスはに、全く想起できなかった(文中にあまりヒントがないせいもあるが…)。限られた情報から結論を導き出す火村の非凡さが光っていると思う。

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    投稿日: 2014.08.15
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    このレビューはネタバレを含みます。

    有栖川有栖による作家アリスシリーズ。 アリスの友人・火村が学生から受けた相談(2年前の殺人事件の解決)が元で殺人事件の現場に居合わせることになったアリスたちが、やがて2年前の殺人事件の真相に迫っていく。 本作はほかの作品に比べても回り道が多い印象で、本筋の話と絡まないネタがちょくちょく顔を出す。結果的に物語の世界観を膨らませてはいるのだが、個人的には蛇足の感が強く、もう少しそぎ落とせばスッキリするのにという印象。 本筋である謎については、事件の現場に遭遇した際のエレベータートリックは案外あっさりと思いつく。が、「普通階数表示を見るだろう」という印象が強すぎてそこから先に論理を展開できず、結果的に火村が明かす真相を読みながらやっぱりやられてしまったと悔しい思いをしてしまうのだ。

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    投稿日: 2014.04.28
  • タイトルにも込められた、色へのこだわりが溢れるミステリ

    有栖川有栖による作家アリスシリーズ。 アリスの友人・火村が学生から受けた相談(2年前の殺人事件の解決)が元で殺人事件の現場に居合わせることになったアリスたちが、やがて2年前の殺人事件の真相に迫っていく。 本作はほかの作品に比べても回り道が多い印象で、本筋の話と絡まないネタがちょくちょく顔を出す。結果的に物語の世界観を膨らませてはいるのだが、個人的には蛇足の感が強く、もう少しそぎ落とせばスッキリするのにという印象。 本筋である謎については、事件の現場に遭遇した際のエレベータートリックは案外あっさりと思いつく。が、「普通階数表示を見るだろう」という印象が強すぎてそこから先に論理を展開できず、結果的に火村が明かす真相を読みながらやっぱりやられてしまったと悔しい思いをしてしまうのだ。

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    投稿日: 2014.04.28
  • 火村とアリスのやり取りが楽しい

    作家アリスシリーズ長編。朱色に塗り潰されたような今作。火村の見ている悪夢が僅かに垣間見えた今作。動機は理解できる人と、できない人とで真っ二つに分かれると思われる。私は…後者。独り善がりに感じた。アリスと二人で観光名所を巡ったり、気まぐれに道産子ぶる火村先生が見れたりと二人のやり取りは楽しい。

    1
    投稿日: 2014.04.17
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    ″2年前の未解決殺人事件を、再調査してほしい。これが先生のゼミに入った本当の目的です″臨床犯罪学者・火村英生が、過去の体験から毒々しいオレンジ色を恐怖する教え子・貴島朱美から突然の依頼を受けたのは、一面を朱で染めた研究室の夕焼け時だったーー。 さっそく火村は友人で推理作家の有栖川有栖とともに当時の関係者から事情を聴取しようとするが、その矢先、火村宛に新たな殺人を示唆する様な電話が入った。2人はその関係者宅に急行すると、そこには予告通り新たなる死体が……!? 現代のホームズ&ワトソンが解き明かす本格ミステリの金字塔。 琴線に触れたセリフはこちら。 「異常だの正常だの、簡単に線引きできやしない。私こそが正常の標本です、という奴がいたらお目にかかりたいもんだ」

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    投稿日: 2014.01.04
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    このレビューはネタバレを含みます。

    再読。作家アリスシリーズ8作目。 いつにも増して色彩豊かに情景が描かれていて、特に象徴的に描かれる朱色の表現が素晴らしいと感じる作品です。 有栖川氏の魅力でもある叙情性にも富んでいて、言葉の紡ぎ方がやっぱり良いなあと思わせてくれます。 作中で語られる浄土への憧憬や"夕焼け小焼け"の解釈が面白い。 飛鳥部氏の解説「本格推理の悲しみ」も非常に共感出来るもので素晴らしいです。 落日を思わせる余韻を残す素敵な作品なのですが、六人部と船曳さんがチョコパを食べている(しかも真顔で)シーンが妙に心に残って困る(笑) 【メモ】火村の悪夢

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    投稿日: 2013.12.20
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    「理由はいたってシンプルです。殺人を犯した科で捕まった者は、法律によってその有責性を量られて罰せられます。この世で犯した罪をこの世で償った者が、どうして死後にまた裁かれ、地獄に墜ちなくてはならないんです?理不尽と言わざるを得ません。」 有栖川有栖の作品は間違いないな〜。推理に関係ない会話が面白い。笠井潔ほどではないが、心に響く。通奏低音として流れる太陽信仰と影については感銘を受ける。

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    投稿日: 2013.12.19
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    火村先生のゼミに所属するある学生が、火村に迷宮入りになりかかっている2年前の殺人事件を解いてくれと依頼する。 その依頼を受け動き出した火村とアリス。 更に不可解な殺人が巻き起こる。 朱一面に染まった風景が大変印象的。 「世界の終わりみたいだ」と形容される程禍々しい夕焼けの場面。 他にも、この長編には朱色だらけ。 様々な所で朱色が効果的に使われている。 トリックや犯人を導き出す過程はとても論理的で納得しやすい。 だけどもその動機は感情的で、私には共感ができない。 できないけれども、切なくて悲しいと思う。 自分の心の一番神聖な部分を侵されそうになるのはとても辛いんだろう。 トリックを解いて犯人をたたき落とす火村と、その動機を理解して共感するアリス。 その構造がとても巧みだった。 そして様々にちりばめられた伏線。 些細な部分の引用も小さな伏線で、そういう意味で使ったのか!とびっくりする。

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    投稿日: 2013.11.28
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    有栖川ミステリは、ロジックを駆使する本格派でありながら、いつも、仄かに切ない。人間模様かロジックか、の二択を常に迫られるミステリというジャンルを、ほんの少し自由にする。そんな著者の筆致がよく現れた、情緒ある一編。

    0
    投稿日: 2013.09.11
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    強烈な朱色の気配が印象的な作品。 トリックやロジックにあっと言わされる部分はあまりないんだけど、作品全体を覆う朱色の気配や登場人物たちの朱色に、有栖川有栖ならではの切なさ、寂寥感を感じる。アリスが犯人とシンパシーを感じるのも珍しいし。 とにかくプロローグとエピローグが秀逸。

    0
    投稿日: 2013.08.30
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    火村とアリス。 ゼミ生から2年前に起こった殺人事件の調査を依頼された火村。 その話を受けた彼の元に電話が入り、指示された場所では 新たな殺人事件が起こっていた。 過去2つの殺人事件と現在の殺人事件を結ぶもの。 つながりにはなるほどー、と思いました。

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    投稿日: 2013.06.29
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    このレビューはネタバレを含みます。

    火村英生シリーズ 火村に相談を持ちかけた学生・貴島朱美。2年前に死んだ彼女の伯母・宗像の別荘で起きた大野有雨子の殺害事件。彼女が陥った朱色恐怖症。原因は叔父の焼死を目撃したこと。叔父を死に至らしめた火事の原因は放火。アリスのマンションに泊っていた火村にかかってきた電話。向かいのマンションで発見した山内陽平の遺体。朱美の従兄弟・宗像正明の叔父だった山内。山内と恋人関係だった有雨子。何者かに呼び出され犯行現場で一晩過ごした六人部。2年前の事件の関係者だった六人部。事件の解決のために別荘にやってきた火村、アリス。浜辺で何者かに撲殺された有雨子。殺害後に石を投げつけられた遺体。六人部と有雨子の関係。放火殺人事件、有雨子の殺害事件、山内陽平殺害事件の関係。

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    投稿日: 2013.05.17
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    大学教授・火村&作家・ありすシリーズ。和製ホームズとワトソン。2人とも関西弁なところも大好き。この作品は、大学内のシーンもあって、火村ファンにとってはちょっと嬉しい。

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    投稿日: 2013.01.12
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    朱色の研究って、どういう意味だろうと気になって読んでみたら「朱色」が色んな人のキーワードになっていて、面白い展開だった。今回の事件が過去の事件と繋がってるようなのに犯人が誰なのか分からなくて、真相が気になって夜も眠れないから一気に読んでみた。それなのに最後の謎解きが想像してたものと違って、期待してただけにちょっと残念。その人はないでしょう!という人が犯人であるわけで意外性はあったけど、そんなのってあり?という感じで納得がいかない。というわけで☆3つ。

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    投稿日: 2012.12.22
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    本格ミステリ。 2時間ドラマとかでありそうな感じのお話。 ただ、映像では犯人見つけれるけど 文字をおってるだけじゃ見つけられない・・・ 最後謎解きまでいって ようやく犯人がわかる。 いつになったらこういうミステリで 犯人を先に見つけられるんだろう。 あっと驚く!!とか まさかのどんでん返し!!とか そういうお話を読んだ後 有栖川有栖のお話って、ふっと読みたくなる気がする。

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    投稿日: 2012.10.19
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    初めて有栖川さんの作品を読んだが面白い。 マンションで起こった不可解な殺人事件。2年前に起こった別荘での未解決の事件。昔おこった火事による死体。 この3つの謎めいた事件がリンクしながら、1つの真実を導きだすテンポの良い作品。 最後の言葉が言いたくて、この夕日という題材を使ったんだなぁと思う程、最後の言葉が良い。深い。この小説を1行でまとめた小気味の良い言葉。 火村の解決と、有栖川の解説が分かり易すぎて、逆に不可解。著者自身が作品に入り、読者の思いを代弁してるのだが、これは賛否両論だろうが、僕は否。ええよ。そんな言わんで。めんどくさいから。 作中名言 「美しい景色、驚くような眺めを自分自身で発見する自由が欲しい、というわけやな。雑草の葉にのった朝露にでも、砂浜に半分埋もれてるビール瓶の欠片にでも、きれいやと思えばごく個人的な絶景になって、自由に感嘆できる。ここで記念写真を撮りましょうと提案された観光名所はそれとはまた別物。極私的絶景から抽出された多様な美意識が、器が大きくて懐が深い景色に投影されたところに名所が成立する。美を喜ぶだけの貧しいものではない。」 「ならば先生に伺います。神も仏もないのなら、この世でその代理を務めるのは、警察官や検察官や裁判官ですか?そして名探偵?」 「質問が矛盾を含んでいます。いないものに、代理はありません」

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    投稿日: 2012.05.24
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    作家アリス&火村英生シリーズ☆タイトルはシャーロック・ホームズの『緋色の研究』をもじったものだぬ(・∀・)面白く読めたけどちょっと動機が高尚すぎて理解しにくかった(笑)登場人物がそれなりに出てくる割にはあんまり印象に残らない人ばっかだったのが残念と言えば残念。

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    投稿日: 2012.05.14
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    作家アリス&火村先生シリーズ第8弾。情景が美しくて切なくて、ただのミステリーではない大好きな本。電車の中で、アリスと火村先生の生徒が2人で話をする場面が好き。

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    投稿日: 2012.04.01
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    犯人の動機が意外だった。 ネタバレになるので深くは書けないけど、なんだか羨ましい気もする。 純粋な人だったんだろうなぁ。 酔った火村先生がよかった(*^。^*) 装丁がオシャレ!

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    投稿日: 2012.02.11
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    内容(「BOOK」データベースより) “2年前の未解決殺人事件を、再調査してほしい。これが先生のゼミに入った本当の目的です”臨床犯罪学者・火村英生が、過去の体験から毒々しいオレンジ色を恐怖する教え子・貴島朱美から突然の依頼を受けたのは、一面を朱で染めた研究室の夕焼け時だった―。さっそく火村は友人で推理作家の有栖川有栖とともに当時の関係者から事情を聴取しようとするが、その矢先、火村宛に新たな殺人を示唆する様な電話が入った。2人はその関係者宅に急行すると、そこには予告通り新たなる死体が…?!現代のホームズ&ワトソンが解き明かす本格ミステリの金字塔。

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    投稿日: 2012.01.30
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    このレビューはネタバレを含みます。

    おそらく、今までに読んだミステリのなかで一番好きな作品だと思う。なにが好きかといえば、トリックでも全体のストーリーでもない。私の心をとらえたのはひとえに、犯人の動機だ。なぜ、その犯人が最初の殺人に至ったのかというその動機に尽きる。彼は、彼女に愛されていた。そして、彼女は彼を必ず手に入れるといった。彼はそれを恐怖した。彼にはほかに好きな女性がいた。それでも、そう断言した彼女に惹かれていく自分がいた。それに彼は畏怖を覚えた。そして、彼は彼女を殺した。この動機こそ、この作品を愛する理由だ。また、途中、日想観を思い起こさせる補陀落渡海などの夕焼け信仰への解釈が差しはさまれ、それが犯人を殺人へと駆り立てた状況を演出しているという部分も興味深かった。全編を通し夕焼け、夕焼け色がキーワードとなっている。すべてを朱く染める夕焼けはたしかに畏怖を煽り、神秘を感じさせる。

    2
    投稿日: 2011.11.20
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    出だしは非常に興味をそそられる展開だったけど 二年前の事件の現場に行ってからはやや薀蓄的なものが 多くて少し辛かった。 でも火村とアリスの掛け合いが好きだし、最後の犯人とのやりとりも 哀愁があっていい。 有栖川有栖作品はロマンチックだと思う。

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    投稿日: 2011.11.01
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    “2年前の未解決殺人事件を、再調査してほしい。これが先生のゼミに入った本当の目的です”臨床犯罪学者・火村英生が、過去の体験から毒々しいオレンジ色を恐怖する教え子・貴島朱美から突然の依頼を受けたのは、一面を朱で染めた研究室の夕焼け時だった―。さっそく火村は友人で推理作家の有栖川有栖とともに当時の関係者から事情を聴取しようとするが、その矢先、火村宛に新たな殺人を示唆する様な電話が入った。2人はその関係者宅に急行すると、そこには予告通り新たなる死体が…?!現代のホームズ&ワトソンが解き明かす本格ミステリの金字塔。(「BOOK」データベースより) 色というものが、人間の心に与える影響ってありますよね。 封じた過去の記憶、蘇ろうとする力とそれを封じようとする力。 夕日をめぐって交差する感情が悲しくも美しい情景を呼び起こします。

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    投稿日: 2011.10.07
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    赤でもない。 ピンクでもない。 そう朱色。 太陽が沈み、 太陽が昇る色。 なんて神秘的だ。 まるで人の死と、 快刀乱麻の推理のよう。

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    投稿日: 2011.09.16
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    タイトルはドイルの名作にちなむものらしい。犯人はいったい誰なんだという点が今回の読みどころだろうと思うのだが、登場人物がけっこう複雑というか多すぎて、解決後もあまりすっきりとしない読後感が残った。 もちろん酔っ払いモードで読んでいたからというのもあるのだろうけれど、少しばかり消化不良だった。 ここのところ、どの作品も読後感がすっきりとしないので「読み手側の問題」なのかな。読む本を変えてリフレッシュしよう。

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    投稿日: 2011.09.03
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    作家アリスの中で、絶対に欠かせない一冊。 世界の終わりのような夕陽を、私もどこかで見たことがある。あれを怖く思わない人なんているんだろうか。文庫の表紙の朱色も、なんとなく、不安を誘う。朱色が効果的に使われていて、読み終わった時には、ああ、美しいな、と淋しさを感じる。 素敵なミステリに感じる淋しさと、夕陽に感じる淋しさは似ているのかもしれない。美しいからこその、淋しさ。

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    投稿日: 2011.08.02
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    このレビューはネタバレを含みます。

    高校生のときに初めて読んで、久しぶりに読み直してみました。 最初のマンションでの謎の真相がちょっとあっけないなとは思いましたが、最後の犯人が自供するシーンは動機も共感できたしテンポも好きです。 あと火村先生が前触れもなく酔っぱらうところが妙にツボでした。 しかもすぐ元気?になるしやっぱりただ者ではないですね。

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    投稿日: 2011.06.23
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    作家アリス 長編です。 ゼミの生徒から依頼を受けた火村。否応なしに巻き込まれて行く二人。 夕日を怖がり、悪夢にうなされる朱美。 悪夢に悩まされ続ける火村は彼女を救えるのか…。 火村が悪夢を見なくなる日が早く来るといいと、心から思う。

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    投稿日: 2011.06.12
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    “2年前の未解決殺人事件を、再調査してほしい。これが先生のゼミに入った本当の目的です”臨床犯罪学者・火村英生が、過去の体験から毒々しいオレンジ色を恐怖する教え子・貴島朱美から突然の依頼を受けたのは、一面を朱で染めた研究室の夕焼け時だった――。さっそく火村は友人で推理作家の有栖川有栖とともに当時の関係者から事情を聴取しようとするが、その矢先、火村宛に新たな殺人を示唆する様な電話が入った。2人はその関係者宅に急行すると、そこには予告通り新たなる死体が……!現代のホームズ&ワトソンが解き明かす本格ミステリの金字塔。

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    投稿日: 2011.05.28
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    有栖川…というか火村シリーズはこれが最初でしたっけ。 御手洗シリーズからミステリにはまり、次に手にしたのがこれ。 シャーロック・ホームズの流れをくんでか、男子ペアのミステリ多くないですか? 男女だと恋仲になるからダメなのか。 火村イケメンかつ、相方?がありすって名前の男。 設定まんがすぎ、と思ったけど、この話は面白かった。ミステリ系はネタバレ書きませんが、後から出てくる国名シリーズよりはるかによかった。 (国名シリーズもかなり読んだけど記憶に残らず、登録しなかった) キャラがたちすぎてもダメなのかな…

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    投稿日: 2011.05.05
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    図書館より。 トリックを考えるのももどかしく、一気にばーーっと読んでしまった。読んだというよりも、喰いあらした、とでもいうような粗暴な目の通し方をして、有栖川先生には非常に失礼なことをしてしまったと、反省してます… というのもこの本を手に取った主眼目が、 火村の過去語りが含まれていると知ったゆえにて。 アリス+火村コンビについては作品ごとに過去や思い出話なんかをいい感じに散らして混ぜ込んでくれているので、こちらはその情報を拾うのに少し手間がかかる(ちょっとずつ知っていくのも、勿論楽しいのですが)。

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    投稿日: 2011.01.24
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    常に鮮やかな朱色が印象的で、ミステリーというより、短い悲恋映画を観ているような心地でした。 犯人とアリスの会話が印象的です。

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    投稿日: 2011.01.22
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    火村先生のシリーズ。 火村先生が出てくるだけで価値があるのに・・・良いです♪ 他の作品より情景の見えるお話でした。

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    投稿日: 2010.10.20
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    やっぱりアリスは安心します。動機だけ抽出するときっと納得しないけど、物語の中で聞くとなんとなく納得。

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    投稿日: 2010.10.09