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ルピナス探偵団の当惑
ルピナス探偵団の当惑
津原泰水/東京創元社
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総合評価

53件)
3.7
7
20
18
2
0
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    敬愛する幻想作家津原泰水のミステリ短編集。僕の本来の好みの津原作品ではないものの、登場人物のキャラクターが、セリフが楽しい。本にまとめるにあたって書き足された「大女優の右手」はさすが。僕の推しはキリエちゃん♪ また余裕ができたら、続きも読もう。

    8
    投稿日: 2025.07.11
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    個人的に、謎が謎のまま残るのが苦手。読解力がないから。 彩子は探偵なの⁇祀島くんが探偵で最後にチラッと、もしくはその逆でチラッと…がよくわからない。 コロンボ形式で最初に犯人を明かすパターンもあればそうでないものも。密室を作るのにドアを蝶番ごと反対側に設置⁇出来るの⁇木枠ならまだしも。最後は被害者のそっくりさんが出てきて、それは知ってたけど、欲しいものが手に入ったから…ってそれはなに⁇知ってたのかよって、だったら謎解きはなんだったのか、罪を認めた意味は⁇ いやわかるんだけど… 続編は読まないかなぁ…残念。

    3
    投稿日: 2025.02.23
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    登場人物が大好きになりました!会話が洒落ていて 面白い。 3話の前に、尾崎翠の琉璃玉の耳輪を先に読みました。

    0
    投稿日: 2022.12.29
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    初出は1994年だということですが、濃い昭和感が漂っていますね。人物のキャラクターも濃い。掛け合いも濃い。ミステリーでありながら、笑いが止まりません。決して笑える結末ではないのですけれど。

    0
    投稿日: 2022.11.18
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    2作目が読みたくてこの本を読んだ。 ホワイダニットが散りばめられた上質なミステリーで、会話文が中心だけどそれも面白かった。 強烈な主人公の姉のキャラにイラつくこともあったけど笑 たまに出てくるには面白くて笑える。 切ない真実にちょっとしんみりするけど。

    2
    投稿日: 2020.05.30
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    主人公の姉と上司に関しては問題ありとは思うが、主人公たち4人は魅力的だと思う。ミステリとしては後で追加された3作目が1番良い。2作目は遺体を動かす事を許した主人公の姉に対しての怒りマックス。

    0
    投稿日: 2020.03.13
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    もとは少女小説文庫に書き下ろしたものだったそうですが、しっかり本格です。視点の女子高生の姉が破天荒な警察官という事情もありますが、高校生探偵団が扱うのは学校内の事件ではなく普通の殺人事件。視点の女子高生が実は探偵役だったのが新鮮でした。探偵視点って珍しい気がします。姉だけでなく探偵団となる友人二人と化石しか頭にない主人公が思いを寄せる祀島くん、姉の上司までキャラは全部個性的で(少し抜けていて)インパクトがあります。これがガッツリ本格なのが嬉しい。特に最終話は最後の一行まで素晴らしかったです。楽しみました。

    0
    投稿日: 2019.06.14
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    元は少女小説だったそうで、小・中学生の頃に愛読していたコバルト文庫を思い出したりもしてあの頃のワクワクは簡単に取り戻せるものなのだなと妙に感心しながら読み進んでゆき、3作目の大女優の右手でガツンと食らった。

    0
    投稿日: 2019.05.31
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    直感に優れた彩子、行動力のあるキリエ、おっとり肉食系美少女摩耶、彩子の憧れの君祀島が、彩子の姉で刑事の不二子に振り回されつつ、難事件を解決。大胆なトリックは新本格に近い。 設定として珍しいというわけではないが、登場人物が、犯人やらその周囲を含めて皆魅力的。ミステリとコメディがいい割合で含まれており、会話のテンポもよいので飽きない。人物紹介であっさりネタバレしているのも面白い。しかし、不二子は鬼畜すぎるな。

    0
    投稿日: 2019.04.25
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    再読 2巻で反省している通りミステリらしいミステリ 解説の通りチェスタトンや泡坂作品のような 気づけばなぜそう思えなかったのか納得の謎解きが秀逸 言うまでもなく文章も素晴らしい 2013/11/23 もとは1994年から95年に 講談社ティーンズハート(十二国記のホワイトハートの前身)からでた作品の改作 つまり少女向けライトノベルにおけるミステリであり 赤川次郎作品てきなおもむきの 殺人事件がおこるが陰湿さはあまりなく 探偵役の主人公一行は事件にまきこまれても泰然としていなければならないふう ミステリに詳しくない目から見ても事件内容は相当変わっているが 登場人物の奇抜は決してそれに劣らない 「普通の少女」である主人公は充分に胡乱だし その憧れの人である祓島龍彦(『絶望先生』の久藤准調)あたり突き抜けては 作者が楽しんで書いていそう

    0
    投稿日: 2018.10.17
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    とても面白かったのだけど、主要人物の中に傍若無人に振る舞う人が二人もいると読んでいて疲れる。 姉だけでよかったのでは? 意味のわからない箇所がちょっと多いかな。 ミステリーの謎や雰囲気はとても良いのに残念

    0
    投稿日: 2015.05.12
  • 懐かしくも個性的なキャラ

    ミッション系の学校に通う女子高生たちが活躍する連作ミステリ集。全3編のうち2編はもともと少女小説だったそうですが、改稿の甲斐あって大人にも通用する作品に仕上がっています。 主人公・彩子たちの閃きや論理、珍答(?)が冴え渡る推理パートは、各キャラの個性が出ていて楽しく読みました。始まりが少女小説だったこともあってか、主役から脇役に至るまで、とにかくキャラが立っています。彩子が恋するうんちく男子高生も強烈ですが、主人公の姉(刑事)やその上司なんかは、もはやどこから突っ込んでいいのかわからないハチャメチャぶり……。 まだ携帯電話もない時代の話なので、高校生同士の会話にも懐かしさが漂います。そのやや古風な感じが、山奥の洋館や年老いた舞台女優といったモチーフによく合っていると思いました。

    3
    投稿日: 2014.10.06
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    女子高生三人組と主人公の想い人である博識男子高校生が事件の謎を解くミステリ短編集。日常の謎ではなく、解くのは殺人事件です。コミカルなキャラクターが青春してますが、文体は軽すぎず謎も魅力的。 「冷えたピザはいかが」 謎が面白い。導入のためかキャラ紹介が長めかな。 「ようこそ雪の館へ」 ムード満点の館もの。密室殺人とダイイング・メッセージ。それぞれの独創的な推理が面白い。 「大女優の右手」 これは好みです。完成度高く余韻も残りました。何故死体から右手が消えたのかという謎を、パズル的な問題だけでなく、物語の中で上手く消化していました。

    0
    投稿日: 2014.08.11
  • エグみのない推理モノとしては面白い

    姉を刑事にもつ私立ルピナス学園に通う高校生の妹とその友達,恋人(?)がなぜか殺人事件の謎解きをして行きます。 それぞれのプロットはまずまず面白かったし,殺人事件とはいってもエグさは皆無なので,万人向け推理モノです。 ただし,この設定をあまりうまく活かせていないところもあるかなぁと思います。

    0
    投稿日: 2014.07.06
  • 少年少女探偵団だけどジュヴナイル感は皆無

    やっと津原作品が電子書籍化しました。 これはかつて「津原やすみ」名義で発表した少女小説作品を、大幅リライトのうえ推理小説として再刊行したものです。 (「冷えたピザはいかが」「ようこそ雪の館へ」「大女優の右手」の中篇3本が収められています。 「大女優の右手」が今回書き下ろされたタイトルで、他2本がリライト分です。) スタートが少女小説だったため、主人公は当然女子高生ですし、片思いの少年も出てきます。 が、全体を通して学校生活などの青春らしい甘酸っぱさは1%もありません 少女小説らしい「きゃっきゃうふふ」成分も残っているかと読んでみたら、見事に徹頭徹尾推理小説でした。 津原作品らしいどこか浮世離れしたキャラクターたちが軽妙な会話を交わしながら、飄々とすすむミステリーです。 津原泰水さんの作品を初めて読む人には入りやすいタイトルかと思います。

    9
    投稿日: 2014.05.23
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    ブックオフにて、ミステリということだけを足がかりに購入した一冊。 キャラクターの配置や軽妙な会話が、北村薫の円紫さんシリーズに似ていると思います。内容としては本格推理のしっかりとした骨格の作品。特に『冷えたピザはいかが』の構成には驚かされたりしました。こういう型が倒叙ミステリてことなんだなぁとか。 すぐに次巻を買いに行く次第。

    0
    投稿日: 2014.05.07
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    なんだろうか。 話が急に飛んだり、意味が分からない会話がでてきたりとなかなか読みにくい部分があった。 物語の雰囲気は嫌いじゃないんだけど。

    1
    投稿日: 2014.02.23
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    図書館で。面白かったです。都心で化石を見つけるとか面白そう。確かに大理石とかにサンゴとか入ってるときありますものね。今はコンクリの打ちっぱなしが多いからなかなか難しそうですが。 と言う訳で最初の話と次の話は面白かったのですが最後の話は個人的にイマイチ。あこがれの彼が探偵役になってしまい彼女はどこに行った?と言う感じで…。それにしても主人公のお姉ちゃんはなかなか最低。人の手紙を張りだすとか読むとか家族でもありえない。最悪。 また借りてしまった…。なんか読んだことある、でもオチなんだっけ?という感じでもう一度再読。やっぱり探偵役が憧れの彼氏に変更になったのはちょっと違う気がする。確かに。そして推理というよりはトリックの種明かし的なお話なんだな、と思いました。

    0
    投稿日: 2014.02.10
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    「五色の船」で面白いなと思ったので借りてみたら、がっかりした…最初の2話。3話目でやっと追い付いた感じでした。…と思ったら、2話目迄は少女向け小説として書かれていたそうな。納得。 しかし器用な作家さんですね!ガラリと文章も雰囲気も変わります。 もう少し他のも読んでみようかな。

    0
    投稿日: 2013.11.15
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    高校生が探偵役のミステリ。 2編は、ライトノベルとして1994年から95年にかけて発表されたもの。 全面改稿されたということですが、キャラ設定はそれらしい感じですね。 吾魚彩子(あうおさいこ)はルピナス学園の生徒で、かなり普通の女の子だが、やや直観力に優れている。 姉の不二子が刑事で、彩子はたまたま密室殺人の謎を解いてしまったことがあるため、強引な性格の不二子に何かと協力させられるようになっていた。 博学な祀島龍彦にあこがれて告白するが、姉のせいで誤解されてしまう‥? この祀島、化石マニアで何事につけても知識は豊富だが、乙女心にはまったく疎いのでした。 彩子の親友はボーイッシュで度胸がある桐江泉と、美少女というほかにはさして取り柄がない(と人物紹介に書いてある)京野摩耶。 刑事の不二子と、その上司(だが年下)も含め、それぞれの得意を生かして謎に挑む展開。 「冷えたピザはいかが」はキャラのにぎやかなお目見えと、ピザをめぐる謎ときが面白かったです。 「ようこそ雪の館へ」は、雪の日に道に迷って、カリスマ的な美人作詞家が住む館に泊まることになった一行が事件に巻き込まれる。 館もの、とでもいいましょうか。 ムードのある場所での不思議な事件は、高校生向きというわけでもないけれど、作者の資質を感じさせる雰囲気がありました。 「大女優の右手」は、「瑠璃玉の耳輪」を上演中の舞台で、主演女優が死亡、死体が行方不明に? 手套の麗人と異名をとった往年の名女優、尾崎緑が書いた幻のシナリオなど、時代がかった雰囲気が濃厚でした。 津原泰水が小説として完成した「瑠璃玉の耳輪」を前に読んでいるので、面白く読めました。 吾魚って変わった苗字だけど、亜愛一郎が好きなのかな? 謎解きの基本的な面白さがしっかりありますが~解説にあるように、魔法の杖をもつ魔法使いというタイプの作家さんという気がします。

    4
    投稿日: 2013.09.07
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    津原泰水さんが「津原やすみ」名で少女小説家として活躍していた頃の作品と聞いて、あまり食指が動かず読むのを後回しにしていたのだが、さすがに津原さん、やっぱり面白かった。きっちり作り上げられた世界とキャラクターを堪能した。ジャンルの性格上、人物像がやや極端ではあるけれど、気になるほどではなくてむしろ楽しめる。もう一冊も続けて読むことにしよう。

    0
    投稿日: 2013.03.22
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    読み始めたばかりなのだがしまった、どうやらミステリらしい… が、この作者ならなんとかしてくれるかも。 読了 やはり謎解きには興味がないかな…

    0
    投稿日: 2013.03.11
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    再読。 冷えたピザはいかが ようこそ雪の邸へ 大女優の左手 それぞれ「なぜ」が追及される。 軽妙な掛け合いがやはりよい。

    0
    投稿日: 2013.02.18
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    殺人者は何故現場で冷めたピザを食べたのか? 雪の密室に残されたダイイングメッセージには何故ルビがふられていたのか? 舞台で亡くなった女優の右手は何故切り落とされたのか? ホワイダニットに満ちた謎の物語。 読む前は何故かペダンチックな重い物語だと思い込んでいましたが、読んでみると軽快なユーモアミステリに属する物語でした。元々は少女小説として発表されていたのだとか。洞察力と直感力と空想力、探偵に必要な力を各キャラクターに配分し展開していく様は面白いです。「何故」に焦点を当てるホワイダニットは地味な印象を与えますが、このキャラクター小説的展開でそれも補っているのかと。続きも出ているようなので要チェックですね。

    0
    投稿日: 2013.01.30
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    私が楽しむとしたら、ミステリとしてではなくキャラクター造形に重きを置くかな。男性陣2人がかわいいです。 三作目も記述が進むにつれ、犯人がどんどんキャラクターとして目立ってくるし、最後の方はちょっとぞっとしたくらい。 どの編も推理自体は無理があるような。。

    0
    投稿日: 2013.01.20
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    女子高生3人組がどたばた的な感じで事件を解決するシリーズ第一作。そう書くといかにも最近のライトノベル風味ですが、そういう感じでもありませんでした。 いい意味でも悪い意味でも「あんまりキャラが立ってない」作品だなあ、と。そういう意味では純粋に謎解きに焦点が・・と思ったけど、微妙にそんな感じでもなく。 読んでいてなんとなく読みづらさを感じました。作者の意図するところが今一つよくわからないというか。 もともとは少女向けの文庫に書かれた話らしいですが、少女というのはこういう感じの話を求めるものなのだろうか?

    1
    投稿日: 2012.12.12
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    このレビューはネタバレを含みます。

    もともと少女小説のレーベルで出版していた作品を、作者自ら改稿した青春ミステリ。収められている3編は、古びているということはなく、それでいて津原さんのテイストが味わえる秀作ばかり。個人的には『ようこそ雪の館へ』が好みでした。また、『大女優の右手』には、尾崎翠の『瑠璃玉の耳輪』も出てきて、面白かったです。

    0
    投稿日: 2012.05.14
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    このレビューはネタバレを含みます。

     全体的になんだか懐かしい空気で読んでいた。解説を読んで、なるほど中学の時に夢中だったコバルト文庫的だったんだ!  登場人物がとにかくいい。主役集団だけでなく、出てくる人々が楽しい。 とぼけた雰囲気の会話も楽しいし。数々の雑学。 化石探しとかやっちゃうかも。  「これまで見えていたものが見えなくなる喪失感と、これまで見えなかったものが見えてくる解放感、この相反する状態が同時に起こる幻惑的瞬間に立ち会う事、それこそ良質な推理小説を読む醍醐味なのだ」(解説より) 犯人が最初にわかっていてもとても楽しめた。

    3
    投稿日: 2012.05.07
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    ミステリと学園ものがいっぺんに楽しめる。構成と文章のレヴェルの高さは折り紙付きの津原作品だけに、おとなも楽しめる充実感があります。 学園というか女子校ものと言っても差し支えない。白一点の祀島くんは、雑学男子、化石男子か…? 「始祖鳥」で飼われてるフッフール、とかいうセンスが好きなんだな。 解説も面白いです。

    0
    投稿日: 2012.03.29
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    連作ミステリ短編集。 これが少女小説として出されてたのがすごい。少女小説=少女の成長と初恋ってイメージがあったけど、探せばおもしろい作品があるのかなあ。

    0
    投稿日: 2012.03.05
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    このレビューはネタバレを含みます。

    2022年10月26日追記 2022年10月2日に作者津原泰水氏が永眠された。享年58歳、若い、まだまだたくさんの作品を生み出せたはずなのに…しかしながら津原氏の作品は、多くの読者の心に留まり続けるのだと思う。合掌。 ずいぶん前に購入し長い間積ん読状態でした。なかなかよい評判をネット上で得ていたのですが、次作『ルピナス探偵団の憂愁』がなかなか入手できず、その間に著者の別著『妖都』を読み、なんだかな~?という感想と相まって敬遠気味になっておりました。今回やっと読了しました、率直に言ってもっと早く読むべきだった!個人的好みであり素晴らしい作品でした。 津原泰水氏についても予備知識がほとんどなく、俄然興味を持ち調べたところ… 1989:少女作家としてデビュー ペンネームは津原やすみ 1996:「妖都」でホラー作家へ転身、現在のペンネームへ変更 その後ジャンルにとらわれない作品を上梓… そして 2000「蘆屋家の崩壊」このミス14位 2011「瑠璃玉の耳輪」このミス17位 2012「11 eleven」このミス12位 と、なんとも微妙に惜しい存在のようです。11位以下は見過ごしてることが多いのですが、実力は間違いないようです。 さらに今作も上梓までの足跡がちょっと風変わりでもあります。1994~1995にかけて少女小説として出版された「うふふルピナス探偵団」(本書では「冷えたピザはいかが」)「ようこそ雪の館へ」を前面改稿し(本書の第1話2話)書き下ろしの第3話「大女優の右手」を加えて一般向け推理小説として出版されたようです。さらに単行本と文庫では出版社が違う、という紆余曲折を経ているとのこと。 内容ですが、元は女子高であったルピナス学園の高校生(女3男1)が、主人公彩子の姉(刑事)が持ち込む事件をそれぞれの特性を生かし推理解決していくという流れを踏んでいます。それぞれのキャラもよく立っており、ハチャメチャな姉不二子に、毒舌なキリエ、天然お嬢様の摩耶、そして彩子の憧れの祀島くんの織り成す会話も楽しく、青春ラブコメ要素もあります。しかしながら本質は正統派と呼ぶにふさわしいロジックに支えられた本格ミステリでした。 解説にある通り、本作は全て「なぜ?」の解決に主眼をおいており、その傾向は泡坂妻夫氏、チェスタトンによく似ていると思われます。事象の視点を変えることにより明らかになる真実は「だまし絵」の世界であり、その舞台を軽妙な会話と笑いの中で構築し得る津原氏の力量は素晴らしいものでした。 次作『ルピナス探偵団の憂愁』をさっそく図書館予約しました、非常に楽しみです。

    4
    投稿日: 2012.02.29
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    このレビューはネタバレを含みます。

    思ったより読んでる人が多いな。何かの本の裏に書かれてて借りた物。3つの短編集。ちょっと長めの。ティーンエイジャー向けにしてはちょっと難しいというか。少し昔の時代設定で、凜とした感じがする。元女子校、というのも影響してるのか。キャラはみんないい。やっぱり毒舌のキリエが一番好き。きりみたいだな。化石ばかりの祀島君も好き。登場人物紹介の京野摩耶のところ、「さして取り柄のない美少女」って摩耶は怒るべきだ。 2015.12.21 再読。この続編の感動を知っている私は、初回よりもとても楽しめたと思う。でもちょっとトリックが難しいよな。本格的で。ほんと、みんな大好きだ、と思う。これが津原やすみ時代に書いたものを手直ししたとは知らなんだ。

    0
    投稿日: 2012.01.23
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    元々が少女小説ということもあってか、個性的なキャラクター同士の軽妙なやり取りが愉しく、仄かな恋心がくすぐったい。雪に閉ざされた洋館、怪しげな住人、死体消失といったミステリ的なガジェットに加え、『瑠璃玉の耳輪』まで登場するのも嬉しい。HowやWhoよりもWhyに重点を置いた謎解きもなかなか見事。 お気に入りは「大女優の右手」。

    0
    投稿日: 2011.09.20
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    私立ルピナス学園高等部に通う吾魚彩子は、あるときうっかり密室の謎を解いたばかりに、刑事の姉から殺人事件の推理を強要される。なぜ殺人者は犯行後冷えたピザを食べたのか?その後も飄々たる博識の少年・祀島らと、青薔薇のある雪の館の密室殺人、死んだ大女優の右手消失事件に遭遇する。不合理な謎が論理的解明を経て、鮮烈な幕切れをもたらす本格ミステリ三編を収録。

    0
    投稿日: 2011.03.22
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    津原泰水作品のキャラクターからには、なぜか潔さを感じる。 どんなに不道徳でも卑俗的でも、すべての登場人物に宿ってる気がする。 そして相変わらずのネーミングセンスに脱帽。

    0
    投稿日: 2011.02.07
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    「大女優の右手」は真相はわりとありきたりではあるものの、小道具全てに胸をときめかされてとても好き。おそろしいくらいに古びていない作品だと思う。

    0
    投稿日: 2011.02.07
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    津原泰水氏の少女小説家時代のミステリ。 大幅改稿+書き下ろし一遍追加との事ですが、少女向けとしては本格的で難解な内容。 とは言え、キャラクターや会話は淡々としていながら独特なユーモアがあり、むしろそちらの方に魅力を感じます。 緊張感を煽るミステリに疲れたときに読みたいです。

    0
    投稿日: 2010.11.02
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    祀島龍彦・・・雑学と洞察力に優 れた高校生で、探偵役に昇格する かと思われたが、真実を見る者は やる気のない女子高校生。 誰もが最後に話題にするどうでも いい事に注意を惹かれ・・・事件 が解決に導かれる 2012.3.15再読 やはり・・・何も覚えていなかった(笑) 何回でも楽しめる(推理小説であったとしても)

    0
    投稿日: 2010.03.07
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    「なぜ事件は起こったのか?」に焦点を当てた推理小説。 女子高生3人組+男1名が解決に挑むわけですが、気負いしてない雰囲気が心地よい。 読みやすかったです。

    0
    投稿日: 2010.02.24
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    続編「ルピナス探偵団の憂愁」を読んでから再読すると、味わいがひとしお。青春時代は二度と戻らないから、感慨深い。

    0
    投稿日: 2010.02.24
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    可愛い話。 祀島君が好きです。天然でクールって、最高だと思う。キリエのさばさばした性格も大好き。 初期のタイトルが「うふふ ルピナス探偵団」だったのを知ってもっと好きになった。 サイコ、好き。

    0
    投稿日: 2009.12.07
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    連作短編。「冷えたピザはいかが」「ようこそ雪の館へ」「大女優の右手」どれもまさにミステリーといった雰囲気。 2009/12/2

    0
    投稿日: 2009.12.02
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    ずっと気になっていた今作。 学園青春もののライトミステリーだと 思いこんでましたが...かなりの本格派ミステリーでした。 キャラクターや設定はコミカルな 学園青春ものの皮を被っています。 その中身は、注意してしっかり読んでいかないと、 見失ってしまいそうな、想像力と論理展開による推理。 ガチのミステリーです。 女子高生たちが探偵となるには事件が 大きい不自然さはあるものの、キャラクター描写 (とくに主人公の姉である刑事。しかもがさつ。)に よって助けられて、気にせず没頭出来ますねー。 今まで未読の作家さんでしたが、 またこれで遡って読む本が増えそうな予感...。

    1
    投稿日: 2009.11.24
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    「絶対に追いつけない幻影を追って走り続けた人生だ。あんな婆さんになってさえ、酔うと自分の右手を見つめ、贋物だと云って泣いた。なあ彩子ちゃん、そろそろ本物にしてやろうじゃないか」(本文より) 大女優の右手が好き。動機が切ない。

    0
    投稿日: 2009.10.18
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    短編集でシリーズもの。新ジャンル文学ミステリ。冗談は置いておき、面白かった。(たぶん)ミステリ小説なのに、ミステリ部分に対する執着をあんまり感じない。謎から答えまでの道のりが短いのが理由か。

    0
    投稿日: 2009.08.23
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    彩子が出会う事件は刑事の姉が持ち込んでくる密室殺人等、 典型的なミステリっぽい展開だが、なんとなくほのぼのとした雰囲気なのがよい。 どの事件でも本当の謎というか、事件の解決以上の解決があるのが嬉しい。 密室の謎を解くだけではなくそれに関わる人々の心情をも解き明かされ、 またその謎が美しい。 ただ単に謎を解いてどんでん返しで驚かせてくれるだけでなく、 細かいところまで行き届いている感じがステキだ。

    0
    投稿日: 2009.08.16
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    ずっとずっと気になっていた≪津原泰水≫さん。「少年トレチア」と「蘆屋家の崩壊」は積んだまま、こちらを先に読了。 もとは講談社X文庫ティーンズハートより出版されたものとあって(一話二話を全面改稿の上三話を描き下ろし)読みやすかったです。 彩子の強烈な刑事のお姉さんとか、そのお姉さんの尻に敷かれてる年下の上司とか。うまくかみ合わない祀島くんとか、キャラクターも好感が持てるし、ミステリの謎も良かった。 殺人事件のミステリなので米澤穂信のように日常の謎の方が好きな方は躊躇ってしまうかもしれないけど、探偵が少年少女のミステリがお好きな方はどうぞ!

    0
    投稿日: 2008.10.15
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    「悩める乙女の謎解き高校生活」と帯にw 手に取り、あらすじを読んでみる・・・・・・。 ありえねー!!!www[壁]_☆)キラーッ タイトルにあるルピナス学園高等部に通う主人公はひょんな事からうっかり密室の謎を解いたばかりに、刑事の姉から事ある毎に事件の推理を強要されているだなんて!!!(゚ロ゚屮)屮 ページを少しめくってみる・・・・・・。 そのまま、収録の三篇を一気読みですな(え) 「読みやすい・感情移入しやすい・キャラが立ってる」の三拍子が揃った少女小説にして、推理小説のエッセンスもあり。 赤川次郎氏の作品と似て、「ドラマにすると面白いだろうなぁ」と感想を抱くw 帯にはこのシリーズの続編が発売とあるも・・・・・・文庫になるのかしらんw そちらは「大人になった」主人公達が出くわす事件だそうですぞw

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    投稿日: 2008.03.24
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    最高ですよ。私の今までの少ない読書量の中で、これほど心にキタ推理小説はありません!! 『作家が読む小説』と云われる話を書く作家さんだというので、活字熟練者ではない私にはまだ読むのは早いとも思ったのですが・・・ この小説を読んで、津原さんがジャンルを確定して仕事をしている作家さんじゃないというのがしみじみ分かりましたね。 ミステリとして全然妥協がなかったし、その上キャラクターや文章構成にも生き生きとしたものが感じられる。マイベストは『冷えたピザはいかが』かな、やっぱり。あ、でも『大女優の右手』もかなり好きなお話。 脇役らしい登場回数のご老人がなぜか強烈な印象を残していきました。

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    投稿日: 2008.03.04
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    誰が探偵役なのかイマイチ分からない謎のミステリ。もとティーンズ向けというだけあってキャラクタが立っていて面白かった。   何より好きなのが、この登場人物表。誰だ、これ書いたの。   一話目「冷えたピザはいかが」からWhy?と同時にWho?でもあるのに登場人物紹介で「第一話の犯人」と書いてある。 そして「謎の老人」のという人物の性格付け?紹介文として「謎の人物」と上下で同じことが書いてある〜。ナンダコレ?

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    投稿日: 2008.02.06
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    うわぁこれほんと良い!おすすめです。祀島くん大好き。スーパーマイペース祀島。周りお構いなし。話はすごくおもしろいし文章も易しいのだけど、ただひとつ私が読みながら苦労したことは登場人物の名前が読みづらくて何度も目次に帰らねばならなかったということです(笑) これはあと5回くらい読み返したい。★10個!いやぁ、よかった。祀島くんすきだなあ。 「ルピナス探偵団の憂愁」も読みたい!

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    投稿日: 2008.01.25
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    「パズラーのようで、ユーモアミステリのようで、青春ミステリでもある」(解説より)創元推理文庫だけど、もとは少女小説。なるほど。祀島くんがなかなか個性的で素敵。読みやすくて、読み応えがあって面白かった。

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    投稿日: 2007.07.11
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    このルピナス探偵団は元々1994、95年に講談社X文庫TEENS HEARTから『うふふルピナス探偵団』『ようこそ雪の館へ』の2冊が発売された。その後著者は少女小説家を卒業してしまったのだが、その後その2冊分を大幅に改稿し(『うふふルピナス探偵団』は「冷えたピザはいかが」と改題されている)+もう一編「大女優の右手」を書き下ろし、原書房ミステリー・リーグから『ルピナス探偵団の当惑』として2004年に単行本化された。今回はその原書房で単行本化されたものの文庫化である。X文庫版も、原書房版も読んだのに、また買って読んでしまった。普段なら文庫で756円なんて高い!!と思ってしまう私ですが、元々の文庫がそれぞれ400円、420円だったことを考えると2冊文+αで756円は安い!そして、面白い。10年間で3つの出版社にまたがって発売されていることからもその面白さはうかがえると思う。たまたま密室の謎を解いてしまった事によって(その事件については本の中では詳しく書かれていない)、刑事の姉不二子が持ち込んでくる事件を、解決するように迫られる日々を送る彩子。彩子は友人であるキリエ、マヤ、そして憧れの人祀島くんとともに謎を解く。どうして殺人を犯した直後に被害者に食べ残したピザを食べていったか、 どうして血文字のダイイング・メッセージは鏡文字になっていたのか、どうして女優の死体から右腕だけが盗まれたのか。少女小説らしい軽妙さと、本格的な謎の融合が魅力的。彩子の恋がどうなっていくのかも気になる。秋に発売される続編『ルピナス探偵団の憂愁』も楽しみだ。

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    投稿日: 2007.06.18