
総合評価
(64件)| 4 | ||
| 21 | ||
| 27 | ||
| 2 | ||
| 2 |
powered by ブクロググリム童話を現代に落とし込んだ短編集。 なんとなくねっとり後味悪く終わるのがグリム童話を扱っている感があるな…と感じた
0投稿日: 2025.11.14
powered by ブクログ千早茜「おとぎのかけら 新釈西洋童話集」 2013年 集英社文庫 グリム童話やアンデルセン童話をモチーフに著者が大人の現代物語とした短編集。 こういうコンセプトの小説って珍しいし、おもしろかったです。 ただ僕がオリジナルの童話の記憶がおぼつかなくて… オリジナル童話を読み返してからだとまた違った印象になったかな。 だから半分以上はオリジナル作品のようにどきどきしながら読んでしまいました。 童話のオリジナル版って本当は結構怖いけど、本作もスリリング観もあり衝撃的な作品でもありました。 #千早茜 #おとぎのかけら新釈西洋童話集 #集英社文庫 #読了
2投稿日: 2025.10.25
powered by ブクログ西洋童話を現代風にした短編集。 モチーフは、ヘンゼルとグレーテル、みにくいアヒルの子、白雪姫、シンデレラ、マッチ売りの少女、ハーメルンの笛吹き男、いばら姫。 この目次をパッと目にした時、可愛いお話ばかり!と思うかもしれないが、千早先生にかかるととてもダークでゾッとするお話に変わってしまう。 でもちゃんと元の童話は生きていて、答え合わせしながら「これはあの部分か!」と謎解きしていける楽しさがあった。
18投稿日: 2025.09.20
powered by ブクログ一癖も二癖もある作品だった。お伽話のようにキラキラした世界ではなく、どちらかというと仄暗い性質をもつ作品たちだが、魅了されたのか一気に読み進めた。
1投稿日: 2025.09.20
powered by ブクログ一気に読みました。 おとぎ話の新しい解釈だけれども、話の筋は崩していない。 キラキラした物語もあれば、 人間て怖いな、 ホラー小説の方が怖くないのでは? と思う作品もあり、中に引き込まれる感じがした。 本当はこんなこと無いよね?と思うけれども実際にはどっかであるのでは? とも思わせてくれる部分もあり、一気に読んだことを少し後悔しました
13投稿日: 2025.09.12
powered by ブクログ童話をもとにしたコンセプチュアルな短篇集ということで、面白く読んだ。シンデレラがベースの「金の指輪」が救いもあって良かった。
28投稿日: 2025.08.10
powered by ブクログ西洋童話をモチーフにし、黒々とした欲望を恐ろしく美しく描いた短編集。黒い沼に足を踏み入れたらもう後戻りはできない。悪夢のような現実のような話にぞわっとした。
8投稿日: 2025.08.09
powered by ブクログ人の陰を避けて歩く本 なぜ家に帰るのか、お腹が空くから。 禍々しさやいびつさだって極めれば充分に人を惹きつける。 自分を脅かすものから逃げて、小さな勝ちばかり手に入れても肝心なものは見えない。 白梅は凛としてる 紅梅はぼってりとして女っぽ過ぎる 人の生活を覗く。一方的であるからこそ湧き出る感情。どの側面に欲情し満たされるのか、分からないから求め続け欲に溺れる。答えを見つけてしまったらもうその欲には反応しない気がして真新しいものを欲する。均等ではなく偏りがあるから楽しめる。 人に溺れ、己に溺れる。 生きていく上で何かに溺れられる人が上手く生きているのではないか。 一般的に歪んだと捉えられるような女性に感情移入することが多いみたいです。拒絶したくなるような汚さや醜さを纏い1人で立っているような人間に美しさをも感じます。そのまま生きて欲しい。私もそんな面も持ちたい。
3投稿日: 2025.08.08
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
さてさてさんのいつもながらのご丁寧なレビュー これはおもしろそう、と図書館予約 『「白雪姫」「シンデレラ」「みにくいアヒルの子」……誰もが知っている西洋童話をモチーフに泉鏡花文学賞受賞作家が紡ぎだした、耽美で鮮烈な現代のおとぎ話7編を収録した短編集。』 著者が巧みに落とし込んだストーリー 「おとぎばなし」とは はるかな隔たりを感じましたが 本質はこうなのかも?と 編集者が選んだ著者の大嫌いなはなし 嫌いということは直視したくないものがあるから…… それにしてもすごい ≪ 幼い日 ただ憧れの お姫様 ≫
24投稿日: 2025.07.28
powered by ブクログ短編ごとに、童話にも通ずるような独特の空気感がありました。きれいな言葉で語られるからこその凄みであったり怖さは、千早茜さんらしいもので素敵でした。
12投稿日: 2025.07.19
powered by ブクログあなたは、日本昔話と西洋童話のどちらが好きでしょうか? いつもながら唐突な質問で恐縮です。どちらもそれぞれに魅力があると思いますが、「桃太郎」や「かぐや姫」、「花咲か爺さん」といった、むかしむかしの日本昔話と、「白雪姫」に「シンデレラ」、「みにくいアヒルの子」のような西洋童話はどこか纏っているものが違うようにも感じます。 日本昔話は自然やコミュニティの大切さを強調し、善悪が曖昧な登場人物が多いのに対して、西洋童話は善悪が明確で、道徳的な教訓が強調され、王子やお姫さまなどの典型的なキャラクターが登場することが多い、大雑把な見方かもしれませんがそんな印象も受けます。特に子どもにとっては西洋童話はこんな思いに繋がっていく場合もあるかもしれません。 『恋を知らなかったので人魚姫の苦しみはわからなかったし、生真面目なところがあったので、言いつけを守らなかった赤ずきんの災難は自業自得な気がした』。 なるほど。かなり冷めた見方にも思いますが言わんとするところは分かるような気がします。この辺りを分析することで日本と西洋の考え方の違いを整理していけそうにも思います。 さてここに、千早茜さんが手がけられた「おとぎのかけら」という作品があります。幼い頃には馴染めなかった西洋童話を大人になってそれが『おこりうることなのだ』と理解したという千早さんが手がけるこの作品。「ヘンゼルとグレーテル」など7つの西洋童話を取り上げるこの作品。そしてそれは、あなたが知る西洋童話がこんな風に生まれ変わるのか!と驚愕する他ない物語です。 『お母さんに置いていかれるのは、はじめてじゃない。最初は怖くて目が回りそうだったけれど、もうすっかり慣れてしまった』とデパートの中で思うのは優香。そんなところに戻ってきたお兄ちゃんが『いくよ』と声をかけるのに『もう家に帰りたくない』、『家に帰ったらお母さんがいる。お母さんなんて、お酒飲んで寝てるか、あたしたちを怒るかしかしないじゃない。あたし、もう叩かれたくない』と返す優香。そんな優香に『あのね、今日はお母さんはおとなしいと思うよ。いつも飲むお酒の瓶にね、ぼく、薬を溶かしてきたんだ。ほら、飲むとお母さんが穏やかになるあのピンク色の薬。ぼく、少しずつ盗んでためてたんだ』と説明します。それを聞いて『お兄ちゃんはさすがだ』と『ちょっと嬉しくなった』優香。そんなところに『丸々としたおばさんが近寄ってき』て色々と訊かれはじめたためそんな場所を後にした二人。そして、歩き出した優香は、『昨日の晩は男の人が来たから、あたしたちは押入れに閉じ込められた』と昨夜のことを思い出します。『とろんとした目をした』お母さんは、男の人に押さえつけられると悲鳴を上げますが『その顔は笑ってい』ます。『大人はご飯を食べるより、あんなことが楽しいのだろうか』と思う優香。『夏の押入れは炊飯器の中みたい』と思う優香は、『お母さんの叫び声もうるさくて』なかなか眠れませんでした。『もしかしたら、お母さんはもう起きないかもしれないよ。あの薬飲むと、お母さん長く寝ちゃうじゃない。ぼくさ、たくさん薬いれちゃったんだ』と話すお兄ちゃん、優香は『でも、そんなことしていいのかな?お兄ちゃん警察につかまっちゃわない?』と心配します。そんな時、『金色の髪をした細い』『女の人がぬうっと』現れます。『お兄ちゃんがあたしの手をひいて逃げようと』する中、『女の人はにっと笑うと「待って、待って、警察に言ったりしないから」とざらざらとした声で言』います。そして、『ねえ、ほら、ガムあげるよ』と言われつい手を伸ばしてしまった優香に『あんたたち面白いね。母親殺して、家出してんの?』と訊く女に『殺してません、お酒の瓶に薬をいれただけです…でも、家出はしているので、警察には言わないでくれると助かります』と返すお兄ちゃん。それに『いいよ、黙っててあげる』と言う女は『さて、じゃあ行くか』、『飯食わせてやるよ』と続けると二人を『ファミレスに連れて』行き、『何でも好きなものを食べていいよ』と話します。『あたしはグラタン、お兄ちゃんはハンバーグ、それにチョコレートパフェやジュース…』と『夢中になって食べ』る二人は女の人と会話します。そんな中で『ぼくたちお金が欲しいんです。お腹が減っても家に帰らなくていいように。何かぼくらにできること知りませんか?』と訊くお兄ちゃんに、『生きるために何でもするってこと?』と確認する女の人。そして、『暗くなるまでファミレスにいた』という中に二人は眠ってしまいました。やがて先に目を覚ました優香は、まだお兄ちゃんが眠っているのを見ます。そんな時、『ねえ、あんたセックスって知ってる?』、『服を脱いで、ちょっと痛いのとかくすぐったいのとか我慢するだけなんだけど』と訊く女の人に『あ、それなら見たことあるかも』、『お兄ちゃんは嫌いみたいだけど』と答える優香に女の人は『おいでおいでを』すると『耳元でひそひそと』話しはじめます。『お兄ちゃんのためにそれできる?じっとしていたらいいだけだから。たくさんお金もらえるよ、なんでも好きなもの食べられるよ』、『家に帰らなくてもいいくらい。お兄ちゃんもすごく喜ぶよ』と話す女の人。それに『うん、わかった。我慢する』と答える優香に女の人は『いい子だね。でも、セックスのことはお兄ちゃんには内緒だよ』と口止めします。そんな時、お兄ちゃんが目覚めます。『この子がね、仕事してくれるって言うから、これから連れていってくるよ』と言う女の人に『何の仕事ですか?ぼくも行きます』と返すお兄ちゃんですが、『多分、あんたは中に入れてもらえないよ。たいした仕事じゃないし、そんなに長くはかからない。ここにいなよ』と言われます。しかし、『すぐ終わるなら、外で待っています。それにこんなところに子どもが一人でいたら変に思われます』と言うお兄ちゃんに『それもそうか』と呟く女の人は二人を連れ『大通りを抜けて、細くて暗い道に入ると大きなマンション』へと向かいます。そして、『ひとつのドアの前で』立ち止まりボタンを押す女の人。やがて、『ほんの少しだけ、ドアがひらいて低い声が聞こえてき』ました。『本当に二人とも連れてきたのか。女の子だけがいいんだが』、『ついてくるってきかないんだよ。まあ、他の部屋でまたせとけばいいだろう』と会話する二人。そして、『ほら、あんた行きな』と優香は背中を押され、『影のように』一緒に『ドアをすり抜け』るお兄ちゃん。そんな優香の『頭の上で大きな男の人が女の人に何枚もお金を渡し』ます。『後で迎えにくるからね』と言うと部屋を後にした女の人。『音をたててドアが閉められ』『鍵の音が広い玄関にがちゃりと響』きます。そして、『こっちにおいで』と『目を細めて笑う』男の人。まさかの状況に陥った優香とお兄ちゃんのそれからが描かれていきます…という最初の短編〈迷子のきまり〉。童話〈ヘンゼルとグレーテル〉を千早茜さんの解釈で現代に蘇らせた好編でした。 “本当に幸せなのは誰か?現代のおとぎ話7篇 シンデレラ、白雪姫、みにくいアヒルの子など代表的西洋童話を現代日本に置き換えた短篇集。童話の結末に疑問を抱く著者が見つけた、それぞれのハッピーエンドとは?”と内容紹介にうたわれるこの作品。「おとぎのかけら」という書名につけられた「新釈西洋童話集」という副題が内容を暗示しています。 この作品には7つの短編が収録されていますが、それらは内容紹介にある通り誰もが知っているような童話の数々を土台にした物語が描かれているのです。この前提を知った時、私にはひとつの作品が思い浮かびました。三浦しをんさん「むかしのはなし」です。「桃太郎」や「かぐや姫」、「花咲か爺さん」など7つの日本の昔話を しをんさんなりの方法で絶妙にアレンジして生まれたこの作品は相当にかっ飛んだ展開が魅力です。そして、そんな しをんさんはこの千早さんの作品にコメントを寄せられています。 ”神話性が感じられて、しかも生々しくて躍動感がある。とても刺激的で、おもしろいです”。 しをんさんの作品の”おもしろい”とはまた別方向の”おもしろい”を存分に楽しませてくれるのがこの千早さんの作品です。そんな千早さんがこの作品で取り上げたのは同じ7つでも西洋の童話というところが興味深いと思います。小さい頃、”日本昔話を好きになった”という千早さんは、一方で”西洋童話にはうまく馴染めなかった”とおっしゃいます。 “お姫様や王子様やお城と言われても想像しにくかったし、悪者退治のやり方は恐ろしい根絶の匂いに溢れていた。恋を知らなかったので人魚姫の苦しみはわからなかったし、生真面目なところがあったので、言いつけを守らなかった赤ずきんの災難は自業自得な気がした”。 しかし、大人になっていく中で”人類の歴史の方がさらに残酷で理不尽だと知り、自分にも嫉妬や憎しみがあることを実感した”という千早さんは、”西洋童話に描かれていることは、おこりうることなのだと思った”とおっしゃいます。とは言え、”西洋童話はあまりにも遠い世界の香りが強いせいか、どこか他人事で、安心して読めてしまうところがあって、それではぬるいと感じ”られたいう千早さんは、こんな方針を立てられました。 “話の筋は大体そのままで、既存のモチーフを鏤めて、その中で血や肉を持った西洋童話の登場人物がどう感じたかを描きたかった”。 そして、生み出されたのがこの作品に収録された7つの短編ということになります。この作品が生み出されるまでのなんとも興味深いお話です。では、この作品がどのような西洋童話を取り上げているかを見ていきたいと思います。元となる物語をご存知でない場合もしくは忘れてしまったということもあると思いますので、ChatGPTさんにこんなお願いをしてご協力いただきました(笑)。 “○○○○のあらすじを100文字以内にまとめてください” はい、ChatGPTさんはそれぞれ見事にまとめてくださいました。私の方では、それに合わせて比較するようにそれぞれの作品の概要をご紹介する、このような趣向でいきたいと思います。 ・〈迷子のきまり〉: 「ヘンゼルとグレーテル」 - ChatGPTさん: “森に捨てられた兄妹ヘンゼルとグレーテルは、魔女の家にたどり着き、捕まるが、知恵を使って魔女を倒し無事に帰る”。 → 『広いデパートの中で』わざと迷子になった優香とお兄ちゃん。お兄ちゃんは母親が『いつも飲むお酒の瓶に』『薬を溶かしてきた』と語ります。しかし、そんな話を見知らぬ女の人に聞かれてしまった二人は、ファミレスでたらふく食事をさせられた後、見知らぬマンションの一室へと連れて行かれます。 ・〈鶴の森〉: 「みにくいアヒルの子」 - ChatGPTさん: “みにくいアヒルの子は、周りから仲間外れにされていたが、成長するうちに美しい白鳥に変わり、幸せを見つける”。 → 通勤電車の中で具合が悪くなった会社員の堤。電車を降り、会社に休むことを電話した後、一歩下がったところで人にぶつかります。それは『滋賀の山奥』の小学校のクラスメイトだった翔也でした。『一度、異物だとみなされたら、もう終わり』という雰囲気の中で小学校時代を送る堤に対して『苛めて下さい』という見た目の翔也は…。 ・〈カドミウム・レッド〉: 「白雪姫」 - ChatGPTさん: “白雪姫は、邪悪な魔女に命を狙われ、逃げて七人の小人と暮らす。魔女の毒リンゴで眠りにつくが、王子のキスで目覚め、幸せに暮らす”。 → 卒業後も母校の『美大に』『事務員として』残ったのは『わたし』。叔父の奥様である『美智子先生のデッサンの授業にも顔をだして』雑用をする『わたし』。一方会う度、『描いているか?』と尋ねてくる叔父の部屋で『転がった真っ赤な絵の具に触れ』る『わたし』に、『それは毒だぞ。カドミウムが入っている…』と注意する叔父…。 ・〈金の指輪〉: 「シンデレラ」 - ChatGPTさん: “シンデレラは、意地悪な義母と姉たちに苦しむが、妖精の力で舞踏会に行き、王子と出会う。ガラスの靴で身元がばれ、幸せな結婚を迎える”。 → 『父は明治の頃から続く大財閥の長男』というのは静(せい)。『金銭的に不自由することはな』いという静は中学時代にピアノのレッスンで一人の女性と『ほんの一瞬通じあ』います。そんな彼女が去った後に『小さな金色の指輪』が床に落ちているのを見つけた静。しかし、彼女は引っ越してしまい…。 ・〈凍りついた眼〉: 「マッチ売りの少女」 - ChatGPTさん: “寒い夜、マッチ売りの少女は誰にも買ってもらえず、マッチを擦りながら幻想を見て温まろうとする。最後に天国で幸せな死を迎える”。 → 『少女が慣れた手つきでマッチを擦る』のを見るのは『私』。『ベッドに腰かけ』ると、俯いて『幼さの残る表情』を見せる少女の横には『避妊具の入った籠が置かれ』ています。『マッチの本数』を数えているという少女は、『マッチの箱』がなくなったらここから『出ていける』、『あれがね、最後のひと箱なの』と話します…。 ・〈白梅虫〉: 「ハーメルンの笛吹き男」 - ChatGPTさん: “ハーメルンの町はネズミに悩まされ、笛吹き男が退治を約束。報酬をもらえなかったため、彼は笛で町の子供たちを誘い、連れ去る。町は後悔し、子供たちは戻らない”。 → 『正月帰省し』た際に、祖父の『形見分けで押しつけられた』盆栽を見るのは『俺』。『一か月が経った頃』、梅の花が咲きます。一方で営業で赴いた場所でカフェに入った『俺』は『色の白い女性』が気に入りちょくちょく通うようになります。そんなある日帰宅すると、盆栽が『イボ状のもので覆われ』美樹が悲鳴をあげていました…。 ・〈アマリリス〉: 「いばら姫」 - ChatGPTさん: “「いばら姫」は、魔女に呪われて100年眠り続ける姫が、王子にキスされ目を覚ます物語。二人は結婚し、幸せに暮らす”。 → 『一週間前に仕事を辞め』『ずっと実家にいる』のは真由。そんな真由は『数か月前からよく眠るようになった』、『最近は一日二十時間近く寝ている』という祖母のことを見ます。『起きている間は少女に戻る』という『認知症の症状がでてきた』祖母。そんな祖母を見る度『何をかはわからない』ものの祖母が『待っている』と確信する真由。 7つの短編はいずれも誰もが知る有名な西洋童話ばかりです。上記ではその冒頭を簡単にまとめただけですが幾つかの作品はそれでも元の童話の色が顔を出しています。しかし、この作品は元の童話をそのままに描くことはありません。そこには、日本を舞台にした現代小説らしい物語が展開します。そんな中でも特に衝撃を受けたのは「マッチ売りの少女」をベースにした〈凍りついた眼〉でした。上記で短く触れた文章だけでも、ひとりの少女が危うい環境に置かれていることがわかります。そして、そこに描かれていくのは衝撃的な”エログロ”の世界を垣間見る物語です。これには驚きました。この作品を含め7つの物語には必ずしもハッピーエンドが待っているわけではありません。それは、元の童話がそうでないのと同じです。”悪意も、優しさも、美しさも、醜さも”すべてが現実世界にも起こりうることを描く千早さんの”新釈西洋童話”をまとめたこの作品。そこには、千早さんらしく、人の心の奥底を炙り出すような残酷で理不尽な西洋童話の”新釈”な物語が描かれていました。 “直視したくない何かから目を逸らさないことで、私なりの解釈が生まれていった” そんな風に作品を生み出す過程を語る千早茜さん。この作品にはそんな千早さんならではの解釈により現代に生まれ変わった7つの西洋童話が描かれていました。息を呑むリアルな描写に読む手が止まらなくなるこの作品。元の物語の本質を上手く落とし込んでいくこの作品。 今度は千早さんが”新釈”した日本昔話も読んでみたい、そんな期待も抱いてしまう印象的な作品でした。
299投稿日: 2025.07.16
powered by ブクログ千早茜さんの書き言葉の美しさがより染み出していて、怖いしグロテスクかもしれないけど、とても美しかった。
2投稿日: 2025.07.03
powered by ブクログ本書は童話を現代に落とし込んだ短編集。 「西洋童話に描かれていることは、起こりうることなのだと思った。ただ、あまりにも遠い世界の香りが強いせいか、どこか他人事で、安心して読めてしまうところがあって、それではぬるいと感じた。」 とのこと。このあとがきが興味深く、千早茜さんという人物を少し知れた気がした。
0投稿日: 2025.06.16
powered by ブクログねっとりどろどろ重たいものが多かった 特に白梅虫。 言葉は美しく綺麗だけど、だからそこより怖く感じた。
0投稿日: 2025.05.28
powered by ブクログみんなが良く知る童話をアレンジした作品。ハッピーエンドもあればバッドエンドもあり、絶妙なバランスの短編集。 千早さんらしさが滲み出ていて、どのお話も良かった。 「禍々しさやいびつさだって、極めれば充分に人を惹きつけるんだ」 千早さんの文章は、相変わらず静かで綺麗だなぁ。 『金の指輪』が素敵!
11投稿日: 2025.04.26
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
西洋童話をベースにして、しっかりとジャパニーズホラー(?)な感じに仕上げられてる…! もう、全体的にくらーーーーい感じではあるし、しんどいけど、後引く感じではないかな…と。 濃紺な世界が広がってます
0投稿日: 2025.03.22
powered by ブクログ西洋童話を現代風にアレンジした作品。ハーメルンの笛吹きが一番読後に残るゾッとする感じが強く印象に残った。
0投稿日: 2025.02.09
powered by ブクログ初めて読んだ千早茜さんの作品です。 西洋のおとぎ話を元にした短篇集で、バッドエンドもハッピーエンドもあります。 バッドエンドは影のようなねっとりとしたような暗い感覚が付き纏いますが、むしろ引き込まれていきます。 元になったおとぎ話の内容を知らなくても楽しめました。
0投稿日: 2025.01.08
powered by ブクログ皮膚をめくられるようなぞわぞわした感覚、千早茜さんのお話には、どこか毒みたいなものが含まれている。 西洋童話のどこか恐ろしくて、でも何だかリアルなところが、まさしく新釈という感じ。 今回すごく疲れている時期に読んだけど、また元気な時には違う解釈になりそうだなと思いました。
12投稿日: 2024.11.29
powered by ブクログ【2024年197冊目】 ヘンゼルとグレーテル、みにくいアヒルの子、白雪姫、シンデレラ、マッチ売りの少女、ハーメルンの笛吹き男、いばら姫と誰もが知る童話を元に描かれた現代の寓話。時に美しく、時に恐ろしい7つの物語。 あとがきによれば、どの西洋童話を元にするかは編集さんが選んでいて、筆者にとって「大嫌いな話ばかり」をベースにしているという本作。相変わらず文章と表現の美しさに惚れ惚れしながらも、ぞっとしたり、心を打たれたりと楽しめる短編集でした。 人間の底にあるおぞましさを描いた「凍りついた眼」と女の執念が毒々しい「白梅虫」に、幸せを掴んだ「金の指輪」と「アマリリス」、物語と物語の対比がすごい。一見ジェットコースターのような短編集ですが、じわじわと忍び寄るような余韻がどのお話にも共通してあるのはさすがと言ったところです。 お話同士のギャップで風邪をひかないようお気をつけを。
0投稿日: 2024.10.30
powered by ブクログ誰もが知るおとぎ話をモチーフにした7つの現代物語。 「迷子のきまり」はヘンゼルとグレーテルを下敷きにする。 おとぎ話は残酷なものも多かった。 だいぶ前に、本当は残酷だったおとぎ話、のような書籍が流行ったことがあった。 それを思い出させる、なんだか嫌な感じのする物語だった。 私はとっくの昔に大人になって、世界は綺麗事だけでは成り立ってはいないことも、 汚くて卑しくて目を背けたいことが多いことも知っている。 だから、そのうちの一つ、児童買春があることもわかっている。 だけど、小さな命を産んで育てる身としては到底許し難いし、理解もしたくない。 もし我が子が被害者になったら、私は自身の自由も立場も、全てを捨てたって構わないから加害者に報いを受けさせようとするだろう。 一方で、子供を邪魔にする物語の中の母親の気持ちもわかる。 男性に依存はしなくとも、この子達がいなかったら、とありもしない成功した人生を思い浮かべたことも一度のみならず、あるのだ。 そんな自分の心の二面性をまざまざと突きつけられる物語は読んでいて苦しい。 だから最後の物語の、「アマリリス」には救われるような思いだった。 何かを信じて待つのも、自ら動き出すのも、どちらも選択肢としてはありで、それが一概に幸不幸を決めるものではないことも。
6投稿日: 2024.08.29
powered by ブクログ千早さんの西洋童話の現代的な新解釈により、童話の内容を身近な出来事として自身の想像の範疇に置き換えることができ、童話の「裏の意味」を考えさせられた。あとがきで、千早さんは「西洋童話にはうまく馴染めなかった」と記されているが、私も小さい頃、童話の世界観に対して心躍らせられながらも若干の恐ろしさを感じていたような記憶があり、なんとなく共感できる部分があった。今振り返ってみると、それは、キラキラしたベールを纏う「教訓性」や「勧善懲悪」への気づきや違和感のような感情だったのかもしれないと思った。本作は、その辺りをうまく掬い取っており、人間のドロドロとした恐ろしさ、醜さ、それらの背景となる社会問題がより顕著に感じられる内容になっていると思う。一部の童話をはじめ、民話や伝承の「裏の意味」を紐解くと当時の社会の構造や問題が浮き彫りになるのかと面白く感じられ、民俗学系の本を読んでみたいなと思った。
0投稿日: 2024.07.25
powered by ブクロググリム・アンデルセンの童話に含まれる問題、構造、関係性を現代に移しかえ、作者流に展開させた7つの物語。 「ほんとうは怖いグリム童話」みたいなのが一時期はやった気がするが、その怖さをたっぷりとすくい出して広げたような感触が各話にある。 追い詰められた時、自分の気持ちを抑えられない時、嘘をつきたい時・・・わき上がる暗い衝動と、どう向き合うのか。直視したくない人間の心理が、物語の奥底で待っているよう。しかもその底には、 「自分を見つめるのは時間の無駄だと思います。別にあるがままでいいじゃないですか。」と考える、"白雪姫"がいたりする。
1投稿日: 2024.07.13
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
6編からなる短編集 どれも少し闇があるお話で、なんともゾワゾワする読後感。 『迷子のきまり』 死ねないから生きるしかありませんから。 『カドミウム.レッド』 あるがままでいいじゃないですか。 そんなに頑張らないでニコニコしていたらいいのですよ。 ちょっと恐ろしいお話の中にも、心に泊まる言葉があってよかった。 私は『カドミウム.レッド』が好きだった。
4投稿日: 2024.07.13
powered by ブクログ本当は恐ろしいグリム童話系好きだけど、 普通に短編集やと思って読んだほうがいい サブタイトルとか、どう合致するかわからん。 ちょっと忙しくて間が空いたけど 読了できた
3投稿日: 2024.07.09
powered by ブクログ七編の短編集。サクッと読める短さだけど、心の中は全然スッキリしない。それが最高! ネグレクト、苛め、嫉妬など、どれもずっしり重たい内容。 私のお気に入りはふたつ。 「鵺の森 みにくいあひるの子」 苛めは、いつでも誰でも標的になり得る。自分は標的にされたくないと思う気持ち、焦り。プールの場面とか、すごいリアルに想像できた。 「金の指輪 シンデレラ」 千早茜さんの、「透明な夜の香り」を思い出した。洋館や草花が連想させるのかなァ。風景を思い描きながら読んだ、気持ち良いお話。 風景とか、においとか、なんでこんなに伝わりやすく書けるんだろう。
2投稿日: 2024.06.17
powered by ブクログ有名童話の独自アレンジ。ヘンゼルとグレーテル:ネグレクト気味の幼い兄妹が支え合う、のような。 子どもが辛い思いをする話ばかりで、無理やり感情を動かされる感じがなんとも苦手でした。 いまの自分が求めるものではなかったな…ここにエンタメは見出せない。
0投稿日: 2024.06.17
powered by ブクログ有名なお伽話を題材にした短編作品。生々しい話が多くて読むのに苦労した。 この方は本当に繊細な文章を書くなと思った。
1投稿日: 2024.02.18
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
・答えは単純だったのだ。望まないことは叶わない。何をしたいのかわかっていないわたしが待ち続けても、何も起こるはずはなかった。
3投稿日: 2023.12.08
powered by ブクログ千早茜さんの織りなす、現代版の西洋童話。 ご本人のあとがきでは「話の筋は大体そのままで、既存のモチーフを鏤めて、その中で血や肉を持った西洋童話の登場人物がどう感じたかを描きたかった」と語られていた。 いやぁ、とても斬新でダークな世界観だった笑 やはり香りに纏わる描写が秀悦な作家さんだ。 以下、全7章の簡単なレビュー 私は特に「白梅虫」ハーメルンの笛吹き男と、「アマリリス」いばら姫、この2作品の西洋童話からの転換が独創的で印象に残った。 「迷子のきまり」ヘンゼルとグレーテル 背筋がゾクっとした。お兄ちゃんが用心深くて知恵があって良かったが、母を殺めた罪は消えない。兄妹だけで生きる道を探すのは余りに危険だ。その姿が痛々しくて悲しかった。 「鵺の森」みにくいアヒルの子 苛める側は苛められた側のことを覚えていない。だが逆は違う。蓋をしたい過去の記憶。本当に罪深いのはその記憶を正当化することだと思った。 「カドミウム・レッド」白雪姫 女同士の目に見えない嫉妬や情念は、時に理性を掻き乱す。2人の女性の心の在り方は、どちらも白雪姫とは言えないと思った。7人の小人に代わる7人の男がもう少し活躍して欲しかった。 「金の指輪」シンデレラ ガラスの靴の代わりが指輪という設定に無理がある。指だって成長と共に大きくなる。この違和感のせいで全体的にぼやけてしまい残念だった。しかも最後のオチが平凡過ぎるのでは・・・ 「凍りついた眼」マッチ売りの少女 小児性愛者のお話。生理的に受け付けなかった。行為をする側から観察する側になることで性的興奮を覚える主人公。それが招いた悲劇。この作品が1番ダークだった。 「白梅虫」ハーメルンの笛吹き男 梅についた虫が逃げていく鈴。確かに鈴のおかげで虫は居なくなった。でも鈴には力が宿っていた。身勝手な男には天罰が降る。女って恐ろしい。衝撃のラストは、もはやホラーの域だった。 「アマリリス」いばら姫 既婚男性との不倫。そこに何を望み何を信じているのか。自分でも答えが出せないことは、待ち続けても永遠に叶うことはない。 主人公が自分で決めて導き出した答えが、明るい光を感じるもので良かった。
17投稿日: 2023.11.22
powered by ブクロググリム童話やアンデルセン童話をモチーフにした作品には、原作とはまた違った良さがある。 子供向けじゃない現代版おとぎ話が七篇。 妖しい物語や苦味を伴う物語が楽しめる。 個人的にシンデレラをモチーフにした『金の指輪』が好き。 童話以上にドラマティックな仕上がりになっていて、とても良かった。
4投稿日: 2023.11.21
powered by ブクログモチーフとなった童話のエッセンスを匂わせ、うまく描き出している。全体的に、最後は読者をうまく着地させてくれる。毒々しいが、あとに引きずることがない印象。 ただ、ぐっと引き込まれた作品が、ひとつ。読後に何かが、残るなぁ。良い感触だ。
1投稿日: 2023.11.11
powered by ブクログ土台にモチーフとなった童話の要素が敷き詰められている。教訓めいた内容や、残酷性が、現代版にブラッシュアップされているため、とても読みやすかったです。シンデレラの物語がとくにお気に入りです。
1投稿日: 2023.11.09
powered by ブクログおとぎばなし要素が本当にかけらだった。現代日本が舞台になっていながら、なおかつ幻想的、そして残酷な物語だった。それぞれの元となる童話のタイトルは記載されているけれど、なくてもそれはすぐにわかる。キーとなるモチーフはしっかり描いてあるし、展開も大筋元になる童話に沿っている。辿り着く先が同じとは言わないけれども。 この作品が千早茜さん初だったのだけれど、他作品を読む参考になるのだろうか‥?
1投稿日: 2023.10.15
powered by ブクログ西洋の童話を身近に感じることが出来た。千早茜さんの生々しい解釈好きです。読み終わった後も心に残る感じ。面白かったです。
2投稿日: 2023.07.27
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
本来残酷だと言われている西洋童話を現代に置き換えることで、より残酷かつ風刺的に感じた。文章が美しかった。 7編のうち「シンデレラ」だけがわかりやすいハッピーエンドで、1番好きだった。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 「白雪姫」「シンデレラ」「みにくいアヒルの子」……誰もが知っている西洋童話をモチーフに泉鏡花文学賞受賞作家が紡ぎだした、耽美で鮮烈な現代のおとぎ話7編を収録した短編集。
1投稿日: 2023.06.01
powered by ブクログこのレビューはネタバレを含みます。
西洋童話をモチーフにした短編集。 現代の日本が舞台になっているのに不思議と幻想的で禍々しく、まさにダークファンタジーの世界観。毒々しくて耽美で、ゾクゾクした。 ヘンゼルとグレーテルがモチーフの『迷子のきまり』とシンデレラがモチーフの『金の指輪』がお気に入り。 『金の指輪』の、なんだよちくしょう!お幸せに!!と言いたくなるような素敵な終わり方、とっても好きだ。 マッチ売りの少女がモチーフの『凍りついた眼』も男達の歪んだ一方的な欲と、後味の悪い結末のせいで印象に強く残っている。 思い出しただけでなんだか鼻奥に血の臭いが漂う。気持ち悪いし不愉快なのだけど、怖いもの見たさで惹きつけられるような、そんな気分。 大好きな千早茜さんの世界観をたっぷり堪能した読書時間だった。
1投稿日: 2023.05.18
powered by ブクログ千早茜さん。よく名前を聞くものの、はじめて読む作家さんでした。 編集者に選んでもらったテーマ(西洋童話)を、著者の解釈で書いた短編集。 ヘンゼルとグレーテル みにくいアヒルの子 白雪姫 シンデレラ マッチ売りの少女 ハーメルンの笛吹き男 いばら姫 読みながら、江戸川乱歩の物語みたいだなって思った。 乱歩みたいな不気味さ、グロテスクさ。そして少し耽美な。 マッチ売りの少女なんてさ、もともとかわいそうな話なんだけど、それを現代的にされると、目を背けたくなるような話。 シンデレラのお話だけは、王子の立場からの解釈で、希望がもてるラストだった。 子どもの時、童話が好きではなかったという著者。本当に幸せになれたのは誰か?という疑問をひとつひとつ解消していけた…とあとがきにあったが、え!この本では特に誰も幸せになっていないのでは?!と私はびっくりしてしまいました。そもそも、幸せとは何かっていう話なのかな。 うーん、奥が深いというか、なんというか。難解だわ。
6投稿日: 2023.05.14
powered by ブクログお姫様になれなかったあなたへ。本当に幸せになれたのは誰か-?西洋童話をモチーフに紡がれた、美しくも恐ろしい七編。 初めての千早茜san。 あとがきの千早sanの言葉のとおり、西洋童話は、あまりにも遠い世界で、どこか他人事で、安心して読めてしまい、”ぬるい”と感じられた。これに、現代に生きる人の感覚や価値観を入れ、既存のモチーフを鏤(ちりば)めて、その中で血や肉を持った登場人物が、しっかりと描かれていました。 花火大会の日、幼い兄弟はわざと母親とはぐれ・・・の「迷子のきまり」から、不倫に悩んで実家に戻った私は、認知症の祖母の過去を知って・・・の「アマリリス」まで。この”わざとはぐれ”で心惹かれました。 お気に入りの登場人物は、「鵺の森」の翔也、「カドミウム・レッド」のわたし、「金の指輪」の笠原さん、「白梅虫」の夕さんなど。みんなどこか残酷で、悲しくて、でも美しい。 文体が村田沙耶香sanの様な、登場人物が『白夜行』(東野圭吾san)の亮司や雪穂の様な印象を受けました。とっても好きな世界観です。 素敵な作家sanに出会うことができました。 他の作品も順に読ませていただきます☆
1投稿日: 2023.05.05
powered by ブクログ御伽噺を元にした短編集。「白雪姫」が好き。原作に近い感じの子供向けではないお話が多いです。大人向けですね。
2投稿日: 2023.04.11
powered by ブクログ乙子話をモチーフにした短編集。 要素はあるけれど、ちょっとおどろおどろしく、読後感が良いものではないけど、物語から童話の要素を感じて面白く読んだ。
1投稿日: 2023.03.23
powered by ブクログ千早茜さんは割と好みの作風で、文庫本化されてる作品は7割方読んだところで。集英社から発刊されている作風だけは好みではないことがわかった。西洋童話を元ネタに千早さんの目線で物語られる「おとぎのかけら」ヘンゼルとグレーテル、白雪姫、シンデレラ...元ネタも大概なお話なんだけど、そこに千早さんのセンスが合わさると結構性格の悪い物語になっていて、悪意を持って描かれる悪意というヤツは消化不良を起こす。と。
1投稿日: 2023.02.26
powered by ブクログ大人になってからグリム童話(原作)を読んでみたことがあります。 あまりのギャップに途中で断念したと思います。 本作はあとがきにその経緯がありますが、グリム童話と対比させながら読むことができ、そのときに、改めて気づきがある(かもしれません)と。 世の中はきれいごとだけではなくて、裏がある。 それをはっきり描いていたのが、グリム童話(原作)であるし、 さらにそれを現代の日本に置き換えたのが本作である。
27投稿日: 2023.01.03
powered by ブクログさすが千早作品。短編集ながら、どれもゾワゾワです。あっという間に読ませられてしまいます。「金の指輪」が好みなんて言ったらまだまだね、なんて言われそう。
2投稿日: 2022.04.02
powered by ブクログ生々しくて耽美で、毒と血で溢れている。渦の中に引き込まれるように読み進めた。他の作品も読んでみたい。
0投稿日: 2021.07.29
powered by ブクログ雑誌の書評を読んで興味が湧き、読んでみました。 子供の頃イジメのターゲットにしていた「みにくいアヒルの子」である同級生と大人になって再会した・・・とか、「ヘンゼルとグレーテル」は親からDVを受けていた・・・とか、誰もが知る童話をそのモチーフを活かしながら現代日本に置き換えた短編集です。 上手にリメイクされていて著者の筆力の高さは分かったけれど(子供向け童話前の)原作同様に後味が悪く、読むのが辛い作品が多かったです。 特に「マッチ売りの少女」の読後はサイアクでした。 そんな中、「シンデレラ」は数少ないハッピーエンドでホッとしたし、「白雪姫」はコワイけど登場人物皆のそれぞれの心理を突いてる感じがよかった。
0投稿日: 2020.01.22
powered by ブクログ西洋の童話をモチーフに描かれた短編集です。 面白かったです。 元になったお話は知っていますが、こんなに暗く残酷な闇を感じるお話になるなんて…と思いました。 「凍りついた眼」(マッチ売りの少女)、「アマリリス」(いばら姫)も好きでしたが、一番は「カドミウム・レッド」(白雪姫)です。 「カドミウム・レッド」は、美とは…を考えてしまいました。主人公の毒と歪みから目が離せません。 「望まないことは叶わない」。肝に命じます。 あとがきで、モチーフになった童話は編集者の方々が選んでいたそうですが、見事なくらい大嫌いな物語が選ばれたと千早さんがおっしゃってて興味深いです。他の童話も読んでみたいです。
0投稿日: 2019.03.12
powered by ブクログ酷評、に近いレビューもいくつか見たけれど、割と好みの作品だったな。露悪的で、ほの暗く陰鬱。その雰囲気は嫌いじゃない。同じようなコンセプトの「むかしのはなし」(三浦しをん)よりモチーフとなった童話とのリンクがわかりやすくてその点も良かった。
0投稿日: 2017.06.18
powered by ブクログ昔・・・中学生か高校生のとき・・・作者も名前もおぼえてないけど、同じようにグリムだかアンデルセンとかをモチーフにした短編小説を読んだことがあります。 そのころが子どもだったせいもあるんだろうけど、その作品のすごく怖くて。 いま、大人になったせいもあるんだろうけど、この作品はあまり・・・怖くない。 インパクト弱い不気味系。 少し切なさ系、だったら、大人になった今だからこそのいい小説になったかもしれないんだけどなー・・・。(意味不明でゴメン)
1投稿日: 2017.06.07
powered by ブクログ子どものころに誰でも読んだり聞かされたりしたことがあるだろう、グリムやアンデルセン童話をモチーフに、現代の日本を舞台にした物語が7編。著者は泉鏡花文学賞受賞作家で、ホラーともファンタジーとも言いがたい、美しく怪しげで不気味な話ばかりです。 モチーフとなっているのは、『ヘンゼルとグレーテル』、『みにくいアヒルの子』、『白雪姫』、『シンデレラ』、『マッチ売りの少女』、『ハーメルンの笛吹き男』、『いばら姫』。パロディなどではなく、言われなければ西洋童話がモチーフだとはわからないぐらい、オリジナリティあり。ハッピーエンドの話も若干あるものの、ほとんどは死を感じさせるもの。特に『ヘンゼルとグレーテル』が基の『迷子のきまり』と『マッチ売りの少女』が基の『凍りついた目』は、悲惨な目に遭っている子どもが描かれているので、なんとも心が痛みます。 この作家への興味を引くにはじゅうぶんな作品。もっと読んでみたいと思いました。
0投稿日: 2017.04.27
powered by ブクログ耽美というよりは気味悪い印象を受けました。あまり好みではないかも…。 どのお話もゾワゾワするけれど、虫は特に駄目だわー! 想像もしたくない(苦笑)。
0投稿日: 2016.06.13
powered by ブクログ初めましての作家さん。 本当は怖いと言われる西洋童話。 本作は化け物よりも人間が怖いっていう感じのお話し。 ザワザワと皮膚の表面を撫でる冷気のような不気味さが 淡々とした文章の中から滲み出るような感じがたまりませぇ~ん 「金の指輪」と「アマリリス」は(´▽`) ホッとする話だけど、 この感性には痺れますなぁ~。他の作品も読んでみよう。
0投稿日: 2016.03.19悲しくて、残酷・・・。
童話って、残酷な現実をオブラートに包み込んで伝えたものだと思う。 虐待・貧困・抑圧って、何時の時代もアリ、その時代の物書きが後世に伝える為書いたのかなって・・・。現代版で読むとリアル・・・救いは美しき表現力ですよね。 現実は、もっと残酷だと思うのです。
4投稿日: 2015.07.13ほんとは怖い○○みたいな
誰もが一度は聞いたことのある西洋童話をモチーフに,現代日本の物語として描いた作品です。正直,あまり気持ちの良いものではありません。 中でも「マッチ売りの少女」を元にしたものは・・・。 そもそも,寒空の街中で「マッチを買ってもらえませんか?」ってどういうことなんだろうと思いませんでした? あぁこういうことね,という感じと,あらがえないほどの貧困が招く悲しさがなんとも言えず,後味が良くない。 描写はさすがだと思いますが,他の作品を読んでみてからの方が良いかと。
0投稿日: 2015.05.04
powered by ブクログジャケ買い 中身もダークメルヘンな感じで楽しめた 鵺の話は昔の黒乙一を思い出すようなテイスト 色んな味が1話ごとにあって、飽きることなく読めた
0投稿日: 2015.02.09
powered by ブクログあとがきを雑にまとめると「西洋童話を現代の個人レベルで描いて安心しては読めない話にしました」ということか。執念深くてひやりとしていて『魚神』より好きかも。特に<鵺の森(みにくいアヒルの子)><カドミウム・レッド(白雪姫)><白梅虫(ハーメルンの笛吹き男)>は好み。<金の指輪(シンデレラ)>は結局綺麗な話じゃないか!と思いつつも嫌いじゃない…。
0投稿日: 2014.10.02
powered by ブクログこれもほぼジャケ買いだった。 どれも読後感がいいとは言えないと思うけど、とても面白かった。 子供むけ絵本では童話ってとてもキラキラしたものとして扱われているけど、実際はそうでもないのよな、と改めて実感させられた。
0投稿日: 2014.08.03
powered by ブクログ童話をモチーフにした短編集ということだけど、まったく別ものだと思う。最近の若い作家にありがちなポエムっぽいぶつ切り文章だった。ストーリーは面白いと思うけど、文体がきらい。物珍しくもないし、たいした感動もない。位置としてはオムニバス・テレビドラマの原作くらいのもの。
0投稿日: 2014.04.20
powered by ブクログ表紙買い。グリムなど西洋の童話はわりとえぐい話が多いので、どんな風に組み替えられるのかなあと思い、読みはじめた。童話モチーフだと言われなければわからない。ダークな現代物短編集 ただ、童話の幻想的で浮世離れしている雰囲気がある。どれも白昼夢のような短編
0投稿日: 2013.11.11
powered by ブクログ望まないと、手に入らない。 という言葉が刺さった。 全体的には、元の話を知っているから、ああ、こういう表現をしたんだな、と照らし合わせがあって、やっとおもしろいと思える程度。
0投稿日: 2013.10.19
powered by ブクログ「本当は怖い~」に代表される様に、童話の多くは教訓、警告といった要素を含んだ作品が非常に多いです。内容も時代を反映した表現、描写をしています。 この作品はそうした警鐘を鳴らす原作からインスピレーションを得て、作品の設定をより恐ろしく、残酷な物語として書き上げています。 原作とは一味違う恐怖をご賞味あれ。
0投稿日: 2013.09.07
powered by ブクログ西洋の童話を現代的なモチーフを用いて書き換えた短篇集。 取り上げられている作品は『ヘンゼルとグレーテル』『白雪姫』『シンデレラ』等、誰でも知っているもの。 その現代的なモチーフがありきたりのネタだった点はマイナスだが、逆に安心して楽しめる内容であるとも言える。 しかしこの手のネタは、どうしても倉橋由美子の『大人のための残酷童話』『老人のための残酷童話』を思い出してしまうのだが、倉橋由美子が描き出したような『毒』を、『おとぎのかけら』から感じることは出来なかった。
0投稿日: 2013.09.05
powered by ブクログ馴染み深い西洋の童話を、現代日本で再現した短編集です。 すべてが、見事な翻案。 一見、現代の小説であるようなのに、本当に見事なまでに、元になった童話!です。 中には、闇をたたえた話もあるけれど、元々、童話は、闇の物語でもあるし。 全部好きで、どれが一番なんて、決められませんが・・・。 『カドミウム・レッド』が、読んでいる時からすごく好みだったのですが、最後の榎本正樹さんの解説を読んで、「あ、そう言えばそうだったー!」という事に気付いてしまうと、一層、深く感じられたり。 あー、でも、どれも本当に好き!
0投稿日: 2013.08.25
powered by ブクログ女の意地悪い視点で描いている。男ではこの、夏の汗をかいた後に入るクーラーの室内みたいな居心地の悪さ、それを周知されるいたたまれなさは描けないと思う。
0投稿日: 2013.08.22
