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もしもし、還る。
もしもし、還る。
白河三兎/集英社
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総合評価

53件)
3.2
3
11
24
7
1
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    図書館にて借りる、第234弾。 (神戸市図書館にて借りる、第43弾。) 楽しめない。楽しくない。 作者の自己満足作品としか思えない。 小説なんてものは、基本的に自作自演だが、これは酷い。 この作者の作品はどれも結構好きだっただけに残念でならない。 と、今回は辛口評価。 次作に期待したい。

    0
    投稿日: 2025.04.07
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    ある日、目覚めると砂漠のど真ん中。 砂漠のど真ん中に降ってきた電話ボックスに入る事は出来るけど、外に出ると砂になる。 何かの事件に巻き込まれたのか、誰の仕業なのか。 砂漠は死後の世界なのか、生と死の狭間なのか。 砂漠での出来事と砂漠に来る前の出来事が行き来して描かれてるんだけど、至る所に伏線が散りばめられてるので、後半の伏線回収になるほどなあと。言ってる事を理解する事は出来るんだけど、何が何処で伏線回収されてるのか一度読んだだけでは混乱するので、理解するまでに時間がかかる。 現在から過去に戻っても過去の出来事を精算する事は出来ないし、何をしたところで後悔と失敗は繰り返すものなんだなあと。救われるなら良いけど、余計に不幸を呼ぶ可能性があるなら現在の世界で頑張るしかないんだと思う。 出てくる人達の性格がみんな歪んでる気がして、何だか誰にも共感する事が出来なかったんだけど、生きる希望も愛も何もなかったシロさんが砂漠の世界を経験して、愛を見付けられたのは良かった。どうか幸せになってほしいと思う。

    1
    投稿日: 2023.10.01
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    読んでいる途中にレビューを見て、『なんだかぼやっとした読後感』と言っている人が多かったから不安だったけど私は『ぼやっ』がよかった。 SF小説丸出しのくせしてエンタメだけじゃない感じ。親とわだかまりを抱えている身として、主人公には感情移入してしまいました。

    1
    投稿日: 2023.01.08
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    このレビューはネタバレを含みます。

    スリリングな展開や、少し不思議のSF設定、ミステリー仕立ての流れが良かった。 電話ボックスが不気味で超時空的なモチーフとして効果的。スマホや携帯、パソコンでは、この回顧と現代が交錯する切なさは出ない。 エンディングが「生」と「死」どちらに転ぶかで、この作品が駄作になるか良作になるか決まる、と思って読んでいた。 全体に立ち込めるペシミスト、アイロニー、空虚感から、「生」でないことを願いながら読んだ。「生きる希望を見出して前を向く」結末なら、あまりに陳腐で三文芝居。だか、そこはある程度期待通りでよかった。多少予測のつく結末でありながら、表現は退屈にはならず、まぁまぁよい。 気になったのは人物像。もう少し深みのある描写をしてほしかった。 年齢や「セックスフレンド」の設定、デートのシーンや会話の端々…それらが短絡的で、エンタメ小説のチープさを感じて興醒めさせる。 描写されていないバックボーンまで想像を膨らませ、登場人物それぞれに自分の過去を重ね合わせられるような描き方があればなお良かった。 伏線は右往左往に撒き散らしてあるのを回収するので、何度も読み返した。それはマイナス点ではなく、星と星を繋ぎ合わせて浮かび上がる星座のような構成で楽しめた。 忘れた頃にまた読みたい。

    0
    投稿日: 2022.08.14
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    砂漠に電話BOXが落ちてきて中に入ったら電話BOXから出た部分は出ると砂になってしまう。持っている小銭の発行年の年に電話が繋がる。最後まで不思議でよくわからんかった話

    0
    投稿日: 2021.12.08
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    先の読めない展開、幾重にも張り巡らされた伏線と複雑な構成は他の作品と同様。 しかし、導入から暗い雰囲気なのもいつもの通りだが、そこからの解放がうまくいってないように感じる。 事実が明らかになる度に重苦しくなっていき、それでもラストにはきっとと思っていたが、ラストの描写がはっきりしないのだ。 物語の一つの主眼が「生を選ぶかどうか」だったから、あの結末が一つの答えになっているのは理解できる。 それでも、登場人物たちのその後は気になってしまうものだ。 本作の大森望の解説で気づいたが、私は白川三兎の作品に登場する女性キャラクターが好きだ。 自分の信じるものがどんと自分の中心にあって自立しており、それでいて上手に人に甘えられるような人。 本作のキリも同様。 好きになったキャラクターには幸せになってもらいたい。 本作は惜しかったが、白川三兎の作品も4作目の読了となった。 作風もつかめて好きな作家の仲間入り。 まだ単行本でしか出ていない作品が多いみたいだが、読み進めていきたい。

    0
    投稿日: 2020.10.07
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    ちょっと待て。もう一回読み返さないとしっかりとした感想が述べられないぞ。 決して解り難くて面白くないって訳じゃない。 私個人の好みだけど『ばら撒かれた布石が終盤に連鎖反応的に一気につながる衝撃』ってのがケタ違いに込められている気配はプンプンするんですが、布石のばら撒き方が時間軸を超えて彼方此方にあり過ぎて一読では拾い切れん。 先ず、一読目はこんな感じ。でも近々2回目を読みたくなる一作です。

    2
    投稿日: 2018.11.11
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    砂漠で目覚めても奇妙に動じないドライな二十八歳の志朗の元へ更に電話ボックスが降って来るシュールさ。砂になってしまう為ボックスの外に出られず、大学時代からのセフレとの日常の傍ら明らかになる過去の殺人や過去との通話含め謎だらけの状況に引き込まれたものの、終盤は生きたさにも上手く乗れずよくわからなかった。

    0
    投稿日: 2018.10.10
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    中盤くらいまではテンポも良くて面白く読めたんだけど最後の方はなんだかごちゃごちゃしてわかりにくかったなぁ。 自分に理解力がないせいかわからないけど。 ただ幸せを幸せだと感じることの出来ないシロはなんだか可哀想だと思った。でもキリと出会えてやっとほんとうの幸せに気付く事が出来てよかった。

    0
    投稿日: 2018.08.15
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    ジャンル分けしづらく 人にも勧めづらい だけど売り払わず手元に置いてる自分 もう一度読みたいと思っているのかもしれない。

    0
    投稿日: 2018.03.17
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    このレビューはネタバレを含みます。

    白河三兎らしいなぁと読み始めての印象だったが、読了後はちょっと残念だったかなぁ。投げっぱなしになってる謎がいくつかあって(俺に読み解けなかっただけかもしれないけど)もうちょっと丁寧に俺みたいなんにでも分かるように、細かめに描いて欲しかった。 この本を読む前のリアル話だが、親の愛情を受けない子供って結構たくさんいるっていう現実を受け入れるが難しかった。「親や大人が俺を愛してくれない」なんてのは、思春期の思い込みだと香ばしいというか甘酸っぱいのだが、現実に「子供を愛せない」とか「親から愛されてない」となると、実にツラい。「そんなら産むなや」というのは外野としては簡単なんだけど、そんな単純じゃない人らも大勢いたりする。しかも虐待とか育児放棄とか、そういう明らかに保護を要する状態じゃなく、暴力も受けないし衣食住はそれなりにケアしてもらっている、が愛されていないって子もおるみたいで、そういうの目に見えない分やっかいである。 じゃぁどうしたらいいのか?なんて解決策は出てこない。愛せないものを愛する方法を知ってるなら、恋愛とか思いのままってことになるわけだし、そんな器用な便利なテクニック持ち合わせてないし… 自分の子供が可愛くて、まぁまぁ人並みに心をこめて育ててこれたことが、すごく幸せだったんだと、この本を読んで改めて感謝できた次第。

    0
    投稿日: 2017.05.25
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    このレビューはネタバレを含みます。

    ジャンルをどう表したら良いのだろう。SF?ミステリー?その両方か。 目が覚めたら唐突に沙漠、しかもどうやら現実ではないらしい空間。ここは一体何なのか?に終始するかと思いきや、話は主人公の過去に繋がっていく。 SFな部分はどこまでも理解不能なものであり続け、しかし現実の謎に対して答えを与えていく。分断されているようですべてが繋がっているという感覚が、物語の展開とも重なり、不思議な感動のようなものを覚えた。

    0
    投稿日: 2017.02.13
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    洒脱なキャラ、無駄のない文章、題材はキャッチ―かつエモーショナル。後半の詰め込みは圧倒される一方ごちゃっとして消化しきれなかった。再読したい。

    0
    投稿日: 2016.07.29
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    進みがかなり早くて、スリリング。その点は好みなのですが、後半部分がうーん。主人公が目覚めるとそこは砂漠のど真ん中、そこに降ってくる電話ボックス。119番するものの、そこで自分は死んでいるのだということを告げられた上、外に出ていた左足が消失。電話に書かれたD or A.謎が謎を呼ぶ展開に、60P程で期待値はMAXだったのですが、期待が大きすぎたのか…。最終的に鮮やかに伏線を回収してくれたので読み返しはしたいです。題名は「帰る」ではなく「還る」、そこから主人公のその後を考えるのも面白い気もします。

    0
    投稿日: 2016.01.11
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    白河三兎の、ファンタジーミステリ。 はじまりが突拍子もなく、世界観を浸透させながら、主人公の人間性や起きたことを開示していくスタイル。 著者らしく、文章もキャラクターも現代的で、ミステリとしても丁寧、展開も強弱が上手いので、読み易い良質のエンタメといえる。 ただし、今回は「著者が作り出した世界で、著者が作り上げた謎を、著者が作り上げた倫理観で解明する」という当然のことが、最後まで違和感として残り続けた。 設定やストーリーとの相性もあると思うが、好きな作家なので、こういう感触は気になる。 とはいえ、今後も読む。 3+

    0
    投稿日: 2015.07.31
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    不思議な物語。ジャンル不明。恋愛小説? ややこしいけど、別に分からなくてもいいかな。 シロとキリの会話が微笑ましい。

    0
    投稿日: 2015.05.19
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    目が覚めるとそこは赤い砂漠の上。 電話ボックスの中。 公衆電話の向こう側にいる人たちとのやりとりから還るべき場所を探す。 さらさらの現在とぐるぐる巡る過去から鍵を探す。 自分は誰と繋がっていたいだろう。 誰の存在が自分をこの世に繋ぎ止めてくれるのだろう。

    0
    投稿日: 2015.04.16
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    1503 題名に惹かれて手に取りました。読み進めるとぐいぐいと世界観に引き込まれてあっという間に読破。伏線の回収が上手く、最後まで楽しめました。

    0
    投稿日: 2015.03.30
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    タイトルに騙されるな!内容概要に騙されるな!!ふざけな会話に騙されるな!!!SF満載の設定に騙されるな!!!!憂いと諦めの塊だ!!!!!

    0
    投稿日: 2015.03.07
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    目が覚めるとなぜか砂漠に・・・という最初から?なスタートなのに「ぐるぐる」と「さらさら」というパートが交互にあり何何?と思わされ見事に引き込まれていった。シロの悲しい過去が胸をつくけど、謎のせいかそこまでの悲壮感がなくある意味潔かった。最後もよかった。

    0
    投稿日: 2014.10.21
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    目覚めると砂漠。服装はパジャマ。いったいどういうことだ? あらすじを読んだ誰もが、砂漠に電話ボックスって何だ、いったいこの話はどこに読者を連れていくんだと思うはず。【さらさら】というパートと【ぐるぐる】というパートが交互に進んでいき、少しずつ主人公のことが明かされていく構成。どうしてこうなったのか、という読者はもちろん主人公自身も教えてほしいと願っていることが巧みにひも解かれていく。 砂漠に呑み込まれていくように、じわじわとに読むのがオススメ。

    0
    投稿日: 2014.09.21
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    大筋はSF設定のミステリー。 砂漠にて突如降ってきた電話ボックスに閉じ込められそこからの脱出を試みる。 過去と現在を交互に描く形式。 時間小説でもあり恋愛小説でもある。 大森望の解説も見逃すな

    0
    投稿日: 2014.09.17
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    「もしもし、還る」白河三兎◆目が覚めるとそこは真っ赤な砂漠、そこへ落ちてくる電話ボックス、巡る記憶。僕は生まれてこなければ良かったね。SFミステリとしては面白いのかもしれませんが、SFが苦手なせいかなんとなく好きになれず。息をするような自然さで相手を気遣える主人公を羨ましく思う。

    0
    投稿日: 2014.09.02
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    謎の本。ファンタジーは苦手なのに、ぐいぐい読まされてしまった感じ。 ほんとは何なの?という気持ちが、ちゃんとすっきりしてよかったです。

    0
    投稿日: 2014.08.14
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    このレビューはネタバレを含みます。

    「還る」は「帰る」と違って「まわり巡ってもとに戻る」意味がある。そう考えると、キリが母親不在となるきっかけを作った9歳の僕も、キリに志朗の名前を刻んだ28歳の僕も、18歳の僕に100円玉を残した28歳の僕も、全部が何かしらの形で時間と空間をまわり巡ってもどってきている。そして親の愛も殺意も全て子へ巡って還ってくる。ただキリの愛だけが注がれるまま、どこへも巡ってもどってこない。それがやっと主人公の体を巡り、彼女のもとへ還るという強い意志になったのではないかと思う。無事にキリのもとへ還り、役目を果たした主人公は作中の映画に倣うなら死という保留された現実へ向かうのみだが、1円玉に願ったものがまだ巡りもどってきていない。主人公の結末も保留になったということだろうか。

    0
    投稿日: 2014.07.19
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    途中までは先が見えないストーリーでありながら、全てが解決することを期待して読めましたが、最後は消化不良となってしまいました。

    0
    投稿日: 2014.05.16
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    「ねえ、これが何かの罰だとは考えられない?」 「あなたは何か罪を犯しているんですか?」 「生きるということは罪を作り続けることよ。違う?」 「私たちにあるのは後悔だけね。人生を限りないものと考えていて、ずるずると先延ばしにしていたことがいっぱいあった」 『僕たちは不安定な世界に住む不完全な生き物なのだ。』 『一人でも生きていける逞しさを姉貴から教わった。自分の頭で考えろ。人に依存するな。信念を持て。偏見に屈するな。』 「そのうち、忘れますよ」 「そんな中途半端な恋愛をするような子に育てた覚えはないんだけど」 「三歳の子供にどんな教育していたんですか?」 「恋愛に年齢は関係ないって一歳の頃から躾けているのよ」 「英才教育ですね」 「現世かあの世、どっちかはわからないけど必ず会おうね。もし来世で会うことになったら、私ともセックスしてね。バイバイ」 「楽しみに待っています。さようなら」 「今、こうしている間にも砂漠が広がっているのをシロは感じることができる?」 「できない」 「それと同じこと。見えた時には手遅れなのよ」 「僕はどうすればいいんだ?」 「私としっかり手を繋いでいれば平気よ」 「不安を煽るだけ煽って、役に立たない高価な物を売り付ける悪徳商法みたいだ」 「いいじゃない。これはタダなんだから。さあ、ご飯を食べに行こう」

    0
    投稿日: 2014.05.14
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    SFミステリとしてはすごく上手くて伏線の回収も見事。 雰囲気は米澤穂信のボトルネックに似てました。問題は私がSF好きじゃないことだけだった。だるいです。

    0
    投稿日: 2014.04.26
  • 大人向け、暗め。だけど面白い。

    昨年ダ・ヴィンチのプラチナ本と紹介されていてずっと興味を持っていた本です。 抗えない何かに巻き込まれながらも最善を模索しようとする主人公。 電話ボックスの中にいる現在と、主人公の思い出(過去)が交錯し、離れ、また交わる。 いくつかの有名なパラドックスが登場し、物語が展開するうえで重要な役割を果たします。 個人的にこういう伏線貼りまくり計算しまくりの構成は大好物です。 主人公や他の登場人物の持つ性格のせいか全体的に低めのトーンで、結構ディープな話も淡々と語られていきます。 最終的に最善の選択をしたはずの結末も決してGOODENDという感じではないのですが、 それでも私の読後に残ったのは不快感ではなく奇妙な満足感でした。

    5
    投稿日: 2014.04.05
  • 評価が難しい

    映画ゴーストを楽しめた方、タイムスリップ物が好きな方には楽しめると思います。現在の日本の若い人たちの心情を上手に描いています。私はもう若くありませんが、それでも主人公の心情に共感できる部分があり物語に引き込まれました。一方、作中全体を覆う主人公の心の闇となる部分が私自身の心をもネガティブな方向へ引張る方向へと導いていたと感じたため、これに良い評価を付けてよいものか悩みました。しかしながら、物語の最終局面で大切なことを書いてくれていたと思ったため、そこに救われ、私の中での評価が決まりました。

    0
    投稿日: 2014.03.22
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    なぜ砂漠に電話ボックス? ここから、どんな展開になるというのか? あり得ない状況なのに、不思議とパニックにもならず 読めば読むほど、引き込まれる

    0
    投稿日: 2014.03.02
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    このレビューはネタバレを含みます。

    白河三兎は『私を知らないで』に続いて二作目。 粗いけど、「砂漠」という設定も最後まで読めば意味があって、面白い。 しかし何より、『私を知らないで』同様、タイトルが秀逸。 「私はひた向きに愛し続けた。割に合わないこともたくさんあったけど、見返りなんて求めていなかった。ただ心の赴くままに愛したい人を愛しただけ。」 「自分で真実を見つけろ。真実は自分の中にしかないんだから。あるジャングルの奥地で暮らしている原住民たちは市h急が平らだと信じている。でも彼らは丸い地球の上で穏やかに暮らしている。彼らには『地球は平らだ』っていうのが真実であって、それに満足して過不足なく暮らしている。  彼らの真実心にこそ真実があるんだ。」 「今、こうしている間にも砂漠が広がっているのをシロは感じることができる?」 「できない」 「それと同じこと。見えた時には手遅れなのよ」 「僕はどうすればいいんだ?」 「私としっかり手を繋いでいれば平気よ」 「そしていか僕の背中に手をかける。逃げ切れないのだろう。なら、振り返る必要はない。見えないものの正体を探そうとするのは、時間の無駄だ。  振り返る暇があるなら、少しでも遠くへ逃げよう。一歩でも遠くへ逃げて、一秒でも長く平穏な生活を送ろう。」

    0
    投稿日: 2014.02.25
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     率直な感想は「んー何とも。」という曖昧なもの。とんでもない背景シチュエーションでどう話が広がるのかと思って読み進めれば、タイムパラドックスもの。過去と現在?の二パターンで話が進んでいく作品。途中に「親殺しのパラドックス」が出てきて、これがバックボーンなんだろうなと気付され、パラドックス作品は難しいよ、と主人公が仄めかしているにも関わず、この作品はパラドックス作品としてはしっかりできていたと思います。  伏線はほとんど後半で回収されると書いてあったけれど、結局あの空間は何なのか?砂漠の車の会話は?9歳と18歳の時は生き返っているけれど、今回は・・・となんだか腑に落ちないところもありました。  それと、これは好みでしょうが、どうにもこの作者の行間の描かれ方が合わなく、あまりのめり込めなかった。

    0
    投稿日: 2014.02.02
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    徐々に真実が見えてくる緻密な構成のおかげで、退屈することなく読むことが出来た。 ただ私にとっては、登場人物がどこかありきたりで、深みがないように感じた。 大掛かりな設定ほどには、読んだ後に残る中身が無い印象。 好みが分かれる作品では。

    0
    投稿日: 2014.01.25
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    途中でこれは映画の『主人公は僕だった』的なお話なのか??と思ったら違った。 SFで非現実的なエンタテインメントのようで、かなり現実的。私はそう思った。エンディングも良いと思う。 ただ、シロの人格とかキリとの関係とかが好きじゃないので星は2つ。残念。

    0
    投稿日: 2014.01.20
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    さくっと読み終わった。 クロスカッティング(っていうのかな…)で現在?と過去の話が交互に語られていくんだけど、読み始めはイマイチよくわからなかった(^^;; 読後感もイマイチすっきりしない感じはあるかなぁ。

    0
    投稿日: 2014.01.03
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    前半に、ばらまいた小さな伏線を過去と現在からめて回収するのは見事だけどキャラクター薄っぺらくて描写が物足りないかも

    0
    投稿日: 2013.12.10
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    「私を知らないで」がすごく良かったので、著者の違う作品もと思い、手に取る。 気がついたら、砂漠の電話ボックスに閉じ込められるというトリッキーな設定。トリッキー系は感情移入しずらく苦手なんだよな。 主人公の何か欠落しているのではと思うほどのクールさや、客観視し困難な状況でも淡々と話が進んでいく様は著者味を感じる。 「ぐるぐる」と「さらさら」

    0
    投稿日: 2013.11.21
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    ★★★☆☆ 驚愕シチュエーションのSF 【内容】 異様な暑さに目を覚ますと、「僕」は砂漠にいた。そこへ突如降ってきたのは、ごくごくありふれた電話ボックスだった。 【感想】 "朝起きたら砂漠にいた。空から電話ボックスが降ってきた"って脅威の設定から始まります。 設定のすごさに前半は読むのが止められません。 が中盤でちょっとネタバラシがあったくらいからダルくなります。 でも後半は一気に盛り返します。 要するにちょっと詰め込みすぎだったので、逆に単調になってしまったのでしょう。 あと、どうもキャラが立たないんだよな。全員著者の頭のなかの人って感じで同じ造形です。 『フォーン・ブース』のような設定なので、映像化したら面白いと思います。連ドラだな。毎週驚きを作れるし。 主演は森山未來さんか山田孝之さんかな。 【引用】 悪意のないお節介ほどたちの悪いものはない。それは時として悪魔のような独裁者よりも手強いのだ。

    0
    投稿日: 2013.10.25
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    文体が苦手(ノーベル文学賞候補と言われ続けている作家に似ている)。主人公に同情もできず、果たして現世に戻れるのか否かにしか興味がなかった。読後感よろしくない。

    0
    投稿日: 2013.10.17
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    星3.5っていうのが自分の評価でした。白河作品の長編はステレオタイプな父親・母親像が多くて作品数が多いわけではないのにちょっと飽きてしまいます。でもボートの上の女性が誰かっていうのがわかったときはちょっと鳥肌立ちました。話の展開は面白いので、キャラクターがネガティブなときの辻村作品みたいに陥らないようになってほしいなあと思いました。

    0
    投稿日: 2013.10.14
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    白河 三兎 『もしもし、還る。』 (集英社文庫・2013年9月) SFミステリと銘打ってはいるものの、SFというほどサイエンスじゃなく、ミステリというほど謎が解かれるわけじゃなし。 リーダビリティは上々、さらに構成力もなかなか。 同世代の作家が持ってないものを持っているのは確か。 しかし登場人物すべてに共感しづらい。 書きたいことは理解できるが、こういう話にする必然性を感じない。 しかもラストはどうやってもこの着地点しかないところに無難に着地。 うーん。あと2作、読んでみよう。 65点(100点満点)。

    0
    投稿日: 2013.10.04
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    「私を知らないで」的な作品を自分勝手に期待したせいなのだろうが、SF仕立てのミステリ小説とも呼ぶべき本作には肩透かしをくった感が否めない。「村上春樹」臭のする会話がやや鼻につくが、両親の愛情に恵まれないまま成長し世俗とのつながりに苦悩する若者の姿が活写されている。

    0
    投稿日: 2013.09.29
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    白河三兎の最新作。ミステリ作家として、またSF作家として、技量があるのはよく分かるんだけど、話としてはあまり面白くなかった。途中で読むのをやめようと思ったくらい。「プールの底に眠る」や「私を知らないで」と違って、胸キュン要素が皆無だったのが個人的には不満だけど、そこは私の趣味と合わなかっただけだから仕方がないか。(それに、SFはあまり好きじゃないんだよね…)

    0
    投稿日: 2013.09.29
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    安部公房風かと思いきや、どちらかというと村上春樹風。でも根本的にはミステリーなんだよね。答えを丁寧に提供しちゃっている。最後まで読者の想像に任せるような形にすれば、最高だったかも。基本的に大好きな作風ではあります。他の作品にも大いに興味が湧いてきました。

    0
    投稿日: 2013.09.27
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    異様な暑さに目を覚ますと、「僕」は砂漠にいた。そこへ突如降ってきたのは、ごくごくありふれた電話ボックスだった。・・・と異様な始まり方が気に入って購入。現在パートと過去パートが交互に進行していき、だんだんと繋がるにつれて、絶望感満載。ラストは・・・んー、なんとも切ない。

    0
    投稿日: 2013.09.17
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    始まり方がすばらしー。読後感も悪くなかった。 ちょっと自分の中で整理できなかった部分もあるからもう一度読もうと思う。

    0
    投稿日: 2013.09.08
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    このレビューはネタバレを含みます。

    「プールの底に眠る」「私を知らないで」は大好きなのですが、「角のないケシゴムは嘘を消せない」はちょっと苦手。 なので「角のない~」系の本作は、私にとってはなかなか難しい作品。伊坂幸太郎「オーデュボンの祈り」や三崎亜紀「刻まれない明日」を想起させる内容で、同じような印象を受けました。 イロイロ理屈っぽく考えすぎてしまうのが良くないんですかね。もっと素直に世界観などを受け入れられる頭があったら、違う印象を抱けるのかもしれません…

    0
    投稿日: 2013.09.07
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    パジャマで砂漠で電話ボックス。 そんな環境で自分のこれまでを振り返り。 色々思い出して考え直して、 日常に戻れるの? 注意深く読むと、繋がりがきちんと見えてきますので、慎重に。

    0
    投稿日: 2013.09.06
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    読み物としてはたいくつしないようにうまく構成されているなぁと感じる。 ただ、電話ボックスとか砂漠の世界とか、時空を超えなくても興味深いストーリーだったので、その構成力をもっと母や父、姉のキャラクターづくりに費やしたものを読んでみたいと思った。

    0
    投稿日: 2013.09.02
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    まだ読み始めたところですが、 作者の白河三兎は男性かな? もう当分読まないだろう。 この男女の会話の感じが嫌いすぎて、 読む気が失せた。

    0
    投稿日: 2013.09.01
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    目覚めたらそこは砂漠で、空から電話BOXが降ってくる。 電話BOXパートと過去パートが交互に進行する、不条理SFミステリです。 タイムパラドックスとか村上春樹作品に出てきそうなセフレ少女とかタイムカプセルとか、ベタなモチーフがたくさん出てきますが、それぞれの使い方や思わぬ繋がりが新しい。結構、力業を使ってますが… ラストには、もう勘弁してくださいと言わんばかりの残酷な真相が待ってます。

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    投稿日: 2013.08.27
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    砂漠で目覚める。電話ボックスが降ってくる。 あからさまな「ここはどこ?」系のステージ開始が思いっきりベタなんだけど、最後まで一気読みできまちた。いろんな糸がつながるにつれて、少しずつ寄せてくる切なさの予感。 この感じ、星新一。 あの世界を、文庫本一冊分にふくらませるとこんな風になるのかなあ、という印象だす。

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    投稿日: 2013.08.26